第 5 章 構造振動学 棒の振動を縦振動, 捩り振動, 曲げ振動に分けて考える. 5.1 棒の縦振動と捩り振動 まっすぐな棒の縦振動の固有振動数 f[ Hz] f = l 2pL である. ただし, L [ 単位 m] は棒の長さ, [ 2 N / m ] 3 r[ 単位 Kg / m ] E r

Similar documents
Microsoft Word - 付録A,Bとその図

第1章 単 位

構造力学Ⅰ第12回

パソコンシミュレータの現状

<4D F736F F D2097CD8A7793FC96E582BD82ED82DD8A E6318FCD2E646F63>

応用数学Ⅱ 偏微分方程式(2) 波動方程式(12/13)

<4D F736F F F696E74202D20906C8D488AC28BAB90DD8C7689F090CD8D488A D91E F1>

前期募集 令和 2 年度山梨大学大学院医工農学総合教育部修士課程工学専攻 入学試験問題 No.1/2 コース等 メカトロニクス工学コース 試験科目 数学 問 1 図 1 は, 原点 O の直交座標系 x,y,z に関して, 線分 OA,OB,OC を 3 辺にもつ平行六面体を示す. ここで, 点 A

Microsoft Word - 1B2011.doc

を入れて,,, について解けば ( ) ( ) 得る. よって となるが ( / ( ) ( ) と無次元化している ), これを { N ( ) } { d} と表現して内部変位 と節点変位 { d} とを結びつける { } { ( ) ( ) } (.) (.) 節点での F と M は図. の

Microsoft PowerPoint - H21生物計算化学2.ppt

PowerPoint Presentation

FEM原理講座 (サンプルテキスト)

1.民営化

Microsoft PowerPoint - シミュレーション工学-2010-第1回.ppt

OCW-iダランベールの原理

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631308FCD2E646F63>

<4D F736F F D F91E595AA8D8290EA8B D2082D082B882DD C838B834D815B82C6895E93AE C838B834D815B82F08E C682B582BD8D5C91A295948DDE82CC8EA AE82CC955D89BF82C982C282A282C45F8AAE90A

θ T [N] φ T os φ mg T sin φ mg tn φ T sin φ mg tn φ θ 0 sin θ tn θ θ sin φ tn φ φ θ φ mg θ f J mg f π J mg π J J 4π f mg 4π f () () /8

Microsoft Word - 力学12.doc

Microsoft Word - NumericalComputation.docx

(Microsoft PowerPoint - \221\34613\211\361)

微分方程式による現象記述と解きかた

Microsoft PowerPoint - zairiki_3

技術者のための構造力学 2014/06/11 1. はじめに 資料 2 節点座標系による傾斜支持節点節点の処理 三好崇夫加藤久人 従来, マトリックス変位法に基づく骨組解析を紹介する教科書においては, 全体座標系に対して傾斜 した斜面上の支持条件を考慮する処理方法として, 一旦, 傾斜支持を無視した

新日本技研 ( 株 ) 技術報告 弾性横桁で支持された床版の断面力式 仙台支店 設計部高橋眞太郎 本社 顧問倉方慶夫 元本社 顧問高尾孝二 要旨 橋梁形式は 公共事業費抑制の要求を受けてコスト縮減を図ることができる合理化形式の採用が多くなっている この流れを受けて鈑桁形式では少数鈑桁橋

平面波

木村の物理小ネタ ケプラーの第 2 法則と角運動量保存則 A. 面積速度面積速度とは平面内に定点 O と動点 P があるとき, 定点 O と動点 P を結ぶ線分 OP( 動径 OP という) が単位時間に描く面積を 動点 P の定点 O に

19年度一次基礎科目計算問題略解

領域シンポ発表

DVIOUT-SS_Ma

木村の物理小ネタ 単振動と単振動の力学的エネルギー 1. 弾性力と単振動 弾性力も単振動も力は F = -Kx の形で表されるが, x = 0 の位置は, 弾性力の場合, 弾性体の自然状態の位置 単振動の場合, 振動する物体に働く力のつり合

PowerPoint Presentation

2011年度 筑波大・理系数学

<4D F736F F D2091E6368FCD92508F838E788E9D82CC8BE98C6094C582F089F082AD4E CC95FB96402E646F63>

材料の力学解答集

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

Microsoft Word - thesis.doc

NumericalProg09

伝熱学課題

SPACEstJ User's Manual

Microsoft Word - 圧縮材

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E6398FCD2E646F63>

以下 変数の上のドットは時間に関する微分を表わしている (ex. 2 dx d x x, x 2 dt dt ) 付録 E 非線形微分方程式の平衡点の安定性解析 E-1) 非線形方程式の線形近似特に言及してこなかったが これまでは線形微分方程式 ( x や x, x などがすべて 1 次で なおかつ

宇宙機工学 演習問題

(Microsoft Word - \216\221\227\277\201i\220\333\223\256\201jv2.doc)

1 対 1 対応の演習例題を解いてみた 微分法とその応用 例題 1 極限 微分係数の定義 (2) 関数 f ( x) は任意の実数 x について微分可能なのは明らか f ( 1, f ( 1) ) と ( 1 + h, f ( 1 + h)

Q

<4D F736F F D B4389F D985F F4B89DB91E88250>

Microsoft Word - 5章摂動法.doc

2011年度 大阪大・理系数学

スライド 1

<4D F736F F F696E74202D20836F CC8A C58B858B4F93B982A882E682D1978E89BA814091B28BC68CA48B E >

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631318FCD2E646F63>

Microsoft PowerPoint - elast.ppt [互換モード]

09.pptx

ギリシャ文字の読み方を教えてください

計算機シミュレーション

OpenFOAM(R) ソースコード入門 pt1 熱伝導方程式の解法から有限体積法の実装について考える 前編 : 有限体積法の基礎確認 2013/11/17 オープンCAE 富山富山県立大学中川慎二

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E6328FCD2E646F63>

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

Microsoft PowerPoint - H22制御工学I-2回.ppt

ÿþŸb8bn0irt

<4D F736F F D FCD B90DB93AE96402E646F63>

剛体過去問解答例 2 1.1) 長さの棒の慣性モーメントは 公式より l I G = Ml /12 A 点のまわりは平行軸の定理より 2 2 I A = Ml /12 + M ( l / 2) = Ml 2 / 3 B y 2) 壁からの垂直抗力を R, 床からの垂直抗力と摩擦力を N,f とすると

( 慣性抵抗 ) 速度の 2 乗に比例流体中を進む物体は前面にある流体を押しのけて進む. 物 aaa 体の後面には流体が付き従う ( 渦を巻いて ). 前面にある速度 0 の流体が後面に移動して速度 vとなったと考えてよい. この流体の質量は単位時間内に物体が押しのける体積に比例するので,v に比例

2018年度 東京大・理系数学

第 4 章 薄板構造力学 4.1 板の曲げ 板においては応力を断面で積分して中央面での釣合を考える. 軸力, 面内剪断力, 横剪断力をそれぞれ = ò h - h T x s xdz, S xy ò txydz, Q x = dz - ò t xy - = h h と y 方向の単位幅で定義する.

44_417

Microsoft Word - kogi10ex_main.docx

多次元レーザー分光で探る凝縮分子系の超高速動力学

2009 年 11 月 16 日版 ( 久家 ) 遠地 P 波の変位波形の作成 遠地 P 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに P U () t = S()* t E()* t P() t で近似的に計算できる * は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録

まえがき 材料力学の教科書を見ると 2ページ目から 微分 積分 行列の式などがずらっと並んでいます もう それを見るだけで拒絶反応を起こしてしまう方もおられるのではないでしょうか? 確かに 三次元で評価しようとするとそのような計算が必要になるかもしれませんが 一次元 二次元なら 簡単な式にまとめられ

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

Chap2.key

1/17 平成 29 年 3 月 25 日 ( 土 ) 午前 11 時 1 分量子力学とクライン ゴルドン方程式 ( 学部 3 年次秋学期向 ) 量子力学とクライン ゴルドン方程式 素粒子の満たす場 y ( x,t) の運動方程式 : クライン ゴルドン方程式 : æ 3 ö ç å è m= 0

上式を整理すると d df - N = 両辺を で割れば df d - N = (5) となる ところで

Laplace2.rtf

2017年度 長崎大・医系数学

20年度一次基礎略解

今週の内容 後半全体のおさらい ラグランジュの運動方程式の導出 リンク機構のラグランジュの運動方程式 慣性行列 リンク機構のエネルギー保存則 エネルギー パワー 速度 力の関係 外力が作用する場合の運動方程式 粘性 粘性によるエネルギーの消散 慣性 粘性 剛性と微分方程式 拘束条件 ラグランジュの未

板バネの元は固定にします x[0] は常に0です : > x[0]:=t->0; (1.2) 初期値の設定をします 以降 for 文処理のため 空集合を生成しておきます : > init:={}: 30 番目 ( 端 ) 以外については 初期高さおよび初速は全て 0 にします 初期高さを x[j]

2013年度 信州大・医系数学

喨微勃挹稉弑

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

静的弾性問題の有限要素法解析アルゴリズム

固体物理2018-1NKN.key

公式集 数学 Ⅱ B 頭に入っていますか? 8 和積の公式 A + B A B si A + si B si os A + B A B si A si B os si A + B A B os A + os B os os A + B A B os A os B si si 9 三角関数の合成 si

Microsoft PowerPoint - 夏の学校(CFD).pptx

Microsoft PowerPoint - ‚æ2‘Í.ppt

位相最適化?

第 6 章 有限要素法 ( その 2) 振動問題を有限要素法で解いてみよう. 振動方程式は式 (3.35) で与えられ (6.1) [ K] { d ( )} + [ M] d ( t ) { } F( t ) t = { } そのときの質量行列は式 (3.32) で T M N N d V (6.

受信機時計誤差項の が残ったままであるが これをも消去するのが 重位相差である. 重位相差ある時刻に 衛星 から送られてくる搬送波位相データを 台の受信機 でそれぞれ測定する このとき各受信機で測定された衛星 からの搬送波位相データを Φ Φ とし 同様に衛星 からの搬送波位相データを Φ Φ とす

< B837B B835E82C982A882AF82E991CF905593AE90AB8CFC8FE382C98AD682B782E988EA8D6C8E40>

<4D F736F F D20824F B CC92E8979D814696CA90CF95AA82C691CC90CF95AA2E646F63>

破壊の予測

Microsoft Word - 非線形計画法 原稿

5. 変分法 (5. 変分法 汎関数 : 関数の関数 (, (, ( =, = では, の値は変えないで, その間の に対する の値をいろいろと変えるとき, の値が極地をとるような関数 ( はどのような関数形であるかという問題を考える. そのような関数が求められたとし, そのからのずれを変分 δ と

スライド 1

3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考

Transcription:

第 5 章 構造振動学 棒の振動を縦振動, 捩り振動, 曲げ振動に分けて考える 5 棒の縦振動と捩り振動 まっすぐな棒の縦振動の固有振動数 f[ Hz] f l pl である ただし, L [ 単位 m] は棒の長さ, [ N / m ] [ 単位 Kg / m ] E は (5) E 単位は棒の材料の縦弾性係数 ( ヤング率 ) は棒の材料の単位体積当りの質量である l は境界条件と振動モードによって決まる無 次元の定数で, 表に与えられる また, まっすぐで一様な円形または中空円形断面棒, あるいは十分に長くて曲げ捩りが無視できて, 断面 f Hz は のせん断中心と重心が一致すれば, ねじり振動の固有振動数 [ ] l GJ f (5) pl I p である ただし, G [ 単位 N / m ] は棒の材料の横弾性係数,Jは丸棒では極 次モーメント I p [ 単位 m ] と同じであるが, 一般断面の場合表のように異なって, GJ [ 単位 Kgm ] は捩り剛性と呼ばれる [ 単位 Kg / m ] は棒の材料の単位体積当りの質量である l は境界条件と振動モードによって決まる 無次元の定数で, 表に与えられる 5 梁の曲げ振動 5 理論解まず, 一様な梁の曲げ振動について考える 梁の方程式 (8) は EI p( ) (55) であった ここでは は位置 の関数であるとともに時間 の関数でもあるので偏微分表示にしている 分布力として慣性力を考えると p( ) A (56) と置けばよい よって梁の振動方程式は EI A となる 式 (57) は (57) l (, ) e e i 5

境界条件 表 棒の縦振動とねじり振動の λ λ 自由自由 π, π, π 固定固定 固定 固定 自由 質量付着 b b M I 5 π, π, π coλμλ の根 μ または M M M I M は棒の全質量 I は軸まわりの慣性モーメント 表 断面定数断面形状 I( 水平軸まわり ) Ip J π b b π b ( b ) π ( ) π ( ) π ( )() π b ( b ) (b b ) b ( 近似式 ) π 図 5 棒の縦振動と捩りの λ π ( ) アルミ E7 gm/cm S ρ7gm/cm 5

として変数分離法により解くことができて, その一般解は i (, ) W( ) e (58) W ( ) で与えられる ここに 従って振動数 f は l l l l C cos C si C cos C si (59) l f A (5) E I l p p EI A (5) となる 未定定数 C,C,C, C は梁の両端の 個づつの計 個の境界条件により決められ, その計算途 中で l の値も決定される 長さ m, 直径 cm のアルミの円断面梁について単位の例をとれば例えば SI 単位系では L m, A m, E N / m 重力 ( 工学 ) 単位系では である 例 : 片持ち梁 8 Kg / m, I 7 G P 7 8 785 m L mm, A mm, E 7Kgf / mm 5 8Kgf / mm 98mm / sec 8 Kgf / mm sec ( ) ( ) I 785 まず, で固定, で自由の片持ちの場合を計算する 境界条件は 固定 : 変位, 傾き 自由 : モーメント, 剪断力 式 (57) をこれらの条件式に代入して, 固定条件から 9 C C, C C この条件を考慮して自由条件から 5

C C ( cos l cos l ) C ( si l si l ) ( si l si l ) C ( cos l cos l ) を得る C とC とがゼロとならないための条件はその係数行列式がゼロであるから行列式を計算すると cos l cos l (5) となる これは超越方程式で代数的に解けないので数値計算 ( たとえば NeoRpso 法 ) を行って l 875, l 69, l 7 855 を得る よって固有振動数は式 (5) によって与えられる このときの変形は式 (59) に l の値を代入して l l æ l l ö W cos cos Qsi si (5) è ø Q cos l si l cos l si l となる これを固有振動モードとよぶ 固有振動モードは振動している形を表すものでその絶対値 ( 最大振幅値 ) は決められないことに注意されたい 固有振動モード図を図に示す 5

固有振動数と固有振動モードは数学的には固有値と固有ベクトルであるので直交性が成立する ニュートン ラフソン法 (NeoRpso 法 ) この方法は一般の非線形方程式 f() の強力な数値解法である f() の微分 y f( ) f() f( ) で定義されるので f() より f( ) f( ) となる これを一般化して f( ) f( ) として逐次計算に持ち込めばよい 計算法を具体的に示す 例えば (5) を解くと f ( l) cos l cos l として初期値に λ 5 を採用すると 同様に f(5)66 と真値 875 に近づいてくる この方法ではどの値に収束するかは初期値しだいである f( 6) f( ) 97 656 f ( 5) 6 66 l 5 9 f( 9) f( ) f( 8) 79 l 9 89 5 例 : 両端単純支持梁単純支持というのは変位は拘束して回転を許すので, モーメントがゼロとなって両端で単純支持 : 変 位, モーメント で, この条件を両端 において課すと, C C C, C si l 7 67 7 65 となる よって振動数を決める式は 55

で si l l p, l p 6 8, l p 9 であり, 固有振動モードは となる 例 : 両端自由梁結果のみを示すと である W p si l 7, l 7 85, l 996 5 板の曲げ振動 板の曲げの基礎方程式は (7) 式から であった æ ö D z (7) y y è ø ここで分布力として慣性力を採用すると æ D è y ö y ø (5) これを適当な境界条件の元に解けばよい 辺単純支持の境界条件以外は ( 理論的な ) 厳密解は得られておらず, 数値解析によることになる 辺長が,b の矩形板の固有振動数 f[hz] は l p f ただし,[m] は辺長,[m] D は板厚,Dは板の曲げ剛性で D E ( ) での l の値を表に示す 辺単純支持の場合,,m を正の整数として である ö è b ø (5) である 種々の境界条件 æ l m (55) 56

57 5 シェルの振動円筒シェルの基礎方程式は式 () において分布力を慣性力として j z として è æ j j D ø ö j (57) ( ) è æ j j j D ø ö j (57b) è æ j j j d j j (57c) となる シェルの厚さとしては第 章では を採用していたが, 時間に を使う都合で をシェル厚さとして採用している さて, 軸対称であることを考慮して荷重 ( ここでは慣性力 ) が円周方向に正弦的に変化する場合, 各変位もまた正弦的であるという性質を利用して式 (9) と同じく ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) cos z z, si z z, cos z z, (58) として解を求めてみる は円周方向波数である 数値的には厳密解が得られてたとえば表のように計算される ここに ( ) p l E R f (59) 円周方向波数 が大きい (>) の場合の両端単純支持の場合の近似式として ( ) D R f k k k p (5) がある ただし ( ) ( ) / R, L / m pr k で m は軸方向の変形の波数で振動モードは

æ mprz ö ( z) si (5) è L ø で与えられる 一般にシェルの場合, 円周方向波数 が小さいほど振動数が低いわけではなく, 薄いシェルであるほど最低固有振動数を与える が大きくなる 図 55: 面内歪エネルギー 円筒シェルの固有振動数と円周方向波数 曲げ歪エネルギー これは が小さいと面内歪エネルギーが支配的であり, が大きいと曲げ歪エネルギーが支配的となり, その両者の和の一番小さい で最低固有振動数となるのである 参考文献 [5] 小林繁夫 : 振動学, 丸善構造振動についても記述した大学院向けの教科書 [5]AWLeiss:Vibio of Ples, NASA SP6 (969) 板の振動のモノグラフ, これから多くの原論文を見つけることができる [5]AWLeiss:Vibio of Sells,NASA SP88 (97) 円筒以外にも詳しいモノグラフ [5] 古賀達蔵, 小松敬治 : 円筒殻の自由振動における支配方程式と固有値, 日本機会学会論文集 6 (98) pp779 Doel,Flgge,Noozilo,Loe,Goldeeize,Sdes などの円筒殻理論を厳密に解いて解の精度比較がしてある 58