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1 卒業論文 熱電変換材料における累積熱伝導率の普遍性 平成 6 年 月 3 日提出 指導教員塩見淳一郎准教授 359 明戸大介

2 目次第 章序論 熱電変換 熱電変換材料の効率 ナノ構造化による格子熱伝導率低減 第一原理熱伝導率解析法 研究の目的... 8 第 章計算手法 格子動力学法..... 熱容量..... 状態密度 群速度 緩和時間 モデル Debye モデル Klemens の緩和時間モデル Slack の熱伝導率モデル... 5 第 3 章結果と考察 格子動力学法による計算 指針 フォノン分散関係とその線形性 長 MFP 領域の普遍化 減法による累積熱伝導率 非調和格子動力学法の結果による評価 熱伝導率による合わせ込み Slack の熱伝導率モデルの適用 短 MFP 領域の普遍化 短 MFP 領域のフォノンの分類 デバイ速度によるモデル化 指標による普遍化評価... 9 第 4 章結論 結論 今後の課題 参考文献 謝辞... 37

3 第 章序論 3

4 4. 熱電変換 現在, 使用可能エネルギーをより効率よく利用する必要に我々は迫られているが, この問題を解決する手段の一つとして注目されているのが熱電変換を用いた発電 ( 以下, 熱電発電 ) である. 熱電発電はゼーベック効果を利用し, 温度差から電圧差を得る方法である. たとえば,n 型と ( または p 型 ) 半導体熱電材料の両端に高温熱源と低温熱電を接触させた場合, 印加された温度差によって, 多数キャリアである電子 ( 正孔 ) の拡散が促され, 低温側が高電圧 ( 低電圧 ) になる. したがって Fig. - に示すように,n 型と p 型熱電半導体を組み合わせた熱電素子からなるモジュールを用いて, 電流を取り出すことが可能である. 熱電変換素子は駆動部が存在しないことより, 耐久性や静音性, 信頼性に優れ, スケールアップやスケールダウンが可能など様々な面でメリットが多く, また, 現在他の発電方法では技術上利用の難しい 以下の排熱エネルギーを再利用することが可能である点でもエネルギーの有効活用に繋がる []. 実際に, 東京 3 区における人工排熱総量は 6 TJ/day にも及び [], これを利用可能なエネルギー形態に変換する恩恵は極めて大きい. しかしその変換効率は現在約 % 程度と現行の発電方法に劣るため, 宇宙空間等特殊用途で用いられているのみである. より一般に普及するためには更なる効率向上が必要である [3]. Fig. - 熱電変換素子模式図.

5 5. 熱電変換材料の効率 熱電変換の最大効率は高温部の絶対温度 T H と低温部の絶対温度 T L を用いて T T ZT H L max (.) TH ZT TL / TH と表される [4]. ここで ZT は無次元性能指数と呼ばれる量であり,Fig. - に示す通り, 熱電変換効率は ZT の値に極めて敏感である.ZT は材料の電気および熱物性の両方に依存し, ゼーベック係数 S, 電気伝導率 σ, 熱伝導率 κ, 絶対温度 T を用いて次で定義される. S T ZT (.) なお熱伝導率 κ は電子熱伝導率 κ e と格子熱伝導率 κ l を足し合わせたものである. 式 (.) から熱電変換効率を向上させるためには電気伝導特性の改善と熱伝導率の低下が必要であることが分かる. キャリア濃度の最適化によるゼーベック係数や電気伝導率の上昇, 合金化による熱伝導率の低減などが ZT 向上に向けた従来のアプローチであるが, 近年, それらに加えてナノスケール構造体を積極的に利用することで, ゼーベック係数や電気伝導率等の電気的特性を大きく犠牲にせずに格子熱伝導率のみを大幅に低減することが可能となり, それに伴って大幅な ZT の改善が報告された [5-8]. 3 max (%) T L /T H = ZT Fig. - 熱電変換の最大効率 max の ZT 依存性.

6 6.3 ナノ構造化による格子熱伝導率低減 格子熱伝導とは, 結晶中の原子の振動 ( 格子振動 ) の振動エネルギーの伝搬である. 角振動数 ω( エネルギー ε=ħω) の格子振動の量子をフォノンと呼ぶ. ここで,ħ はプランク定数である. フォノンの概念を導入すると, 熱伝導はフォノンの拡散現象で表現される. 格子熱をフォノンから構成される気体として扱えば, 熱伝導率は気体分子運動論と同様に式 (.3) で表される ( フォノン気体モデル )[4]. b D( ) C( ) vg ( ) ( ) d 3 (.3) ここで κ b はバルクの熱伝導率,Ω は単位格子の体積,D は状態密度,C は熱容量,v g は群速度,Λ は平均自由行程 (mean free path, MFP) である.MFP とは, 粒子が散乱するまでの移動距離を平均化したものであり, 散乱するまでの平均時間, 即ち散乱頻度の逆数である緩和時間 τ と群速度 v g を掛け合わせたものである. フォノン同士の衝突による散乱に加えて,Fig. -3 のような構造制御を施すことで, 結晶粒同士の間においてフォノンの界面に衝突することによる界面散乱を発生させることができる. 界面散乱は Fig. -4 の模式図に示す通り結晶のスケール L より平均自由行程 Λ の長いフォノンの移動が制限されるために発生し, バルク単結晶より散乱が増えた結果として熱伝導率が低下するため, 熱電変換性能の向上が可能である. 一例として鉛テルルの ZT を Fig. -5 に示す.775 において ZT~. を示すナトリウムを添加した鉛テルル (p 型 ) をナノ構造化によって 8 で ZT~.7 を示すよう性能向上することに成功している [9]. 熱伝導率がナノ構造化によって低減することを理論的に理解するために, 累積熱伝導率という概念を導入する. 累積熱伝導率とは MFP が Λ= から Λ=Λ までのフォノンの熱伝導率への寄与を累積したものとして定義され, 以下の式で表される []. c ( ) DCv g d (.4) 3 Λ=Λ をナノスケール構造化された材料の結晶粒のサイズ L に対応させ, また結晶粒界面は L 以上の MFP を有するフォノンを透過しない, と仮定することで累積熱伝導率はナノ構造化材料の熱伝導率を示すことと等価になる. ある熱電材料の累積熱伝導率が Fig. -6 で表されるものとする. 例えば, ナノ構造体のスケールを nm とすれば 3 % の熱伝導率の低減が見込めることが分かる. このように, 累積熱伝導率を利用することで最適なナノ構造体のスケールを決定することが可能である. しかしながら,Fig. -6 の通り, 様々なスケールの MFP を有するフォノンが熱伝導に寄与している. そのため, 熱伝導率の低減が見込める最適なナノ構造体のスケールを見積もるた

7 7 めには, 累積熱伝導が MFP に対して大きく変化する MFP 領域を表す長さスケールを知る ことが有用である. そこで, 累積熱伝導率 κ c が % および 9% となる MFP である Λ S と Λ L を用いて, 累積熱伝導率の傾向を定性的に理解できる二つの長さスケールを導入する [ 式 (.5),(.6)]. log S log log L (.5) log log log (.6) L S 一般的に累積熱伝導率は片対数で描写されることを考慮して,Λ S と Λ L の対数の平均を取ったものが式 (.5) である. これは累積熱伝導率が変化している MFP 領域の長さスケールを示す. 次に,Λ S と Λ L の対数の差を取ったものが式 (.6) である. これは累積熱伝導率が変化するときの勾配を表す. 差が小さいほど勾配が急であることから, 単一スケールのナノ構造化による熱伝導率低減のしやすさの度合いを示す長さスケールである. これら二つの長さスケールを用いることで, 熱伝導率低減において最適なナノ構造体のスケールが分かる. 逆説的に言えば, 実験的に加工および合成が可能なナノ構造体によって, 熱伝導率が大幅に低減可能な熱電材料のスクリーニングに繋がる. Fig. -3 構造制御による結晶粒 []. Fig. -4 結晶粒界面によるフォノン輸送の阻害模式図. L はナノ粒子のサイズ,はフォノンの平均自由行程.

8 8 9 c (%) 5 S MFP (nm) L Fig. -5 鉛テルルの ZT 温度依存性 []. Fig. -6 累積熱伝導率の模式図..4 第一原理熱伝導率解析法 ナノ構造化による熱伝導の低減を制御するためには, 熱伝導率を微視的に理解する必要がある. 近年, 非経験的な力場を用いた非調和格子動力学 (anharmonic lattice dynamics, ALD)[3,4] や分子動力学 (molecular dynamics,md)[4, 5] 計算が単結晶や合金化熱電材料に適用され, 正確かつ微視的な熱伝導解析が報告された [4-]. 得られた解析結果から累積熱伝導率を求めることで, ナノ構造化による熱伝導低減率を見積もることが可能であるが, これらの手法は第一原理に基づいているために計算コストが比較的高く, 新規熱電材料の探索においては限定的である..5 研究の目的 ナノ構造化に適した熱電材料スクリーニングにおいては, 累積熱伝導率が有効な手段であるが, 熱電材料候補全てに対して第一原理熱伝導解析を行い, 累積熱伝導率を求めるのは実用的でない. そこで本研究では, ナノ構造体の長さスケールの見積りに必要な Λ S と Λ L を計算するため, 短 MFP および長 MFP のそれぞれの極限において普遍的な累積熱伝導率をフォノン輸送理論に基づいてモデル化することを目的とする.

9 第 章計算手法 9

10 . 格子動力学法 格子動力学法 (Lattice Dynamics, LD) とは, 原子間の力を調和的なポテンシャル関数で近似し, それを用いた線形の運動方程式を解くことで格子振動解析を行う手法である []. 具体的には以下の方法で計算される. 結晶中の n 番目の基本単位胞中の原子 b を考える. この原子のニュートン方程式は式 (.) で与えられる. U m br bn (.) r bn ここで,m b は原子の質量,r は原子の平衡点からの距離,U はポテンシャルエネルギー, 添字 α と β は方向 (x,y,z) を表す. 格子動力学においては, 調和近似のもとでポテンシャルを変位の二次の項までテイラー展開する., U U bn, b' n' rbnrb ' n' (.)! bn, b' n', ここで,b,n はそれぞれ相互作用する原子の番号及び基本単位胞の番号である. 格子振動を考えているため, 原子変位を以下で表される平面波解で仮定する. ubn eb exp[ i( k R n t)] (.3) m b ここで,k は波数ベクトル,R は基本単位胞の座標ベクトル,t は時間である. 式 (.) と式 (.3) を式 (.) に代入して式を整理する., bn, b' n' e b exp[ ik( R n' R n )] eb (.4) b', n', m m b b' e が成分の列ベクトル e を考えると, 式 (.4) は以下の行列式で表すことが出来る. e D( k) e (.5) これはダイナミカルマトリクス D の固有値問題である. なおダイナミカルマトリクス D(k) の (b,α) 行 (b,β ) 列は式 (.6) である. D, bn, b' n' ( k) exp[ ik( R n' R n' m m, b, b' n b b' 式 (.5) を解くことでフォノン分散関係, つまり ω と k の関係を得ることができる. I D( k) (.7) また, 周波数の k に関する微分から群速度を求めることが可能である. 三次元空間で解析を行うため, 原子 つにつき自由度を 3 つ持ち, つの k に対して基本単位胞内の原子数の 3 倍の分枝 s が存在する. このとき,k の時 ω となる 3 つの分 )] (.6)

11 枝のフォノンを音響フォノン (Acoustic phonon), 残りの分枝のフォノンを光学フォノン (Optical phonon) と呼ぶ. また,k に対して振動の方向が垂直のフォノンを横波 (Transverse phonon), 平行, 即ち疎密波となるフォノンを縦波 (Longitudinal phonon) と呼ぶ... 熱容量 熱容量 C とは物質を K 上昇させるために必要な熱エネルギーを表す []. ある周波数 ω を持つフォノンの内部エネルギー u mode は式 (.8) で定義される. u ( ) ( ) (.8) mode f BE ここで,f BE はボース = アインシュタイン分布関数であり, 式 (.9) で定義される. f BE ( ) exp( / k T ) B 式 (.8) を温度 T に関して微分することで, フォノンのモードの熱容量 C mode を得る. du Cmode k B ( / k BT ) f BE ( ) f BE ( ) (.) dt 高温極限における熱容量はモードに依らず, ボルツマン定数 k B に等しくなる. C mode k B (.) (.9) C mode /k B.5 T= K 3 K K 5 Fig. - 温度毎の熱容量と周波数の関係.

12 .. 状態密度 状態密度とは対応する周波数範囲において存在している状態の数であり, 以下の式で表される [3]. D( ) d N (.) ここで,δN は微小格子内のモードの増加数である. 周期境界条件のもとで, 一辺 L の立方体が N 3 個の基本単位格子を含むとき, 取り得る k の値は式 (.3) である. n n n k,, ; n N / (.3) L L L 即ち,L を単位体積の辺と置き換えることで, 各分枝に単位体積あたりの存在する状態の数は式 (.4) で表される. 3 L 8 3 半径 k の球を想定することで, その体積と式 (.4) より式 (.5) となる. L 4k N (.4) (.5) これは波数 k 以下のモードの総数である. 波数ベクトル k と分枝 s による表記を考えると, 積分系では式 (.6) と表すことが出来る. 3N ( ) 3 式 (.6) を周波数空間に置き換えると式 (.7) となる. s d 3 k (.6) 3N D( ) d (.7) ここで,D(ω) は式 (.8) で定義される. 3 D( ) ( ks) d k ( ks) 3 ( ) (.8) k s 実際に式 (.8) によってシリコンの状態速度を計算した結果を Fig. - に示す. s

13 3 DOS D Fig. - シリコンの状態密度...3 群速度 群速度とは, 空間に局在する様々な波数の波の重ね合わせである波束の中心速度である [3]. フォノン分散関係の微分で定義される. v g (.9) k 後述の Debye モデルにおいては, モードに依らず群速度は一定となる. v g v (.) v を音速と呼ぶ.. 緩和時間 f(x,v,t) を分布関数としたときのフォノンのボルツマン輸送方程式は式 (.) となる [4]. f / t v grad f ( f / t) (.) x ここで, 式 (.) 右辺 ( 衝突項 ) に対して, 式 (.) と近似する. ( f / t) col ( f f ) / ( r, v) (.) ここで f は熱平衡時の分布関数である. 緩和時間 τ は, このように定義される. フォノンの気体分子運動論においては, フォノンが再衝突するまでの平均時間間隔を表す. col

14 4.3 モデル.3. Debye モデル Debye は結晶内の原子を弾性体と近似し, フォノンの分散関係が全波数領域において線形であると仮定した [5]. v k (.3) ここで,v は音速である. 式 (.5) にこれを代入して微分すると式 (.4) を得る. dn k dk D( ) D 3 d (.4) d v この式が状態密度関数の Debye モデルである. これを式 (.7) に代入すると, 右辺は無限大に発散してしまうため, カットオフ周波数となるデバイ周波数 ω D を設定する必要がある. D 3 D d D 3N 3 6 v また, デバイ温度 Θ D は式 (.6) で定義されている. (.5) D k B D (.6) デバイ温度は材料固有であり, 実験によって計測することが可能である..3. Klemens の緩和時間モデル フォノン同士の衝突の内, つのフォノンが衝突して つのフォノンとなるとき (One-phonon emission/absorption) の緩和時間は式 (.7) で表される [4,6]., c 3 f BE f BE (.7) ここで,c 3 は Fourier 変換された三次の非調和バネ定数である. ここで Klemens は c 3 を式 (.8) と近似した. i M c3 (.8) 3G v g ここで,G は格子点の数,M は単位胞内の原子質量,γ はモードの周波数の体積微分で定義される Grüneisen 定数である. これに加えて f BE の高温極限をとることで式 (.7) は式 (.9) となる. Mv g max A (.9) k T T ここで,ω max は最大周波数である. B

15 5.3.3 Slack の熱伝導率モデル Slack は熱伝導率を, 式 (.3) でモデル化した [7]. slack / 3 3 M B D (.3) T ここで,B は材料によらない定数である. このモデルは比較的高温のときに成立する.

16 第 3 章結果と考察 6

17 7 3. 格子動力学法による計算 3.. 指針 本研究では, 半導体として幅広く用いられているシリコン (Si), 環境調和性に優れたマグネシウムシリサイド (Mg Si)[8], 先天的な熱伝導率の低さから幅広く用いられている鉛テルル (PbTe)[9], 高温領域熱電材料として応用が期待されているハーフホイスラー化合物 (ZrCoSb)[3] の四つの材料を対象とし, 第一原理的に得られた調和原子間力定数 [4,5,9] を用いて LD 計算を行った. なお,LD 計算で用いた波数空間メッシュ及び絶対温度は記述がない限り 5 5 5,3 K で統一した. 3.. フォノン分散関係とその線形性 LD 計算によって得られた各材料のフォノン分散関係およびフォノン状態密度を Fig. 3- に示す. 図中の赤丸は中性子散乱実験結果 [3-33] であり, 特に音響フォノンが実験結果と よく一致していることが分かる. (a) Si This work Experiment (b) Mg Si This work Experiment 4 DOS (c) PbTe X L W Kpoints This work Experiment DOS (d) ZrCoSb X Kpoints This work L X L X X L X W DOS Kpoints DOS Kpoints Fig. 3- LD 計算によって得られた各材料のフォノン分散関係と状態密度. (a)si (b)mg Si (c)pbte (d)zrcosb 図中の赤丸は中性子散乱実験結果 [3-33].

18 8 フォノン分散関係において線形性がある周波数帯においては Debye モデルに基づいた解析 が可能となる そのために線形領域を見積もる 式(.3)が成立するとき フォノン分散関 係は線形となる そこで 式(3.)で定義される Δ を縦軸に取り横軸を周波数としたグラフ を Fig. 3- に示す vg k (3.) いずれの材料においても 十分に低周波数であれば Δ が に近い値となり Debye モデルと 等しくなる共通の性質があることが分かる Δ の微分値が連続して上昇(下落)傾向を見せな い各材料の領域を Tab. 3- に示すように定義した 以降この領域を線形領域と呼称する な お これらの低周波数となるフォノンの分岐は全て音響モードである +3 [ +3 ] ] [ (a) Si Debye model This work linear area (b) MgSi Debye model This work linear area [ + [ ] (c) PbTe + ] (d) ZrCoSb Debye model This work Debye model This work 5 linear area linear area. Fig. 3- 低周波数におけるフォノン分散関係の線形性 (a)si (b)mgsi (c)pbte (d)zrcosb

19 9 Tab. 3- 線形領域の最大周波数 (THz) Si MgSi PbTe ZrCoSb 長 MFP 領域の普遍化 平均自由行程(mean free path, MFP)は以下の式で定義される v g (3.) Λ が大きくなるためには群速度もしくは緩和時間が大きい値をとる必要がある LD から得られたフォノン分散関係から式(.9)を用いて群速度を計算し その周波数依 存性を Fig. 3-3 に示す これより 低周波数において群速度が最大となることが分かる (b) MgSi vg (m/s) vg (m/s) (a) Si 5 5 LA TA LA TA 6 4 (d) ZrCoSb (c) PbTe vg (m/s) vg (m/s) 4 LA TA LA TA.. Fig. 3-3 群速度の周波数依存性 LA は音響縦波(Longitudinal Acoustic) TA は音響横波 (Transverse Acoustic)をそれぞれ示す

20 緩和時間の Klemens モデル (.3.) を考える. このとき, 緩和時間は周波数のマイナス 乗に比例していることより低周波数において大きくなる. 以上 点を考慮することにより低周波数において Λ は大きい値をとると推測される. よって, 長 MFP 領域が線形領域に等価であると仮定する. 3.. 減法による累積熱伝導率 長 MFP 領域に着目するために全てのフォノンモードの熱伝導率の合計から, 累積熱伝導率を用いて Λ=Λ 以上の MFP を有するフォノンの熱伝導率への寄与を評価する. このとき, 式 (.4) は, 式 (3.3) へと変形が可能である [5]. c b DCv g d (3.3) 3 長 MFP 領域となる Λ=Λ におけるフォノンは全て低周波数のフォノンであると仮定しているため, 式 (3.3) の右辺第二項の状態密度, 熱容量, 群速度および緩和時間はそれぞれ式 (.4), 式 (.), 式 (.), 式 (.9) のモデルを適用することが可能である. c b D k Bv A T d (3.4) 3 これを周波数と MFP の関係に注意して整理すると, 以下が得られる. k D v A 5 / 3 / B / / c b c 3 / b (3.5) 3 T この c は材料固有の定数である. ここで,Λ を式 (3.6) と定義する. c ' (3.6) b 式 (3.6) を式 (3.5) に代入することで, 累積熱伝導率は材料に依らず式 (3.7) と変形することができる. / c / b ' (3.7) この理論の正当性を 3.. で確かめる.

21 3.. 非調和格子動力学法の結果による評価 ここでは, 先行研究 [4,5,9] の非調和格子動力学 (ALD) 法によって得られた計算結果を用いて,3.. の理論の妥当性を示す.ALD は調和的なポテンシャルに加えて, 非調和的なポテンシャルを使用する手法であり, 非調和性に由来したフォノン緩和時間を計算することが可能な方法である. Klemens モデルによれば, 低周波数領域における緩和時間は材料に依らず ω - の周波数依存性を示すが,ALD 法を用いて計算された緩和時間は Klemens モデルとは異なる周波数依存性を示す. 例として ZrCoSb の緩和時間の周波数依存性を Fig. 3-4 に示す.Fig. 3-4 中の実線は Klemens モデルであり, 破線は線形領域中の緩和時間を ω -α でフィッティングした結果である.α=.8 と, 緩和時間は ω - の周波数依存性は示さないが, 本研究ではこの点を考慮せず, 線形領域において緩和時間は Klemens モデルに従うものとして累積熱伝導率の普遍化を行った. Relaxation time (ps) cutoff (Klemens) fit) Fig. 3-4 ZrCoSb の緩和時間の周波数依存性 [reference]. 実線は冪数 - (Klemens モデル ). 破線は冪数フィッテング. 長 MFP 領域における累積熱伝導率の普遍化において重要なパラメータは,D,v および A に依存した定数 c である.Figs. 3-, 3-3, 3-4 から分かる通り,D,v,A それぞれは線形領域内であっても周波数に依存するため,c も同様に周波数に依存する. したがって, 線形領域内にカットオフ周波数を設定し, それ以下の周波数帯における計算結果から求めた D,v と A, 及び c それぞれの周波数依存性を Fig. 3-5 に示す.

22 Fig. 3-5 中の赤線は 3.. において定義した線形領域である. 線形領域では D,v,A はほぼ一定の値を取り, 周波数に強く依存しないことが分かる. しかしながら, 分散の線形性が最も強く見られる周波数は 近辺では,D,v,A,c のいずれも周波数に強く依存し, 値が変動していることが見られた. これは LD 計算におけるメッシュの粗さに起因するものである. 例として Mg Si の v に関して, より粗いメッシュサイズ 3 3 3,4 4 4 を用いた場合の LD 結果との比較図 Fig. 3-6 を示す. メッシュが細かいほど,v が急激に下落する周波数が低くなることが分かる. これより, メッシュサイズが無限大であれば, 周波数 から線形領域最大までの全ての線形領域で急激な変動が起きないと推定することができる. そこで, 今回はこの 近辺の値が急激に変動する周波数帯を無視した. A (K/s) 9 8 Si Mg Si ZrCoSb PbTe linear area D (m 3 /s 3 ) e 39 e 4 Si Mg Si ZrCoSb PbTe linear area 7. e 4. v (m/s) Si Mg Si ZrCoSb PbTe linear area c (W/m / K). Si Mg Si ZrCoSb PbTe linear area... Fig. 3-5 D,v,A および c の周波数依存性.

23 3 5 v (m/s) Fig. 3-6 各メッシュサイズにおける Mg Si の平均化群速度の周波数依存性. ALD 計算で得られた累積熱伝導率に式 (3.6) を適用した結果を Fig. 3-7 に示す. 理想的には図中の赤実線は式 (3.7) に一致するはずであるが, 四つの材料は概ね一つの曲線にのっていることが分かる. 理想的な累積熱伝導率からのズレを議論するために,Λ = のとき -κ c /κ b =. となることに着目し, 誤差を式 (3.8) 中の c を用いて評価する. / c / b c' ' (3.8) 得られた誤差は log c =±.9 程度であった. この誤差は前述の緩和時間モデルの実際との冪数の差によって生じていると推測される. よって,ALD が厳密な計算であることより, この精度が式 (3.6) による長 MFP 領域の普遍化の限界である, と考えることが出来る. c / b. Si Mg Si ZrCoSb PbTe ' / log c =±.9 Fig. 3-7 式 (3.6) による普遍化結果と理想的な式 (3.7) との比較. '

24 4 これまでに得られた結果より, 次の 点を述べることが出来る. 累積熱伝導率の長 MFP 領域を線形領域と仮定し,Debye および Klemens モデルを用いて普遍化することは妥当である. その精度の限界はおよそ Fig. 3-7 の赤破線である. 逆に言えば, この程度の精度が要求されている, と考えることが出来る 熱伝導率による合わせ込み 3.. より, 長 MFP 領域における累積熱伝導率を普遍化するためには D,v および A の値が必要である. しかし,LD 法ではフォノン状態密度と群速度から v と D を求めることが可能であるが, モードごとの緩和時間及び熱伝導率は計算できないため,3.. と同様の手法で A を得ることは出来ない. そこで, 調和量と実験的に得られる材料の物性値から導くことが可能な A のモデルが必要である. 緩和時間を式 (.9) として導出した熱伝導率と実験値による熱伝導率を比較することで A を求める. A 3 b DCv T g この式により得られた A を Fig. 3-8 に示す. (3.9) A (K/s) 9 8 Si Mg Si ZrCoSb PbTe linear area A (fit ) 7. Fig. 3-8 ALD で得られた A と式 (3.9) による A の比較.

25 5 A を材料の熱伝導率から求める手法では, 線形領域以外の周波数帯の影響も含んでいる. 実際に ALD の A と比較すると最大値と最小値の間になることからも, そのことが分かる. Fig. 3-7 程度の精度で累積熱伝導率を普遍化するためには, 線形領域の性質のみ反映されなければならないが, 線形領域の熱伝導率を LD 法では計算できなため, 低周波数の性質を反映したモデルが必要である Slack の熱伝導率モデルの適用 Slack の熱伝導モデル及び Debye モデルを考える. ここで, 線形領域のフォノンは音響フォノンであることと, 式 (.5) より音速とデバイ温度が比例関係にあることに注意して Slack の式を変形し,Klemens の緩和時間のモデルに代入することで, 式 (3.) を得る. A B ' T slack acomax / 3 v (3.) ここで,ω aco-max は音響フォノンの最大周波数である. 式 (3.) 中の Slack の熱伝導率に実験値を代入することで計算した A の周波数依存性を Fig. 3-9 に, また得られた c を用いて規格化した累積熱伝導率を Fig. 3- にそれぞれ示す. A (K/s) 9 8 Si Mg Si ZrCoSb PbTe linear area model A c / b. Si Mg Si ZrCoSb PbTe ' / log c =±.9 7. Fig. 3-9 ALD と式 (3.) による A の比較 ' Fig. 3- モデルによる普遍化結果と理想的な式 (3.7) の比較. ZrCoSb の A は ALD 結果のフィッティングより得られた A (Fig. 3-7) と比較して約 倍の値 となるために大きく外れるが,ZrCoSb を除いた全ての材料が赤破線に挟まれた領域内に存 在していることから, 調和量と実験値のみを用いたモデル化が部分的に成功していると言

26 6 える. ここで,ZrCoSb がモデルから外れる理由を考察する. 本モデルでは 3..3 で得られた結果を受けて, 線形領域の性質を特徴付ける量として ω aco-max と v を導入し, Slack のうち線形領域における熱伝導率の計算を試みた. しかしながら, 実際に ALD 計算結果から得られた ZrCoSb と Mg Si の熱伝導率全体に対する線形領域の熱伝導率の占める割合はおよそ : となり, この影響を ω aco-max と v のみでは打消し切れないことが外れる要因と考えられる. これまでに得られた結果より, 以下の 点を述べることができる. Klemens の緩和時間モデルの係数決定のために熱伝導率に合わせこむ方法は十分に線形領域のみに着目することが出来ないため不適である. Slack の熱伝導式を用いて Klemens の式を補うことで一部の材料を除いて A のモデル化が可能であり普遍化することが出来る. 3.3 短 MFP 領域の普遍化 式 (.3) と式 (3.) より, 同じ MFP を持つフォノン同士のときは, 群速度の大きい方が熱伝導率は大きくなり, このフォノンが累積熱伝導率に与える影響は大きいと考えることができる. よって, 群速度に主眼を置くことで短 MFP における累積熱伝導率の普遍化を行う 短 MFP 領域のフォノンの分類 検証のために ALD 結果 [4,5,9] を用いて計算した音響モードと光学モードそれぞれの累積熱伝導率を Fig. 3- に示す. これより, 長 MFP 領域と異なり, 短 MFP は両方のモードが熱伝導を担っていることが分かる. そのため, 普遍化においてこの点を考慮して行わなければならない.

27 7 (a) Si (b) Mg Si c (W/m K) c (W/m K) MFP (nm) Acoustic Optical All MFP (nm) Acoustic Optical All (c) PbTe (d) ZrCoSb c (W/m K) c (W/m K) Acoustic Optical All MFP (nm) MFP (nm) Fig. 3- 音響モードと光学モードの累積熱伝導率. (a)si (b)mg Si (c)pbte (d)zrcosb Acoustic Optical All 3.3. デバイ速度によるモデル化 式 (.5) と式 (.6) より, デバイ温度から速度が一意に定まる. これをデバイ速度と呼称する. デバイ温度はモードに依存しない量であるため, デバイ速度もモードに依存しない. これによって普遍化を目指す. 各材料のデバイ温度 [34-37] 及び計算して求めたデバイ速度を Tab. 3. に示す. Tab. 3- デバイ温度 ( D )[34-37] とデバイ速度 (v D ). Si Mg Si PbTe ZrCoSb D (K) v D (m/s)

28 8 群速度が支配的であるため, その影響を打ち消すことで普遍化が可能であると仮定すると式 (3.) によって MFP のモデル化が可能と考えられる. '' /( b / v ) (3.) この式を実際に適応した結果を Fig. 3- に示す. D. c / b. c / b e 7 '' e 6 Si Mg Si ZrCoSb PbTe e 7 e 6 e 5. '' Fig. 3- 累積熱伝導率の低 MFP 領域に対する普遍化. これで, 式 (3.) によって累積熱伝導率にして ~ % 程度までの短 MFP 領域の普遍化が可 能であることを示した.

29 9 3.4 指標による普遍化評価 式 (.5),(.6) で定義した log を横軸に, log を縦軸に取った模式図を Fig. 3-3 に示す. ここで, 析出体とは結晶内に析出体を出現させる数 nm オーダーのナノ構造化, 焼結体は数百 nm オーダーのナノ構造化である. log の値はナノ構造体のおおよその長さスケールを示すため, そのスケールに適したナノ構造化手法を選択する際の指標となっている. log と log の間には何らかの基準線が引け, この線を境界として熱電材料としての可能性の有無を判断することが可能になると推定した. Fig. 3-3 熱電材料の判断基準の模式図. 3.,3.3 の理論に基づいて LD の計算結果と実験値から Λ S と Λ L を求める. ここで,Λ L は定義上累積熱伝導率が 9 % となる MFP であることから, 式 (3.5) より式 (3.) と表すことが出来る. L c b 一方,Λ S は Fig. 3- より直接読み取ることで式 (3.3) を立てた. S (3.) b c' (3.3) vd ここで,c は材料によらない定数である ( 本研究では c =.64-6 とした ). LD 計算結果と実験値から求めた Λ S と Λ L を Tab. 3-3 に示す. 比較のため,ALD 計算 [4,5,9] で得られた Λ S と Λ L も同様 Tab. 3-3 に示す.

30 3 Tab. 3-3 ALD 計算および本研究で求めた材料毎の Λ S と Λ L Si Mg Si This work ALD This work ALD S (nm) L (nm) log log PbTe ZrCoSb This work ALD This work ALD S (nm) L (nm) log log 短 MFP 領域のモデルは全材料に対して極めてよく一致しているように見受けられたが,Tab. 3-3 より ZrCoSb は大きく外れていることが判明した. ZrCoSb を除けば, 計算した log と log の ALD との差はそれぞれ最大で 5 %, % 程度であり, 本研究でモデル化した累積熱伝導率は概ね ALD の計算結果と一致することが分かった. 得られた log と log を,Fig 3-3 と同様に表した結果を Fig. 3-4 に示す. log 3 Si Mg Si PbTe ZrCoSb This work ALD log 3 Fig. 3-4 指標の仮想図.

31 3 ここで橙破線は仮に設定した基準線である. このとき, Fig. 3-4 から次のことを読み取ることができる. Mg Si と PbTe を比較すると, Mg Si はナノ粒子焼結体化,PbTe はナノ粒子析出体が有効である. ALD の結果とモデルが乖離している ZrCoSb はこの線で分断されてしまっている. 即ち, このモデルだけでは本来と異なる性質を示してしまう危険性がある.

32 第 4 章結論 3

33 33 4. 結論 計算コストの比較的軽い解析である格子動力学法を用いて, 実験結果によく沿うフォノン分散関係を導出した. また, これの低周波数における線形性を確認した. 本研究ではこの結果と実験値によって長 M 平均自由行程領域及び短平均自由行程領域における累積熱伝導率を普遍化し, それを指標に適応することで性能表示を目指した. まず長平均自由行程領域を線形領域と仮定することによって成立する普遍化の妥当性を厳密な計算 ( 非調和格子動力学法 ) による結果を用いることで確認した. その結果,Klemens モデルの冪数と実際とのズレが原因の誤差は生じるがある程度の精度で普遍化が可能であることが判明した. そして, 格子動力学法では計算できない緩和時間のモデル化を行った. 従来の Klemens の方法では線形領域のみに着目してモデル化することが出来なかったため, Slack の熱伝導率の式と合わせることで線形領域の要素をより含んだモデルを作成した. その結果, このモデルを使用することで, 一部の材料を除いて普遍化することが可能となった. 次に, 短平均自由行程領域は音響フォノンと光学フォノン両方, すなわち全フォノンの性質を含んだ速度成分が必要であることが判明した. そこでデバイ温度から求まるデバイ音速を使用することで短平均自由行程の普遍化を行った. 最後に, 指標の可能性を示し, これにモデルによる値と非調和格子動力学法の結果による値を代入して比較した. その結果, 一部の材料を除いて理論通り, 正確に長平均自由行程領域と短平均自由行程に関してモデル化されていることが判明した. 4. 今後の課題 本研究において, 線形性を保つ領域の大きさは一定ではなく材料固有であること, そして材料の線形領域における正確な情報から長 MFP 領域の普遍化が可能であることを確認した. しかしながら,LD 計算による情報のみでは一部の材料に於いて現時点のモデル化だけでは不十分であり,ALD 等の計算コストがかかる手法の必要性が確認できた. 今後はフォノンの部分的な熱伝導をより精度よくモデル化すること及び今回仮に用いた指標をより厳密に意味解釈することを目標とする.

34 34 参考文献 [] 吉野淳二, 篠原嘉一, 熱電変換の基礎と応用, 応用物理, 8,, (3). [] 国土交通省, 環境省, 都市における人工排熱インベントリー, (4). [3] 梶川武信, 熱電変換技術ハンドブック, NTS, 4, (8). [4] H. J. Goldsmid, Introduction to Thermoelectricity, Springer, (9) [5] T. C. Harman, D. L. Spears and M. J. Manfra, High thermoelectric figures of merit in PbTe quantum wells, Journal of Electronic Materials, 5,, (996). [6] L. D. Hicks, T. C. Harman, X. Sun and M.S. Dresselhaus, Experimental study of the effect of quantum-well structures on the thermoelectric figure of merit, Phys. Rev. B, 53, 493, (996). [7] X. Tang, W. Xie, H. Li, W. Zhao, Q. Zhang and M. Niino, Preparation and thermoelectric transport properties of high-performance p-type Bi Te 3 with layered nanostructure, Applied Physics Letters, 9,, (7). [8] J. Lim, K. Hippalgaonkar, S. C. Andrews, A. Majumdar and P. Yang, Quantifying surface roughness effects on phonon transport in silicon nanowires, Nano letters,, 475, (). [9] K. Biswas, J. He, I. D. Blum, C.-I. Wu, T. P. Hogan, D. N. Seidman, V. P. Dravid and M. G. Kanatzidis, High-performance bulk thermoelectrics with all-scale hierarchical architectures. Nature, 489, 44, (). [] C. Dames and G. Chen, "Thermal conductivity of nanostructured thermoelectric materials," in CRC Thermoelectrics Handbook: Macro to Nano, ed. D. Rowe, CRC Press, (5). [] B. Poudel, Q. Hao, Y. Ma, Y. Lan, A. Minnich, B. Yu, X. Yan, D. Wang, A. Muto, D. Vashaee, X. Chen, J. Liu, M. S. Dresselhaus, G. Chen and Z. Ren, High-thermoelectric performance of nanostructured bismuth antimony telluride bulk alloys., Science, 3, 634, (8). [] L.-D. Zhao, V. P. Dravid and M. G. Kanatzidis, The panoscopic approach to high performance thermoelectrics, Energy Environ. Sci., 7, 5, (4). [3] D. A. Broido, M. Malorny, G. Birner, N. Mingo and D. A. Stewart, "Intrinsic lattice thermal conductivity of semiconductors from first principles," Appl. Phys. Lett., 9, 39, (7). [4] K. Esfarjani, G. Chen and H. T. Stokes, "Heat transport in silicon from first-principles calculations," Phys. Rev. B, 84, 854, (). [5] J. Shiomi, K. Esfarjani and G. Chen, "Thermal conductivity of half-heusler compounds from first-principles calculations," Phys. Rev. B, 84, 43, ().

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37 37 謝辞担当教員の塩見先生には大変お世話になりました. 来年も引き続き的確な指導をお願いします. 丸山先生には直接お話を伺う機会は少なかったのですが, それでも CNT 的な意味で印象的でした. 千足先生からは社会の厳しさをその忙しそうな姿から学ぶことが出来ました. 渡辺さんには研究室のあれこれを教わりました. ポットのお湯の交換タイミングには気をつけようと思います. 石田さんには事務手続きを色々と行っていただきました. 志賀さんには研究のけの字からうの字まで教わりました. おそらく来年も無知ゆえの愚かな言葉をエンチャントし続けると思いますが, 勘弁してください.James さん, おめでとうございます. 堀さんには研究会で色々指摘を受けました. まともに受け答えできるようにがんばります. 村上さん, 卒論には反映できませんでしたが IFC を無駄にはしません. 前野さんには忙しい中, 卒論の校正を手伝っていただきました. ちゃんと参考にしました. 厳君は席が隣ということもあり多種多様の迷惑をかけました. この場を借りてお詫びします. その他名前を挙げなかった皆さんも一年間ありがとうございました & 色々ごめんなさいでした.

38 38 以上 卒業論文 平成 6 年 月 3 日提出 指導教員塩見淳一郎准教授 359 明戸大介

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