2

Size: px
Start display at page:

Download "2"

Transcription

1 . 蒸発散 地表に降り注がれた降水は, 流出 浸透などの過程を経て陸域 海域に配分され, 蒸発散によって水蒸気に形を変えて再び大気中へ放出される.1 はじめに.1.1 蒸発散の定義蒸発 (evortion) とは, 一般に液体の水が気体の水に相変化する過程をいう ただし, 地表面から大気中へ放出される水蒸気の輸送過程を扱う場合, 蒸発現象は蒸発 (evortion): 海や湖などの自由水面からの蒸発 土壌面からの土壌水の蒸発 植物や建造物に遮断された水の蒸発蒸散 (trnirtion): 植物体内の水が細胞壁で気化して水蒸気として大気中に放出される現象に分けられ, 両者を一括した現象が蒸発散 (evotrnirtion) として定義されている 水 1g が蒸発するのに必要なエネルギは約 47J(9cl) である この値は水 1g を 1 加熱するのに必要なエネルギの約 6 倍に相当する この大量のエネルギは水蒸気に潜熱 (ltent het) として貯えられ, 水蒸気と共に大気中を移動する すなわち, 蒸発散は地球大気の水環境のみならずエネルギ環境にも多大な影響を及ぼしている. 蒸発散量の測定法蒸発散量は, いまだにルーチン観測に適した実用的な測定法が確立されていない したがって, 現段階では, 蒸発散量は目的に応じて様々な方法で測定されている..1 微気象学的方法地表面に接し, 地表面の影響を直接受けている気層を接地境界層 (urfce boundry lyer) と呼ぶ 接地境界層内では, 大小様々な空気の乱渦 (eddy) が乱流 (turbulent flow) と呼ばれる時間的 空間的に不規則な運動を繰り返すことによって水蒸気や運動量, 熱,CO を輸送している (1) 渦相関法渦相関法 (eddy correltion method) は, 図.1 に示したような乱流変動を測定し, 物理量と風速の鉛直成分の共分散を計算して物理量のフラックスを求める方法である E ρω'q' (.1) ここに,E は蒸発散量 (kg m - -1 ),ρ は空気の密度 (kg m -3 ), ω は風の鉛直成分 (m -1 ),q は比湿 (kg kg -1 ) で, は変動成分を示す 空気の密度 ρ(kg m -3 ) 次式で求められる P ρ (.) T 図.1 森林上の乱流変動 ( 平野,1997)c:CO 濃度 ここに,P(hP) は気圧,T は気温 ( o C) である. () 空気力学法空気力学法 (erodynmicl method) は, 拡散係数 (diffuivity) と物理量の傾度を用いて物理量のフラックスを求める方法で, 傾度法 (grdient method) とも呼ばれている q E ρ K e (.3) z ここに,K e は水蒸気の乱流拡散係数 (m -1 ),z は高度 (m) である 大気が中立な場合, 水蒸気の拡散係数は運動量の拡散係数と等しいと仮定できるので, 蒸発散量は接地気層内における 高度の風速と比湿の測定値を用いて次式より算定される 写真.1 微気象観測 1

2 (3) バルク法バルク法 (bulk trnfer method) は, 物理量のフラックスを, 接地気層内の 1 高度における風速と, その高度および地表面における物理量の差によって表す方法で, 水面や積雪面等の完全湿面からの蒸発量の測定に有効である E ρc λγr E ( e e ) ( e e ) ρc λγr (.4) ここに,c 乾燥空気の定圧比熱 (J kg -1 K -1 ),λ は水の蒸発潜熱 (J kg -1 ),γ は乾湿計定数 (hp o C -1 ) である.r E は水蒸気輸送に関する抵抗 ( m -1 ) であるが, 空気力学的抵抗 r ( m -1 ) と等しいと置かれる事が多い.e は表面の水蒸気圧 (hp), e は大気の水蒸気圧 (hp) である (4) 熱収支法地表に到達した純放射は, 蒸発散のために消費される潜熱フラックス (ltent het flux), 大気を温める顕熱フラックス (enible het flux), 地中を温める地中熱フラックス (oil het flux) に配分される Rn Rn λ E + H + G (.) ここに,Rn(W m - ) は純放射量,H は顕熱フラックス (W m - ), G は地中熱フラックス (W m - ) である 顕熱と潜熱の比 H/ le はボーエン比 (Bowen rtio)β と呼ばれている 顕熱と潜熱の乱流拡散係数が等しいと仮定すると, ボーエン比は接地気層における 高度の気温, 比湿から次式で表される c ( T1 T ) T1 T ( q1 q ) e1 e β γ (.6) λ ボーエン比 β を用いれば, 蒸発量は次式より算定できる Rn G E (.7) λ + β ( 1 ) (.8) 式より蒸発散量を算定する方法は熱収支法 (energy blnce method) あるいはボーエン比法 (Bowen rtio method) と呼ばれている let G 図. 熱収支 H (-9).. 水収支法ある閉じた系では次の水収支式が成立する P I ET ( P + Q + Q ) + ( Q + Q + M ) S E (.8) i gi o go ここに,E は蒸発散量 (mm),p は降水量 (mm),q i は地表流入量 (mm), Q gi は地下流入量 (mm),q o は地表流出量 (mm),q go は地下流出量 (mm), M は下方浸透量 (mm),δs は貯留量変化 (mm) である すなわち, 蒸発散量は水収支の残差として算定できる (1) 流域水収支法水界で区切られた流域では, 地表流入量 Q i, 地下水流入量 Q gi, 地下水流出量 Q go, 下方浸透量 M が無視できるので, 次の水収支式が成立する E P Qo S (.9) Qo Qgo ΔS 図.3 水収支 M 降水量 P Qi Qgi 基底流出の逓減期において流出量が等しい期間あるいは年平均では,ΔS が無視できるので, 蒸発散量は次の水収支式より算定される E P Q o (.1) 流出量 Q o ET 1 P 1 -Q o1 ET P -Q o ET 3 P 3 -Q o3 図.4 短期水収支 () 土壌水分減少法土層別に土壌水分減少量を測定し, 土層の厚さを乗じた値から蒸発散量を算定する方法を土壌水分減少法 (oil moiture deletion method) と呼ぶ ただし, 下方浸透量が多い場合, 土壌水分減少に加え, 下方浸透量を見積もる必要がある. n E i 1 ( ) Di θ (.11) i, t 1 θi, t ここに,θ は体積含水率 (m 3 m -3 ),D i は土層の厚さ (mm) で, 添え字 i は土層を,t は時刻を表す

3 (3) ライシメータ法ライシメータ法 (lyimeter method) は, ライシメータ (lyimeter) と呼ばれる水収支測定のために造られた金属製やコンクリート製の土壌槽の水分減少量を測定することによって蒸発散量を算定する方法である 土壌槽の重さを直接秤量するウェイングライシメータ, 土壌槽を水に浮かせ, 浮かせた水の水位変化から土槽の水分量を測定するフローティングライシメータ, 水田などに有底の箱を設置し湛水深の変動を測定することによって土槽の水分減少量を測定する水位測定ライシメータ, 土槽内の土層ごとの土壌水分と排水量を測定して土槽の水分減少量を求める排水型ライシメータなどがある 写真. ウェイングライシメータ (4) チャンバー法 / ポロメータ法植物体をチャンバーで完全に覆い, チャンバーへの通気の出入り口の湿度差と通気量から蒸発散量を測定する方法をチャンバー法 (chmber method / orometer method) という チャンバーで法は通気出入り口の CO 濃度を測定することによって光合成量も同時に測定できる チャンバー法は自然状態の植物体の蒸 ( 発 ) 散量を直接測定できるという利点を有するが, 植物体を覆うことによって大気の環境条件が不自然になるという欠点を有する 写真.3 グロースチャンバー 写真.4 ポロメータ.3 蒸発散モデル.3.1 湿潤面蒸発散量蒸発散量の中で最も扱いやすい条件は, 地表面が湿潤で飽和している状態である (1) 蒸発散位蒸発散量の中で最も扱いやすい条件は, 水面や降雨直後の土壌面や樹冠面 ( 完全湿面 ) 等, 表面が湿潤で飽和している状態である 顕熱フラックス H, 蒸発フラックス E は次式で表される. ρc ρc E ( e e ) ( e e ) (.1) λγre λγr ρc ρc H ( T T ) ( T T ) (.13) rh r ここに,T は表面温度 ( o C),T は気温 ( o C),r E は水蒸気輸送に関する抵抗 ( m -1 ),r H は顕熱輸送に関する抵抗 ( m -1 ), r は運動量輸送に関する抵抗 ( m -1 ) である. 完全湿面では, 表面近傍の空気塊は水蒸気に対して飽和しているので, 表面の水蒸気圧は飽和水蒸気圧であると考えられる. 飽和水蒸気圧は温度の関数であるので, 表面の水蒸気圧は表面温度の関数として, 次式で表される e e T ) (.14) t ( ここに,e t は飽和水蒸気圧 (hp) である 湿潤で飽和した表面の蒸発フラックスを蒸発散位 E とすると,(.1) 式は次式で表される ρc E t ) λγr { e ( T e } (.1) (.1) 式中の表面温度 T は計測の難しい物理量であるので, 計測が容易な気温 T による表現を考える. 温度 - 飽和水蒸気圧曲線上で気温 T 上を通る接線の傾き Δ は次式で近似できるので, ( T ) e ( T ) det et t (.16) dt T T この式を用いて, 表面の水蒸気圧を次式で近似する ( T T ) e ( T ) e t ( T ) + t (.18) (.18) 式を (.1) 式に代入してまとめると次のようになる 3

4 E ρ ρ c c r H + { ( T T ) + e ( T ) e } ( T T ) + ρc { e ( T ) e } ρ c { e ( T ) e } λ γ λ γ λ γ t r t r r t (.19) この式の H に, 熱収支式 HRn-lE (G を無視した ) を代入して E についてまとめると, 次のようになる r E E + E γ ( R le) + ρc { e ( T ) e } n λ γ r t r Rn + ρc λ γ r + γ { e ( T ) e} t r R + ρc { e ( T ) e } n t 1 + E E γ γ λ γ r (.) Rn + ρc { et ( T ) e} / r E λ + γ (.3) Rn E + ρc ( ) g{ et ( T ) e} ( + γ ) λ ここに,g は空気力学的コンダクタンス (m -1 ) であり, 抵抗 r の逆数である. (.3) 式,(.4) 式は Penmn 式と呼ばれる蒸発散物理モデルの基礎式である Penmn 式地表面が飽和しているという仮定の下に熱収支法と空気力学的方法を組み合わせた式で, その算定結果は, 定義の条件を満たす芝地の他, 湿潤な土壌面, 無植生の湛水田や大型蒸発計などからの蒸発散量とほぼ一致する () 基準蒸発量基準蒸発散量 (reference evotrnirtion) は, 基準とする作物に十分に水を供給した場合の蒸発散量である 例えば, Jenen et l.(1971) は 草高 cm 以上のアルファルファに水が十分に供給されている場合に生じる蒸発散量 を基準蒸発散量としている 基準蒸発散量推定法の多くは, 経験定数を導入した修正ペンマン法である (3) 平衡蒸発量平衡蒸発量 (equilibrium evortion) は, 飽差が になった場合の蒸発散位である (Sltyer nd McIloy,1961) 平衡蒸発量は, ペンマン法の第 1 項に相当する R Eeq n (.) + γ λ (.) (.1) (.4) (4) 可能蒸発量可能蒸発量 (otentil evortion) は, 移流のない広大で均一な湿潤面で生じる蒸発散量である この定義を満たす様々な表面における観測結果から, 可能蒸発量は平衡蒸発量の約 1.6 倍になることが知られている (Prietley nd Tylor,197, Nkgw,1986) R Eot 1. 6 n (.6) + γ λ.3.1 実蒸発散量乾燥と湿潤を繰り返している自然条件下の地表面からの蒸発散量を実蒸発散量 (ctul evotrnirtion) と呼ぶ 実蒸発散量の場合, 乾燥条件を考慮する必要があるため, 推定手順は煩雑である (1) ペンマン モンティース法ペンマン モンティース法 (Penmn-Monteith method) は, ペンマン法に抵抗の概念を導入して実蒸発散量を推定する法である E Rn + ρc D / r λ { + γ ( 1+ r / r )} c ここに,E は実蒸発散量,r は空気力学的抵抗,r c は群落抵抗である 最近では, ペンマン モンティース式は, 抵抗よりコンダクタンスで表すことが増えてきている (.7) 4

5 E Rn + ρ c gd λ { + γ ( 1+ g / g )} c () 平衡モデル平衡モデル (equilibrium model) は, 平衡蒸発量に土壌水分や降水量のパラメータを導入することによって経験的に実蒸発散量を推定する方法である E + Rn f γ λ ( W ) (.8) ここに, は経験定数,W は体積含水率である 平衡モデルは経験的性格が強く対象とする地点によって較正が必要である (3) 作物係数法潅漑作物の蒸発散量は, 生育段階別にみると蒸発散位あるいは基準蒸発散量にほぼ比例している したがって, 潅漑作物の蒸発散量は, 生育段階別の作物係数 Kc (cro coefficient) を蒸発散位あるいは基準蒸発散量に乗じることによって求めるのが一般的である E Kc E あるいは E Kc Eref (.9) ここに,E ref は基準蒸発散量である (4) 補完法補完法 (comlementry method) は, ペンマン法による蒸発散位は地域の乾湿状態に応じて実蒸発散量に対して補完的に変化する という観測結果に基づいた方法で, 次式で表される (Morton, 1978) Eot E + E (.3).3.3 経験モデル経験モデルは, 気象資料と蒸発散量を経験的に関連づけたものである 経験法は農業分野で開発されたものが多く, 主として潅漑圃場のように水が十分に供給された湿潤面からの蒸発散量を対象とする場合が多い 経験モデルは, 温度法, 湿度法, 放射法, 蒸発計法に大別される この中では, 蒸発計法と放射法の精度が高いといわれている 温度法は, 気温の観測資料が世界的に豊富であることから, 適用性は高い (1) ブラネイクリドル法ブラネイクリドル法 (Blney-Criddle method) は潅漑計画における消費水量を推定する方法として開発されたものである E K c d L T ここに,d L は年可照時間に対する月可照時間の割合である ブラネイクリドル法は, 国連食糧農業機関 (Food nd Agriculture Orgniztion of the United Ntione, FAO) の潅漑計画における最も簡便な消費水量推定方法として採用されている () ソーンスウェイト法ソーンスウェイト法 (Thornthwite method) は, 気候学, 水文学の分野で広く適用されている方法で, 気温と可照時間を変数とした経験式である. 1T N 1 E 16 (.3) I I (.3b) T i i ( I 77.1I +.67 ) 1 I (.3c) ここに,T i は月平均気温 ( ),N は月平均可照時間 (h) である ソーンスウェイト法は, 蒸発散位を乾燥地域では過小評価, 湿潤地域では過大評価するという構造的欠陥があり, 利用が滞っていた. しかし, 近年, 地理情報システム (GIS) の普及が進み, 各種情報のメッシュ化データベースの構築が進む中で, 実質的に気温データのみを必要とするソーンスウェイト法の利便性が再認識されるようになっている. (.31)

6 .4 蒸発散に関する様々な要素 蒸発散量は, 一般に水が十分にあれば, 放射が多いほど, 気温が高いほど, 湿度が低いほど, 風速が速いほど大きくなる. ここでは, 蒸発散に関する様々な要素について学ぶ..4.1 放射に関する要素 蒸発散量に直接関与する放射量は, 放射収支すなわち純放射量 Rn である. ( R R) + ( ) Rn α L d L u (.33) ここに,Rn は純放射量 (W m - ),R は全天日射量 (W m - ),L d は大気からの長波放射量 (W m - ),L u は表面からの放射量 (W m - ) である.α はアルベドと呼ばれる反射率である. 放射の単位は, 日単位の場合は MJ m - (MJ m - d -1 ), 年単位の場合は GJ m - (GJ m - y -1 ) を用いることが多い. アルベドは, 表.1 に示すような値をとる. 森林は他の表面と比較してアルベドが小さい. すなわち, 日射を吸収しやすいことが分かる. 長波放射は, 次式に示すステファンボルツマン式で計算できる. LεσT 4 (.34) 図. 放射収支ここに,ε は射出率,σ はステファンボルツマン定数 ( W m - K -1 ), T は表面温度 (K) である. 様々な表面の射出率を表. に示す. 表に示すように, 射出率は金属表面を除けば, 放射率は.97 前後である. 表.1 様々な表面のアルベド Ld Lu αr R 表. 様々な表面の射出率 表面 放射率 表面 放射率 トウモロコシの葉.94 人の皮膚.98 タバコの葉.97 カンジキウサギ.99 マメ類の葉.94 カリブー 1. ワタの葉.96 タイリクオオカミ.99 サトウキビの葉.99 ハイイロリス.99 ポプラの葉.98 窓ガラス サボテン.98 コンクリート 磨いたクロム. 土壌 アルミニウム箔.6 水.96 日射量 (MJ/m ) 大気外日射量全天日射量 1/1 /1 3/1 4/1 /1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 1/1 日照時間 (hr) 可照時間日照時間 1/1 /1 3/1 4/1 /1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 1/1 ) 大気外水平面日射量と全天日射量 b) 可照時間と日照時間 図.6 大気外水平面日射量, 全天日射量, 可照時間, 日照時間 ( 福岡市, 年 ) 6

7 (1) 全天日射量 R S の推定方法 ( 日照時間を用いる方法 ) 全天日射量 R (MJ m - ) は, 日照率 n/n を用いて, 次式に示す推定式を用いて推定できる y.7 x +.83 R.963 R n + b (.3) N S R ここに,,b は経験定数,n は日照時間 (h), N は可照時間 (h) である.R は大気外水平面日射量 (MJ m - ) であり, 緯度と日付から計算できる. 福岡市気象官署の 年の観測データを用いた場合,.83,b.7 である. 日射率 (R/R) 図.7 日照率と日射率の関係 ( 福岡市, 年 ) 日照率 (n/n) () 全天日射量 R S の推定方法 ( 気温日較差を用いる方法 ) 大気上端に達した日射量は, 地表面に達するまでに, 雲や水蒸気, 大気汚染などの影響を受けて減衰する 篠原 ( 7) は, 気温の日較差 ΔT(T mx -T min ) を利用して大気透過率 τ t を求め, 全天日射量 R S を推定している. R S τ R (.36) t ここに,τ t は大気透過率である 大気透過率 τ t は Britow nd Cmbell 式 (1984) により, 次式で表現される C τ t A[ 1 ex( B T )] (.37) ここに,A,B,C は経験定数, T は気温 ( o C) の日較差 ( 日最高気温 - 日最低気温 ) である なお, 日最低気温は, 当日最低気温と翌日最低気温の平均値を用いる.Britow nd Cmbell は, 降水のある日は気温日較差を.7 倍にするという補正を行っているが, ここでは降水による補正は行わない 篠原ら (7) は, 全国平均では A.76,C., 福岡では A.78,C. という値を得ている 経験定数 B は, 気温の日較差 T と大気透過率 τ t との関係が季節によって変化するのを調節する定数で, 月平均日較差より求めた (Britow nd Cmbell, 1984) B.36ex(.14 T ) (.38) ここに, T は気温の日較差の月平均値 ( o C) である 大気外日射量全天日射量全天日射量 ( 推定 ) 大気外日射量全天日射量全天日射量 ( 推定 ) 日射量 (MJ/m ) 3 1 日射量 (MJ/m ) /1 /1 3/1 4/1 /1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 1/1 1/1 /1 3/1 4/1 /1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/1 11/1 1/1 ) 日照時間による推定値 b) 気温日較差による推定値 図.8 全天日射量の実測値と推定値.) 日照時間による推定値.b) 気温日較差による推定値 ( 福岡市, 年 ) (3) 純放射量 R n の推定 純放射量の推定式は多数提案されている.Komtu et l. (8) は森林の純放射量 Rn は, 次式に示す簡便式で推定できるとしている. Rn. 8R S (.39) ここに,Rn は純放射量 (MJ m - ) である. 推定日全天日射量 (MJ/m ) 日照時間による推定気温較差による推定 y.9878x y.9176x 実測日全天日射量 (MJ/m ) 図.9 全天日射量の実測値と推定値 ( 福岡市, 年 ) 7

8 .4. 気温と湿度に関する要素 気温は最も入手しやすい気象データの一つである. 湿度のデータも比較的多いが,AMeDAS データには含まれておらず, データ入手は難しい. 湿度データは一般に相対湿度で表されている. 図.1 に福岡 ( 福岡県 ), 広島 ( 広島県 ), 浜田 ( 島根県 ), 清水 ( 高知県 ) の年平均気温と相対湿度の推移をしました.19 年頃から気温が上昇し, 相対湿度が低下していることがわかる. Averge Temerture (C) Hmd Hirohim Shimizu Fukuok Yer Averge Reltive Humidity (%) Hmd Hirohim Shimizu Fukuok Yer () 年平均気温 (b) 年平均相対湿度図.1 年平均気温と年平均相対湿度の推移 相対湿度 RH とは, 飽和水蒸気圧 e t (T) に対する実際の水蒸気圧 e の比である. RH e 1 e ( T ) (.4) ここに,RH は相対湿度 (%), T は気温 ( o C), e t (T) は気温 T における飽和水蒸気圧 (hp), e は水蒸気圧 (hp) 飽和水蒸気圧 e t (T) は, 気温 T の大気が含むことができる水蒸気量を圧力表示したもので, 気温 T の関数で表すことができる. 気温 T から飽和水蒸気圧 e t を推定する経験式として,Murry 式がある. e t bt ( T ) ex (.41) T + c ここに,,b,c は定数で,6.1781hP, 水面上では b ,c37.3, 氷面上では,b ,c6. である. 水蒸気圧 e は, 飽和水蒸気圧 e t (T) に相対湿度比率 (RH/1) を乗じて求めることができる. RH e e t ( T ) (.4) 1 また, 蒸発散の解析では, 比湿という単位もよく使用される. 比湿とは湿り空気 1kg における水蒸気の質量 (kg) の比で, 次式で与えられる. e q ε P ( 1 ε ) e (.43) ここに,ε は水蒸気と乾燥空気の密度比 (.6), P は大気圧 (hp) である. 図.11 に上記 4 地点の飽和水蒸気圧 e t (T) と水蒸気圧 e の推移を示す. 図より, 飽和水蒸気圧 e t (T) は気温の上昇に対応し, ほぼ同じ増加傾向を示している. 一方, 水蒸気圧 e は安定しており, 約 1 年間概ね一定であることがわかる. 図.11 より, 近年の相対湿度 RH の減少は, 飽和水蒸気圧 e t (T) の上昇に起因していることがわかる. Sturted Vor Preure (hp) Hmd Hirohim Shimizu Fukuok Yer Vor Preure (hp) Hmd Hirohim Shimizu Fukuok Yer () 年平均飽和水蒸気圧 (b) 年平均水蒸気圧図.11 年平均飽和水蒸気圧 e t (T ) と年平均水蒸気圧 e の推移 8

9 飽和水蒸気圧 e t (T) と水蒸気圧 e の差は飽差と呼ばれる. D e ( T ) e t (.44) ここに,D は飽差 (hp) である. 飽差 D は大気中の水蒸気の空き容量を示すものであり, 大気の蒸発力の指標となる. 図.1 に上記 4 地点の飽差の推移を示す. 飽和水蒸気圧 e t (T) が増加し, 水蒸気圧 e がほぼ一定であるため, 飽差 D は 19 年頃以降増加しており, 特に福岡における増加が顕著である. Vor Preure Defiit (hp) Hmd Hirohim Shimizu Fukuok Yer 図.1 年平均飽差 D の推移 ところで, 上述したように湿度の観測データは気温と比較すると少ない. 湿度データが得られない場合, 水蒸気圧 e の日変化が少なく, 明け方の日最低気温出現時頃に相対湿度が安定的に高くなることを利用して, 水蒸気圧を推定できる. e βe ( T min ) (.4) t ここに,T min は日最低気温 ( o C) であり,β は補正係数である. 福岡市の 年における補正係数 β は.81 で, 推定誤差は ±.hp あった. 図.13 に日平均水蒸気圧の推定値と実測値の比較を示す. 4 実測水蒸気圧 (hp) 推定水蒸気圧 (hp) 図.13 福岡市の 年における日平均水蒸気圧の実測値と推定値の比較 ところで, 温度 - 飽和水蒸気圧曲線の傾き Δ(hP o C -1 ) も, 蒸発散の解析において欠かすことのできない要素である. 気温 T における温度 - 飽和水蒸気圧曲線の Δ は次式より得られる. bc ( c + T ) e t ( T ) (.46) また, 乾湿計定数 γ(hp/ o C) も蒸発散の解析において欠かすことのできない要素である. C P γ (.47) ελ ここに,C は空気の定圧比熱 (1.4kJ o C -1 kg -1 ), λ は水の蒸発潜熱である. 水の蒸発潜熱 λ(j kg -1 ) は気温 T の関数であり, 次式より求められる λ t (.48) 気圧 P は, 実測値が得られない場合は, 次式を用いて標高によって推定できる. A P 113ex (.49) 8 P A (.49b) ここに,A は標高 (m) である. 9

10 .4.3 風速に関する要素 森林は高い樹木を骨格とした群落であるため, 風に対して強い摩擦力を及ぼし, 風環境に大きな影響を及ぼしている. 樹冠上に風速の対数分布が成立すると仮定すると, 樹冠上の風速分布は次式で近似できる. u ( ) * z d u z ln (.) k z ここに,z は樹冠上の高さ (m),u(z) は樹冠上の高さ z における風速 (m -1 ),u * は摩擦速度 (m -1 ),k はカルマン定数 (.4),d は地面修正量 (m),z o は粗度長 (m) である. 植物面積指数 (PAI) が 3~4 の植物群落では, 地面修正量 d および粗度長 z o は, 植物群落の高さ h(m) の関数として次式で推定できる. d. 7h (.1) z. 1h (.) 地面修正量粗度長 PAI 図.14 地面修正量と粗度長 例題. 草高 3cm の芝生露場の高さ 3m で測定した平均風速が.7m/ であった. 高さ 3cm,1m の風速はいくらか. 解答 式.1, 式. より, d.7.3.1m z.1.3.3m である. したがって,z3m では, u * 3.1 u (3).7m/ ln.4.3 となる. この式を解くと u*.17m/ が得られる. したがって, * 高さ 3cm では, u( h) u ln ln. 4 m * 高さ 1m では, u( h) u ln ln 3. m 図は,1m 高さの森林と 1m 高さの作物の群落上 m で風速 m -1 の風が吹いていると仮定して計算した風速プロファイルである. 図に示すように, 農地と比較 3.3 すると森林では樹冠上の風速勾配が大きく, 森林が風森林. 速分布に大きな影響を及ぼしていることがわかる. 森林 なお, 風速が対数分布すると仮定すると, 図のよう に風速は樹冠直下付近でゼロになる. しかし, 実際に 1 畑.1 は樹冠上の風が森林内の空気を引っぱり, 森林内にも畑 風が吹く. ただし, 樹体が風に抵抗するため, 森林内 では風は樹冠から徐々に減速し, 地表面近くで弱いピ ークを持つ形の風速分布を取る ( 近藤,1994). 風に対 する樹体の抵抗は葉量が多いほど大きいので, 落葉広 風速 (m/) 風速 (m/) 葉樹では落葉期の方が着葉期より林内の風は強くなり 図.1 樹高と空気力学 ( 境界層 ) コンダクタンス やすい ( 渡辺,1998). 空気力学的コンダクタンス g は次式で表される. k u( z).4 u( z) g (.3) z d z d ln ln z z 図より, 森林では樹冠上の風速勾配が大きく, 空気力学的コンダクタンス g が大きいため, 樹冠上で運動エネルギー 輸送が盛んであることがわかる. 境界層内における各種物理量の輸送メカニズムは類似していることから, 樹冠上では水 蒸気 ( 潜熱 ), 顕熱,CO の輸送も盛んであることがわかる. 高さ (m) 境界層コンダクタンス (m/) 1

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し 風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し 2000kW 定格風車の設備利用率として表示させたものです 数値は風車の定格出力 (2000kW)

More information

7 章問題解答 7-1 予習 1. 長方形断面であるため, 断面積 A と潤辺 S は, 水深 h, 水路幅 B を用い以下で表される A = Bh, S = B + 2h 径深 R の算定式に代入すると以下のようになる A Bh h R = = = S B + 2 h 1+ 2( h B) 分母の

7 章問題解答 7-1 予習 1. 長方形断面であるため, 断面積 A と潤辺 S は, 水深 h, 水路幅 B を用い以下で表される A = Bh, S = B + 2h 径深 R の算定式に代入すると以下のようになる A Bh h R = = = S B + 2 h 1+ 2( h B) 分母の 7 章問題解答 7- 予習. 長方形断面であるため, 断面積 と潤辺 S は, 水深, 水路幅 B を用い以下で表される B, S B + 径深 R の算定式に代入すると以下のようになる B R S B + ( B) 分母の /B は河幅が水深に対して十分に広ければ, 非常に小さな値となるため, 上式は R ( B) となり, 径深 R は水深 で近似できる. マニングの式の水深 を等流水深 0 と置き換えると,

More information

() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から 55 要旨 水温上昇から太陽の寿命を算出する 53 町野友哉 636 山口裕也 私たちは, 地球環境に大きな影響を与えている太陽がいつまで今のままであり続けるのかと疑問をもちました そこで私たちは太陽の寿命を求めました 太陽がどのように燃えているのかを調べたら水素原子がヘリウム原子に変化する核融合反応によってエネルギーが発生していることが分かった そこで, この反応が終わるのを寿命と考えて算出した

More information

.............................................................................................................................................................. ......................................................................................................................................................................................................................

More information

パソコンシミュレータの現状

パソコンシミュレータの現状 第 2 章微分 偏微分, 写像 豊橋技術科学大学森謙一郎 2. 連続関数と微分 工学において物理現象を支配する方程式は微分方程式で表されていることが多く, 有限要素法も微分方程式を解く数値解析法であり, 定式化においては微分 積分が一般的に用いられており. 数学の基礎知識が必要になる. 図 2. に示すように, 微分は連続な関数 f() の傾きを求めることであり, 微小な に対して傾きを表し, を無限に

More information

領域シンポ発表

領域シンポ発表 1 次元の減衰運動の中の強制振動 ) ( f d d d d d e f e ce ) ( si ) ( 1 ) ( cos ω =ω -γ とおくと 一般解は 外力 f()=f siω の場合 f d d d d si f ce f ce si ) cos( cos si ) cos( この一般解は 1 φ は外力と変位との間の位相差で a 時間が経つと 第 1 項は無視できる この場合の振幅を

More information

Microsoft PowerPoint - 熱力学Ⅱ2FreeEnergy2012HP.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 熱力学Ⅱ2FreeEnergy2012HP.ppt [互換モード] 熱力学 Ⅱ 第 章自由エネルギー システム情報工学研究科 構造エネルギー工学専攻 金子暁子 問題 ( 解答 ). 熱量 Q をある系に与えたところ, 系の体積は膨張し, 温度は上昇した. () 熱量 Q は何に変化したか. () またこのとき系の体積がV よりV に変化した.( 圧力は変化無し.) 内部エネルギーはどのように表されるか. また, このときのp-V 線図を示しなさい.. 不可逆過程の例を

More information

図 1 COBE-SST のオリジナル格子から JCDAS の格子に変換を行う際に用いられている海陸マスク 緑色は陸域 青色は海域 赤色は内海を表す 内海では気候値 (COBE-SST 作成時に用いられている 1951~2 年の平均値 ) が利用されている (a) (b) SST (K) SST a

図 1 COBE-SST のオリジナル格子から JCDAS の格子に変換を行う際に用いられている海陸マスク 緑色は陸域 青色は海域 赤色は内海を表す 内海では気候値 (COBE-SST 作成時に用いられている 1951~2 年の平均値 ) が利用されている (a) (b) SST (K) SST a 平成 22 年 2 月 JCDAS における 内海の海面水温の取り扱いの不具合について 気象庁地球環境 海洋部気候情報課 気候データ同化システム (JCDAS) では COBE-SST 累年値データを境界条件とする 6 時間予報及び客観解析を行っておりますが 25 年 1 月の JCDAS のルーチン運用開始以降 一部の内海において SST 観測値ではなく気候値が適用されていることが判明しました 原因

More information

Xamテスト作成用テンプレート

Xamテスト作成用テンプレート 気体の性質 1 1990 年度本試験化学第 2 問 問 1 次の問い (a b) に答えよ a 一定質量の理想気体の温度を T 1 [K] または T 2 [K] に保ったまま, 圧力 P を変える このときの気体の体積 V[L] と圧力 P[atm] との関係を表すグラフとして, 最も適当なものを, 次の1~6のうちから一つ選べ ただし,T 1 >T 2 とする b 理想気体 1mol がある 圧力を

More information

Q = va = kia (1.2) 1.2 ( ) 2 ( 1.2) 1.2(a) (1.2) k = Q/iA = Q L/h A (1.3) 1.2(b) t 1 t 2 h 1 h 2 a

Q = va = kia (1.2) 1.2 ( ) 2 ( 1.2) 1.2(a) (1.2) k = Q/iA = Q L/h A (1.3) 1.2(b) t 1 t 2 h 1 h 2 a 1 1 1.1 (Darcy) v(cm/s) (1.1) v = ki (1.1) v k i 1.1 h ( )L i = h/l 1.1 t 1 h(cm) (t 2 t 1 ) 1.1 A Q(cm 3 /s) 2 1 1.1 Q = va = kia (1.2) 1.2 ( ) 2 ( 1.2) 1.2(a) (1.2) k = Q/iA = Q L/h A (1.3) 1.2(b) t

More information

線積分.indd

線積分.indd 線積分 線積分 ( n, n, n ) (ξ n, η n, ζ n ) ( n-, n-, n- ) (ξ k, η k, ζ k ) ( k, k, k ) ( k-, k-, k- ) 物体に力 を作用させて位置ベクトル A の点 A から位置ベクトル の点 まで曲線 に沿って物体を移動させたときの仕事 W は 次式で計算された A, A, W : d 6 d+ d+ d@,,, d+ d+

More information

Probit , Mixed logit

Probit , Mixed logit Probit, Mixed logit 2016/5/16 スタートアップゼミ #5 B4 後藤祥孝 1 0. 目次 Probit モデルについて 1. モデル概要 2. 定式化と理解 3. 推定 Mixed logit モデルについて 4. モデル概要 5. 定式化と理解 6. 推定 2 1.Probit 概要 プロビットモデルとは. 効用関数の誤差項に多変量正規分布を仮定したもの. 誤差項には様々な要因が存在するため,

More information

D 液 日団協技術資料 D 液 地上設置式横型バルク貯槽等の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽又はバルク容器 ( 以下 バルク貯槽等という ) を設置し 自然気化によってLP ガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給すること

D 液 日団協技術資料 D 液 地上設置式横型バルク貯槽等の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽又はバルク容器 ( 以下 バルク貯槽等という ) を設置し 自然気化によってLP ガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給すること 日団協技術資料 地上設置式横型バルク貯槽等の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽又はバルク容器 ( 以下 バルク貯槽等という ) を設置し 自然気化によってLP ガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給することのできるバルク貯槽等の大きさを必要とするが バルク貯槽等の設置状況 ( 外気温等 ) 需要家の消費パターン ( 連続消費時間等 ) 及びLPガス供給側のバルク運用状況

More information

微分方程式による現象記述と解きかた

微分方程式による現象記述と解きかた 微分方程式による現象記述と解きかた 土木工学 : 公共諸施設 構造物の有用目的にむけた合理的な実現をはかる方法 ( 技術 ) に関する学 橋梁 トンネル ダム 道路 港湾 治水利水施設 安全化 利便化 快適化 合法則的 経済的 自然および人口素材によって作られた 質量保存則 構造物の自然的な性質 作用 ( 外力による応答 ) エネルギー則 の解明 社会的諸現象のうち マスとしての移動 流通 運動量則

More information

スライド 1

スライド 1 1 生態環境計測学 2017/10/25 生態系物質循環と計測デザイン 植山雅仁 2 全球の気温 * 1961-1990 年平均に対する相対値 (IPCC, 2013; 第 5 次報告書 ) 3 環境変動は 生態系にどのように影響? それをどうやって評価するか? 4 生態系をとりまく物理 化学環境 日射 降水量 顕熱 蒸発散 呼吸 風 光合成 湿度 気温 CO 2 地中熱流量 土壌水分 5 フラックスとプール

More information

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation Non-linea factue mechanics き裂先端付近の塑性変形 塑性域 R 破壊進行領域応カ特異場 Ω R R Hutchinson, Rice and Rosengen 全ひずみ塑性理論に基づいた解析 現段階のひずみは 除荷がないとすると現段階の応力で一義的に決まる 単純引張り時の応カーひずみ関係 ( 構成方程式 ): ( ) ( ) n () y y y ここで α,n 定数, /

More information

D 液 日団協技術資料 D 液 地下埋設式バルク貯槽の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽を地下埋設し自然気化によってLPガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給することのできる大きさのバルク貯槽を設置しなければならないが バ

D 液 日団協技術資料 D 液 地下埋設式バルク貯槽の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽を地下埋設し自然気化によってLPガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給することのできる大きさのバルク貯槽を設置しなければならないが バ 日団協技術資料 地下埋設式バルク貯槽の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽を地下埋設し自然気化によってLPガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給することのできる大きさのバルク貯槽を設置しなければならないが バルク貯槽の設置状況 ( 地中温度 充填時液温等 ) 需要家の消費パターン( 連続消費時間等 ) 及びLPガス供給側のバルク運用状況 ( 残液量等 ) などの設計条件が個々の設置ケースで異なるので

More information

データ解析

データ解析 データ解析 ( 前期 ) 最小二乗法 向井厚志 005 年度テキスト 0 データ解析 - 最小二乗法 - 目次 第 回 Σ の計算 第 回ヒストグラム 第 3 回平均と標準偏差 6 第 回誤差の伝播 8 第 5 回正規分布 0 第 6 回最尤性原理 第 7 回正規分布の 分布の幅 第 8 回最小二乗法 6 第 9 回最小二乗法の練習 8 第 0 回最小二乗法の推定誤差 0 第 回推定誤差の計算 第

More information

1

1 問題を解こう. 熱力学の基礎 問題. 容積 [m ] の密閉容器内に 温度 0[ ] 質量 0[kg] の酸素が含まれている この容器内の圧力を求めよ ただし 酸素の気体定数を R= 59.8[J/kg K] とする 解答 酸素の体積 V=m 質量 m=0kg なので 酸素の比容積 v=/0 m /kg である 式 (.) において ガス定数 R=59.8 温度 T=(0+7)K であるので 圧力

More information

スライド 1

スライド 1 資料 1 トリチウム水の浅地中処分に係る検討 独立行政法人日本原子力研究開発機構 平成 26 年 10 月 24 日 トリチウム水の処分の選択肢の 1 つとして浅地中処分方式による検討 前回 *1 は一般的な環境条件の下での浅地中処分方式による安全確保について提示 環境条件等を考慮した安全評価結果を提示 *1: 平成 26 年 2 月 27 日トリチウム水タスクフォース ( 第 4 回 ) 資料 2

More information

<4D F736F F F696E74202D CD90EC8B5A8F708DA7926B89EF816993BF938791E BA816A8F4390B E707074>

<4D F736F F F696E74202D CD90EC8B5A8F708DA7926B89EF816993BF938791E BA816A8F4390B E707074> 安価で効率的な水位 - 流量曲線の作成と流出モデルパラメータ同定法, その応用 徳島大学准教授徳島大学名誉教授 田村隆雄端野道夫 概略概略 流出モデルと水位 - 流量曲線とを連動させることにより, 実測流量データがない河川でも, 洪水解析 ( 流量ハイドログラフの推定 ) と H-Q 曲線の作成を可能とします. 以下の特徴があります. 雨量データと水位データがあれば適用できる 河道横断形状が不明でも適用できる

More information

<4D F736F F F696E74202D E90B691D48AC28BAB8C7691AA2E8ACF91AA E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D E90B691D48AC28BAB8C7691AA2E8ACF91AA E B8CDD8AB B83685D> 1 生態環境計測学 215/1/14 生態系物質循環と計測デザイン 植山雅仁 2 全球の気温 * 1961-199 年平均に対する相対値 (IPCC, 213; 第 5 次報告書 ) 1 3 環境変動は 生態系にどのように影響? それをどうやって評価するか? 4 生態系をとりまく物理環境 日射 降水量 顕熱 蒸発散 呼吸 風 光合成 湿度 気温 CO 2 地中熱流量 土壌水分 2 5 フラックスとプール

More information

資料 7-1 既存ボーリング調査結果 [ 本編 p.380,410 参照 ] 事業予定地内における既存のボーリング調査の調査地点は図 -1 に 調査結果は図 -2 に示すとおりであり 各調査地点の孔内水位は表 -1 のとおり GL-1.8~-1.0m 程度であ る 表 -1 事業予定地の地下水位 調

資料 7-1 既存ボーリング調査結果 [ 本編 p.380,410 参照 ] 事業予定地内における既存のボーリング調査の調査地点は図 -1 に 調査結果は図 -2 に示すとおりであり 各調査地点の孔内水位は表 -1 のとおり GL-1.8~-1.0m 程度であ る 表 -1 事業予定地の地下水位 調 資料 7-1 既存ボーリング調査結果 [ 本編 p.380,410 参照 ] 事業予定地内における既存のボーリング調査の調査地点は図 -1 に 調査結果は図 -2 に示すとおりであり 各調査地点の孔内水位は表 -1 のとおり GL-1.8~-1.0m 程度であ る 表 -1 事業予定地の地下水位 調査地点 No.1 No.2 No.3 No.4 孔内水位 GL-1.4m GL-1.8m GL-1.0m

More information

ポリトロープ、対流と輻射、時間尺度

ポリトロープ、対流と輻射、時間尺度 宇宙物理学 ( 概論 ) 6/6/ 大阪大学大学院理学研究科林田清 ポリトロープ関係式 1+(1/) 圧力と密度の間にP=Kρ という関係が成り立っていると仮定する K とは定数でをポリトロープ指数と呼ぶ 5 = : 非相対論的ガス dlnp 3 断熱変化の場合 断熱指数 γ, と dlnρ 4 = : 相対論的ガス 3 1 = の関係にある γ 1 等温変化の場合は= に相当 一様密度の球は=に相当

More information

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように 3 章 Web に Link 解説 連続式 微分表示 の誘導.64 *4. 連続式連続式は ある領域の内部にある流体の質量の収支が その表面からの流入出の合計と等しくなることを定式化したものであり 流体における質量保存則を示したものである 2. 連続式 微分表示 の誘導図のような微小要素 コントロールボリューム の領域内の流体の増減と外部からの流体の流入出を考えることで定式化できる 微小要素 流入

More information

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D> 断面積 (A) を使わずに, 間隙率を使う透水係数の算定 図に示したような 本の孔を掘って, 上流側から食塩を投入した 食塩を投入してから,7 時間後に下流側に食塩が到達したことが分かった この地盤の透水係数を求めよ 地盤の間隙比は e=0.77, 水位差は 0 cmであった なお, この方法はトレーサ法の中の食塩法と呼ばれている Nacl 計測器 0 cm 0.0 m 断面積 (A) を使わずに,

More information

伝熱学課題

伝熱学課題 練習問題解答例 < 第 章強制対流熱伝達 >. 式 (.9) を導出せよ (.6) を変換する 最初に の微分値を整理しておく (.A) (.A) これを用いて の微分値を求める (.A) (.A) (.A) (.A6) (.A7) これらの微分値を式 (.6) に代入する (.A8) (.A9) (.A) (.A) (.A) (.9). 薄い平板が温度 で常圧の水の一様な流れの中に平行に置かれている

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 反応工学 Raction Enginring 講義時間 ( 場所 : 火曜 限 (8-A 木曜 限 (S-A 担当 : 山村 火 限 8-A 期末試験中間試験以降 /7( 木 まで持ち込みなし要電卓 /4( 木 質問受付日講義なし 授業アンケート (li campus の入力をお願いします 晶析 (crystallization ( 教科書 p. 濃度 溶解度曲線 C C s A 安定 液 ( 気

More information

<4D F736F F F696E74202D E90B691D48AC28BAB8C7691AA2E8ACF91AA E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D E90B691D48AC28BAB8C7691AA2E8ACF91AA E B8CDD8AB B83685D> 1 生態環境計測学 216/12/7 生態系物質循環と計測デザイン 植山雅仁 2 全球の気温 * 1961-199 年平均に対する相対値 (IPCC, 213; 第 5 次報告書 ) 1 3 環境変動は 生態系にどのように影響? それをどうやって評価するか? 4 生態系をとりまく物理環境 日射 降水量 顕熱 蒸発散 呼吸 風 光合成 湿度 気温 CO 2 地中熱流量 土壌水分 2 5 フラックスとプール

More information

物理学 II( 熱力学 ) 期末試験問題 (2) 問 (2) : 以下のカルノーサイクルの p V 線図に関して以下の問題に答えなさい. (a) "! (a) p V 線図の各過程 ( ) の名称とそのと (& きの仕事 W の面積を図示せよ. # " %&! (' $! #! " $ %'!!!

物理学 II( 熱力学 ) 期末試験問題 (2) 問 (2) : 以下のカルノーサイクルの p V 線図に関して以下の問題に答えなさい. (a) ! (a) p V 線図の各過程 ( ) の名称とそのと (& きの仕事 W の面積を図示せよ. #  %&! (' $! #!  $ %'!!! 物理学 II( 熱力学 ) 期末試験問題 & 解答 (1) 問 (1): 以下の文章の空欄に相応しい用語あるいは文字式を記入しなさい. 温度とは物体の熱さ冷たさを表す概念である. 物体は外部の影響を受けなければ, 十分な時間が経過すると全体が一様な温度の定常的な熱平衡状態となる. 物体 と物体 が熱平衡にあり, 物体 と物体 が熱平衡にあるならば, 物体 と物体 も熱平衡にある. これを熱力学第 0

More information

河川工学 -流出解析-

河川工学 -流出解析- 河川工学 ( 第 3 回 ) 流出解析法 1 ( 流出成分の分離と有効降雨 合理式 単位図法 ) (1) 大雨に関する予警報 流出現象の概説 (2) 流出解析法 1 (2-1) 合理式 (2-2) 単位図法 大雨に対する予警報 愛媛県中予地方の場合の注意報 警報基準 ( 松山地方気象台 HP より ) 松山市 警報 大雨 ( 浸水害 ) 雨量基準 平坦地 :1 時間雨量 45mm 平坦地以外 :3

More information

参考資料

参考資料 1-3. 紫外線量の変動要因 紫外線の量は 太陽の高度 オゾン全量 雲の状況 エアロゾルの量 地表面の反射率などの変化によって変動する 天気の変化は雲量の変化というかたちで紫外線量に影響を与える 海抜高度の高いところでは 大気の層の厚さが薄くなることにより 紫外線量が増加する (+10~12%/1,000m) また 大気汚染や霞といった現象は 地上における大気混濁度を地域的に増加させ 紫外線量を減少させる要因となる

More information

森林水文 水資源学 2 2. 水文統計 豪雨があった時, 新聞やテレビのニュースで 50 年に一度の大雨だった などと報告されることがある. 今争点となっている川辺川ダムは,80 年に 1 回の洪水を想定して治水計画が立てられている. 畑地かんがいでは,10 年に 1 回の渇水を対象として計画が立て

森林水文 水資源学 2 2. 水文統計 豪雨があった時, 新聞やテレビのニュースで 50 年に一度の大雨だった などと報告されることがある. 今争点となっている川辺川ダムは,80 年に 1 回の洪水を想定して治水計画が立てられている. 畑地かんがいでは,10 年に 1 回の渇水を対象として計画が立て . 水文統計 豪雨があった時, 新聞やテレビのニュースで 50 年に一度の大雨だった などと報告されることがある. 今争点となっている川辺川ダムは,80 年に 回の洪水を想定して治水計画が立てられている. 畑地かんがいでは,0 年に 回の渇水を対象として計画が立てられる. このように, 水利構造物の設計や, 治水や利水の計画などでは, 年に 回起こるような降雨事象 ( 最大降雨強度, 最大連続干天日数など

More information

横浜市環境科学研究所

横浜市環境科学研究所 周期時系列の統計解析 単回帰分析 io 8 年 3 日 周期時系列に季節調整を行わないで単回帰分析を適用すると, 回帰係数には周期成分の影響が加わる. ここでは, 周期時系列をコサイン関数モデルで近似し単回帰分析によりモデルの回帰係数を求め, 周期成分の影響を検討した. また, その結果を気温時系列に当てはめ, 課題等について考察した. 気温時系列とコサイン関数モデル第 報の結果を利用するので, その一部を再掲する.

More information

2008年度水工学論文集(荒川赤羽)

2008年度水工学論文集(荒川赤羽) 水工学論文集, 第 53 巻,29 年 2 月 小規模水面における水の蒸発メカニズムに関する基礎的実験 FUNDAMENTAL EXPERIMENT OF EVAPORATION MECHANISM ON SMALL SCALE WATER SURFACE 加藤拓磨 1 中根和郎 2 3 山田正 Takuma KATO, Kazurou NAKANE, Tadashi YAMADA and Mikio

More information

生物環境工学コース実験実習

生物環境工学コース実験実習 植物の光合成機能の評価 渋谷俊夫. 実習の目的植物と大気との間において CO 2 や水蒸気などのガス成分は主に葉の気孔を介して交換されている 例えば CO 2 は 日中には光合成によって大気から葉内へ輸送され 夜間では呼吸によって葉内から大気へ輸送される 水蒸気は蒸散によって葉内から大気へ輸送される このような葉内と大気との間におけるガスのやりとりをガス交換といい 葉内外のガス交換は拡散現象によって行われる

More information

Microsoft Word - 補論3.2

Microsoft Word - 補論3.2 補論 3. 多変量 GARC モデル 07//6 新谷元嗣 藪友良 対数尤度関数 3 章 7 節では 変量の対数尤度を求めた ここでは多変量の場合 とくに 変量について対数尤度を求める 誤差項 は平均 0 で 次元の正規分布に従うとする 単純化のため 分散と共分散は時間を通じて一定としよう ( この仮定は後で変更される ) したがって ij から添え字 を除くことができる このとき と の尤度関数は

More information

3 大気の安定度 (1) 3.1 乾燥大気の安定度 大気中を空気塊が上昇すると 周囲の気圧が低下する このとき 空気塊は 高断熱膨張 (adiabatic expansion) するので 周りの空気に対して仕事をした分だ け熱エネルギーが減少し 空気塊の温度は低下する 逆に 空気塊が下降する 高と断

3 大気の安定度 (1) 3.1 乾燥大気の安定度 大気中を空気塊が上昇すると 周囲の気圧が低下する このとき 空気塊は 高断熱膨張 (adiabatic expansion) するので 周りの空気に対して仕事をした分だ け熱エネルギーが減少し 空気塊の温度は低下する 逆に 空気塊が下降する 高と断 3 大気の安定度 (1) 3.1 乾燥大気の安定度 大気中を空気塊が上昇すると 周囲の気圧が低下する このとき 空気塊は 高断熱膨張 (adiabatic exansion) するので 周りの空気に対して仕事をした分だ け熱エネルギーが減少し 空気塊の温度は低下する 逆に 空気塊が下降する 高と断熱圧縮 (adiabatic comression) されるので 温度は上昇する 飽和に達し 高ていない空気塊が断熱的に上昇するときの温度低下の割合を乾燥断熱減率

More information

Microsoft Word - 文書 1

Microsoft Word - 文書 1 3. 陸域生態系における炭素循環解析陸域生態系の CO2 吸収 / 放出量を推定する方法として 大別すると 以下の2 種類があります いずれの方法も利点 欠点があるため それぞれの欠点を補完しながら観測を進めています 1 地上観測 : 地上において 生物や土壌 大気の観測を行うことにより 炭素収支量を把握する方法です 観測点で長期的に測定するため 比較的高精度である反面 広域推定は難しくなります 2リモートセンシング観測

More information

湿度計算の計算式集 湿度計算を分かりやすく理解するために B210973JA-F

湿度計算の計算式集 湿度計算を分かりやすく理解するために B210973JA-F 湿度計算の計算式集 湿度計算を分かりやすく理解するために B210973JA-F 出版元 Vaisala Oyj Phone (int.): +358 9 8949 1 P.O. Box 26 Fax: +358 9 8949 2227 FI-00421 Helsinki Finland Visit our Internet pages at www.vaisala.com Vaisala 2013

More information

等温可逆膨張最大仕事 : 外界と力学的平衡を保って膨張するとき 系は最大の仕事をする完全気体を i から まで膨張させるときの仕事は dw d dw nr d, w nr ln i nr 1 dw d nr d i i nr (ln lni ) nr ln これは右図 ( テキスト p.45, 図

等温可逆膨張最大仕事 : 外界と力学的平衡を保って膨張するとき 系は最大の仕事をする完全気体を i から まで膨張させるときの仕事は dw d dw nr d, w nr ln i nr 1 dw d nr d i i nr (ln lni ) nr ln これは右図 ( テキスト p.45, 図 物理化学 Ⅱ 講義資料 ( 第 章熱力学第一法則 ) エネルギーの保存 1 系と外界系 : 注目している空間 下記の つに分類される 開放系 : 外界との間でエネルギーの交換ができ さらに物資の移動も可能閉鎖系 : 外界との間でエネルギーの交換はできるが 物質の移動はできない孤立系 : 外界との間でエネルギーも物質も移動できない外界 : 系と接触している巨大な世界 例えば エネルギーの出入りがあっても

More information

( 全体 ) 年 1 月 8 日,2017/1/8 戸田昭彦 ( 参考 1G) 温度計の種類 1 次温度計 : 熱力学温度そのものの測定が可能な温度計 どれも熱エネルギー k B T を

( 全体 ) 年 1 月 8 日,2017/1/8 戸田昭彦 ( 参考 1G) 温度計の種類 1 次温度計 : 熱力学温度そのものの測定が可能な温度計 どれも熱エネルギー k B T を ( 全体 htt://home.hiroshima-u.ac.j/atoda/thermodnamics/ 9 年 月 8 日,7//8 戸田昭彦 ( 参考 G 温度計の種類 次温度計 : 熱力学温度そのものの測定が可能な温度計 どれも熱エネルギー k T を単位として決められている 9 年 月 日 ( 世界計量記念日 から, 熱力学温度 T/K の定義も熱エネルギー k T/J に基づく. 定積気体温度計

More information

Microsoft Word - 中村工大連携教材(最終 ).doc

Microsoft Word - 中村工大連携教材(最終 ).doc 音速について考えてみよう! 金沢工業大学 中村晃 ねらい 私たちの身の回りにはいろいろな種類の波が存在する. 体感できる波もあれば, できない波もある. その中で音は体感できる最も身近な波である. 遠くで雷が光ってから雷鳴が届くまで数秒間時間がかかることにより, 音の方が光より伝わるのに時間がかかることも経験していると思う. 高校の物理の授業で音の伝わる速さ ( 音速 ) は約 m/s で, 詳しく述べると

More information

(c) (d) (e) 図 及び付表地域別の平均気温の変化 ( 将来気候の現在気候との差 ) 棒グラフが現在気候との差 縦棒は年々変動の標準偏差 ( 左 : 現在気候 右 : 将来気候 ) を示す : 年間 : 春 (3~5 月 ) (c): 夏 (6~8 月 ) (d): 秋 (9~1

(c) (d) (e) 図 及び付表地域別の平均気温の変化 ( 将来気候の現在気候との差 ) 棒グラフが現在気候との差 縦棒は年々変動の標準偏差 ( 左 : 現在気候 右 : 将来気候 ) を示す : 年間 : 春 (3~5 月 ) (c): 夏 (6~8 月 ) (d): 秋 (9~1 第 2 章気温の将来予測 ポイント 年平均気温は 全国的に 2.5~3.5 の上昇が予測される 低緯度より高緯度 夏季より冬季の気温上昇が大きい (2.1.1) 夏季の極端な高温の日の最高気温は 2~3 の上昇が予測される 冬季の極端な低温の日の最低気温は 2.5~4 の上昇が予測される (2.2.2) 冬日 真冬日の日数は北日本を中心に減少し 熱帯夜 猛暑日の日数は東日本 西日本 沖縄 奄美で増加が予測される

More information

14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 mmol/l の半分だったから さんの測定値は くんの測定値の 4 倍の重みがあり 推定値 としては 0.68 mmol/l その標準偏差は mmol/l 程度ということになる 測定値を 特徴づけるパラメータ t を推定するこの手

14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 mmol/l の半分だったから さんの測定値は くんの測定値の 4 倍の重みがあり 推定値 としては 0.68 mmol/l その標準偏差は mmol/l 程度ということになる 測定値を 特徴づけるパラメータ t を推定するこの手 14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 014.6.1. 最小 乗法のはなし 014.6.1. 内容 最小 乗法のはなし...1 最小 乗法の考え方...1 最小 乗法によるパラメータの決定... パラメータの信頼区間...3 重みの異なるデータの取扱い...4 相関係数 決定係数 ( 最小 乗法を語るもう一つの立場...5 実験条件の誤差の影響...5 問題...6 最小 乗法の考え方 飲料水中のカルシウム濃度を

More information

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着 コンクリートの強度 コンクリートの最も重要な特性は強度です ここでは まず コンクリート強度の基本的特性について解説し 次に 呼び強度および配合強度がどのように設定されるか について説明します 強度のメカニズム 強度の影響要因 強度性状 構造物の強度と供試体強度 配合 ( 調合 ) 強度と呼び強度の算定 材料強度のばらつき 配合強度の設定 呼び強度の割増し 構造体強度補正値 舞鶴市および周辺部における構造体強度補正値

More information

ミクロ経済学Ⅰ

ミクロ経済学Ⅰ 労働需要 労働力を雇う側の意思決定 労働力を雇うのは企業と仮定 企業は利潤を最大化する 利潤最大化する企業は どのように労働力を需要するか? まず 一定の生産量を生産する際の 費用最小化問題から考察する 企業の費用最小化 複数の生産要素を用いて生産活動を行なう企業を想定 min C( w, r; y) = wl + rk LK, subject to FKL (, ) y Cwr (, ; y) 費用関数

More information

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima 4.7 広島県の気候変動 4.7.1 広島における気温の長期変動広島地方気象台の観測によると季節ごとの平均気温の経変化を図 4.7.1 に示す 平均気温は長期的に有意な上昇傾向を示しており 1 あたり 1.51 ( 統計期間 :79~12 ) の割合で上昇している 1 の上昇幅 1.51 は 気温の平値で比較すると 広島 ( 平値.3 ) と高知県の清水 [ 足摺岬 ]( 平値.2 ) の差にほぼ相当する

More information

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 となるように半固定抵抗器を調整する ( ゼロ点調整のため ) 図 1 非反転増幅器 2010 年度版物理工学実験法

More information

運動方程式の基本 座標系と変数を導入 (u,v) ニュートンの第一法則 力 = 質量 加速度 大気や海洋に加わる力を, 思いつくだけ挙げてみよう 重力, 圧力傾度力, コリオリ力, 摩擦力 水平方向に働く力に下線をつけよう. したがって水平方向の運動方程式は 質量 水平加速度 = コリオリ力 + 圧

運動方程式の基本 座標系と変数を導入 (u,v) ニュートンの第一法則 力 = 質量 加速度 大気や海洋に加わる力を, 思いつくだけ挙げてみよう 重力, 圧力傾度力, コリオリ力, 摩擦力 水平方向に働く力に下線をつけよう. したがって水平方向の運動方程式は 質量 水平加速度 = コリオリ力 + 圧 2. 潜水方程式系の導出 見延庄士郎 ( 海洋気候物理学研究室 ) minobe@mail.sci.okudai.ac.jp 第 1 回まとめ 1/2 二つの変数の関係の強さを表す統計量は相関であり, 最小値は -1, 最大値は +1, 無相関は である. 過去数十年間の ( 気象庁は 3 年 ) 月ごとの平均値を, 月平均データの平年値または気候値という. 観測値から平年値を引いたものが, 偏差である.

More information

A

A A04-164 2008 2 13 1 4 1.1.......................................... 4 1.2..................................... 4 1.3..................................... 4 1.4..................................... 5 2

More information

Microsoft Word - 1B2011.doc

Microsoft Word - 1B2011.doc 第 14 回モールの定理 ( 単純梁の場合 ) ( モールの定理とは何か?p.11) 例題 下記に示す単純梁の C 点のたわみ角 θ C と, たわみ δ C を求めよ ただし, 部材の曲げ 剛性は材軸に沿って一様で とする C D kn B 1.5m 0.5m 1.0m 解答 1 曲げモーメント図を描く,B 点の反力を求める kn kn 4 kn 曲げモーメント図を描く knm 先に得られた曲げモーメントの値を

More information

第 3 章二相流の圧力損失

第 3 章二相流の圧力損失 第 3 章二相流の圧力損失 単相流の圧力損失 圧力損失 (/) 壁面せん断応力 τ W 力のバランス P+ u m πd 4 τ w 4 τ D u τ w m w πd : 摩擦係数 λ : 円管の摩擦係数 λ D u m D P τ W 摩擦係数 層流 16/Re 乱流 0.079 Re -1/4 0.046 Re -0.0 (Blasius) (Colburn) 大まかには 0.005 二相流の圧力損失液相のみが流れた場合の単相流の圧力損失

More information

<4D F736F F F696E74202D E94D58B9393AE82F AC82B782E982BD82DF82CC8AEE E707074>

<4D F736F F F696E74202D E94D58B9393AE82F AC82B782E982BD82DF82CC8AEE E707074> 地盤数値解析学特論 防災環境地盤工学研究室村上哲 Mrakam, Satoh. 地盤挙動を把握するための基礎. 変位とひずみ. 力と応力. 地盤の変形と応力. 変位とひずみ 変形勾配テンソルひずみテンソル ひずみテンソル : 材料線素の長さの 乗の変化量の尺度 Green-Lagrange のひずみテンソルと Alman のひずみテンソル 微小変形状態でのひずみテンソル ひずみテンソルの物理的な意味

More information

物理演習問題

物理演習問題 < 物理 > =0 問 ビルの高さを, ある速さ ( 初速 をとおく,において等加速度運動の公式より (- : -= t - t : -=- t - t (-, 式よりを消去すると t - t =- t - t ( + - ( + ( - =0 0 t t t t t t ( t + t - ( t - =0 t=t t=t t - 地面 ( t - t t +t 0 より, = 3 図 問 が最高点では速度が

More information

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅 周期時系列の統計解析 3 移動平均とフーリエ変換 io 07 年 月 8 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ノイズ の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分のがどのように変化するのか等について検討する. また, 気温の実測値に移動平均を適用した結果についてフーリエ変換も併用して考察する. 単純移動平均の計算式移動平均には,

More information

(1.2) T D = 0 T = D = 30 kn 1.2 (1.4) 2F W = 0 F = W/2 = 300 kn/2 = 150 kn 1.3 (1.9) R = W 1 + W 2 = = 1100 N. (1.9) W 2 b W 1 a = 0

(1.2) T D = 0 T = D = 30 kn 1.2 (1.4) 2F W = 0 F = W/2 = 300 kn/2 = 150 kn 1.3 (1.9) R = W 1 + W 2 = = 1100 N. (1.9) W 2 b W 1 a = 0 1 1 1.1 1.) T D = T = D = kn 1. 1.4) F W = F = W/ = kn/ = 15 kn 1. 1.9) R = W 1 + W = 6 + 5 = 11 N. 1.9) W b W 1 a = a = W /W 1 )b = 5/6) = 5 cm 1.4 AB AC P 1, P x, y x, y y x 1.4.) P sin 6 + P 1 sin 45

More information

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生 0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生まれ, コンピューテーショナルフォトグラフィ ( 計算フォトグラフィ ) と呼ばれている.3 次元画像認識技術の計算フォトグラフィへの応用として,

More information

(Microsoft PowerPoint _4_25.ppt [\214\335\212\267\203\202\201[\203h])

(Microsoft PowerPoint _4_25.ppt [\214\335\212\267\203\202\201[\203h]) 平成 25 年度化学入門講義スライド 第 3 回テーマ : 熱力学第一法則 平成 25 年 4 月 25 日 奥野恒久 よく出てくる用語 1 熱力学 (thermodynamcs) 系 (system) 我々が注意を集中したい世界の特定の一部分外界 (surroundngs) 系以外の部分 系 外界 系に比べてはるかに大きい温度 体積 圧力一定系の変化の影響を受けない よく出てくる用語 2 外界との間で開放系

More information

コロイド化学と界面化学

コロイド化学と界面化学 環境表面科学講義 http://res.tagen.tohoku.ac.jp/~liquid/mura/kogi/kaimen/ E-mail: mura@tagen.tohoku.ac.jp 村松淳司 分散と凝集 ( 平衡論的考察! 凝集! van der Waals 力による相互作用! 分散! 静電的反発力 凝集 分散! 粒子表面の電位による反発 分散と凝集 考え方! van der Waals

More information

また単分子層吸着量は S をすべて加えればよく N m = S (1.5) となる ここで計算を簡単にするために次のような仮定をする 2 層目以上に吸着した分子の吸着エネルギーは潜熱に等しい したがって Q = Q L ( 2) (1.6) また 2 層目以上では吸着に与える表面固体の影響は小さく

また単分子層吸着量は S をすべて加えればよく N m = S (1.5) となる ここで計算を簡単にするために次のような仮定をする 2 層目以上に吸着した分子の吸着エネルギーは潜熱に等しい したがって Q = Q L ( 2) (1.6) また 2 層目以上では吸着に与える表面固体の影響は小さく BET 法による表面積測定について 1. 理論編ここでは吸着等温線を利用した表面積の測定法 特に Brunauer,Emmett Teller による BET 吸着理論について述べる この方法での表面積測定は 気体を物質表面に吸着させた場合 表面を 1 層覆い尽くすのにどれほどの物質量が必要か を調べるものである 吸着させる気体分子が 1 個あたりに占める表面積をあらかじめ知っていれば これによって固体の表面積を求めることができる

More information

2011 年度第 41 回天文 天体物理若手夏の学校 2011/8/1( 月 )-4( 木 ) 星間現象 18b 初代星形成における水素分子冷却モデルの影響 平野信吾 ( 東京大学 M2) 1. Introduction 初代星と水素分子冷却ファーストスター ( 初代星, PopIII) は重元素を

2011 年度第 41 回天文 天体物理若手夏の学校 2011/8/1( 月 )-4( 木 ) 星間現象 18b 初代星形成における水素分子冷却モデルの影響 平野信吾 ( 東京大学 M2) 1. Introduction 初代星と水素分子冷却ファーストスター ( 初代星, PopIII) は重元素を 2011 年度第 41 回天文 天体物理若手夏の学校 2011/8/1( 月 )-4( 木 ) 星間現象 18b 初代星形成における水素分子冷却モデルの影響 平野信吾 ( 東京大学 M2) 1. Introduction 初代星と水素分子冷却ファーストスター ( 初代星, PopIII) は重元素を含まない原始ガスから形成される 宇宙で最初に誕生する星である 初代星はその後の星形成や再電離など宇宙初期の天文現象に強く関係し

More information

<4D F736F F D20824F B CC92E8979D814696CA90CF95AA82C691CC90CF95AA2E646F63>

<4D F736F F D20824F B CC92E8979D814696CA90CF95AA82C691CC90CF95AA2E646F63> 1/1 平成 23 年 3 月 24 日午後 6 時 52 分 6 ガウスの定理 : 面積分と体積分 6 ガウスの定理 : 面積分と体積分 Ⅰ. 直交座標系 ガウスの定理は 微分して すぐに積分すると元に戻るというルールを 3 次元積分に適用した定理になります よく知っているのは 簡単化のため 変数が1つの場合は dj ( d ( ににします全微分 = 偏微分 d = d = J ( + C d です

More information

2009 年 11 月 16 日版 ( 久家 ) 遠地 P 波の変位波形の作成 遠地 P 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに P U () t = S()* t E()* t P() t で近似的に計算できる * は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録

2009 年 11 月 16 日版 ( 久家 ) 遠地 P 波の変位波形の作成 遠地 P 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに P U () t = S()* t E()* t P() t で近似的に計算できる * は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録 遠地 波の変位波形の作成 遠地 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに U () t S() t E() t () t で近似的に計算できる は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録 参照 ) ここで St () は地震の断層運動によって決まる時間関数 1 E() t は地下構造によって生じる種々の波の到着を与える時間関数 ( ここでは 直達 波とともに 震源そばの地表での反射波や変換波を与える時間関数

More information

Microsoft Word - Chap17

Microsoft Word - Chap17 第 7 章化学反応に対する磁場効果における三重項機構 その 7.. 節の訂正 年 7 月 日. 節 章の9ページ の赤枠に記載した説明は間違いであった事に気付いた 以下に訂正する しかし.. 式は 結果的には正しいので安心して下さい 磁場 の存在下でのT 状態のハミルトニアン は ゼーマン項 と時間に依存するスピン-スピン相互作用の項 との和となる..=7.. g S = g S z = S z g

More information

ファイナンスのための数学基礎 第1回 オリエンテーション、ベクトル

ファイナンスのための数学基礎 第1回 オリエンテーション、ベクトル 時系列分析 変量時系列モデルとその性質 担当 : 長倉大輔 ( ながくらだいすけ 時系列モデル 時系列モデルとは時系列データを生み出すメカニズムとなるものである これは実際には未知である 私たちにできるのは観測された時系列データからその背後にある時系列モデルを推測 推定するだけである 以下ではいくつかの代表的な時系列モデルを考察する 自己回帰モデル (Auoregressive Model もっとも頻繁に使われる時系列モデルは自己回帰モデル

More information

64 3 g=9.85 m/s 2 g=9.791 m/s 2 36, km ( ) 1 () 2 () m/s : : a) b) kg/m kg/m k

64 3 g=9.85 m/s 2 g=9.791 m/s 2 36, km ( ) 1 () 2 () m/s : : a) b) kg/m kg/m k 63 3 Section 3.1 g 3.1 3.1: : 64 3 g=9.85 m/s 2 g=9.791 m/s 2 36, km ( ) 1 () 2 () 3 9.8 m/s 2 3.2 3.2: : a) b) 5 15 4 1 1. 1 3 14. 1 3 kg/m 3 2 3.3 1 3 5.8 1 3 kg/m 3 3 2.65 1 3 kg/m 3 4 6 m 3.1. 65 5

More information

オープン CAE 関東 数値流体力学 輪講 第 4 回 第 3 章 : 乱流とそのモデリング (3) [3.5~3.7.1 p.64~75] 日時 :2013 年 11 月 10 日 14:00~ 場所 : 日本 新宿 2013/11/10 数値流体力学 輪講第 4 回 1

オープン CAE 関東 数値流体力学 輪講 第 4 回 第 3 章 : 乱流とそのモデリング (3) [3.5~3.7.1 p.64~75] 日時 :2013 年 11 月 10 日 14:00~ 場所 : 日本 新宿 2013/11/10 数値流体力学 輪講第 4 回 1 オープン CAE 勉強会 @ 関東 数値流体力学 輪講 第 4 回 第 3 章 : 乱流とそのモデリング (3 [3.5~3.7.1 p.64~75] 日時 :2013 年 11 月 10 日 14:00~ 場所 : 日本 ESI@ 新宿 1 数値流体力学 輪講に関して 目的 数値流体力学の知識 ( 特に理論ベース を深め OpenFOAM の利用に役立てること 本輪講で学ぶもの 数値流体力学の理論や計算手法の概要

More information

はじめに 東京の観測値 として使われる気温などは 千代田区大手町 ( 気象庁本庁の構内 ) で観測 気象庁本庁の移転計画に伴い 今年 12 月に露場 ( 観測施設 ) を北の丸公園へ移転予定 天気予報で目にする 東京 の気温などの傾 向が変わるため 利 者へ 分な解説が必要 北の丸公園露場 大手町露

はじめに 東京の観測値 として使われる気温などは 千代田区大手町 ( 気象庁本庁の構内 ) で観測 気象庁本庁の移転計画に伴い 今年 12 月に露場 ( 観測施設 ) を北の丸公園へ移転予定 天気予報で目にする 東京 の気温などの傾 向が変わるため 利 者へ 分な解説が必要 北の丸公園露場 大手町露 東京 の観測地点の 移転について 2014 年 11 月 14 日 気象庁 観測部 はじめに 東京の観測値 として使われる気温などは 千代田区大手町 ( 気象庁本庁の構内 ) で観測 気象庁本庁の移転計画に伴い 今年 12 月に露場 ( 観測施設 ) を北の丸公園へ移転予定 天気予報で目にする 東京 の気温などの傾 向が変わるため 利 者へ 分な解説が必要 北の丸公園露場 大手町露場 ( 気象庁本庁

More information

Hanako-公式集力学熱編.jhd

Hanako-公式集力学熱編.jhd 熱分野 ================================================= E-mail yamato@my.email.ne.j ホームページ htt://www.ne.j/asahi/hanako/hysics/ ================================================= 公式集力学熱編.jhd < 1 > 気体の法則 気体の状態変化

More information

Microsoft PowerPoint 集い横田.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint 集い横田.ppt [互換モード] 波浪推算モデルによる海面抵抗係数の推定に関する研究 九州大学大学院工学研究院助教新キャンパス計画推進室勤務横田雅紀 第 世代波浪推算モデル (WAM) 波浪推算 : 風情報を入力値として波高を予測 有義波法 : 風速, 吹送時間, 吹送距離と波高 周期の関係 スペクトル法 : 時空間的に変化する風場での方向別周波数別成分波 エネルギー平衡方程式 E( f t, θ ) + Cg E( f, θ )

More information

正誤表 ( 抜粋版 ) 気象庁訳 (2015 年 7 月 1 日版 ) 注意 この資料は IPCC 第 5 次評価報告書第 1 作業部会報告書の正誤表を 日本語訳版に関連する部分について抜粋して翻訳 作成したものである この翻訳は IPCC ホームページに掲載された正誤表 (2015 年 4 月 1

正誤表 ( 抜粋版 ) 気象庁訳 (2015 年 7 月 1 日版 ) 注意 この資料は IPCC 第 5 次評価報告書第 1 作業部会報告書の正誤表を 日本語訳版に関連する部分について抜粋して翻訳 作成したものである この翻訳は IPCC ホームページに掲載された正誤表 (2015 年 4 月 1 ( 抜粋版 ) 気象庁訳 (2015 年 7 月 1 日版 ) 注意 この資料は IPCC 第 5 次評価報告書第 1 作業部会報告書のを 日本語訳版に関連する部分について抜粋して翻訳 作成したものである この翻訳は IPCC ホームページに掲載された (2015 年 4 月 17 日版 ) http://www.climatechange2013.org/images/report/wg1ar5_errata_17042015.pdf

More information

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ 数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュレーションによって計算してみる 4.1 放物運動一様な重力場における放物運動を考える 一般に質量の物体に作用する力をとすると運動方程式は

More information

CERT化学2013前期_問題

CERT化学2013前期_問題 [1] から [6] のうち 5 問を選んで解答用紙に解答せよ. いずれも 20 点の配点である.5 問を超えて解答した場合, 正答していれば成績評価に加算する. 有効数字を適切に処理せよ. 断りのない限り大気圧は 1013 hpa とする. 0 C = 273 K,1 cal = 4.184 J,1 atm = 1013 hpa = 760 mmhg, 重力加速度は 9.806 m s 2, 気体

More information

電磁波レーダ法による比誘電率分布(鉄筋径を用いる方法)およびかぶりの求め方(H19修正)

電磁波レーダ法による比誘電率分布(鉄筋径を用いる方法)およびかぶりの求め方(H19修正) 電磁波レーダ法による比誘電率分布 ( 鉄筋径を用いる方法 ) およびかぶりの求め方 (H19 修正 ) 概要この方法は 測定した結果をエクセルに入力し 土研がホームページ上で公開し提供するソフトによって計算することを前提にしている 1. 適用電磁波レーダによってかぶりを求める際 鉄筋径を用いて比誘電率分布を求める方法を示す 注その比誘電率を用いてかぶりの補正値 ( 1) を求める方法を示す 注 1

More information

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X ( 第 週ラプラス変換 教科書 p.34~ 目標ラプラス変換の定義と意味を理解する フーリエ変換や Z 変換と並ぶ 信号解析やシステム設計における重要なツール ラプラス変換は波動現象や電気回路など様々な分野で 微分方程式を解くために利用されてきた ラプラス変換を用いることで微分方程式は代数方程式に変換される また 工学上使われる主要な関数のラプラス変換は簡単な形の関数で表されるので これを ラプラス変換表

More information

運動方程式の基本 ニュートンの第一法則 力 = 質量 加速度 大気や海洋に加わる力を, 思いつくだけ挙げてみよう 重力, 圧力傾度力, コリオリ力, 摩擦力 水平方向に働く力に下線をつけよう. したがって水平方向の運動方程式は 質量 水平加速度 = コリオリ力 + 圧力傾度力 + 摩擦力 流体の運動

運動方程式の基本 ニュートンの第一法則 力 = 質量 加速度 大気や海洋に加わる力を, 思いつくだけ挙げてみよう 重力, 圧力傾度力, コリオリ力, 摩擦力 水平方向に働く力に下線をつけよう. したがって水平方向の運動方程式は 質量 水平加速度 = コリオリ力 + 圧力傾度力 + 摩擦力 流体の運動 2. 浅水方程式系の導出 見延庄士郎 ( 海洋気候物理学研究室 ) 第 1 回まとめ 1/2 二つの変数の関係の強さを表す統計量は相関であり, 最小値は -1, 最大値は +1, 無相関は である. 過去数十年間の ( 気象庁は 3 年 ) 月ごとの平均値を, 月平均データの平年値または気候値という. 観測値から平年値を引いたものが, 偏差である. 連続する n 個のデータを平均して, 中央のデータの値に置き換える平滑化が,

More information

Microsoft PowerPoint - 1章 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 1章 [互換モード] 1. 直線運動 キーワード 速さ ( 等速直線運動, 変位 ) 加速度 ( 等加速度直線運動 ) 重力加速度 ( 自由落下 ) 力学 I 内容 1. 直線運動 2. ベクトル 3. 平面運動 4. 運動の法則 5. 摩擦力と抵抗 6. 振動 7. 仕事とエネルギー 8. 運動量と力積, 衝突 9. 角運動量 3 章以降は, 運動の向きを考えなければならない 1. 直線運動 キーワード 速さ ( 等速直線運動,

More information

Microsoft PowerPoint - zairiki_3

Microsoft PowerPoint - zairiki_3 材料力学講義 (3) 応力と変形 Ⅲ ( 曲げモーメント, 垂直応力度, 曲率 ) 今回は, 曲げモーメントに関する, 断面力 - 応力度 - 変形 - 変位の関係について学びます 1 曲げモーメント 曲げモーメント M 静定力学で求めた曲げモーメントも, 仮想的に断面を切ることによって現れる内力です 軸方向力は断面に働く力 曲げモーメント M は断面力 曲げモーメントも, 一つのモーメントとして表しますが,

More information

Microsoft PowerPoint - ‚æ4‘Í

Microsoft PowerPoint - ‚æ4‘Í 第 4 章平衡状態 目的物質の平衡状態と自由エネルギーの関係を理解するとともに, 平衡状態図の基礎的な知識を習得する. 4.1 自由エネルギー 4.1.1 平衡状態 4.1.2 熱力学第 1 法則 4.1.3 熱力学第 2 法則 4.1.4 自由エネルギー 4.2 平衡状態と自由エネルギー 4.2.1 レバールール 4.2.2 平衡状態と自由エネルギー 4.3 平衡状態図 4.3.1 全率固溶型 4.3.2

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 反応工学 Reacio Egieerig 講義時間 場所 : 火曜 限 8- 木曜 限 S- 担当 : 山村 補講 /3 木 限 S- ジメチルエーテルの気相熱分解 CH 3 O CH 4 H CO 設計仕様 処理量 v =4.8 m 3 /h 原料は DME のみ 777K 反応率 =.95 まで熱分解 管型反応器の体積 V[m 3 ] を決定せよ ただし反応速度式反応速度定数 ラボ実験は自由に行ってよい

More information

オープン CAE 関東 数値流体力学 輪講 第 6 回 第 3 章 : 乱流とそのモデリング (5) [3.7.2 p.76~84] 日時 :2014 年 2 月 22 日 14:00~ 場所 : 日本 新宿 2013/02/22 数値流体力学 輪講第 6 回 1

オープン CAE 関東 数値流体力学 輪講 第 6 回 第 3 章 : 乱流とそのモデリング (5) [3.7.2 p.76~84] 日時 :2014 年 2 月 22 日 14:00~ 場所 : 日本 新宿 2013/02/22 数値流体力学 輪講第 6 回 1 オープン CAE 勉強会 @ 関東 数値流体力学 輪講 第 6 回 第 章 : 乱流とそのモデリング (5) [.7. p.76~84] 日時 :04 年 月 日 4:00~ 場所 : 日本 ESI@ 新宿 本日 日程パート部分ページ 04.0 第 章 : 乱流とそのモデリング担当セクション :.7. p.76~84 今回は北風が担当しました ご質問 記述ミス等に関するご指摘がありましたら 以下までご連絡下さい

More information

Taro-40-11[15号p86-84]気候変動

Taro-40-11[15号p86-84]気候変動 資 料 鹿児島県における気候変動に関する考察 1 福田哲也仮屋園広幸肥後さより東小薗卓志四元聡美満留裕己 1 はじめに近年地球上では気候変動, とりわけ気温上昇が多くの地域で観測されている その現象は我が国においても例外ではなく, 具体的に取りまとめたレポートとして, 文部科学省 気象庁 環境省が, 日本における地球温暖化の影響について現在までの観測結果や将来予測を2013 年に, 日本の気候変動とその影響

More information

Microsoft PowerPoint - Chigakub-04.pptx

Microsoft PowerPoint - Chigakub-04.pptx 地学 b 第 4 回地球大気の構造と熱収支 ~ 地球の気候の概要 ~ * 大気の組成 * 気圧 * 大気の鉛直構造 * 地球気候の概要 * 太陽放射の季節 緯度変化 * 放射エネルギー収支 輸送 * 地球の平均的大気循環 * 温室効果と地球温暖化 地球大気の平均組成 ( 体積比 ) 地上 80km くらいまで この組成は変わらない 新しい高校地学の教科書 より 地上 80km くらいまで この組成は変わらない

More information

7 渦度方程式 総観規模あるいは全球規模の大気の運動を考える このような大きな空間スケールでの大気の運動においては 鉛直方向の運動よりも水平方向の運動のほうがずっと大きい しかも 水平方向の運動の中でも 収束 発散成分は相対的に小さく 低気圧や高気圧などで見られるような渦 つまり回転成分のほうが卓越

7 渦度方程式 総観規模あるいは全球規模の大気の運動を考える このような大きな空間スケールでの大気の運動においては 鉛直方向の運動よりも水平方向の運動のほうがずっと大きい しかも 水平方向の運動の中でも 収束 発散成分は相対的に小さく 低気圧や高気圧などで見られるような渦 つまり回転成分のほうが卓越 7 渦度方程式 総観規模あるいは全球規模の大気の運動を考える このような大きな空間スケールでの大気の運動においては 鉛直方向の運動よりも水平方向の運動のほうがずっと大きい しかも 水平方向の運動の中でも 収束 発散成分は相対的に小さく 低気圧や高気圧などで見られるような渦 つまり回転成分のほうが卓越している そこで 回転成分に着目して大気の運動を論じる 7.1 渦度 大気の回転成分を定量化する方法を考えてみる

More information

1 熱, 蒸気及びボイラーの概要 問 10 伝熱についての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 金属棒の一端を熱したとき, 熱が棒内を通り他端に伝わる現象を熱伝導という (2) 液体又は気体が固体壁に接触して流れ, 固体壁との間で熱が移動する現象を熱伝達又は対流熱伝達という (3)

1 熱, 蒸気及びボイラーの概要 問 10 伝熱についての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 金属棒の一端を熱したとき, 熱が棒内を通り他端に伝わる現象を熱伝導という (2) 液体又は気体が固体壁に接触して流れ, 固体壁との間で熱が移動する現象を熱伝達又は対流熱伝達という (3) 1 熱, 蒸気及びボイラーの概要 問 10 伝熱についての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 金属棒の一端を熱したとき, 熱が棒内を通り他端に伝わる現象を熱伝導という (2) 液体又は気体が固体壁に接触して流れ, 固体壁との間で熱が移動する現象を熱伝達又は対流熱伝達という (3) 熱伝達率は固体表面の状態, 流れの状態, 温度が一定ならば, 流体の種類に関係なく一定である (4)

More information

Microsoft Word - note02.doc

Microsoft Word - note02.doc 年度 物理化学 Ⅱ 講義ノート. 二原子分子の振動. 調和振動子近似 モデル 分子 = 理想的なバネでつながった原子 r : 核間距離, r e : 平衡核間距離, : 変位 ( = r r e ), k f : 力の定数ポテンシャルエネルギー ( ) k V = f (.) 古典運動方程式 [ 振動数 ] 3.3 d kf (.) dt μ : 換算質量 (m, m : 原子, の質量 ) mm

More information

伝熱学課題

伝熱学課題 練習問題解答例 < 第 9 章熱交換器 > 9. 入口温度 0 の kg/ の水と 入口温度 0 の 0 kg/ の水の間で熱交換を行 う 前者の出口温度が 40 の時 後者の出口温度はいくらか 解 ) 式 (9.) を使う,,,, において どちらの流体も水より に注意して 0 40 0 0, これを解いて, 9. 0 の水を用いて 0.MPa の飽和蒸気 kg/ と熱交換させ 蒸気を復水させること

More information

例題 1 表は, 分圧 Pa, 温度 0 および 20 において, 水 1.00L に溶解する二酸化炭素と 窒素の物質量を表している 二酸化炭素窒素 mol mol mol mol 温度, 圧力, 体積を変えられる容器を用意し,

例題 1 表は, 分圧 Pa, 温度 0 および 20 において, 水 1.00L に溶解する二酸化炭素と 窒素の物質量を表している 二酸化炭素窒素 mol mol mol mol 温度, 圧力, 体積を変えられる容器を用意し, ヘンリーの法則問題の解き方 A. ヘンリーの法則とは溶解度が小さいある気体 ( 溶媒分子との結合力が無視できる気体 ) が, 同温 同体積の溶媒に溶けるとき, 溶解可能な気体の物質量または標準状態換算体積はその気体の分圧に比例する つまり, 気体の分圧が P のとき, ある温度 ある体積の溶媒に n mol または標準状態に換算してV L 溶けるとすると, 分圧が kp のとき, その溶媒に kn

More information

Microsoft PowerPoint - 夏の学校(CFD).pptx

Microsoft PowerPoint - 夏の学校(CFD).pptx /9/5 FD( 計算流体力学 ) の基礎理論 性能 運動分野 夏の学校 神戸大学大学院海事科学研究科勝井辰博 流体の質量保存 流体要素内の質量の増加率 [ 単位時間当たりの増加量 ] 単位時間に流体要素に流入する質量 流体要素 Fl lm (orol olm) v ( ) ガウスの定理 v( ) /9/5 = =( ) b=b =(b b b ) b= b = b + b + b アインシュタイン表記

More information

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx . エネルギーギャップとrllouゾーン ブリルアン領域,t_8.. 周期ポテンシャル中の電子とエネルギーギャップ 簡単のため 次元に間隔 で原子が並んでいる結晶を考える 右方向に進行している電子の波は 間隔 で規則正しく並んでいる原子が作る格子によって散乱され 左向きに進行する波となる 波長 λ が の時 r の反射条件 式を満たし 両者の波が互いに強め合い 定在波を作る つまり 式 式を満たす波は

More information

Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Qheat, 事業実施後使用熱量 GJ/ 年 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 4 % Fheat, ΔTheat, 事業実施後の設備で加熱された温水の使用量又は熱媒油の流量事業実施後の設備で加熱された温水又は熱媒油の熱利用前後の温度差

Qfuel, ベースラインエネルギー使用量 GJ/ 年 Qheat, 事業実施後使用熱量 GJ/ 年 事業実施前のボイラーのエネルギー消費効率 4 % Fheat, ΔTheat, 事業実施後の設備で加熱された温水の使用量又は熱媒油の流量事業実施後の設備で加熱された温水又は熱媒油の熱利用前後の温度差 1. 方法論番号 001 2. 方法論名称ボイラーの更新 3. 適用条件本方法論は 次の条件の全てを満たす場合に適用することができる 条件 1: 事業実施前のボイラーよりも高効率のボイラーに更新すること ただし バイオマスへの燃料転換を伴う場合は ボイラー効率の改善については問わない 条件 2: ボイラーの更新を行わなかった場合 事業実施前のボイラーを継続して利用することができること 1 条件 3:

More information

ns-r-42_4.indd

ns-r-42_4.indd H LE Rnet H LE Rnet Rnet-H-LE Rnet H LE Rnet-H-LE Rnet 菅原ほか フラックスの季節変化 35 図 4 二酸化炭素濃度 樹冠上 林床 および二酸化炭素フラックス 樹冠上 の季節変化 最下段 には樹冠上でのアルベードおよび日射透過率も示した いずれも日平均値 フラックスは樹冠から上 空への上向き輸送 放出 を正 下向き輸送 吸収 を負とした 図 5

More information

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI プロジェクト @ 宮崎県美郷町 熊本大学副島慶人川村諒 1 実験の目的 従来 信号の受信電波強度 (RSSI:RecevedSgnal StrengthIndcator) により 対象の位置を推定する手法として 無線 LAN の AP(AccessPont) から受信する信号の減衰量をもとに位置を推定する手法が多く検討されている

More information

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k 反応速度 触媒 速度定数 反応次数について. 化学反応の速さの表し方 速さとは単位時間あたりの変化の大きさである 大きさの値は 0 以上ですから, 速さは 0 以上の値をとる 化学反応の速さは単位時間あたりの物質のモル濃度変化の大きさで表すのが一般的 たとえば, a + bb c (, B, は物質, a, b, c は係数 ) という反応において,, B, それぞれの反応の速さを, B, とし,

More information

様々なミクロ計量モデル†

様々なミクロ計量モデル† 担当 : 長倉大輔 ( ながくらだいすけ ) この資料は私の講義において使用するために作成した資料です WEB ページ上で公開しており 自由に参照して頂いて構いません ただし 内容について 一応検証してありますが もし間違いがあった場合でもそれによって生じるいかなる損害 不利益について責任を負いかねますのでご了承ください 間違いは発見次第 継続的に直していますが まだ存在する可能性があります 1 カウントデータモデル

More information

FEM原理講座 (サンプルテキスト)

FEM原理講座 (サンプルテキスト) サンプルテキスト FEM 原理講座 サイバネットシステム株式会社 8 年 月 9 日作成 サンプルテキストについて 各講師が 講義の内容が伝わりやすいページ を選びました テキストのページは必ずしも連続していません 一部を抜粋しています 幾何光学講座については 実物のテキストではなくガイダンスを掲載いたします 対象とする構造系 物理モデル 連続体 固体 弾性体 / 弾塑性体 / 粘弾性体 / 固体

More information

OCW-iダランベールの原理

OCW-iダランベールの原理 講義名連続体力学配布資料 OCW- 第 2 回ダランベールの原理 無機材料工学科准教授安田公一 1 はじめに今回の講義では, まず, 前半でダランベールの原理について説明する これを用いると, 動力学の問題を静力学の問題として解くことができ, さらに, 前回の仮想仕事の原理を適用すると動力学問題も簡単に解くことができるようになる また, 後半では, ダランベールの原理の応用として ラグランジュ方程式の導出を示す

More information

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc) 問題 36. 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチルサリチル酸の錯形成 (20140304 修正 : ピンク色の部分 ) 1. 序論この簡単な実験では 水溶液中での鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸の錯形成を検討する その錯体の実験式が求められ その安定度定数を見積もることができる 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸 H 2 Sal からなる安定な錯体はいくつか知られている それらの構造と組成はpHにより異なる 酸性溶液では紫色の錯体が生成する

More information