第 9 回電波研連 F 分科会開催日 : 年 月 7 日 成分散乱電力分解による Pi-AR 画像 の解析 石堂基 山口芳雄 山田寛喜 新潟大学
発表の流れ. 研究の背景 目的 POLAR 画像解析を行う背景 目的 解析に使用した領域 POLAR 画像について. 三成分散乱モデル分解について Covrine mtrix について 三成分散乱モデル分解 三成分散乱モデルと Covrine mtrix の画像 三成分散乱モデルの問題点と四成分散乱モデル分解の提案 3. 四成分散乱モデル分解について 平均化 Covrine mtrix 基本ターゲットにおける平均化 Covrine mtrix 確率密度関数の変更. 解析結果 市街地モデルの解析 ( 鳥屋野潟周辺画像 ) 植生モデルの解析 ( 苫小牧画像 ) 5. まとめ
. 研究の背景 目的
背景 地球観測 地球環境観測 大規模災害の迅速な把握 地球の資源探査 航空機に搭載された偏波合成開口レーダ (Pi-AR) により得られた POLAR 画像データを用いて地表面の解析を行う 波情報を用いることにより 地上ターゲットの識別がある程度可能 偏波を用いた振幅情報 位相情報の利用合成開口処理による高分解能の実現
目的 市街地や植生の領域を検出するためには? 物理モデルを基本とした三成分散乱モデル分解 を用いる 定式化に問題がある 均化 Covrine mtrix を用いた四成分散乱モデル分解の提案 三成分散乱モデル分解と四成分散乱モデル分解を様々な方法で比較 四成分散乱モデル分解の妥当性を評価 : Freemn, Durden らによる
解析領域 () Rnge diretion Azimuth diretion 画像データの諸元 解析領域観測日時入射角偏波周波数波長画像サイズピクセルサイズ平均化サイズ 新潟市鳥屋野潟周辺 3 年 8 月 日 3.~7.(degree) VH.7[GHz] (L-nd) λ3.6(m) (pixel).5.5(m) 5 5 (pixel)
解析領域 () Rnge diretion Azimuth diretion 解析領域観測日時入射角偏波周波数波長画像サイズピクセルサイズ平均化サイズ 画像データの諸元 北海道苫小牧 年 月 8 日 36.~9.(degree) VH.7[GHz] (L-nd) λ3.6(m) (pixel).5.5(m) 5 5
POLAR 画像解析について 集合平均 ttering mtrix [ ] Covrine mtrix Cohereny mtrix Kennugh mtrix [ ] C [ T ] [ K ] 3 3 3 3 Physil Mthemtil Phenomenologil 三成分散乱モデル分解 Entropy, α Huynenn Prmeter
. 三成分散乱モデル分解について
Covrine mtrix() 散乱行列 [] を Covrine mtrix [C] に変換する 集合平均をとれるため 平均化処理が容易 [ ] [ C] VH N N T 独立要素によりベクトル化 : アンサンブル平均
Covrine mtrix() 特徴 森林などの分布した自然ターゲットに対して 偏波チャネルの電力によりほとんどの要素が決まる 個々のターゲットに依存しない 次統計量として用いることができる 実験的にわかっているRefletion symmetry なターゲット に対して三成分散乱モデル分解を使うことができる C
三成分散乱モデル分解 () 測定散乱波を物理的な散乱過程に基づいた散乱モデルに分解 Covrine Mtrix の要素を用いて分解を行う 表面散乱 二回反射 海域 農地 低植生域における散乱過程 地表面に入射して樹幹や人工建造物に反射する散乱過程 体積散乱 ランダムに傾いた Wire が合成された散乱過程
三成分散乱モデル分解 () C C C 33 観測された Covrine Mtrix を以下のように 3 つの成分に展開する [ C] f [ C] f [ C] f [ C] s s β fs β f β f α f f f v s / 3 d d f v surfe f v d β f d doule α α Re( ) < β C 3 fsβ fdα fv / 3 Re( ) > C, α v α volume fv 3 3 P s f s P d f d 8 3 各成分による散乱電力 P v fv 3 ( ) β ( ) α 8
三成分散乱モデル分解 (3) Ps Pd Pv min mx
平均化 Covrine Mtrix の要素 () [ C]
平均化 Covrine Mtrix の要素 () Re [ C] m
平均化 Covrine Mtrix の要素 (3) Re ( ) ( m ) [ C]
平均化 Covrine Mtrix の要素 () Re ( ) ( ) m [ C]
平均化 Covrine Mtrix の要素 Re Re ( ) Re ( ) m m ( ) m ( )
四成分散乱モデル分解の提案 三成分散乱モデル分解の欠点 必ずしも が成立しない が必ず体積散乱成分にならない 定式化において強制的ににして計算している部分がある これらの問題を解決する分解法を提案すれば より詳細に地表面を解析することが可能 四成分散乱モデルを提案
3. 四成分散乱モデル分解について
平均化 Covrine mtrix () [ ] VH ( ) [ ] os sin sin os os sin sin os vv vh hv hh ( ) [ ] ( ) [ ] ( ) π d p C C 数式的な平均 Covrine mtrix ( ) [ ] vv hv vv hh vv vv hv hv hh hv vv hh hv hh hh C ( ) p は確率密度関数 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 8 9 3 5 6 8 9 3 6 5 6 5 3 8 7 3 5 6 3 3 } Re{ Re Re Re Re Re Re vv v hv h vv h hv vv hh ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) π π π π π d p d p d p d p d p sin os os sin sin sin os 5 3 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) π π π π π d p d p d p d p d p os os os sin os sin os sin sin 9 8 7 6
平均化 Covrine mtrix () 確率密度関数を一様であると仮定し hh hh hv hh hh vv hv hv 8 p ( ) ( ) vv 8 vv hh Re 8 j hv vv m{ ( )} j hv vv m{ ( )} p π ( ) のように選べば実数実数実数虚数虚数 散乱行列 [] を用いて基本ターゲットの平均化 Covrine mtrix を求める [ C ] VH [ ]?????????
基本ターゲットによる平均化 Covrine mtrix() ワイヤターゲット 垂直ワイヤ水平ワイヤ [ ] vwire [ ] hwire [ C] wire 8 3 3 二回反射ターゲット ( 金属の 面リフレクタ ) 垂直 diplne 水平 diplne [ ] vdiplne [ ] hdiplne [ C] diplne 二次統計量の利点
基本ターゲットによる平均化 Covrine mtrix() 奇数回反射ターゲット (Plte,phere,3 面リフレクタ ) [ ] plte プレート [ ] plte C 円偏波発生ターゲット (Helix) R-Helix L-Helix [ ] j j helix r [ ] j j helix l [ ] j j j j C helix r [ ] j j j j C helix l
基本ターゲットによる平均化 Covrine mtrix(3) hh hv j hv vv m{ ( )} の関係より m{ ( ) } m( ) Helix のみ存在 R-Helix j [ ] rhelix j j m L-Helix j [ ] lhelix j j m 円偏波発生成分 f P m f ( ) m{ ( )} P
確率密度関数の変更 () 垂直に立っている幹 枝が多い植生を想定して確率密度関数を変更する sin p( ) ( < < π ) ( π < < π ) π p( ) d
確率密度関数の変更 () ( ) ( ) ( ) 9 3 9 3 3 7 3 3 3 Re Re vv v hv h vv h hv vv hh 5 5 8 5 8 5 3 5 3 5 5 6 5 7 9 8 7 6 sin ) ( のとき ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) vv hv hv hh vv hh hv vv hh 3 5 6 5 8 5 5 6 5 8 5 5 3 5 8 5 5 7 5 Re 5 5 8 5 3 5 8 Re 5 5 8 5 8 5 3 [ ] wire h 水平ワイヤ [ ] 8 3 5 wire h C [ ] wire v 垂直ワイヤ [ ] 3 8 5 wire v C
平均化 Covrine mtrix の展開 () 地面と木の幹により構成される 回反射構造を想定誘電体 hh 成分と vv 成分の位相差を考慮した複素数 α を導入 e jγ α h gh th j γ v [ ] e R R tree R R e jγ v R gv R tv gh th α e j( γ γ ) h v R R gh gv R R th tv hh vv R t _ : 樹幹による反射係数 : 地面による反射係数 γ : 伝播定数 (_ はそれぞれ, 水平のhか垂直のv) R g この 回反射構造は角度に対して植生のようにランダムとはならないので 角度に対する積分は行わない [ C] doule α α α
平均化 Covrine mtrix の展開 () 表面散乱モデルの基本 Covrine mtrix 次 Brgg 反射モデルを用いて β [ ] surfe 円偏波発生電力 C surfe Covrine mtrixにおける, 3 の値を用いると f は f m m β β ( ) { } m { } 3 β
四成分散乱モデル分解 () Azimuth diretion Rnge diretion zimuth 方向に対して傾いた市街地 偏波が多く発生 全てが体積散乱成分の寄与となり得る Ps P d Pv P の四成分を用いた四成分散乱モデル分解を行う
四成分散乱モデル分解 () 観測された Covrine Mtrix を以下のように つの成分に展開する [ C] f [ C] f [ C] f [ C] f [ C] f s β β s fs surfe d β f d doule α α v volume α 8 fv 5 α, β : 相対要素 ( 未定係数 ) irulr 3 f m j p( ) sin, fd, fv, f : 表面散乱, 二回反射, 体積散乱の円偏波発生成分の寄与 ± m j j ± j C C C 33 C 3 C, 8 fs β fd α fv 5 f fv 5 3 f fs fd fv 5 f fsβ fdα fv 5 f m{ f } Re( ) < β Re( ) > α 各成分による散乱電力 P s f s P d f d P v f v P f ( β ) ( α )
. 解析結果
解析結果 ( 鳥屋野潟周辺 ) Ps Pd 四成分散乱モデル分解
解析結果 ( 鳥屋野潟周辺 ) P v P 四成分散乱モデル分解
解析領域の説明 pth 3 pth pth
解析結果 (pth ) Ps P 三成分散乱モデル分解 d Pv Ground truth Ps Pd Pv P
pth Azimuth diretion Rnge diretion Ps Pd 三成分散乱モデル分解 Pv Ps Pd Pv P
解析結果 (pth ) Ps P 三成分散乱モデル分解 d P v Ground truth Ps Pd Pv P
pth Azimuth diretion Rnge diretion d Ground truth d : 平成大橋 : 水道橋 : 新潟バイパス d : 新幹線高架橋 Ps Pd 三成分散乱モデル分解 Pv d Ps Pd Pv 四成分散乱モデル分解 P
解析結果 (pth 3) Ps P 三成分散乱モデル分解 d Pv Ground truth Ps Pd Pv P
pth 3 Azimuth diretion Rnge diretion Ps Pd 三成分散乱モデル分解 Pv Ps Pd Pv 四成分散乱モデル分解 P
市街地モデルのまとめ 四成分散乱モデル分解ではアジマス方向に平行な市街地であるほど 二回反射成分が強くなる アジマス方向に対して平行な市街地で発生していた体積散乱成分を軽減し 円偏波発生成分への寄与に分散 三成分散乱モデル分解よりも物理現象に近いことを確認
解析領域の説明 pixel 偏波シグネチャの変化の様子 解析領域 Diplne 7.5m おきに偏波シグネチャを作成 Horizontl wire
解析結果 ( 苫小牧 ) 三成分散乱モデル分解 Ps Pd 四成分散乱モデル分解
解析結果 ( 苫小牧 ) 三成分散乱モデル分解 P v 四成分散乱モデル分解
解析結果 ( 苫小牧 ) f β f α s d f v f v / 3 f f s d f v Ps Pd 三成分散乱モデル分解 (fv を除去しないもの ) Pv f β f α s d f v / 3 Ps Pd P v 四成分散乱モデル分解 P
5. まとめ
まとめ 三成分散乱モデル分解の物理的な矛盾点を解消した四成分散乱モデル分解を提案 矛盾点 自然ターゲットで必ずしも が成立しない 三成分散乱モデル分解と四成分散乱モデル分解を単純な領域で比較 市街地領域と植生領域を選択 三成分散乱モデル分解の時に生じた 二回反射成分における水域の不要な電力が除去された 人工ターゲットではアジマスに対するターゲットの傾きによって二回反射受信電力が変化する 樹幹や沢の部分において二回反射成分と想定できる箇所が微量ではあるが検出された
補足資料 ( コンポジット画像 ) 三成分散乱モデル分解 Pd Pv Ps 四成分散乱モデル分解
補足資料 (α, β の分布 ) α β ( 白がα-の部分 ) ( 白がβの部分 )
補足資料 (α, β の分布 ) α β ( 緑がα-の部分 ) ( 緑がβの部分 )
補足資料 (X-nd, 三成分 ) Ps Pd Pv
補足資料 (X-nd, 四成分 ) Ps Pd P v P