3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

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l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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調査概要2 2 調査テーマ 調査方法 調査時期 調査地域 対象 ❶ 回答者 483 名のうち 300 名 (62.1%) が 4 月か らの進路を に進学 ( 医学 歯学など六 年制課程や海外の大学を含む ) と回答しており 公的統計と比べて大学進学率が高い そのため 全体データの掲載は最小限にとど

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領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

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(4) 市からのお知らせについて 西宮市では 市民のみなさまに市政への理解と関心を深めていただき また市民サービスを円滑に利用していただくために 広報紙や放送 ホームページなどさまざまな媒体により 市政情報をお届けしています 市民のみなさまのご意見をいただき 利用しやすく わかりやすい情報提供となり

 

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2) 親子関係 家族との生活に満足している について と の調査と比較した 図 12-2 に 示しているように の割合は 4 かとも増加傾向が見られた 日 本 米 中

( その 1) 等の配点等 試験の区分国語地歴公民数学理科 外国語小論文実技面接配点合計 その他の選抜方法等 * * 1, 2 指定校推薦 社会人 計 * * 1, 2 1, 1, 2 計 1, 2 1, 1, 2 * * 指定校推薦 社会人 計 * * 1, 2 1, 1, 2 計 1, 2 1,

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Transcription:

Ⅲ での教育活動 での新しい学力 能力の育成と大学入試平成 25 年度からでの新学習指導要領が全面実施されている 新学習指導要領では 新しい学力観やその育成方法について示されているが 本調査でも 重視して取り組むべき事項として掲げられている学習や活動について 実施前との変化をたずねた その結果 言語活動 は 64.8% のが 増えた ( かなり増えた + 少し増えた の%) と回答 アクティブラーニング ( グループワークや討議 プレゼンなど生徒の能動的参加を取り入れた授業 ) が 52.9% キャリア教育 も 51.8% と 半数以上ので 増えた としている ( 図 3 1) の教育は変化しつつあるといえるだろう 特に キャリア教育 は 普通科の四年制大学進学率の低い層ほど 増えた との回答が高く 進学率 30% 以下 のでは 62.5% におよんでいる ( 図 3 2) 従前より普通科におけるキャリア教育の必要性については 指摘のあるところだが *1 進路多様校での変化が大きいようだ また 新しい学力 能力の育成については 意識の面でも でディスカッションやグループワークなど 講義以外の授業方法をもっと取り入れたほうがよい で今以上に探究的な活動を充実させたほうがよい はいずれも肯定率 ( とてもそう思う + まあそう思う の %) が8 割を超えており その必要性を感じているようだ ( 図 3 3) しかしながら一方で 現在の大学入試のもとでは 活用 や 探究 による新しい学力の育成がすすまない との 53.9%( とてもそう + まあそう の %) 普通科のみでは 57.9% と 6 割近くが感じている ( 図 3 4) 新しい学力 能力の育成と大学入試への対応のはざまでジレンマを感じているも少なくなさそうだ 推薦 AO 入試による早期合格者に対する取り組み 推薦 AO 入試による入学者が 大学入学者の 4 割を超える現在 それらの早期合格者に対して側ではどのような取り組みをしているのだろうか 全体では センター試験を受けさせている が 43.2% と最も多い ( 図 3 8) 学科別にみると 普通科と総合学科では センター試験を受けさせている が最も高いが 専門学科では 補習を行っている が 43.8% と最も高くなっていることが特徴的である ( 図 3 9) 専門学科と大学のカリキュラムの溝を埋める努力が側でなされているということであろう 一方においては 特に何も行っていない というも全体の 4 分の1 程度存在しているが 逆に言えば 4 分の 3 のでは何らかの取り組みを行っていることになる ( 図 3 8) また 本調査では 大学が推薦 AO 入試による合格者に対して提供する入学前教育について 側がどのように感じているかもたずねている (Ⅳ 章 ) 入学前教育を受けている生徒のいる ( 全体の 69.5%) のうちの 81.7% が 大学にはもっと入学前教育を充実させてほしい と感じており 入学前教育を受けた生徒の学習意欲が上がる と 83.0% が感じている ( とてもそう思う + まあそう思う の%)( 図 4 11) 入学前教育に対するの期待は高いようだ 他方 大学側では 推薦入試 ( 一般推薦 指定校推薦 ) を実施している学科の 69.6% AO 入試を実施している学科の 79.4% が入学前教育を行っている ( 図 4 1) 入学前教育を実施している大学では 入学前教育の課題として 大学入学前にどのような教育が必要か との検討が十分にできていない と 64.5%( とてもそう + まあそう の%) が感じている ( 図 4 9) そして実際に 関係者との意見交換 を行っているのは 14.0% 対象者のでの履修状況等の把握 を行っているのは 9.9% に過ぎない ( 図 4 8) 今後 入学前教育を充実させていくためには と大学との情報交換も必要となるだろう ( ベネッセ教育総合研究所研究員吉本真代 ) 22 *1 高等学校におけるキャリア教育の推進に関する調査研究協力者会議 2006 報告書 ~ 普通科におけるキャリア教育の推進 ~ 中央教育審議会 2011 今後の学校におけるキャリア教育 職業教育の在り方について ( 答申 ) など

3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった 次いで アクティブラーニング ( グループワークや討議 プレゼンなど生徒の能動的参加を取り入れた授業 ) が 52.9% と続いている また キャリア教育 も半数ので 増えた (51.8%) としている これらを属性別にみると キャリア教育 については普通科の四年制大学進学率別に大きな違いがみられた ( 図 3 2) 四年制大学進学率 30% 以下 では 増えた が 62.5% と最も高くなっている キャリア教育 の総時間数が多いかどうかは従前の キャリア教育 の取り組み度合いにもよるのでわからないものの 少なくとも新学習指導要領を受けてより変化しているのはこの層のようだ 新学習指導要領の実施によって ( 平成 22 ~ 24 年度の先行実施も含む ) 貴校では次の学習や活動が実施前と比べる とどれくらい増えたと思いますか 図 3 1 新学習指導要領実施後の変化 ( 全体 ) 習 にあたる学習や活動 活用 にあたる学習や活動 探究 にあたる学習や活動 言語活動 キャリア教育 アクティブラーニング 補習 増えた 32.9 変わらない った 答 65.0 1.3 40.2 57.9 1.3 0.5 34.4 63.8 1.1 0.6 64.8 33.6 0.2 51.8 46.3 0.3 52.9 45.3 0.2 18.9 79.4 1.3 22.9 75.2 1.3 0.5 Ⅲ での教育活動 図 3 2 新学習指導要領実施後の変化 キャリア教育 ( 学科別 普通科四年制大学進学率別 ) キャリア教育 普通科 総合学科 専門学科 増えた 変わらない った 51.8 45.9 1.9 54.2 45.9 5 48.1 答 81% 以上 61~80% 31~60% 30% 以下 38.5 59.3 0.7 43.0 53.6 2.7 57.4 41.7 62.5 34.8 2.4 注 ) 図 3 1 図 3 2 とも 増えた は かなり増えた + 少し増えた の % 減った は かなり減った + 少し減った の % を表す 23

3-2. での新しい学力の育成 現在の大学入試のもとでは新しい学力の育成がすすまないと考えるのは 5 割強 これからの教育における探究的な学びなどの新しい学力の育成に関してたずねた まず 授業方法について でディスカッションやグループワークなど 講義以外の授業方法をもっと取り入れたほうがよい は 85.6% 大学 75.3% が そう思う ( とてもそう思う + まあそう思う 以下同) と回答している 次に で今以上に探究的な活動を充実させたほうがよい も 82.5% 大学 69.7% といずれの項目も 大学ともに高い肯定率である さらに 新しい学力の育成への現在の大学入試の影響についてたずねた結果が図 3 4である 現在の大学入試のもとでは 活用 や 探究 による新しい学力の育成がすすまない の肯定率 ( とてもそう + まあそう ) は全体で53.9% と約半数 普通科の四年制大学進学率別にみると 61~80% の層で63.1% と最も高い と大学の接続に関する今後のあり方に関して あなたはどのように思いますか 図 3 3 教育の今後のあり方について ( 全体 ) 大学 でディスカッションやグループワークなど 講義以外の授業方法をもっと取り入れたほうがよい とてもそう思う 22.9 18.6 まあそう思う 62.7 56.7 75.3 85.6 で今以上に探究的な活動を充実させたほうがよい 16.1 13.9 55.8 66.4 69.7 82.5 貴校の大学受験における課題についてお聞きします 図 3 4 大学入試の新しい学力の育成への影響 ( 全体 学科別 普通科四年制大学進学率別 ) 現在の大学入試のもとでは 活用 や 探究 による新しい学力の育成がすすまない 全体 そう 53.9 そうでない 34.6 しない 答 わからない (%) 10.5 1.1 普通科 57.9 34.0 7.0 1.0 総合学科 56.5 30.6 11.8 1.2 専門学科 37.0 38.3 23.4 1.3 81% 以上 5 44.4 5.2 61~80% 31~60% 63.1 33.5 2.7 59.9 33.5 5.4 1.2 30% 以下 54.5 30.5 14.2 注 ) そう は とてもそう + まあそう の % そうでない は あまりそうでない + まったくそうでない の % を表す 24

3-3. 進路別のコース分けの実態と影響 進路別のコース分けを実施しているのは 64.9% 進路別のコース分けを実施しているは 64.9% で ( 図 3 5) そのうち 75.7% は 文系 / 理系コース である 文系/ 理系コース 分けの時期は 2 年生 4 月 が89.2% とほとんどである 進学者 / 就職者向けコース を実施しているのが32.5% 国公立/ 私立大学進学コース は25.1% であった ( 図 3 6) 次に 文系 / 理系 または 国公立 / 私立 別のコース分けをしているのコース分けのデメリットについての意識をみると 早期に受験に向けたコース分けをすることで 生徒の進路選択の可能性が狭まってしまう 早期に受験に向けたカリキュラムを学習させることで バランスのよい学力を育成できない のいずれも 肯定率 ( とてもそう + まあそう ) は3 割程度であった ( 図 3 7) 貴校 ( 募集定員がもっとも多い学科 ) では 進路別のコース分けを実施していますか 図 3 5 進路別コース分けの実施状況 ( 全体 ) 図 3 6 進路別コース分けの実施状況 ( 実施校 ) 実施している 実施していない 答 (%) 実施している に をつけた方にうかがいます 次のうち どのようなコース分けを実施していますか また 実際にコース分けが始まる学年と開始月もお答えください 文系 / 理系コース 進学者 / 就職者向けコース 国公立大学進学 / 私立大学進学コース 図 3 7 文理 国公 私立 別のコース分け有無別課題意識 ( 全体 ) 早期に受験に向けたコース分けをすることで 生徒の進路選択の可能性が狭まってしまう 早期に受験に向けたカリキュラムを学習させることで バランスのよい学力を育成できない 64.9 ⑴ コース分け %) 0 0 20 0 0 0 0 70 0 その 12.8 25.1 注 ) そう は とてもそう + まあそう の % そうでない は あまりそうでない + まったくそうでない の % を表す 32.5 文理 または 国公 私立 別のコース分けを実施している 22) 実施していない 0 ) 文理 または 国公 私立 別のコース分けを実施している 22) 実施していない 0 ) そう 75.7 0 2 9 200 注 1) 複数回答 注 2) ⑴ コース分け の対象は 進路別コース分けを 実施している と回答した 797 件 注 3) は ⑵ 開始時期 の質問の対象人数を表す 32.6 32.9 2.2 ⑵ 開始時期 1 位 2 位 開始時期 % 開始時期 % 2 年生 4 月 89.2 3 年生 4 月 6.3 2 年生 4 月 65.6 1 年生 4 月 21.6 3 年生 4 月 40.5 1 年生 4 月 29.5 しない 答 そうでない わからない (%) 64.1 1.0 2.3 25.1 51.7 22.1 1.2 3 64.8 2.9 24.2 52.1 22.4 1.2 Ⅲ での教育活動25

3-4. 早期合格者に対するでの取り組み 4 割強ので 推薦 AO 入試による早期合格者に対してセンター試験を受けさせている 推薦 AO 入試による早期合格者に対して 43.2% のが センター試験 を 24.4% が 資格試験 を受けさせていると回答している 一方 4 分の1のでは 特に何も行っていない となっている 学科別にみると 普通科と総合学科では センター試験を受けさせている が それぞれ50.6% 41.2% と最も多いが 専門学科については 補習を行っている (43.8%) と 資格試験を受けさせている (41.7%) が多い さらに 普通科の四年制大学進学率別にみると センター試験を受けさせている のは進学率 31% 以上 の層では6 割前後となっているが 30% 以下 の層では3 割となっている 貴校では 推薦 AO 入試で早期に進学先が決まった 3 年生の学力を保証するために 次のような取り組みを行って いますか 図 3 8 早期合格者に対するの取り組み ( 全体 ) センター試験を受けさせている 43.2 資格試験を受けさせている 補習を行っている 一 入試を受験する生徒とは別に や を えている 16.7 2 24.4 業 究 業 文を している 8.8 一 入試を受験する生徒とは別のクラスで授業を行っている 4.2 その 8.1 特に何も行っていない 23.0 推薦 AO 入試で進学する生徒はいない 0.5 注 ) 複数回答 図 3 9 早期合格者に対するの取り組み ( 学科別 普通科四年制大学進学率別 ) 学科別四年制大学進学率 ( 普通科 ) 別 センター試験を受けさせている 15.3 50.6 41.2 3 57.0 61.6 55.4 資格試験を受けさせている 19.5 29.4 41.7 8.9 12.9 27.7 24.1 補習を行っている 14.8 22.4 43.8 8.9 10.6 16.9 20.9 一 入試を受験する生徒とは別に や を えている 17.6 10.6 15.3 23.0 14.8 19.8 15.4 業 究 業 文を している 一 入試を受験する生徒とは別のクラスで授業を行っている その 6.1 22.4 14.5 5.4 2.4 9.0 4.7 6.0 学科 普通科 総合学科 専門学科 8.9 6.8 5.0 4.7 1 4.2 7.9 1.2 14.1 11.8 7.0 5.1 普通科四年制大学普通科四年制大学進学率進学率 81% 以上 61~80% 31~60% 30% 以下 特に何も行っていない 23.2 30.6 19.6 19.3 17.5 21.1 33.6 26 注 ) 図の は それぞれ学科別 進学率別に最大値と最小値に 20 ポイント以上の差があるものを表す

3-5. 教育の役割 教育の役割が 進学や就職のための準備教育 か 市民教育 なのかは半々に分かれる 教育の役割について次の2つの意見 A: 教育は 進学や就職のための準備教育としての役割を果たすことが重要だ B: 教育は 市民として必要な資質 能力を育成する教育として 独自の役割を果たすことが重要だ のどちらに近いかをたずねた 結果は 全体ではA:49.0% B:50.1% と ほぼ半々に分かれた 学科別にみると 普通科 総合学科ではほぼ同じ割合だが 専門学科では B の方がやや多い 普通科の四年制大学進学率別には進学率 61 80% のでやや A の方が多くなっているが あまり違いはみられなかった あなたの意見は A と B のどちらに近いですか 図 3 10 教育の役割に対する考え ( 全体 学科別 普通科四年制大学進学率別 ) 全体 普通科 総合学科 専門学科 81% 以上 61~80% 31~60% 30% 以下 教育は 進学や就職のための準備教育としての役割を果たすことが重要だ A に近い 49.0 B に近い 50.1 50.9 48.0 48.3 51.8 42.1 57.4 教育は 市民として必要な資質 能力を育成する教育として 独自の役割を果たすことが重要だ 46.6 51.9 55.1 43.4 52.9 46.3 48.2 51.4 注 ) A に近い は A に近い + どちらかといえば A に近い の % B に近い は B に近い + どちらかといえば B に近い の % を表す Ⅲ での教育活動27