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臨床血液 54:10 髄腫へ移行するリスクが高く, 厳重な血液学的経過観察の必要性が指摘されている 10, 11) 一方で, 腎障害の観点からの経過観察の重要性は, あまり認識されてこなかった この要因の一つとして,2003 年の IMWG 診断基 3) 準で, 先に述べたような腎機能低下の定義上の問題点があったと考えられる 最近のイタリアの単一施設による MGUS 174 例の平均約 3 年間の追跡調査では,22 例 (12.6%) に腎機能低下の進行や蛋白尿の増加を認め,1 例では組織学的に Randall 型 MIDD と確認された 12) この追跡調査中に,14 例 (8%) が骨髄腫へと進展したが, 腎障害をきたす例はそれ以上の頻度であることが明らかになった 12) この追跡調査結果は,MGUS の診断と経過観察には,eGFR に加えて蛋白尿にも注意を払う重要性を示している MGUS が症候性の病態に移行する機序として, 形質細胞の異常増殖の進展と,M 蛋白沈着による臓器障害の進展が挙げられる 13) 前者により, くすぶり型骨髄腫, 骨髄腫へと移行し, 後者により, アミロイドーシスや Randall 型 MIDD など種々の臓器障害を呈する 腎臓は主要な標的臓器であり,MGUS の経過中に腎障害を呈した際の疾患概念として,monoclonal gammopathy of renal significance(mgrs) の呼称が最近提唱された 14) MGRS では, 異常形質細胞の増殖性に乏しくても, 組織沈着性の強い M 蛋白を産生する dangerous small B-cell clone の存在が想定され 15), 早期の治療介入の重要性が指摘されている 14) 以上のように, 形質細胞腫瘍の概念は変遷してきており, 最近の考え方をまとめて Fig. 1 に示す 骨髄腫と類縁疾患の腎病変 : 最近の病理学的分類骨髄腫と類縁疾患で, これまでに記載されている主な 8, 9) 腎病変を Table 1 に示す 2004 年以降, 新たな糸球体病変が幾つか追加され 16 19), 病理学的スペクトラムは拡大している 多くは軽鎖型 M 蛋白に起因するが, 重鎖型 M 蛋白や, 完全型 M 蛋白に起因することもある これらは, 細線維の沈着物, 微小管構造の沈着物, 細顆粒状の沈着物, 結晶の沈殿物となり, 腎障害を惹起する 8, 9) 他の要因でも, 種々の腎障害を呈する 20) Table 1 では, 障害部位別に腎病変を分類した 糸球体障害, 尿細管間質障害, 血管障害に大別されるが, 腎病変は多彩であり, 同一症例が複数の混合性腎病変を呈しうる 20, 21) 1. 糸球体病変主な糸球体病変は,M 蛋白に起因する細線維の沈着物, 微小管構造の沈着物, 細顆粒状の沈着物による 8, 9) 細線維の沈着物を呈するのは, アミロイドーシス 22) ( 多 Fig. 1 Relationship between different renal pathologies in plasma cell neoplasms. Patients with plasma cell neoplasms may present with cast nephropathy (CN), amyloidosis, or Randall type MIDD. MGUS may evolve into multiple myeloma (MM) with or without cast nephropathy, but may also present with amyloidosis or Randall type MIDD in the absence of MM, through two general mechanisms: (1) tumor progression caused by genetic alterations; or (2) end-organ damage caused by M-protein deposition 13, 58). The term MGUS should be limited to those cases where no connection of end-organ damage can be demonstrated. Meanwhile, MGRS should be used when monoclonal immunoglobulin is playing a direct role in the kidney disease 14). 23) 24) くは軽鎖, まれに重鎖 ) と細線維性糸球体腎炎である 微小管構造の沈着物を呈するのは,1 型クリオグ 25) 24) ロブリン血症性腎症とイムノタクトイド糸球体症である 細顆粒状の沈着物を呈するのは,Randall 型 MIDD 26 28), 単クローン性 IgG の沈着を伴う増殖性糸球体腎炎 (proliferative glomerulonephritis with monoclonal IgG deposits: PGNMID) 16, 29), 単クローン性免疫グロブリン軽鎖の沈着を伴う増殖性糸球体腎炎 (proliferative glomerulonephritis with monoclonal immunoglobulin light chain deposits: PGNMILCD) 18) である Randall 型 MIDD 26 28) では, 沈着物は糸球体基底膜内に連続して帯状に観察されるのに対し,PGNMID 16, 29) と PGN- MILCD 18) では, 沈着物はメサンギウム領域や糸球体基底膜内に不連続性に免疫複合体型腎炎様に観察される Randall 型 MIDD は, 沈着する M 蛋白の種類により, 軽鎖沈着症 (light chain deposition disease: LCDD), 軽鎖重鎖沈着症 (light and heavy chain deposition disease: LHCDD), 重鎖沈着症 (heavy chain deposition disease: HCDD) に分類され, 光顕像では結節性病変が特徴的ある 26 28, 30, 31) HCDD バリアント 19) では, メサンギウム増殖性 管内増殖性糸球体腎炎の像を呈する PGNMID を最初に記載した Nasr ら 29) は, 光顕像での 331(1877)

臨床血液 Table 1 Pathologic classification of renal diseases in multiple myeloma and related disorders Monoclonal protein-associated glomerular lesions Fibrillar deposition Amyloidosis light chain or rarely heavy chain Fibrillary GN Microtubular deposition Type I cryoglobulinemic GN Immunotactoid glomerulopathy Non-organized granular deposition Randall type MIDD Light chain deposition disease Light and heavy chain deposition disease Heavy chain deposition disease Heavy chain deposition disease variant 1 Proliferative GN with monoclonal IgG deposits Membranoproliferative GN 2 Endocapillary proliferative GN Mesangial proliferative GN 1 Membranous GN 3 Proliferative GN with monoclonal immunoglobulin light chain deposits 1 Non-Randall-type MIDD associated with membranous features 1 Membranoproliferative GN secondary to monoclonal gammopathy Dense deposit disease associated with monoclonal gammopathy GN with isolated C3 deposits and monoclonal gammopathy Monoclonal protein-associated tubular lesions Crystal precipitation Light chain pro imal tubulopathy with or without Fanconi syndrome Light chain cast nephropathy myeloma kidney Non-organized granular deposition Randall type MIDD Light chain deposition disease Non-monoclonal protein-associated tubulointerstitial lesions Acute tubular necrosis often hypercalcemia- or drug-induced Tubulointerstitial nephritis often drug-induced Plasma cell infiltration Monoclonal protein-associated vascular lesions Fibrillar deposition Amyloidosis light chain Non-organized granular deposition Randall type MIDD Light chain deposition disease 1 Steroid-responsive entity reported from Akita University. 2 This type may belong to a subgroup of membranoproliferative GN secondary to monoclonal gammopathy 3 This type can be included in the entity called non-randall-type MIDD associated with membranous features, because of a paucity of cell proliferation in this type. GN: glomerulonephritis, MIDD: monoclonal immunoglobulin deposition disease (1878)332

臨床血液 54:10 増殖性変化のパターンにより, 膜性増殖性糸球体腎炎, 管内増殖性糸球体腎炎, メサンギウム増殖性糸球体腎炎, 膜性糸球体腎炎に亜分類している しかし, 膜性糸球体腎炎のパターンを呈する症例では, 細胞増殖性変化に乏しいことから, 膜性腎症の特徴を有する非 Randall 型 MIDD 17) の呼称が正確である また, 膜性増殖性糸球体腎炎と C3 糸球体症 (dense deposit disease,c3 糸球体腎炎 ) 32) と診断されてきた症例の基礎疾患として, 形質細胞腫瘍の存在が従来考えられてきた以上に多いことが, 最近明らかになった 33 35) 形質細胞腫瘍に続発する膜性増殖性糸球体腎炎 の概念は, 前述した膜性増殖性糸球体腎炎型 PGNMID を包括すると考えられる 33) 膜性増殖性糸球体腎炎様の病理像を呈する症例では,M 蛋白の腎組織沈着の確認と, 血中と尿中の M 蛋白分析が, 診断に必須な事項となった 以上のように, 糸球体病変の診断には, 腎生検標本の光学顕微鏡での観察の他に, 蛍光抗体法と電子顕微鏡による沈着物の詳細な検討を要する 診断の手掛かりは, 蛍光抗体法所見での免疫グロブリン k 鎖と l 鎖の染色性の偏りである 次に, 重鎖のサブクラスの染色性の偏りを検討し, 最終診断は電顕所見による 秋田大学では, 蛍光抗体法で k 鎖と l 鎖をルーチンに染色していることから,Randall 型 MIDD と PGNMID の診断率が高い 31) しかし, 国内外のほとんどの施設では, 蛍光抗体法で k 鎖と l 鎖をルーチンに染色していないため, Randall 型 MIDD と PGNMID の診断率は低いものと思われる 2. 尿細管間質病変主な尿細管間質病変は, 軽鎖型 M 蛋白の結晶沈殿物に起因する病変と, 高カルシウム血症や使用薬剤など別の原因に起因する病変に大別される 7, 20) 前者の主な病変は, 近位尿細管機能が障害される近位尿細管症と, 遠位尿細管管腔内に円柱形成を伴う円柱腎症で, 近位尿細管上皮細胞での再吸収能が広範に低下すると Fanconi 症候群を呈する 7) 後者の主な病変は, 急性尿細管壊死, 尿細管間質性腎炎である 20) また, 骨髄腫細胞の浸潤もみられる 36) LCDD では広範囲の尿細管障害を呈しやすい 37) 3. 血管病変中等度から高度の血管病変は, アミロイドーシスや LCDD でみられやすい 22, 28) M 蛋白由来の沈着物により, 細小動脈の硬化をきたす 骨髄腫の腎障害の特徴 (Mayo Clinic から報告例 ) 腎生検所見を基盤とした最近の臨床病理学的研究として,Mayo Clinic における骨髄腫患者 190 例 (1997 2011 年の観察例 ) の報告がある 20) 52% の症例で腎疾患の精査が先行し, 腎生検後 1 か月以内に骨髄腫の診断がなされた点が注目される 以下に, その報告内容をまとめる 20) 1. 腎生検所見と腎生検合併症 Table 2 に腎生検所見を示す 約 3/4 の症例に M 蛋白に関連する病変を認め, 多くは円柱腎症 (33%), Randall 型 MIDD(22%), アミロイドーシス (21%) であった 混合性病変のない円柱腎症で,M 蛋白が同定された 50 例中,k 鎖型が 32 例,l 鎖型が 18 例であり,k 鎖型が優位であった Randall 型 MIDD の 41 例中,LCDD が 37 例と最も多く,LHCDD と HCDD は各々 2 例であった LCDD の 37 例中,k 鎖型が 29 例, l 鎖型が 8 例であり,k 鎖型が優位であった 一方, アミロイドーシス 40 例中の 35 例は軽鎖型で,k 鎖型が 4 例,l 鎖型が 31 例であり,l 鎖型が優位であった M 蛋白に関連する混合性病変は 6% の症例に認められ, 円柱腎症と Randall 型 MIDD, 円柱腎症とアミロイドーシス,Randall 型 MIDD とアミロイドーシスなどの組み合わせであった 骨髄腫細胞の間質浸潤の頻度は 1% であり, 他施設からの報告例でも少ない 36) 一方で, 約 1/4 の症例では M 蛋白に関連する病変を認めず, 多彩な腎病変を呈した 糸球体病変は, 糖尿病性糸球体硬化症 (5%) が最も多く, 次いで巣状分節性糸球体硬化症 (3%), 感染症後糸球体腎炎 (2%), 膜性腎症 (1%), 微小変化型ネフローゼ症候群 (1%) などであった 巣状分節性糸球体硬化症と微小変化型ネフローゼ症候群の一部の症例では, ビスフォスフォネート製剤による薬剤性であった 尿細管間質病変は, 急性尿細管壊死 (9%) が最も多く, その原因は, 非ステロイド系抗炎症薬, 脱水症, 高カルシウム血症, ビスフォスフォネート製剤, 造影剤の順であった 血管病変は, 高血圧性動脈硬化性病変 (6%) が主体であった 造血幹細胞移植を受けた 25 例の検討では, 円柱腎症 8 例, 急性尿細管壊死 5 例, アミロイドーシス 4 例, Randall 型 MIDD2 例, 高血圧性動脈硬化性病変 2 例などであった Mayo Clinic でエコーガイド下経皮的腎生検を行い, 腎生検後の合併症を確認した 119 例で, 輸血などの治療を要する出血が 7 例 (5.9%) にみられた 英国の多施設における 1993 2008 年での腎生検施行症例の検討でも, 治療を要する出血の頻度は,M 蛋白血症のない 1,855 症例では 3.7%,M 蛋白血症を有する 138 症例で 333(1879)

臨床血液 Table 2 Renal biopsy findings in 190 patients with multiple myeloma Mayo Clinic 1997 2011 From reference 20 Pathologic diagnosis No. of patients Monoclonal protein-associated renal lesions Light chain cast nephropathy in pure 50 cases: in 32 and in 18 62 33 Randall type monoclonal immunoglobulin deposition disease 41 22 Light chain deposition disease in 37 cases: in 29 and in 8 Light and heavy chain deposition disease in 2 cases: IgG in both Heavy chain deposition disease in 2 cases: in both Amyloidosis in 35 light chain cases: in 4 and in 31 40 21 Fibrillary glomerulonephritis 2 1 Immunotactoid glomerulopathy 1 0.5 Light chain pro imal tubulopathy 1 0.5 Interstitial infiltration by malignant plasma cells 2 1 Non-monoclonal protein-associated renal lesions Glomerular lesions Diabetic glomerulosclerosis 9 5 Focal segmental glomerulosclerosis in 2 cases: pamidronate-induced 5 3 Postinfectious glomerulonephritis 3 2 Membranous glomerulopathy 2 1 Minimal change nephrotic syndrome in 1 case: pamidronate-induced 2 1 Others 4 2 Tubulointerstitial lesions Acute tubular necrosis in 3 cases: zoledronate-induced 17 9 Chronic tubulointerstitial nephritis / nephropathy 3 2 Others 3 2 Vascular lesions Arterionephrosclerosis 12 6 Thrombotic microangiopathy 1 0.5 Normal biopsy 3 2 は 4.3% と, 両群に有意な差を認めなかった 38) 20) 2. 臨床像と腎生検組織診断との関連性腎生検時の 190 例の臨床診断は, 急性腎障害 104 例 (55%)(2 例を除いて蛋白尿あり ), 慢性進行性腎機能低下 51 例 (27%)(1 例を除いて蛋白尿あり ), ネフローゼ症候群 26 例 (14%)(15 例で腎機能低下あり ), 腎機能低下を伴わない蛋白尿 9 例 (5%) であった その他の腎生検時の臨床像も含め, 頻度の高い腎生検組織診断 ( 円柱腎症, アミロイドーシス,Randall 型 MIDD) との関連性を Table 3 にまとめる 年齢分布に特徴がみられたのは Randall 型 MIDD で, 他の病型に比して 50 歳以下の症例が多かった M 蛋白の解析では, 円柱腎症で血清 M 蛋白の検出率が低い一方で, 尿中 M 蛋白の検出率が高かった 軽鎖の型には特徴があり, 円柱腎症と Randall 型 MIDD では k 鎖型が優位で, アミロイドーシスでは l 鎖型が優位であっ た 尿中 M 蛋白の排泄量は, 円柱腎症で多かった また, 円柱腎症では, 骨髄中の形質細胞比率が高い, 高カルシウム血症の合併率が高い, 貧血の程度が強いなどの特徴もみられた 腎障害の発症から腎生検までの期間は, アミロイドーシスで時間を要した アミロイドーシスでは高度蛋白量と低アルブミン血症をきたしやすく, ネフローゼ症候群の頻度が高かった 円柱腎症では, アルブミン尿の割合は低かった Randall 型 MIDD では, 血尿の頻度が高かった 腎機能低下は円柱腎症で最も高度であり, 次いで Randall 型 MIDD, アミロイドーシスの順であった 腎生検施行困難例で, 参考となる特徴である 20) 3. 治療と予後 190 例のほぼ全例で, 予後の追跡調査 ( 骨髄腫の診断から 40 か月, 腎生検から 22 か月の平均観察期間 ) が可能であった 52% の症例では, 腎生検時に骨髄腫の治療 (1880)334

Urine M-protein LC type 94 55 32 64 6 19 19 73 臨床血液 54:10 Table 3 Hematologic and renal characteristics at renal biopsy in 190 patients with multiple myeloma Mayo Clinic 1997 2011 From reference 20 All study Pure Pure Pure Characteristics patients MCN Amyloid MIDD No. of patients No. of patients 190 54 35 32 Age y 62 65 65 59 Age category 50 y 23 12 5 9 3 9 11 34 51 70 y 120 63 38 70 23 66 16 50 70 y 47 25 11 20 9 26 5 16 Serum M-protein HC None 66 35 15 29 15 43 18 58 IgG 85 46 20 38 11 31 10 32 IgA 32 17 14 27 9 26 3 10 IgD 3 2 3 6 0 0 0 0 Serum M-protein g/dl 1.0 1.2 0.9 1.5 77 45 18 36 25 81 7 27 Urine M-protein g/d 0.9 1.7 0.9 0.4 Free : LC ratio Markedly abnormal 115/144 80 34/36 94 21/29 72 23/26 88 0.125 or 8 Plasma cells in BM 40 60 20 25 Hypercalcemia 35/181 19 13/48 27 2/34 6 4/31 13 Median hemoglobin g/dl 10.3 9.6 12.8 9.9 Time from kidney disease onset to biopsy wk 3 2 12 4 24-h urine protein g 2.5 2.3 4.8 2.8 24-h urine protein category 1 g 31/178 17 5/46 11 3 9 5/31 16 1 3 g 72/178 40 25/46 54 7 20 13/31 42 3 g 75/178 42 16/46 35 25 71 13/31 42 Percentage of albuminuria 30.5 6.0 63.0 53.0 Microscopic hematuria 64/186 34 12/51 24 10/35 29 19/32 59 Serum albumin g/dl 3.5 3.6 3.0 3.5 Nephrotic syndrome 27 14 0 0 19 54 5 16 Serum creatinine mg/dl 3.2 5.4 1.3 3.1 Estimated GFR ml/min 18 10 50 20 MCN: myeloma cast nephropathy, MIDD: Randall type monoclonal immunoglobulin deposition disease, M-protein: monoclonal protein, HC: heavy chain, LC: light chain, BM: bone marrow, GFR: glomerular filtration rate p 0.05 3-way comparison はなされていなかった これら症例では, 腎生検所見をきっかけとして骨髄腫と診断され, 骨髄腫の治療が開始された 全経過中に 93% の症例で化学療法が行われ, 31% で造血幹細胞移植も選択された 腎生検施行からの腎予後は, 円柱腎症で 20 か月, アミロイドーシスで 30 か月,Randall 型 MIDD で 51 か月であり, 円柱腎症の 335(1881)

臨 床 血 液 予後が最も不良であった 同様に 骨髄腫診断からの患 ている軽鎖型 M 蛋白を速やかに減少させる治療が重要 者予後は 円柱腎症で 44 か月 アミロイドーシスで 58 であり 発症 21 日以内に 60 以上の遊離 M 蛋白を減 か月 Randall 型 MIDD で 62 か月であり 円柱腎症の 少 で き れ ば 80 の 症 例 で 腎 機 能 の 回 復 が 期 待 で き 予後が最も不良であった る42) 1975 1994 年に行われたフランスの多施設研究とし 治療に関する一般的注意事項は 円柱腎症の増悪因子 て M 蛋白を有する 118 症例 腎生検所見から骨髄腫 である脱水 高カルシウム血症 非ステロイド系抗炎症 と診断された の追跡調査があり 骨髄腫診断からの患 薬などの薬剤使用である43) 最近の研究結果からは 者予後は 円柱腎症で 12 か月 アミロイドーシスで 24 dexamethasone 大量療法を基盤とし bortezomib lena- か月 Randall 型 MIDD 全例 LCDD で 36 か月であっ lidomide などの新規薬剤との併用療法が推奨されてい た39) 上述した 1997 2011 年の Mayo Clinic 観察症例 る44 46) Bortezomib は腎不全患者においても安全に投 での患者予後改善には 1990 年代後半からの支持療法 与可能であるが lenalidomide は腎機能に応じた用量設 の進歩 造血幹細胞移植の導入 新規薬剤治療の導入が 定が必要である44 46) これら薬剤による化学療法に加 寄与していると考えられる え 高カットオフ透析膜を用いた血液透析の有用性も報 円柱腎症 骨髄腫患者でみられる急性腎不全の主な原因は 軽鎖 告されている47) 一方 血漿交換は理にかなった治療法 と 考 え ら れ る が そ の 有 用 性 に つ い て は 議 論 が あ る48, 49) 型 M 蛋白に起因する円柱腎症であり 緊急の対応を要 化学療法や血液浄化療法とは異なる観点から 新たな する この病態では 糸球体から大量に濾過された軽 治療法も検討されている50, 51) 上述したように 尿細管 鎖型 M 蛋白が 近位尿細管での再吸収能を上回って遠 内で軽鎖型 M 蛋白と Tamm-Horsfall 蛋白が結合し 円 位尿細管腔に至る ここで ヘンレのループ上行脚から 柱 が 形 成 さ れ る Ying ら52) は 軽 鎖 型 M 蛋 白 が 分泌される Tamm-Horsfall 蛋白と結合し 結晶沈殿物と Tamm-Horsfall 蛋白と結合する部位を同定し 両者の結 なって尿細管閉塞を惹起する 典型的な腎病理像を 合を阻害するペプチドを合成した さらに ラットの円 Fig. 2 に示す 柱腎症モデルで このペプチドを腹腔内投与すると 円 40) 7) 迅速診断法として 尿中アルブミン排泄率が多数例で 検討され 25 以下の場合には 本症である可能性が極 めて高い 急性腎不全からの回復には 血中に遊離し 柱形成が抑制されることを示した 臨床応用が期待され る成果である 41) 軽鎖アミロイドーシス 軽鎖アミロイドーシスでは 軽鎖型 M 蛋白に由来す る難溶性のアミロイド線維が組織間質に沈着し 種々の 臓器障害をきたす 腎臓は主な標的臓器であり 糸球体 障害による蛋白尿と腎機能障害を呈する22, 53) この過程 で メサンギウム細胞のマクロファージ様形質転換の重 要性が示されている54) 多くの症例の背景には MGRS や くすぶり型骨髄腫があり 骨髄腫は少ない22) 腎臓の軽鎖アミロイドーシス症例の多数例について 単一施設で行われた最近の臨床病理学的研究として Mayo Clinic における 202 例 2007 2011 年の観察例 の報告がある23) 平均年齢は 62 歳で 62 に腎臓以外 多くは心臓 の臓器障害も認めた 血中 M 蛋白は 79 に 尿中 M 蛋白は 84 に検出された k 鎖と l 鎖の比 Fig. 2 Light chain cast nephropathy (myeloma kidney) in our patient. Light microscopy shows tubular casts (arrows) of myeloma kidney (PAS stain). The glomerulus on the left shows no lesions. High power view (upper right) shows intratubular casts with surrounding syncytial giant cell reaction (arrow). These findings are diagnostic of myeloma kidney 7). 1882 336 較では l 鎖が 82 と優位であった 骨髄中の形質細 胞比率は平均 6 5 10 であった 皮下脂肪の吸 引生検は 145 例 72 で行われ 診断率は 72 であっ た 一日尿蛋白量は平均 6.0 g と多く ネフローゼ症候 群を呈したのは 67 で 尿中アルブミン排泄率は平均 70 60 76 であった 血清クレアチニン値は平均 1.2 mg/dl 0.9 1.8 mg/dl egfr は 平 均 58 ml/分

臨床血液 54:10 (36 75 ml/ 分 ) であり,51% に egfr の低下を認めた 平均 20 か月の経過観察中,95% で化学療法 (36% で造血幹細胞移植 ) が行われ,55% に腎障害の改善が得られた 末期腎不全への進展は 13%, 腎生検 1 年後の死亡は 15% であった この研究では, 腎臓の重鎖アミロイドーシス症例 16 例も検討され, 軽鎖アミロイドーシスに比して予後良好であった アミロイドーシスの診断の第一段階は, 生検組織を Condo red で染色し, 偏光顕微鏡下でアミロイド沈着部位の緑色偏光を確認することである 次に, アミロイド蛋白の種類を同定することが治療に向けて重要である 免疫グロブリン軽鎖型の診断には, 抗 k 鎖抗体と抗 l 鎖抗体を用いた蛍光抗体法, ないし免疫組織染色によるタイピングを行う しかし, 組織に沈着した軽鎖アミロイド蛋白の定常領域は, 蛋白分解により部分ないし完全欠損する症例があり, 同領域を認識する市販の抗体を用いた検討では, 陽性所見を認めない 22) このような症例では, 多数の抗体パネルを用いた専門施設での病理学的検討が必要である 55) 一方で, 抗体を用いた検索には限界があり, 腎生検標本の Condo red 染色陽性部位から, レーザーマイクロダイセクションで得た検体の質量分析を行い, タイピングを行っている専門施設もある 56) また, 新たな診断法の試みとして, 尿中エクソソームの Western blot 法による解析があり, 活動期の患者では, 高分子の免疫グロブリン軽鎖のバンドが検出される特徴が示された 57) 最終診断は電顕所見により, 不規則に交差した幅 7 10 nm の細線維を確認する 22) 軽鎖アミロイドーシスの治療の主体は, 異常な形質細胞クローンを抑制することであり, 化学療法と造血幹細胞移植が行われてきた Melphalan と prednisolone による治療が中心であった 1990 年代の 2 施設の調査報告では, 平均生存率は 18 か月程度であったが, 高用量 melphalan 投与後の自家末梢血幹細胞移植を行った 2000 年以降の多施設の調査報告では, 平均生存率は約 5 年前後へと改善した 22) 現在,bortezomib を中心とした多剤併用化学療法の有用性も検討され, 今後の第一選択療法として有力視されている 22) 欧米では, 末期腎不全症例での腎移植の試みもある 58) Randall 型 MIDD Randall 型 MIDD では, 軽鎖型 M 蛋白, 重鎖型 M 蛋白, ないし完全型 M 蛋白が, 非線維性の無構造細顆粒状物質として組織間質に沈着し, 種々の臓器障害をきたす 軽鎖アミロイドーシス同様, 腎臓は主な標的臓器であり, 糸球体障害による蛋白尿と腎機能障害を呈する 26 28, 31, 59) この過程で, メサンギウム細胞の筋線維芽細胞様形質転換の重要性が示されている 54) 後述するよ うに, 形質細胞腫瘍の背景は, 各病型により異なる Randall 型 MIDD の多数例ついて, 単一施設で行われた最近の臨床病理学的研究として,Mayo Clinic における 64 例 (1992 2011 年の観察例 ) の報告がある 28) LCDD が 51 例と最も多く,HCDD が 7 例,LHCDD が 6 例であった 平均年齢は 56 歳で, 約半数に高血圧を認めた点が注目される 血中 M 蛋白と尿中 M 蛋白の検出率は低く, 各々 44% と 30% であった LCDD における k 鎖と l 鎖の比較では,k 鎖が 82% と優位であった 骨髄腫の頻度は,LCDD で 65% と高く,LHCDD で 50%,HCDD で 29% であった これらの臨床像の特徴は, 軽鎖アミロイドーシスとは異なる 一日尿蛋白量は平均 4.1 g と多く, ネフローゼ症候群を呈したのは 23% であった 血清クレアチニン値は平均 3.9 mg/dl(0.9 15 mg/dl) で, 血清クレアチニン値 1.2 mg/dl 以上の腎機能障害を 97% に認めた 平均 34 か月の経過観察中,86% の症例で化学療法 (29% で造血幹細胞移植 ) が行われたが,39% は平均 7 か月で末期腎不全に至った また,32% が平均 18 か月で死亡した LCDD の今後の治療法として,bortezomib を中心とした化学療法が推奨されている 37) Randall 型 MIDD の診断には, 腎生検標本の光学顕微鏡での観察の他に, 蛍光抗体法と電子顕微鏡による沈着物の詳細な検討が必要である 前述したように, 蛍光抗体法所見での免疫グロブリン k 鎖と l 鎖の染色性の偏りが手がかりとなり, 重鎖のサブクラスの染色性の偏りも参考になる 最終診断は電顕像の特徴的な所見であり, 糸球体基底膜に細顆粒状沈着物が連続性帯状に観察される 26 28, 31, 59) 従来から,Randall 型 MIDD の光学顕微鏡所見として, 糸球体メサンギウムでの結節形成が強調されており, 結節性糸球体硬化症の所見を呈する症例に限定して,M 蛋白の沈着を検索する施設が多い しかし,Mayo Clinic における 64 例の検討で, メサンギウムでの結節形成を認めたのは 61% であり 28), 従来の診断手順では, 多くの症例が見逃されることになる したがって,Randall 型 MIDD の診断率向上のためには, 腎生検標本の蛍光抗体法で,k 鎖と l 鎖をルーチンに染色することが望まれる 典型的な腎病理像を Fig. 3 に示す PGNMID PGNMID は,2004 年に初めて提唱された疾患概念であり 16), 単クローン性 IgG の糸球体内沈着がみられるが, 電顕所見では非線維性の無構造細顆粒状物質として観察され,Randall 型 MIDD と異なり, 免疫複合体型腎炎類似の不連続性の沈着分布を呈する Nasr ら 29) は, 光顕所見から 4 型に亜分類したが, 膜性腎症型を呈する 337(1883)

臨 床 血 液 Fig. 3 Randall type MIDD in our patients. (A) and (B) Patient with k LCDD. (C) Patient with IgG3-k LHCDD. (A) Light microscopy shows nodular mesangial lesions (PAS stain). (B) Immunofluorescence microscopy shows linear deposition of k light chain along the glomerular and tubular basement membranes. Light chain deposits are also observed in the mesangial area and arterial walls (lower right). (C) Electron microscopy shows continuous linear deposits of finely granular electron dense material along the inner aspect of the glomerular basement membrane (arrows). These figures are reproduced with permission of the copyright owner31). 場合の呼称の問題点は先に述べた 新しい疾患概念のため まとまった症例検討の報告は は 骨髄腫合併のない g1 HCDD 症例で 結節性糸球体 硬化症による蛋白尿を呈した ステロイド治療で蛋白尿 少ないが 米国コロンビア大学 オハイオ州立大学から は消失し 治療後 10 年の腎生検で 結節の著明な縮小 の 37 例29) と 秋田大学からの 8 例17, 60, 61) の臨床病理学 を観察した しかし HCDD の経過中に 軽鎖アミロ 的研究報告がある これらの症例の特徴として 発症年 イ ド ー シ ス を 発 症 し 12 年 後 に 心 不 全 で 死 亡 し た 齢に幅のあること 20 81 歳 ネフローゼ症候群を呈 HCDD を長期観察した最初の報告で Randall 型 MIDD しやすいこと IgG3-k の糸球体内沈着例の多いこと と軽鎖アミロイドーシスが同一症例に発症しうることを 補体の糸球体内沈着と低補体血症を伴う例の多いこと 示した 骨髄腫の合併例の少ないこと 光顕像に基づく分類によ り治療反応性が異なることが挙げられる62) 示唆に富む自験例 Randall 型 MIDD の予後は一般に不良であるが 著者 らは長期間生存した 2 例を経験し 治療後の腎病理像を 観察しえた 1 例目63) は 骨髄腫に合併した k LCDD 症 例で 結節性糸球体硬化症によるネフローゼ症候群を呈 し た Melphalan cyclophosphamide vincristine pre- 著者らはまた ステロイド治療が著効した新病型とし て HCDD バ リ ア ン ト19) メ サ ン ギ ウ ム 増 殖 型 PGNMID61) PGNMILCD 18) 膜性腎症の特徴を有する 非 Randall 型 MIDD 17) Fig. 4C and D を報告した こ れらの病型では 十分な治療効果が期待できることか ら 正確な診断と症例の蓄積が望まれる おわりに 骨髄腫と類縁疾患の腎障害について 特に重要な最近 dnisolone による化学療法を行い 完全寛解に至った の動向は以下の通りである 1 egfr による腎障害の有 治療後 70 か月の腎生検で 結節消失を観察した Fig. 無の判定が推奨され MGRS の概念が提唱されたこと 4A and B LCDD による結節性病変が 化学療法によ により 腎障害に対する早期からの治療介入の重要性が り消失することを初めて示した報告である 2 例目64) 喚起された 2 多数例の腎生検所見を基盤とした臨床病 1884 338

臨床血液 54:10 Fig. 4 Improvement of renal lesions in our patients after treatment. (A) and (B) Patient with k LCDD treated with long-term intermittent chemotherapy 63). (A) Light microscopyshows nodular mesangial lesions (arrow) before treatment (PAS stain). (B) Light microscopyshows disappearance of nodular mesangial lesions after 70-month treatment (PAS stain). (C) and (D) Patient with non-randall-type MIDD associated with membranous features treated with steroids 17). (C) Light microscopyshows thickening of the glomerular capillarywalls and spike formation (arrows) before treatment (PAM stain). (D) Light microscopyshows remarkable improvement of thickening of the glomerular capillarywalls and spike formation after 48-month treatment (PAM stain). 理学的研究結果から, 腎障害の原因は多岐にわたることが示された 3. 円柱腎症の発症機序が分子レベルで解析され, 動物モデルでの実験結果から, 新規治療法開発の可能性が示された 4. 軽鎖アミロイドーシスの新規診断法が導入された 5. 骨髄腫治療の進歩に伴い, 円柱腎症, 軽鎖アミロイドーシス,Randall 型 MIDD での予後の改善が確認された 6. 著者らは, ステロイド治療に反応性良好な新病型を追加記載した この分野の実臨床において, 血液専門医と腎臓専門医との更なる連携が望まれる 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関連して特に申告なし 文 1) 飯田真介. 形質細胞腫瘍. 直江知樹, 朝長万左男, 中村栄男, ほか ( 編集 ). WHO 血液腫瘍分類 WHO 分類 2008 をうまく活用するために. 大阪, 医薬ジャーナル社 ; 2010: 305. 献 2) 稲垣淳, 飯田真介. 形質細胞骨髄腫 ; 多発性骨髄腫. 直江知樹, 朝長万左男, 中村栄男, ほか ( 編集 ). WHO 血液腫瘍分類 WHO 分類 2008 をうまく活用するために. 大阪, 医薬ジャーナル社 ; 2010: 310-322. 3)International Myeloma Working Group. Criteria for the classification on monoclonal gammopathies, multiple myeloma and related disorders: a report of the International Myeloma Working Group. Br J Haematol. 2003; 121: 749-757. 4) 日本腎臓学会. CKD 診療ガイド 2012. egfr 男女 年齢別早見表. 日腎会誌. 2012; 54: 1190-1191. 5) 日本骨髄腫学会 ( 編集 ). 多発性骨髄腫の診療指針. 第 3 版. 東京, 文光堂 ; 2012. 6)Ronco P, Plaisier E, Mougenot B, Aucouturier P. Immunoglobulin light (heavy)-chain deposition disease: from molecular medicine to pathology-driven therapy. Clin J Am Soc Nephrol. 2006; 1: 1342-1350. 7)Hutchison CA, Batuman V, Behrens J, et al. The pathogenesis and diagnosis of acute kidneyinjuryin multiple myeloma. Nat Rev Nephrol. 2012; 8: 43-51. 339(1885)

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