3 F F3639 198
3 1 1 2 3 4 F 199
3 5 1 6 1 200
3 第 による真菌検出率はそれぞれ 25 および 44 で硝 子体手術の際採取した検体の陽性率は 92 であった 表 1 全身投与された各種抗真菌薬のヒト眼内移行 抗真菌薬 投与量 AMPH-B 血中濃度 前房内濃度 硝子体内濃度 μg ml μg ml μg ml 14 と報告した 一方Sallam らは硝子体吸引では 33 0.6 mg kg 0.6 1.5 0.1 0.24 0.1 0.23 5-FC 1.5g 10 35 22.2 わが国では真菌の検出率は前房 FLCZ 200 mg 2 41.08 34.96 30.25 水では 25 硝子体では 38 53 と報告されてい ITCZ 100 mg 0.492 ND 0.02 硝子体手術では 24 で検出率に大差はなかった 24 と報告している 40 45-47 る 鑑別診断を要する疾患として粟粒結核糖尿病網膜 症トキソプラズマ症ノカルジア症内因性細菌性 眼内炎サイトメガロウイルス網膜炎などがあげられ 章 VRCZ 400 mg 2 2.13 1.13 0.81 MCFG 150 300 mg 21.02 0.08 0.10 CPFG 50 mg 3.3 4.7 0.28 ND ND not detectable る 7 予防投与 眼科領域では一般に行わない例えば血液内科で は移植時の予防投与として抗真菌薬が使用されている 48-50 ことがある 抗真菌薬予防投与中にみられた ブ レイクスルー 感染に起因した真菌性眼内炎の報告が 10 真菌症疑い例への対応 真菌は細菌に比べ病変の悪化度が緩やかである疑 い例では 1 2 週間経過観察し典型的な所見の有無 を確認し治療の必要性を判断する 51 ある 11 病期分類と治療方針 8 経験的治療 55 わが国では石橋 13 16 西村ら 聖路加国際病院 17 の分類 が提唱されている病巣が網膜内に限局し 経験的治療に準じ眼科では眼底所見の改善度から治 ている場合は抗真菌薬の全身投与で改善する例が多い 療効果の補助診断を行う各診療科において使用され が る抗真菌薬が異なる例えば集中治療領域では全 効果が不十分な場合は抗真菌薬の硝子体内注入や硝子 身状態を考慮し腎毒性の少ないキャンディン系薬が投 体手術を要する 52-54 与されることが多い 9 標的治療 眼科初診より前に担当科において既に治療が行われ ている場合では検出された真菌を念頭におき眼科 所見を診ながら連携して治療に当たる血液培養での 真菌陽性で標的治療が始められていたり監視培養で 12 13 55 56 硝子体中に病巣が進展し抗真菌薬の 個々の症例に応じて病変の部位と変化を把握しつつ 手術時期を決定するが視力予後は中心窩の瘢痕の有 無による中心窩に大きな滲出斑が単独あるいは集簇 してみられ著明改善がない場合には早期手術が望ま 13 36 57 58 しい 12 抗真菌薬投与の実際 複数部位から複数回真菌を検出した例やβ-D-グルカ 抗真菌薬の全身投与が基本である ン陽性例で経験的治療が開始されている場合は抗真菌 内因性真菌性眼内炎の薬物治療においては薬剤感受 薬の効果判定に眼科所見の改善度が有用となる 未治療で典型的な真菌性眼内炎の所見がみられる時 性に加えて眼内組織特に硝子体内への移行性が重要 59 である 表 1 には血液培養 あるいは眼内液 から検出された真 AMPH-B は欧米では第一選択とされているが眼内 菌を参考にして直ちに治療を開始する確定診断は硝 移行は不良 で腎毒性や低カリウム血症などの 子体手術の際に得られた検体から培養や鏡検組織診 副作用を有するL-AMB は AMPH-B に比し腎障 で真菌が分離 同定されるかあるいは真菌の DNA が 害が少ないがわが国で真菌性眼内炎に用いられた報 検出された場合に可能となる 告は少ない 60 61 また眼内への移行性はヒトでの 報告はないが AMPH-B と同等と考えられる同系 201 F 眼科領域 眼内炎が疑われるが確定できない例では担当科の
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説 表 2 カンジダ眼内炎 菌種不明 の標的治療 抗真菌薬 第一選択薬 400 mg 回 1 日 1 回静脈内投与 F-FLCZ のみ loading dose 800 mg 回 1日1回静注を 2日間 VRCZ 4 mg kg 回 loading dose 初日のみ 6 mg kg 回 1日 2 回点滴静注 L-AMB 2.5 5 mg kg 回 1日1回点滴静注 AMPH-B 0.5 1 mg kg 回 1日1回点滴静注 MCFG 150 300 mg 回 1日1回点滴静注 C2Ⅲ CPFG 50 mg 回 loading doses 初日のみ 70 mg 回 1日1回点滴静注 C2Ⅲ ITCZ 200 mg 回 1 日 1 回点滴静注 loading dose 200 mg 回 1 日 2 回点 滴静注を 2日間 C2Ⅲ F- FLCZ 第二選択薬 代替治療 用法 用量 治療開始後 3 ないし 5 日経過し病変が改善しない場合には真菌同定結果および感受性検査結果も考慮し代替治療を検討 する FLCZは1分間に10 mlを超えない速度で投与する 注記 初期治療としてキャンディン系薬が使用されていた場合には他剤への変更を推奨する 薬剤の使用に際しては全身的副作用の発現を鑑み なお前房内に炎症がみられる場合にはステロイ 本剤について十分な知識を有する内科などの医師と ド点眼薬による消炎と散瞳薬点眼による瞳孔管理を行 の十分な連携を要する う続発緑内障に対しては抗緑内障点眼薬を併用する 5-FC はカンジダ属に強い抗真菌活性を有し副作用 も少ないが耐性ができやすくまたわが国では内 服のみで錠型も大きく服用はなかなか困難である 62 抗真菌薬の局所投与は必要としない 眼科受診により診断され治療を開始する場合には 下記の選択肢がある 血液培養の結果酵母が分 1 標的治療 菌種不明 AMPH-BあるいはL-AMB との併用で使用される 離 原因カンジダ種は不明 あるいはβ-D-グルカ 硝子体内への移行は比較的良好である FLCZ の眼内移行は良好であるが腎障害がある場 合注意を要するITCZ は FLCZ と同様アゾール系 ンなど血清学的検査から真菌感染の証拠が得られ ている場合 表 2 薬剤であるが腎機能への影響は少ない反面肝機 眼病変が網脈絡膜にとどまり腎障害など全身状態 能障害に注意が必要であるまた眼内移行性は が不良なため全身投与による副作用発現が危惧される 63 64 FLCZ に比し低い 症例ではキャンディン系が選択されることがある 65 VRCZ の眼内移行性は良好 で静脈注射と経口 カンジダ眼内炎の病変が拡大したり黄斑部に及ぶお 薬両方が投与可能であるしかしながら投与開始早 AⅢ あるいは それがある場合にはL-AMB 5-FC 66 70 期に視覚障害や羞明などを訴える ことがあるの などの 2 剤投与や硝子体内投 VRCZ CPFG で使用する際には眼内炎による眼症状との鑑別に を 与 13 重症例ヘの対処 を参照 との併用 注意を要する 検討する MCFG や CPFG は副作用が少なく は良好な抗真菌活性を示すが に には活 性が低くまた前房水や硝子体内への移行は不 67-69 良 である 併用薬として 5-FC 100 mg kg 日 経口投与を行う 欧米では 5-FC の注射薬が用いられている 表 3-1 3-2 2 標的治療 カンジダ属 菌種同定 担当科あるいは眼科初診時より既にアゾール系薬が 抗真菌薬の効果判定には眼科所見の改善度が有用で 投与されている場合には検出された真菌感受性結 ある治療開始後 3 日ないし 5 日経過して病変が改善 果ならびに眼科所見に基づき薬剤の変更あるいは継 しない場合にはそれぞれの 第二選択 あるいは 13 続を検討する選択薬の投与開始後 3 日ないし 5 日経 重症例ヘの対処 を参照する 過して病変が改善しない場合にはそれぞれの 第二 中心静脈栄養や静脈留置カテーテル施行例では可能 であれば抜去を検討すべきである 202 選択 あるいは 13 重症例への対処 を検討する
3 31 F 203
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説 表 3-2 真菌性眼内炎の標的治療 カンジタ属 菌種同定203 頁つづき 原因真菌 抗真菌薬 アスペルギルス属 第一選択薬 第二選択薬 クリプトコックス属 第一選択薬 第二選択薬 用法 用量 VRCZ 4 mg kg 回 loading dose 初日のみ 6 mg kg 回 1 日 2 回点滴静 注 L-AMB 2.5 5 mg kg 回 1日1回点滴静注 MCFG 150 300 mg 回 1日1回点滴静注 CPFG 50 mg 回 loading dose 初日のみ 70 mg 回 1日1回点滴静注 ITCZ 200 mg 回 1日1回点滴静注 loading dose 200 mg 回 1日 2 回 点滴静注を 2日間 400 mg 回 1 日 1 回静脈内投与 F-FLCZ のみ loading dose 800 mg 回 1日1回静注を 2 日間 VRCZ 4 mg kg 回 loading dose 初日のみ 6 mg kg 回 1 日 2 回点滴静 注 ITCZ 200 mg 回 1日1回点滴静注 loading dose 200 mg 回 1日 2 回 点滴静注を 2日間 F- FLCZ その他 とされているしかしながら カンジダ属として表中 5 菌種以外に同定された報告はほとんどなく など が真菌血症として検出されることがあるので注意を要する なおキャンディン系薬の選択は病変が脈絡網膜にとどまっている症例とする 1 長期経静脈投与が行われている患者で正常な腸管機能を有し VRCZ 感受性と判明している場合には経口薬への step-down 治療として また感受性の結果が確認されるまでアゾール系薬へ変更すべきでない ただし初期治療としてアゾー VRCZ を考慮する ル系薬が使用され臨床症状ならびに眼病変が改善し追跡培養が陰性の場合にはアゾール系薬による治療を継続してよい 2 初期治療でキャンディン系薬が選択され真菌名が判明した場合には F- FLCZ への変更を推奨する FLCZは1分間に10 mlを超えない速度で投与する 13 重症例への対処 抗真菌薬の全身投与を行いながら以下の治療を考 的負担を強いることになるので患者および家族の意 向も重要である 抗真菌薬の全身投与にも関わらず眼内炎が悪化 遷 慮する 1 硝子体手術 手術適応を決定するまた精神的苦痛ならびに経済 22 24 71 病巣の除去薬剤の眼内移行の向上および検体の採 延する時 図 2 網膜前膜が中心窩近くにあり瘢痕収縮で網膜剥離や 取を目的とする硝子体手術の具体的な利点として 黄斑円孔を生じる危険性がある時 黄斑部病変に関 眼内の真菌を除去する しては光干渉断層計を用いた評価が今後期待される FLCZVRCZ5-FC を除く他の抗真菌薬は硝子 体内への移行が不良 表 1 であるが手術により 血液眼関門が破壊され薬剤移行が高まる 後部硝子体剥離を惹起させ硝子体への増殖基盤を除 く 採取した硝子体液の真菌検索 鏡検培養β-D- 視神経乳頭から増殖血管膜が生じた時 中心窩に大きな病巣があり抗真菌薬が著効しない時 図 3 初診時すでに高度の硝子体混濁あるいは網膜剥離が ある時 図 4 手術終了時に抗真菌薬の硝子体内投与を行うか グルカン真菌 DNA など により確定診断および あるいは術中の眼内灌流液に抗真菌薬を添加する 薬剤感受性検査が可能となりエビデンスに基づい ことがある た抗真菌薬の選択ならびに治療が行える 灌流液への抗真菌薬添加により眼内に直接薬剤を 作用させることができる などがある 下記のような所見がみられる場合には硝子体手術が ただし患者の全身状態を考慮し 必要である 204 なお牽引性網膜剥離や増殖硝子体網膜症の状態で はシリコーンオイルを注入したり数回の手術を要 したりすることがある術後視力不良例 眼前手動弁 以下 が多いので網膜剥離を生じる前に手術を行う 24 57 ことが望ましい
3 第 A B 章 C 図 2 52 歳男性十二指腸潰瘍穿孔突発性腹膜炎 右眼中心窩近くに滲出斑を認める A 抗真菌薬投与でも黄斑部滲出斑は集簇し硝子体混濁は増強した B ため硝子体手術を施行した 術後視力は 1.2 に改善し C 術中採取した硝子体から が検出された 眼科領域 F 図 3 中心窩に大きな滲出斑を認める 図 4 硝子体手術を拒否したため網膜剥離に進展した症例 72-75 保険適用外 2 抗真菌薬の硝子体内投与 表 4 重篤な眼内炎 硝子体まで真菌が浸潤したもの 14 投与期間 全身状態不良あるいは手術拒否などによる硝子体手術 投与中は少なくとも週 1 回の眼底検査を行う 不可例硝子体手術後の再発例および抗真菌薬の効果 全身状態が安定すれば可能な限り眼科外来で 69 が不十分な例では硝子体内投与を検討する の検査が望ましい 硝子体手術終了時に投与することがある可能であれ 投与期間の目安としては 3 週間から 3 か月程度 欧 ば感受性結果に基づき薬剤を選択する網膜毒性を考 米では 4 6 週 であるが網膜病巣が瘢痕治癒する 慮すると使用する薬剤は一剤が望ましい 網膜硝子体界面病変を形成して まで継続する 欧米では A M P H-B が選択されることが多い L-AMB を用いた報告は少ない 保険適用 3 抗真菌薬の硝子体内灌流液添加 表 4 外 いる場合には病巣の進展が完全に退縮するまで継続す 全身状態の改善のみで治療を中止してはい る けない 1 経口投与への変更 表 5 硝子体手術に併用する可能であれば感受性結果に FLCZVRCZ あるいは ITCZ において経静脈投与 網膜毒性を考慮すると 基づき薬剤を選択する が長期にわたる場合病巣の瘢痕化傾向が明らかな症 選択薬剤は一剤が望ましい 例では経口投与が可能 正常な腸管機能を有する患 205
第 3 章 深在性真菌症の診断と治療のフローチャート解説 表 4 各種抗真菌薬の硝子体内投与量および眼内灌流液添加 濃度 硝子体内投与 抗真菌薬 AMPH-B 1 投与量 μg 0.1 ml 1 硝子体内予想濃度 μg ml 眼内灌流液 濃度 μg ml 5 10 1.25 2.5 5 10 5 1.25 30 50 7.5 12.5 10 100 25 20 ITCZ 10 2.5 VRCZ 50 100 12.5 25 MCFG 5 15 1.25 3.75 CPFG 20 5 L-AMB MCZ FLCZ 2 1 成人硝子体容積 4 ml と仮定 乳幼児では投与量を考慮 2 F-FLCZ は眼内投与には不可 表 5 抗真菌薬の経口投与量 抗真菌薬 FLCZ VRCZ ITCZ 剤形 1回量 カプセル剤 400 mg 投与法 1日1回 錠剤 200 mg 1日 2 回 食間 カプセル剤 200 mg 1日 2 回 食直後 20 ml 1日1回 空腹時 内用液 ①確定診断 典型的な真菌性角膜炎の眼科所見がみられ角膜擦 過物の培養陽性で形態学的に菌種が同定された場合 時に分子生物学的検索を併用することがある ②臨床診断 典型的な真菌性角膜炎の眼科所見がみられ角膜擦 過物結膜拭い液眼脂などの塗抹 鏡検または培養 者 であれば経口投与への変更を考慮する あるいは手術材料の病理組織学的診断で酵母や菌糸が FLCZ カプセル剤 400 mg 回 1 日 1 回経口投与 証明された場合 VRCZ 錠剤 200 mg 回 1 日 2 回経口投与 ③真菌性角膜炎疑い例 ITCZ カプセル剤 200 mg 回 1 日 2 回経口投与 あるいは内用液 20 ml 回 1 日 1 回経口投与 2 投与中止後の眼科的管理 結膜拭い液眼脂の塗抹 鏡検または培養で酵母や 菌糸が証明されないものの典型的な眼科所見がみら れる場合 投薬中止後少なくとも 6 週まで眼底検査を行い場 26 しか 合によっては 12 週まで経過観察する 76 しながら何度も再燃を繰り返した症例 や未熟児で 投薬中止後 4 か月において眼内炎の再燃をみた報告が 77 2 薬物治療 81 眼科領域で使用される抗真菌薬にはポリエン系 アゾール系キャンディン系ピリミジン系の四つが また脈絡網膜炎の消炎後に脈絡膜新生血管 あるこれらのうち眼局所用の医療用医薬品として が続発することがあるので黄斑部近傍に瘢痕病巣を有 存在するのはポリエン系のピマリシン 5 点眼液 ある 78-80 する症例では定期的な眼科検査を要する 1 眼軟膏 のみであり他はすべて自家調整の形で 臨床に用いられるこれらの薬剤は作用機序抗真 真菌血症の感染対策で他科医師への啓発および連携 菌スペクトル副作用などが異なるため原因真菌に 治療を行い真菌性眼内炎の発症率を改善させること 応じて使い分ける必要があるまた疾患の重篤性か 40 よって真菌血症の ら投与可能な薬剤を総動員することが望ましく全 早期診断と散瞳下眼底検査による治療開始後の眼内へ 身状態と薬剤の副作用に注意しながら複数の薬剤を の炎症波及確認ならびに眼内炎発症後の治療効果判 複数のルート 点眼結膜下注射全身投与 で使用 定は極めて重要である今後も真菌性眼内炎の発症な するのが基本的な戦略である本症が疑われた場合に らびに失明を防止できるよう連携をより深めていきた は入院下に集中的な治療を行うことが推奨される い 1 経験的治療 ができたと報告されている 下記の系統の薬剤を使用して治療を行う Ⅱ 真菌性角膜炎 ⅰ ポリエン系 真菌細胞膜を直接障害して殺真菌的効果を発揮する 1 診断 81 真菌性角膜炎は外因性である 206 ピマリシンの他AMPH-B が含まれる副作用が強 いために投与法は局所に限られるが糸状菌に対する 第一選択薬である1 ピマリシン眼軟膏の 1 日 5
3 第 図 5 酵母による角膜真菌症 図 6 糸状菌による角膜真菌症 症例は 42 歳男性で糖尿病を有し遷延性上皮欠損のためコンタ クトレンズを装用していた右眼視力低下にて受診初診時視力は 糖尿病黄斑症もあり指数弁であった角膜擦過物から が検出された 症例は 76 歳女性植物 みかんの木 による外傷後左眼視力低 下および疼痛にて受診初診時視力は手動弁であった角膜擦過物 からフサリウム属が検出された 与 6 回あるいは 5 点眼薬の 1 日 6 8 回 眼軟膏製剤 82 の方が眼刺激は少ない あるいは AMPH-B 0.05 ③ F- FLCZ 200 400 mg 回 1 日 1 回経口また 83 0.2 液 4 20 倍希釈 を 1 時間間隔で使用する ⅱ アゾール系 は静脈内投与 ④ MCZ 200 400 mg 回 1 日 2 3 回点滴静注 真菌細胞膜の主要成分であるエルゴステロールの合 成を阻害し静真菌的効果を発揮する薬剤の選択性 などを併用する VRCZ 経口投与の場合体重による用量調整を 的に使いやすい一般にアゾール系薬はカンジダ属に 行う 105 頁 FLCZ は 1 分間に 10mL を超えない速度で投与 極めて有効でありMCZ や ITCZ はフサリウム以外 の糸状菌にも効果を示すVRCZ は糸状菌にも効 果がある薬剤としてその有用性が確認されてい 84 85 フェンド する ⅲ キャンディン系 真菌の細胞壁の主要成分であるβ-D-グルカンの合 成を選択的に阻害し殺真菌効果を発揮する点眼の 点眼として使用する場合にはVRCZ 1 液 ブイ F 20 倍希釈液 FLCZ 0.2 液 ジフルカ 場合には 0.1 0.25 液を 1 時間毎に使用するが細 胞毒性が低いため結膜下注射や全身投与も可能であ MCZ 0.1 液 フロリード 10 倍希釈液 ン 原液 るカンジダ属をはじめフサリウム属を除く糸状菌 を 1 時間毎に行うFLCZ 0.2 液や MCZ 0.1 液の にも広く効果を示すが点眼液の角膜移行が悪いとい 結膜下注射は重症例に対して有用で1 日 2 回まで可 う難点がある一方炎症眼では全身投与において角 能であるアスペルギルスに対して優れた効果が期待 膜への移行性が高いことから有効である可能性があ できるとされる VRCZ はフサリウムはもとより る これまで抗真菌薬に抵抗性であった真菌に対する有効 ⅳ ピリミジン系 性を示す報告がある全身投与として 85 真菌の DNA 合成を抑制することにより抗真菌効果 ① ITCZ 50 100 mg 回 1 日 1 回経口投与 を発揮するが耐性化しやすいほか内服でのみしか ② VRCZ 3 4 mg kg 回 loading dose 初日のみ 投与できないため最近では使用されることは少ない 6 mg kg 回 1 日 2 回点滴静注あるいは 150 または 200 上限 300 mg 回 loading dose 初 日のみ 300 上限 400 mg 回 1 日 2 回経口投 2 標的治療 酵母菌 カンジダ属 フサリウムフサリウム以 外の糸状菌に分けて考えるのが実践的である 207 眼科領域 が高いため全身投与大量投与が可能であり臨床 る 章
3 5 6 3 3 4 208
3 F 209
3 210