を利用した多項式や単項式の乗除の計算ができるようにする 式の値では, できるだけ式を簡単にしてから代入し, 式の値を求めるようにする 等式変形や連立方程式を解けるようにする 導入 この課では, 多項式の加減や単項式の乗除, 式の値や等式変形, 連立方程式を復習する これらは中学 3 年の学習においても多く利用するものであり, 今まで以上に正確に, より素早く計算できるようにしたい 基本的な計算方法などは既習内容と同じだが, より複雑な式の変形や, 比を利用する連立方程式などを扱うため, 計算ミスが多くなりやすい 十分に演習を重ねることで慣れることが望まれる 要点 1 式の計算 a(b + c)= ab + ac (a + b)c = ac + bc 2 分数を含む計算 分子が多項式になっているときは, 分子にかっこがついていると考える 3 単項式の乗法 除法 除法は逆数の乗法になおす 1 A B = A 1 B 2 A C B = A B C 4 式の値 与えられた式を簡単な形になおしてから, 数を代入する 負の数を代入するときは, 符号を間違えないように ( ) をつける 5 等式の変形 等式の性質を利用して変形する 内の文字が右辺にあるときは, 左辺と右辺を入れかえてから変形する 6 連立方程式 加減法一方の文字の係数の絶対値をそろえ, 文字を消去する 代入法 2 つの式で, 共通するものを見つけて一方の式を他方の式に代入する 7 A = B = C の形の連立方程式 A = B A = B A = C A = C B = C B = C のどれかの形にして解く 8 比例式を含む連立方程式 a:b = c:d ad = bc を利用して, 方程式の形に変形してから解く 9 連立方程式の利用 何を x,y とおくかを決め, 問題に合うように連立方程式をつくる 連立方程式の解が問題にあっているか確認する 2 分数を含む計算 A1,B1 次の計算をしなさい x - 3y - x - 5y 6 9 = 3(x - 3y)- 2(x - 5y) 18 3x - 9y - 2x + 10y = 18 = x + y 18 3 単項式の乗法 除法 A1,B1 次の計算をしなさい - 4a2b 8 3 ab2 a 2 =- 4a2b 3 8ab2 a 2 =- 4a2b 3 a 8ab2 2 =- 3a2 4b 4 式の値 A2,B2 1 式の計算 連立方程式 a = 3,b =- 2 であるとき,2(a + 3b)- 3(2a - b) の値を求めなさい 2(a + 3b)- 3(2a - b) = 2a + 6b - 6a + 3b =- 4a + 9b =- 4 3 + 9 (- 2) =- 30 5 等式の変形 A2,B3 次の等式を x について解きなさい m = 1 3 (x + y) 1 3 (x + y)= m x + y = 3m x = 3m - y 8 比例式を含む連立方程式 B5 次の連立方程式を解きなさい x:(y + 3)= 2:1 1 2x - 5y = 11 2 x = 2y + 6 1 2(2y + 6)- 5y = 11 4y + 12-5y = 11 - y =- 1 y = 1 x = 2 1 + 6 = 8 通分 同類項をまとめる 乗法のみの式になおす 1 つの分数にまとめる 約分 同類項をまとめる a = 3,b =- 2 を代入 両辺を入れかえる 両辺に 3 をかける y を移項する 1 の式を方程式の形に変形する 1 を 2 の式に代入する 1 次方程式を解く y の値を 1 の式に代入して x を求める P.2 ~ 5 9 連立方程式の利用 A4,A5,A6,B6,B7,B8 男子と女子が何人かずついる 30 個のあめを男子に 3 個ずつ, 女子に 2 個ずつ配ると 1 個あまり, 男子に 2 個ずつ, 女子に 3 個ずつ配ると 1 個たりなくなる 男子, 女子はそれぞ れ何人いるか求めなさい 男子の人数を x, 女子の人数を y とすると, 男子に 3 個ずつ, 女子に 2 個ずつで 1 個あまる 3x + 2y = 30-1 1 男子に 2 個ずつ, 女子に 3 個ずつで 1 個たりない 2x + 3y = 30 + 1 2 1 3-2 2 より, これを1に代入すると, 9x + 6y = 87 3 5 + 2y = 29 -)4x + 6y = 62 y = 7 5x = 25 x = 5 よって, 男子の人数 5 人, 女子の人数 7 人
2 1 次関数とグラフ 直線の式や変域を求めることができるようにする 2 直線の交点を求め, 三角形の面積や面積を 2 等分する直線の式を求めることができるようにする 図形の動点, 水量の変化などの応用問題を解けるようにする P.6 ~ 9 導入 この課では,1 次関数について取り 扱う 中学 1 年で学習した比例の発展 にあたる 変化の割合など言葉の意味 を忘れていることがあるのでしっかり と確認しておきたい また,1 次関数 において, 連立方程式の解は,2 本の 直線の交点の座標となることも復習す る この際に, 連立方程式の解法も確 認しておきたい 文章題の式の求め方は, 常にグラフ や図の状況を考えさせるとよい 式を たてることができれば計算を行うだけ となる この考え方はこの先も意識し て行うよう指導していきたい 要点 1 変化の割合, 変域 1 次関数 y = ax + b 変化の割合 = y の増加量 x の増加量 = a y の増加量 = a x の増加量 2 1 次関数の式 y = ax + b に x,y のそれぞれの値 や変化の割合を代入し式を求める 3 直線の式 y = ax + b a = 傾き,b = 切片 a > 0 のとき, 右上がり a < 0 のとき, 右下がり 点を通る 座標を式に代入する 平行 2 つの式の傾きが等しい 4 交点の座標 交点 2 つの直線の式を連立方程式 として解いたときの解が交点の座標 となる 5 1 次関数と図形 x 軸との交点 y = 0 を代入する y 軸との交点 x = 0 を代入する 面積 座標から底辺となる辺の長さ と, 高さを求める 中点の座標 線分の両端の座標が (x1,y1),(x2,y2) のとき, 中点の座標 x1 + x₂ y1 (, + y₂ 2 2 ) 6 動点と図形の面積 それぞれの場合について図をかいて から式を考える 7 水量の変化 毎分 k L 変化の割合が k 1 変化の割合, 変域 B1 1 次関数 y = ax + b で,x の変域が 0 x 8 のときの y の変域は - 4 y 12 である このときの a,b の値を求めなさい ただし,a > 0 とする a > 0 であるから, x = 0 のとき,y =- 4 よって,b =- 4 x = 8 のとき,y = 12 b =- 4 なので,y = ax + b にそれぞれ代入して,12 = 8a - 4,a = 2 2 1 次関数の式 変化の割合が - 3 で,x = 4 のとき y =- 2 である 1 次関数の式を求めなさい 1 次関数の式では, 変化の割合 = 傾き = a であるので, y =- 3x + b - 2 =- 3 4 + b b = 10 y =- 3x + 10 3 直線の式 A1,B1 直線 y = 1 2 x - 1 に平行で, 点 (10,10) を通る直線の式を求めなさい 直線 y = 1 2 x - 1 に平行なので,a = 1 2 である y = 1 2 x + b として,x = 10,y = 10 を代入すると, 10 = 1 2 10 + b,b = 5 よって,y = 1 2 x + 5 4 交点の座標 A4,B2 2 直線 y = 3x - 13,y =- 2x + 2 の交点を通り,y 軸と (0,8) で交わる直線の式を求めなさい 代入法を用いると, 3x - 13 =- 2x + 2 5x = 15 x = 3 y =- 2x + 2 に x = 3 を代入して,y =- 4 よって,2 直線の交点の座標は (3,- 4) 点 (0,8) を通ることから切片が 8 だから, 求める式を y = ax + 8 とする 点 (3,- 4) を通るので, この式に x = 3,y =- 4 を代入して,a =- 4 よって, 求める式は,y =- 4x + 8 7 水量の変化から 2 つの水そうA,Bがあり, どちらも容積は 10 L である いま, 水そうAは空で, 水そうBにはいっぱいの水が入っている いま, 水そうAには毎分 2 L の割合で水を入れ始め, 3 それと同時に, 水そうBからは毎分 2 L の割合で水を抜き始めた 水そう A に水を入れ始めてから x 分後の水そうA,Bそれぞれに入っている水の量を y L とするとき, 次の問いに答えなさい ⑵ 水そうA,Bの水の量が同じになるのは, 水そうAに水を入れ始めてから何分後か 水の量が同じ A,B の y の値が等しい y = 2x A y =- 3 2 x + 10 B A の式を B の式に代入 2x =- 3 20 2 x + 10,x = 7 よって, 20 7 分後 x = 4,y =- 2 を代入する b についての式を解く直線の式の形にする
3 図形の性質 平行線と角や多角形の角について理解できるようにする 三角形の合同条件や直角三角形の合同条件を理解し, 証明に利用できるようにする 平行四辺形の性質を理解し, 平行四辺形になるための条件を用いた証明ができるようにする P.10 ~ 13 導入 この課では, 図形の性質について学習する 対頂角, 同位角, 錯角の区別が十分に身についているかを確認するとともに, 内角の和に関連して, 様々な図形の角度を求められるようにしたい また, 三角形の合同条件については必ず確認する必要がある 中学 3 年で学習する相似を扱う際に, 相似の条件について混乱しないためにもしっかり確認し, 理解させておきたい 要点 1 平行線と角 平行な 2 直線に 1 つの直線が交わるとき, 同位角, 錯角はそれぞれ等しい 2 三角形の角 三角形の内角の和 180 3 多角形の内角 外角 n 角形の内角の和 180 (n - 2) n 角形の外角の和 360 4 三角形の合同条件, 1 3 組の辺がそれぞれ等しい 2 2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい 3 1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい 5 証明の利用 ( 三角形の合同 ) 証明する角や辺をふくんだ合同となる三角形の組を見つける 6 二等辺三角形の性質 1 二等辺三角形の 2 つの底角は等しい 2 頂角の二等分線は底辺を垂直に 2 等分する 7 直角三角形の合同条件 1 斜辺と 1 つの鋭角がそれぞれ等しい 2 斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい 8 平行四辺形の性質 1 2 組の対辺がそれぞれ平行 ( 定義 ) 2 2 組の対辺はそれぞれ等しい 3 2 組の対角はそれぞれ等しい 4 対角線はそれぞれの中点で交わる 9 平行四辺形になるための条件 1 2 組の対辺がそれぞれ平行 2 2 組の対辺がそれぞれ等しい 3 2 組の対角がそれぞれ等しい 4 対角線がそれぞれの中点で交わる 5 1 組の対辺が等しくて平行 10 平行線と面積 底辺が共通ならば, 高さが等しい三角形は面積も等しい 1 平行線と角 A1,B1 次の図で,l// m のとき, x の大きさを求めなさい ⑴ 108 がある頂点を通り,l,m と平行な線を引く 平行線の錯角は等しいので 108 は 63 と x の和であることが分かる よって,x = 108-63 = 45 ⑵ 3 多角形の内角 外角 A2 正十二角形の 1 つの内角の大きさを求めなさい 内角の和 = 180 (12-2)= 1800 1 つの内角 = 1800 12 = 150 1 つの内角は,1 つの外角を用いても求められる 1 つの外角 = 360 12 = 30 1 つの内角 = 180-30 = 150 141 のとなり合う角の大きさは 39 である l// m のため同位角は等しいので, 三角形の内角と外角の関係より,x は 28 と 39 の和であることが分かる よって,x = 28 + 39 = 67 5 証明の利用 ( 三角形の合同 ) A3,A5,B3 右の図で,BD は ABC の二等分線であり,BA = BC である このとき, BAD = BCD であることを証明しなさい ABD と CBD において, 仮定から, ABD = CBD 1 BA = BC 2 BD は共通 3 1,2,3 から,2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので, ABD CBD 合同な図形では, 対応する角の大きさは等しいから, BAD = BCD 証明するときはまず問題から仮定を引き出すことが手始めとなる 特に, 共通の辺は見落 としやすいので注意すること 6 二等辺三角形の性質 A4,B4 次の図で, ABC が AB = AC の二等辺三角形で, AB = BD であるとき, x の大きさを求めなさい AB = BD より, BAD = BDA =(180-42 ) 2 = 69 また,AB = AC より, BAC = 180-2 42 = 96 x = BAC - BAD = 96-69 = 27 10 平行線と面積 A6,B5,B6 右の図で, 四角形 ABCD は平行四辺形である BC の中点を E,EC の中点を F とすると き, 次の問いに答えなさい ⑴ DFC と面積が等しい三角形をすべて答えよ 仮定より,AD // BC なので,AD と BC 間の距離はどこも等しい また, 点 F が EC の中点より, CF = EF なので, DFC = AFC = AEF よって, AFC と AEF
4 確率 樹形図や表を用いて確率を求めることができるようにする 順列, 組合せを区別し, 使い分けができるようにする 起こらない確率の求め方を理解できるようにする P.14 ~ 17 導入 この課では場合の数, 確率について確認する 状況を理解すれば解答につながる問題が多い分野であるが, それゆえに難しく感じてしまうこともある 解に至る手順を順序良く丁寧に数えさせることで, 考え方を慣れさせたい さいころ, 色の玉やカードなど多くの題材に慣れることが重要である 1 場合の数 A3,B2,B3,B6 大, 小 2 つのさいころを同時に投げるとき,2 つのさいころの目の数の和が 5 の倍数にな る場合は何通りか答えなさい 条件にあてはまることだけを樹形図で表す 目の数の和が 5 の倍数 和が 5 または 10 1 4 2 3 3 2 4 1 5 5 6 4 6 よって,7 通り 要点 1 場合の数 表, 樹形図などを利用して, 条件に あてはまる場合をすべて数える 2 つのさいころを同時に投げるとき, すべての目の出方は,6 6 = 36 ( 通り ) ある 2 並べ方 ( 順列 ) n 個の異なるものから r 個を取ると きの並べ方は,nPr で表され, npr = n(n - 1)(n - 2) (n - r + 1) 3 組合せ n 個の異なるものから r 個を取ると きの組合せは,nCr で表され, ncr = n(n - 1)(n - 2) (n - r + 1) r(r - 1)(r - 2) 2 1 4 確率の求め方 ことがら A の起こる確率 p = A の起こる場合の数すべての場合の数 同じ色の玉はグループ別に区別して 考える 5 起こらない確率 ことがら A の起こる確率を p とす ると, ことがら A の起こらない確 率は 1 - p 2 並べ方 ( 順列 ) A1,A2 1,2,3,4,5の 5 枚のカードがある このカードを並べて整数をつくるとき,3 桁の整数は全部で何通りできるか答えなさい 5 枚の内,3 枚のカードを取って並べるので順列の場合の数の求め方をつかう 5P3 = 5 4 3 = 60( 通り ) 3 組合せ 男子 2 人と女子 4 人の, 全部で 6 人のグループがある この中から何人かを選ぶとき, 男子 1 人, 女子 2 人になるように 3 人選ぶ選び方は何通りあるか答えなさい 女子 4 人から 2 人を選ぶので,4C2 = 4 2 3 1 = 6( 通り ) 男子 2 人から 1 人を選ぶので,2C1 = 2 1 =(2 通り ) よって,6 2 = 12( 通り ) 4 確率の求め方 A4,A5,B1,B3,B4,B5,B6,B7 赤玉が 4 個, 白玉が 2 個, 青玉が 1 個入っている袋がある この袋から同時に 3 個の玉を取り出すとき, 取り出した玉のうち,1 つは青玉である確率を求めなさい 取り出す 3 個のうち, 青玉の 1 つは決まっているので, 残りの 6 つから青玉以外の玉を 2 つ取り出す場合を考える 6C2 = 6 2 5 1 = 15( 通り ) すべての場合の数は,₇C₃ = 35( 通り ) なので, 求める確率は, 15 35 = 3 7 5 起こらない確率 A4,B8 8 本のうち, あたりが 3 本入っているくじがある このくじを 2 本同時にひくとき, 次の問いに答えなさい ⑴ 1 本もあたりがない確率を求めよ すべての場合の数は,8C2 = 8 2 7 1 = 28( 通り ) 5 本あるはずれを 2 回とも引く場合は,5C2 = 5 2 4 1 = 10( 通り ) よって, 求める確率は, 10 28 = 14 5 ⑵ 少なくとも 1 本はあたりが出る確率を求めよ 少なくとも 1 本はあたりが出る確率 = 1 -(1 本もあたりが出ない確率 ) = 1-14 5 ⑴ で求めた値を入れる = 9 14 少なくとも ~ という言葉がでたら, 確率は 1 - p で求める
多項式の乗除がを利用して計算できるようにする 式の展開を, 乗法公式を利用して解くことができるようにする 展開の基礎を利用して, 項の多い式の展開ができるようにする 5 多項式の計算 ⑴ P.18 ~ 21 導入 多項式と単項式の乗除は, 中学 2 年で学習したものとほとんど変わらない 多項式 多項式の計算は, を利用したものなので, 慣れないうちは丁寧に計算するよう指導したい 4 つの乗法公式は, 最初にまとめて示してもよい 問題の形式からどの公式を使えばよいのかを判断できるようにすると, 今後に扱う複雑な式にも対応できる これらの計算は式が長くなることが多く, 見落としや符号の間違いが起こりやすい 見直しの徹底が必要である 要点 例題 1 多項式 単項式 逆数の乗法の形になおしてからでかっこをはずし, 約分する 例題 2 展開 単項式や多項式の積の形の式を計算し, 単項式の和の形に表すこと 多項式 多項式 を繰り返して計算する 1 m(a + b)= ma + mb 2 m(a + b + c)= ma + mb + mc 3(a +b)(c + d)= ac + ad +bc +bd 例題 3 乗法公式 1(x + a)(x + b)= x2 +(a + b)x + ab 2(a + b)2 = a2 + 2ab + b2 3(a - b)2 = a2-2ab + b2 4(a + b)(a - b)= a2 - b2 例題 4 式の中の共通となる部分を 1 つの文字におきかえ, 展開により簡単にしてから元に戻す 例題 1 多項式と単項式の乗除 次の計算をしなさい ⑴ 3x(2x + 5) = 3x 2x + 3x 5 = 6x2 + 15x ⑶ (2xy2 + 3x2y) ( - 1 2 y ) =(2xy2 + 3x2y) ( - 2 y ) =- 4xy - 6x2 例題 2 式の展開と 次の式を展開しなさい (x + 4)(y - 2) = M(y - 2) = ym - 2M = y(x + 4)- 2(x + 4) = xy + 4y - 2x - 8 A1 A2,B1,B2 考え方は上記の通りだが, 計算方法としては以下の方法を徹底させる (x + 4)(y - 2) = x y + x (- 2)+ 4 y + 4 (- 2) = xy - 2x + 4y - 8 例題 3 乗法公式 次の式を展開しなさい ⑴ (x + 3)(x + 2) = x2 +(3 + 2)x + 3 2 = x2 + 5x + 6 A3,A4,A5,B1,B2,B3,B4 a,b が負の数でも,x の係数は a と b の和で計算する a = 3,b =- 4 のとき,x の係数は 3 +(- 4)=- 1 (3 + 4 = 7 としない ) ⑵ (a + 4)2 = a2 + 2 a 4 + 42 = a2 + 8a + 16 乗法公式 3 のときは,x の係数の符号が - になる b2 の符号は + のままなので注意する ⑷ (a + 5)(a - 5) = a2-52 = a2-25 例題 4 おきかえによる展開 次の式を展開しなさい (x - 2y - 4)(x - 2y + 4) =(A - 4)(A + 4) = A2-16 =(x - 2y)2-16 = x2-4xy + 4y2-16 A6,B1 除法を逆数の乗法にする, 約分 x + 4 を M におきかえる M を元に戻す 乗法公式 1 a = 3,b = 2 とする 乗法公式 2 b = 4 とする 乗法公式 4 b = 5 とする x - 2y = A とする 乗法公式 4 A を元に戻す 乗法公式 3 x と + 4 をそれぞれ分配する
素因数分解の意味を理解し, できるようにする 因数分解を学習し, 展開との関わりを理解する 公式を利用して, 因数分解することができるようにする 6 多項式の計算 ⑵ P.22 ~ 25 導入 この課で学ぶ因数分解は, 前課で扱った式の展開と深く関わりを持ち, また今後の学習においても非常に重要な分野である 因数分解は, 共通因数による因数分解と, 公式を利用するものの 2 つの方法があり, 公式を利用した因数分解では,4 つの乗法公式の逆として利用される 導入は, 式の展開の復習から始めるとよい を使う場合と, 公式を使う場合の最低 2 題を例に挙げ, 展開の逆として因数分解を説明する 因数分解の意味は 多項式と因数の積で表す ことであるが, 展開と対応させて, 展開は かっこのついた形の式 かっこのつかない形の式, 因数分解は かっこのつかない形の式 かっこのついた形の式, または, 展開は 積の形 和の形 因数分解は 和の形 積の形 などと補足することができる 要点 例題 1 素数 その数自身と 1 の他に約数を持たない自然数 素因数分解 自然数を素数の積で表したもの ( 同じ数の積は指数で表す ) 例題 2 因数分解 多項式を単項式や多項式の積の形で表すこと 共通因数でくくる因数分解 ma + mb = m(a + b) 因数分解の公式 1 x2 +(a + b)x + ab =(x + a)(x + b) ab = 正の数 a,b が同符号 ab = 負の数 a,b が異符号 2 a2 + 2ab + b2 =(a + b)2 3 a2-2ab + b2 =(a - b)2 4 a2 - b2 =(a + b)(a - b) 例題 3 最初に共通因数をくくりだしてから, かっこの中で公式を使った因数分解を行う 例題 4 数字を文字におきかえて公式を使う 同じ数は同じ文字におきかえる 例題 1 素因数分解 A1,B1 132 を素因数分解しなさい ただし, 同じ素数の積は累乗の指数を使って表すこと 2)132 右のように, 商が素数になるまで順に素数でわっていき, わったすべての素数と最 2) 66 後の商をかける 3) 33 132 = 2 2 3 11 = 22 3 11 11 いきなり大きい素数でわろうとせずに,2 や 3 の小さな素数から始めることを徹底させる また, 最後の商の素数のかけ忘れにも注意する 例題 2 因数分解 A2,A3,B2 次の式を因数分解しなさい ⑴ 4x + 2xy = 2x 2 + 2x y = 2x(2 + y) 補足 : 項が 3 つの場合 4a2b - 8ab2 + 2ab = 2ab(2a - 4b + 1) 共通因数の見つけ方は, 数と文字で分けて考える 整数においては各項の係数の最大公約数が共通因数となる 共通因数による因数分解は, 因数分解の最優先事項である 必ず確認するように指導したい a b a + b ⑵ x2 + 10x + 16 = x2 +(2 + 8)x + 2 8 =(x + 2)(x + 8) ab = 16 となる組み合わせを優先に考え, その組み合わせの中で a + b = 10 となるものを探す 補足 :b に文字が含まれる場合 x2 + xy - 2y2 = x2 +(2y - y)x + 2y (- y) =(x + 2y)(x - y) 係数だけで和と積を考えればよい ( 積が - 2, 和が 1) 答えに y をつけ忘れないようにする - 2 y2 となることは考えない 和が - 2 + y2 となり, 問題にあてはまらないのが分かりきっているため ⑶ x2 + 8x + 16 = x2 + 2 x 4 + 42 =(x + 4)2 3 つすべての項に共通する因数は 2ab 公式 1 公式 2 1 16 17 2 8 10-1 - 16-17 - 2-8 - 10 定数項が < ある数 > の 2 乗のときは, 公式が利用できないか考える 補足 :x2 の係数が 1 以外のとき 4x2 + 20xy + 25y2 =(2x)2 + 2 2x 5y +(5y)2 =(2x - 5y)2 x2 に 1 以外の係数がつく場合,x の係数は < ある数 > の 2 倍ではなくなる 2ab の意味をしっかり理解させておきたい 例題 3 いろいろな因数分解 A4,A5,B2,B3,B4 次の式を因数分解しなさい x3y - 25xy3 共通因数の xy をくくりだす = xy(x2-25y2) かっこの中の式に公式 4 を利用 = xy(x + 5y)(x - 5y) a2 - b2 =(a - b)2 というミスをする場合がある 公式をしっかりと覚えさせたい 例題 4 因数分解の利用 A6,B5,B6 因数分解を利用して, 次の計算をしなさい 255-552 25 = A,55 = B とおくと, A2 - B2 =(A + B)(A - B) より, 255-552 =(25 + 55)(25-55)= 80 (- 30)=- 2400 2-2 の数の計算が問題で現れたら因数分解を利用すると計算が楽になる 同時に計算ミスも減るので, 積極的に利用するように指導したい