mt1-slides-04.pptx

Similar documents
mt1-slides-03.pptx

初めてのプログラミング

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅

mt1-slides-02.pptx

DVIOUT

横浜市環境科学研究所

13章 回帰分析

学習指導要領

相関係数と偏差ベクトル

2011 年度春学期基礎ゼミナール ( コンピューティングクラス ) A コース 1 / 18 コンピュータリテラシー A コース 第 10 講 [ 全 15 講 ] 2011 年度春学期 基礎ゼミナール ( コンピューティングクラス ) 同志社大学経済学部 DIGITAL TEXT コンピュータリ

医用工学概論  Medical Engineering (ME)   3年前期の医用工学概論実習と 合わせ、 医療の現場で使用されている 医用機器を正しく安全に使用するために必要な医用工学(ME)の 基礎知識を習得する。

学習指導要領

Microsoft PowerPoint ppt

タイトルを修正 軸ラベルを挿入グラフツール デザイン グラフ要素を追加 軸ラベル 第 1 横 ( 縦 ) 軸 凡例は削除 横軸は, 軸の目盛範囲の最小値 最 大値を手動で設定して調整 図 2 散布図の仕上げ見本 相関係数の計算 散布図を見ると, 因果関係はともかく, 人口と輸送量の間には相関関係があ

Microsoft Word - Chap17

ワープロソフトウェア

学習指導要領

EBNと疫学

ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝

不偏推定量

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

スライド 1

スライド 1

C プログラミング演習 1( 再 ) 2 講義では C プログラミングの基本を学び 演習では やや実践的なプログラミングを通して学ぶ

学習指導要領

データ解析

計算機シミュレーション

Microsoft Word - å“Ÿåłžå¸°173.docx

三科目合計の算出関数を用いて各教科の平均点と最高点を求めることにする この2つの計算は [ ホーム ] タブのコマンドにも用意されているが 今回は関数として作成する まず 表に 三科目合計 平均 と 最高点 の項目を用意する 項目を入力する際 適宜罫線などを設定し 分かりやすい表作成を心がけること

情報工学概論

< 目次 > 1. 練習ファイルのダウンロード 表計算ソフト Excel の基本 Excel でできること Excel の画面 セル 行 列の選択 セルにデータを入力する ( 半角英数字の場合 )

情報量と符号化

スペクトルの用語 1 スペクトル図表は フーリエ変換の終着駅です スペクトル 正確には パワースペクトル ですね この図表は 非常に重要な情報を提供してくれます この内容をきちんと解明しなければいけません まず 用語を検討してみましょう 用語では パワー と スペクトル に分けましょう 次に その意

ANOVA

<4D F736F F D F4390B394C5816A8C B835E C835A AA90CD82A982E78CA982E990B68A888F4B8AB595618AC7979D312D332E646F63>

Microsoft Word - Stattext07.doc

スライド 1

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

学習指導要領

3. ワークシート 入力データの検証 の完成 ワークシート 入力データの検証 には 入力データの検証表 があります セル範囲は セル A2 からセル G22 までで 2 行目が項目見出しとなっており A 列が入力データ B 列が点検値無し C 列が入力された点検値 D 列が分類コード E 列が製品コ

Microsoft PowerPoint - データ解析基礎4.ppt [互換モード]

ビ Ⅱ4-2 (1-2) 検索関数 VLOOKUP 関数 VLOOKUP 関数は 指定した範囲の表を縦 ( 列方向 ) に検索する関数です [ 関数の挿入 で 検索 / 行列 の分類中にある 書き方 VLOOKUP( 検索値, 範囲, 列番号, 検索方法 ) 検索値... 検索したい値 または値が入

1. 気温と産業の関係 2. 気温と販売数の関係の分析 過去の気温データをダウンロードする 時系列グラフを描く 気温と販売の関係を調べる 散布図を描く 定量的な関係を求める 気温から販売数を推定する 2 週間先の気温予測を取得し 活用する 気温以外の要素の影響 3. 予報精度 過去の 1 か月予報

Microsoft PowerPoint - 6.PID制御.pptx

Microsoft PowerPoint - 三次元座標測定 ppt

コンピュータリテラシ

目次 1. はじめに Excel シートからグラフの選択 グラフの各部の名称 成績の複合グラフを作成 各生徒の 3 科目の合計点を求める 合計点から全体の平均を求める 標準偏差を求める...

RLC 共振回路 概要 RLC 回路は, ラジオや通信工学, 発信器などに広く使われる. この回路の目的は, 特定の周波数のときに大きな電流を得ることである. 使い方には, 周波数を設定し外へ発する, 外部からの周波数に合わせて同調する, がある. このように, 周波数を扱うことから, 交流を考える

多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典

テレビ学習メモ 数学 Ⅰ 第 40 回 第 5 章データの分析 相関係数 監修 執筆 湯浅弘一 今回学ぶこと データの分析の最終回 今までの代表値を複合し ながら 2 種類のデータの関係を数値化します 相関係数は 相関がどの程度強いのかを表しています 学習のポイント 12 種類のデータの相関関係を

(Microsoft Word - \202v\202a\202s\203G\203N\203Z\203\213.doc)

Microsoft Word - 18環設演付録0508.doc

散布度

スペクトルに対応する英語はスペクトラム(spectrum)です

Microsoft PowerPoint - R-stat-intro_04.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - e-stat(OLS).pptx

ビジネス統計 統計基礎とエクセル分析 正誤表

2 / 16 ページ 第 7 講データ処理 ブック ( ファイル ) を開く第 6 講で保存したブック internet.xlsx を開きましょう 1. [Office ボタン ] から [ 開く ] をクリックします 2. [ ファイルの場所 ] がデータを保存している場所になっている

第 3 回講義の項目と概要 統計的手法入門 : 品質のばらつきを解析する 平均と標準偏差 (P30) a) データは平均を見ただけではわからない 平均が同じだからといって 同一視してはいけない b) データのばらつきを示す 標準偏差 にも注目しよう c) 平均

スライド 1

統計的データ解析

スライド 1

画像処理工学

平成 30 年度 前期選抜学力検査問題 数学 ( 2 時間目 45 分 ) 受検番号氏名 注 意 1 問題は, 表と裏にあります 2 答えは, すべて解答欄に記入しなさい 1 次の (1)~(7) の問いに答えなさい (1) -3 (-6+4) を計算しなさい 表合計 2 次の (1)~(6) の問

1999年度 センター試験・数学ⅡB

Microsoft Word - 町田・全 H30学力スタ 別紙1 1年 数学Ⅰ.doc

学習指導要領

Microsoft Word - 操作マニュアル-Excel-2.doc

Microsoft PowerPoint - 基礎・経済統計6.ppt

数学 IB まとめ ( 教科書とノートの復習 ) IB ということで計算に関する話題中心にまとめました 理論を知りたい方はのみっちー IA のシケプリを参考にするとよいと思います 河澄教授いわく テストはまんべんなく出すらしいです でも 重積分 ( 特に変数変換使うもの ) 線積分とグリーンの定理は

Microsoft PowerPoint - 資料04 重回帰分析.ppt

<4D F736F F D BD8A DAC8D87816A91AA97CA82C982A882AF82E9918A91CE8CEB8DB E646F6378>

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

Microsoft PowerPoint slide2forWeb.ppt [互換モード]

セル G5 に 大手町店 の合計を求めましょう 暮らしのパソコンいろは 1 セル G5 をクリックします 2 ホーム タブをクリックします 3 編集 グループの ( 合計 ) をクリックします セル G5 と数式バーに =SUM(D5:F5) と表示され セル範囲 D5:F5 が点滅する線で囲まれま

Microsoft Word - kogi10ex_main.docx

PowerPoint プレゼンテーション

学力スタンダード(様式1)

<4D F736F F D BD8A7091AA97CA8AED8B4082CC90AB945C8DB782C982E682E98CEB8DB782C982C282A E646F6378>

講義ノート p.2 データの視覚化ヒストグラムの作成直感的な把握のために重要入力間違いがないか確認するデータの分布を把握する fig. ヒストグラムの作成 fig. ヒストグラムの出力例 度数分布表の作成 データの度数を把握する 入力間違いが無いかの確認にも便利 fig. 度数分布表の作成

経済データ分析A

Lesson2 下のファイルを開いておきましょう H21hyo3_Ver フォルダ - ドリルフォルダ - ドリル _ 提供データの中の - Lesson2 提供.xls - 問題 1 問題 1 シートを開いておきます ( 問 1)C 列の条件に従って G 列にセルの内容をコピーまたは移

FASS ベーシックサンプル問題 財務モデリング Financial Modeling 日本 CFO 協会 FASS 運営委員会 0

Microsoft PowerPoint - ip02_01.ppt [互換モード]

経営統計学

< F2D968382CC A837E B E9197BF2E6A7464>

Microsoft PowerPoint - qcomp.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint saitama2.ppt [互換モード]

PowerPoint プレゼンテーション

3章 度数分布とヒストグラム

Microsoft Word - appendix_b

PowerPoint プレゼンテーション

OHP シートの作成 OHP でプレゼンテーションをする際に必要な OHP シートを作成できます 配布資料の作成プレゼンテーションの参加者に配布する資料を簡単に作成できます 参加者はメモ等この資料に書き込むことができ 理解を深めることができます 発表者用資料の作成プレゼンテーション中に発表者が参考に

Microsoft Word - Stattext12.doc

Microsoft PowerPoint - DigitalMedia2_3b.pptx

2014年度 千葉大・医系数学

条件付き書式 の ルールの管理 をクリック 2 新規ルール をクリック 1 ルール の管理をクリック 3 指定の値を含むセルだけ書式設定 を クリック 7 グレーを選び OK をクリック 4 次の値に等しい を選ぶ 5 2 と入力 6 書式をクリック 8OK をクリック 以下同様に 新規ルール をク

文字はセルを超えて表示される エクセルで文字を入力すると 左図のようになります これを解消するには セルの書式設定 から変更する つまり セル B3 より右に何も入力されていない場合 には セル幅よりも長い文字を入力すると セルを飛 び越えて 一直線に表示されます セルの中に文字列を収めたい場合には

Microsoft PowerPoint ppt

モジュール1のまとめ

Transcription:

計測工学 I 第 4 回 Excel による相関係数の計算

今日の内容 第 4 回 Excel による相関係数の計算 シラバスより以下の部分を扱います 第 4 回 Excel による相関係数の計算 相関の考え方を導入する 相関が高いということ 負の相関があるという概念を学び 時系列データの位相差 相互相関関数 相関係数 自己相関関数について学ぶ 二つのデータが伴って変わる時に どんな関係が成り立つかを求めるのが相関係数です

相関とは? 二つのものが密接にかかわり合っていること - Mac 国語辞典 因果関係を調べる 原因がある 結果につながる : 因果律 自然科学は因果律の塊とも言えるかも知れない A という現象が B という現象に影響する 一定の遅れを伴って 両者が同様の傾向を示す 相関するものの例 身長と体重 標高と気温 試験前の勉強時間と得点 太陽の高さと気温 など

相関を調べる 自然科学では 未知の現象の 相関 を調べるものが多い HbA1C( ヘモグロビン A1C) は過去 3 ヶ月の血糖値のデータと相関する 過去 3 ヶ月の血糖値 は 調べるのが困難 しかし HbA1C は血液検査ですぐに調べられる HbA1C を調べることで 過去 3 ヶ月の血糖値が推定できる エクアドル ペルー沖の海水温 エルニーニョ現象 気候変動 気候を 予測 できる ある程度の確率で 未来が予測できる まだ見つかっていない 相関関係 がわかれば 発見 として自然科学の進歩に役立つ 教科書 P242

相互相関関数 信号 x(t) と y(t) とがどんな関係にあるのか 調べる 教科書 P242 相互相関関数の式を見てみます 二つの関数を j だけずらして 重ねて掛け合わせ 和をとる ずらして うまく重なる 時に 最大値となる関数 φ xy ( j) = 1 M M i=1 ( j = 0,1,, N M ) x(i)y(i + j)

東京の月別平均気温 http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php 今日はこのデータを使いますが 計算する地域 期間には指定があります 各自の該当地域 期間のデータで計算して下さい

月平均気温のデータを選択 場所を選択したら 月平均気温 を選んで下さい

期間を選んでデータを表示 期間を選んで データを表示 させて下さい 思い入れのある場所 期間がある人はそうしたデータを選んでも構いませんが 他の人と重複がないようにして下さい

Excel への貼付け Excel に貼付けて 簡単に整理しておきます 次に 太陽の南中高度を求めます http://api.knecht.jp/geocoding/q/ 東京都豊島区東池袋 帝京平成大学池袋キャンパスの緯度 :35.7328 付近 小数点以下 5 桁目は 教室が変わると値が変わります (1 歩歩くと 6 桁目 7 桁目の数字が変わります ) 太陽の南中高度 ( 度 ) = 90 - ( その場所の緯度 ) + ( 太陽の視赤緯 ) ( 国立天文台サイトより 引用 )

太陽の視赤緯 正確な数字は 以下のサイトで掲載されています http://park12.wakwak.com/~maki/de405.htm ただ 簡単のために 3 月と 9 月を 0 度として ±23.4( 地軸の傾き ) の見かけ上の運動をしているとして 三角関数で計算します A10 のセルに 帝京平成大学の緯度 (35.73) を入力し A11 のセルに =PI() という関数式を入力します A12 A16 までは 角度 ( 度 ) 角度 ( ラジアン ) 太陽の視赤緯 太陽の南中高度 と見出しを入力しておきます

関数式 B12 のセルには -60 という値を入力します C12 のセルには =B12+30 という式を入力します C12 のセルの中身を 右に 12 月までコピーします B13 のセルは =2 * $A$11 * B12 / 360 の式を B14 のセルには =sin( B13 ) の式を B15 のセルには = 23.4 * B14 の式を B16 のセルには = 90 - $A$10 + B15 の式をそれぞれ入力します

関数式の考え方 直感的にわかりやすいように 最初に 3 月を 0 度とする三角関数の起点になるように 毎月 30 度ずつ 1 年で 360 度変化する三角関数の値域を用意しました (12 行目 ) しかし 実際の三角関数の値域は ラジアン表示ですので 2π (deg) / 360 の計算で ラジアンに変換しました (13 行目 ) これで 三角関数の sin を計算しました (14 行目 ) 振幅の 23.4 度を掛けて見かけ上の太陽高度の変動 ( 視赤緯 ) を計算し (15 行目 ) 最後に 南中高度を計算しました (16 行目 ) これを 12 月までコピーします

平均気温と南中高度のグラフ 簡単のために 値だけをコピーします Excel では 一般には変化する量は行方向にとりますが 表示などの都合で 列方向に変化量をとる使い方もあります

平均気温と南中高度 形が良く似ています なんとなく 相関していると言えそうです ですが 南中高度のピークは 6 月 ( 夏至は 6 月 ) なのに 気温のピークは 8 月です これは 8 月までは 放散エネルギーよりも流入エネルギーの方が大きいため 積分されて増加している と考えられます これを 散布図で表現してみます すると 楕円になります 完全に相関している時は 散布図が直線になります 位相が 90 度ずれると 円になります

相互相関関数計算の準備 準備のために シートを変えて 行と列を入れ替えてコピーします 次に 上に 5 行挿入し 8 12 月分をコピーし下に 1 5 月分をコピーして 連続したデータにします

原因と結果 太陽の南中高度と 平均気温の関係で 気温が太陽の高度に影響を与えているのか 太陽の高度が気温に影響を与えているのかを 考えます この場合 原因は太陽の高度であり 気温が結果であると 推測します そこで 太陽の南中高度を左に 気温を右にして 準備します

相互相関関数の計算 (1) D1 のセルに -5 を入力します E1 のセルに =D1+1 を入力し これを N1 のセルまでコピーします 5 から 5 まで変化する見出しが出来ます これは 5 ヶ月から 5 ヶ月まで変化させて 位相のズレを見るためです

相互相関関数の計算 (2) D7 のセル ( 5 の列の 1 月の行 ) に 以下の式を入力します =index($b$1:$b$23, ROW() ) * index( $C$1:$C$23, ROW() + D$1) INDEX 関数は 最初のパラメータの配列から 2 番目のパラメータの番号の値を取り出す という関数です

相互相関関数の計算 (2) 意味 ROW() 関数では 現在ある行番号を取り出します 配列で 1 行目から範囲指定しているため 最初の index( $B$1:$B$23, row() ) で 現在ある行の 太陽の南中高度の値が取り出されます 2 番目の行では 現在ある行の値に D 列の 1 行目 (1 行目は絶対指定 ) の値だけ 前後にずらす計算をしています row() + D$1 の部分です 平均気温の値は この D1 のセルの値 (-5) だけずらして取り出します ですので 平均気温の項は index( $C$1:$C$23, row() + D$1 ) になります

数表を埋める 式は 絶対参照と相対参照を組み合わせて作っていますので 一気にコピーして 面を埋めて下さい

相互相関の計算 数表を計算したら D24 に =D1 の式を書き D25 に =average(d7:d18) の式を書きます これを N 列までコピーします

空白行の意味 セルの上下に空白がある意味を考えてみて下さい 過去 5 ヶ月分とか 未来の 5 ヶ月分との関係を調べます 比べる相手が上下に 5 ヶ月分ずつ幅広くなっているので 時間で言えば前後 5 ヶ月分は 相手のデータ は必要でも 自分自身のデータ は使わない領域があります その領域は 計算式だけ入れても答えは出てきません

相互相関関数のグラフと読み方 24 行目を軸ラベルとして 25 行目の数値だけをグラフ化します 位相 (5 ヶ月前 ) (5 ヶ月後 ) まで ずらして計算した結果 相関が最大となるまでに 1 2 ヶ月の位相のズレがあることがわかります

位相補償 前処理で こうした位相のズレを補償すると 二つの変化が 一次関数 の形に近くなります ( 直線関係 ) 実際に 平均気温と 南中高度のデータを 2 ヶ月ずらして散布図を作成すると かなり 右肩上がりの直線に近づきます 良い相関関係 があるデータでも 時系列データの場合 位相をきちんと補償してあげないと 相関係数 は悪くなる場合があります 月 単位ではなく 日 単位で計算して位相保証すると 相関はほぼ 1 になります

相関係数の計算 相関係数は 以下の式で計算できます n n (x i x)(y i y) i=1 (x x) 2 (y i y) 2 i=1 n i=1

相関係数の考え方 x や y が 平均よりどの程度大きいか 小さいか ペアになる 1 項目ごとに両辺がそれぞれ x y の長方形を作ってみます 傾向が一致していれば x が大きいときは y も大きく 合計はプラスになります マイナスとマイナスを掛けてもプラスになるので 傾向が一緒だとプラス側だけに長方形が来ます 傾向が真逆だとすると x が + の時は y がー x がーの時は y が + となって 合計はマイナス側で絶対値は大きくなります 特定の傾向がない場合は 相殺して 0 に近づきます この長方形の面積を x や y の大きさで揃えると ( 分母の式で割ると ) 最大が 1 最小が 1 になります この分母は標準偏差が使われます

相関係数の式変形 この式のままだと 一回平均を計算しないと相関係数が計算できません そこで x = 1 n n x i, y = 1 i=1 n n i=1 という関係を利用して 式変形します ( 板書参照 ) 最終的には 以下の式になります y i r = n i=1 n i=1 x 2 i 1 $ & n % x i y i n i=1 x i 1 n ' ) ( 2 n n x i y i i=1 i=1 n i=1 y 2 i 1 $ & n % n i=1 y i ' ) ( 2

Excel での相関係数計算の準備 Excelの機能では 簡単に相関係数を求めることもできますが あえて 式の意味から考えて欲しいため バラバラに計算します n 右の式を用いて Σ を置き換えると 相関係数は下記のようになります r = S XY 1 n S X S Y S XX 1 n S 2 X S YY 1 n S 2 Y S X = S Y = S XX = S YY = S XY = i=1 n i=1 n i=1 x i y i n i=1 n i=1 x i x i y i y i x i y i

Excel での相関関数 2 ヶ月分だけ位相をずらします そこで X Y XX, YY, XY を各行ごとに計算します ( 具体的な手順は 先週のスライドを参照して下さい ) それらの値から r を求めると r=0.9592 が得られます

相関係数の読み方 一般的に 例えば医療関係のデータを読む際には 0.7 1: 強い相関がある 0.3 0.7: 相関を伺わせる傾向が見られる -0.3 0.3: 無相関である -0.7-0.3: 負の相関の傾向が見られる -1-0.7: 負の相関がある などという言い方をします 0.3 から 0.7 の間は 非常に扱いが難しいことが多い 但し 相関係数は X と Y を入れ替えても同じ結果になるので どちらが原因で どちらが結果かを言うことはできません

とっても楽な計算方法は 実は =CORREL(B2:B13,C2:C13) と入力すると 相関係数は計算できます ただ 元となる考え方や 感覚的に 何を計算しているのかを感じ取ってから 数式を理解し 最終的には =correl() を使うようにして下さい そうしないと 位相差のあるデータ をそのまま分析して 目立った相関は見られない などという論文を書いたりしてしまいます ( 後で 結構恥ずかしいのではないかと思います )

自己相関関数 今度は 関数の波形を自分自身と相関させてみます 第 10 回で使った 心電図のデータについて 相互相関の代わりに 自分自身の値との相関を出してみます ( 私は 10 刻みで位相を変えました そうしないと データが大きいので )

計算を手動に切り替え Excel で サイズの大きいデータの自己相関を計算させると 何度も 再計算 が実行されて 非常に 重く なります 何か入力するたびに 全部を再計算するために 反応が鈍くなります そこで 一度数式を入力して計算させたら 自動 計算をやめて 手動 再計算に切り換えます または ( 裏技ですが ) 計算済みのセルの値を 全部コピーし 値を貼付け して 計算しないようにしてしまいます こうした 裏技 を使うときは 自分のやったことをしっかり覚えておくように

自己相関の意味 自己相関の結果を見ると -150-170 の付近で値が大きくなっています これは 150 サンプル 170 サンプル (0.75 秒 0.85 秒 ) で データが反復していることを示唆しています これの山は 心電図の周期を意味しています が 計算する区間が広いと 大まかな値 しか出てきません ( 瞬時心拍数の算出には不向き )

自己相関と周期性 周期性のある信号では 自己相関を計算すると その周期に相当する 遅れ の部分で 相関関数がピークを持ちます ということは 自己相関を計算すると 信号の周期性が計算できるのではないか? と考えられます これが ウィーナー = ヒンチンの定理 (Wiener Khinchin theorem) と言われ 自己相関関数のフーリエ変換は 信号のパワースペクトルになる という関係式です この科目の守備範囲外ですが フーリエ変換との関係は有名ですので 覚えておいて下さい

今日の提出課題 太陽の南中高度と平均気温のデータを用いて 相互相関関数のグラフを作成して下さい (2 点 ) 5 ヶ月から +5 ヶ月まで 平均気温のデータをシフトさせて 南中高度と平均気温の相関係数を計算し 何カ月ずらした時に相関係数がいくつだったか 表にしてまとめなさい (3 点 ) ヒント :INDEX 関数をうまく使うと 一気に作成できます CORREL 関数を使っても構いません この結果をグラフに表示して下さい (1 点 ) 以上のレポートを 今日の 出席点 とします 出席そのものは カードでチェックします

発展課題 ( ボーナス課題 ) 気象庁のデータでは 週単位 の区切りのデータもダウンロードできます できれば 10 年分程度を平均したデータを使って下さい 太陽の南中高度のデータも 週単位 で計算し 平均気温と南中高度のデータの 位相差 を求めて下さい 夏至 から 何週間くらい遅れて 気温のピーク が来るか 体感している時期が結果として得られているか 検証して下さい 簡単のため 1 年を 52 週間 (364 日 ) として構いません ( ボーナス点 : 最大 4 点 )

次回の予告 第 5 回 方式 性能 誤差 位法と零位法 感度 分解能 測定範囲 スパン ダイナミックレンジ 直線性 確度 応答時間 分散 標準偏差 標準誤差 有効数字について学習する 計測論 の部分を学習します

もう一つの提出課題 欠席課題 今日の講義ノートの 欠席課題 ですが 授業課題ではなく こちらの課題で出しても構いません 相関があるということは何を意味するかを最初に説明し 相関係数を求める計算式で なぜ相関が表せるか 数式に基づいて説明を書いて下さい この課題についても 6 点満点で採点します 授業課題のレポートで提出しても構いませんし こちらの課題で出しても構いません

欠席した人は 今日の授業課題を提出して下さい 提出があれば 出席に切り換えて レポートも採点評価します