資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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別紙 3 点検表記録様式 様式 1( その1) 橋梁名 所在地 管理者名等 橋梁名 路線名 所在地 起点側 緯度 経度 学園橋 ( フリガナ ) ガクエンバシ 町道上中下中線 鹿児島県熊毛郡南種子町中之下 管理者名 点検実施年月日 路下条件 代替路の有無 自専道

1, H H17 4.2H17

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図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22

許可方針

無電柱化法第12条運用勉強会資料



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資料1-1 1.【大分県】1標識・照明施設等点検要領(H28.7)

豊中市千里地区歩路橋長寿命化修繕計画 平成 29 年 8 月 豊中市

通行禁止道路 について 道路標識又は道路標示によるもの 対象にするもの 車両通行止め道路 根拠規定道路標識 道路標示 ( 例 ) 道路交通法第 8 条第 1 項 自転車及び歩行者用道路 標識 302 同法第 8 条第 1 項 標識 325 の 3 歩行者用道路 同法第 8 条第 1 項 標識 325

様式 ( その2) 状況写真 ( 損傷状況 ) 部材単位の判定区分がⅡ Ⅲ 又はⅣの場合には 直接関連する不具合の写真を記載のこと 写真は 不具合の程度が分かるように添付すること 上部構造 ( 主桁 ) 判定区分: Ⅰ 写真 1 床版 01 上部構造 ( 横桁 ) 判定区分: Ⅲ 写真 2 竪壁 0

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義務化 支援策研究所及び土木研究所と連携した研究開発を推進 道路の老朽化対策の本格実施に関する取組状況 道路の老朽化対策の本格実施に関する提言 これまでの取組内容 [ 点検 診断] [ 措置] [ 予算] [ 体[ 技[ 国[ 記 橋梁 ( 約 70 万橋 ) トンネル ( 約 1 万本 ) 等は

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橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

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○福岡県警察交通管制要綱の制定について(通達)

スライド 1

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- 目次 - 1. 長寿命化修繕計画の背景と目的 相馬市の概要 計画

橋梁定期点検業務積算基準書_平成30年4月_広島県

鋼道路橋防食便覧 目次 A5 判 592 頁本体価格 7,500 円 平成 26 年 3 月 31 日初版第 1 刷発行平成 29 年 5 月 30 日第 3 刷発行 第 Ⅰ 編共通編 第 1 章総則 Ⅰ 総論 Ⅰ 適用の範囲 Ⅰ 用語 Ⅰ-4 第 2 章鋼

高浜町 橋梁長寿命化修繕計画 ( 第 2 期 ) 高浜町建設整備課

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1.国様式_7-27号橋神戸橋

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台東区橋梁長寿命化修繕計画 平成 30 年 3 月 台東区


LED 道路 トンネル照明の設置に関する補完資料 Ⅰ LED 道路照明 ( 連続照明 ) の設置について 道路照明のうち連続照明の設計については 道路照明施設設置基準 同解説に基づき 性能指標 ( 規定値 ) 及び推奨値 ( 以下 性能指標等 という ) から所定の計算方法により設置間隔等を算出し

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講習会を企画する際に留意すべき点を挙げる 1) 定期点検要領 ( 案 ) への理解を深めること 2) メンテナンスサイクルという概念への理解 メンテナンスサイクルを定着させること 3) 受講者となる地方自治体職員の技術レベルを把握すること 4) 地方自治体職員が受講したい研修を自分で選ぶことが出来る


宮城県道路公社建設工事総合評価落札方式(簡易型及び標準型)実施要領

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- 2 - 定を改正後欄に掲げるもののように改め 改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは これを加える

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

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中央区 橋梁長寿命化修繕計画

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1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

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様式及び記入例 (3) 点検結果一覧表 ( その 1) 半田市橋梁点検 補修設計業務 橋梁諸元 定期点検結果 整理番号 橋梁 ID 橋梁名 橋梁形式 径間 長根橋 ( 上流側 ) PC 単純プレテンホロー桁橋 1 橋種 PC 橋 有効 橋長 幅員 橋面積 (m) (m) (m2) 供

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○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

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札幌市横断歩道橋横断歩道橋の撤去撤去に関するに関する考え考え方 札幌市が現在管理している横断歩道橋は48 橋あり そのほとんどは昭和 40 年代に建設されています 横断歩道橋は歩行者と車両を分離する構造となっていて 交通安全上重要な役割を果たしてきましたが 近年 周辺環境の変化等の理由により利用者が

個人情報の保護に関する規程(案)

第 3 章認定品の利用推進に関する基本方針 ( 認定品の周知 ) 第 6 認定品の製品情報については, 環境生活部環境政策課ホームページ等を参考とするものとする ( 認定品の使用 ) 第 7 工事等において, 認定品を積極的に使用するものとし, 資材の名称, 規格 寸法等の必要項目を設計図書 ( 条

このガイドラインは 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する留意事項 ( 制定 発出時点において最適と考えられる法令解釈 運用等 ) を示したものである 第一章 総則 1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令 ( 平成 19 年

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医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

昇降機の状況等 ( 第二面 ) 1. 昇降機に係る確認済証交付年月日等 イ. 確認済証交付年月日 昭和 平成年月日第号 ロ. 確認済証交付者 建築主事 指定確認検査機関 ( ) ハ. 検査済証交付年月日 昭和 平成年月日第号 ニ. 検査済証交付者 建築主事 指定確認検査機関 ( ) 2. 検査日等

法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

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市民皆様が安心して利用していただくために 佐伯市橋梁長寿命化修繕計画 佐伯市建設課 2018 年 12 月

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既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

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山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

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平成23年度

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資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例

1. 研究背景 目的 2. 使用機器 3. 橋梁点検システム 4. 選定橋梁 5. 安全対策 橋梁点検フロー 6. 計測結果 計測条件 7. まとめ - 2 -

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岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

4 健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 健全度の把握の基本的な方針橋梁の長寿命化を図るため 定期点検要領に基づき5 年に1 回の定期点検を実施していきます また 定期点検の結果に基づく診断結果 ( 健全度 ) を長寿命化修繕計画に反映させていきます 日常的な維持管理に関する基本的な

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4. 施工者とは 当該工事の受注者をいう ( 品質証明者 ) 5. 品質証明者とは 一定の資格及び実務経験を有し 施工者と品質証明業務について契約した組織又は個人で 以下の要件に該当しないものをいう 1 組織においては 以下のいずれかに該当する者 (1) 当該工事の施工者 (2) 当該工事の施工者と

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相馬市 橋梁長寿命化修繕計画 平成 28 年 12 月 福島県 相馬市建設部土木課

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

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資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

1. 小規模附属物点検要領の構成 目次 1. 適用範囲 2. 点検の目的 3. 用語の定義 4. 点検の基本的な考え方 5. 片持ち式 5-1 点検等の方法 5-2 点検の頻度 5-3 点検の体制 5-4 対策の要否の判定 5-5 記録 6. 路側式 6-1 点検等の方法 6-2 対策の検討 6-3 記録 別紙 1 別紙 2 付録 1 付録 2 評価単位の区分点検表記録様式一般的構造と主な着目点変状の事例

2. 点検要領のポイント 1 第三者被害を防止し 安全かつ円滑な道路交通の確保を目的として規定 点検要領は 事故に関わる変状を早期に確実に発見し 適切な対策により 劣化状況に応じて適切な時期に更新することにより 事故や不具合を防止し 安全かつ円滑な交通の確保と利用者の安全確保を目的として規定 本要領の位置け 本要領は 道路法施行令 35 条の 2 第 1 項第 2 号の規定に基づいて行う点検について 最 小限の方法 記録項目を具体的に記したものである なお 道路の重要度や施設の規模などを踏まえ道路管理者が必要に応じて より詳細な 点検 記録を行うことを妨げるものではない 1. 適用の範囲 本要領は 道路法 ( 昭和 27 年法律第 180 号 ) 第 2 条第 2 項に規定する道路の附属物のうち 道路の標識及び照明施設 ( 以下 小規模附属物 という ) の点検に適用する 対象外 : 標識や照明施設における電気設備に関する点検 標識や照明施設としての機能についての点検 個別検討 : 小規模附属物の点検において路線の特徴や自動車交通の影響 設置環境等を考慮する必要がある場合 橋梁 トンネル 横断歩道橋 ボックスカルバート等に設置されている小規模附属物の点検は それぞれの定期点検要領に基づいて実施 道路管理者以外の支柱等に添架されているもの : 占用企業者等と協力し 適切な点検を行うのがよい 2. 点検の目的 小規模附属物の支柱や支柱取り付け部等の弱点部の変状が原因となり 道路利用者及び 第三者被害のおそれのある事故を防止し 安全かつ円滑な道路交通の確保を図ることを目 的として実施する 道路の標識及び照明施設は 突然の灯具の落下や支柱の倒壊等の事故事例が報告されており 点検においては特にこのような事故に関わ る変状をできるだけ早期に かつ 確実に発見し 適切な対策を行うことや 劣化の状態に応じて適切な時期に更新を行うことによって 事故や不具合を防止し 安全かつ円滑な交通確保と利用者の安全を確保するよう努めるものとする

2. 点検要領のポイント 2 小規模附属物に生じる事象に応じた区分 第三者被害の影響 ( 落下 倒壊のおそれ ) 等の施設特性に応じた点検方法を規定 3. 用語の定義 小規模附属物道路の附属物のうち 道路標識 (F 型 逆 L 型 T 型 単柱式 複柱式 ) 及び道路照明 ( 逆 L 型 Y 型 直線型 ) のことをいう 基本使用年数対象とする附属物が健全な状態を維持されるとあらかじめ期待する期間であり 更新の検討を行う目安の年数をいう 区分事象代表的な附属物の種類 主に片持ち式の附属物 ( 以下 片持ち式 ) 落下 倒壊事象のおそれがある附属物 F 型 ( 標識 ) 逆 L 型 ( 照明 ) 標識 :F 型 逆 L 型 T 型及び高所に設置された単柱式又は複柱式 照明 : 逆 L 型 Y 型 直線型 歩道 歩道 主に路側式の附属物 ( 以下 路側式 ) 倒壊事象のおそれがある附属単柱式 ( 標識 ) 物 標識 : 単柱式 複柱式 ( 片持ち式に分類したものは除く ) 歩道 車道 中央分離帯

2. 点検要領のポイント 3 弱点部や想定変状 不具合の事象を特定した効率的な点検の考えを規定 点検の基本的な考え方として 片持ち式と路側式に大別し規定 4. 点検の基本的な考え方 (1) 片持ち式 落下や倒壊事象を防止する必要がある 弱点部 ( 支柱 横梁 標識板又は灯具取付部 ブラケット取付部等 ) を点検 その他必要に応じ第三者被害のおそれのある部材を点検 (2) 路側式 倒壊事象を防止する必要がある 弱点部 ( 支柱等 ) を点検 これまで発生している標識及び照明施設の不具合事例では 落下や倒壊によるものが報告されており 本要領は 形式や構造特性に応じ てできるだけ効率的に弱点部を点検するために 附属物の形状に応じて弱点部を特定している 片持ち式 路側式 支柱基部 支柱基部 支柱基部 支柱基部 単柱式 複柱式 F 型 Y 型

2. 点検要領のポイント 3 弱点部や想定変状 不具合の事象を特定した効率的な点検の考えを規定 不具合が生じた場合に 沿道利用者から情報を得やすい環境を整備した例を記載 4. 点検の基本的な考え方 万が一不具合等が生じた場合にも できるだけ迅速な対応が可能となるよう沿道利用者から情報を得やすい環境を整備するのがよい 例えば 附属物の支柱に管理者の連絡先を記したシールを貼った事例などもあり 図 解 4 2に示す また 通学路等に設置されている単柱式や複柱式など路側式の附属物は交通状況を勘案したうえで 沿道利用者と連携した維持管理の仕組みを構築するなど より効果的な方法を検討するのがよい - 図 - 解 4-2 利用者から通報を受けやすく工夫している事例

2. 点検要領のポイント 4 片持ち式 巡視 詳細点検 中間点検による点検を規定 5. 片持ち式 点検等の方法 : 巡視 詳細点検 中間点検 点検頻度 : 詳細点検を 10 年に 1 回 中間点検を詳細点検後 5 年を目安として実施することを規定 対策の要否判定 : 詳細点検及び中間点検の結果に応じて実施 記録 : 詳細点検及び中間点検の結果と措置を記録 保存 5-1 点検等の方法 (1) 巡視 巡視時に パトロール車内から目視を基本として 変状の有無を点検 (2) 詳細点検 : 近接目視により行うことを基本 (3) 中間点検 : 外観目視により行うことを基本 地中等への支柱埋込み部については 境界部における支柱の状態や滞水の有無 痕跡などを確認し 必要に応じて掘削調査を行うのが よい また 掘削調査のスクリーニングとして非破壊調査の開発が進められており 活用の可能性を有しているため 開発動向の情報も収 集し 有効であると判断される場合は採用するとよい

2. 点検要領のポイント 5 片持ち式 対策要否の判定を規定 5-2 点検の頻度 詳細点検 :10 年に 1 回の頻度を目安として道路管理者が適切に設定 中間点検 : 詳細点検を補完するため 詳細点検後 5 年を目安に道路管理者が適切に設定 道路照明については 灯具のランプ清掃やランプ交換が行われているので このような維持作業に併せて点検を行うと効率的である 道 路標識や情報板についても 標識板の交換や更新 又は維持作業等に併せて点検を行うと効率的である 5-3 点検の体制 片持ち式の点検を適正に行うために必要な知識及び技能を有するものがこれを行う 点検の品質を確保するためには 道路標識 道路照明施設等の構造や部材の状態の評価に必要な知識及び技能を有していることが重要である 5-4 対策の要否の判定 片持ち式の詳細点検及び中間点検では 構造物の変状を把握したうえで 点検部位毎 変状内容毎の対策の要否について 判定を行う 対策が必要と判定された変状部位に対しては 変状原因を特定し 適切な工法を選定する 5-5 記録 片持ち式の詳細点検及び中間点検の結果並びに措置の内容等を記録し 当該施設等が利用 されている期間中は これを保存する

2. 点検要領のポイント 6 路側式 巡視による点検を規定 6. 路側式 点検等の方法 : 巡視 対策の検討 : 巡視の結果から必要に応じて補修等の検討を実施 記録 : 変状が確認された場合に記録 保存 6-1 点検等の方法 巡視時に パトロール車内から目視を基本として 変状の有無を点検 巡視時や通報により異常が認められたときは 下車して対象物に近づき 目視して支柱及び支柱基部の変状を確認する

2. 点検要領のポイント 7 路側式 必要に応じて対策の検討を規定 6-2 対策の検討 路側式の点検等の結果 変状の発生している部位について 必要に応じて補修等の検討を行う 各道路管理者は更新の検討の目安となる基本使用年数を設定し それを超えた時点で更新することで施設の合理的な管理を目指す 基本使用年数は道路管理者が管内の損傷の実績等から適切に設定する 基本使用年数 : 対象とする附属物が健全な状態を維持されるとあらかじめ期待する期間であり 更新の検討を行う目安の年数をいう直轄国道を対象に 設置年数が確認できたものの腐食率及び撤去率を図 - 解 6-2-1に示しており 約 30 年経過した単柱式の標識は 腐食率と撤去率が増加する傾向がみられ 亜鉛メッキの耐用年数等も参考にすると 基本使用年数は30 年が一つの目安になると考えられる 基数 ( 基 ) 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 Ⅱ 損傷が認められる Ⅲ 損傷が大きい 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 経過年 ( 年 ) 6-3 記録 直轄単柱式を対象とした経過年別の腐食率 腐食率 (Ⅱ~Ⅲ の割合 5 年平均 ) 100% 90% 80% 70% 60% 腐 50% 食率 40% 30% 20% 10% 0% 基数 ( 基 ) 50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 撤去数撤去率 (5 年平均 ) 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 経過年 ( 年 ) H28.3 基数調査 :H23~H27 点検結果のうち 設置年が判明している施設を抜粋 ( 直轄単柱式 ) H28.3 撤去更新調査 :H25~H27 年度に撤去更新された施設の経年分布 ( 直轄単柱式 ) 路側式の点検等の結果 変状が確認された場合は 内容等を記録し 当該施設等が利用さ れている期間中は これを保存する 直轄単柱式を対象とした経過年別の撤去率 30 年以上経過後 腐食率や撤去率が減少しているが これは一定年数を経過すると 損傷したものは撤去更新されるものが多く また不明なものが多くなるためと考えられる 撤去率