1-4 カムイユカㇻフㇺパㇰパㇰ雷の神が自叙する神謡語り : 貝澤とぅるしのサケヘ :V= フㇺパㇰパㇰ V=hum pakpak VV アイヌコタン VV aynu kotan 人間の村を V チェシカルン V c=esikarun 私は懐かしくタパンペクス tap

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まともみやのじょう
4 years ago
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1 1-4 カムイユカㇻフㇺパㇰパㇰ雷の神が自叙する神謡語り : 貝澤とぅるしのサケヘ :V= フㇺパㇰパㇰ V=hum pakpak VV アイヌコタン VV aynu kotan 人間の村を V チェシカルン V c=esikarun 私は懐かしくタパンペクス tapanpe kusu そのために V レプンコタンワ V repun kotan wa 沖の村から V アトゥイノㇱキ V atuy noski 海の真ん中を V チカマテㇾケ V ci=kamaterke 私は越えて V ホプンパアㇱワ V hopunpa=as wa 飛び立ってチシンタパケ ci=sinta pake 私の乗り物の先

2 チシンタケセ ci=sinta kese 私の乗り物の末をチキㇰチキㇰ ci=kik ci=kik 私は叩き叩き V ラッチタラ V ratcitara 静かに V ヤパサワ V yap=as awa 上陸すると V シシㇼムカ V Sisirmuka 沙流川のペトプトゥタ pet oputu ta 河口へ V ヤパサクㇱ V yap=as akus 上陸すると V イセンラㇺセコㇿ V isenram sekor いつものように V ススチクニ V susu cikuni ヤナギの木イナウチクニ inaw cikuni イナウの木が V アㇱルコンナ V as ru konna 立っている様子はメウナタラ mewnatara 美しい

3 V イネロㇰペタ V inerokpeta なんとまあ V ススピㇼカワ V susu pirka wa ヤナギが美しくイナウチクニ inaw cikuni イナウの木がピㇼカキワ pirka ki wa 良いものシランヤカ siran ya ka であるかも V チェラミㇱカリわからない ( ほど美しい ) V c=eramiskari アンラヤㇷネ anrayap ne 感心をチキコッタシ ci=ki kor_ tasi 私はしていたが V ペットゥラシ V pet turasi 川を遡り V ラッチタラ V ratcitara 静かにパイェアサワ paye=as awa 行って V パイェアサイネ V paye=as ayne 行くと

4 V アイヌコタン V aynu kotan 人間の村インネコタン inne kotan 大勢の村がシエトクンワ sietok un wa 前方に V アㇱルコンナ V as ru konna ある様子はメウナタラ mewnatara 立派で美しい V パイェアサワ V paye=as awa 行くと V シネオッカヨ V sine okkayo 一人の男が V イルイケネキㇷ V iruyke ne ki p 研ぎ物にコアリキキ koarikiki いそしんでいたがイルイケワッカ iruyke wakka 研ぎ物の水をコㇿワソイネ kor wa soyne 外へ持っていきシニㇱコトㇿ sinis kotor 空へ

5 V コチャリキコㇿ V kocari ki kor 撒き散らしながらイタカウェ itak h_awe 言ったことは V エネオカヒ V ene oka hi このようであった V カムイソモキㇷ V kamuy somo ki p 神様はしないのであろうかネㇷキヘアン nepki he an 働くことをイルイケヘアン iruyke he an 研ぎ物を V タパンペネノ V tapanpe neno このようにハウェアンコㇿ hawean kor 言いながら V ヌㇷキクタ V nupki kuta 汚れ水を捨てる V パテㇰネヤッカ V patek ne yakka だけであってもチルㇱカロㇰペ ci=ruska rok pe 腹立たしいのに V シネメノコ V sine menoko 一人の女が

6 イウタネキㇷ iuta ne ki p 搗き物にコアリキキ koarikiki いそしんでいたが V カムイソモキㇷ V kamuy somo ki p 神様はしないのであろうかネㇷキヘアン nepki he an 働くことをイウタヘアン iuta he an 搗き物を V タㇷネカネ V tapne kane などということをハウェアンキコㇿ hawean ki kor 言いながら V イウタネキㇷ V iuta ne ki p 搗き物にコアリキキ koarikiki いそしんでいたが V パテㇰネヤッカ V patek ne yakka それだけであってもチルㇱカロㇰペ ci=ruska rok pe 腹立たしいのにシネメノコ sine menoko 一人の女が

7 V イテセネキㇷ V itese ne ki p ござ編みにコアリキキ koarikiki いそしんでいるピッフミ pit humi 重り石の音が V ケウナタラ V kewnatara 鳴り響く V イネアㇷクㇱタ V ineapkusta なんとまあチルㇱカキワ ci=ruska ki wa 私が腹の立ったフマサカ humas y_a ka ことかチェラミㇱカリ c=eramiskari わからないほどであり V タパンペクス V tapanpe kusu それゆえに V チシンタケセ V ci=sintakese 私の乗り物の末をチユプユプ ci=yupuyupu 私は強く強くチシンタアトゥ ci=sintaatu 私の乗り物の紐を

8 チユプユプ ci=yupuyupu 私は強く強くチシンタケセ ci=sintakese 私の乗り物の末をチキㇰチキㇰ ci=kik ci=kik 私は叩き叩き V チシンタパケ V ci=sintapake 私の乗り物の先をチキㇰチキㇰ ci=kik ci=kik 私は叩き叩き V エヌネアワ V enune awa そうすると V コタンノㇱキワ V kotan noski wa 村の真ん中から V ピㇼカウタㇻパ V pirka utarpa 立派な首領が V ニㇱパネノ V nispa neno 紳士らしく V シピネルウェ V sipine ruwe 装う様子であるアナㇰ anak... V オㇱマケワ V osmake wa 背後から

9 コッチャケワ kotcake wa 前からコタンカㇷネㇷ kotan kapnep 村の宝刀をシトムシワ sitomusi wa 身に着けて V ヌサオッタ V nusa or_ ta 祭壇へイナウチパオッタ inawcipa or_ ta 幣場へ V アㇻパヒネ V arpa hine 行ってヌペトゥラ nupe tura 涙を流しながら V エネイタキ V ene itak h_i このように言った V アシヌマアナㇰ V asinuma anak 私は V ネㇷイララ V nep irara 何も ( 神を ) 軽んじてアキカトゥフ a=ki katuhu いるわけでは V ソモネキナ V somo ne ki na ありません

10 ヤユタロㇿ yayutar or 自分の仲間たちへ V カㇱパオッテ V kaspa otte 命じることをアキコッタシ a=ki kor_ tasi 私はちゃんとしてウアナナワ u an=an awa いましたが V カムイネアンクㇽ V kamuy ne an kur 神であるお方よチェラㇺハウケ ceramhawke お慈悲をイエカㇻカㇻ i=ekarkar 私にキワイコレヤンセコㇿ ki wa i=kore yan sekor かけて下さいと V ハウェアンキコㇿ V hawean ki kor 言いながら V ホリピトゥラ V horipi tura 踊りと共にヌペトゥラ nupe tura 涙と共にイタㇰアヒ itak a hi 語ったことに

11 V ネポヘネ V ne... po hene なおさらチルㇱカペコㇿ ci=ruska pekor 私は怒りをヤイヌアㇱクス yaynu=as kusu 覚えたので V ウサッラヨチ V usat rayoci 燠の虹シランラヨチ sirar_ rayoci 大きな石の虹をチヤオクタ ci=yaokuta 私はぶちまけた V タパンペクス V tapanpe kusu そのために V イルカネコン V iruka ne kor_ しばらくするとネアコタン nea kotan その村はヌイコテㇾケ nuykoterke 炎がつき V コタヌフイワ V kotan uhuy wa 村は燃えてイサㇺルウェ isam ruwe 無くなってしまった

12 V イキコㇿカイキ V ikikorkayki けれども V イルㇱカルイペ V iruska ruy pe 怒りが激しいチネㇷネクス ci=ne p ne kusu ものであったので V ウェンメノコ V wen menoko 悪い女のウタロㇿケ utar orke 仲間たちウェンオッカヨ wen okkayo 悪い男のウタロㇿケ utar orke 仲間たちの V キワウェンペ V ki wa wen pe した悪行 V タパンペクス V tapanpe kusu そのために V ニㇱパカムイ V nispa kamuy 立派な首領をホㇱキノポ hoskino po 真っ先に V チライケシランセコㇿ V ci=rayke siran sekor 私は殺したようだと

13 ヤイヌアㇱコㇿ yaynu=as kor 思いながら V パイェアㇱキコㇿ V paye=as ki kor 行きながら V ペットゥラシ V pet turasi 川を遡ってパイェアサイネ paye=as ayne 行ったあげく V シランラヨチ V sirar_ rayoci 大きな石の虹ウサッラヨチ usat rayoci 燠の虹を ( ここから散文語り ) アラオクタㇷネクス a=raokuta p ne kusu 私は下へ落としたためネアコタンウフイワイサㇺオカケタオラエネヤイヌアンヒ nea kotan uhuy wa isam okake ta ora ene yaynu=an hi. その村は燃えて無くなってしまったがその後こう思ったイテキネノシㇼキヤㇰネ iteki neno sirki yakne あんなことがなければそのような様子には ( ならなかった ) シシㇼムカペットゥラシアㇻパアンルウェ Sisirmuka pet turasi arpa=an ruwe, 沙流川を遡って行って

14 ススピㇼカイナウチクニピㇼカルウェアエラマスワ susu pirka inaw cikuni pirka ruwe a=eramasu wa 柳の木が立派なことイナウ ( 木幣 ) にする木が立派であることが気に入ったアㇷカサナワウェンメノコウタロㇿケヘ apkas=an awa wen menoko utar orkehe 歩いていくと悪い女たちとウェノッカヨウタロㇿケアナクス wen okkayo utar orke an a kusu 悪い男たちがいたせいでコタンコンニㇱパホㇱキノカシウン kotan kor_ nispa hoskino kasi un 先に村長 ( むらおさ ) の上にシランネヤウサッネヤハチレワ sirar_ ne ya usat ne ya hacire wa 大きな石や炎 (usat) を落としてナニコタイウフイワネワアンペアルㇱカ nani kotan uhuy wa newaanpe a=ruska 間もなくその村はこのように燃えてしまいそのことが腹立たしいパㇰノアエヌコㇱネピサㇺペ pakno a=enukosne p isam pe 私は一番腹が立つのがイルイケイユタネルウェネイテセネルウェネクス iruyke iuta ne ruwe ne itese ne ruwe ne kusu 研ぎ物搗き物やござ編みなのだからアイェハウェネナ a=ye hawe ne na. という話だよ

15 タネオカカムイアイヌエチヌカンレンカイネ taneoka kamuy aynu eci=nukar_ renkayne 今いらっしゃる神よあなたたちは人間の面倒を見てイテキウェンヌコㇱネキヤンセコㇿ iteki wen nukosne ki yan sekor けっして腹を立てないようにとかみなりハウェアンコㇿふれないタアㇻパルウェネヤカイェ KAMINARI hawean kor HURENAI ta arpa ruwe ne yak a=ye. 雷が言いながら振内 ( ふれない ) に行ったという話だよコㇿあれシラㇻいっぱい落ちてあるべさ kor あれ sirar いっぱい落ちてあるべさ大きな石いっぱい落ちてあるべさネヒコタンウン (?) オマワコタンアウェンテルウェネヤカイェ ne hi kotan un(?) oma wa kotan a=wente ruwe ne yak a=ye そういうことが村に起こって村が荒廃したっていう話タナコㇿペップトゥフアイェイシシㇼムカだと tan a=kor pet putuhu a=ye h_i Sisirmuka だとこの私たちの川の河口を言う名はシシㇼムカ [1] だとでアコㇿペップトゥススピㇼカヒで a=kor pet putu susu pirka hi で私たちの川の河口はヤナギが素敵だとカムイゆったんだっていうんだこれ kamuy ゆったんだっていうんだこれ神様が言ったっていうんだこれイルㇱカワアㇷカシワノリットゥンナセコンネ iruska wa apkas h_i wano rittunna sekor_ ne ( 雷神が ) 腹を立ててからはリットゥンナって [2]

16 アッパケタフンパㇰパㇰセコンネハウェ atpake ta humpakpak sekor_ ne hawe 最初はフンパㇰパㇰって声でフミハウキアポライルㇱカヒワノ humi hawki a p ora, iruska hi wano 音が静かなんだけど腹立ててからはリットゥンナチシンタパケチキㇰチキㇰ rittunna ci=sinta pake ci=kik ci=kik リットゥンナ私の乗り物の先を叩き叩きチシンタケセチキㇰチキㇰっていうのフミルイだわサケヘ ci=sinta kese ci=kik ci=kik っていうの humihiruy だわ sakehe. 乗り物の末を叩き叩きっていうの音が激しいんだわサケヘ ( 萱野 : なるほどね今のはこれカムイユカㇻでした ) ( 萱野 : なるほどね今のはこれ kamuyyukar でした ) ( 萱野 : なるほどね今のはこれ神謡でした ) カムイユカㇻ雷さん kamuyyukar. 雷さん神謡雷さん ( の ) 注 [1] Sisirmuka シシㇼムカは沙流川のこと [2] 以下この物語のサケへ ( 折り返し句 ) についての説明

V エネハウェオカヒ V ene haweoka hi 次のように言った V ケライネクスン V keray ne kusun さすが V トイシッチレ V Toy sitcire 土焼き V ムイシッチレ V Mun_ sitcire 草焼きハㇻ har ( 女性 : ストーブつけてあげるから

V エネハウェオカヒ V ene haweoka hi 次のように言った V ケライネクスン V keray ne kusun さすが V トイシッチレ V Toy sitcire 土焼き V ムイシッチレ V Mun_ sitcire 草焼きハㇻ har ( 女性 : ストーブつけてあげるから 24-6 カムイユカㇻポンオキクㇽミヤイェイソイタㇰ( ハㇻカッコㇰ) 小オキクㇽミが自ら物語る語り : 黒川てしめサケヘ V= ハㇻカッコㇰ V=harkakkok V トゥトゥッサポ V tutut sapo ツツドリのお姉さん V イレㇱパキワ V i=respa ki wa が私を育てて V オカアンヒケ V oka=an hike 私たちは暮らしていたが

1-4 カムイユカ ㇻ フ ㇺ パ ㇰ パ ㇰ 雷の神が自叙する神謡 語り : 貝澤とぅるしの サケヘ :V= フ ㇺ パ ㇰ パ ㇰ V=hum pakpak VV アイヌコタン VV aynu kotan 人間の村を V チェシカルン V c=esikarun 私は懐かしく タパンペクス tap

1-4 カムイユカㇻフㇺパㇰパㇰ雷の神が自叙する神謡語り : 貝澤とぅるしのサケヘ :V= フㇺパㇰパㇰ V=hum pakpak VV アイヌコタン VV aynu kotan 人間の村を V チェシカルン V c=esikarun 私は懐かしくタパンペクス tap