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宇宙技術 Vol., pp. 9-, 論 文 * 一軸対称の薄肉開断面を有する回転軸の解析 Analss of a Rotatng Shaft th a Thn-Walled Open Cross-Secton Havng One Smmetrcal As 荻芳郎 * 樋口健 * 渡辺和樹 * * 渡邊秋人 Yoshro OGI, Ken HIGUCHI, Kazuk WATANABE and Akhto WATANABE Ke Words : Structural Analss, Artfcal Satelltes, Rotatng Shafts, Thn-Walled Beams, Fleural-Torsonal Vbratons Abstract : The purpose of ths paper s to analze structural statcs and dnamcs of a rotatng shaft th a thn-alled open cross-secton havng one smmetrcal as. For the shaft, fleural-torsonal couplng must be consdered because the centrod as and the shear-center as do not alas concde. After dervng the governng equatons of moton for a unform shaft rotatng at a constant angular veloct, e propose methods to estmate statc deflecton and dnamc stablt. Numercal calculatons for cantlever shafts th and thout nternal dampng ndcate that the dstance beteen the centrod and the shear-center contrbutes to the dnamc nstablt. Moreover, an applcaton of the methods to an elastcall supported model ndcates that a spn-as antenna rod for future scentfc satelltes under consderaton s dnamcall stable n the operatonal spn-rate. 記号の説明 O-z : 回転直交座標系 O-XYz : 慣性直交座標系 : 回転軸の角速度 l : 回転軸の長さ e, e :, 方向の偏重心 ( 第 図 ) d : 回転軸の直径 h : 回転軸断面の重心 -せん断中心距離 m : 単位長さ当り質量 E : ヤング率 G : せん断弾性係数 I, I :, 方向の断面 次モーメント G : ワーピング定数 J p I c I s : 断面極 次モーメント : 重心回りの単位長さ当り慣性モーメント : せん断中心回りの単位長さ当り慣性モーメント c, c : 変形前の重心位置 ( 回転座標系 ) s, s : 変形前のせん断中心位置 ( 回転座標系 ) c (z, t), c (z, t) : 変形後の重心位置 ( 回転座標系 ) X c (z, t), Y c (z, t) : 変形後の重心位置 ( 慣性座標系 ) s (z, t), s (z, t) : 変形後のせん断中心位置 ( 回転座標系 ) u(z, t), v(z, t) : せん断中心の, 方向の変位 ( 第 図 ) f (z, t) : ねじり角 ( 第 図 ) ( ) : 位置 z に関する偏微分 ( ) : 時刻 t に関する偏微分 [m] : モード質量マトリクス [g] : モードジャイロマトリクス [k] : モード剛性マトリクス { q( t)} : 基準座標ベクトル {q} : 複素固有ベクトル p : 複素固有角振動数 K, K f : 弾性支持端のばね定数 c, c, c f :, 方向, ねじり方向の粘性減衰係数 g : 減衰比. はじめに回転軸 ( 第 図 ) は, 危険速度や不安定振動が起こる回転速度を推定することが重要であり, 解析では通常, 円形断面や方形断面に等価変換できる梁モデルを扱う ). これら梁モデルは, 重心軸とせん断中心軸が一致するため, 回転角速度が一定で, 歯車や自在継手等のトルク伝達要素が存 z Shaft * C 日本航空宇宙学会平成 9 年 月 日, 第 9 回構造強度に関する講演会にて一部発表平成 9 年 9 月 日原稿受理 * 総合研究大学院大学物理科学研究科宇宙科学専攻 * 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部 * ( 株 ) ウェルリサーチ * サカセ アドテック ( 株 ) (9) O e e 第 図回転軸の概略

宇宙技術第 巻 ( 年 ) Thn-alled open cross-secton boom Back: Storage spool Gude roller Y X C( c, c) (+u, +v) S ( s, s) S( s, s) e +f C ( c, c) Shear-center O h e Centrod 第 図回転座標系での重心とせん断中心 Inflatable tube contaner Shear-center h = d 在しない系では, 曲げとねじりを分離して解析することが できる ~). しかし,STEM ) (Storable Tubular Etendble Member) で用いられるような薄肉開断面梁は, 重心軸とせん 断中心軸の距離が無視できないほど離れている場合があり, その場合, 非回転時の自由振動でも曲げとねじりが連成す るため, 回転時には重心 - せん断中心距離に起因する連成を 考慮した解析が必要となる. Centrod d 第 図 SPINAR 断面モデル Gas port Sze: D W Hmm 第 図 SPINAR 試作品 ( 伸展長さ約.m) Cross-secton Smmetrcal as 研究背景として, 現在, 独立行政法人宇宙航空研究開発 機構 (JAXA) 宇宙科学研究本部 (ISAS) にて次期磁気圏探 査計画 SCOPE (cross-scale COuplng n Plasma unverse) がミ ッション提案に向けて検討されている ).SCOPE 計画では, 衛星のスピン軸方向を含む 次元の電場アンテナを搭載す る必要があるが, スピン軸方向アンテナは, スピンによる 振れ回りを防ぐため, アンテナ質量や剛性などの制約条件 が厳しいものになっている. そこで, この SCOPE 衛星を実 現させるものとして, インフレータブル方式による伸展ロッド SPINAR (SPace INflatable Actuated Rod) を開発中である ) ( 第 図 ).SPINAR は主に, 第 図に示す一軸対称の薄肉 開断面を有する梁, インフレータブルチューブ, 及び収納 機構より構成される. 伸展部材としての薄肉開断面梁は, 収納時はリールに巻かれた状態で, インフレータブルチュ ーブのガス膨張により押し出され, 伸展する. これは単純 な伸展方式であり, かつ軽量 高剛性など,SCOPE 衛星に おいて有力なものとなっている. 伸展長さ約. m の SPINAR 試作品について, 航空機を用いた微小重力環境下 での回転伸展実験を実施した 9).SCOPE 衛星で必要とされ る伸展長さは約 m であり, スピン安定性を定量的に把握 しておくことは重要である. 以上より, 本研究ではまず,SPINAR 断面に限らない一 軸対称の薄肉開断面を有する梁を回転軸としてモデル化し, 静的変形及び動的安定性を推定する手法を導出する. 続い て, 片持ち軸について数値計算例を示し, 重心 - せん断中心 距離の影響, 及び内部減衰の影響を考察する. さらに, SPINAR の伸展部材を弾性支持軸にモデル化することによ り,SCOPE 衛星搭載時のスピン安定性を検証する.. 解析モデル. 運動方程式第 図に示す回転軸において, 回転直 交座標系 O-z は慣性空間に対し z 軸回りに一定の角速度 で回転している. 長さ l の変形前の真っ直ぐな弾性軸は,z 軸と平行に回転座標系に固定されているが, 製作誤差や設 置誤差等により取り付け端の重心位置が原点 O より偏重心 e, e だけ離れている. 軸は z に対し一様断面の Bernoull-Euler 梁とし, 重力, 回転慣性, ジャイロモーメン トは作用しない. また式の導出において減衰項は省略する. 一軸対称薄肉開断面は, 構造力学的に, 断面対称軸上の 重心とせん断中心に置き換えることができる ). これらの 距離 h は, 開断面形状により決まり, 第 図の円形開断面で は直径 d に等しくなる. 一軸対称薄肉開断面軸の, ある位 置 z における, 回転座標系での重心とせん断中心を第 図 に示す. 変形前の重心 C ( c, c ) とせん断中心 S ( s, s ) を 結ぶ線分と平行に 軸を設定しても一般性は失われない. ここで, c, c, s, s は次式で表される. c = e c = e s = e - h s = e (a) (b) (c) (d) たわみとねじりは微小とし, 位置 z, 時刻 t において,C, S は h を保ったまま, それぞれ C( c (z, t), c (z, t)), S( s (z, t), s (z, t)) (9)

一軸対称の薄肉開断面を有する回転軸の解析 ( 荻芳郎 樋口健 渡辺和樹 渡邊秋人 ) に変位する. せん断中心の, 方向の変位を u(z, t), v(z, t), ねじり角を f (z, t) とすると, c, c, s, s は次式で表される. s = s + u = e - h + u s = s + v = e + v c = s + h = e + u c = s + hf = e + v + hf 系の運動エネルギ T, ポテンシャルエネルギ V は, ねじ りのワーピングを考慮すると, ワーピング定数をGとして, l T = ò { mx c + my c + I c ( f + ) }dz () となる. ここで,X c (z, t), Y c (z, t) は慣性直交座標系 O-XYz で の重心位置であり, c, c の回転座標変換で求まる. 式 Hamlton の原理により, 式 ()~() から回転軸の運動方程 が導かれる. なお弾性支持軸の場合, 支持ばねによるひず みエネルギの項が式 () に加わるが, 得られる運動方程式は 同じである.. 静解析式 () の時間微分の項を消去すると, 静的釣 合条件式 が得られ,u と v, f との連成は分離される. 式 () を解くと静 的釣合形状 (a) (b) (c) (d) l V = ò { EI u + EI v + EΓf + GJ pf }dz () EI u - m u + mu - mv - mhf = me EI v - m v - mh f + mv + mhf + mu = me EΓf - GJ pf - mh f - mh v + I f + mhv + mhu = mhe s (a) (b) (c) EI u - m u = me (a) EI v - m v - mh f = me (b) EΓf - GJ f - mh f - mh v = mhe (c) p u = sn kz - e ( z) Cu cosh kz + Cu snh kz + Cu coskz + Cu ( z) = Cv coshaz + Cv snhaz + Cv cosh bz + Cv v cosgz + Cv sngz + Cv cosdz + Cv sn ( z) = Cf coshaz snhaz cosh bz cosgz sngz cosdz sn v f 材料定数 重心 - せん断中心距離 偏重心 取り付け端境界条件 非回転時 ( = ) の ~ 次の固有振動数 [Hz] snh bz + C dz - e 第 表代表的な数値計算条件 Case- 固定. (vf 連成 次 ). (u 独立 次 ). (vf 連成 次 ) Case- 固定. (v 独立 次 ). (u 独立 次 ). (f 独立 次 ) snh bz dz (a), (b), (c) Case- l =.m, d =.9 m, m =. - kg/m E =. GPa, G =. GPa I = I =. - m J p =. - m, G =. - m I c =. - kg m, I s = I c + mh h = d h = h = d e = e =. mm 弾性支持 (SPINAR 模擬 ). (vf 連成 次 ). (u 独立 次 ). (vf 連成 次 ) が得られる. ここで,C u ( =,,, ), C v, C f ( =,,, ), k, a, b, g, d は, 回転軸の境界条件と角速度から求まる. 式 () の釣合形状が無限大となる角速度が危険速度である.. Ralegh-Rtz 法を利用した安定解析式 () は線形の連立偏微分方程式であり,e, e は右辺の非同次項にのみ含まれることから, 偏重心の大きさは回転軸の安定性に無関係であることが分かる. そのため安定判別には e, e を としても問題無く, その場合, 式 () は回転時の自由振動基礎式 EI u - m u + mu - mv - mh f = (a) EI v - m v - mh f + mv + mhf + mu = (b) EΓf - GJ pf - mh f - mh v + f + mhv + mhu = (c) となる. 式 () に対応した動的安定解析を行うため, Ralegh-Rtz 法による固有振動数の近似解を用いた手法を導く. まず,u, v, fがそれぞれ境界条件を満足する n 個の形状関数の線形結合で表されると仮定する. u( z, t) = v( z, t) = n å = n å u ( t) U ( z) = n å v ( t) V ( z) f( z, t) = f ( t) Φ ( z) = I s (9a) (9b) (9c) これら u, v, fを式 (), () に代入し,e, e を として Lagrange の運動方程式に代入すると, [ m]{ q } + [ g]{ q } + [ k]{ q} = () の形に整理される. ここで, T { q ( t)} { u u un v v v n f f fn} = () は n 次の基準座標ベクトルである. 弾性支持軸の場合には支持ばねによる行列成分が [k] に加わる.[m], [k] は対称行列, [g] は歪対称行列であることから式 () はジャイロシステムと呼ばれる ). 式 () において, pt { q ( t)} = { q} e () と仮定すると, 固有値方程式 ( p [ m] + p[ g] + [ k]){ q} = {} () が得られる. ここで,{q} は複素固有ベクトル,p は固有値に相当する複素固有角振動数である. 式 () から得られる n 個の p の実部, 虚部を検証することにより安定判別を行う.. 数値計算例と考察. 数値計算条件数値計算結果において, 明記されているパラメータ以外は第 表の数値計算条件を適用する. 材料定数は,SPINAR の SCOPE 衛星搭載を想定し, 炭素繊維三軸織物複合材からなる長さ m の円形の薄肉開断面軸である. ここでは, 三軸織物複合材料を力学的に等価な等方性材料に置き換え, 第 図のように断面をモデル化する. このとき,h = d であり, これを Case- 及び Case- とする. Case- は取り付け端固定の片持ち軸である.Case- は SPINAR を模擬した一端自由他端弾性支持軸であり, 弾性支持パラメータについては後述する.Case- は, 重心 -せん (99)

宇宙技術第 巻 ( 年 ) Centrod deflectons at free-end [mm] Centrod coordnates n -drecton, c [mm] 9 -dr -dr Angular veloct, /p [Hz] - - - - 第 図静解析による重心先端たわみ (Case-) Rotaton-center /p =. Hz - Shaft coordnates, z [m] (a) 方向 /p =. Hz /p =. Hz Undeformed /p =. Hz Centrod deflectons at free-end [mm] Comple natural frequences, p/p [Hz].. -dr -dr.... Centrod msalgnment, e, e [mm] Im 第 図偏重心量に対する先端重心変位量の感度 (Case-, /p =. Hz) Re - Angular veloct, /p [Hz] 第 図 Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数 (Case-) Centrod coordnates n -drecton, c [mm] /p =. Hz /p =. Hz Undeformed Rotaton-center - - /p =. Hz - /p =. Hz - - Shaft coordnates, z [m] (b) 方向第 図軸の重心形状 (Case-) 断中心距離の影響を調べるためにh = とする以外は Case- と同じである. ただし,h が異なることは断面形状が異なることであり, そのため本来は断面パラメータも異なるものであるが, ここでは Case- はh の影響を調べる仮想的な円形閉断面軸である.SPINAR の実構造に合わせ, 全てのケースにおいて両端でワーピングを拘束する. また Ralegh-Rtz 法で使用する形状関数 U, V, F は, 式 () の, h を とすることにより得られる, 非回転時かつ非連成時の u, v, fそれぞれの ~n 次の固有振動モードを用い,n = と した. なお, 第 表下部に示す非回転時 ( = ) の固有振動数は, 運動方程式を変数分離法で解いた理論解である. Case- においては,u, v, f はそれぞれ独立した固有振動数を持つ. また,Case- と Case- においては,u は独立,v とf は連成した固有振動数を持つ.. 静解析による先端重心変位 Case- の静解析による計算結果として,に対する軸先端の重心変位の絶対値 u(l), v(l)+hf(l) を第 図に示す. 先端重心変位はに応じて変化し, ある角速度 ( 危険速度 ) で無限大となる. 次の危険速度は, 方向が. Hz, 方向が. Hz である. この 方向の危険速度は, 非回転時の 方向 次の固有振動数 ( 第 表 ) に等しい. 次の危険速度付近のいくつかのでの軸の重心形状を第 図に示す. 変形方向は危険速度を境界として反転し, さらにが上がると, 非回転時の 次の自由振動モード形状のようになり, 以後, 変形方向の反転と高次モード形状への近似が繰り返される. を SCOPE 衛星の運用スピンレートである. Hz に固定したときの, 偏重心量に対する先端重心変位量の感度を第 図に示す. 先端重心変位は, 偏重心に比例して大きくなる.. Ralegh-Rtz 法を利用した動的安定性 Case- の Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数を第 図に示す. 縦 ()

一軸対称の薄肉開断面を有する回転軸の解析 ( 荻芳郎 樋口健 渡辺和樹 渡邊秋人 ) Centrod deflectons at free-end [mm] 9 -dr -dr Angular veloct, /p [Hz] 第 9 図静解析による重心先端たわみ (Case-) Non-dmensonal moment of nerta n -drecton, I /I Case- Angular veloct, /p [Hz] (a) I を変化させた場合 Stable Dvergence Comple natural frequences, p/p [Hz] Im Re - Angular veloct, /p [Hz] 第 図 Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数 (Case-) Non-dmensonal dstance beteen the centrod and the shear-center, h /d Stable Dvergence Flutter Dvergence & Flutter Case- Case- Angular veloct, /p [Hz] (b) hを変化させた場合 第 図 Case- からパラメータを変化させたときの動的安定性 軸は から上方向に正の虚部, 下方向に正の実部を示す. 安定判別で必要となるのは正の実部が存在するかどうかである. 固有振動数の近似値 p/pは, = のときの非回転時自由振動の固有振動数 ( 第 表 ) から出発し,の増加にあわせ変化する. また,p の実部が正となるの領域が存在し, そのとき不安定現象が起こる. なお, 不安定現象は, ダイバージェンス型不安定とフラッタ型不安定が存在し, ダイバージェンス型不安定の境界となるは, 第 図に示した危険速度と一致する.. 重心 -せん断中心距離の影響 Case- の静解析による先端重心変位を第 9 図に示す.Case- は仮想的な円形閉断面軸であることから,, 方向の危険速度は一致する. Case- の Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数を第 図に示す.h = であることにより, 曲げとねじりの連成が分離される.によらず一定の固有振動数. Hz は, ねじりの固有振動数 ( 第 表 ) である. また, 非回転時に一致している 方向と 方向の固有振動数がにより変化するが, 不安定現象を示す は存在しないことが分かる. Case- の円形開断面に限らない一般的な一軸対称薄肉開断面の動的安定性を把握するため,Case- から つのパラメータをそれぞれ変化させたときの動的安定性を第 図に示す. 変化させるパラメータは, 第 図 (a) が I, 第 図 (b) がhで,Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数から判断され る安定領域と不安定領域を示す. 第 図 (a) において,I が I /I = 以外のとき, ダイバージェンス型不安定領域が存在するが, フラッタ型不安定領域は存在しない. 一方, 第 図 (b) において,h = 以外では,Case- の円形開断面である h/d = に限らず, ダイバージェンス型不安定領域とフラッタ型不安定領域の両方が存在する. つまり, 一般的な一軸対称薄肉開断面では, 重心 -せん断中心距離が原因となって, ダイバージェンス型不安定とフラッタ型不安定が起きる角速度領域が存在することが第 図より示される.. 内部減衰の影響回転軸において, 外部減衰は系を常に安定させると考えられるので, 本研究では, 内部減衰のみが作用する場合の動的安定性を調べる. 軸材料内部に粘性減衰が作用するものとして, 式 (a), (b), (c) の左辺に, それぞれ減衰項 c u, c v, c f f を加える. ここで,c, c, c f は, それぞれ, 方向, ねじり方向の粘性減衰係数であり, 減衰比 g に各方向の臨界減衰係数を掛けたものである. Case- において,g =. の粘性減衰を与えた場合の Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数を第 図 (a) に示す. また第 図 (b) には, 次と 次の固有振動数の正の実部のみを拡大して示す. 減衰により, 固有振動数には負の実部が存在するが, 本図には示していない. 非減衰時の第 図と比較すると, 固有振動数はの変化に対し非減衰時と類似 ()

宇宙技術第 巻 ( 年 ) Comple natural frequences, p/p [Hz] Im Re - Angular veloct, /p [Hz] (a) 正の実部と正の虚部を表示 Comple natural frequences, p/p [Hz] -. -. -. Re -. Angular veloct, /p [Hz] (b) 次と 次の正の実部のみ表示 第 図 Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数 (Case-, g =.) の変化を示すが, 最低次の危険速度を超えると正の虚部が 常に存在し, 不安定現象が起きることが分かる. Centrod deflectons at free-end [mm] 第 図伸展後の SPINAR( インフレータブルチューブ無し ) 9 -dr -dr Angular veloct, /p [Hz] 第 図静解析による重心先端たわみ (Case-). SCOPE 衛星を想定した解析. SPINAR のモデル化伸展後の SPINAR を第 図に示す. 伸展後の薄肉開断面梁は, 先端から機構部付近まで第 図の断面形状が維持されるが, 機構部付近では, 収納リールに巻かれるため断面形状が連続的に変化することと, ガイドローラの多点支持による境界条件となることから, これらを考慮した構造モデルは複雑となる. そこで本研究では, 全長で一様な薄肉開断面軸が根元で弾性支持されているものと仮定してモデル化を行う. ただし, 弾性支持条件は実構造の非回転時の固有振動数を実測することにより推定した. 地上での加振試験により, EI u (, t) = K u (, t) (a) GJ p f (, t) - EΓf (, t) = K f f (, t) (b) で定義される回転ばね定数 K =. Nm/rad, K f =. Nm/rad を導入すると, 伸展長さによらず実構造の固有振動数を推定できる ) ので, これを Case- の弾性支持パラメータとする. 式 (a) は取り付け端 方向の曲げモーメントとたわみ角の関係式, 式 (b) は取り付け端のねじりトルクとねじり角の関係式である.. 数値計算結果 Case- の静解析による先端重心変 Comple natural frequences, p/p [Hz] () Re -. Hz Angular veloct, /p [Hz] 第 図 Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数 (Case-) 位を第 図に示す. 実構造に合わせた弾性支持条件のため,, 方向の 次の危険速度は近い値となる. Case- の Ralegh-Rtz 法による複素固有振動数を第 図に示す. こちらも実構造に合わせた弾性支持条件のため, Case- の 次のダイバージェンス型不安定領域は, 第 図の Case- に比べ, 小さくなっている. また,SCOPE 衛星の

一軸対称の薄肉開断面を有する回転軸の解析 ( 荻芳郎 樋口健 渡辺和樹 渡邊秋人 ) 運用スピンレートは. Hz であり, その時の 次の固有振 動数が. Hz とスピンレートより低いものの, 第 図か ら不安定現象は起きないことが分かる.. 結論 一軸対称の薄肉開断面を有する回転軸の静的変形, 及び 動的安定性を推定する手法を導出した. 片持ち軸について 数値計算を行い, 角速度, 危険速度, 偏重心, 及び静的変 形の関係を明らかにした. また,Ralegh-Rtz 法を利用し た安定解析により, 重心軸とせん断中心軸の不一致に起因 する, 不安定現象が起きる角速度が存在すること, 特に内 部減衰を考慮した場合には, 次の危険速度を超えると系 は不安定となることを示した. さらに, 開発中のインフレータブル方式による伸展ロッ ド SPINAR を, 一様な薄肉開断面を有する弾性支持軸にモ デル化し, 現在検討中の次期磁気圏探査計画 SCOPE の衛星 スピン軸搭載を想定した数値計算により, 運用スピンレー トでは, 不安定現象が起きないことを示した. 参考文献 ) 山本敏男, 石田幸男 : 回転機械の力学, コロナ社, 東京,, pp. -. ) 飯田裕, 田村章義, 菊地勝昭, 阿片寛志 : 歯車軸の曲げとねじりの連成振動 ( 第 報 ), 日本機械学会論文集 C 編, (9), pp. -. ) 加藤正義, 太田博, 加藤利一 : 自在継手により駆動される回転軸の曲げとねじりの連成振動 ( 第 報 ), 日本機械学会論文集 C 編, (9), pp. -. ) Dmentberg, F. M.: Fleural Vbratons of Rotatng Shafts, Butterorths, London, 9. ) Tondl, A.: Some Problems of Rotor Dnamcs, Chapman & Hall, London, 9. ) Anon.: Tubular Spacecraft Booms (Etendble, Reel Stored), NASA SP-, 9. ) 齋藤義文, 前澤洌, 篠原育, 津田雄一, 樋口健, 戸田知朗, 小嶋浩嗣, 藤本正樹 : 編隊衛星による宇宙プラズマ その場 完全観測の実施にむけて SCOPE-WG 活動報告, 第 回宇宙科学シンポジウム講演集,, pp. 9-9. ) 樋口健, 渡辺和樹, 渡邊秋人, 角田博明, 山川宏, 関谷忠彦 : インフレータブル方式による超軽量伸展ロッドの開発, 第 9 回宇宙科学技術連合講演会講演集,, pp. -9. 9) Hguch, K., Watanabe, K., Watanabe, A., Tsunoda, H. and Yamakaa, H.: Desgn and Evaluaton of an Ultra-lght Etendble Mast as an Inflatable Structure, Proceedng of the th AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC Structures, Structural Dnamcs, and Materals Conference, AIAA Paper -9,, pp. -. ) Vlasov, V. Z.: 薄肉弾性ばりの理論, 技報堂, 東京, 9. ) Merovtch, L.: A Ne Method of Soluton of the Egenvalue Problem for Groscopc Sstems, AIAA J., (9), pp. -. ) 荻芳郎, 樋口健, 渡辺和樹, 渡邊秋人 : 超軽量スピン軸伸展アンテナの振動解析, 第 回構造強度に関する講演会講演集,, pp. -. ()