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1 統計力学講義ノート ( 年夏学期 ).4.8 by I. Kamiya 統計力学で何を学ぶか世の中の微視的な現象は確率 統計で決まっている ( 量子力学とはまた別の意味で ) これを合わせた形で集合体の性質は決まる これまで習ってきた古典力学 熱学等は集合体もしくは質点の性質のみ電子物性 複雑系の研究には必須熱力学の基礎的理解にも必須. 統計力学とは何か?. 基本概念アンサンブル エントロピー ( 情報と統計 ) エルゴード仮説 平衡 非平衡熱力学と統計力学. 統計分布閉じた系と開いた系 ( 物質の出入り ) ミクロカノニカル分布 カノニカル分布 グランドカノニカル分布分配関数 大分配関数. 量子統計 awell / oltzmann 分布 Fermi (-Dirac) 分布 ose (-instein) 分布黒体輻射 反転分布と負の温度 ose-instein 凝縮 4. 固体物理への応用比熱 格子欠陥金属 半導体の電子状態 状態密度電子デバイスの基礎磁性 合金 5. 平衡 非平衡 6. 数学的基礎 Stirling の公式ガウスの積分公式 Γ 関数 目標 統計力学の原理 数学的 理論的裏づけ 物性物理への応用

2 . 統計力学とは何か?: 統計力学の原理 ミクロとマクロをつなぐ統計物質の挙動 通常 マクロな量の測定 e.g. 古典力学統計力学微視的粒子の挙動は確率で決まっている! 波動関数の概念ではなく 量子力学とは一寸異なるミクロな世界 ( 電子 原子 等 ) の法則 マクロな現象の理解個別の粒子の物性測定は難しいが この解析からマクロ物理が説明可能 粒子 粒子系は厳密に解析的に扱えるが 粒子以上は不可能従って 統計的に扱わざるを得ない サイコロを振る時の出る目の数の合計を考える ) 個の場合 : どの目も /6 ) 個の場合 : どの目も /6 だが 合計は : /6, : /6, 4: /6, 5: 4/6, 6: 5/6, 7: 6/6, 8: 5/6, 9: 4/6, : /6, : /6, : /6 ) 個の場合 : どの目も /6 だが 合計は : /6, 4: /6, 5: 6/6, 6: /6, 7: 5/6, 8: /6, 9: 5/6, : 7/6, : 7/6, : 5/6, : /6, 4: 5/6, 5: /6, 6: 6/6, 7: /6, 8: /6 4)n 個の場合 : n : n, n : C n n, n : C n n, 平衡と非平衡 C C この様なバランスが取れた状態熱 ( 力学 ) 的平衡 : 熱の出し入れが無い状態本講義では基本的に平衡状態を扱う 但し 近年複雑系等 非平衡状態が物理 化学 生物学での興味の対象 では平衡状態とは何か? 各点 ( 原子 電子 ) は動いていて 速度は変わるが 全体としての 分布 が 時間的に変化しない定常的なものになっている状態 重要事項状態数 ( 状態密度 ): 量子化された格子点を数える事に帰結 分布関数 : 基本的に ep に比例 k T

3 統計力学の別の見方 : 座席割り当て割り当てと値段の計算 日比谷公会堂の座席表 上に行く程 ( 舞台に近づく程 ) 価格は高い さて どこから埋まり 合計の金額は?

4 統計力学の基礎 - エントロピー (ntropy: 乱雑さ ) 情報理論におけるエントロピー 進法のビット (bit) 情報の分からなさ加減 例えば トランプで カードを 枚引く事を考えると 枚で bit エントロピーは 4 枚で bit エントロピーは 8 枚で bit エントロピーは では 枚 6 枚などでは?,, トランプではなく 色付きカードを考える 枚の異なる色のカードから 枚を引き出す時のエントロピーはやはりである 4 枚の異なる色のカードから 枚を引き出す時 のエントロピーは である 4 枚の内 枚が同じ色 ( 赤 ) の場合はどうか? エントロピーの定義 : ある事象 i が起こる確率を P i とおくと エントロピー S は S P i P i i 上の場合 赤が出る確率は /, 白 青は各々 /4 S P i P i i 平たく言えば この時の方がカードは当て易い事になる 4

5 - 熱力学的エントロピー : 似て非なるもの S k R k.8 J K k は oltzmann 定数 [ ] は場合の数 または 熱力学的重率 以下 底の記してない は自然対数の底 e を用いている 上のカードを並べる場合の数を考える この 枚は区別できるので! 6 通り 従って である ~ k 4 枚の場合は 4! 4 通り 従って である ~ k この場合には 通り 従って である ~ k 定義の意味は余り気にせず 習うより慣れろ というのがお薦めだが こだわる人には こ れが熱力学的エントロピーと一致する事を説明 ) エントロピーは上記の様に 場合の数 () に関係している ) エントロピーは示量変数である ( 即ち 物質 場の量 広がり に比例する ) 系, S 系, S Helmoltz の自由エネルギーは F U TS で表され S をエネルギーに換算し得る 例えば 各々の系に含まれる原子のエネルギー状態の場合の数が各々 の系を合わせて一つの系と考えると ここでの場合の数は, だとしよう 両方 である ところが エン トロピーが示量変数であるという要請があるので S S S である 掛け算が足し算に置き換 わるという関係は指数 対数の関係なので S とおく 5

6 トランプの補足 枚 4 枚から 枚抜き出す : エントロピーの定義は 何 bit か? という事そのため 対数の底は もっと簡単には のカードと のカードがあって その何れかを引いているこれが,,, になったり,,, になったりしている と考えても良い 並べる方法 熱力学的エントロピーこの時は自然対数の底を考えているが これは定義と思った方が良い 状態量 (State Function): 熱平衡にある系のマクロな状態で決まる物理量示強変数 (intensive) 物質の量に比例する変数 量 eg. 温度 圧力示量変数 (etensive) 物質の量に比例する変数 量 eg. 物質の質量 エネルギー エントロピー さて 今度は例として 気体の定温膨張を考える V p, T V V p, T 初期状態において 体積 V, 粒子数 m ( [ mol] m は vogadro 数 ) 個々の粒子が 占めうる状態数を とする ここで 状態数とはエネルギー 状態 を考えるが 単位体積当りに一定状態数 ( この場合 ) があると考える m 個の粒子を 個の状態に配分する方法は Cm 通り これに対し 間のついたてを取 り除き 温度 T のまま膨張させた後の状態は 体積が倍であり よって 占有し得る状態数は よって Cm 通り 両者のエントロピーを求めると ( 但し Stirling の公式 S! Cm m!( m)!! ~ を用いてよい ) S C m! m!( m)! 6

7 S S S!! m!( m)! m!( m)! [( ) ( m m m) (( m) ( m) ( m) ) ( ) ( m m m) (( m) ( m) (( m) )] [ ( m) ( m) ( m) ( m) ] ここに >> m より S [ ( m) ( m) ] ( m m ) m さて 一方 熱力学におけるエントロピー 熱力学の第一法則により 系の熱の出入りを d ' Q ( 仕事 熱量は状態量でない ) 内部エネルギーを U とおくと そして エントロピーは d ' Q du pdv d' Q ds で定義された T ここに 粒子数を m としたので [ mol] ( R は気体定数 8.45 [ K ] mol m m なので pv RT である J ) 上の例で 定温膨張の時 内部エネルギーは一定なので ds 熱力学的エントロピーの変化を計算すると S ds mr V V V V pdv T V V mr mr mr dv V V V mr dv V pdv T [ V ] R k.8 J K であるから ここに定義より oltzmann 定数 [ ] S mk これを上の結果と比較すると とすると エントロピーが S k で定義されたもの と一致する事が見られる k V V という訳で難しい理屈は兎も角 エントロピーが 説明できるので 以下 これを認めて議論 S k で定義されると熱力学の結果も 問い ) 上記の計算で 粒子が識別できるとしたらどうなるか? 7

8 - 量子状態と状態数の考え方統計力学の原理 確率的に起こり易い方向へ安定化する ( エントロピー増大則の別の表現 ) 一般に 個々のエネルギー状態 は ep に比例して占有される k T -- 準位系に 個の粒子を分配する場合の数の検討 ) 準位系 a) 個の粒子を分配 粒子を区別して分配 : 通り 区別せず分配 : 通り 各々の準位に入る粒子数だけを考えると (, ): 通り (, ): 通り (, ): 通り b) 4 個の粒子を分配 粒子を区別して分配 : 通り 区別せず分配 : 通り 各々の準位に入る粒子数だけを考えると (4, ): 通り (, ): 通り (, ): 通り (, ): 通り (, 4): 通り 例題 )8 個の粒子では? 解 ) 粒子を区別して分配 : 通り 区別せず分配 : 通り 各々の準位に入る粒子数を考えると (8, ): 通り (7, ): 通り (6, ): 通り (5, ): 通り (4, 4): 通り (, 5): 通り (, 6): 通り (, 7): 通り (, 8): 通り 8

9 ) 準位系 a) 個の粒子を分配 粒子を区別して分配 : 通り 区別せず分配 : 通り 各々の準位に入る粒子数だけを考えると (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り b) 個の粒子を分配 粒子を区別して分配 : 通り 区別せず分配 : 通り 各々の準位に入る粒子数だけを考えると (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り (,, ): 通り )5 準位系に 個の粒子を分配 a) 全ての粒子が区別できるとすると 通り b) 粒子が区別できないとすると 個の粒子と 個の仕切りを並べるのと同等 個の場所から 個の仕切りを挿入する場所を選ぶと 通り 9

10 例えば 5 準位系に 個の粒子を入れる 通りあり得る この内の つを例に挙げたのが上の図であるが これら各々が起こる場合の数は 左 ) 通り 中 ) 通り 右 ) 通り 各々のエントロピーは 左 ) 中 ) 右 ) ( 問い ) 上記 (5 準位系に 個の粒子を配分する時 ) でエントロピーを最大にする様な分け方と その時のエントロピー [ K ] J を求めよ ( 答 )

11 -- エネルギーを考慮した 準位系に 個の粒子を分配する方法 次に これらの準位に入る粒子はそれぞれ運動エネルギー ~ 5 を持つとする ここで 例え ば上の三例では系の合計エネルギーは左 ) 中 ) 右 ) である 一方 上の三つは 何れも系の合計エネルギーは であり この様な組み合わせと場合の数を 求めると (n 5, n 4, n, n, n ; ) と書くと (,,,, ; ), (,,, 8, ; 9), (,,, 6, ; 6), (,,, 4, ; 4), (,, 4,, 4; 5), (,, 5,, 5; 5), (,,, 7, ; 6), (,,, 5, ; 54), (,,,, 4; 6), (,,, 5, ; 54), (,,, 4, 4; 5), (,,,, 5; 756), (,,,, 6; 6), (,,,, 6; 84), (,,, 6, ; 84), (,,, 4, 4; 6), (,,,, 5; 756), (,,,, 6; 84) (,,,, 6; 544) (,,,, 7; 6) (,,,, 6; 6) (,,,, 7; 6) という訳で 最も起こり易いのは (,,,, 4) という分布 合計エネルギーの束縛により 大きく 分布が変わっている事が分かる 統計力学の原理結論 : 一般に 個々のエネルギー状態 は ep に比例して占有される k T こうして 一般に エネルギー の状態に 個ずつの粒子が分布しているとすると 全粒子数 と全エネルギーは n n (.5, 6)

12 ここで 個の粒子をどの様に 態 には n n, n,, L と分配するかを考える 更に 各エネルギー状, n4 g 個ずつ座席があると考える まず 粒子をどの様に分けるかを考えると 個の粒子から n 個を選び出すのは! (.) n!( )! C n n 通りである 次に 残った粒子 n 個の粒子から n 個を選びだすのは ( n )! n C n n!( n n (.) )! 通りである これを繰り返していくと 個の粒子を n n, n,, L に分配するのは, n4! n! n! n! n 4!L (.) 通りとなる この様に記述されるミクロな状態が 同じ確率で起こっているのが 熱平衡 の状態であり こう考えるのが等確率の原理である 更に 各エネルギー状態 には g 個ずつ座席があるという条件を考えると g この時 全ての場合の数は! n n n 4 ( L) n n, n, n, n4, g g g g 4 L (.4) n! n! n! n! L 4 となる ここに Stirling の公式! ( ) (.4) を用いて 上の状態のエントロピーを定義に従って求める事を考える すると 比例定数ておき を求めなくてはならないから! n n n n4 ( n, n, n, n4, L) g g g g 4 n! n! n! n4! L n ( g n ) L (.5) k はさ

13 最も起こる事が確からしい状態はこの ルギーの条件 n n (.5, 6) が最大になる時であるが ここに合計粒子 エネ を取り入れるには Lagrange の未定係数法を用いる ( 章 節で扱う ) 因みに 式 (.4) の導出において 粒子が全て区別できるものとしているが 区別がつかない時は 場合の数は! で割って n n n 4 ( L) n n, n, n, n4, g g g g 4 L (.6) n! n! n! n! L 4 となり g l を l と置き換えると この意味するところは教科書の (.8) と同じである

14 統計力学の基礎 - 統計力学の考え方 ミクロとマクロをどう繋げるか? 粗視化 確率分布 多体問題は解析的には扱えない vogadro umber のオーダーの粒子を扱う事は困難 現象を細かく見ると複雑すぎる場合に 粗く見る事 統計的取り扱い 気体分子を左右に分けるある瞬間に左に n 個 右に 場合の数は! n n! ( n)! n 個 (p.5 図 -) よって 確率は P ( n) 規格化条件は ( n ) n! (.) n! ( n)! P (.) a n n a b とおくことで証明可 これは 二項定理を用い ( a b) n b n において 確率を具体的に計算すると の場合 ( 図 -(a))! P P! ( )! 4! P P ( 4)! ( )! 4! 5 P ( 5) P ( 6) 5! ( 5)! 4!! 45 ( )! 4 4!! ( 4)! 4 6!! ( 6)! 4 分子数が大きくなった時は 計算は大数に利用できる Stirling の式を導入! ( ) (.4) P ( n)! n! ( n) n! ( n)! ( ) n( n ) ( n) ( ( n) ) n n n ( n) ( n) ( n) n n ( n) ( n) n n! n n! (.5) 4

15 5 n と定義すると << と考える事ができ を連続関数とみなし p n n n n n P { } { } { } { } よって C ep p だが 規格化条件を考えて また 公式 (.) a d e a を用い ep C d C d p (.8) C よって ep p (.7) 分布の広がりの程度は 公式 (.) a d e a を用い d d p 4 ep σ σ (.9)

16 ( 以下 参考 ) 因みに (.7) を利用して 誤差関数が定義され δ << の時 δ δ t t erf ( δ ) e dt e dt δ t t 5 t L 5! すると例えば ppm のズレの場合は erf ( ) δ δ δ δ t δ 6 で 6 6 ( ) ( ) 5! 5 δ L 5! L 4 t L dt! さて ( ) ep ( ) p を用いると δ p δ δ ( ) d ep( ) d ep( )d δ t とおくと dt d であり δ δ p δ δ ( ) d ep( t ) dt ep( t ) δ 5 ( δ ) ( δ ) δ dt 可逆と不可逆 平衡と非平衡 粒子衝突は基本的に時間反転対称 だが 粒子の集合体の衝突は不可逆何故か? 初期状態の特殊性 : これをどう評価するか? 熱平衡状態 : マクロに変化の無い状態 非平衡状態 : マクロに変化し続ける状態 6

17 - エネルギーの移動と熱平衡固体の量子状態固体原子の振動を 方向の振動子振動子を用いて考える a 原子系では a の同じ振動子からなる振動子系 エネルギーは固有振動数 を用いて ( n,, ) n, (.) n とおくことができる ここに 振動子 4.54 [ J s] Dirac 定数 (.) 4.66 [ J s],,, L, が各々量子状態 ( n n, n,, ) ( n n, n Ln ) n n 6 Planck 定数 (.) n L n, n L を取ると, n n n L n, 個の振動子に 個のエネルギー単位を分ける分け方は ( ) ( )!! ( )! (.) H C (.4) ここに, が十分大きい数である場合 Stirling の公式により ( )!! ( )! ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) a 個の原子 次元 / 原子 (.5) 即ち ( ) は e のオーダーの数 系は ( ) 個の量子状態間を絶えず不規則に移り変わっている 7

18 つの固体の接触とエネルギー配分の確率 つの固体を, とし 振動子数を, エネルギーを, とする 周囲から孤立していれば const const (.6),,, 量子状態 というのはどれも同じ確率で実現している ( 等確率の原理 ) と考える 即ち 量子状態の数が多ければ それに比例してその様な状態が実現する すると エネルギー配分 (, ) の実現する確率は, (.7) を満たす量子状態の数に比例する 固体 がエネルギー を持つ量子状態の数は 固体 がエネルギー を持つ量子状態の数は よって この様な状態の実現確率は P ( ) ( ) ( ) ( ), (.8) この様な中で最も高い確率で実現するのは 分子の最大化を考えると ( ) ( ) ( ), (.9) の最大化を考える事である この対数を (, ) (, ) ( ) ( ) (.) と書くと (.4) より ( ) ( )!! ( )! なので (.5) の結果 (Stirling の公式 (.), (.4) ) を用いて 8

19 9!!!!!!, (.), を連続関数と見做し微分すると ( const を考慮して ), d d (.) が極値を取る条件 なので, を考慮し

20 , d d 即ち これは (.) の時 即ち 振動子振動子振動子振動子当りの平均エネルギーが等しい時当りの平均エネルギーが等しい時当りの平均エネルギーが等しい時当りの平均エネルギーが等しい時成立 次にエネルギー配分が (.) からずれた場合を検討, (.4) とおくと (.) より 極値を取る時, (.6)

21 を利用して, ここに X X X X X X を用いて

22 , の 次以上の項を無視して

23 ,

24 よって, ( ) ( ) (.5) この第 項が負なので を実現する条件 (.) は最大となる条件 確率については P, ep ep ( ) ep (, ) ここに, とすれば (.7) ( ) ( ) ( ) のオーダー (.9) と同様にして エネルギー配分 (.) からのずれは ~ (.8) 4

25 - 等確率の原理とエントロピー等確率の原理孤立したマクロな物体では 十分に長い時間でみると十分に長い時間でみると 実現可能な量子状態は全て等しい確率で実現する 孤立した物体,を考える,,,,, がエネルギー, を持つ時の各々の量子状態を とする それらの量子状態に各々番号をつけたとすると つの物体をまとめて つの系と考えた時の全系の 量子状態は の量子状態 n と の量子状態 n との組 n, で指定される n n は となる 通り n は ( ) ( ) ( ), (.9) 通りあり 各々の系が独立なので 全系の量子状態数は つの物体を接触させると 物体間でエネルギーのやり取りが起こり, は 非保存 は保存 (.) ここで 特定のエネルギー配分 (, ) が起こる量子状態の数は である ( ) ( ), (.) 等確率の原理より この様なエネルギー配分が起こる確率 P (, ) は量子状態の数に比例し P ( ) (, ) ( ), (.) 5

26 エントロピーと温度 S ( ) k ( ) (.) [ J ] k.8 K : oltzmann constant (.4) 対数を用いるのは エントロピーを示量数として扱い足し算ができる様にしたいため (, ) k (, ) k ( ) k ( ) S( ) S( ) S (.5, 6) S ( ) と ( ) は単調増加の関係なので ( ) 最大 即ち確率最大は ( ) S の最大で求まる よって const の下で (, ) ds( ) ds( ) ds( ) ds( ) ds d d d d d (.7) これが となるのは ds d ( ) ds( ) (.8) d これを満たす, を (.9) とすれば,, が実現確率最大のエネルギー配分 エネルギー配分が (.9) よりずれている場合 (.4), とおき S (, ) を について展開して 次まで残すとすると (, ) S( ) S( ) S で Taylor 展開を用い S S ( ) S( ) ( ) d S( ) ds d d ( ) S( ) 次微分の項は なので ( ) d S( ) ds d d L L 6

27 S (, ) S( ) S( ) S( ) d S d ( ) S ( ) d S d ( ) ( ) S が, ( ) d S( ) d S S(, ) d d S, の最大であるためには (.4) の (.4) 項の係数が負でなくてはならない d S d ( ) d S( ) d < (.4) 前節で これがそうである事を示し またこの絶対値が / のオーダーである事は示した (.8) ds d ( ) ds( ) が満たされていない時 即ち d (a) ds d ( ) ds( ) > or (b) d ds d ( ) ds( ) < (.4) d の時は 物体間でエネルギーのやり取りをして 熱平衡に達する これは両者の温度が等しくなる事に相当 そこで ds (.44) d T で定義する すると 物体,の温度は ds d T, ds d T (.45) と表され 熱平衡の条件 (.8) は (.4) は T T (.46) (a) T < T or (b) T T > (.47) (a) では から へ (b) では から へ エネルギーが移動する 7

28 エントロピーとミクロカノニカル分布 S ( ) k ( ) (.) の意味を再考する 離散的な状態を有限粒子で考える時も成立つか? 厳密には成立たない 粒子間相互作用 エネルギーは本当に完全に保存か? t ~ 不確定性関係 しかし 物体の量子状態数が ~ e の時には成立 問題は 孤立した物体ではエネルギーが一定 という仮定 ゆらぎ の概念の導入 ゆらぎの幅 を とすると ( ) はエネルギー と の間にある量子状態数マクロな物体の量子状態のエネルギーは微小な間隔 δ で分布 よって 状態密度 Ω ( ) を導入すると エネルギー と d 状態数は Ω ( )d であり また Ω (.48) d >> δ の間にある量子 ここに はランダムに取っているが これを変化させ とした事を考えると Ω (.49) (.5) S ( ) k ( ) S (.5) すると ( ) S ( ) k ~ e なので S( ) k >> S( ) S ( ) ~ の取り方に余り依存しない 前節の振動子系では がエネルギーの単位だったので この程度のゆらぎを許すと ( ) Ω ( ) (.5) ( 個の量子状態に 個の粒子を分配 ) において (.5) 式 とおき 8

29 S k (.5) ( ) k ( ) k Ω ( ) この様に 孤立 した系は外界と 弱い相互作用 をしながら多数の量子状態を駆け巡る この量子状態の変化を長時間に渡って追跡した時 系の各状態が占める確率の分布をミクロカノニカル分布という エントロピー増大の法則温度が異なる物体は熱平衡にはないしかし 接触が弱い場合 個々の物体は およそ 熱平衡を保ちながらエネルギーを移動 物体は 局所平衡 化学反応が進む際も 部分平衡 エントロピー最大が熱平衡 状態量 示量的変数 : 足し合わす事が可能 示強的変数 : 足し合わす事が不可能 (.5) S ( ) S( ) S( ) エネルギー 温度, より S (, ) S( ) S( ) 但し S ( ) k ( ), ( ) k ( ) 今 であり 物体が孤立している時のエネルギーのゆらぎの幅を 接触した 物体間で起こるエネルギーのゆらぎの幅を とすると (.48), (.49) を利用して ( ) ( ) Ω( ) ( ) Ω ( ) ( ) ( ) ( ) (.56) (.54) は自明 S (.55) である 前節の議論より ミクロなエネルギーの幅を とすれば ( ) ( ) ( ) ~ ~ ~ とすれば ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) >> ~ エルゴード仮説 孤立系を十分に長く放置すると 物体の実現可能な量子状態は全て等確率で実現する 時間平均とアンサンブル平均が一致する 9

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