講義 信頼度の推定と立証 内容. 点推定と区間推定. 指数分布の点推定 区間推定 3. 指数分布 正規分布の信頼度推定 担当 : 倉敷哲生 ( ビジネスエンジニアリング専攻 )
統計的推測 標本から得られる情報を基に 母集団に関する結論の導出が目的 測定値 x x x 3 : x 母集団 (populaio) 母集団の特性値 統計的推測 標本 (sample) 標本の特性値 分布のパラメータ ( 母数 ) は推定値 計算で得られた信頼度もまた推定値
3 信頼度の推定 点推定 未知の信頼度そのものの値を推定. ある一点に絞るとき 何故その点にするのか判断の根拠が大切. 最もよく用いられる手法の一つが最尤推定法 区間推定 信頼度が存在すると考えられる範囲を推定. 投網 の網目が細かいか 穴が空いていないか 投げ方などの使い方が重要. 片側区間推定 両側区間推定の方法がある.
4 点推定の判断基準 不偏性 一致性 標本数 が大きくなると と との距離 が 0 になる. 標本平均を とすれば 母数との関係は E[ ] 有効性 不偏性を示すもので 平方誤差の 期待値 E[( ) ] が最小である.
5 最尤推定法 最尤推定法 (mehod of maximum likelihood) 現実の標本は確率最大のものが実現した という原理に基づいた推定法. 成功確率が p のベルヌーイ試行の標本について { 成功 失敗 成功 成功 成功 } が与えられた場合 この標本が得られる確率 ( 尤度 ) は L( p) p 4 ( p)
6 最尤推定法 L( p) 4 p ( p) のグラフ 最尤推定量は L(p) を最大にする p0.8
7 最尤推定法最尤推定法 (mehod of maximum likelihood) パラメータを変化させて 得られたデータが起こる確率が最も大きくなる値を求め それを推定値とする方法. パラメータをとする確率密度関数は次式となる. m ) ( m x f i m i m m i m x f x f x f x L ) ( ) ( ) ( ) ( 個の標本 (x x ) に関して 尤度関数 (likelihood fucio) を定義. 最尤推定法では尤度関数を最大にするパラメータを決定.
8 最尤推定法の例 例題 個の製品に対して寿命試験を行い 得られたデータを昇順に並べたものを. とする. 指数分布を考え 寿命の密度関数を f ( ) exp( ) exp で示した場合 の推定値を最尤推定法で求めよ. 尤度関数は次式で示される. L( ) i exp exp i i 最尤推定値 は L / 0 より (l L) / 0 l L l i l i i i ( 対数尤度関数 ) (l L) + 0 i i i i 平均寿命を示す
9 指数分布の点推定 例題 個の製品に対して寿命試験を行い 得られたデータを昇順に並べたものを. とする. 指数分布を考え 寿命の密度関数を f ( ) exp( ) exp で示した場合 信頼度 R を点推定により求めよ. 信頼度 R は次式となる. R( ) F( ) exp( ) exp exp( ) d exp i i
0 信頼度の区間推定 区間推定 ある区間 に真の信頼度の値が入ることが一定の確率 (95% や 99%) 以上となるように 区間の上限と下限の限界点の推定量を求める方法. () 推定する区間の幅 ( 真の信頼度がその区間に含まれる可能性 ) () 区間の定め方 (3) 推定区間に含まれる確率の計算法に注意する必要がある.
信頼度の片側信頼下限 片側信頼下限 RL 十分高い確率 で 真の信頼度 R よりも低い値となるような推定値 Pr[ R L R] を信頼水準 (cofidece level) 信頼係数 信頼率という. 信頼水準としては 0.90 0.95 0.99 などを用いることが多い. RL はデータに依存して変動する量 真の信頼度より低めの ( 控え目の ) 推定値を与える 信頼度の片側信頼下限 R L 確率
片側信頼上限と両側区間推定 片側信頼上限 RU 十分高い確率 で 真の信頼度 R よりも高い値となるような推定値 両側区間推定 Pr[ R Pr[ R L R ] U 十分高い確率 で 真の信頼度 R をその中に含むような区間 [ R L R U ] を求める. R R ] U Pr[ R L R] と Pr[ R R U ] が等しくなるようにし を / で置き換えた R を区間の両端とすることが多い. L R U R L R U の分布 / /
3 指数分布の区間推定 例題 個の製品に対して寿命試験を行い 得られたデータを昇順に並べたものを. とする. 指数分布を考え 寿命の密度関数を f ( ) exp( ) exp で示した場合 信頼度の片側信頼下限 RL を求めよ. T + + + f ( T ) は次のガンマ分布に従う. ( T ) T exp u T / の変数変換を行えば uの密度関数 g ( u) du f ( T ) dt より g( u) ( ) u exp u この式をカイ二乗分布の密度関数と比較.
4 ガンマ分布 ある事象がポアソン過程に従う場合 事象が m 回発生するまでの時間はガンマ分布に従う. ガンマ分布の密度関数 f ( ) ( ) exp ポアソン過程 事象がランダムに発生し 任意の時間 ( または空間 ) 区間での事象の発生は他の区間に対して独立であり 区間の幅の大きさに従って発生確率は比例する. 銀行の窓口に到着する客の人数など の場合 標準ガンマ分布 f ( ) ( ) e 指数分布 / の場合 指数分布
5 カイ二乗分布とは 母集団が正規分布に従うと仮定 x x x 3 : x 標準正規分布 N(0 ) に従う確率変数 Z に対して Z の 乗の値を記録. ( 標準正規分布 ) c 分布 正規母集団 標本 3 c 分布の密度関数 正規分布に従う変数の平均および分散の計算 4 5 正規分布を加えたり 乗することを意味する. 個の c 分布の和 Z + Z は自由度 の c 分布. + Z
6 指数分布の区間推定 c 分布の密度関数 c c g( c ;) ( ) exp g( c ;) 自由度 の c 分布 c a + a + + a ai は標準正規分布 N(0) に従う c u T / / u g( u) ( ) は自由度 の c 分布に従う. u exp g(u) 自由度 の c 分布 Pr c () 信頼水準 - c () 確率 u
7 指数分布の区間推定 c ) ( Pr g(u) 自由度 の c 分布確率 - c () u c c c exp ) ( exp Pr ) ( Pr ) ( Pr 真の信頼度 T R L ) ( exp ) ( exp c c 片側信頼下限
8 指数分布の区間推定 例題 個の製品に対して寿命試験を行い 得られたデータを昇順に並べたものを. とする. 指数分布を考え 寿命の密度関数を f ( ) exp( ) exp で示した場合 信頼度の片側信頼下限 RL を求めよ. RL はデータに依存して変動する量 Pr R L exp - 確率 R L exp c () 信頼度の片側信頼下限 RL ガンマ分布 カイ二乗分布
9 指数分布の信頼度推定 例題 3 次の寿命データについて指数分布を考え 点推定により 0hr における信頼度を求めよ. 同様に 0hr において信頼水準 90% 95% 99% に対する片側信頼下限を推定せよ. 3.4 8.8 5.0 9.5 7.0 (hr) c 分布表 自由度
0 正規分布の信頼度の点推定 例題 4 個の製品に対して強度試験を行い 得られたデータを昇順に並べたものを. とする. 母集団が正規分布に従う場合 信頼度を点推定により求めよ. 母集団が正規分布に従う場合の密度関数および標準正規分布関数 f ( ) exp ( x ) u u ( u) exp du 平均値と標準偏差を最尤推定法により求めれば x i i R ( x i ) i したがって 信頼度の最尤推定値は次式となる.
正規分布の信頼度の片側信頼下限 例題 5 個の製品に対して強度試験を行い 得られたデータを昇順に並べたものを. とする. 母集団が正規分布に従い その分散は既知だが 平均が未知である場合 信頼度の片側信頼下限を推定せよ.
標本平均の平均値と分散 正規母集団 個の標本を抽出 既知 既知 ( 平均値 分散 ) X X. X (X X. X は独立とする ) 個々の X X. X は母集団の平均 分散に従う. E ( X 標本平均 ) E( X ) E( X ) X の平均値 E(X ) ( X ) ( X ( X ) ) X + + + ( ) X X E X E E ( X) + E( X ) + + E( X ) ( ) 標本平均 X の分散 ( X ) X + X + + X ( X ) ( X) + ( X ) + + ( X ) ( ) 正規分布 N( ) の母集団から独立に抽出された 個の標本の平均は正規分布 N( / ) に従う.
3 母分散 母平均の区間推定 正規母集団 個の標本を抽出 既知 既知 ( 平均値 分散 ) X X. X (X X. X は独立とする ) 母平均が未知 母分散が既知の場合 母平均の区間推定 標本平均 母分散を用いて 標準正規分布表より区間推定 母平均が未知 母分散が未知の場合 母平均の区間推定 標本平均 標本不偏分散を用いて 分布表より区間推定 母平均が未知の場合 母分散の区間推定 c 分布表より区間推定
4 母分散が既知の場合 母平均の片側区間推定 z / Pr z / 標本平均を用いる! は標準正規分布 N(0 ) に従う. Pr z (z は N(0 ) の上側 00 % 点 ) 密度関数 分布関数 z f ( z) exp z ( z) f ( ) d f (z) - 0 z 個の標本の平均は正規分布 N( / ) に従う. 確率 z 式変形 Pr ( ) z Pr + z
5 母分散が既知の場合 母平均の片側区間推定 + Pr z 標準正規分布関数 (u) は u の単調増加関数なので + Pr z + Pr z 真の信頼度片側信頼下限 + z R L
6 正規分布の信頼度の片側信頼下限 例題 6 0 個の鉄鋼部材に強度試験を行い 次のデータが得られたとする. 458 480 485 488 496 505 508 59 5 539 (MPa) 母集団が正規分布に従い その平均値は未知だが 標準偏差は既知で 0.0(MPa) とする. この部材に 450MPa の応力が作用した際 信頼水準 95% に対する信頼度の片側信頼下限を推定せよ. 片側信頼下限 R L + z R L 450 500.645 + 0 0 (.980) 0.04 0.976 (u) (u) 標準正規分布表 u u ( ) exp u u du