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1 4. 半導体の発光 conduction band 半導体の発光は通常 蛍光 ( ルミネッセンス :luminescence) と呼ばれている これは励起状態から基底 n=2 n=1 D-A 状態への電子遷移によるもので 状 pair 態間に相当するエネルギーを光子と して放出する valence band 半導体の発光には図示するような band to band free to bound free exciton bound exciton 幾つかの過程が存在する 励起状態 図 1 半導体の発光過程 や基底状態としては 伝導帯 価電 子帯 不純物レベル ( ドナ アクセプタ ) や欠陥準位がある また 電子と正孔がクーロ ン引力でお互いに引き合った状態である励起子も発光過程に寄与する 図 1に半導体にお ける種々の遷移による発光を示す これらは以下に示すように主に5つの遷移に分類され る 1. バンド間遷移 (band-to-band transition) 2. バンドと不純物 ( 欠陥 ) レベル間遷移 (free-to-bound transition) 3. ドナ アクセプタペア遷移 (donor-acceptor pair transition) 4. 自由励起子遷移 (free exciton transition) 5. 束縛励起子遷移 (bound exciton transition) また半導体の発光は 直接遷移形および間接遷移形半導体で大きく異なる 図 2に両遷移型半導体のバンド間遷移による発光を示す 光学遷移ではエネルギーおよび運動量が保存される 直接遷移形半導体では光子の運動量がブリルアンゾーンの大きさに対して無視しうる為にk 空間では電子は直に伝導帯から価電子帯に遷移し 図 2の例では発光はバンドギャップエネルギーに等しい これに対して間接遷移形半導体では 光子の運動量が小さいために運動量保存の法則より伝導帯の底から価電子帯の頂上への直接の光学遷移はおこらない 伝導帯の底と価電子帯の頂上の波数の差を持つフォノンを放出することにより運動量が保存される 発光のエネルギーはバンドギャップエネルギーよりフォノンのエネルギーだけ低くなる このような遷移は 伝導帯の電子がフォノンに散乱される確率が低い為 非常におこりにくい しかし極低温では フォノンを放出した励起子遷移が観測され 間接遷移形シリコンでは励起子を束縛する不純物が詳細に同定されており 高感度の不純物の検出法として用いられることがある 図 2 直接遷移形および間接遷移形半導体に 1

2 4.1 バンド間遷移 伝導帯の電子が価電子帯の正孔と再結合することによる発光である 主に直接遷移形半導体で主要な発光過程であり 発光デバイス応用としてのLEDや半導体レーザで重要な再結合過程である 純粋で完全性の良い直接遷移の III-V 化合物半導体では 室温ではバンド間遷移が支配的な発光過程である 低温で弱励起の条件では 自由キャリアは励起子状態に緩和するか不純物に束縛される方が安定であるため これらの遷移がバンド間遷移に比べて優勢となる バンド間遷移は kt>e B (E B は励起子や不純物の束縛エネルギー ) の高温領域では これらが解離して生じる高濃度の自由キャリアの為のバンド間遷移が優勢となる また 間接遷移形半導体では 運動量保存の法則より厳密な意味での ( フォノンが介在しない ) バンド間遷移は観測されない 発光エネルギーはバンドギャップエネルギーで決められる 発光スペクトルは伝導帯の電子と価電子帯の正孔の再結合であるため 電子と正孔のエネルギー分布を反映する また発光強度は遷移確率 ( 行列要素 ) に比例する 遷移には エネルギー保存則と運動量保存則が成り立つ 行列要素がエネルギーに依存せず バンドの有効質量が波数に位存ぜず一定であると仮定すると バンド間遷移の発光スペクトルは次のように表される I(hν) ν 2 (hν-e g )f e f h f e と f h はそれぞれ電子と正孔の分布関数である 電子と正孔の分布が Maxwell-Boltzmann 分布で近似できるならば 発光スペクトルは次式で表される I(hν) ν 2 (hν-e g ) exp[ - (hν-e g )/kt] 発光ピークエネルギーは Eg+kt/2 であり 半値幅 FWHM は 1.8kT である 発光スペクトルの特徴は スペクトルの形状はキャリア分布を反映するために次のようになる (1) バンドギャップエネルギーを低エネルギーのしきい値とする (2) ピークより低エネルギーでは状態密度を反映して鋭く立ち上がる (3) ピークより高エネルギーは分布関数を反映して指数関数的に減衰する (4) 発光のピークは 理論ではバンドギャップより kt/2 高いエネルギーを持つ 図 3 InGaAsP/GaAs のバンド端近傍の発光スペクトルとその温度依存性 ( 液相エピタキシャル法 ) 2

3 (5) 半値幅は温度に比例し 理論では 1.8kT である 一般に観測される半導体のバンド間遷移による発光は上の (2) と (3) により特徴づけられる しかし (1) に関して現実には 状態のすそや不純物の関与した遷移の影響を受けるためにバンドギャップよりやや低いエネルギーまで発光が存在する また (4) に関しては ピークエネルギーがバンドギャップエネルギー付近にあることが多い ( 図 2) これらの意味で 純粋なバンド間遷移の同定は難しく 特に浅い不純物や励起子の関与した発光との区別が難しい 従って これらを Near-band-edge emission と総称することがある フリーキャリアの再結合速度はキャリア濃度積と行列要素に依存する因子に比例し n 2 B で表され図 4InGaAsP/GaAs のバンド端る 定数 Bは詳細平衡の原理により 逆過程であ近傍の発光ピークの温度依存性る光吸収に関係づけられる キャリア寿命はτ= Egはエレクトロリフレクタンス法で 1/nBで表され キャリア濃度の増加に伴い減測定したバンドギャップエネルギー 少する GaAsではB 10-9 cm -3 s -1 であり キャリア濃度を n=10 16 cm -3 以下とすれば バンド間遷移の寿命は 10-7 s (100 ns) と見積もることができる 図 3に GaAs 基板に液相エピタキシャル法 (LPE 法 ) により成長した In 0.49 Ga 0.51 P 0.99 As 0.01 のフォトルミネッセンススペクトルを示す バンド端付近の発光線 (74-280K) は主にバンド間遷移によるものであり 上の特徴 (2) (3) を持っている また 低温では不純物準位の関与する発光と区別がつかない これらは発光ピークエネルギーとバンドギャップを種々の温度により比較することにより発光起源の考察が可能である また 半値幅は結晶の完全性を示す指標であり 1,8kT からの広がりが完全性からのずれである また 発光の半値幅が 1,8kT より小さい場合 発光に励起子が関与する可能性がある 図 5に 基板の GaAs との室温の格子不整合図 5 InGaAsP/GaAs のバンド端発光ス度の異なる In 0.49 Ga 0.51 P 0.99 As 0.01 エピ層のフォペクトルの格子不整合度依存性 トルミネッセンススペクトルを示す 結晶成長 3

4 温度 (800 ) で格子が整合するΔa/a=0.20% のものの半値幅が最も小さく 良い結晶性であることがわかる 格子不整合の大きな結晶性の低下した試料ではバンドギャップ以下の ( 主にピークより低エネルギー ) の発光が顕著になることがわかる 4.2 バンドと不純物レベル間の遷移 伝導帯からアクセプタ準位 あるいはドナ準位から価電子帯への遷移である 自由なキャリアの状態と不純物に束縛された状態の遷移であるので free-to-bound transition (F-B 遷移 ) と呼ばれることが多い 遷移はバンドと単一の準位の間の遷移であるので 発光スペクトルは伝導帯あるいは価電子帯のキャリア分布を反映する スペクトルを記述する関数形はバンド間遷移の形状と同じであるが 不純物のイオン化エネルギー (E a ) だけ低エネルギーにシフトする ) I(hν) ν 2 (hν-e g -E a )exp[ - (hν-e g -E a )/kt] 図 6に高純度の GaAs エピタキシャル層の発光スペクトルを示す 発光スペクトルの形状は上式に良くフィットしており ピークより高エネルギーの発光が発光エネルギーの増加に伴い exp[-(hν-e g -E a )/kt] を反映して指数関数的に減少することがわかる 図 7に Cd をドープしたp 形 GaAs のフォトルミネッセンススペクトルを示す 図では 図 6 高純度の GaAs エピタキシャル層のフォトルミネッセンススペクトル 高エネルギーの理論式とのフィットは良いが 低エネルギーのフィットが悪い これは不 4

5 純物ドーピングによりバンドの状態に裾が生じていることを示している また20K と80 K を比較すれば20K で低エネルギーのフィットが非常に悪く これは低温では状態に裾のみならず 低エネルギーに異なる発光帯が現れていることによるものと思われる 図 7 Cd をドープした p 形 GaAs のフォトルミネッセンススペクトル 5

6 4.3 励起子発光 図 8 極低温で測定したCdSの吸収端付近の発光スペクトル 自由励起子 束縛励起子発光とフォノンレプリカが観測される 図 9 極低温 (4.2K) での高純度 GaAs 結晶の高分解能フォトルミネッセンススペクトル 自由励起子 束縛励起子発光が観測される 6

7 4.4 自由励起子発光自由励起子は 純粋な半導体において電子 正孔が最も低いエネルギーを持つことができる真性励起状態である 自由励起子発光は完全性と純度の高い結晶において kt<e B (E B は励起子の解離エネルギー ) の低温で観測される 発光エネルギーは E PL = E g -E B /n 2 となる 光吸収スペクトルと同様に n=1 から始まる離散的な励起子の系列 (n=1, 2, ) の発光スペクトルが観測される 図 10に自由励起子による光吸収と発光スペクトルの概要を示す 光吸収では励起子吸収と半導体のバンド間励起による基礎吸収の両者が重なり n=3 以上の励起子吸収ピークは重なり合ってバンドとなりこれがバンド間遷移の吸収帯と重なり図 110のような連続吸収帯となる 自由励起子発光は 低温ではバンド間遷移の発光が現れないために n=3 以上の発光バンドは図 10のように高エネルギー側に裾を引くような形状を示す 図 10 自由励起子による光吸収と発光スペクトル 7

8 4.5 励起子ポラリトン物質の基底状態から励起状態に光により励起された場合 励起に使われた光子は一回の励起で消滅し それ以降はこの消滅量が光減衰量となる立場で議論された しかし 光と電子の相互作用のハミルトニアンには 光子の吸収を表す消滅演算子の他に 光子の放出を表す生成演算子が含まれている 従って 光子が吸収されて励起子がつくられれば 次はこの励起子が消滅して光子がつくられ この繰り返しにより励起が物質中を伝搬すると考える立場がある 今 エネルギー損失が無いと仮定する 入射光により励起が生じれば 入射光は減衰せずに物質を透過し 全体として光吸収が無いことになる 光と励起子の間に順次に変換が起きている状態 すなわち光と励起子の混合の状態を考えることにより物質中の励起子の正確な描像が得られる 物質中での光の電磁場と それがつくる分極波の波動の連成波はポラリトンとして知られている 光の電磁場と励起子の分極波の混合状態とそれらの連成波を励起子ポラリトンと呼ぶ また 光の電磁場と横型光学フォノン (TOフォノン) のつくる分極波の連成波はフォノンポラリトンと呼ばれ 励起子ポラリトンとは明確に区別される 図 11に光の分散関係と励起子の分散曲線を示している この両者の交点付近では光子と励起子が混合し両者を区別できない励起子ポラリトンが形成される 交点よりも低波数 図 11 自由励起子と光子の分散 8

9 では励起子の upper poraliton branch (UPB) が形成され k=0 において励起子の縦波のエネルギー E L を持つ もともとの励起子の k=0 でのエネルギーは横波のエネルギー E T である 同時に 光子の性格を持つ lower polariton branch (LPB) が形成される 交点付近では 光子と励起子が混合して区別が付かないポラリトン状態である 交点より高波数になると再び両者はそれぞれの分散関係に漸近し 光子と励起子のそれぞれの性質を示すことが図 1よりわかる 実際に非常に純粋な歪の無い完全性の高い半導体結晶の低温の自由励起子発光ピークは 二つのピークに分裂して観測されることが多い 図 12は高純度 GaAs の低温 (2K) でのフォトルミネッセンススペクトルを示している 1.515eV に自由励起子発光が それより低エネルギーの 1.514eV に強い束縛励起子発光がみられる 1.515eV の自由励起子発光は約 0.3meV 異なる2つのピークに分裂しており これが励起子ポラリトンの特徴である E L より高エネルギーのピークはポラリトンの UPB からの発光であり E L より低エネルギーのピークはポラリトンの LPB からの発光である 図 12 高純度 GaAs の低温 (2K) でのフォトルミネッセンススペクトル ポラリトンによる UPB および LPB の発光が観測される 9

10 4.6 束縛励起子発光 束縛励起子発光は 完全性の高い半導体結晶において低温で顕著な発光である 次にのべるが 束縛励起子発光は非常に鋭い発光線である ( 半値幅は 0.1meV 程度 ) であるため 高分解能の測定より 0.1meV の精度で発光線のエネルギーを求めることが可能である 束縛励起子の発光エネルギーは 不純物およびその電荷状態 ( 中性あるいはイオン化 ) により異なる 従って 束縛励起子発光の測定により半導体に含まれる不純物の種類とその荷電状態 および濃度を非常に高い感度で検出することが可能である 現在 著名な半導体 (Si, Ge, GaAs, Ga, CdS, ZnSe など ) では励起子を束縛する不純物と束縛励起子発光のエネルギーが詳しく調べられており 発光エネルギーにより不純物の同定ができる しかし この同定には 低温測定 (10K 以下 ) が必要であり 試料を歪無く低温に冷却すること および測定に用いる分光器の分解能と波長の校正は十分に慎重に行う (0.1meV 以下にする ) ことが重要となる 束縛励起子発光の特徴を以下に述べる 自由なキャリアが無いため 発光線幅は非常に狭い 従って 低濃度の束縛励起子であっても発光線強度は大きくなる 束縛励起子遷移における振動子強度は非常に大きい (giant oscillator strength と呼ばれる ) この理由は 振動子強度は R 3 に比例する R は束縛励起子の波動関数の広がりである 一般に励起子は弱く不純物に束縛される為 R は大きく 従って振動子強度は大きくなる 不純物による励起子の捕獲確率は大きい為 束縛励起子を介した再結合過程は効率的な過程である 束縛励起子局在エネルギー束縛励起子にエネルギーを与えることにより 束縛励起子は不純物からの束縛が解かれて自由励起子となる このエネルギーを励起子局在エネルギーと呼ぶ 局在エネルギーは小さい値である ( 自由励起子の束縛エネルギーの数分の一 ) ので 極低温で優勢な発光であった束縛励起子発光が温度の増加に伴い 発光強度が急激に減少する 測定温度を上げると 束縛励起子の相対発光強度が減少し 逆に自由励起子発光の相対強度が増加する このように 発光の温度依存性より励起子発光の起源の同定が行われることが多い 次に述べるように 束縛励起子の局在エネルギーは 励起子を束縛する不純物のイオン化エネルギーと関係があり 不純物のイオン化図 13 GaP での中性ドナおよび中性アクセエネルギーが大きいほど局在エネルギープタに束縛された励起子の局在エネルギーと不純物のイオン化エネルギーの関係 10

11 は大きい 両者には直線関係があり これを Hayns 則と呼ぶ Hayns 則束縛励起子における局在エネルギー E loc と不純物のイオン化エネルギー E a の間には関係があり同一半導体では励起子局在エネルギー E loc は E loc =a + b E a と表される シリコンでは a=0, b=0.1 であり励起子局在エネルギーは不純物のイオン化エネルギーに比例する 間接遷移の GaP では a はゼロでない このようにして 励起子局在エネルギーを求めることにより 励起子を束縛する不純物のイオン化エネルギーを見積もることができる 図 13 GaP での中性ドナおよび中性アクセプタに束縛された励起子の局在エネルギーと不純物のイオン化エネルギーの関係 間接遷移形半導体における束縛励起子発光の例 GaPとシリコン図 14にSやSeをドープしたGaPの 図 15にLiをドープしたSiの束縛励起子発光の例を示す GaPやSiは間接遷移形半導体であるので 運動量保存則を満たすためには 束縛励起子遷移にフォノンの放出が必要とされる 両物質ともに低温の発光スペクトルでは 音響フォノン (TA LA) と光学フォノン (TO,LO) を放出した発光線が観測されている LiをドープしたSiの発光では b1 から b10 までの発光線系列が観測されるが これはマルチエキシトンコンプレックスの発光線系列であり多数の励起子が Li 不純物に束縛されて生じる 11

12 図 14 硫黄およびセレンをドープした GaP での束縛励起子発光 図 15 Li をドープしたシリコンの束縛励起子発光 12

13 励起子の解離エネルギーと電子と正孔の有効質量比 Hopfield と Sharma and Rodriguez は独立に有効質量近似により束縛励起子に対して 励起子の局在エネルギーを電子と正孔の有効質量比 σ=m e /m h に対して求めた 図 16に中性およびイオン化したドナおよびアクセプタに束縛された励起子の解離エネルギーを示す 波線は Hopfield の結果 実線は Sharma and Rodriguez の結果である 次の4 種類の束縛励起子の特徴を述べる 1 イオン化ドナに束縛された励起子 Hopfield は Teller の波動関数と水素分子 H 2+ の有効ポテンシャルを用いた量子化学的手法を用いた 励起子はσ=m e /m h <0.71 のときイオン化ドナに束縛されると結論づけた 一方で Sharma and Rodriguez は詳細な変分計算を行い (D +,X) 複合体 ( イオン化ドナに束縛された励起子 ) は 0<σ=m e /m h <0.2 で安定であることを見いだした 両者における比較的大きなσ 値の矛盾は 束縛が生じる限界付近でのみ生じる イオン化ドナに束縛された励起子 (D +,X) の局在エネルギーは 比較的小さなσ( 値 0<σ=m e /m h <0.15) では両者は良く一致していることに注目したい ( 図 16の下図の左端近傍 ) Hopfield の結果では σ =m e /m h >0.2 でも 励起子は弱くイオン化ドナに束縛される ( 局在エネルギーは小さいがゼロでは無い ) と考えられるが Sharma and Rodriguez の結果では束縛は生じない これに関しては Sharma and Rodriguez の詳細な計算の方が信頼性は高いと考えられる 2 イオン化アクセプタに束縛された励起子イオン化アクセプタに束縛された励起子の局在エネルギーの荒い近似値は イオン化ドナ束縛励起子 (D +,X) の計算において電子と正孔の有効質量を入れ替えることで得られる ( 分子の電荷の符号を入れ替えることにおよそ等価である ) この方法は Hopfield により行われσ=m e /m h >1.4 で励起子はイオン化アクセプタに束縛される 励起子は 0.72<σ=m e /m h <1.4 の範囲では励起子はイオン化ドナにもイオン化アクセプタにも束縛されない Sharma and Rodriguez は 正孔の動力学的な効果が Hopfield の手法では無視されていることを指摘し σ=m e /m h >4 と同様に 0<σ=m e /m h <0.25 の範囲でも励起子はイオン化アクセプタに束縛されることを示した しかし Levy Leblond は Hopfield の手法を支持し 同一物質で励起子が同時にイオン化ドナとイオン化アクセプタに束縛されることは無いと主張した 3 中性ドナに束縛された励起子 Sharma and Rodriguez は中性ドナに束縛された励起子の局在エネルギーを計算したが 中性アクセプタについての計算は示されていない Hopfield は中性ドナ アクセプタに束 13

14 縛された励起子の局在エネルギーの結果を示した 図 16の上図からわかるように 中性ドナに束縛された励起子はσ=m e /m h の全ての値で安定である Haynes は励起子局在エネルギーを見積もる場合 経験的な値として 励起子局在エネルギーは不純物のイオン化エネルギーの約 10% であることを見いだした これは Haynes 則とよばれており 図 16に示される詳細な計算により実証された 4 中性アクセプタに束縛された励起子中性アクセプタに束縛された励起子はσ=m e /m h の全ての値で安定である Hopfield の結果は図 16の上の図に示されている (A 0,X) 励起子局在エネルギー E loc 0.1ΔE A であり これは Haynes 則と良く一致している 以上から中性ドナと中性アクセプタに束縛された励起子は全てのσ=m e /m h で安定であるため 低温における半導体の発光では自由励起子発光のわずか低エネルギー側に中性ドナと中性アクセプタに束縛された励起子の発光が観測される 図 16 励起子の解離エネルギーを電子と正孔の有効質量比で表した 上図は中性不純物に束縛された励起子 下図はイオン化不純物に束縛された励起子 波線は Hopfield の結果 実線は Sharma and Rodriguez の結果 14

15 4.7 ドナ アクセプタ対発光 ドナ準位からアクセプタ準位への電子遷移に伴う発光である 遷移前は ドナには電子が アクセプタには正孔がある為 これらは中性である 遷移後 ドナは正にアクセプタは負に帯電する これらのイオン化ドナとイオン化アクセプタ間にはクーロン引力が働く為に 遷移後の状態すなわち基底状態のエネルギーはクーロンエネルギーだけ低くなる すなわち遷移後の基底状態では 正に帯電したドナと負に帯電したアクセプタの吸引力により系が安定になることにより中性状態に比べて終状態のエネルギーが低下する 発光エネルギーはドナアクセプタ準位のエネルギー差より増加する これは 自由励起子の遷移エネルギーがクーロンエネルギーだけ低くなることと対照的であるが 始状態において電子と正孔がクーロン引力で引き合う為 始状態のエネルギーが低くなることによる D- Aペアの遷移エネルギーは E PL =E G -(ΔE D +ΔE A )+e 2 /4πεr と表されるここでrはドナとアクセプタ間の距離である ここでrに注目する 結晶格子においてドナとアクセプタは母体の格子点に置換する したがってrは離散的であることがわかる したがって 発光のエネルギーもドナとアクセプタ間の距離 rにしたがって離散的になる 近いペアの発光エネルギーは高く 遠いペア 図 1GaP における D-A ペアスペクトル (a)Ⅰ 形 (Si,S ドープ )(b)Ⅱ 形 (Zn,S ドープ ) 15

16 図 2GaP の格子におけるドナとアクセプタの置換サイト (a)Ⅰ 形 (Si,S ドープ )(b) Ⅱ 形 (Zn,S ドープ ) の発光エネルギーは低い クーロンエネルギーは1/rの関数で変化するため 近いペアのrの変化に対する発光線のエネルギー間隔は大きいが rが大きくなるにつれてエネルギー間隔は小さくなり 大きなrではクーロンエネルギーがゼロに収束する したがって非常に遠いペアの発光エネルギーはE PL =E G -(ΔE D +ΔE A ) であり これを遠いペア r の遷移エネルギーと呼ぶ このため高エネルギーにはエネルギー間隔の大きな近いペアによる発光線がみられるが rの増加につれて発光線のエネルギーは低くなると同時に線間隔が小さくなり次第に重なり始める この為 低エネルギーに分離できない遠いペアによる発光帯が観測される フォノンの影響を無視すれば 発光体の最も低エネルギーのカットオフエネルギーを r のペアのエネルギー E G -(ΔE D +ΔE A ) とみなすことができる 図 (a)1にはgapのp 格子点に置換したSドナと P 格子点に置換したSiアクセプタによるD-A 対発光スペクトルを示す 高エネルギーには離散的な発光線が低エネルギーには発光帯がみられる 発光線の番号は最近接を1としたペアの近接番号であり 図より第 9 近接から第 89 近接までの発光線がアサインされている 図 2(a) に示すようにGaPのGaの同一副格子 ( 面心立方 ) にドナとアクセプタがある これを type I のD -A 対と呼ぶ 図 1(b) には GaPのP 格子点に置換したSドナと Ga 格子点に置換したZnアクセプタによるD-A 対発光スペクトルを示す 第 8 近接から第 32 近接までのペアの発光線がアサインされているが rの変化は type I と大きく異なる これはドナはP 副格子の格子点に アクセプタはGa 副格子の格子点に置換形で存在するために ( 図 2(b) を参照 ) 近接順に対するrの変化が type I と異なる これを type II 形のD-A 対発光と呼ぶ 一般的に浅い不純物によるD-A 対発光では 格子との相互作用が小さいために 離散 16

17 的な線スペクトルが生じることが多い これに対して深い不純物の波動関数は局在しているためには格子との相互作用が強く幅の広い発光帯が生じることが多い 近いペアが線スペクトルであらわれる例は比較的は少なく 多くの場合 ブロードな発光帯として観測される 近いペアでは ドナの電子とアクセプタの正孔の波動関数の重なりが大きい為 遷移確率が高く ( 再結合速度が大きく ) その為に寿命が短い 逆に遠いペアでは遷移確率が低く ( 再結合速度が小さく ) 寿命が長い これらのペア間隔に依存する再結合速度の違いは 発光スペクトルの励起光強度依存性や励起を中断した後の時間に対する発光スペクトルに大きく反映される 励起光強度を上げれば近いペアの発光が増加するため発光スペクトルは全体に高エネルギー側へシフトする また励起中断後は 時間と共に発光スペクトルは全体に低ネルギー側へシフトする 励起光強度を上げれば遠いペアが飽和し 再結合速度の大きい近図 3 GsPにおけるD-A 対発光のいペアの遷移が増加する 励起光中断後は 時時間分解スペクトル間と共に再結合速度の大きい ( 寿命の小さい ) 近いペアは早く減衰する為である したがって ブロードなD-A 対発光帯のアサインには PLスペクトルの励起光強度依存性や時間分解 PLスペクトルによる発光体のエネルギーシフトの解析が必要である また D-Aペア発光の強度は 有限の D-A 対の為に励起光強度の増加に対して強い励起に対して飽和する傾向を示す 図 3にGaPのD-A 対発光をパルス光で励起後のPLスペクトルを時間とともに測定した結果を示している 近いペアによる高エネルギー側の発光が時間図 4 GaAsにおける 1.49eV の D-A 対発光の励起光と共に減少し 時間がたつと遠い強度依存性 ( 低ドープ GaAs) 発光はカーボンによる ペアによる低エネルギーの発光 17

18 が主となることがわかる したがって時間と共に 発光ピークのシフトだけでなく 発光帯の形状が変化する様子がわかる GaAsに関してこれまでシャープな離散的なD-A 対発光線は観測されていない この理由として 非常に浅いレベルによるD-A 対発光はクーロンエネルギーにより発光エネルギーがバンドギャップ以上になるため発光が母体で吸収されて観測されないと考えられている GaAsは直接遷移形で半導体あるので 基礎吸収端の吸収係数が大きい I npなどの直接遷移形半導体で離散的なd-a 対発光の報告は無い ところで GaAs ではブロードなD-A 対発光帯が観測される これは比較的深いドナ アクセプタレベルによるものと考えられる 不純物レベルが深くなると 不純物に束縛された電子や正孔の波動関数は局在する傾向にある 波動関数が局在すれば 格子との相互作用が強くなりその結果ゼロフォノン線はみられなくなりベル形のブロードなフォノンサイドバンドが観測される傾向が強くなる 格子との相互作用がそれほど強くない場合 ゼロフォノン線の線幅が増加し 離散的なゼロフォノン線が重なりD-A 対バンドを形成することが考えられる GaAsにおけるD-A 対発光で有名なものが1.48eV 付近に現れる発光帯である 発光にはカーボン不純物が関与していると 図 5 GaAsにおける 1.49eV の D-A 対発光の時間分解スペクトル ( 低ドープ GaAs) 図 6 n 形 GaAs の D-A 対発光のキャリア濃度依存性 18

19 図 7 CuAlSe 2 :Zn の PL スペクトルの励起光強度依存性 考えられている カーボンは両性不純物であり Gaサイト置換でドナにAsサイト置換でアクセプタになる 図 4に軽くドープしたp 形 GaAsのD-A 対バンドの励起光強度依存性を示す 励起光強度の増加に伴う発光帯の高エネルギー ( 短波長 ) へのシフトがみられる 図 5には無添加のn 形 GaAsでみられる1.49eVの発光帯の時間分解 PL スペクトルを示す 時間経過に伴い発光帯の低エネルギーシフトがみられ これがD-A 対バンドの典型的な特徴である バンド間遷移 F-B 遷移は指数関数的な減衰曲線を示し 数 ns から数十 ns オーダーの発光寿命を持つ 励起子発光は 100ps 以下の短い寿命を持つ これに対してD-A 対発光ではペアの距離に依存して発光寿命が異なり 先にあげた発光に比べてμs から ms の非常に長い寿命おもつことが特徴的であり 減衰曲線は指数関数であらわされない D-Aペアバンドのエネルギーはドーピングレベルにも依存する 高不純物濃度のD- A 対バンドは近いペアが多い為に低濃度のものより高エネルギーにピークを持つ 図 6に 異なる不純物濃度のGaAsのPLスペクトルを示す N D =10 17 cm -3 に比べて N D =10 18 cm -3 の 835nm の発光帯は約 5nm 短波長にあり 高エネルギーシフトを示している また N D =7 x cm -3 低濃度 GaAs では遠いペア r による発光ピーク E g -(E D +E A ) を同定することができる ブロードなD-A 対発光帯に対して 励起光強度依存性よりドナおよびアクセプタのイオン化エネルギーを解析的に求める方法が提案されており いくつかの半導体において解析例がある 励起光強度と発光ピークエネルギーの関係は次のように与えられている 10) J=D{(hν m -hν ) 3 /(hν B +hν -2hν m )}exp{-2(hν B -hν )/(hν m -hν )} (2) 19

20 図 8 CuAlSe 2 :Zn の時間分解 PL スペクトル ここでhν m はPLピークエネルギー hν は遠いペアの遷移エネルギー ( レベル間エネルギー ) hν B はペア距離 r=r B (R B は浅い方の準位のボーア半径 ) の遷移エネルギーである (2) 式を実験データにフィットさせることによりドナとアクセプタのイオン化エネルギーの和が次式で求められる ΔE D +ΔE A =E g -hν (3) 浅い方のレベルのイオン化エネルギー E 1 は E 1 =E B /2=E B =e 2 /8πεR B =(hν B -hν )/2 (4) で表される (4) 式より ドナかアクセプタの浅いレベルのイオン化エネルギーが求まれば (3) 式を用いて もう一方のイオン化エネルギーが求められる カルコパイライト系ではZnドープMOVPE 成長 CuAlSe 2 のD-Aペア発光に対して 励起光強度依存性を図 7に示す よりCuAlSe 2 :ZnのD-A 対発光帯ピークエネルギーの励起光強度依存性を解析した (3) 式 ΔE D +ΔE A =E g -hν よりΔE D +ΔE A =0.34 ev, (4) 式より浅い方のレベルは E 1 =0.11 ev と得られる 時間分解スペクトルを図 8に示す 20

21 ピークエネルギーと時間との関係 を用いて hν = ev, W = 2 x 10 8 s -1 とすれば 図 2の挿入図に示した時間とピークエネルギーの関係より E 1 =0.10 ev となる 従って D-A ペア発光に含まれる浅いレベルは 0.10 ev と求められる これは励起光強度依存性により得られた E 1 =0.11 ev と良く一致している E 1 =0.11 ev とすれば ΔE D +ΔE A =0.34 ev より もう一つのレベルは 0.23eV と求められる これらのうちの一方がドナレベルであり 他方がアクセプタレベルである Cu サイトを置換した Zn ドナによるドナレベルが 0.11 ev アクセプタは Al サイトを置換した Zn あるいは Zn Cu -V Al ペアと考えられ そのレベルは 0.23 ev である 21

22 4.8 アイソエレクトロニックトラップ 結晶の構成原子と同族の不純物のドーピングにより 電気陰性度の違いにより 励起子が不純物に強く束縛されることがある これをアイソエレクトロニックトラップと呼ぶ アイソエレクトロニックトラップにより間接遷移型半導体であっても輻射再結合確率を増大させ 発光デバイスに利用できる場合がある 不純物原子の価電子配置が母体原子のものと同じであれば 不純物は過剰キャリアを生成しないので電気的に中性である しかし電子は電気陰性度の大きい不純物原子には捕らえられて束縛される GaP 結晶中の N 原子は良く知られたアイソエレクトロニックトラップである P 原子と価電子配置が同じ N 原子を P 原子位置に置換することによってアイソエレクトロニックトラップが形成される N 原子の電気陰性度 3.00 と P 原子の 1.64 に比べて非常に大きいことがわかる 結合に寄与する最外殻電子エネルギーが低いために大きな電気陰性度により引きつけられた電子は N 原子周辺に強く束縛される ( 局在する ) 電子を束縛するポテンシャルは長距離クーロンポテンシャルではなく, 不純物原子の近傍に働く短距離ポテンシャルである 周期律表の第 2 周期の原子が大きな電気陰性度と低い最外殻電子エネルギーを有し アイソエレクトロニックトラップとしての可能性を持つ GaP はブリルアン帯の端の X 点に伝導帯が底となる間接遷移型半導体である その為に無添加の GaP の発光効率は極めて低い しかし アイソエレクトロニックトラップとして N 不純物を Pサイトに添加することにより 発光効率は飛躍的に向上し GaP:N は緑色 ( やや黄色よりの ) の発光ダイオード材料として用いられてきた GaP:N ではNの大きな電気陰性度により N 原子に束縛された電子がクーロン引力により正孔を捕らえ その結果 励起子が N 原子に束縛された束縛励起子を形成する 不確定原理により N 22

23 原子に強く局在する電子の波動関数は波数空間においてブリルアン帯全域に広がる 図 1 に示すように 電子の波動関数はΓ 点でも大きな存在確率を示している したがってΓの電子は価電子帯の正孔と運動量保存則を満足した遷移により輻射再結合することが可能となる GaP における N アイソエレクトロニックトラップに束縛された励起子再結合の発光波長は 565 nm( 黄色がかった緑 ) である GaAs 1-x P x :N では混晶組成 x の制御により, 緑色から赤色に至る発光が得られる また アイソエレクトロニックトラップの例として GaP 中の Zn-O 対,Cd-O 対,Mg-O 対,S-Ge や,GaAs,AlGaAs,AlAs,Ga x In 1-x P 結晶中の N などがある 元素の電気陰性度 Li Be B C N O F Na Mg Al Si P S Cl Cu Zn Ga Ge As Se Br 参考文献 1) J. C. Phillips ( 小松原毅一訳 ), 半導体結合論, 吉岡書店. 2) D. G. Thomas and J. J. Hopfield, Phys. Rev. no.150, p.680, ) N. Holonyak, Jr., J. C. Campbell, and M. H. Lee, J. T. Verdeyen and W. L. Johnson, M. G. Craford and D. Finn, J. Appl. Phys. vol.44, p.5517, ) J. Endicott, A. Patanè, J. Ibáñez, L. Eaves, M. Bissiri, M. Hopkinson, R. Airey, and G. Hill, Phys. Rev. Lett., vol.91, p , ) M. Ikezawa, Y. Sakuma, and Y. Masumoto, Jpn. J. Appl. Phys. vol.46, p.l871, 図 1 27 GaP 結晶中の N 等電子トラップのエネルギー準位 3) 4.9 ゼロフォノン線とフォノンレプリカ一般的にレベル間遷移は ローレンツ関数形の鋭い発光線となりその線幅は寿命できまる ( ライフタイムブルードニング ) ことが知られている 一方で 実際観測される発光スペクトルは鋭い発光線から非常に幅の広いブロードな発光帯までさまざまであり 温度により発光スペクトルは変化する この理由として 発光過程にフォノンが関連していることがあげられる 電子系とフォノンすなわち格子との結合の強度によりスペクトルが変化する 最も結合が弱い場合 遷移はローレンツ関数形の鋭い発光線を示しこれをゼロフォノン線とよぶ 電子系と格子系の結合が弱い場合 ゼロフォノン線の低エネルギーにフォノンを放出した電子遷移による発光線がみられ これをフォノンレプリカとよぶ 電子系と格子系の相互作用には フォノンがつくる歪場が電子系の変形電位を変調するデフォメ 23

24 ーションポテンシャル相互作用がある これに関与するフォノンは音響フォノンおよび光学フォノンの両方である 一方で 縦型光学フォノン (LOフォノン) は進行方向にマクロススコピックな電界を伴っており その電界により電気光学効果をとおして相互作用をおこなうフレーリッヒ相互作用がある これに関与するフォノンは極性のLOフォノンのみである Γ 点の光学フォノンのエネルギーは一次ラマン効果および極性フォノンにおいては遠赤外反射により求められる 音響フォノンはΓ 点でエネルギーがゼロであり 波数増加とともにエネルギーが増加する したがって一次の光学過程で音響フォノンの分散を求めることは難しく 中性子散乱測定で求められている 中性子散乱測定には実験用原子炉が必要であるため一般的でない 二次の光学過程では ブリルアンゾーン内の広い範囲でのフォノンが介在するため フォノンの性質の概要を知ることができる 二次のラマン効果では運動量保存則により波数が等しく波数の符号の異なる2つのフォノンにより光散乱光が生じる 倍音の二次ラマンスペクトルはフォノンの分散を反映してブロードであるがフォノンの状態密度を反映している したがって音響フォノンのブリルアンゾーン端の状態密度の高い部分がラマンスペクトルの低エネルギー領域に観測される 光学フォノンにおいても倍音の二次ラマン散乱光が高エネルギー領域に観測され これもフォノンの状態密度を反映している また2 次ラマンスペクトルには2つのフォノンの和および差のエネルギーを持つものも現れるため 解析は難しい そのためには群論による選択則にもとづいて偏光測定を行う必要がある 二つのフォノンの既約表現の直積を求め これを簡約して直和にする 結果を指標表と照らし合わせてどの偏光で該当するフォノンが活性か調べる フォノンとの相互作用が強い場合 一般的に発光はブロードなバンドとなる 相互作用の大きさの指標としてホアン リー因子 S が用いられる 電子の基底状態から励起状態へ遷移した後 電子励起状態における断熱ポテンシャル曲線の底の状態に移るために何個のフォノンを放出する必要があるかを示す f = e -S (S m /m!) S = W LR /ħω p 24

25 4.10 深い準位の発光 これまではハンド端付近にみられる浅いレベルの発光を紹介した これとは対照的に禁制帯の中央付近の深い準位による発光を紹介する 重金属不純物や欠陥準位やこれらの複合体が深い準位をつくることが知られている 一般的に深い準位はエネルギー帯と殆ど独立に取り扱う これを一般的には有効質量近似で取り扱えない準位であると表現する 深い準位の波動関数はきわめて局在している 従って 深い準位は格子との結合が非常に強く 深い準位の発光スペクトルにはフォノンレプリカが観測される 一般的に極低温では フォノンとの相互作用の無い発光線 ( ゼロフォノン線と言う ) が現れ その低エネルギーにフォノンを放出した鋭い発光線 ( フォノンレプリカと言う ) のシリーズおよびこれらが重なり合った発光帯が現れる しかしこれは 格子との結合が比較的弱い場合であり 格子との結合が強くなるに従ってこれらの鋭い発光線は弱くブロードになり 格子との結合がきわめて強くなると一つのブロードな発光帯になる 実際 多くの深い準位の発光は構造の無いブロードなバンドである 25

26 4.11 発光の温度依存性 熱消光 26

27 4.12 輻射遷移と非輻射遷移非輻射遷移 半導体からの発光は励起されたキャリアの輻射再結合によるが, 一方で光の放出を伴わない非輻射再結合がある. 非輻射遷移の過程は不明瞭であり, 光子の放出を行わない全ての過程を総称している 輻射遷移と非輻射遷移は競合過程であるため, 発光効率 ηは輻射遷移の寿命 τrと非輻射遷移の寿命 τnr を用いてη=(1/τR)/( 1/τR+1/τNR) と表される. 発光効率 ηは輻射遷移の速度 1/τRに比べて非輻射遷移の速度 1/τNRが大きくなれば低下する. 半導体の発光は主に,(i) 電子 正孔の再結合 (ii) 局在発光中心における電子遷移 で生じるものに分類される 非輻射遷移は両者で異なるとらえ方がされる. 非輻射遷移には エネルギーを結晶の格子振動に与える再結合過程 ( 格子への熱的緩和 ), 再結合の際にエネルギーを他の電子を励起することにより失うオージェ効果や表面再結合があげられる, 不純物 格子欠陥や, これらの複合体が非発光再結合中心を形成することがある. これらは 深い準位を形成し, 波動関数が局在している為に格子相互作用が強く, キャリアの捕獲 放出過程は エネルギーがフォノンの放出で消費されるため 非発光過程である. また半導体中の遷移金属や希土類不純物の発光では, バンド間励起で生成されたキャリアは, エネルギー伝達過程を経て発光中心の励起準位に輸送され, 光学遷移により発光が生じる. 母体の電子準位は1 電子描像であるが, 発光中心は原子の多電子系の多重項に由来する準位である. エネルギー伝達および緩和過程には非輻射遷移が関与している. オージェ再結合キャリアの再結合によって放出されたエネルギーがフォトンを放出することなく直接他のキャリアの励起により消費される非輻射過程はオージェ再結合とよばれている. オージェ再結合には遷移の種類とキャリア濃度により多くの再結合過程が存在する 代表的な過程であるバンド間オージェ過程を図 17 1に示す 同図(ⅰ) に示すように伝導帯の電子 Aが価電子帯の正孔 A と再結合するときに放出されるエネルギーが光子の放出を伴わずに直接に伝導帯の他の電子 B に与えられ, 電子 Bが伝導帯の高い準位 B に励起される. この為 電子と正孔の再結合に際してフォトンの放出は無い. また 同図 (ⅱ) に示すように価電子帯の正孔が高い準位に励起されることもある 不純物を含む半導体では 不純物準位のキャリアの再結合により 他の不純物準位のキャリアやバンド中 B A B 伝導帯 (ⅰ) A 価電子帯 図 17 1 再結合過程 (ⅱ) バンド間オージェ 27

28 のキャリアの励起が生じるオージェ過程が多数存在する. キャリア間の相互作用に強く依存した過程は キャリア密度に強く依存する. ここで オージェ再結合の寿命は, キャリア濃度の関数として求められており 1), キャリア濃度の大きい半導体や高注入のデバイスでオージェ過程の影響が大きい. 真性キャリア濃度の大きい InAs 等のナローギャップ半導体ではオージェ再結合が顕著である. また温度上昇に伴いキャリア濃度が増加するため InSb のようなナローギャップ半導体ではオージェ過程に強い温度依存性が認められる. これに対しワイドギャップ半導体では, オージェ過程は不純物添加によるキャリア濃度に依存し, 特に縮退半導体では重要な過程である 半導体レーザでは, オージェ効果はしきい値電流密度上昇の原因となる. 集光型太陽電池のように過剰キャリア濃度が大きいデバイスでは, オージェ過程による再結合寿命が過剰キャリア濃度の逆数の2 乗に比例して小さくなるため, オージェ効果が動作に影響を与える. 多重フォノン過程非輻射遷移で余るエネルギーをフォノン放出により補償する過程を多重フォノン過程と呼ばれている. この過程には多くの種類がある. ルミネッセンスの強度が温度上昇に伴い減少する現象が発光の温度消光として知られているが, 原因が温度上昇に伴う励起電子の格子への緩和 ( フォノン放出 ) による非輻射過程の増大によると考えられている. 深い局在準位をつくる非輻射再結合中心への電子捕獲過程や 複数の近接した準位間のエネルギー緩和過程においても多重フォノンの放出により非輻射遷移が生じる. フォノン放出による発光の温度消光を説明するために 局在した発光中心を考える. この場合, 非輻射過程では多数のフォノンを放出してエネルギーが消費される. この説明には配位座標モデル (configurational coordinate model) が用いられる.2) 結晶中の電子と発光中心の原子核の運動を比べると電子の運動は非常に早い. 原子核のそれぞれの位置に電子の定常軌道が存在し, 原子核はその電子状態のエネルギーによるポテンシャルの中で振動している. 配位座標は 電子状態についてこのポテンシャル ( 断熱ポテンシャル ) を発光中心の原子位置に対して示したものである. 図 17 2にその一例を示す 発光中心の基底状態は配位座標 r A で極小値を 励起状態はr B で極小値を持ち 断熱ポテンシャルは点 C で交差するものと仮定する.A 点から A の上向きの矢印は発光中心の光励起を示す. 励起状態の A の電子はフォノンを放出して励起状態の最もエネルギーの低い B 点に状態を変える 輻射遷移は B 点から B 点への遷移で生じる ( 下向き矢印 ). ここで遷移確率は Einstein の自然放出確率 A (Einstein のA 係数 ) である ここで B 点と断熱ポ テンシャルの交点 C のエネルギー差を ΔE とする. 温 図 17 2 発光中心の配位座標モデル 28

29 度 T が上昇すれば, 発光中心の熱振動により,B 点の電子が C 点へ状態を変える頻度が確率 s exp(-δe/kt) で増加する. ここで s は頻度係数 (frequency factor) と呼ばれ 温度に依存しない.C 点の状態まで達した電子は基底状態の断熱ポテンシャルに沿って, フォノンを放出しながら ( 非輻射 )A 点に到達する 従って発光効率 ηは, 発光強度は輻射遷移確率 Aと非輻射遷移確率 s exp(-δe/kt) を用いて η= 1/(1+ s/a exp(-δe/kt)) と表される 高温では分母の1が無視できるため温度上昇に伴い発光強度は急激に減少する. この配位座標モデルでは,A B, C B, および B A はフォノンの放出過程に B C はフォノンの吸収過程に対応する. 参考文献 1) J. S. Barkemore: Semiconductor Statistics (Dover Publications, inc, New York, 1962 and 1987) Chap. 6. 2) 前田敬二著 ルミネッセンス ( 槇書店, 1963)p

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