算数科第 2 学年坂町立小屋浦小学校指導者谷川富美子 単元名 見つけよう! 新しい計算 かけ算 (1) 本単元で育成する資質 能力課題発見 解決力主体性 積極性 1 単元について (1) 児童観本学級の意識調査の結果算数アンケート 肯定的否定的評価評価 (%) (%) 算数科の授業は楽しい 100 0 授業では, 解決しようとする課題について, たぶんこうではないか こうすればできるのではないか と予想しています 88 12 授業では, 友達と話し合うなどして, 自分の考えを深めたり, 広げたりしています 77 23 学習のふりかえりをするときには, もっと考えてみたいこと もっと調べてみた いこと もっと工夫してみたいこと などを考えています 88 12 意識調査から, どの児童も 算数の授業は楽しい と答えており, 問題が解けるようになりたい と思っている しかし協働学習による学び合いが, つながり 広がり といった深い学びには至っていないと思われる 日頃の学習において, 考え方を説明する場面では, 自分の考えに自信がもてないため, 発表することが難しい児童もいる 本学級の児童の実態を把握するため以下のレディネステストを行った レかきが, かごに2こずつ入っています ぜんぶでかごは,5つあります かきは, ぜんぶでなんこありますか 昨年から取り組んでいる家庭学習では 復習 予習 活用 の中から選んで行っている 昨年度までは, 復習 が中心だったが,2 年生になり, 予習 活用 にも積極的に取り組んでいる 予習をしていたので, よく分かりました お父さんに教えてもらったので, できました など振り返りでの記述が見られ, 予習 の良さに少しずつ気付き始め, 必要性を感じている児童が増えてきた (2) 単元観 本単元は, 小学校学習指導要領算数第 2 学年の内容 A 数と計算 (3) 乗法の意味につい て理解し, それを用いることができるようにする ア乗法が用いられる場合について知ること
イ乗法に関して成り立つ簡単な性質を調べ, それを乗法九九を構成したり計算の確かめをしたりすることに生かすこと ウ乗法九九について知り,1 位数と1 位数との乗法の計算が確実にできること また, 内容 D 数量関係 (2) 乗法が用いられる場面を式に表したり, 式を読み取ったりすることができるようにする に位置づけられている そのため, 本単元では, 乗法九九の表を構成したり, 観察したりして, 計算の性質やきまりを見いだしたり, 乗法が用いられる場面から式に表したりするなど, 課題を発見 解決する力を育てることができる また, 既習したことを基に, 生活や学習で進んで活用する力もつけることが期待できる (3) 指導観指導に当たっては, 一つ分の数の幾つ分かで, 乗法によって総数をとらえるという意識を付けるようにしたい そのため, 第 1 学年で学習した 10 がいくつで何十 という数の理解を基に,10 のまとまりをつくりその数を数えて総数を求めたり,2 とびや5とびで総数を求めたりするなど, ものの総数を求めるといった乗法の素地的な考えを, さまざまな場面で活用しながら学習を進めていきたい 乗法が用いられる場面とその意味を理解させるため, ものの全体の個数を把握するには, 一つ分の数に着目し, それをひとまとまりとみて, その幾つ分ととらえることを大切にしたい 乗法の場面を絵やアレイ図, また, ブロックなどの半具体物で表すことで, 一つ分の数に着目したり, その幾つ分ととらえたりすることを繰り返し行い, 確実に定着させるようにしたい 乗法九九を構成し, 被乗数 乗数と積の関係を考えさせる場面では, 乗数が1 増えれば, 積は被乗数分だけ増える という性質や, 乗法についても交換法則が成り立つことについて気付かせたい その際, 同じ数ずつ増える事が, 視覚的に理解できるようにブロック図をかかせたり, そのブロック図から, 式や言葉を用いて説明したりする活動を大切にしていく 本単元の最後では, 問題作りや式に表現する活動を行い, 乗法の用いられる場面をとらえ, 言葉や式で説明することで乗法九九への理解を深めるようにしたい 家庭学習については, 学校で学習した乗法九九を構成する過程で, 積の増え方や乗数と積の関係などを絵図や式に表す活動を基に, 生活場面で計算の性質やきまりを見つける活動を行わせるようにする そして, その活動を通して自ら見出した乗法のきまりを使って, さらに新たな課題を解決させていけるようにしたい
2 本単元の学習の関連と発展 第 1 学年 第 2 学年 第 3 学年 6 10 よりおおきいかず 15 おおきいかず 2 ずつ,5 ずつまとめて数えること 数の構成に基づく数の数え方 11 かけ算 (1) 乗法の意味と記号 倍の意味 5,2,3,4 の段の九九の構成, 暗唱と適用 乗数と積の大きさ かけ算 (2) 6,7,8,9,1 の段の九九の構成, 暗唱と適用 乗法について成り立つ性質 ( 交換法則, 分配法則 ) 倍の意味理解 簡単な 2 位数 1 位数 九九表のきまり 1 かけ算 分配法則, 交換法則の活用 a, a 0 のかけ算 4 わり算 除法の意味と記号 九九 1 回適用の除法 9 かけ算の筆算 (1) 何十, 何百 1 位数の計算 2,3 位数 1 位数の計算 結合法則 倍の計算 ( 第一, 第二用法 ) 16 かけ算の筆算 (2) 1,2 位数 何十の計算 2,3 位数 1 位数の計算 乗法計算の工夫 倍の計算 ( 第三用法 ) 2,3 位数 1 位数の暗算 3 単元の目標 乗法の意味について理解し, それを用いることができるようにする A(3) 4 単元の評価規準 算数への関心 意欲 態度 数学的な考え方 数量や図形についての技能 数量や図形についての知識 理解 乗法のよさに気付き, ものの全体の個数をとらえるときに乗法を用いようとする 累加の考えや乗数と積の関係などを基に, 乗法九九の構成の仕方を考え表現することができる 乗法が用いられる場面を絵や図, 言葉, 式に表すことができる 1 位数と1 位数との乗法の計算が確実にできる 乗法は, 一つ分の大きさが決まっているときに, そのいくつ分かに当たる大きさを求める場合に用いられることを理解できる 5 本単元において育成しようとする資質能力とのかかわり 自分のよさを知り, 自分の考えをもち, 進んで学び合う児童 ( ゴールの児童の姿 ) スキル 課題発見 解決力 1 既習の知識や経験を結びつけ, もの全体の個数を1つ分の数の幾つ分ととらえるよさに気付き, 解決の見通しをもつ 2 算数的活動を通して, 一つ分の数の幾つ分という乗法の意味を考えたり, 身の回りから九九を発見したりし, 九九の構成や乗法のきまりを解決することができる 意欲 態度 主体性 積極性 1 乗法のよさに気付き, 身の回りにある全体の個数をとらえる時に乗法の意味や九九の構成を進んで活用しようとする
6 本単元のICEモデル 考え 基礎知識 五の段までのかけ算九九ができる かけ算九九のきまりを理解している つながり 同じ数ずつのいくつ分を求める場合など, 解決に必要な情報を集め, 課題を解決することができる 応用 ひろがり 日常生活の中でかけ算を活用して課題を解決することができる 7 指導と評価の計画 ( 全 25 時間, 本時 8/25 時間 ) 時間 かけ算 ( 9 ) 課題の設定 情報の収集 学習内容 家庭学習の内容 一つ分の数, 幾つ分をとらえよ うとする 一つ分の数の幾つ分で 全体の 数 になることをとらえられる ようになる 予習 一つ分の数, 幾つ分の関係の場 合に乗法が用いられることを 関考技知 知り, 乗法の意味を理解する 乗法の式に表す活動を充実さ せ, 乗法の意味理解を深める 予習 評価 資質 能力 評価規準 ( 評価方法 ) スキル1 ものの全体の個数を一つ分の数の 幾つ分ととらえるとよいことに 気付き, 数えようとしている ( 発言 態度 ) 数量を一つ分の数の幾つ分ととら え, 説明している スキル 2 ( 発言 ノート ) 一つ分の数の幾つ分と乗法の意味 と九九の構成や乗法のきまりを 理解している ( 観察 ノート ) 具体物のまとまりに着目して, 乗 法の式に表すことができる ( 発言 ノート ) 整理 分析 乗法の場面をおはじきや式で表す活動を通して, 乗法の意味の理解を確実にすることができる 乗法の答えは被乗数を乗数の数だけ累加して求められることを理解する 倍の意味を知り, ある量の何倍かにあたる量を求めるときも乗法を用いることを理解する スキル1 乗法が用いられている場面をおはじきや式で表すことができる 乗法の答えは, 被乗数を乗数の数だけ累加して求められることを理解している 倍の意味を知り, ある量の何倍かにあたる量を求めるときもかけ算を用いることを理解している ( ノート 発言 )
身の回りから, 乗法が用いられ スキル 2 る場面を見付け出し, 言葉や 身の回りから, 乗法が用いられる 創造 表現 式, ブロック図などで考え方を説明することができる ( 本時 ) 予習 学習内容を適用して問題を解決することができる 復習 場面を見付け出し, 言葉や式, ブロック図で考え方を説明している ( 行動観察 ワークシート 発言 ) 価値観 倫理観 学習内容を適用して, 問題を解決することができる 5 の段の九九の構成の仕方を 5 の段の九九を構成することがで 理解する 予習 きる 5 のだん, 2 のだんの九九 ( 6 ) 整理 分析 5の段の九九を確実に唱え, 適用することができる 5の段の九九を用いて問題解決をする 復習 2の段の九九の成り立つ性質を調べ, 構成の仕方を考える 予習 2の段の九九を確実に唱え, 適用することができる 5 の段の九九を確実に唱えることができる ( ノート 発言 ) 5の段の九九を用いて, 問題を解決することができる 2 の段の九九を構成の仕方を乗法の成り立つ性質を見付け説明する 2 の段の九九を確実に唱えることができる ( ノート 発言 ) 2 の段の九九を用いて問題を 2 の段の九九を用いて, 問題を解 解決することができる 復習 決することができる 3 の段の九九の成り立つ性質 3 の段の九九を構成の仕方を乗法 3 のだん, 4 のだんの九九 ( 7 ) 整理 分析 を調べ, 構成の仕方を考える 予習 3の段の九九を確実に唱え, 適 用することができる 3の段の九九を用いて問題を 解決することができる 復習 4の段の九九の成り立つ性質 を調べ, 構成の仕方を考える 予習 の成り立つ性質を見付け説明する 3 の段の九九を確実に唱えることができる ( ノート 発言 ) 3の段の九九を用いて, 問題を解決することができる 4 の段の九九を構成の仕方を乗法の成り立つ性質を見付け説明する 4の段の九九を確実に唱え, 適用することができる 4 の段の九九を確実に唱えることができる ( ノート 発言 )
まとめ ( 3 ) 創造 まとめ 表現 振り返り 4の段の九九を用いて問題を解決することができる 復習 問題づくりによる, 式の読みや 式に表現することを通して, 5,2,3,4 の段の理解を深 める 学習内容を適用して問題を解 決する 学習内容を適応して問題を解 決する パフォーマンス課題 学習内容の定着を確認し, 理解 を確実にする 4の段の九九を用いて, 問題を解決することができる 意欲 態度 2 乗法の用いられる場面をとらえ, 言葉や式で説明している 価値観 倫理観 学習内容を適用して, 問題を解決することができる 意欲 態度 2 乗法の用いられる場面をとらえ, 言葉や式で説明している 基本的な学習内容を身に付けている 8 パフォーマンス課題とルーブリック パフォー マンス課題 お友だち 5 人でお楽しみかいをするので, おかしをよういすることになりました 評価 ( ルーブリック ) いろいろなおかしをよういしようとおもいます あなたなら, どんなおかしをいくつずつよういしますか かけ算のしきをつかって, 考えてね スキル 意欲 態度 A 図, 式, 説明を適切に表している 自分の考えを友達に進んで説明するとともに, 友達の考えとの類似点, 相違点について考えよ うとし, そのよさを実感している B 図, 式は適切に表しているが, 説明が不十分 自分の考えを友達に進んで説明している また, 友達の考えを聞こうとしている C 図か式だけで表している 自分の考えは説明できないが, 友達の考えを聞 D 無回答, かけ算の式で考えられていない 無回答 9 本時の学習 (1) 本時の目標 こうとしている また, その逆である 身の回りから, 乗法が用いられる場面を見付け出し, 言葉や式, 図などで考え方を説明する ことができる ( 数学的な考え方 ) (2) 本時の評価基準 A 身の回りから, 乗法が用いられる場面を見付け出し, 算数用語を使いながら, 言葉や式,
ブロック図などで考え方を分かりやすく説明することができる B 身の回りから, 乗法が用いられる場面を見付け出し, 言葉や式, ブロック図で説明して いる (3) 本時の展開 シ 1 ス授テ業ム 1 2 3 サ学イびクのル 学習内容 1 課題を発見する (1) 見付けてきたかけ算の式 なる場面を発表する (2) 気づきを発表する 同じ数がならんでいる 同じ数をまとめるといい ばいであらわせる 指導上の留意点 ( ) 教科の評価規準 ( ) 配慮を要する児童への支援 ( ) ( 評価方法 ) 資質 能力 ( ) 自主学習 3 予習 で, 気付 いたことを発表させる どのような場面がかけ算の式 になるか, 交流する 4 5 つかむ 見通す (3) 学習課題を知る学校の中で, かけ算のしきになるばめんをさがしましょう (4) めあてを確認する かけ算のしきになるばめんを見つけ, 算数ことばをつかってせつめいしよう 6 7 8 考える 学び合い まとめる 2 自力解決をする かけ算ことばを使って表現 かけ算の式になる場面を見しやすいように, キーワード付け, 絵や図, 言葉で表す を示す 1つ分の数いくつ分の数ぜんぶの数 3 集団解決をする かけ算になる条件を説明が出 できたワークシートを見合来るようグループトークでにい言葉や式を交流しあう する 見付けたかけ算の場面を式やかけ算ことばを使い考え方を説明させる 4 学習のまとめをする かけ算のしきであらわすには, 同じ数のまとまりで, 1つ分の数 と いくつ分の数 を見つけることができればよい 意欲 態度 1 身の回りから, 乗法が用いられる場面を見付け出し, 言葉や式, ブロック図で考え方を説明している ( 行動観察 ワークシート 発言 )
9 ふりかえる 5 ふりかえりをかく 友達の説明のよさについて 家庭学習について予想できる児童のふりかえり さんの見つけたかけ算のしきはおもしろかったので, わたしも, もっとさがしてみようと思います くんのせつめいは, とてもわかりやすかったです 10 準備物 ワークシート 11 板書計画 めあて 考え方 まとめ 学校の中で, かけ算のしきになるばめんをさがしましょう 問題 かけ算のしきになるばめんを見つけ, 算数ことばをつかってせつめいしょう A 児 C 児 B 児 かけ算のしきであらわすには, 同じ数のまとまりで, 一つ分の数 と いくつ分の数 を見つけることができればよい 見通し ふりかえり 同じ数がならんでいる 同じ数でまとめるといい ばいであらわせる