Integrating the Healthcare Enterprise IHE の星取り表は なぜ分かりづらいのか マトリックスで分かりやすくするには 向井まさみ IHE 普及推進委員会 ( 放射線医学総合研究所 医療情報課 ) IHE 勉強会 in Tokyo, 2010-06 06-0505 0
メニュ IHE 活動 (IHE サイクル ) 技術定義書 コネクタソン IHE を理解するためのキーワード 技術定義書 : Technical Framework 業務シナリオ / 統合プロファイル 機能 ( アクタ ) と通信方法 ( トランザクション ) 専門分野 (Domain) って何? マトリックスとは? IHE の検討構造を理解するために 1
IHE 活動 (IHE( サイクル ) ユーザーとベンダーが協力して 情報システムの問題点を検討 Workflow を分析し 業務シナリオ (Integration Profile) の作成 業務シナリオを実現するために Actor( 機能単位 ) と Transaction( 通信手順 ) を定義 成果物が Technical Framework Technical Framework に則り接続テスト 結果の公開および IHE 活動の普及 2
IHE 開発プロセス 医療機関の要求仕様 複数メーカによる情報シ異質な情報システムをステムを利用し 運用上含んで 複雑で問題のの問題を解決したい医療多い処理を有する機関 ( ユーザ医療機関 ) ベンダの技術 企画委員会業務シナリオの検討 IHE ソリューションをデモ 教育 サイクル 1.5~2 年 Connect + Marathon システム接続試験会 技術委員会 DICOM/HL7 等で記述 IHE テクニカルフレームワーク コネクタソン ベンダが各製品に実装 3
従来の情報連携 患者情報の変更発生! 変更を口頭連絡 各システム担当が変更 医事会計システム 放射線部門システム (RIS) 医用画像管理システム (PACS) 電子カルテシステム 同じメーカのシステムなら自動連携 OK! 変更を間違えると あれ!? 同じ患者さんの情報のはずなのに カルテとレポートで名前が違うぞ!! 各システム担当が変更 読影レポート管理システム 外来で 病棟で 4
IHE の手法を利用した情報連携 患者情報の変更発生! 医事会計システム フローに従い自動更新 放射線部門システム (RIS) フローに従い自動更新 医用画像管理システム (PACS) フローに従い自動更新 フローに従い自動更新 電子カルテシステム 患者さんの取り間違いを防ぐことができて安心!! 読影レポート管理システム 外来で 病棟で 5
業務シナリオ の検討の仕方 Step1) scope: 実現したいこと を決める 例 : 患者名が変更されたら通知したい Step2) 機能を整理する 例 : 医事会計システム 患者名 電子カルテ (HIS) これが 業務シナリオ 放射線部門システム (RIS) 患者情報登録 / 送付 患者情報受信 Step3) 機能間をどのように通信するか検討する 例 : 患者情報通知患者情報登録 / 送付患者情報受信 6
概念的な機能と情報のやり取り IHE は情報の発生や流れを概念的に整理してガイドラインを提示しています 施設が違っても 技術が進歩して機器が変わっても 本質的な情報の流れは不変です 7
IHE の技術的構造 Domain( 検討領域 ) テクニカルフレームワーク ( 技術文書 ) 統合プロファイル -1 統合プロファイル -3 統合プロファイル -2 トランザクション 1 アクタ A トランザクション 5 アクタ B トランザクション 3 アクタ D トランザクション 2 アクタ C トランザクション 4 8
Technical Framework IHE 活動の成果物 Technical Framework Integration Profile 業務シナリオ例 : 予約を伴う検査のスケジュール機能 (SWF: Scheduled Workflow) Actor 例 : オーダー発行 (OP: Order Placer) オーダー受け (OF: Order Filler) Transaction 例 : 患者登録 発行元オーダー管理 受け側オーダ管理 9
Year 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 Venders 11 17 20 23 28 41 40 46 Systems 11 17 32 48 67 84 72 86 IHE-Japan Oct. 2009 Connectathon 10
専門分野 (Domain( Domain) IHE では 医療情報システムを分野別に分けます この分野を IHE では ドメインと呼びます 現在 以下のような 10 個のドメインがあります Anatomic Pathology Cardiology Eye Care IT Infrastructure Laboratory Patient Care Coordination Patient Care Devices Quality, Research and Public Health Radiation Oncology Radiology 11 11
放射線 臨床検査 内視鏡 病理 臨床細胞 IHE の Domain -EHR の構築 - 100 以上の統合プロファイル IT 基盤技術 Patient Care Coordination Future Domains Patient Care Device 循環器 放射線治療 Quality, Research and Public Health 12 眼科
各専門分野 (1) 分 野 内 容 1 放射線検査 放射線診断の検査一般を扱う 2 臨床検査 血液 尿検査などの検査を扱う 3 循環器 心カテなどの検査を扱う 4 病理検査 病理検査を扱う 5 眼科 眼科の検査や診療を扱う 6 放射線治療 放射線治療の業務シナリオを扱う 13 13
各専門分野 (2) 分野内容 7 PCD( 患者ケア用装置 ) 8 PCC( 患者ケアの連携 ) 9 Quality, Research and Public Health( 医 10 療の品質 IT Infrastructure( ) 情報通信技術の基盤 ) Patient Care Device 主に手術室の機器のデータ交換を扱う Patient Care Coordination 施設間連携の時に 医療情報の内容を定める 品質管理のための業務シナリオ システム間や施設間の情報連携のために 各分野に共通する基本的な業務シナリオを扱う 14 14
IHE におけるマトリックス 分野 1 分野 2 分野 3 機能 1 業務シナリオ A 機能 2 ー ー 業務シナリオ B 業務シナリオ C 業務シナリオ D 業務シナリオには Actor とTransaction が含まれる 15 15
機能 HIS との連携 検査装置関連 レポート結果 マトリックスとは? 検体検査 眼科 病理 臨床細胞 内視鏡放射線診断放射線治療循環器 SWF, PIR ESI, MDW SWF, PIR NMI NTPL-S CATH, ECHO SINR, ECG, RWF DRPT エビデンス査証跡 その他 ED ED 分野 施設間連携 監 ( 会計処理 画像表示 ) 16 16
部門別業務シナリオ 1 17
部門別業務シナリオ 2 18 18
基盤技術系 部門別業務シナリオ 3 IT インフラストラクチャ領域の主な業務シナリオ 監査証跡 (ATNA)( 時刻同期 (CT)( アプリ動作関係 シングルサインオン (EUA)( 患者選択の連動 (PSA)( 地域連携 / 医療機関連携 施設間文書共有 (XDS)( 1:1 の施設間情報連携 (XDR)( 媒体による連携 (XDM)( 患者 ID の相互参照 (PIX) Domain 共通 患者情報検索 (PDQ)( 患者情報通知 (PAM)( 19
まとめ 1 IHE の活動は 発案 検討 実装 接続試験 ( コネクタソン ) 導入のサイクルを繰り返して発展しています IHE の検討結果は 検討領域 (Domain)( ごとに公開されている技術定義書 ( テクニカルフレームワーク ) の中にまとめられています 技術定義書の中には 業務シナリオ ( 統合プロファイル ) が記載されています 業務シナリオは その機能を実現するために必要な機能 ( アクタ ) と機能間の通信方法 ( トランザクション ) が明記されています 検討領域には 放射線や臨床検査などのいわゆる専門分野と 専門分野にまたがるような機能を検討する IT インフラストラクチャ分野があります 20
まとめ 2 専門分野が提示する業務シナリオ ( 統合プロファイル ) は 英語 3 文字の略語 (SWF,PIR,LTW,ESI など ) であらわされます ちょっと難しく感じます が!! それぞれの専門分野で実現したいこと ( 電子カルテと部門システム間のオーダ情報を連携する 検査結果を通知する など ) はあまり変わりません 従い 実現したいこと 専門分野をうまく組み合わせて導入したい業務シナリオを決めることができます もし 必要な業務シナリオが見つからない場合 先行している隣の専門分野の似たような業務シナリをちょっと改良するだけで目的の機能が実現することもあるでしょう IT インフラストラクチャは専門分野に共通な業務シナリオを多くもっていて パーツのように利用できるようになっています 活用してください 21
最新情報はこちらにアクセス 日本 IHE 協会 http://www.ihe-j.org IHE( 北米 ) http://www.ihe.net http://wiki.ihe.net お問合せもこちらから! 今後のワークショップ等の予定 2010 年 11 月 18 日 ( 木 ) 午後 IHE チュートリアル UPDATE2010 開催第 30 回日本医療情報学会学術大会 ( アクトシティ浜松 ) 詳細は http://www.e-rad.jp/xoops/modules/eguide/index.php?cat=1 へ END 22