5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 元速度 MCR 系 MCRF; 瞬間的共動慣性系 momnr ommoing rfrn frm 元速度 ; その事象点での MCR 系の基底ベクトル 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題. 元運動量 m.9 /

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特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 トップページ h://www.goiis.j/h_mksu/in_rlii.hml 特殊相対論におけるベクトル解析ベクトル解析 元速度 元加速度 元運動量 一様加速度運動 ドップラー偏移 コンプトン散乱. ベクトルの定義 位置の変位ベクトルの成分表示. { }. { }. ローレンツ変換の式 式. の一般化.. 注意 式. は総和記号 を使っているので省略した. 式. はアインシュタインの総和の規約を使っている. i i.5 ポイント 和をとる添字をダミーの添字 和をとらない添字をフリーな添字という. ギリシャ文字の添字は から値を ローマ文字の添字は から値をとるとする. ポイント のように 上付添字がバーありで下付添字がバーなしのとき添字の文字に関係なく系 から系 への座標変換行列である. 一般のベクトルの成分表示 { }.6.7 ポイント ベクトル成分は座標そのものと同じ変換をする. B B B B B.8 ポイント 元ベクトルは上付矢印 ベクトルと読む で表す.. ベクトル代数 系 の基底ベクトル.9 系 の基底ベクトル.9 基底ベクトルの定義. の 成分はクロネッカーのデルタで表される. { }.6.. ポイント 座標変換すると基底ベクトルと成分が変わるだけで ベクトルそのものは変わらない. 基底ベクトルの変換則. 注意 系 の基底ベクトルから系 の基底ベクトルへの変換

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題..5.8. 元速度 MCR 系 MCRF; 瞬間的共動慣性系 momnr ommoing rfrn frm 元速度 ; その事象点での MCR 系の基底ベクトル 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題. 元運動量 m.9 / E. m m. Thrfor m m m m m whr 元運動量の保存 i i. ゼロ運動量系 / TTL CM E i i. CM 系 ; ゼロ運動量系 nr of momnum frm

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.5 スカラー積 ; 空間的ベクトル ; ヌルベクトル ; 時間的ベクトルスカラー積 B B B B B メトリックテンソル ig B..5.6.7.7.8 導出法は問題 7 を参照.6 応用 元速度と 元加速度成分のスカラー積は間隔 s s 固有時間 元速度 MCRF.9. バーを消した 5 6

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 MCRF MCRF. 元加速度 E / E.7 光子 m. i obs E / obs 元速度ではない光子は世界線上を運動する. で 元速度は定義できない. E i.5.7 元運動量 E / E /.7 光子はエネルギーに等しい空間的運動量をもっている. E h.8 光子のドップラー偏移の公式.9 静止質量ゼロの粒子 MCRF. 光子は静止質量がゼロでなくてはならない. m. エネルギーと運動量 元運動量 m m. 7 8

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 節の中で使われている公式と問題. ベクトルの定義.~.8 問題. ベクトル代数.9~.8 問題 567895. 元速度 問題 567. 元運動量.9~. 問題.5 スカラー積.~.8 問題 88.6 応用.9~.5 問題 9679.7 光子.6~. 問題 5 { 5 6} { B B B B } { C C C C C C 5 C C C C 5 C C C C C C } が与えられているとき 次の値を求めよ. B の値 b すべての について C の値 すべての について C の値 すべての について C の値 すべての と について B の値 f i Bi の値 g すべてのj と k について j B k の値 b 5 B 6 5 5 7 5 C 6 6 7 b と同じ 5 C 5 5 5 7 6 9

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 5 B 6 f i B i 6 g の中で添字 を除く. j B k 6 次の式のなかのフリーおよびダミーの添字を指摘し もとの添字と異なった添字を使って 書き換えよ. おのおのの式は何本の式を表しているか? B 5 b T C D R g R / G B 5 : ダミー つの式. B 5 b : ダミー : フリー についての 式. T C D : ダミー : フリー についての 6 式. T C D R g R / G : フリー についての 6 式 和はない. R g R / G

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.5 式.5 を証明せよ. i i.5 i i.5 ギリシャ文字は ローマ字は を表す. 二つのベクトル 5 と B 6 が与えられたとき 系 での次の量の成分を求めよ. 6 b B 6 B 6 6 6 b B 6 B 6 9

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.9 5 ベクトルの集合 { b } について b なる自明の場合 を除いて いかなる線形結合をとってもゼロにならないとき それらのベクトルは線形独立であるという. 式.9 基底ベクトルは線形独立であることを示せ. b 次のベクトルの集合は線形独立か? { b 5 b } 6 系 の 時空図に 基底ベクトル と を書け. 系 に対して 軸の正 の方向に.6 の速度で運動している系 での対応するベクトルを書け. さら に 系 に対して 軸の正の方向に.6 の速度で運動している系 での対応するベクトルを書け.. 練習問題 8 の速度の合成則の式を使う. nhnh n.6 n.88.6 nh.6.88.9 例えば は の線形結合で表せない. についても同様である. ゆえに線形独立である. b 番目のベクトルが他のベクトルの線形結合で表せる. ゆえに線形独立でない. 5 6

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.9~..7 7 すべての と について 式. が成り立っていることを示せ. b 式.9 から式. を証明せよ..9.. 式.9 から などゆえに. b となるので. 8 ゼロベクトル はすべての系で同じ成分をもつことを示せ. b を使って 二つのベクトルが一つの系で同じ成分をもてば すべての系で同じ成分をもつことを証明せよ. とする. 成分変換式.7 から なので となる. ゆえに b と B の成分が同じなら B となる. したがって から B ゆえに 系でも B となる. 7 8

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 9 9 すべての項を書き下すことで 次の式を証明せよ. 総和の順序が問題にならないので 総和の順序を明示しないで アインシュタインの総和の規約を使って と書くことが正当化される. 系で であるが その成分変換式を書き下すと したがって ベクトルは と書くことができる. 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題. 任意のベクトル の成分適当に選んで を使って 式. を証明せよ.. ポイント ベクトルの変換式と基底ベクトルの逆変換式は変換行列を用い ベクトルの逆変換式と基底ベクトルの変換式は逆変換行列を用いる. 逆変換行列は変換行列の逆行列である. とすると とすると とすると とすると. これは 基底ベクトルの変換則である.

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.8 を式. で与えられる から へのローレンツ変換の変換行 列とする. は系 の成分が であるような任意のベクトルで ある.. から 逆変換行列 を書き下せ. b すべての につき を求めよ. すべての とに ついて 式.8 を証明せよ. 系 から へのローレンツ変換の行列の要素を書き下せ. を利用して を で表せ. また 式.8 との関係を述べよ. f と同様にして を示せ. g 次の関係を確かめよ. および.8 ポイント 粒子静止系を としてそれの観測系を とした場合 変換行列は のように上付添字にバー付き 下付添字にバー無しの記号を用いる. 記号は何であっても同じ変換行列を表す. 逆変換行列は のように下付添字にバー付き 上付添字にバー無しの 記号を用いる. 記号は何であっても同じ逆変換行列を表す. は変換行列を強調し は逆変換行列を強調している. 実際には変換行列には が 逆変換行列には が入っている. 前付添字が行 後付添字が列を表す. この原則は曖昧であるが重要である ベクトルは列ベクトル 基底ベクトルは行ベクトルで表す. ベクトルや行列の掛け算では ダミー添字が同じものを掛けてフリー添字が同じものの総和をとる. この原則に従うために転置することもある. これは逆変換行列である. b これは ローレンツ変換式である..7 書き下すと 行列の行がフリー 列がダミーとなるから. whr 逆変換行列は変換行列の逆行列であることを示す. 第 行列の行がフリー 第 行列の列がフリーとなるから と がフリーとなるようにして

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 ゆえに.8 逆変換式の逆変換行列であるから 問題 と同じ. これは逆変換式であるから 書き下すと 行列の行がフリー 列がダミーとなるから whr f 変換行列は逆変換行列の逆行列であることを示す. 第 行列の行がフリー 第 行列の列がフリーになるから と がフリーとなるようにして T T 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 と とは逆行列なので 行列の順序を入れ換えても結果は変わず 問題 の式.8 と同じである. g は単位行列であり 列の がフリーである. これは 基底ベクトルは線形独立であると同義である. は単位行列であり 行の がフリーである. この変換では成分が変わらないことを示す.

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5 5 であるとき 以下の問に答えよ. 系 に対し 軸の正の方向に速度.8 で運動している系 で の成分を求めよ. b 系 に対し 軸の正の方向に速度.6 で運動している系 で の成分を求めよ. 系 での成分から の大きさを求めよ. 系 での成分から の大きさを求めよ. ブーストのローレンツ変換式を使って.6.8 5..66 5.6.6.8.6.8.6 b 速度の合成則の式を使って.96 nh.79.6 nh.8 nhnh.8.96 96. 5 6.7 5.8 5.8.96.96.8 別解 問題 を使って ローレンツ変換を 段階変換する..5.6 75. 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 6 5 6.6 5.8 5..66.5.75.75.5 8 5 8 5..66

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 7 系 は 系 に対して速度 で動き 系 は 系 に対して速度 で動いているとする. から へのローレンツ変換は次のように表されることを示せ.. b 式. は ローレンツ変換の行列の積であることを示せ..6 / /.8 としたとき すべての と について を求めよ. で求めた変換がローレンツ変換になっていることを いかなる に対しても s s となることを示すことで証明せよ. に与えた と について を計算し 結果が のものと異なることを示せ. この違いを物理的に説明せよ. から への から への変換は ゆえに 与式. が証明された. b 書き下すと 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 8 書き下すと 速度の合成後の変換式は 書き下してから 二乗する. の係数

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 9 の係数 の係数 の係数 したがって 与式 s s が証明された. 書き下すと 省略結果は明らかに と異なる. と では 軸方向と 軸方向の合成されたローレンツ収縮が異なる. つまり 軸にブーストしてから 軸にブーストして合成するものと その逆の手順で合成するものとは結果が異なる. 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 次の行列は から へのローレンツ変換である..5.75.75.5 に対する の速度を求めよ. b 逆変換を求めよ. ベクトル の系 での成分を求めよ. // 軸であり.5 75. であるから.6.5.75 系 は系 の 軸の負の方向に.6 の速度で動いている. b を に置き換える..5.75.75.5 逆変換式を使う..75.5.5.75.75.5

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5. 5 系 での速度が 軸の正の方向に である粒子の系 での 元速度を粒子の静止系からのローレンツ変換を使って計算せよ. b この結果を一般化して 粒子が任意の速度 をもつとき その 元速度を求めよ. ただし / とする. ローレンツ変換の一般式 軸方向のブーストのローレンツ変換行列の座標軸を回転させて 任意の方向のローレンツ変換行列を導出する 次元での観測系から観測した粒子系の速度の方向を極座標の定義と同じにする これとは別に 座標軸の回転方向の正を反時計回りとする b での結果を用いて を成分 { } を使って表せ. 元速度の成分が である 元速度 を求めよ. MCR 系 系 での 元速度は となる. ここで は系 での の 成分である. すなわち MCR 観測系 系 での 元速度を算出するテンソル形式の逆変換式は. whr はローレンツ変換の行列の 列目のこと. 上式を書き下すと 観測系 系 での 元速度を算出できる. whr 上の式は ローレンツ逆変換式である 問題 を参照 問題 b の前に 一般的な座標軸回転の変換行列 回転行列と略す 軸の回転行列 軸の回転行列 軸の回転行列 os os os os os os ブースト方向を極座標の定義の方向に回転するには 軸を正方向に 軸を負方向に だけ回転させる ベクトルを回転させるのではなく座標軸を 回転させることに注意する 回転行列に影響する 回転後の座標軸を 軸 軸 軸とする 軸の回転行列は R os 軸の回転行列は os os os

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 os os os os R 回転行列の合成は os os os os R = os os os os os os = whr os os os 速度の回転後の座標を求めておく os os os os os os = os os ローレンツ変換行列を座標軸回転すれば T T R R R R ローレンツ変換行列軸ブーストのここでは 回転行列の合成を先に計算してからいちどに回転させる 任意の方向のローレンツ変換行列は L= R R T ローレンツ変換行列軸ブーストの 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 = T whr β β β β ローレンツ変換の一般式は 書き下すと 位置座標をベクトルにする β β β β

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5 b は 次元空間ベクトルである シュッツ著では 太文字で書き とは書かない. 元速度を として ローレンツ逆変換の一般式は β whr β β β β.75.5.5.5 β β.866.75 β 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 6 6 もとの系に対する速度が W である粒子の 元速度に速度 のローレンツ変換を施して アインシュタインの速度の合成則を導け. 観測系を もとの系を 粒子系を とする. 観測系 に対するもとの系 の速度が とする. もとの系 に対する粒子 の速度が W とする. W 系 における粒子 の 元速度は 逆変換して W であるから 系 における粒子の 元速度は もう一度逆変換して 系 における粒子 の速度 W は W. W W whr W W W は光速との比ではなく s m/ の単位をもつ.

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 7 で である時間的なベクトルはすべて ある世界線の 元速度になっていることを示せ. b このことを使って いかなる時間的なベクトルV に対しても V の空間成分がゼロとなるローレンツ系が存在することを示せ. MCR 系 系 の基底ベクトル は ig.7 はメトリックテンソルである...8 観測系 系 でも は変わらず 時間的なベクトルであり である. したがって whr β β となる 元速度が常に存在する. b V に平行な を仮定し となる系 を見つければ V の空 8 二つの直交した空間的ベクトルの和は空間的であることを示せ. b 時間的ベクトルとヌルベクトルは直交できないことを示せ. とb は空間的であるから b b とb は直交しているから b b b b b b b 時間的ベクトルの座標系を選んで とする. 典型的なヌルベクトルを選んで b b b とする. b b 直交できない 間成分は になる. 7 8

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 解説 元ベクトルの整理 系 は系 の 軸の正の方向に動いているものとする. MCR 系 系 での 元速度 元加速度は whr Cons. 一様加速度運動 観測系 系 での 元速度は 練習問題 5 から ローレンツの逆変換から求められる. 元速度の定義からも上式が導出できる. : 固有時間 whr ポイント テンソル表記では が ここでは 適宜使い分ける. 観測系 系 での 元加速度は 定義から 元加速度は whr 一方 ローレンツの逆変換から である これから 軸では また 力学的には 相対論的な運動方程式を次のように書く. m m m F m : 静止質量 : 元速度 : 元加速度 F : 元力 Minkowski 力 f :Nwon 力 であるから または m F f F f F f f m m m これから 軸では f m 異なる方法で 同じ結果が得られた. 問題から Cons. なので これから 一様加速度運動において 時間 後の速度 は 9

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 whr で誤差が大きくなり 近似式の方が誤差が小さくなる. 一様加速度運動において 時間 後の距離 は もとに戻って 相対論的な運動方程式から 左辺 これから 一様加速度運動において 固有時間 後の速度 は 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 nh nh ln ln nh nh ln ln whr nh 参考 nh ln ln nh

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 9 加速度 元ベクトル が一定の空間的方向と大きさ たとえば をもつとき 物体は一様に加速されているという. このことは 物体の MCR 系では が常に同じ成分をもつことを意味しており またその成分はガリレイ的な意味での 加速度 であることを示せ. これは ロケットのエンジンが一定加速度を与えるというような物理的な状況に対応している. b 物体が地球重力の加速度 g m s で一様に加速されているとし よう. 物体は最初静止していたとすると 時間 後の速度を求めよ. 正しい単位を使うこと. この時間の間にどれだけ動いたか?. 999 となるまでにはどれだけ時間がかかるか? b で経過した固有時間を の関数として求めよ. を世界線に沿って積分せよ.. 999 となるまでに経過した固有時間はいくらか?b のように加速された人は地球から銀河中心まで運動したときどれだけ年をとる か? 地球から銀河中心までの距離は m である. ポイント 一様加速度運動の公式の導出は 問題 9 の前に解説した 元ベクトルの整理 を参照のこと. MCR 系では Nwon の運動方程式が成り立っている. b 一様加速度運動において 時間 後の速度 と距離 は. 999 となる時間 を逆算して それから距離 を求める. whr 8.999 8 6.7 s. r.999 8 8 6.7 8.9 7 m. lighr r 65. 6s.6 lighr 8 ms 7.6 s 9.6 一様加速度運動において 時間 後の固有時間 は 先に 問題 b で 時間 後の速度 を算出しておく. nh. 999 となるまでに経過した固有時間は 8 8 nh.999. s.6 r のつめの問題は 地球から銀河系中心までかかる時間 を距離 から逆算する. m 8 ms 6.67 s. 8 7 s r 5 m mim 地球から銀河系中心までの距離 m は約 万光年であり 光速で移動しても 万年かかる距離であるが 固有時間つまりロケットの時計は驚くほど短いことが判る. 時間 で到達する速度 を求める. で誤差が大きい

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 8 6.67 9 速度 に達する固有時間 を求める. nh nh 9 8 8.999999999 9 の数が 9 個.999999999. s r この式では で有効数字が足りなくなるおそれがある. 近似式では ln 8 8 9 ln. s r 粒子の世界線がある系で 次の式で与えられる. b b os b 粒子の運動をしらべ 元速度と 元加速度を計算せよ. 半径 b で回転しながら 軸の正の方向へ速度 でスライドしている. 最初にスライドを考慮しない等速円運動の問題として解く. 円の中心を系 の原点とする. b b os b 元速度 元加速度の定義から b os b b b os 元速度は は 元ベクトル b os b b Cons. 接線速度を表している 元加速度は α は 元ベクトル α b b os α b Cons. 向心加速度を表している 元速度の定義から whr i i β β β 元速度は 練習問題 5 から は 元ベクトル b os b b 5 6

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 7 元加速度は であるが 一方 元加速度の定義から whr 等速円運動では β と は定数であるから となり i i i i i 元加速度は α は 元ベクトル os b b α 元の問題に戻る. b b os b 半径 b で回転しながら 軸の正の方向へ速度 でスライドしている. 元速度は は 元ベクトル os b b b b os 元加速度は α は 元ベクトル os b b α 元速度は os b b β β β 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 8 元加速度は α は 元ベクトル α β と は定数でないので β として α whr b 合成により解く. 観測系を系 とする. 系 は系 の 軸の正の方向に速度 で運動している. として 観測系での 元速度は 軸の 元速度は 観測系での 元加速度は 書き下すと式が簡単になるかもしれないが略

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 9 粒子の世界線があるローレンツ系で 次のようにパラメーター表示されている. h osh ここで はパラメーターで は定数である. 粒子の運動をしらべ 元速度と 元加速度を計算せよ. は世界線に沿った固有時間であり 加速度は一様であることを示せ. の意味を説明せよ. ポイント この問題は 練習問題 9 の一般化になっている. 一様加速度の運動の条件は 元加速度の空間成分の方向が一定. 元加速度の大きさが一定. すなわち Cons. h osh 元速度は osh h 元加速度は h osh 元速度 元加速度の大きさが 条件どおりか確かめる. 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5 h osh osh h 元速度と 元加速度は直交するから Cons. nh この 元速度は との比になっている. osh nh h nh osh MCR 系 系 での 元速度は h osh h osh osh h h osh h osh osh h MCR 系 系 での 元加速度は osh h osh h osh h

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 元運動量の成分が kg である粒子のエネルギー 静止質 量 元速度を求めよう. b 元運動量が kg kg である二つの粒子が衝突して その二つの粒子が壊れて 新たに三つの粒子が生成された. そのうちの二つの粒子の 元運動量は kg kg であった. 第三番目の粒子の 元運動量 エネルギー 静止質量 元速度を求めよ.CM 系での 元速度も求めよ. ポイント 自然単位では 元運動量のすべての成分の単位が kg である. 静止系での 元運動量の第 成分が静止質量である. SI 単位では 自然単位でのすべての成分に光速 を乗する. さらに 全エネル ギーは第 成分に光速 を乗する. つまり E である. これは 静止系 では 静止質量をエネルギーの単位に換算した E m となる. 元運動量は 練習問題 5b から whr β β 元速度は β は 元ベクトル を適当に使い分ける. m m β.5.5 β 静止質量は.5.5.69.5 kg m.7kg 全エネルギーは 7 E kg.6 J b 粒子の衝突の前後で Cons. だから 5 kg 元速度は 6 β 6 5 6 6 6.78 5.7 6 5 5

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 静止質量は kg m.78kg 全エネルギーは E kg.7 衝突前の 元運動量のトータルは 5 CM 系自身の 元速度は CM 5 7 J 静止質量 m の粒子が 元速度 をもっている. 速度の 次のオーダーまで正しくエネルギーを求めよ. 速度がいくらになったとき 次の項の絶対値 が運動エネルギー m / の半分に等しくなるか? エネルギーは テイラー展開を使って E m m m m 8 m whr m 8 問題から m m 8 この速度で 次の項を無視すると 運動エネルギーの誤差が半分になるということである. ニュートンの運動方程式が成り立つのは 速度 がもっとず っと小さいときである. 5 5

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.5~. 電子と陽電子が消滅して 個の光子 線 をつくることは禁止される ことを 元運動量の保存則から示せ. 個の光子を生成することは禁止されないことも示せ. ポイント SI 単位での第 成分は 全エネルギーを光速 で除したものである. つまり E / である. 光子の世界線はヌルであるから s である. もし 第 成分 第 成 分がゼロならば 第 成分 = 第 成分 でなければならない. 例えば の E / CM の E / CM とすると 線の E / E / CM となるのでこれはつくれない. つの 線の ならつくれる. E / E / CM CM 5 系 が系 に対して 軸方向に速度 で動いているとしよう. 系 での光子は 振動数が で系 の 軸に対して角度 で運動しているとする. 系 ではその振動数は os. となることを示せ. b 光子の運動が 軸に垂直であっても / 振動数の変化がある. これを横ドップラー偏移といい 時間ののびのために起こる. 系 と系 の間にドップラー偏移がないためには 光子はいかなる角度 で運動すればよいか? 式.5 と式.8 を使って 式. を計算せよ. obs E.5 E h.8 光源系を系 とし 観測系を系 とする. E h h h os h 光子の 元運動量の大きさはどの系でも になる. 光子の静止系はない. 系 から系 へ変換する. h h os h h os h h h os h 55 56

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 E h h os h os h ドップラー偏移の式は os os. os. のとき 光源から遠ざかり 赤方偏移という. 周波数は短くなり 波長は長くなる..9 のとき 光源に近づき 青方偏移という. 周波数は長くなり 波長は短くなる. / のときでも 横ドップラー偏移は現れる. b 横ドップラー偏移が現れないようにするためには と を等しくする. os os 光源系を系 とし 観測系を系 とする. h h os h obs obs E.5 これから h h os E h 57 58

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 6 静止質量 m の粒子を速度 から へ加速するのに必要なエネルギーを の 次まで計算せよ. 粒子を光速まで加速するには無限のエネルギーが必要であることを示せ. 7 質量 kg の二つの同一の物体が同じ温度に保たれて静止している. その一方にJ の熱量を加える. 両方の物体に同じ力を加えたとき どちらが加速されやすいか? また加速度の違いはいくらか? 運動エネルギーの増加分は m m m m m m m 変換式のパラメーターは 熱量を静止質量に換算する. E J 5 m. kg 8 m/s わずかに影響する. で となってしまう. 59 6

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 6.6 8 5 6 B C とする. 系 が系 に対して空間軸は系 に平行に保って 軸の正の方向に速度 6. で運動しているとする. 系 での B C の成分を求めよ. b 系 での成分を使って スカラー積 B C B C C C を求めよ. また その値が系によらないことを示せ. B C が空間的か 時間的か ヌル的かを述べよ..6.6 75..6.5.5 5.5 5.5.75.75.5 6 5.5.75 6.5.75.75.5 B.5.75.75.5 C b スカラー積 B B B B B B.6 whr ig を便宜上次のように表記する. 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 6 6 5 B 6 C B 5 C C C 6 5.5.75.5.5 5 B 6 5.5.75 C B.5.5 5 C C C

5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 6 5 5 時間的 6 6 B B 空間的 C C ヌル的 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 6 9 成分表示を使用して を証明せよ. スカラー積の定義から 左辺 = 右辺

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.5 ロケットの 元速度が であるとする. このロケットと運 7 動量が 99 kg の高速宇宙線とが衝突した. 次の二 つの方法を使って ロケットの乗員が観測する宇宙線のエネルギーを求めよ. 系 からロケットの MCR 系へのローレンツ変換を求め の成分を 変換する. b 式.5 を使う. どちらが便利か? それはなぜか? E.5 ローレンツ変換の一般式を問題 5b から引用する 元速度を求めてから ローレンツ変換をする..5. 5. 5 β.5.5.5.75 β β.75 β β.75 問題 5b では 粒子静止系で観測されるものを観測系で観測されるものに変換するが ここでは 観測系で観測されるものからロケット系で観測されるものに変換するので 速度の符号が逆になる 99 7 kg エネルギーは E 99 96 6 6 7 7 kg kg b エネルギーだけを求める. E 99 7 7 kg エネルギーだけを求めるなら b で十分. 参考 7 kg 7 7 7 kg 8.998 /.6 5.6 5.7 V 9 65 66

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 振動数 の光子が入射角 で鏡に入射し 振動数を変えることなく反射された. 鏡に与えた運動量を計算せよ. もし光子が反射ではなく吸収されたとしたら 運動量の変化はいくらか? q h h os h 吸収されたときの鏡の運動量は h 入射角を図のようにする. 入射前の運動量は 反射後の運動量は h h os h h h os h 反射されたときの保存則は q q h os 反射されたときの鏡の運動量は h 吸収されたときの保存則は q 67 68

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 実験室に静止している電荷 静止質量 m の粒子が振動数 i の光子を散乱する. これをコンプトン散乱という. 散乱された光子は入射の方向と の角をなして出て行く. 元運動量の保存則を使って 散乱された光子の運動量が h m f で与えられることを示せ. i os コンプトン散乱を図のようにする. 保存則は q q 保存則を成分で書き下すと q q h i h i q m E E. h f h f os h f E Eos E q m os 光子の静止質量はであるから 元運動量の大きさはになる. 電子は衝突前後で 元運動量の大きさは変わらない. q q q q m 保存則を書き換える. q q q q q q q 内積の定義から E E EE m os コンプトン散乱の式は E E m h m f f i i h m os os ; コンプトン波長 whr os os 69 7

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 宇宙空間は高エネルギーの陽子からなる宇宙線とマイクロ波の背景輻射で満たされている. これらの粒子と光子はコンプトン散乱しうる. 太陽の静 止系で測定してエネルギーが h 9 8 7 V の光子がエネルギー m V の陽子を散乱したとする. 陽子の静止系で式. を使って 散乱の結果太陽の静止系で光子のもつ最大エネルギーを計算せよ. このエネルギーどの波長領域にあるか?X 線か 可視光か などで答えよ. h m f i os 逆コンプトン散乱を図のようにする. bsrr s Frm Elron Rs Frm 陽子の静止系で考える. 練習問題 とほぼ同じ考えで進める. 保存則は q q 保存則を成分で書き下すと q q h i h i os h i E E os E q m. h f h f os h f E Eos E q m 光子の静止質量は であるから 元運動量の大きさは になる. 電子は衝突前後で 元運動量の大きさは変わらない. q q q q m 保存則を書き換える. q q q q q q q 内積の定義から E E EE m os os E E EE m os 逆コンプトン散乱の式は E E m h m f i f i h m os os os os ; コンプトン波長 whr 問題の最大エネルギーは陽子と 線が直線上にあるときである. o o os os 陽子と入射光は対向し 陽子と反射光は並行するので 観測系から静止系へ移ると 入射光は青方偏移 波長は短く し 反射光は赤方偏移 波長は長く する. i io f fo 7

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 逆コンプトン散乱の式から h fo io m 直線上の逆コンプトン散乱の式は h fo io m h fo h m io io 参考 波長 振動数 周波数 エネルギーの関係 Rio ~ Infrr 6 ~ il V m s H E V 5 ~ 75 ~ 9 9 ~ ~ ~ 7.5.7V ~.V 5 7 ~ V ~ kv whr h fo h io m 陽子の静止エネルギーは m GV であり 陽子の全エネルギーは X-rs ~ 9 γ-rs ~ whr 7 V.6 h 6.66 9 J J s.6 ~ kv ~ MV ~ MV ~ 5 V s E 8 V である. また 入射光子は h V であるから E m 8 V 9 9 V 8 h fo h fo 8 8 V 8 m これは 線より高エネルギーである. 5 9 9 fo 8 8 7 7

特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5 特殊相対論におけるベクトル解析.9 練習問題 5.6.5.5 B C が任意のベクトルで と が任意の数であるとき次のことを証明せよ. B B B B B C B C B C B C 線形性の証明であり ベクトルの定義そのものである. 数学書を参照してほしい. 5 式.5 で { } から得られるベクトル { } はすべての に対して を満たすことを証明せよ..5 基底ベクトルの系 から系 への変換は ローレンツの逆変換の行列を使って.5 系 では メトリックテンソルを使って 次が成り立っている. 系 では 上式の最右辺は 練習問題 のローレンツの逆変換の行列を書き下して算出できる. または 同じことであるが 次を使う. T ig T ig whr は行列を表し はローレンツ変換の変換行列 は逆変換行列を表す. これは 座標変換でメトリックテンソルの成分が変わらないことを意味する. 75 76