. はじめに 資料 節点座標系による傾斜支持節点節点の処理 三好崇夫加藤久人 従来, マトリックス変位法に基づく骨組解析を紹介する教科書においては, 全体座標系に対して傾斜 した斜面上の支持条件を考慮する処理方法として, 一旦, 傾斜支持を無視した全体座標系に関する構造 全体の剛性マトリックスを組み立てた後に, 傾斜支持する節点に関して対応する剛性成分を座標変換に よって傾斜方向に回転処理し, その後は通常の全体座標系に対して傾斜していない支持点に対するのと 同じ方法で境界条件の処理を行う手法が紹介されている. 本資料では, この手法を従来法と称すること にする. 本資料では, 上記の従来法とは異なり, いきなり傾斜支持を考慮した剛性マトリックスを作成する考 え方を紹介する. この方法によれば節点の自由度に関して, より一般的に解釈でき, プログラミング上 も手戻りが少なく, 円滑にコーディングができる. なお, 本資料では簡潔に説明を行うため, 次元骨 組問題を考える. また, 本資料では, 図 -. に示すように, つの座標系を取り扱う. その つ目は全 ての要素に共通な全体座標系 (X-Y 座標系 ) である. つ目は各要素に対して定義される要素座標系 (x - y 座標系 ) であり, 要素の 端から 端を結んだ方向に x 軸を, これと直角方向に y 軸を定義する. そ して, つ目は各節点にて定義される節点座標系 ( 図 -. に示す x -y 座標系と x -y 座標系 ) であり, そ の x,x 軸は全体座標系の X 軸とそれぞれ反時計回りに, の角度をなすものとして定義する. いま, 図 -. に示すように, 要素座標系 x 軸と全体座標系 X 軸とのなす角度を, 節点座標系 x, x 軸と要素座標系 x 軸のなす角度をそれぞれ, と表すことにすれば,, は, と を用い てそれぞれ次式で表される. ', ' (), 従来法では, 大略次のような手続きによって傾斜支持節点の処理を行っている. 要素 (x - y ) 座標系に関する要素剛性マトリックスを作成する. これに対して回転角 で要素 (x - y ) 座標系から全体 (X-Y) 座標系への座標変換を行い, 全体座 剛性マトリックスに組み込む. このときの全体剛性マトリックスの要素は, 全ての節点について全体 座標系に沿うものである. 全体剛性マトリックスのうち, 傾斜支持される自由度に対して, 全体座標系から傾斜座標系への座 標変換を行う. なお, 傾斜座標系とは傾斜支持面に沿った座標系である. x y 節点座標系 ( 端 ) y x 要素座標系 y 図 -. 座標系の定義 x 節点座標系 ( 端 ) Y X 全体座標系
y y u x x 節点 要素 v sn u cos 節点 (a) x 方向単位変位の x,y 方向への変換 y u -sn 節点 (b) y 方向単位変位の x,y 方向への変換 x v cos v y x 節点 要素 図 -. 節点座標, 第 自由度の単位変位を要素座標へ変換以上の従来法に対して, 本資料で紹介する方法 ( 以下では, 紹介法と呼ぶ ) では, 次のような手続きによって節点座標系に関する全体剛性マトリックスを得るものである. 要素 (x - y ) 座標系に関する要素剛性マトリックスを作成する. この要素剛性マトリックスを式 () で表される, を用いて節点座標系に座標変換し, 全体座剛性マトリックスに組み込む. このときの全体剛性マトリックスの要素は, 各節点自由度の節点座標系に沿うものである. また, 傾斜支持節点に関しては, 節点座標系を傾斜座標系と一致させて定義するものとする. 以下に, このような考え方に基づく, 直接法による要素 に関する要素剛性マトリックスの求め方について示す.. 第 自由度に関する剛性要素 は, 両端 節点の 次元骨組要素であるから, その変位ベクトル {d } は次のように表される. { d } { u v θ u v θ } () ここに,u,u : それぞれ要素 の, 端における x,x 軸方向の変位,v,v : それぞれ要素 の, 端における y,y 軸方向の変位, およびθ,θ : それぞれ要素 の, 端における反時計回りの回転変位である. これらは要素座標系 (x -y ) に沿う変位である. 本資料では, 式 () 右辺における,u を第 自由度,v を第 自由度, そしてθ を第 自由度というように呼ぶことにする. 従来法において, 直接法による要素の剛性行列の作成方法を要約すると, 対象とする要素が関与する変位自由度のうち つの自由度のみに要素 (x - y ) 座標系に沿った単位の強制変位を与え, 残り つの自由度は全て固定する. そして, この強制変位に伴い生じる各自由度方向の反力を求め, 節点力ベクトルとする. この処理を各自由度に対して繰り返せば, 合計 個の節点力ベクトルが得られることになる. さらに, これらのベクトルを第 自由度については第 列, 第 自由度については第 列というように並べてマトリックス表示すると, 行 列のマトリックスが得られ, これがその要素の要素 (x -y ) 座標系に関する剛性マトリックスとなる. 即ち, 従来法では各節点の自由度を要素 (x - y ) 座標系に沿って求めていることになる. 紹介法によれば, 変位自由度を要素 端の節点 (x -y ) 座標系と, 要素 端の節点 (x -y ) 座標系に沿うものとすることになる. 図 -.(a) に示すように, 第 自由度について単位変位を与え, 第 ~ 自由度を拘束した場合の変位ベクトル {d } を次のように表すことにする. { d } { u v u v θ } { } θ ()
ここに, 左辺 {d } の右下符号の は節点座標系に関する諸量であることを意味する. さらに各要素の右下符号の は第 自由度に単位変位を与えることを意味する. また, 央辺について, 要素 の 端の節点座標系 (x -y ) における変位を u,v,θ, 端の節点座標系 (x -y ) における変位を u,v,θ としている. この節点座標系に沿う変位を図 -.(a) を参照して, 要素座標系に変換し, ベクトル. 表示すると, u cos ', v sn ', θ u v θ () ~ { d } { u v θ u v θ } { cos ' sn ' } () 一般に要素座標系 (x -y ) における要素剛性方程式は, 次のように表される. { } [ S ]{ d } EA EA EI EI EI EI EA EA EI EI u v EI θ u v θ EI 式 () において,{ } は要素座標系における節点力ベクトル,[S ] は要素座標系における要素剛性マト リックスであり,, : それぞれ要素, 端の軸力,, : それぞれ要素, 端のせん断力, な らびに, : それぞれ要素, 端の曲げモーメントである. 式 () の単位強制変位ベクトル {d } を式 () の {d } に代入すると,{d } による要素座標系に沿った節点 力ベクトル { } は, 次のように表される. 要素を具体的に示せば, { } { } { } [ S ]{ d } (7) EA EA EI EI EI EI EA EA EI EI cos sn EI EI 次に, 図 -. に示すように, 要素座標系に沿った節点力ベクトル { } を節点座標系に沿った節点力 () (8)
y cos y x x 節点 要素 節点 - sn (a) 節点 の x 方向力 の x,y 方向への変換 y y cos sn 節点 x x 節点 要素 (b) 節点 の y 方向力 の x,y 方向への変換 図 -. 力の要素座標系から節点座標系へ変換ベクトル { } に変換することを考える. 図中の (a) と (b) の足し算から, 点側で 点側で cos ' + sn ', sn ' cos ', (9) ~ cos ' + sn ', sn ' cos ', (9) ~ 各要素の添え字 は節点座標系の第 自由度に単位の強制変位を与えた場合を示す. また,, : 点における x 方向の力, 点における x 方向の力, : 点における y 方向の力, 点における y 方向の力, : 点における x 方向の力, 点における x 方向の力, : 点における y 方向の力, 点における y 方向の力, : 点における節点座標系のモーメント, 点における節点座標系のモーメント, : 点における要素座標系のモーメント, 点における要素座標系のモーメントである. これらをマトリックス表示して, { } cos sn sn cos cos sn sn cos () これを書き改めて, 以下と表記する. { } [ ] { } () 右辺第 項のマトリックスが [ ] の転置マトリックスであることは 章で説明する.. 第 ~ 自由度に関する剛性 章では, 節点座標系の第 自由度に単位強制変位を与えた場合の節点座標系に沿った節点力について求めたが, 第 ~ 自由度に単位強制変位を与えた場合についても, 同様の手続きによって節点座標系に沿った反力が求められる. 第 ~ 自由度に単位強制変位を与えた場合の節点座標系における強制変位ベクトル {d k }, 要素座標系における強制変位ベクトル {d k } について, 結果のみを示せば以下のよう
になる. 第 自由度に単位強制変位を与えた場合, 図 -.(b) を参照して { d } { u v u v θ } { } u θ () sn ', v cos ', θ u v θ () ~ { d } { u v θ u v θ } { sn cos } () 第 自由度に単位強制変位を与えた場合, 回転変位に変換は不要であるから { d } { u v u v θ } { } θ () { d } { u v u v θ } { } θ () 第 自由度に単位強制変位を与えた場合, 第 自由度と同様に { d } { u v u v θ } { } θ () { d } { u v θ u v θ } { cos sn } () 第 自由度に単位強制変位を与えた場合, 第 自由度と同様に { d } { u v u v θ } { } θ () { d } { u v θ u v θ } { sn cos } () 第 自由度に単位強制変位を与えた場合, 第 自由度と同様に { d } { u v u v θ } { } θ () { d } { u v u v θ } { } θ () 式 () および () ~ より, それぞれ第 ~ 自由度に与えた, 節点座標系における単位強制変位ベクト ル {d k } (k,,,) を並べて次のようにマトリックス表示する. [ d ] [{ d } { d } { d } { d } { d } { d }] u u u u u u v v v v v v θ θ θ θ θ θ () [ I ] u u u u u u v v v v v v sy. θ θ θ θ θ θ また, 式 () および () ~ より, それぞれ第 ~ 自由度に与えた, 要素座標系における単位強制変位
ベクトル {d k } (k,,,) を並べて次のようにマトリックス表示する. [ d ] [{ d } { d } { d } { d } { d } { d }] u u u u u u cos sn v v v v v v sn cos θ θ θ θ θ θ (7) [ ] u u u u u u cos sn v v v v v v sn cos θ θ θ θ θ θ これを書き改めて, { d } [ ] (8) [ ] は要素 の 端の節点座標系 (x -y ) と, 端の節点座標系 (x -y ) に沿う変位を要素座標系 (x -y ) に沿う変位へ変換するマトリックスである. この関係は変位のみならず座標値自体にも成立するので, [ ] は座標変換マトリックスと呼ばれる. 式 () と式 (7) の比較から式 () の右辺のマトリックスが [ ] の転置であることが認識される. また, 式 () は第 ~ 自由度それぞれに単位強制変位を与えた場合についても同様であり, これをマトリックスに並べて, { } [ S ]{ d } ( k,, K,) [ ] [{ } { } { } { } { } { }] (9) k k [ S ]{ d } [ S ]{ d} [ S ]{ d} [ S ]{ d} [ S ]{ d} [ S ]{ d} ] [ S ]{ [ d } { d} { d} { d} { d} { d} ] [ S ][ d ] 式 () の最右辺に式 (8) を代入すると, 次の関係が成立する. [ ] [ S ][ ] () () また, 式 (9) の第 ~ 式に示した第 自由度に単位強制変位を与えた場合の, 要素座標系の節点力を 節点座標系に変換する式を第 ~ 自由度にそれぞれ単位強制変位を与えた場合の式に拡張する. この 場合にも図 -. を参照し,k,,, として, 点側で 点側で k cos ' + sn ', sn ' cos ', () k k k k k k k ~ k cos ' + sn ', sn ' cos ', () k k k k k k ~
7 各要素の添え字 k は節点座標系の第 k 自由度に単位の強制変位を与えた場合を示す. その他の添え字は式 (9) の第 ~ 式と同様である. これをマトリックス表示して, { } k k k k k k k k k k k k k cos sn sn cos cos sn sn cos () 書き改めると, { } [ ] { } ( ),,, K k k k () 式 () より, それぞれ第 ~ 自由度に与えた単位強制変位によって生ずる節点座標系に沿った節点力ベクトル { k } (k,,,) を並べて次のようにマトリックス表示する. [ ] { } { } { } { } { } { } [ ] [ ] { } [ ] { } [ ] { } [ ] { } [ ] { } [ ] { } [ ] [ ] { } { } { } { } { } { } [ ] [ ] [ ] () 式 () に式 () を代入すると次の関係を得る. [ ] [ ] [ ][ ] S () 式 () の [ ] は, 要素 について節点座標系に沿った単位の変形を個別に与えた時, 要素に生じる節点座標系に沿った節点力を示すものであり, 節点座標系における要素剛性マトリックスを表している. よって,[ ] を改めて節点座標系における要素剛性マトリックスとして [k ] と表すことにする. [ ] [ ] k (7) これより, 節点座標系における要素剛性方程式は次式で表される. { } [ ]{ } d k (8) 式 (8) の [k ] を全体構造の剛性マトリックスにアセンブルすると, 構造全体に関する剛性も節点座標系におけるものになる.
. まとめ従来法では要素剛性を全体座標系に変換する時, やはり座標変換マトリックスを用いるがその場合は, 要素 点側と 点側とで共通な要素座標系 x 軸と全体座標系 X 軸のなす角度 を用いる. 紹介法では 点側と 点側でそれぞれ個別に節点座標系 x,x 軸と全体座標系 X 軸のなす角度 ', ' を用いることになる. したがってプログラムの大筋の流れについては従来法に対して大きな変更はない. この方法によれば任意の節点に対して任意の方向の拘束を付与できる. 従来法では構造全体の節点の自由度を全体座標系に固定化して考えるため, 傾斜支持処理について煩雑さを感じるが, 紹介法では節点ごとに任意方向に自由度をとることが基本となるため迷いが少ない. 次元骨組では 点, 点でそれぞれ全体座標系に対する節点座標系の方向余弦を定義することにより, ここまでと同じ考え方で傾斜支持の問題が処理できる. ただし, 回転変位について 次元では変換が必要なかったが 次元ではベクトルの考え方を用いて座標変換の必要が生じる. 次元において つの節点に対する拘束の組み合わせは 通りあるが, 紹介法によればいずれの組み合わせに対しても共通の考え方で容易にプログラミングができる.. 数値計算例提案法について, 図 -. に示すような 次元ラーメン構造物の例題を通して説明するとともに, その妥当性についても示す. この構造物は, 節点 がピン支持, 節点 が X 軸方向から反時計回りに 回転した斜面上でローラー支持されており, 節点 には X 軸方向の集中荷重 が作用しているものとする. なお, 同図中の () 内は, 要素番号を表している. 本構造物に対する, 構造力学による支点反力と各節点の変位の理論解は次のようになる. 図 -. に示すように, 支点反力 R H,R V および R を定義すると, これらは力のつり合い条件により, それぞれ次のように求められる. R, R, R (9) H ~ V 節点 における X,Y 軸方向変位 δ X,δ Y, および反時計回りを正とする回転変位 θ は, それぞれ次のように求められる. Y R H () EA,EI y x R V () EA,EI X y x R φ 弾性係数 :E / 断面積 :A 断面二次モーメント :I 部材長 : 集中荷重の大きさ : k 図 -. 次元ラーメン構造物 表 -. ラーメン構造物の理論解 項目 節点番号 成分 理論解 R H (k) -.E+ 支点反力 R V (k) -.E+ R (k) 7.7E+ δ X ().E+ δ Y ().E+ θ (rad.) -.E- δ X () 8.8E+ 変位 δ Y ().E+ θ (rad.) -.E- δ X () 8.E+ δ Y () 8.E+ θ (rad.).8e- 8
δ, δ, θ () X Y ~ EI EA また, 節点 における X,Y 軸方向変位 δ X,δ Y, および反時計回りを正とする回転変位 θ は, それぞれ次のように求められる. δ +, δ, θ () X Y ~ EA EA EA さらに, 節点 における X,Y 軸方向変位 δ X,δ Y, および反時計回りを正とする回転変位 θ は, それぞれ次のように求められる. δ, δ, θ () X Y ~ EI EA 図 -. に示す諸元を以上の支点反力, 節点変位の代数式に代入すると, 理論解は表 -. のように表される. 次に, 提案法によって変位と支点反力を求める. なお, 数値計算には,crosoft 社の Excel を用いることにする. 以下に計算過程を示す. () 節点座標系表示の要素剛性マトリックスの計算要素座標系表示の要素剛性マトリックス [S ] は, 式 () で与えられる. 要素 については, 式 () に図 -. に与えられている諸元を代入することにより, 次のように表される. ただし, 要素 の要素座標系の x 軸は, 式 () における, として, 節点 から の向きに定義する. [S ] u v θ u v θ.e+.e+.e+ -.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ -.E+.E+.E+.E+ 8.E+9.E+ -.E+.E+9 -.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ -.E+ -.E+.E+.E+ -.E+.E+.E+.E+9.E+ -.E+ 8.E+9 要素 に関して, 式 (7) で表される要素座標系から節点座標系への座標変換マトリックス [ ] を求めるため, 節点, における節点座標系を定義する. 節点 については全体座標系に沿った座標系で支持されていることから, 節点 は全体座標系と節点座標系を平行に定義する. また, 節点 についても節点座標系は全体座標系と平行に定義する. 即ち,, とする. 一方, 要素 の要素座標系 x 軸は全体座標系 X 軸から反時計回りに 9 回転しているから である. よって, 式 () より, 要素座標系 x 軸と節点, における節点座標系 x,x 軸とのなす角度はそれぞれ次のように表される. 9 9, ' 9 9 (), ' 式 () より, 要素 に関する節点座標系から要素座標系への座標変換マトリックス [ ] は次のように求められる. 9
[ ].E-7.E+.E+.E+.E+.E+ -.E+.E-7.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E-7.E+.E+.E+.E+.E+ -.E+.E-7.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ 要素 について, 逆に要素座標系から節点座標系への座標変換マトリックス [ ] は, 次のように表 される. [ ].E-7 -.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E-7.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E-7 -.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E-7.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ 式 (),(7) より, 要素 の要素剛性マトリックス [S ] を節点座標系の要素剛性マトリックス [k ] に変 換すると, 次のように表される. マトリックス積の計算には,Excel の U 関数を使用した. [k ][ ] [S ][ ] u v θ u v θ.e+.e- -.E+ -.E+ -.E- -.E+.E-.E+ 7.E- -.E- -.E+ 7.E- -.E+ 7.E- 8.E+9.E+ -7.E-.E+9 -.E+ -.E-.E+.E+.E-.E+ -.E- -.E+ -7.E-.E-.E+ -7.E- -.E+ 7.E-.E+9.E+ -7.E- 8.E+9 要素 の要素座標系表示の要素剛性マトリックス [S ] は, 式 (8) に図 -. に与えられている諸元を代 入することにより, 次のように表される. ただし, 要素 の要素座標系の x 軸は, 式 (8) における, として, 節点 から の向きに定義する. [S ] u v θ u v θ.e+.e+.e+ -.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ -.E+.E+.E+.E+ 8.E+9.E+ -.E+.E+9 -.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ -.E+ -.E+.E+.E+ -.E+.E+.E+.E+9.E+ -.E+ 8.E+9
要素 に関して, 式 (7) で表される要素座標系から節点座標系への座標変換マトリックス [ ] を求めるため, 節点, における節点座標系を定義する. 要素 と同様に節点 については全体座標系と節点座標系を平行に定義する. 即ち, とする. 一方, 節点 は全体座標系の X 軸から反時計回りに 傾斜した斜面上でローラー支持されていることから, 節点座標系の x 軸を全体座標系の X 軸から反時計回りに 回転した方向に定義する. 即ち, とする. また, 要素 の要素座標系 x 軸は全体座標系 X 軸と平行であるため である. よって, 式 () より, 要素座標系 x 軸と節点, における節点座標系 x,x 軸とのなす角度はそれぞれ次のように表される., ' (), ' 式 (8) より, 要素 に関する節点座標系から要素座標系への座標変換マトリックス [ ] は次のように求められる. [ ].E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ 7.7E- -7.7E-.E+.E+.E+.E+ 7.7E- 7.7E-.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ る. 要素 について, 要素座標系から節点座標系への座標変換マトリックス [ ] は, 次のように表され [ ].E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ 7.7E- 7.7E-.E+.E+.E+.E+ -7.7E- 7.7E-.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ 式 (),(7) より, 要素 の要素剛性マトリックス [S ] を節点座標系の要素剛性マトリックス [k ] に変 換すると, 次のように表される. [k ][ ] [S ][ ] u v θ u v θ.e+.e+.e+ -.E+.E+.E+.E+.E+.E+ -.97E+ -.97E+.E+.E+.E+ 8.E+9-8.8E+ -8.8E+.E+9 -.E+ -.97E+ -8.8E+.E+ -9.88E+ -8.8E+.E+ -.97E+ -8.8E+ -9.88E+.E+ -8.8E+.E+.E+.E+9-8.8E+ -8.8E+ 8.E+9 () 全体剛性マトリックスの計算要素 と の要素剛性マトリックス成分を重ね合わせること ( アセンブリ ) により, 全体剛性マトリックスは, 次のように表される.
[K ]Σ[K ] u v θ u v θ u v θ.e+.e- -.E+ -.E+ -.E- -.E+.E+.E+.E+.E-.E+ 7.E- -.E- -.E+ 7.E-.E+.E+.E+ -.E+ 7.E- 8.E+9.E+ -7.E-.E+9.E+.E+.E+ -.E+ -.E-.E+.E+.E-.E+ -.E+.E+.E+ -.E- -.E+ -7.E-.E-.E+.E+ -.97E+ -.97E+.E+ -.E+ 7.E-.E+9.E+.E+.E+ -8.8E+ -8.8E+.E+9.E+.E+.E+ -.E+ -.97E+ -8.8E+.E+ -9.88E+ -8.8E+.E+.E+.E+.E+ -.97E+ -8.8E+ -9.88E+.E+ -8.8E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+9-8.8E+ -8.8E+ 8.E+9 () 荷重条件と境界条件の導入 () の全体剛性方程式に, 荷重条件,, および境界条件 u v,v を代入すると, 次のようになる. 以下の剛性マトリックスにおいて, 薄桃色のシェーディングは, 荷重が既知, 変位が未知の成分を意味している. u v θ u v θ u v θ.e+.e- -.E+ -.E+ -.E- -.E+.E+.E+.E+.E-.E+ 7.E- -.E- -.E+ 7.E-.E+.E+.E+ -.E+ 7.E- 8.E+9.E+ -7.E-.E+9.E+.E+.E+ -.E+ -.E-.E+.E+.E-.E+ -.E+.E+.E+ [K ] -.E- -.E+ -7.E-.E-.E+.E+ -.97E+ -.97E+.E+ -.E+ 7.E-.E+9.E+.E+.E+ -8.8E+ -8.8E+.E+9.E+.E+.E+ -.E+ -.97E+ -8.8E+.E+ -9.88E+ -8.8E+.E+.E+.E+.E+ -.97E+ -8.8E+ -9.88E+.E+ -8.8E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+9-8.8E+ -8.8E+ 8.E+9 以上の剛性マトリックスにおいて, 薄桃色のシェーディングが施された成分のみを抜き出して, 剛性マトリックスのサイズを縮小するとともに, 荷重の値を具体的に記入すると, 次のようになる. 荷重 () or () θ u v θ u θ [K ].E+ 8.E+9.E+ -7.E-.E+9.E+.E+.E+.E+.E+.E-.E+ -.E+.E+.E+ -7.E-.E-.E+.E+ -.97E+.E+.E+.E+9.E+.E+.E+ -8.8E+.E+9.E+.E+ -.E+ -.97E+ -8.8E+.E+ -8.8E+.E+.E+.E+.E+.E+9-8.8E+ 8.E+9 () 剛性マトリックスの逆マトリックスの計算 Excel の nverse 関数を用いて,() にて縮小された剛性マトリックスの逆マトリックス [K] - を求めれば, 以下のようになる. [K ] - θ.e- -.E- -.E-9 -.E- -.78E- -.E- u -.E- 8.8E-.E- -.E-9.79E-.8E- v -.E-9.E-.E- -.E-9.E- -.E-9 θ -.E- -.E-9 -.E-9 8.8E- -8.E- -.E- u -.78E-.79E-.E-.8E-.7E-.78E- θ -.E-.8E- -.E-9 -.E-.78E-.E-
() 未知変位の計算 () にて計算された剛性マトリックスの逆マトリックスと, 既知荷重ベクトルとの積を計算することにより, 節点座標系における未知変位は次のように求められる. {u }[K ] - { } θ u v θ u θ 変位 () or (rad.) -.E- 8.8E+.E+ -.E-.79E+.8E- なお, 節点, については節点座標系と全体座標系を平行に定義したため, 節点座標系の変位は全体座標系の変位に等しい. しかし, 節点 については, 節点座標系と全体座標系が平行でないため, 節点座標系の変位を座標変換マトリックス [ ] によって一旦要素座標系に変換する. この変換は次のように求められる. {d }[ ]{d } u v θ u v θ 変位 () or (rad.) 8.8E+.E+ -.E- 8.E+ 8.E+.8E- ここで, 要素座標系から全体座標系への座標変換マトリックスは次式で表される. cos sn sn cos () cos sn sn cos [ ] 要素 については, 要素座標系 x 軸と全体座標系 X 軸とのなす角度が, 即ち, であるから, 式 () は次のように表される. U V u v θ u v θ.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+ [ ] Θ.E+.E+.E+.E+.E+.E+ U.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ V Θ.E+.E+.E+.E+.E+.E+ よって, 節点, の全体座標系における変位は次のように表される.
U V 変位 () or (rad.) 8.8E+.E+ {D }[ ]{d } Θ -.E- U V Θ 8.E+ 8.E+.8E- () 支点反力の計算支点反力は,() にて求めた全体剛性マトリックスのうち, 未知節点力に関する成分と,(7) にて求めた未知変位との掛け算によって求めることができる.() にて求めた全体剛性マトリックスのうち, 未知節点力に関する成分を薄桃色のシェーディングで以下に示す. あわせて, 以下には,() にて計算した変位の値も示してある. u v θ u v θ u v θ 変位 () or (rad.).e+.e- -.E+ -.E+ -.E- -.E+.E+.E+.E+ u.e+.e-.e+ 7.E- -.E- -.E+ 7.E-.E+.E+.E+ v.e+ -.E+ 7.E- 8.E+9.E+ -7.E-.E+9.E+.E+.E+ θ -.E- -.E+ -.E-.E+.E+.E-.E+ -.E+.E+.E+ u 8.8E+ [K ] -.E- -.E+ -7.E-.E-.E+.E+ -.97E+ -.97E+.E+ v.e+ -.E+ 7.E-.E+9.E+.E+.E+ -8.8E+ -8.8E+.E+9 θ -.E-.E+.E+.E+ -.E+ -.97E+ -8.8E+.E+ -9.88E+ -8.8E+ u.79e+.e+.e+.e+.e+ -.97E+ -8.8E+ -9.88E+.E+ -8.8E+ v.e+.e+.e+.e+.e+.e+.e+9-8.8e+ -8.8E+ 8.E+9 θ.8e- 以上の剛性マトリックスのうち, 薄桃色シェーディング部のみを書き出すと次のようになる. u v θ u v θ u v θ.e+.e- -.E+ -.E+ -.E- -.E+.E+.E+.E+ [K ].E-.E+ 7.E- -.E- -.E+ 7.E-.E+.E+.E+.E+.E+.E+.E+ -.97E+ -8.8E+ -9.88E+.E+ -8.8E+ る. 以上の剛性マトリックスと変位ベクトルとの掛け算によって, 節点力はそれぞれ次のように求められ 節点力 () or () -.E+ {}[K ]{U } -.E+ 7.7E+ 節点力は節点座標系で求められるため, 図 -. に示す支点反力 R H,R V,R との対応関係は, 両者の正の向きに注意すると, R H, R V, R となる. 以上の手続きで求められた, 図 -. に示す 次元ラーメン構造物の支点反力と節点変位の数値解析結果について, 理論解と比較して表 -. に示す.
表 -. ラーメン構造物の理論解と数値解析結果 項目 節点番号 成分 理論解 数値解析結果 R H (k) -.E+ -.E+ 支点反力 R V (k) -.E+ -.E+ R (k) 7.7E+ 7.7E+ δ X ().E+.E+ δ Y ().E+.E+ θ (rad.) -.E- -.E- δ X () 8.8E+ 8.8E+ 変位 δ Y ().E+.E+ θ (rad.) -.E- -.E- δ X () 8.E+ 8.E+ δ Y () 8.E+ 8.E+ θ (rad.).8e-.8e-