第 5 学年図画工作科学習指導案 題材名 : 試して, つくって, 段ボール 1 日 時 平成 29 年 10 月 4 日 ( 水 ) 第 5 校時 2 学 年 第 5 学年 1 組男子 4 名女子 5 名計 9 名 3 場 所 第 5 学年 1 組教室 4 指導者 三原市立沼田西小学校篠﨑明音 学校教育目標 自ら伸びる 児童の育成 みる かく つくる 段ボールという材料をいろいろと試すことから, 材料としての可能性に関心を持ち, 表現を楽しむことができる 友達と作品を認め合いながら一つの街をつくることができる de 人づくり 学級で段ボールの街をつくることを通して, 一人では難しいことでも, 友達と力を合わせるとできるということを経験し, 協力することのよさを実感する 題材について 本題材は, 小学校学習指導要領の第 5 学年及び第 6 学年の目標 (2) 材料などの特徴を捉え, 想像力を働かせて発想し, 主題の表し方を構想するとともに, 様々な表し方を工夫し, 造形的な能力を高めるようにする に基づいている 内容面では,A 表現 (2) の イ形や色, 材料の特徴や構成の美しさなどの感じ, 用途などを考えながら, 表し方を構想して表すこと 共通事項 イ形や色などの造形的な特徴を基に, 自分のイメージをもつこと に重点を置く 本題材は, 段ボールという材料をいろいろと試し, 材料としての可能性を見付けて作品を作り, さらに友達の作品と組み合わせて一つの街をつくることを通して, 段ボールを使った表現を楽しんだり, 友達と協力して一つの作品をつくることのよさを実感したりすることに適した題材である 段ボールは, 組み立てて箱にしたり, 開いて板にしたりすることができるだけでなく, 切ったり, 丸めたり, 水に浸したりと, 大きさや強度を変えることが可能で, 児童が様々な表現を楽しむことができる材料であると考える また, 学級で一つの大きな作品をつくることを通して, 互いの表現のよさや, 協力することのよさを感じることができると考える
児童の実態について 図画工作に対する意識を客観的に把握するため, 次のようなアンケートを 9 月下旬に行った 結果は次の通り である 4 とても当てはまる 3 まあまあ当てはまる 2 あまりあてはまらない 1 全くあてはまらない ( 児童数 9 名 )(%) 項目 4 3 2 1 1 図画工作科の授業は好きですか 44 56 0 0 2 様々な材料や道具を使って遊ぶのは好きですか 100 0 0 0 3 物をつくることは好きですか 89 0 11 0 4 絵を描くのは好きですか 45 22 22 11 5 自分らしい作品をつくることができていますか 56 33 0 11 6 どんな作品をつくりたいかアイデアが浮かびますか 78 11 0 11 7 つくる時, 形や色を工夫しますか 45 22 33 0 8 友達と活動するのが好きですか 89 0 11 0 9 作品を観るのは好きですか 0 0 89 11 10 作品を観て, 感じたことを自分の作品に生かそうとしていますか 45 11 33 11 アンケートの結果から, 本学級の児童は図画工作科の授業が好きだということが分かる しかし, 鑑賞は好き ではなく, 児童からは, 作品のよさやおもしろさは言えるけれど, その活動自体は面白くないという意見が挙が った また, 作品を観て, 感じたことを自分の作品に生かすことに関しては, 他の人の作品のよさを取り入れよ うとしても, その人の作品のようにはならないから自分らしくつくりたいという意見が挙がった 5 月に行った 飛び出せ! 自分マーク では, 遠近法を用いていろいろな表現を試すことができた また, 表 現したいことがあるものの上手く表現できないという悩みを相談しアドバイスし合うことができた しかし, 話 し合いが一方的になりがちで, お互いの考えを深め合うということは難しかった どのように表現したらよいか なかなか思い付かなかった児童は, アイデアコーナーに行き, 積極的に友達の考えを参考にしようとし, 最終的 にすべての児童が自分なりに作品づくりをすることができていた みる かく つくる のポイント 指導に当たっては, まず一次で段ボールを使った造形遊びを行い, 様々な可能性を見付けられるようにする 段ボールの形を変えるだけでなく, 刷毛や手でポスターカラーを段ボールにつける活動も行い, 成果物を二次の活動に用いるようにする 二次では, 一次の成果物と, 新しい段ボールを用意し, 街づくりをする 段ボールタウンにあったらいいと思う建物や, 施設などを表していくようにする できた作品を街に置く際に, 友達の作品や場の関係などを考慮し, 配置を考えている児童を認め, みんなで一つの街をつくるという意識を高めるようにする 活動の途中で, それぞれがどのような街をイメージして, どのような活動をしたか共有する時間をとり, その後の活動に, より一体感をもって取り組めるようにしたい 三次では, 完成した街を鑑賞し, 個々の作品のよさやおもしろさと, 街としてのよさやおもしろさを感じ取らせたい さらに, 感じたことを友達と話し合い, 共感したり, 自分の考えを確かにしたりすることができるようにする
題材の目標及び評価規準 題材の目標 段ボールという材料をいろいろと試すことから, 材料としての可能性に関心を持ち, 表現を楽しみ, 友達と作品を認め合いながら一つの街をつくることができる 評価規準 育成しようとする造形への関心 意欲 態度発想や構想の能力創造的な技能鑑賞の能力 段ボールという材料をい 段ボールという 段ボールとい 友達の作品や, ろいろと試すことから, 材料をいろい う材料のよさ 完成した街の 共感力 材料としての可能性に関 ろと試すこと を生かして, よさやおもし 心を持ち, 表現を楽しも から, 材料とし その使い方や ろさを味わう うとしている ての可能性を つくり方を工 ことができ 友達と作品を認め合いな 見付け, 発想し 夫することが る がら一つの街をつくろう ている できる としている 本題材において育成しようとするとのかかわり 本校で育成したいは, 知識 スキル 1 2 自己表現力 意欲 態度 3 主体性 積極性 4リーダーシップ 価値観 倫理観 5 共感力の 5つである そのうち, 本題材で重点的に指導したいは以下の 2 点である 育成したい 本題材の学習を通して目指す姿 ( ) と育成するための支援 工夫 ( ) スキル 価値観 倫理観 1 どんな街をつくりたいか考え, イメージを共有し, その街をつくるために, 段ボールの使い方や作品の配置等をいろいろに試すことができている みんなで一つの街をつくるということを意識して活動している児童を認め, 一体感をもって活動に取り組む雰囲気をつくる 街づくりの活動の前に, 造形遊びの時間を取り, 段ボールという材料自体を楽しむ時間を十分に確保する 5 共感力 友達の作品を見て, よさやおもしろさを感じ取り, 自分の表現に取り入れたり, 完成した街を鑑賞して, みんなで一つの作品をつくることのよさを感じたりしている 活動の途中で, 友達の作品を鑑賞したり, 話し合いをしたりして街のイメージについて共有化する時間をとる 鑑賞をする際に, 友達の作品 ( 部分 ) と, 街 ( 全体 ) についてという視点を与えるようにする
指導と評価の計画 ( 全 3 時間 ) 次 学習内容 評価の観点関発創鑑 評価規準 ( 評価方法 ) 育てたい 段ボールという材料をいろいろと試して, 思い付いた 段ボールという材料をいろいろと試すことから, 材料 ことを表現する としての可能性に関心を 持ち, 表現を楽しもうとし 1 ている ( 行動観察 ) (1) 段ボールという材料をいろいろと試すことから, 材料 としての可能性を見付け, 発想している ( 成果物 ) 段ボールという材料をいろいろと試しながら, 友達と 友達と作品を認め合いながら一つの街をつくろう 協力して段ボールの街を としている ( 行動観察 ) つくる 2 (2) 段ボールという材料のよさを生かして, その使い方や つくり方を工夫すること ができる ( 行動観察 作品 ) 3 (1) 完成した街を鑑賞し, 感じ たことを話し合う 友達の作品や, 完成した街のよさやおもしろさを味わうことができる ( 発言 ワークシート ) 共感力 本時の学習 (1) 本時の目標 段ボールという材料をいろいろと試すことから, 材料としての可能性に関心を持ち, 表現を楽しみ, 友達 と作品を認め合いながら一つの街をつくることができる (2) 準備物 ( 教師 ) 段ボール, 段ボールカッター, カッターナイフ, 両面テープ, 粘着テープ, 接着剤, バケツ ( 児童 ) はさみ
(3) 本時の学習展開 学習活動 指導上の留意点 ( C と判断される児童に対する手だて ) 評価規準 ( 評価方法 ) 育てたい 1 前時の活動を想 段ボールで遊んだり, 一つの作品をつく 起する ったりしたことを通して, 段ボールをい ろいろに試したことを想起させる 2 本時の課題を確 みんなの作品を使って, 一つの大きな街 認する をつくることを知らせる 段ボールをいろいろに試して, 段ボールタウンをつくろう 3 段ボールタウン をどんな街にした いか話し合う 自分たちがどんな街をつくりたいか話し 合い, イメージを共有する 4 段ボールタウン をつくる もっとあった方がいいと思うものを, 段ボールの表現をいろいろに試しながらつくり, できた作品を街に置く つくりたいものが思い付かない児童には, 友達の活動を参考にするよう声かけをする 段ボールという材料のよさを生かして, その使い方やつくり方を工夫することができる ( 行動観察 作品 ) 5 途中鑑賞を行う 現在の街の様子を確認し, よさを認め合 う そして今後どのようにしていきたい か, それぞれの考えを交流する 6 鑑賞したことを生かして, 再び段ボールタウンをつくる 7 本時のまとめをする 鑑賞したことを生かして, 配置を考え直したり, さらに新しい作品をつくったりする 続きの活動が難しい児童には, もう一度街全体を見渡していいなと思うところや付け足したいと思うところがないかを探すよう声かけをする 本時の活動を振り返り, まとめをして, 次時の鑑賞に生かせるようにする 友達と作品を認め合いながら一つの街をつくろうとしている ( 行動観察 ) 段ボールをいろいろに試したり, 友達と話し合ったりして みんなで段ボールタウンをつくることができた