Q & A Q: 猫ひねりができるのって猫だけですか?(2 人 ) A: 動物が専門でない私にとっては難しい質問です おそらく 猫に近い ヒョウ チーター ヤマネコ等はできるのではないかと思います ちなみに猫とともにペットの代表である犬は 猫ほどうまくないようです 犬を抱っこしていて落としてしまい 怪我をする犬もけっこういるようです 猫はおそらく大丈夫です Q: 空気抵抗は気圧に比例したりしますか? A: 第 5 回 5 ページで 空気抵抗は 物体がゆっくり運動するときは 粘性抵抗 速く運動するときは 慣性抵抗と説明しました 粘性抵抗は 半径 R の球体の場合 その大きさは F = 6phR ( ストークスの法則 ) です h は空気の粘度 ( 粘性係数 ) で気体 液体ごとに決まっている定数です 質問は h が気圧に比例するかということです 結果だけをいうと 圧力は関係ありません ( 温度は一定 ) 慣性抵抗は 右のような式で表されます 慣性抵抗は 空気の密度 に比例します 圧力は密度に比例する ( 温度一定 ) ので空気抵抗は 気圧に比例するといえます Q: イグノーベル賞で猫は液体というのがあったのですが 先生に解説をお願いしたいです A: 液体をウィキペディアで見てみると 液体 ( えきたい 英 : liquid) は物質の三態 ( 固体 液体 気体 ) の一つである 気体と同様に流動的で 容器に合わせて形を変える 液体は気体に比して圧縮性が小さい 気体とは異なり 容器全体に広がることはなく ほぼ一定の密度を保つ となっています この説明の前半 容器に合わせて変形する というのは 猫にも当てはまるというのが趣旨です これだけなら 気体でも良さそうですが 液体は気体に比して 圧縮性が小さい ともあるので 猫の圧縮性を考えると 気体でなく 液体ということでしょう 確かに 下のような写真をみると 隙間なく容器に収まる猫は液体という気がしますね 第 27 回 (7/17) 1 ページ
第 9 章慣性力 p108 慣性系 : 慣性の法則が成り立つ座標系 ( 運動の法則も成り立つ ) ( これまで考えてきた座標系 ) 例 : 地面に固定された座標系 非慣性系 : 慣性の法則が成り立たない座標系 ( 運動の法則も成り立たない ) 運動の第 1 法則慣性の法則 ( 復習 ) 物体に作用している力の合力が 0 であれば 静止している物体は静止したままであり 運動している物体は等速直線運動をつづける まず 慣性系から考えてみる ガリレオの相対性原理 (p110) ある慣性系に対して等速直線運動をしている座標系はすべて慣性系である 例 : 等速直線運動をしている電車に固定された系も慣性系である 電車に固定された系は 地面に固定された系 ( 慣性系 ) に対して等速直線運動をしている 厳密には非慣性系 ( 地球の自転のため, 後で説明 ) 例 : 地上で物体を落としても 等速直線運動をしている電車の中で物体を落としても同様に落下する 地面に固定された系が特別ではない ( 電車が全く揺れず 窓も閉まっていると 停車しているか 走行しているか 原理的に区別できない ) 問題 : 等速直線運動 ( 速度 ) をしている電車の中で A さんは手に持っていたボールをそっとはなした その後のボールの運動は A さんの系 ( 電車に固定された座標系 ) および B さんの系 ( 地上に固定された座標系 ) でどのように観測されるか 電車に固定された座標系 ( 慣性系 ) 地上に固定された座標系 ( 慣性系 ) どちらの慣性系でも運動の法則が等しく成り立つ 第 27 回 (7/17) 2 ページ
( 参考 ) アインシュタインの相対性原理 (p299) ある慣性系に対して一定の速度で運動する座標系は慣性系であり すべての慣性系で 同じ形の物理学の基本法則が成り立つ 地球に固定された座標系も 等速直線運動をしている電車に固定された座標系もどちらも慣性系で同等である どちらでもすべての物理法則がその座標系において等しく成り立つ 例 : 運動の第 1 2 3 法則 エネルギー保存則 運動量保存則 回転運動の法則 後期に勉強する電磁気学の法則 9.1 非慣性系と慣性力 ( 見かけの力 ) p109 質量 m 電車の床にキャスター付きのトランクが置いてある トランクは摩擦が無視でき なめらかに運動する 電車が加速度 a 0 で走り出した後 1 ホームにいる人 ( 地球に固定された座標系 ) から見るとトランクの運動はどのように見えるか? 加速度 a 0 慣性の法則が成り立っている 慣性系 2 電車に乗っている人 ( 電車に固定された座標系 ) から見るとトランクの運動はどのように見えるか? 加速度 -a 0 で加速している (-ma 0 の力が作用しているように感じる ) 加速中の電車では後方に引っ張られるように感じる 慣性の法則が成り立っていない 非慣性系 ( 力が作用していないのに加速 ) 加速度 a 0 で加速している電車に固定された座標系 ( 非慣性系 ) からみると トランクは逆向きの加速度 -a 0 で動く 電車に固定された系では 見かけの力 ( 慣性力 ) を導入すると 運動の法則が成り立つ 慣性力 = -ma 0 無意識のうちに運動の法則を仮定し その力があるはずと思うため 慣性系に対して加速度 a 0 で加速度運動している座標系では -ma 0 という慣性力を導入すると運動の法則が成り立つ ( 本来は存在しない 見かけの力である慣性力 -ma 0 という力が働いているように感じる ) 第 27 回 (7/17) 3 ページ
問 1: 図のように 加速度 a 0 で加速運動をしている電車がある 電車の天井におもりをつけたひもを吊るすと ひもは鉛直方向を向いていない ( 吊革も同じ ) この現象を (1) 地上の観測者 ( 慣性系 ) はどう説明するか?(2) 電車の観測者 ( 非慣性系 ) はどう説明するか ma = F (1) (2) q ( 運動の法則を使って ) ( 慣性力を導入し 運動の法則を使って ) ma = F q 問 2(p110) エレベータが降りはじめるとき 体 ( 質量 m ) が軽くなったように感じる 下向きの加速度が 1 m/s 2 の場合 50 kg の人が床から受ける垂直抗力の大きさはいくらか 地上の観測者と エレベータに乗っている観測者の立場で導け g = 10 m/s 2 とせよ 地上の観測者 ( 慣性系 ) エレベータに乗っている観測者 ( 非慣性系 ) ( 慣性力を用いずに ) ( 慣性力を導入して ) エレベータを吊るしている綱が切れると 垂直抗力はどうなる? 飛行機が 砲弾と同じように ( 速度も ) 放物線を描いて飛ぶと 内部は無重量状態になる 綱が切れて自由落下するエレベータと同じ ( スペースシャトルも ) 同じ [ ビデオ参照 ] スペースシャトルの軌道における重力は地上と大差ない 地上の観測者 : 自由落下 第 27 回 (7/17) 4 ページ
遠心力 p111 向心力 向心加速度 ( 復習 ) 質量 m の質点が速さ で半径 角速度 w = の等速円運動をしているとき 2 向心加速度 a: = w = w 2 2 向心力 F: m = mw = mw 2 F = ma 問題 : 福知山線の脱線事故では 列車は 108 km/h (30m/s) でカーブに突っ込んだ 線路の半径を 300 m とした時 列車や乗客の加速度 ( 向心加速度 ) の大きさはいくらか a 0 ( 加速度運動 ) 等速円運動をしている電車に固定された座標系では運動の法則を成り立たせるためには 慣性力 ( 見かけの力 ) を導入しなければならない 向心加速度が a 0 のとき 慣性力は ma 0 である この慣性力は向心力と逆方向なので遠心力という 遠心力の大きさは向心力の大きさに等しい 300 m 遠心力の大きさ : m = mw 2 遠心力は 見かけの力であり 実際は存在しない ( 経験より運動の法則が成り立つと考え あるように感じる力 ) [ 問題 ] 上の電車の天井から吊るされているおもり ( 質量 m ) の様子を以下の二つの座標系で説明せよ 下の図 ( 電車の断面図 ) でおもりの様子を一つ選び 図に作用する力を書き込め 電車の進行方向は 紙面の手前から奥 円運動の中心は電車の右側にある 地面に固定された座標系 ( 慣性系 ) で考える場合電車に固定された座標系 ( 非慣性系 ) で考える場合 2 第 27 回 (7/17) 5 ページ
ねこひねりの解説 1 猫は静止した状態で逆さまに落としても 足から着地することができる いったいどうやっているのか? 以下 慣性モーメントによる教育的な方法 I = Sm i l i 2 i 足としっぽを伸ばす 猫の体を上半身と下半身の 2 つの部分に分けて考える 前足は胴体に引き付け上半身の慣性モーメントを小さくする 後ろ足としっぽを伸ばし 下半身の慣性モーメントを大きくする そうすると 上半身を大きく回転させても 反動による下半身の反対方向への回転は少ない 足を縮める 180 度ひねって 上半身の足が下を向いたところでこんどは逆に前足は伸ばし 上半身の慣性モーメントを大きく 後ろ足は胴体に引き付け 下半身の慣性モーメントを小さくする 下半身を大きく回転させても 上半身の反動は少なくてすむ 足としっぽを縮める 足を縮める [ 実験 実演 ] 回転板を使って人間ひねり ( 上の方法で ) 猫ひねり 動画で確認着地にも注目 : クッション ( 運動量の変化 = 力 時間 ) 実際はこれほど 単純ではない しっぽを回転させる等 しっぽを有効に使っている猫もいるし 別の説明の方が適切な場合も多い 時間があったら ねこひねり解説 2 で説明します 皆さんも考えてみて下さい http://www.page.sannet.ne.jp/ikenoue/type2/cat/cat.html より転載 第 27 回 (7/17) 6 ページ