PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
九州支部卒後研修会症例

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

PowerPoint Presentation

血糖高いのは朝食後のため検査項目 下限値上限値 単位名称 9 月 3 日 9 月 6 日 9 月 15 日 9 月 18 日 9 月 21 日 9 月 24 日 9 月 28 日 10 月 1 日 10 月 3 日 10 月 5 日 10 月 9 日 10 月 12 日 10 月 15 日 10 月

当院の血液検査室の概要 血液検査 system 自動血球分析装置塗抹標本作製装置 La-vietal LS (Sysmex 社 ) XN-3000 (Sysmex 社 ) XN 台 ( RET WPC PLT-F の各チャンネル ) XN 台 SP-10 (Sysmex

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

PowerPoint プレゼンテーション


PowerPoint Presentation

95

Microsoft Word - ketueki.doc

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

_14鈴木.indd

PowerPoint プレゼンテーション

BLF57E002C_ボシュリフ服薬日記_ indd

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m


33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

dr

<8C9F8DB85F3338E4508CB495612E786C73>

<4D F736F F F696E74202D B CE8D9590E690B694AD955C2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

スライド 1

59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 臨床化学 事例 1 28 歳 男性 項目 TP ALB CRE UN AST ALT ALP LDH CK 初検 ( 再測定前 ) 測定値 項目 測定値 7.6 CKMB TC Na K Cl 1

血球数算定 ( 血算 ) NTT 東日本関東病院臨床検査部 栗原正博

サイトメトリー12-1.indd

第 34 回京阪血液研究会松下記念病院 確定診断が得られなかった MF から移行した血液疾患症例 高知医療センター SRL 検査室 根来利次 筒井敬太 筒井義和 福留由香里 山崎喜美高知医療センター 血液内科上村由樹 今井利 町田拓哉 駒越翔山根春那 橋本幸星

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

日臨技九州支部血液卒後セミナー 解説 3

第 6 回瀬戸内血液研修会のご案内 新年あけましておめでとうございます 皆様お忙しくお過ごしのこととご拝察いたします さて 瀬戸内血液研修会の第 6 回を下記の日程 要綱で行いますのでご案内致します 第 5 回において次回のご案内をしたとおり 骨髄増殖性腫瘍 多発性骨髄腫のテーマで行います 2016

日本呼吸器学会雑誌第44巻第7号

2010 年 6 月 25 表 身体所見 134 cm 31 kg /60 mmhg 83/ ,

日本呼吸器学会雑誌第47巻第6号

1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61


血液部門精度管理調査 責任者済生会高岡病院 高田哲郎

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

慈大呼吸器_25-1_02T_CS5.indd

PowerPoint プレゼンテーション

母子感染

_02三浦.indd

<8AEE8F80926C955C81698D C5816A2E786C7378>

PowerPoint プレゼンテーション

/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg

2.7.6 MJR a MRI CT b 2 Beecham r-afs mg/ mg/ Gn-RH 742

血液疾患とemergency

Microsoft PowerPoint - 当日H3001標準化報告会用hiramitu.pptx

日本呼吸器学会雑誌第48巻第6号

mg/day 9 LDH 9 E4V4M6 118/80 mmhg 140/ LDH WBC 31,060/μl 28 IL-2 sil-2r 46,000 U/ml β2-microgloburin β2- MG 8.1 ug/ml ph 7.23

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

051

indd

骨髄異形成症候群 by KI/NK 入院日年月日 症状 : 体重減少 [ ] 発熱 [ ] 倦怠感 [ ] 浮腫 [ ] めまい [ ] リンパ節腫脹 ( 鼻腔 扁桃 頸部 腋窩 鼠径 )[ ] 貧血 [ ] 赤芽球血症 [ ] 巨赤芽球 [ ] 環状鉄芽球 [ ] 多核赤芽球 [

白血病

_03大山.indd

第 7 6 回内科学研鑽会臨床病理検討会 日時 :2013 年 2 月 2 日 ( 土 ) 午後 2 時から場所 : 市立堺病院 ( 大阪府堺市堺区南安井町 1 丁 1 1) 3 階講堂症例 : 股関節痛と発熱を来たし 死の転帰をとった 47 歳男性 縮 ( 大腿周径 :R 46.


生化学検査 臨床検査基準値一覧 近畿大学病院 (1) 検査項目 基準値 単位 検査項目 基準値 単位 CRP mg/dl WBC /μl Na mmol/l M RBC K mmol/l F 3.86-

387 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

P002~014 1-1-A~B.indd

医学教育用基準範囲 JCCLS 共用基準範囲に基づく 医学部学生用基準範囲設定についてのパブリックコメント公募 JCCLS 基準範囲共用化委員会 JCCLS 共用基準範囲は一般的な臨床検査 40 項目の基準範囲であり 日本臨床検査医学会 日本臨床化学会 日本臨床衛生検査技師会 日本検査血液学会の共同

抗血栓薬内服の必要な ITP 患者の管理 杉本健 1) 大幡真也 1) 髙橋利匡 2) 阿部智喜 3) 古賀明日香 3) 竹内健人 2) 髙吉倫史 2) 西山勝人 3) 原賢太 2) 安友佳朗 3) 北播磨総合医療センター 1) 血液腫瘍内科 2) 糖尿病 内分泌内科 3) 内科 老年内科 内容の一

白血病とは 異常な血液細胞がふえ 正常な血液細胞の産生を妨げる病気です 血液のがん 白血病は 血液細胞のもとになる細胞が異常をきたして白血病細胞となり 無秩 序にふえてしまう病気で 血液のがん ともいわれています 白血病細胞が血液をつくる場所である骨髄の中でふえて 正常な血液細胞の産 生を抑えてしま

血管周囲に細胞浸潤と肉芽腫形成を認めた Figure した ステロイドを漸減し 9月29日プレドニゾロ 3 ン25 mg/dayで退院となった 退院時の下腿筋MRI 入院後経過 Figure 4 検査でも改善を認めた Figure 2b 以後ステロイド サルコイドーシスと診断 プレドニゾロン60 m

日本呼吸器学会雑誌第44巻第10号

入院時検査所見検査所見 WBC /µl RBC /µl Hb 13.4 g/dl Ht 38.4 % MCV 85.7 Fl MCH 29.2 pg MCHC 34.9 % PLT /µl PT-% 63.8 % PT-INR 1.23 APTT

125 2 P 1st washout 2 PB P mg/dL nd washout 2 P 5.5mg/dL< mg/dL <2.5mg/dL P P 2 D D 3 Ca 10

<4D F736F F D F73696B6B616E C8C8B858C6E82CC8EBE8AB C08C8C897493E089C82E646F63>

Microsoft Word - 第1回RCPC案内

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

高脂血症の検査

愛知県臨床検査標準化ガイドライン 血液特殊染色アトラス 愛知県臨床検査標準化協議会 AiCCLS : Aichi Committee for Clinical Laboratory Standardization


平成 29 年 ₈ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 616 号付録 ) 免疫血清分野 尿一般分野病理分野細胞診分野血液一般分野生化学分野先天性代謝異常分野 細菌分野 末梢血液一般検査の測定結果への影響 ~ 自動血球分析装置の誤差要因 ~ 検査科血液 尿一般係 はじめに近年 自動血球分析装

1996 papilloma virus 2001 Bowen AIHA PSL1mg/kg BMA PRCA parvovirus B19 PVB19 DNA PCR PV IgM 4 PVB19 PRCA MAP PVB19 DNA DNA PR

岐臨技精度管理事業部平成 25 年度総括集 血液検査 横山裕子 はじめに 今年度の精度管理は, 血球計数,photo survey, 凝固検査を実施した. また, 凝固検査についてのアンケート調査を行った. 血球計数 調査項目白血球 赤血球 ヘモグロビン MCV 血小板 調査試料 ヒト新

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

白血病治療の最前線

(Microsoft PowerPoint - .pptx)

静岡県臨床検査技師会精度管理調査

PowerPoint プレゼンテーション

精度管理調査の目的

精度管理調査の目的

24臨床検査精度管理総括集_04.indd

検査項目情報 EBウイルスVCA 抗体 IgM [EIA] Epstein-Barr virus. viral capsid antigen, viral antibody IgM 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLA

日本内科学会雑誌第97巻第7号

芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍における高頻度の 8q24 再構成 : 細胞形態,MYC 発現, 薬剤感受性との関連 Recurrent 8q24 rearrangement in blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm: association wit

臨床所見 ( 診断時 ) 診断された当時の所見や診断の根拠となった検査結果を記載症告示番号 30 免疫疾患 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 病名 1 X 連鎖重症複合免疫不全症 受給者番号受診日年月日 受付種別 新規 1/2 ふりがな 氏名 (Alphabet) ( 変更があった

第28回血液部門卒後研修会 症例7

WBC 5700 / l Gran 58.5% Lym 29.0% Eosin 0.3% RBC 499x10 6 / l Hb 14.8 g/dl Hct 44.40% PLT 15.3x10 3 / l PT 157% Fbg 616 mg/dl DD 0.99 g/ml GOT GPT LDH

CD1 data

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot

①免疫介在性血小板減少症(犬)

BUN, CRP K mg/ cm, 49.6 kg, BMI /72 mmhg, 92/ Hb 6.7 g/dl PT-INR CT 1 MRI 2a, b T1 T2 T1 MRI

2019 年 6 月 1 日 TMM 講座 論文を書きましょう! 何を書けばいいんですか? 新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター高田俊範

Behçet 病,サルコイドーシス,再発性多発軟骨炎―診断と鑑別を中心にー

スライド 1

37, 9-14, 2017 : cefcapene piperacillin 3 CT Clostridium difficile CD vancomycin CD 7 Clostridium difficile CD CD associate

Transcription:

大阪府医師会館 平成 26 年 3 月 29 日 平成 25 年度 ( 第 41 回 ) 大阪府医師会臨床検査精度管理検討会 外部精度管理調査と内部精度管理 血液学検査 ( 血液像 ) 近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部 岡田和敏

設問症例 血液像の症例一覧 1~4 5~8 9 原発性骨髄線維症 EB ウイルス感染症 節外性 NK/T 細胞リンパ腫 - 鼻型からアグレッシブ NK 細胞性白血病 / リンパ腫 (ANKL) への進行期例 10 濾胞性リンパ腫 (FL) の再発例 11 形質細胞白血病 (PCL) 12 t(15;17)(q22;q12);pml-rara を伴う急性前骨髄性白血病 (APL) (FAB 分類 M3 variant) 13 骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病 (AML/MRC) 14 急性単芽球性白血病 (FAB 分類 M5a) 15~16 前リンパ球増多を伴う慢性リンパ性白血病 (CLL/PL)

血液像の正解と正解率 ( 参加 163 施設 ) 設問正解許容正解正解数正解率 (%) 配点 1 涙滴赤血球 162 99.4 1.0 2 骨髄芽球 Agranular blast 152 93.3 1.0 3 多染性赤芽球 141 86.5 1.0 4 骨髄球 121 74.2 1.0 5 リンパ球 155 95.1 0.5 6 異型リンパ球 128 78.5 0.5 7 異型リンパ球 151 92.6 0.5 8 異型リンパ球 156 95.7 0.5 9 リンパ腫細胞 ( 大型 ) リンパ腫細胞 ( その他 ) 10 濾胞性リンパ腫細胞 11 異型形質細胞 Myeloma cell リンパ球系その他の異常 146 89.6 0.5 リンパ腫細胞 ( 大型 ) リンパ腫細胞 ( その他 ) リンパ球系その他の異常 157 96.3 0.5 154 94.5 0.5 12 APL 細胞 146 89.6 0.5 13 Agranular blast 骨髄芽球 144 88.3 0.5 14 Agranular blast 単芽球 137 84.0 0.5 15 CLL 細胞リンパ球 145 89.0 0.5 16 前リンパ球 CLL 細胞 PLL 細胞 133 81.6 0.5 合計 10.0

設問 1 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 1 から写真 4 は同一症例です 正解 涙滴赤血球 回答 162 施設 ( 正解率 99.4 %)

設問 2 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 1 から写真 4 は同一症例です 正解骨髄芽球回答 148 施設 許容正解 Agranular blast 回答 4 施設 回答 152 施設 ( 正解率 93.3 %)

設問 3 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 1 から写真 4 は同一症例です 正解多染性赤芽球回答 141 施設 ( 正解率 86.5 %) 不正解正染性赤芽球回答 16 施設

設問 4 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 1 から写真 4 は同一症例です 正解骨髄球回答 121 施設 ( 正解率 74.2%) 不正解前骨髄球回答 32 施設 症例 : 原発性骨髄線維症

設問 5~6 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 5 から写真 8 は EB ウイルス感染症の一症例です 設問 5 設問 6 Downey Ⅰ 型 ( 単球類似 ) 正解 リンパ球 正解 異型リンパ球 回答 155 施設 ( 正解率 95.1%) 回答 128 施設 ( 正解率 78.5%) 不正解単球 回答 30 施設

設問 7~8 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 5 から写真 8 は EB ウイルス感染症の一症例です 設問 7 設問 8 Downey Ⅱ 型 ( 形質細胞類似 ) Downey Ⅲ 型 ( 幼若なリンパ球類似 ) 正解 異型リンパ球 正解 異型リンパ球 回答 151 施設 ( 正解率 92.6%) 回答 156 施設 ( 正解率 95.7%) 不正解形質細胞 回答 8 施設 不正解単球 回答 4 施設 症例 : EB ウイルス感染症

設問 9 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を 選んでください 参考データ 40 代女性 現病歴 : 右鼻閉にて近医を受診 紹介にて診断治療中であった 末梢血 : 細胞表面マーカー : WBC 10000 /μ L CD2 (+) RBC 2.71 X10 6 /μ L CD3 (-) Hb 8.9 g/dl CD4 (-) Ht 24.4 % CD5 (-) Plt 4.0 X10 4 /μ L CD7 (+) 矢印の細胞 28.0 % CD8 (+) CRP 0.407 mg/dl CD13 (-) LDH 9570 IU/L CD16 (-) sil-2r 12018 U/mL CD19 (-) T 細胞レセプター β 鎖 Jβ 1 遺伝子 : CD20 (-) 再構成を認めず CD30 (+) 病理組織所見 ( 鼻腔 副鼻腔 ): CD33 (-) ( 抜粋 ) 大型異型細胞 CD30(+), CD34 (-) ALK(-), EBER(+) CD56 (+) 正解 リンパ腫細胞 ( 大型 ) 回答 79 施設 リンパ腫細胞 ( その他 ) 回答 64 施設 許容正解リンパ球系その他の異常回答 3 施設合計 146 施設 ( 正解率 89.6%) 症例 : 節外性 NK / T 細胞リンパ腫 - 鼻型 Extranodal NK / T cell lymphoma, nasal type からアグレッシブ NK 細胞性白血病 / リンパ腫 Aggressive NK-cell leukemia/lymphoma ( ANKL ) への進行期例

設問 10 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 参考データ 50 代女性 遺伝子検査 : 免疫グロブリン H 鎖 JH 遺伝子再構成を認める PET-CT 検査所見 : 脾腫がみれ FDG 集積が亢進 骨髄ではびまん性に FDG 集積が見られる 正解濾胞性リンパ腫細胞回答 130 施設 現病症 : 近医にて腹腔内リンパ節腫脹を指摘され 紹介にて診断治療中であった 末梢血 : 許容正解 リンパ腫細胞 ( その他 ) 回答 15 施設 リンパ腫細胞 ( 大型 ) 回答 8 施設 リンパ球系その他の異常 回答 4 施設 合計 157 施設 ( 正解率 96.3%) 症例 : 濾胞性リンパ腫 Follicular lymphoma (FL) の再発例 骨髄液細胞表面マーカー : WBC 8500 /μ L CD2 (-) RBC 4.40 X10 6 /μ L CD10 (+) Hb 13.4 g/dl CD19 (+) Ht 37.5 % CD20 (+) Plt 6.6 X10 4 /μ L CD34 (-) 矢印の細胞 4.5 % CD38 (+) CRP 1.564 mg/dl BCL2 (+) LDH 4135 IU/L sil-2r 426 U/mL 骨髄検査 : 有核細胞数 12.3 X 10 4 /μ L 矢印の細胞 60.1 %

設問 11 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 参考データ 60 代男性 主訴 : 全身倦怠感 労作時呼吸苦および腰痛 末梢血 : 骨髄検査 : WBC 13800 /μ L 有核細胞数 3.7 X 10 4 /μ L RBC 2.19 X10 6 /μ L 矢印の細胞 70.0 % Hb 6.9 g/dl Ht 20.4 % Plt 18.2 X10 4 /μ L CD19 (-) 矢印の細胞 47.1 % CD20 (-) cy κ -chain (+) CRP 0.704 mg/dl cy λ -chain (-) TP 8.3 g/dl CD33 (+) Alb 2.5 g/dl CD45 (+) ALP 487 IU/L CD49e (-) LDH 734 IU/L CD54 (-) IgG 3911 mg/dl CD56 (+) IgA 15 mg/dl CD138 (+) IgM 12 mg/dl MPC-1 (+) 正解異型形質細胞回答 34 施設 Myeloma cell 回答 120 施設合計 154 施設 ( 正解率 94.5%) 症例 : 形質細胞白血病 Plasma cell leukemia (PCL) 骨髄液細胞表面マーカー (CD38 gating):

設問 12 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 参考データ 20 代女性主訴 : 下肢の皮下出血 末梢血 : 細胞表面マーカー : WBC 41100 /μ L CD11b (-) RBC 2.71 X 10 6 /μ L CD13 (+) Hb 7.9 g/dl CD14 (-) Ht 23.0 % CD15 (-) Plt 1.7 X 10 4 /μ L CD19 (-) 矢印の細胞 85.0 % CD33 (+) CD34 (+) CRP 0.498 mg/dl CD36 (+) LDH 1234 IU/L HLA-DR (+) 正解 APL 細胞回答 146 施設 ( 正解率 89.6%) PT 56.1 % INR 1.34 APTT 24.5 sec Fib FDP D-dimer 81 mg/dl 78.5 μ g/ml 35.75 μ g/ml 骨髄検査 : dry tapのため生検施行 穿刺針からのタッチ標本では矢印の細胞 90.6% 染色体検査 : 46,XX,t(15;17)(q22;q12) 症例 : t(15;17)(q22;q12);pml-rara を伴う急性前骨髄性白血病 (APL) Acute promyelocytic leukemia with t(15;17)(q22;q12);pml-rara (FAB 分類 : M3 variant)

設問 13 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 参考データ 80 代男性 正解 Agranular blast 回答 96 施設 許容正解 骨髄芽球 回答 48 施設 合計 144 施設 ( 正解率 88.3 %) 不正解骨髄巨核芽球回答 9 施設 主訴 : 感冒様症状 末梢血 : 骨髄液細胞表面マーカー : WBC 32400 /μ L CD11b (-) RBC 2.68 X10 6 /μ L CD13 (+) Hb 9.3 g/dl CD14 (-) Ht 27.9 % CD19 (-) Plt 64.5 X10 4 /μ L CD33 (+) 矢印の細胞 97.7 % CD34 (-) CRP 6.691 mg/dl CD36 (-) TP 6.4 g/dl CD56 (-) Alb 3.2 g/dl CD117 (+) LDH 442 IU/L HLA-DR (+) 血清鉄 111 μ g/dl TIBC 198 μ g/dl 骨髄検査 : 有核細胞数 16.5 X 10 4 /μ L 巨核球数 85 /μ L 矢印の細胞 71.7 % 所見 ( 抜粋 ): Erythro 系と Megakary 系に異形成が認められる 症例 : 骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病 Acute myeloid leukemia with myelodysplasia-related changes (AML/MRC)

設問 14 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 参考データ 70 代女性主訴 : 慢性咳嗽 軟口蓋の点状出血 末梢血 : 正解 Agranular blast 回答 38 施設 許容正解 単芽球 回答 99 施設 合計 137 施設 ( 正解率 84.0 %) 末梢血 骨髄液細胞表面マーカー : WBC 3400 /μ L CD11b (±) RBC 2.49 X10 6 /μ L CD13 (±) Hb 8.4 g/dl CD14 (±) Ht 25.0 % CD15 (-) Plt 5.2 X10 4 /μ L CD19 (-) 矢印の細胞 27.0 % CD33 (-) CRP 2.134 mg/dl CD34 (+) LDH 155 IU/L CD36 (+) 骨髄検査 : CD38 (+) 有核細胞数 9.5 X 10 4 /μ L CD41 (-) 巨核球数 8 /μ L CD61 (-) 矢印の細胞 71.1 % CD64 (-) CD117 (-) HLA-DR (+) 症例 : 急性単芽球性白血病 Acute monoblastic leukemia (FAB 分類 : M5a)

設問 15 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 15 から写真 16 は同一症例です 参考データ 60 代女性主訴 : 左上腹部痛 末梢血 : 骨髄液細胞表面マーカー : WBC 28800 /μ L CD2 (-) RBC 3.75 X10 6 /μ L CD4 (-) Hb 10.7 g/dl CD5 (-) Ht 31.9 % CD8 (-) Plt 22.1 X10 4 /μ L CD19 (+) * 矢印の細胞 79.3 % CD20 (+) CRP 1.192 mg/dl CD23 (+) LDH 552 IU/L CD33 (-) sil-2r 6862 U/mL CD34 (-) 骨髄検査 : CD38 (-) 有核細胞数 51.3 X 10 4 /μ L CD56 (-) 巨核球数 131 /μ L 矢印の細胞 * 69.7 % * ( 写真 15 と 16 の回答細胞合計 %) 正解 CLL 細胞 回答 125 施設 許容正解 リンパ球 回答 20 施設 合計 145 施設 ( 正解率 89.0 %) 不正解 PLL 細胞回答 4 施設

設問 16 矢印の細胞について 最も考えられるものを血液像細胞分類コード表から番号を選んでください 写真 15 から写真 16 は同一症例です 正解 前リンパ球 回答 97 施設 許容正解 CLL 細胞 回答 1 施設 PLL 細胞 回答 35 施設 合計 133 施設 ( 正解率 81.6%) 不正解リンパ芽球回答 13 施設 症例 : 前リンパ球 (prolymphocyte : PL) 増多を伴う慢性リンパ性白血病 (CLL) CLL with increased PL (CLL/PL) PL が 11%~55% 未満の境界症例は CLL として扱われるため 経過中の出現割合に注意

参加施設の成積評価割合 ( 参加 163 施設 ) 評価 参加施設数 参加施設割合 (%) A 130 79.8 B 15 9.2 C 8 4.9 D 10 6.1

誤回答の多い施設 (10 施設 ) と正解率の低い設問 施設 設問 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 a b 誤回答 c d e f g h i j 誤回答の施設数 8 8 9 8 7 9 設問正解許容正解配点 参加施設正解率 (%) 症例 2 骨髄芽球 Agranular blast 1.0 93.3 原発性骨髄線維症 3 多染性赤芽球 1.0 86.5 原発性骨髄線維症 4 骨髄球 1.0 74.2 原発性骨髄線維症 12 APL 細胞 0.5 89.6 APL (M3 variant) 13 Agranular blast 骨髄芽球 0.5 88.3 AML/MRC 16 前リンパ球 CLL 細胞 PLL 細胞 0.5 81.6 CLL/PL

血液学検査 ( 血液像 ) ー参考調査ー

染色方法と染色液使用メーカーの内訳 平成 25 年度 ( 回答 141 施設 ) 重染色 重染色と単染色 単染色 染色法 M-G, M-G, W-G, W-G M-G W-G G W W 合計 (%) メーカー 2 法 2 法 2 法 シグマアルドリッチジャパン 0 0.0 シスメックス 22 1 23 16.3 武藤化学 1 50 15 1 1 68 48.2 メルクジャパン 14 2 1 1 18 12.8 和光純薬 7 2 1 1 11 7.8 複数メーカーを使用 1 12 3 1 1 18 12.8 メーカー不明 3 3 2.1 合 計 2 108 23 4 1 3 *141 100.0 (%) 1.4 76.6 16.3 2.8 0.7 2.1 100.0 * 染色法不明 2 施設と M-G : メイ ギムザ染色 その他染色法 1 施設を除く W-G : ライト ギムザ染色 W : ライト染色 G : キ ムサ 染色 1. 重染色法の実施施設 138 施設 (97.9%) 2. 複数法を含めメイ ギムザ染色の実施施設 114 施設 (80.9%)

細胞分類カウント数 末梢血液像 ( 回答 144 施設 ) 骨髄像 ( 回答 85 施設 ) 施設数 % 施設数 % 100 カウント 105 72.9 500 カウント 58 68.2 200 カウント 38 26.4 1000 カウント 25 29.4 300 カウント 1 0.7 1001 カウント以上 2 2.4 301 カウント以上 0 0.0 その他 0 0.0

血液像まとめ 末梢血液像の分類カウント数は WHO 分類診断において目視白血球 200 個分類実施が推奨されるが 実施施設 26.4% で前年度 (25.7%) と比べ 明らかな増加はなかった 今年度の施設評価では D 判定 (6.1%) が昨年 (0.6%) と比べ増加した 誤回答の多い施設では 基本的細胞判定に誤回答が多い傾向であった そのため 誤回答症例を中心に日常検査で注意が必要と思われる 今年度の設問は 例年同様に基本的細胞観察や WHO 血液腫瘍分類さ れる症例であった A 評価と B 評価の施設合計が 89.0% であり 成績は良好であった