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エージェントベースドシミュレーションによる店舗内回遊モデル構築に関する研究 大阪府立大学 現代システム科学域 知識情報システム学類石丸悠太郎 指導教員 森田裕之

背景 顧客の店舗内回遊シミュレーションは 店舗内でのプロモーションや商品配置の影響を実施する前に結果を予測することが可能となるため 実施前に効果を確認することでコストや時間を削減することができる 従来は 購買履歴やアンケート結果を用いたモデルを行わざるを得なかったため 実際の移動を厳密に再現するという点で課題が存在していた 近年 IoT の発達により ブルートゥースビーコンによって発信された電波と カートなどにスマートディバイスを搭載することで カートの店舗内位置を時系列で記録することが可能となり 顧客のリアルタイムの位置データの自動取得が可能となった 本研究では このように取得されたデータを利用して店舗内回遊モデルを作成し 従来のモデルよりもより現実の移動に近いエージェントベースシミュレーションを実行して 実際の移動位置数の分布と比較することでその性能を評価を行った

目的 実際に取得された顧客の移動データを用いたモデルの作成と そのモデルに基づくエージェントベースドシミュレーションの実行 手順 : 1. 店舗内位置のグラフ化 2. エージェントの遷移確率計算の比較実験 3. 考察 4. 本研究での提案手法の説明 5. モデルの評価

店舗内位置のグラフ化 シミュレーション上で店舗内の移動を再現するため 店舗内の各エリアをノードとして表現し それに隣接していて かつ移動可能な接続をエッジで表現することで店舗内位置のグラフ化を行った 店舗内エリアのグラフ変換の例 変換後の店舗内グラフ A D G B E H C F I ただし 店舗内グラフでは 見やすいようにエッジは省略し また長方形は店舗内の棚などの移動不可能な領域を示している

エージェントの遷移確率計算の比較実験 当初は前述の店舗内位置グラフの隣接しているノード間の遷移確率をデータから算出してエージェントに与えれば 各ノードでその遷移確率に従って自律的に移動し 全体の移動を再現できると考えていた しかし予備実験からはあまり良好な結果が得られなかったため 単に全体の移動履歴データからノード間の遷移確率を算出した遷移確率 ( 以下 全体の遷移確率 ) と 移動の直前にいたノードから侵入したことを条件として付加した遷移確率 ( 以下 条件付き遷移確率 ) の 2 種類の遷移確率を算出し エージェントに与えてシミュレーションを実行した場合の違いについて比較を行った 隣接するノード間の遷移確率をデータ全体から計算した確率 A1 B1 A2 B2 A3 B3 A1 B1 A2 B2 A3 B3 全体の遷移確率に 直前位置ノードからの侵入を条件として与え それと一致するデータのみを用いて計算した確率

シミュレーションの設定 使用ソフト :S 4 simulator エージェントの設定 歩行者の半径 : 平均 0.3m, 標準偏差 0.1 の正規分布に従う 体重 : 平均 50kg, 標準偏差 10 の正規分布に従う 来店確率 : 平均 340 秒の指数分布に従う 全体の設定 実データと揃えて分析しやすくするためにエージェントの生成数は 39936 とした エージェントが店舗内を無限に回遊することを避けるため最大移動ノード数は 500 とした シードの異なる 5 回の平均を結果とした

S 4 での店舗内での顧客の移動 ( 条件付き遷移確率を利用した場合 ) 開始から 30 秒後 開始から 1 分後 動きを見るときに 340 秒に一人では次のエージェントがなかなか入店しないので来店間隔を 15 秒に一人としている

S 4 での店舗内での顧客の移動 ( 条件付き遷移確率を利用した場合 ) 開始から 1 分半後 開始から 2 分後 開始から 2 分半後

シミュレーションの結果 シミュレーションの結果 エージェントが実際に移動したノード数と 実際のデータにおける顧客の移動ノード数を階級幅 10 のヒストグラムで比較 全体の遷移確率は 最終的に収束に至らない ( レジに到着できない ) 場合が多いため ヒストグラムの右端の度数が大きくなっている また逆に 入り口から買い物を開始して 短期間でレジに到着するケースも多いため 左端の度数も大きくなっている

考察 移動ノード数の分布評価するためにエージェント当たりのカイ二乗値を計算 結果としてはどの階級幅でも条件付き遷移確率を利用するほうが良いことが確認できた 改善理由 条件を付与したことで顧客の移動における慣性を表現できるようになったため 全体の遷移確率を利用した場合の前述の問題点が部分的に解消された 残っている問題点 エージェントの入店後の早期退店 エージェントによる隣接エリア間の多重巡回 問題解決のため マクロ的な視点をエージェントに持たせる必要性があると考えた 階級

本研究での提案手法 移動目標への補正をかけた条件付き遷移確率を用いた顧客移動モデル それぞれ与えられた遷移確率で次の点へ移動 2 1 3 次 4 5 目 3 設定したエリア エージェントが次に移動可能なエリア 次 現 次 1 2 エージェントが現在地点 アイディアのイメージ 条件付き遷移確率でのマクロな移動方向の取り込みを行うため 目標エリアをランダムにエージェントに与え その目標エリアと現在地点とのギャップから遷移確率の修正を行う

今回提案する手法 1. 目的エリア (o) と現在地点 (i) から次に遷移するノード (j) までの最短距離 (d jo ) をダイクストラ法を使用して算出 2. d jo が小さなほうが大きな確率になる つまり目的エリアに近いほうが目的エリアに移動する高い確率が大きくなるようにすべきと考えたため 1/d jo を i から j へ移動する方向への修正確率とする 3. 元の i から j へ条件付き遷移確率を p ij とすると p ij と 1/d jo に一定の重みをかけて線形加重和をとることで修正した遷移確率 ( q ij ) とする 修正した遷移確率 2 3 4 5 目 q ij = w 1 p ij + w 2 1/d jo 1 次 3 ただしここでは w 1 =0.5, w 2 =0.5 とする 次 現 次 1 2 ダイクストラ法 :6 ダイクストラ法 :4

目的地点の設定 今回の店舗は 21 種類のブロック分けがされている 青果 惣菜 精肉 ソフトドリンク 薬 日用雑貨など ブロックをランダムに選択してからそこに含まれるノードをランダムに選択し目的地点とした 今回の実験では目的地を一か所 その目的地点に到達後はレジを目的地点とする それ以外の設定は前述の予備実験と同じに設定している

S 4 での店舗内での顧客の移動 ( 修正した遷移確率を利用した場合 ) 開始から 30 秒後 開始から 1 分後 動きを見るときに 340 秒に一人では次のエージェントがなかなか入店しないので来店間隔を 15 秒に一人としている

S 4 での店舗内での顧客の移動 ( 修正した遷移確率を利用した場合 ) 開始から 1 分半後 開始から 2 分後 開始から 2 分半後

移動した実際の人数 移動したエージェント数 シミュレーションの結果 以下の図はそれぞれの移動ノード数のヒストグラムであり階級幅は 10 である 実際のデータのヒストグラム 条件付き遷移確率と修正した遷移確率のヒストグラム 4000 3500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 0 20 40 60 80 100120140160180200220240260280300320340360380400420440460480500 0 0 20 40 60 80 100120140160180200220240260280300320340360380400420440460480500 移動したノード数の階数 移動したノード数の階数 移動ノード数 条件付き遷移確率の移動ノード数 修正した遷移確率の移動ノード数

カイ二乗値 / データ数 (39936) 考察 予備実験同様にカイ二乗値による評価では修正した遷移確率を用いたことで 条件付き遷移確率より 誤差が改善できていることがわかる 特に 分布のテイルのほうの度数を 目標地点としてレジを指定したことで改善できたことも影響していると思われる ただし最初の目的地点をランダムに与えたため 入り口から近くに設定した場合 レジへの短距離移動を可能にしてしまったため 全ページの分布の左側の度数を増加させてしまったように思われる 階級別のカイ二乗値をデータ個数で割ったもの 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 0.50 0.00 10 20 30 40 条件付き遷移確率 3.71 3.37 2.99 2.96 修正した遷移確率 1.92 1.73 1.51 1.39 階級

まとめと今後の課題 店舗内の実移動履歴データをベースとして 顧客の移動を再現するモデルを提案し エージェントベースドシミュレーションによってその有効性を確認した モデルでは 単純にデータから遷移確率を計算するだけでなく 移動前の位置からの侵入を条件とした遷移確率を計算するとともに 目的地点を顧客に与えることで ミクロ的な遷移確率の動きだけでなく マクロ的な顧客の移動をモデルに取り入れることができた シミュレーション結果として 提案モデルが 全体の遷移確率や 条件付き背に確率の場合と比較してもよい結果であることを示した 今後の課題 目的地点を顧客の履歴データから適切な数選択するとともに その巡回順を再現することをモデルに取り入れる必要がある q ij = w 1 p ij + w 2 1/d jo における w 1 =w 2 =0.5 として計算したが 現実には w 1 <w 2 であるように思われる これは今後実験を重ねながら より良いウェイトを検討したい

参考文献 [1] 山田健司 阿部武彦 木下春彦 (2005) 計画 非計画購買者を考慮した店舗内陣流シミュレーション, 2005 年度人工知能学会全国大会論文集 [2] 豊嶋伊知郎, 小磯貴司, 吉田琢史, 服部可奈子, 今崎直樹 : ユビキタス情報に基づく店舗内回遊モデル : 社団法人情報処理学会, 研究報告書,2005 年 3 月 15 日