と Z の関係 9 年 3 月 日目次へ戻る が虚軸を含む複素平面右半面の値の時 X も虚軸を含む複素平面右半面の値でなけれ ばなりません その訳を探ります 本章では 受動回路をインピーダンス Z にしていま す リアクタンス回路の駆動点リアクタンス X も Z に含まれます Z に正弦波電流を入れた時最大値 抵抗 コイル コンデンサーで作られた受動回路の ラプラスの世界でのインピーダンスを Z とします そこ に最大値 の正弦波電流 n m を流す時 定常状態での Z の両端電圧 を求めて下さい 最大値受動回路とは内部に電源を持たない回路のことです 電流が正弦波交流ですから交流理論になります = を行います は虚軸上の値 となり インピーダンスは です 計算しますと m m n m m an になります と m はそれぞれ複素数の実数部 虚数部を表します 定常状態で最大値 の電圧が生じます はインピーダンス の偏角です インピーダンスの偏角が誘導性で+の場合 電圧は電流より進み n となります 電流基準ですので電圧が進んでいます インピーダンスの偏角が容量性で-の場合 電圧は電流より遅れ n となります 電流基準ですので電圧が遅れています この時 電力の瞬時値 pは p n n n n n n n { co n n co n co n co n co n n n } n n
{ co n n } { co } になります 加法定理と n co n co nの公式を使いまし た 電力は瞬時値 p で表すより 瞬時電力の 周期 秒 分の平均をとり 平均電力 P で 表す方が普通です Pは有効電力 消費電力 単に電力とも呼びます 角周波数 πf で f は周波数ですから は秒になります また f f π ですから π になります P pd pの から までの面積を求め で割れば平均が出ます π 4π π π { { co co }d }d 4π π d π co d 4π π n π 4π 4π π π {n4π n } です 周期分の平均をとりますと 電圧電流間の位相差が原因で電源と回路の間を倍の角 周波数で行き来している無効電力の項は消滅します も も最大値です 正弦波交流の実効値は も も最大値のですから MS MS
と変形出来ます 平均電力は 電圧の実効値 MS 電流の実効値 MS 力率 co になります 力率はインピーダンス の偏角 の co です co は偶関数ですから 誘導性のインピーダンスでも容量性のインピーダンスでも偏角 の絶対値が同じなら 力率は同じになります 受動回路の力率 co は から つまり % から % までです 受動回路は電力を消費しますが 電力を供給しません ですから力率がマイナスになることはありません 力率がマイナスになりますと 受動回路から電源へ電力を供給していることになり π π 間違っています 受動回路のインピーダンス の偏角 は となります の偏角 が π で力率 % になるのは 抵抗成分 が で リアクタンス成分 m が誘導性の場合です の偏角 が π で力率 % になるのは 抵抗成分 が でリアクタンス成分 m が容量性の場合です 共に抵抗が無く リアクタンスだけの回路の場合です 抵抗がある場合の力率は % にな りません 必ず電力を消費します π π で になります Z の虚軸上の値 の実部は負になりません Z に振幅が拡大する正弦波電流を入れた時 抵抗 コイル コンデンサーで作られた受動回路の ラプラスの世界でのインピーダ ンスを Z とします そこに 初期最大値 で振幅が拡大する正弦波電流 流した時 Z 両端の電圧 をラプラス変換を使って求めて下さい L を括弧内関数のラプラス変換 L - を括弧内関数のラプラス逆変換とします n を L n Z ですので Z A B 3
4 となります 留数を求めますと Z A Z Z B Z です B A B A ですので ラプラス逆変換をしますと L n
m m an です ラプラスの世界のインピーダンス Z は 振幅が拡大する正弦波電流が流れる時 に + を代入した + になります Z の両端電圧は 振幅が拡大する正弦波電流値に 複素数 + の絶対値を掛けた値になります 電圧の位相は 複素数 + の偏角だけ電流の位相と違います 次に n n として電力を求めます は電圧の初期最大値 は電流の初期最大値です シグマ > としますので振幅が増大して行く正弦波です は電流と電圧の位相差です 位相差は 負荷である受動回路 + の偏角と同じです 偏角はプラスの値と仮定します 電流基準ですので電圧が進み電流が遅れています 電力の瞬時値 pは p n n n n n n n co n n n co n n co n { co co n n } co n n { co n n } になります 加法定理と た したがって { co } n co n co nの公式を使いまし 5
6 } {co } {co となります は複素数の実数部です 無限の過去からある時刻 までの 回路に流れ込んだ電力量 電気エネルギー を求めますと }d {co vd }d {co }d co { } d d co { } }d { d {co } d { d co co co co co co
7 co co m an なので co co co co となります 中括弧内第 項の co は変数が実数ですから + から - の値を取り 中括弧内第 項は全体として から までの値を取ります これは電圧電流間の位相差が原因で 電源と回路の間を倍の角周波数で行き来している無効電力量です 中括弧内第 項が回路で消費する電力量の部分になります 受動回路では 回路が消費する電力量は絶対にマイナスになりません マイナスになりますと 受動回路から電源へ電力を供給していたことになりますので間違っています したがって co co となります 中括弧内は またはプラスでなくてはなりません co
であれば 中括弧内が またはプラスになります 振幅が増大する正弦波は > ですか ら 両辺に を掛けても不等号の向きは変わらず です co ですから - co co =+ + co となります =co の時は = ですが >co の時は < ですので御注 意下さい 最初に > と決めましたので =+ は複素平面の右半面の値です すのでco > です 更に co ですので 複素平面右反面なら 受動回路の + も複素平面右半面です π π << で π π π で π になります =+ が > になります Z の複素平面右半面の値 + の実部は負になりません 例えば受動回路の Z=L の時 L an L L an になります 一方 L an ら と は同じになります co も同じ値になります Lですから です 底辺と高さの比が同じですか L+ =+ = 8
9 例えば受動回路の Z=+L の時 L L L ですから L an L L an になります 一方 an です 分母が大きくなりますので は より小さくなります 例えば受動回路の Z= の時 ですから an an an になります 一方 an です と の絶対値は同じです 下図になります + +L+ =+ =-
例えば受動回路の Z=+ の時 ですから です an an { } an an an an になります 一方 an くなります 下図になります です 分母が大きくなりますので の絶対値は より小さ + - 等々です を正の値にしますと複素数 + は複素平面の右半面の値です co ですから 複素数 + も右半面になります 3 まとめ と の結果から
なる範囲で Z であり が虚軸を含む複素平面右半面の値の時 Z も虚軸を含む複素平面右半面の値で あることが分りました X も Z に含まれます 目次へ戻る