宿毛湾港池島地区防波堤整備事業 - 目次 - 1. 事業の概要宿毛湾港の概要宿毛湾港の経緯事業の目的及び規模事業の必要性に関する視点事業を巡る社会経済情勢等の変化前提となっている需要見込

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みりあひめい
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1 第 4 回四国地方整備局事業評価監視委員会資料資料 3 宿毛湾港池島地区防波堤整備事業事業再評価平成 25 年 11 月 28 日国土交通省四国地方整備局

2 宿毛湾港池島地区防波堤整備事業 - 目次 - 1. 事業の概要宿毛湾港の概要宿毛湾港の経緯事業の目的及び規模事業の必要性に関する視点事業を巡る社会経済情勢等の変化前提となっている需要見込みの変化...4 (1) 鋼材船体部品...4 (2) 木材チップ事業の投資効果プロジェクトの構成施設事業実施による効果分析...6 (1) 便益項目の抽出...6 (2) 輸送コスト削減便益...6 (3) 浸水防護便益...9 (4) 残存価値費用便益分析定性的な効果の把握 (1) 交流機会の損失回避 (2) 住民の安全安心な暮らしの確保 (3) 雇用所得の増大等 (4) 海難の減少 (5) 排出ガスの削減感度分析の実施 (1) 感度分析において変動させる要因 (2) 感度分析結果事業の進捗状況事業の進捗の見込みの視点コスト縮減や代替案等の可能性の視点コスト縮減への取り組み代替案立案等の可能性対応方針 ( 原案 )... 20

3 1. 事業の概要 1.1 宿毛湾港の概要宿毛湾港は高知県の西南部にに位置し前面海域は豊後水道から瀬戸内海航路路及び関門航路へ向かう船舶と太平洋を北上し三大湾湾へ向かう船舶が分岐する海上交通の要衝となっっているおり幡多広域生活圏を背後地域として地域域の生産消費活動を支える港として重要な役割をを果たしている第三次全国総合開発計画 (S52 定住住構想 ) においては特段の配慮を必要とする地域域として位置づけられたその後昭和 61 年度に地方港港湾から重要港湾へ昇格したことに伴い港湾計画画を新たに策定し平成元年より当該池島地区の開発にに着手した一方宿毛湾港の背後には四四万十川や足摺岬など全国でも有名な観光地を有有しており四国西南地域の広域観光ネットワークの拠拠点としての役割や大分県佐伯港との間にフェェリーが就航し四国西南地域と九州を結ぶ玄関口とししての役割を担っている池島地区図宿毛湾港全景図 1

1.2 事業の経緯 (1) 池島地区整備昭和 61 年港湾法により重要港湾に指定昭和 61 年港湾計画の策定平成 1 年多目的国際ターミナル整備事業 ( 岸壁 -13m 等 ) の採択穀物基地及び幡多地域の林産品移出が計画平成 10 年事業評価監視委員会岸壁 (-13m) を水深 10m で供用することとし泊地及び防波堤の事業は休止とする ( 事実上の中止 )

年米イージス艦の係留ロープ切断平成 19 年自衛艦が停泊中にうねりが収まるまで 2 時間離岸大型客船 ( 飛鳥 Ⅱ) の係留ロープが切断沖合停泊の上乗客を小型船でピストン輸送平成 21 年大型客船 ( 飛鳥 Ⅱ) がうねりにより接岸できず 2 度寄港を断念平成 25 年大型客船 ( ぱしふぃっくびーなす ) がうねりにより係留ロープ切断また船体が大きく動揺し乗船客の下船に支障が出る約

4 1.2 事業の経緯 (1) 池島地区整備昭和 61 年港湾法により重要港湾に指定昭和 61 年港湾計画の策定平成 1 年多目的国際ターミナル整備事業 ( 岸壁 -13m 等 ) の採択穀物基地及び幡多地域の林産品移出が計画平成 10 年事業評価監視委員会岸壁 (-13m) を水深 10m で供用することとし泊地及び防波堤の事業は休止とする ( 事実上の中止 ) 穀物基地及び幡多地域の林産品移出が白紙となるが輸入飼料基地の候補地となる平成 12 年岸壁 (-13m) 完成暫定供用開始平成 16 年輸入飼料基地が白紙となる (2) 暫定的な利用と港の課題平成 13 年度以降大型客船 ( 観光 ) 自衛艦米軍艦 ( 休憩及び補給 ) のための利用平成 16 年大型客船 ( にっぽん丸 ) による接岸が難航平成 18 年米イージス艦の係留ロープ切断平成 19 年自衛艦が停泊中にうねりが収まるまで 2 時間離岸大型客船 ( 飛鳥 Ⅱ) の係留ロープが切断沖合停泊の上乗客を小型船でピストン輸送平成 21 年大型客船 ( 飛鳥 Ⅱ) がうねりにより接岸できず 2 度寄港を断念平成 25 年大型客船 ( ぱしふぃっくびーなす ) がうねりにより係留ロープ切断また船体が大きく動揺し乗船客の下船に支障が出る約 1m 繰り返し上下大型客船の船体動揺状況 ( 平成 25 年 7 月 12 日 ) 岸壁前面の高波の状況 ( 平成 16 年 9 月台風時 ) (3) 新たな要請と整備平成 19 年造船会社 2 社が宿毛湾港工業流通団地の用地を取得平成 20 年造船会社が船体部品の組立工場建設に着手平成 21 年防波堤整備事業の新規事業採択平成 22 年船体部品の組立工場が完成塗装工場の建設に着手 ( 平成 25 年完成予定 ) 平成 22 年第 2 防波堤現地工事着工 2

5 1.3 事業の目的および規模防波堤の整備により港内の静穏度を確保することで港湾利用者の安全で効率的な物流大型旅客船の安全な着岸を可能とし地域の振興に資することを目的としている H24d 末迄 L=89m 完成池島第 2 防波堤 L=380m H25d L=98m 整備予定 2012 年 1 月撮影 1 事業期間 : 平成 21 年度から平成 28 年度 2 総事業費 :80 億円 3 構成施設 : 池島第 2 防波堤池島第 2 防波堤防波堤整備状況ケーソン据付状況 3

6 2. 事業の必要性等に関する視点 2.1 事業を巡る社会経済情勢等の変化前提となっている需要見込みの変化 (1) 鋼材船体部品造船会社の動向池島地区の宿毛湾港工業流通団地には船舶の大型化へ対する需要や工場の集約を目的として平成 19 年に造船会社 2 社が進出している造船会社は生産に見合った工場用地の確保生産に必要な資材や製造した船体部品の海上輸送が可能であること及び労働力の確保などの条件を満足できる工場用地を検討した結果当該団地が条件を満たしていたため進出を決定した現在は船体部品の製造を行いながら工場の建設を進め平成 29 年の本格操業を目指している防波堤の整備によって静穏度が確保され安全な荷役が可能となれば輸送の効率化のために海上輸送へ転換することを計画している分譲中 (1.82ha) 企業立地用地 (12.2ha) 2012 年 1 月撮影池島第 2 防波堤 L=380m 取扱貨物量の推計宿毛湾港に立地する造船会社は建造工程の効率化を図るために船体部品の生産を集約する計画を立てており現在宿毛湾港に工場の整備を進めている平成 29 年の工場完成後には大型船 (3 万トン級 )4 隻分程度の船体部品を生産することを計画している企業ヒアリングより平成 28 年度までの船体部品及びその材料となる鋼材の取扱量を 1 万 8 百トン / 年と設定するまた工場完成後の平成 29 年度以降の取扱量は企業ヒアリングにより 3 万 5 千トン / 年の取扱いが一定推移すると設定する 4

7 50,000 40,000 防波堤の整備完了 35,000 35,000 ( トン ) 30,000 20,000 10,000 10,800 10,800 10,800 10,800 10,800 0 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H78 : 実績 : 推計 ( 資料 : 企業ヒアリングより ) (2) 木材チップ製材会社の動向図鋼材船体部品需要推計宿毛湾港の背後圏に立地している木材チップ製造会社は紙の原料となる木材チップを生産し三島川之江港の製紙会社へ陸上輸送している防波堤の整備によって静穏度が確保され安全な荷役が可能となれば輸送の効率化のため海上輸送へ転換することを計画している取扱貨物量の推計四万十市の木材チップ製造会社が取り扱う木材チップは製紙の原料として取り扱われており三島川之江港の製紙会社へ陸上輸送されている取引先の製紙会社では三島川之江港へ製紙の集約が計画されるなど今後の需要が見込まれている企業ヒアリングにより木材チップの取扱量を2 万トン / 年の取扱いが一定推移すると設定する 40,000 35,000 30,000 陸上輸送防波堤の整備完了海上輸送 25,000 24,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H78 ( トン ) 20,000 20,000 20,000 20,000 : 実績 : 推計図木材チップ需要推計 ( 資料 : 企業ヒアリングより ) 5

8 2.2 事業の投資効果プロジェクトの構成施設区分中心的施設防波堤施設名事業実施による効果分析 (1) 便益項目の抽出プロジェクト実施による効果は多岐にわたる本プロジェクトの便益項目としては以下の 2 つが挙げられる 1 輸送コスト削減 2 浸水防護 (2) 輸送コスト削減便益便益計測対象貨物量宿毛湾港池島地区で防波堤の整備後に取り扱われる貨物は企業ヒアリングよると平成 28 年度まで船体部品及び鋼材の移出入共に 1 万 8 百トン平成 29 年度以降は船体部品及び鋼材の移出入共に 3 万 5 千トン木材チップの移出が 2 万トンの取扱いが計画されている表需要の推計取扱貨物推計値 H29 以降の貨物量推計方法船体部品 1 万 0.8 千トン (H24~) 企業ヒアリングにより決定 3 万 5 千トン (H29~) 鋼材 1 万 0.8 千トン (H24~) 3 万 5 千トン (H29~) 企業ヒアリングにより決定木材チップ 2 万トン (H29~) 企業ヒアリングにより決定 6

便益の計測 1) 鋼材年間便益額は without 時と with 時におけるそれぞれの輸送コストのの差より算出する現在

本プロジェクトの実施により直接宿毛湾港へ海上輸送を行うことが可能となりり輸送の効率化を図ることが可能となる計算の結果年間約

時におけるそれぞれの輸送コストのの差より算出する本プロジェクト実施ににより宿毛湾港から八幡浜港への輸送コストが削削減される

2 億円 (H29) の輸送コスト削減便益の発生が見見込まれる ( 写真は造船会社 HP より引用 ) With 時 Without

9 便益の計測 1) 鋼材年間便益額は without 時と with 時におけるそれぞれの輸送コストのの差より算出する現在船体部品の材料料となる鋼材は福山港等から海上輸送し八幡幡浜港の造船所を経由して宿毛湾港へ運搬ししているが本プロジェクトの実施により直接宿毛湾港へ海上輸送を行うことが可能となりり輸送の効率化を図ることが可能となる計算の結果年間約 1.5 億円 (H29) の輸送コスト削減便益の発生が見見込まれる 2) 船体部品年間便益額は without 時と with 時におけるそれぞれの輸送コストのの差より算出する本プロジェクト実施ににより宿毛湾港から八幡浜港への輸送コストが削削減される計算の結果年間約 1.2 億円 (H29) の輸送コスト削減便益の発生が見見込まれる ( 写真は造船会社 HP より引用 ) With 時 Without 時福山港等 ( 鋼材企業 ) 1 1 船体ブロックの組立て八幡浜港 ( 組立完成 ) 進水完成 ( イメージ ) 宿毛湾港 ( 船体部品生産 ) 鋼材の運搬鋼材の加工船体を数十個に分けブロックを製造 ( イメージ ) 図 with 時 /without 時の輸送ルート 7

10 3) 木材チップ年間便益額は without 時とwith 時におけるそれぞれの輸送コストの差より算出する本プロジェクト実施により宿毛湾港から三島川之江港への輸送コストが削減される計算の結果年間約 1.2 億円 (H29) の輸送コスト削減便益の発生が見込まれる With 時 Without 時三島川之江港 ( 製紙企業 ) 宿毛湾港荷主木材チップの運搬材料となる原木木材チップの製造図 with 時 /without 時輸送ルート 8

11 (3) 浸水防護便益高知県の西南部に位置する宿毛市は台風の常襲地帯であり過去には平成 9 年の台風 19 号で片島地区 ( 被害軒数不明 ) が床下浸水平成 16 年の台風 16 号で片島地区 (1 軒 ) 大島地区 (9 軒 ) が床下浸水の被害を受けている ( 宿毛市より ) また平成 13 年の台風 11 号においては片島地区の係留施設が浸水した防波堤の整備によって被害発生地区の浸水被害の回避が可能となる池島地区丸島地区新田地区片島地区大島地区池島第 2 防波堤 : 被害発生地区図浸水被害発生箇所平成 13 年台風 11 号片島地区の高潮の状況 9

便益の計測年間便益額は without 時とwith 時におけるそれぞれの浸水被害額の差 (

市街地に浸水被害発生 With 時 : 市街地の浸水被害を回避市街地市街地宿毛湾港宿毛湾港

浸水防護便益 ) の算定海岸事業の費用便益分析指針に基づき高潮の発生確率を考慮し

12 便益の計測年間便益額は without 時とwith 時におけるそれぞれの浸水被害額の差 ( 被害軽減額 ) を便益として計測する本プロジェクトの実施により高潮に対する防護効果が発現し浸水被害を回避することができる計算の結果年間約 1.8 億円 (H29) の浸水被害削減便益の発生が見込まれる Without 時 : 市街地に浸水被害発生 With 時 : 市街地の浸水被害を回避市街地市街地宿毛湾港宿毛湾港台風台風被害発生被害回避この差を便益とする図浸水防護による便益浸水被害軽減期待額 ( 浸水防護便益 ) の算定海岸事業の費用便益分析指針に基づき高潮の発生確率を考慮し防波堤整備による浸水被害軽減期待額を下式によって算定する浸水被害軽減期待額 = without 時の浸水被害額 - with 時の浸水被害額高潮発生確率 10

13 防波堤の整備によって浸水被害が回避可能となる家屋と事業所数は下図に示すとおり家屋 87 棟事業所 30 棟である Without 時地盤高浸水範囲片島地区 : 家屋 : 事業所対象面積 :9.8ha 家屋数 :86 棟事業所数 :23 棟池島地区片島地区大島地区池島第 2 防波堤地盤高浸水範囲大島地区 : 家屋 : 事業所対象面積 :1.5ha 家屋数 :1 棟事業所数 :7 棟 With 時片島地区及び大島地区は浸水被害無し図浸水範囲図 (50 年確率波 ) 11

14 (4) 残存価値 1) 基本的な考え方プロジェクトの供用期間 (50 年 ) の終了とともにその時点で残った資産は清算されると仮定するしたがって残存価値は終了時点で売却すると仮定した際の売却額と考える 2) 残存価値の算出本プロジェクトの実施において残存価値を計上できる施設は防波堤としその残存価値は 7.6 億円となる ⅰ) 防波堤の残存価値の算定式残存価値 =(1-9/10 l/l)a ここで L= 耐用年数 l= 投資再投資後からの年数 ( 使用期間 ) A= 当初価格 ⅱ) 防波堤の残存価値残存価値 =(1-9/10 50 年 /50 年 ) 75.8 億円 = 7.6 億円 ( 割引前 ) 12

15 2.2.3 費用便益分析便益 (B) 輸送コスト削減便益浸水防護便益総額 ( 億円 ) 事業全体現在価値換算後 ( 億円 ) 総額 ( 億円 ) 残事業現在価値換算後 ( 億円 ) 残存価値合計費用 (C) 費用便益比 (B/C) 純現在価値 (NPV) 経済的内部収益率 (EIRR) 注 1) 端数処理のため各項目の金額の和は必ずしも合計とはならない注 2) 費用には事業費 ( 税抜き ) 以外に維持管理費が含まれる注 3) 現在価値換算後の値は社会的割引率 4% 及びデフレータを考慮した基準年における現在価値の値前回評価時からの事業計画の変化を下表に示す項目新規評価時 ( 基準年 H21) 今回再評価時 ( 基準年 H25) 総費用 (C) 51.7 億円 76.7 億円備考 ( 前回再評価時からの変更点 ) 基準年の見直し防波堤の断面見直し及び土質条件の見直し (60 億円 ) (80 億円 ) () 内は維持管理費を除く事業費 ( 税込み ) 総便益 (B) 81.1 億円 99.5 億円基準年の見直し浸水防護効果を考慮鋼材船体部品木材チップ浸水被害回避 35 千トン / 年 35 千トン / 年 20 千トン / 年 - (H26~) 35 千トン / 年 35 千トン / 年 20 千トン / 年 11.3ha (H29~) 費用対効果 (B/C) 注 1) 総費用には事業費 ( 税抜き ) 以外に維持管理費が含まれる鋼材は変化なし船体部品は変化なし木材チップは変化なし浸水防護効果を考慮注 2) 総費用及び総便益は社会的割引率 4% 及びデフレータを考慮した基準年における現在価値の値 13

事業費の見直し防波堤の断面見直し及び土質条件の見直し項目施設費用 (1) 防波堤の断面見直し第 2 防波堤 15 億円 (2) 土質条件の見直し第 2 防波堤 5 億円合計 20 億円 (1) 防波堤の断面見直し防波堤の断面は港湾計画策定時の設計条件を用いて計画していたしかし本事業の実施にあたり新たな気象条件に基づく波浪を設定し

0m 上部コンクリート根固ブロック 2.5(B) 1.6(H) 5.0(L) 被覆ブロック (3t 型 ) 捨石 (200~500kg/ 個 ) -14.00 37.90-18.70 根固ブロック 2.5(B) 1.2(H) 4.0(L) 基礎マウンド被覆石 (1000kg) 通常のケーソン他港例計画時標準断面図 16.10 港外側 5.80 10.30 0.

16 事業費の見直し防波堤の断面見直し及び土質条件の見直し項目施設費用 (1) 防波堤の断面見直し第 2 防波堤 15 億円 (2) 土質条件の見直し第 2 防波堤 5 億円合計 20 億円 (1) 防波堤の断面見直し防波堤の断面は港湾計画策定時の設計条件を用いて計画していたしかし本事業の実施にあたり新たな気象条件に基づく波浪を設定し当該港湾に出入港する船舶の意見に配慮して反射波の抑制に効果のある消波構造を付加して防波堤の断面を見直した事業費変更の主な要因はケーソン規格の大型化基礎マウンドの拡幅などによるものである港外側港内側ケーソン (B) (H) (L) 13.2m 17.0m 19.0m 上部コンクリート根固ブロック 2.5(B) 1.6(H) 5.0(L) 被覆ブロック (3t 型 ) 捨石 (200~500kg/ 個 ) 根固ブロック 2.5(B) 1.2(H) 4.0(L) 基礎マウンド被覆石 (1000kg) 通常のケーソン他港例計画時標準断面図港外側港内側スリットケーソン (B) (H) (L) 16.2m 17.8m 14.5m 上部コンクリートスリットケーソン宿毛湾港根固ブロック 2.5(B) 1.6(H) 5.0(L) 被覆ブロック (3t 型 ) 捨石 (200~500kg/ 個 ) 根固ブロック 2.5(B) 1.2(H) 4.0(L) 基礎マウンド被覆石 (1000kg) 実施時標準断面図 14

17 (2) 土質条件の見直し防波堤の終端部は水深が浅いためケーソンを設置する前に現地盤を浚渫し水深を確保しなければならない当初は近傍の調査結果より砂質土としていた土質が事前調査により中硬岩や硬岩であることが判明し事業費を見直した NO.0 池島第 2 防波堤 NO 咸陽島図調査位置調査箇所当初断面図港外側 +4.1 No380 防波堤法線ケーソン港内側 +3.3 No420 のボーリングデータを採用し土質を設定砂質土軟岩実施時断面図港外側 +4.1 No380 防波堤法線 +3.3 港内側ケーソン中硬岩硬岩

防波堤の整備により港内の静穏度を確保することで旅客船の安全な離着岸が可能となり宿毛市周辺のみならず幡多地域の地域振興へ寄与することができる 10 8 艦船旅客船寄港隻数 ( 隻 ) 6 4 2 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24

18 2.2.4 定性的な効果の把握 (1) 交流機会の損失回避宿毛湾港の周辺には四万十川や足摺岬など全国的な知名度を誇る観光名所が多く宿毛湾港への大型クルーズ船が寄港しておりまた自衛艦の寄港も多い 2009 年のクルーズオブザイヤー 2009 では宿毛湾港高知港の寄港時の対応や客船誘致活動などが評価され高知県が特別賞を受賞しており大型客船の寄港に関する地域の期待は非常に高いしかし防波堤が整備中であるためうねりによるアクシデントが発生し過去には寄港を断念した事例も発生しているそのため防波堤の整備により港内の静穏度を確保することで旅客船の安全な離着岸が可能となり宿毛市周辺のみならず幡多地域の地域振興へ寄与することができる 10 8 艦船旅客船寄港隻数 ( 隻 ) H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 図旅客船及び艦船寄港実績 ( 資料 : 港湾管理者調べ ) 図寄港状況 (2) 住民の安全安心な暮らしの確保宿毛湾港池島地区は高知県の防災拠点港に選定されており災害時の活用が期待されているまた池島地区で平成 24 年 6 月に高知県総合防災訓練が開催されるなど災害時の住民の不安の軽減に繋がっている図背後地での防災訓練の様子 16

19 (3) 雇用所得の増大等防波堤の整備により貨物量の増加や旅客船等の寄港数の増加に寄与することで新たな雇用の創出や所得の増大の経済波及効果が期待される (4) 海難の減少防波堤の整備により港内に静穏な水域が確保されることで豊後水道から高知方面または関西関東方面へ向かう際に難所である足摺岬を荒天により越えることができなくなった場合宿毛湾港で安全な避泊を行うことが可能となり安全性が向上することが期待される (5) 排出ガスの削減防波堤の整備により陸上輸送から海上輸送へ転換することができ排出ガスや沿道騒音の軽減に寄与することができる < 参考 > CO2 削減量 :886 トン -C/ 年 Nox 削減量 : 22 トン / 年 17

20 2.2.5 感度分析の実施社会経済状況の変化を想定し要因別感度分析を実施する (1) 感度分析において変動させる要因変動要因と変動幅は以下のとおりとするただし事業費事業期間の変動幅の設定については残事業分のみを対象にし需要については全体を ±10% 変動させた表感度分析において変動させる要因変動要因変動幅需要基本ケースの ±10% 事業費基本ケースの ±10% 事業期間基本ケースの ±1 年 (2) 感度分析結果感度分析結果は下表のとおり事業全体の投資効率性の評価では需要及び事業費の変動が分析結果に最も大きな影響を及ぼす要因となった残事業の投資効率性の評価では需要及び事業費の変動が大きな影響を及ぼす要因となった事業全体の投資効率性残事業の投資効率性基本ケース感度分析結果需要事業費事業期間基本ケー需要事業費事業期間ス-10% +10% -10% +10% -10% +10% -10% +10% -10% +10% -10% +10% 事業の進捗状況宿毛湾港において港湾利用者の物流の効率化や大型客船などの安全な着岸に対応するため平成 22 年より防波堤の整備に着手した港内の静穏度を確保するためにも防波堤の整備を推進しているところである防波堤の計画総延長は 380mであり平成 25 年末までに 187mが完成の予定である当防波堤の総事業費は 80 億円であり平成 25 年度末までに 50 億円が投資されており進捗状況は62% となる施設名事業費 ( 百万円 ) 平成 21 年平成 22 年平成 23 年平成 24 年平成 25 年平成 26 年 ( 税込み ) 平成 27 年平成 28 年第 2 防波堤 8,000 18

3. 事業の進捗見込みの視点当事業は平成 26 年度以降残事業である防波堤 193m の整備を行い平成 28 年度の完成を目指して事業を推進していく

他港との作業工程を調整し使用する大型作業船を効率よく使用することで船舶の回航にかかるコストの縮減を図る 4.

21 3. 事業の進捗見込みの視点当事業は平成 26 年度以降残事業である防波堤 193m の整備を行い平成 28 年度の完成を目指して事業を推進していく残事業部分 L=193m H24d 末迄 L=89m 完成池島第 2 防波堤 L=380m H25d L=98m 整備予定 2012 年 1 月撮影 4. コスト縮減や代替案立案等の可能性の視点 4.1 コスト縮減への取り組み防波堤築造工事の浚渫により発生する軟岩を背後地の用地造成に流用することによって処分費や運搬費のコスト縮減を図るまた他港との作業工程を調整し使用する大型作業船を効率よく使用することで船舶の回航にかかるコストの縮減を図る 4.2 代替案立案等の可能性本プロジェクトが実施されない場合宿毛湾港内の静穏度が確保されず現在宿毛湾港背後地に立地している造船会社の進出が見込めなかったまた四万十市内の木材チップ製造会社も当該港湾以外の遠方の港湾を利用することは管理等の面から困難であるため陸上輸送を継続せざるを得ないそのため宿毛湾港に防波堤整備プロジェクトを行うことが最も合理的である 19

22 5. 対応方針 ( 原案 ) 1 再評価の視点 (1) 事業の必要性に関する視点事業を巡る社会経済情勢等の変化港湾背後地に造船会社 2 社が進出四万十市の木材チップ製造会社が宿毛湾港から三島川之江港へ海上輸送を計画事業の投資効果防波堤の整備による輸送コストの削減防波堤の整備による浸水被害の軽減交流機会の損失回避住民の安全安心な暮らしの確保雇用所得の増大等海難の減少排出ガスの削減費用便益比 (B/C) 全体事業 :1.3 残事業 :3.2 事業の進捗状況防波堤は平成 22 年に現地着手全体の事業進捗率は 62%( 平成 25 年度末 ) (2) 事業進捗の見込みの視点事業進捗の見込み残事業区間については平成 28 年度の完成を目指している (3) コスト縮減や代替案等の可能性の視点コスト縮減への取組浚渫により発生する軟岩を背後地の用地造成へ流用しコスト縮減を図っている他港との作業工程を調整し大型作業船を効率よく利用しコスト縮減を図っている代替案との可能性宿毛湾港の造船会社は岸壁の背後地で生産活動を行っていることまた四万十市の木材チップ製造会社は製品管理の面から遠方の港を利用することが困難であることから他港への転換は困難であり防波堤の整備を進め静穏度を確保することが最も合理的である 2 地方公共団体の意見高知県知事意見事業継続に異議はありません宿毛湾港は県西部の生産消費活動を支える港湾として重要な役割を担っていますので防波堤を早期に完成させることで港内静穏度を確保し安定利用が図れるようより一層の事業推進をお願いします今後の対応方針 ( 原案 ) 以上のことから宿毛湾港池島地区防波堤整備事業を継続する 20

23 県への意見照会と回答 21

24 22

25 23

26 24

27 費用便益比算出資料 25

28 費用の算定表 ( 事業全体 : 総額 ) 年度施設共用期間初期投資更新投資管理運営費総費用 (C) 輸送コスト削減便益浸水被害軽減便益残存価値総便益 (B) 純便益 (B-C) 合計割引前

29 費用の算定表 ( 事業全体 : 現在価値換算後 ) 年度社会的割引率初期投資更新投資管理運営費総費用 (C) 割引後輸送コスト削減便益浸水被害軽減便益残存価値総便益 (B) 純便益 (B-C) 合計

30 費用の算定表 ( 残事業 : 総額 ) 年度施設共用期間初期投資更新投資管理運営費総費用 (C) 輸送コスト削減便益浸水被害額減便益残存価値総便益 (B) 純便益 (B-C) 合計割引前

31 費用の算定表 ( 残事業 : 現在価値換算後 ) 年度社会的割引率初期投資更新投資管理運営費総費用 (C) 割引後輸送コスト削減便益浸水被害額減便益残存価値総便益 (B) 純便益 (B-C) 合計

32 港湾整備事業事業費等別紙 (1) 事業費原案項目数量全体事業費残事業費 ( 億円 ) ( 億円 ) 工事費基礎工 380 m 本体工 380 m 上部工 380 m 用地費及補償費補償費 1 式間接経費合計港湾請負工事積算基準及び類似事業箇所の実績より算出している四捨五入により端数が合わない場合がある (2) 管理運営費項目数量金額 ( 億円 / 年 ) 管理運営費 1 式 0.01 港湾管理者等へのヒアリングにより算出している 5 年ごとに上記金額を計上 30

目次 1. 宿毛湾港池島地区の概要事業の概要事業の目的再評価の趣旨事業の内容前回評価時 ( 平成 25 年度 ) からの変更点事業費の増額事業期間の延伸.

目次 1. 宿毛湾港池島地区の概要事業の概要事業の目的再評価の趣旨事業の内容前回評価時 ( 平成 25 年度 ) からの変更点事業費の増額事業期間の延伸. 資料 -5 平成 27 年度第 3 回四国地方整備局事業評価監視委員会資料宿毛湾港池島地区防波堤整備事業事業再評価平成 27 年 12 月 8 日国土交通省四国地方整備局目次 1. 宿毛湾港池島地区の概要... 1 2. 事業の概要... 2 2.1 事業の目的... 2 2.2 再評価の趣旨... 2 2.3 事業の内容... 2 2.4 前回評価時 ( 平成 25 年度 ) からの変更点...

宿毛湾港池島地区防波堤整備事業 - 目次 - 1. 事業の概要 宿毛湾港の概要 宿毛湾港の経緯 事業の目的及び規模 事業の必要性に関する視点 事業を巡る社会経済情勢等の変化 前提となっている需要見込

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