平成26年度業績集

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1 ISSN 国立病院機構大阪南医療センター 臨床研究業績集 第 30 号 ( 平成 26 年度 ) 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター

2 巻頭言 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センターの臨床研究業績集は本刊で第 30 号となります 論文 44 編 ( うち欧文 36) 学会発表 232 件 ( うち国際学会 20) を数え 質の高い研究成果を収載するに至りました これまでの号と比較すると 欧文論文の比率の高いことが特徴です いつものことながら 臨床業務に追われる日々 限りある時間内で成果を残した各位には敬意を表する次第です 臨床の現場では 知識以上に知恵の機能する場面が少なくありません まさに 亀の甲より年の功 が大きなウェイトを占めている感じがします しかしながら 何故? と問われると明確な答えがなく これまで うまく行ってきたから としか説明できない場面も少なくありません それとともに うまく行ってきたから に満足していては進歩がないことも実感しています その答えをもたらすものが この業績集にまとめられていると思います 臨床研究は 日々接する患者さんから その都度 問題 謎を頂き 解き明かしていく作業です 成果の発表は一里塚的な通過点だと理解されます 一つの問題をクリアした途端に次の問題を突き付けられる 臨床に携わる限り その解決は絶えることのない作業であり まさに生涯教育の名の通り 不断の努力が要求されます 研究によっては マラソンのように一人で駆け抜ける性質のものもあるでしょうが 大多数は駅伝のように襷を繋いで 次のランナー ( 研究者 ) へと受け継がれていく性質のものと思われます ある時は区間賞 更には区間新を目指して一里塚を目指す この営みが不断のものとなり より大きな成果を上げるよう 今後の発展に期待します 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター院長竹田清

3 目次 Ⅰ. 臨床研究部の活動状況 1 Ⅱ. 各研究室の活動報告 17 Ⅲ. 奨励研究課題報告 40 Ⅳ. 業績 48 (1) 論文 48 1) 原著論文 48 欧文 48 邦文 54 2) 総説 55 (2) 学会報告 57 海外 ( 国内開催の国際学会を含む ) 57 国内 61 (3) 研究会 講演 87 Ⅴ. 主な論文 105

4 I. 臨床研究部の活動状況 1. 平成 26 年度臨床研究部活動総括 臨床研究部長佐伯行彦 平素 当院の臨床研究活動についてご理解 ご協力ありがとうございます 臨床研究は 国立病院機構の重要な使命 活動のひとつです 今年度も国立病院機構本部からH26 年度の臨床研究活動実績評価ポイントの集計結果の報告がありました 当院の研究実績評価については 平成 26 年度は 1,281 ポイントで (H25 年度 1,167 ポイント ) 全施設中 21 位 (H25 年度 19 位 ) と ほぼ前年並みでした 分野別評価では 昨年度と同様に政策医療分野の 免疫異常 骨 運動器 の 2 分野の貢献が大きい傾向はありましたが 循環器 ( 心 脳 ) 血液 糖尿病 外科 麻酔 でも高いポイントを獲得しました NHOの共同臨床研究では ネットワーク研究として 骨運動器 免疫異常 の分野で 2 課題を継続実施し さらに 免疫異常 の分野では新規課題が採択されました 一方 EBM 研究では 必ずしも貢献は十分とは言えず 今後 研究課題の提案を含めて 積極的な参加が望まれます 臨床研究の究極の目的は 医療への貢献です つまり 研究で得られた成果を発信し 医療に携わるすべての方がその情報を共有し 医療の実践に役立てることです 最近 全体的に成果の論文化に対する意欲の減退を感じています 学会発表は成果をタイムリーに発信するという点では意味がありますが きちんとした雑誌での論文発表は ピアレビューという専門家による客観的公正な評価を介した より重みのある 質の高い情報発信です 当然 学会発表に比べ 成果を論文化するためにはより多くのエネルギーを必要としますが 論文化することにより 研究の客観性を担保し ( 自己満足の研究にならない ) また 論文作成の過程でその分野の知見 情報を吸収することができ 研究者自身の成長に資するものと考えられます 来年度は論文作成アップを当院の臨床研究部の主な活動のテーマとして取組む所存です 一方 毎年実施している院内奨励研究においては 医師以外の職員の皆様の応募も増え 臨床研究への病院全体での積極的な取り組みがみられ 全職員で臨床研究を推進するという当院の方針が定着してきたとの実感を強く受けました 今後は そのクオリティーの向上 ( 論文化も含めて ) を目指して行きたいと思います 一方 治験については 昨年並みの高い実績を維持しました このことは 治験管理室のスタッフ全員の日々の努力と職員の皆様のご協力の賜物であり 心から敬意を表したいと思います 今後とも ご指導 ご鞭撻の程 何卒 よろしくお願い申し上げます - 1 -

5 2. 平成 26 年度臨床研究部組織 / 施設 / 主要大型研究機器 (1) 組織 : 部員数 ( 専任 5 名, 併任 106 名 ) 氏名 専任 併任 備考 臨床研究部長 佐伯行彦 専任 治験管理室長 教育研修室長 免疫異常研究室長大島至郎専任 室員 併任 20 名 室員 専任 流動研究員 2 名 室員 専任 実験助手 1 名 循環器疾患研究室長 佐々木達哉 併任 循環器疾患センター部長 室員併任 26 名 ( 麻酔科含む ) 再生医療研究室長幸原晴彦併任内分泌代謝内科医長 室員 併任 15 名 がん研究室長 肱岡泰三 併任 統括診療部長病床管理センター長医療情報管理室長 室員 併任 31 名 骨 運動器疾患研究室長 齊藤正伸 併任 副院長骨 運動器疾患センター部長医療安全管理室長 室員 併任 10 名 - 2 -

6 再生医療研究室長内分泌代謝内科医長併任幸疫異常研究室長大環器疾患研究室長循環器疾患センター部長併任佐々木達ん研究室長統括診療部長併任肱動器疾患研究室長骨藤正 運原晴彦骨院長竹田清 副院長齊藤正伸 臨床研究部長佐伯行彦 任齊伸免 運動器疾患センター部長併島至郎循哉が岡泰三室員室員室員員室- 3 -

7 (2) 施設 : 専有面積 : 研究室 m 2 動物実験施設 209 m 2 (3) 主要大型研究機器 : 研究機器名称 主な用途 設置時期 DNA ジェネテイックアナライ遺伝子データの解析 平成 10 年 2 月 ザー 自動サンプル調整システム DNA mrna 蛋白 細胞成分平成 14 年 3 月 の純化 マルチラベルカウンター 細胞マーカーの解析 平成 14 年 3 月 顕微鏡イメージングシステム特定の分子の動的解析 高速液体クロマトグラフィー蛋白分子の解析 平成 17 年 2 月 平成 20 年 3 月 3. 平成 26 年度研究課題一覧 ( は奨励研究課題 ) 研究課題名 分野 / ネットワーク活 用の有無 研究責任者 1 ステロイド性サルコペニアの研究免疫 / 無大島至郎 2 関節リウマチ手指体験装具の開発によるリウマチ教育免疫 / 有辻聡一郎 3 新規感染症マーカー : プレセプシン (PSEP) の発現機序の解明と臨床応用 免疫 / 無 田浦映恵 4 炎症性疾患における A20 遺伝子異常と疾患発症への関与の検討免疫 / 無由良亜紀子 5 入院中患者の転倒転落防止に向けた新たな取り組み全身 四肢筋肉量と転倒転落との関連についての検討 6 低侵襲脊椎前方固定術 (XLIF) の短期臨床成績における問題点について 7 なぜ関節リウマチ患者に対する後方進入腰椎椎体間固定術 (PLIF) 後に固定隣接椎間障害が多く発生するのか 骨 運動 / 無骨 運動 / 無骨 運動 / 無 坪井秀規 藤原啓恭 藤原啓恭 - 4 -

8 8 トモシンセシスを用いた腰椎固定術後の新規評価法の検討 骨 運動 / 無 9 脊柱変形を伴う慢性腰痛症 ( 腰背部痛 ) の骨質改善による疼痛 骨 運動 / 軽減効果の検討 無 10 トモシンセシスを用いた人工股関節周囲の骨反応の検討 骨 運動 / 無 11 人工股関節全置換術後患者における退院後の日常生活動作の調査 リハビリテーション科 / 無 12 腰椎術後患者に適切な起き上がり動作の検討とその指導リハビリテー 本田博嗣本田博嗣萩尾佳介坂浩文濱田慶子 13 院内医療従事者の血液透析に対する意識調査および内シャント音共有システムの構築 ション科 / 無 医療工学室 / 無 田口優 14 特定健診後生活習慣病地域管理体制の構築 内分泌 幸原晴彦 代謝 / 無 15 炎症性 抗炎症性サイトカインの受容体反応性分泌と恒常的分 内分泌 大屋健 泌における分子制御上の接点の解明 代謝 / 無 16 術後譫妄に関する多施設共同後向実態調査 外科 / 有 堀内哲也 17 金庫を用いた筋弛緩薬の室温保管の妥当性に関する検討麻酔科 / 無林英明 18 蛋白尿の免疫異常への関与を検討 腎臓内科 / 無 飯尾健一郎 19 メトトレキサート (MTX) 関連リンパ増殖性疾患発症予測因子の解析 20 フローサイトメータテトラマー法によるEBV 感染モニタリング方法の確立 21 チーム南風 の重要性の検証 -フローサイトメーター検査院内実施を中心に 多剤耐性グラム陰性桿菌のアクティブ サーベイランス ~ 効果的な感染予防対策を目指して~ 院内における効果的な医療機関情報の提供のあり方 - 地域の医療機関との連携につながる媒体として- 関節リウマチ患者の身体症状と心理的要因の関連性および心理的援助の有効性に関する研究 臨床検査科 / 有臨床検査科 / 無臨床検査科 / 無感染対策室 / 無地域医療連携室 / 無 がん相談支援センター / 無 星田義彦土田幸生柴田亜砂美藤原佐美萬谷和広金季実 木村美佐子 - 5 -

9 25 ターミナル期における医療者の意思決定支援の現状と課題 がん相談支援センター / 無 26 がん患者の家族に対する看取りの支援がん相談支援 中川麻由 川口美度理 センター / 無 27 腰椎手術患者の術前 自我状態 に応じた周術期看護についての検討 28 DPC/PDPS 診断群分類の適正調査 東 6 病棟 / 田崎恵子無企画課 / 無島田裕子 29 看護必要度と DPC データの活用企画課 / 無酒井早 30 多職種で実践する診療録監査体制の確立に向けて企画課 / 無喜多田祐子 4. 平成 26 年度に獲得した研究費 研究課題名 研究費区分 研究費額 ( 千円 ) 肝疾患患者を対象とした相談支援システムの構築 厚生労働省科学研究費 1,500 運用 評価に関する研究 (H26- 肝政 - 指定 -004) 抗 HBs 人免疫ク ロフ リンの国内製造用原料血奬収 厚生労働省科学研究費 500 集を目的とした国立病院機構職員を対象とする B 型肝炎ワクチン接種の有効性 安全性及び皮下投与法と筋肉内投与法の比較に関する研究 (H24- 医薬 - 指定 -017) 多関節障害重症 RA 患者に対する総合的関節機 厚生労働省科学研究費 500 能再建治療法の検討と治療カ イト ライン確立 (H24 難治等 ( 免 )- 一般 -002) 日本における関節リウマチ患者の現状と問題点を全国的に継続的に明らかにするための共同臨床研究 (H26- 委託 ( 免 ) 一般 -004) 厚生労働省科学研究費

10 HTLV-1 感染疾患機序における自然免疫の役割 厚生労働省科学研究費 3,200 解明と疾患リスクの予知への応用 ハイリスク消化管間質腫瘍 (GIST) に対する完全切除 財団からの研究助成金等 21 後の治療に関する研究 (STAR ReGISTry) 再発危険因子を有する StageⅡ 大腸癌に対する 財団からの研究助成金等 320 UFT/LV 療法の臨床的有用性に関する研究 (JFMC ) StageⅢ 結腸癌治癒切除例に対する術後補助化 財団からの研究助成金等 2,575 学療法としてのmFOLFOX6 療法または XELOX 療法における 5-FU 系抗がん剤およびオキサリフ ラチンの至適投与期間に関するランタ ム化第 Ⅲ 相比較臨床試験 (JFMC C3(ACHIEVE Trial)) StageⅡ/StageⅢ 結腸癌治癒切除例に対する術 財団からの研究助成金等 54 後補助化学療法としてのmFOLFOX6 療法の認容性に関する検討 (JFMC C2(JOIN Trial)) 人工股関節置換術における表面酸化処理シ ルコニウ 財団からの研究助成金等 1,261 ム合金 (OXINIUM) 製 32 mm骨頭の臨床線摩耗に関する多施設共同研究 B 型肝炎患者におけるアナロク 製剤治療に関する 財団からの研究助成金等 667 HISCL HBsAg 試薬の臨床的評価の検討 整容脳神経外科における患者 QOL 改善順研究 財団からの研究助成金等 216 PRISM Study に関する研究の助成 民間からの研究助成金等 30 慢性骨髄性白血病における服薬アト ヒアレンスと治療 民間からの研究助成金等 500 効果との相関性に関する研究の助成 造血幹腫瘍に対する化学療法に関する研究の助 民間からの研究助成金等 300 成 リウマチ手指変形に関する研究の助成 民間からの研究助成金等 100 感染症に関する研究の助成民間からの研究助成金等 1,000 Efficacy of cellular senescence induction therapy by retioid in patients with adult T-cell leukema に関する研究の助成臨床研究部循環器疾患研究室における慢性心不全に関する研究の助成 民間からの研究助成金等 900 民間からの研究助成金等

11 慢性骨髄性白血病における服薬アト ヒアレンスと治療効果との相関性に関する研究の助成慢性腎臓病に留意した骨粗鬆症治療薬の安全かつ効果的な使用法の確立に関する研究の助成骨粗鬆症に伴う骨折防止に対する地域住民の意識改革および医療従事者の骨折防止技量向上のための教育を基礎とした骨折の一次予防体制の確立とその実効性検証に関する研究の助成造血器疾患治療中野感染症と骨粗鬆症の関係に関する研究の助成 TACE 冠動脈化学閉塞術) におけるマイクロカテーテル優位性についての研究の助成 民間からの研究助成金等 1,000 民間からの研究助成金等 500 民間からの研究助成金等 500 民間からの研究助成金等 500 民間からの研究助成金等 400 関節リウマチにおける糖鎖異常についての研究の助 民間からの研究助成金等 300 成 免疫疾患センターへの研究助成 民間からの研究助成金等 1,500 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATL) 治療研究の助 民間からの研究助成金等 1,000 成 血液内科の教育 研究助成のため 民間からの研究助成金等 1,000 リウマチの骨粗鬆症に関する研究民間からの研究助成金等 300 造血器腫瘍に対する細胞老化増強因子についての検討 民間からの研究助成金等 300 関節症性乾癬における骨化に関する研究の助成民間からの研究助成金等 500 急性胆管炎の重症度判定における血清フ ロカルシトニンの有用性に関する研究の助成リウマチ教育における関節リウマチ手指体験装具の開発に関する研究の助成骨粗鬆症に伴う骨折防止に対する地域住民の意識改革および医療従事者の骨折防止技量向上のための教育を基礎とした 骨折の一次予防体制の確立のための臨床研究の助成がん治療における緩和ケア導入の意義の検証に関する研究の助成 民間からの研究助成金等 300 民間からの研究助成金等 300 民間からの研究助成金等 300 民間からの研究助成金等

12 人工股関節手術後の患者に指導すべき実用性を考慮した起居動作の検証に関する研究の助成被殻出血における神経内視鏡を用いた血種除去術の有効性の研究の助成胃癌における Snail 発現と悪性度の検討に関する研究の助成各種造血腫瘍と細胞老化についてに関する研究の助成 民間からの研究助成金等 300 民間からの研究助成金等 500 民間からの研究助成金等 300 民間からの研究助成金等 500 骨粗鬆症治療薬のリスクとヘ ネフィットに関する研究の助成 民間からの研究助成金等 1,000 消化器癌手術における術式に関する研究の助成民間からの研究助成金等 300 心臓弁膜症に対する人口弁置換術に関する研究 民間からの研究助成金等 300 の助成 骨関連蛋白 DMP1 に関する研究の助成 民間からの研究助成金等 3,000 人工股関節ステムの骨反応に関する研究の助成財団からの研究助成金等 1,000 骨疾患に関する研究の助成民間からの研究助成金等 300 血液疾患に関する研究の助成民間からの研究助成金等 500 Intervental Radiology 臨床に関する研究の助成多剤耐性グラム陰性桿菌のアクティブ サーベイランス ~ 効果的な感染予防対策を目指して~ 新規感染症マーカー : プレセプシン (PSEP) の発現機序の解明と臨床応用入院中患者の転倒転落防止に向けた新たな取り組み全身 四肢筋肉量と転倒転落との関連についての検討関節リウマチ手指体験装具の開発によるリウマチ教育 民間からの研究助成金等 500 臨床研究部経費 400 臨床研究部経費 400 臨床研究部経費 400 臨床研究部経費

13 院内における効果的な医療機関情報の提供のあり方 - 地域の医療機関との連携につながる媒体として- 関節リウマチ患者の身体症状と心理的要因の関連性および心理的援助の有効性に関する研究ターミナル期における医療者の意思決定支援の現状と課題 臨床研究部経費 400 臨床研究部経費 400 臨床研究部経費 400 DPC/PDPS 診断群分類の適正調査臨床研究部経費 400 合計 35, 平成 26 年度研究発表 (1) 学会発表 : 国内 212 件 国際 20 件合計 232 件 (2) 論文発表 : 邦文 8 編 ( うち筆頭著書 3 編 ) 欧文 36 編 ( うち筆頭著書 17 編 ) 合計 44 編 ( うち筆頭著書 20 編 )

14 6. 平成 26 年度研究発表会 日時 : 平成 27 年 3 月 6 日 ( 金 ) 15:00 18:00 会場 : 免疫疾患医療研修センター 開会の挨拶 15:00~15:05 佐伯行彦臨床研究部長 第一部 15:05 16:25 座長大島至郎研究室長 H26 年度奨励研究課題の発表 (1 課題 10 分質疑応答を含む ) 研究代表者 / 所属 (1) ターミナル期における医療者の意思決定支援の現状と課題 中川麻由 ( がん相談支援センター ) (2) 院内における効果的な医療機関情報の提供のあり方 萬谷和広 - 地域の医療機関との連携につながる媒体として- ( 地域医療連携室 ) (3) 多剤耐性グラム陰性桿菌のアクティブ サーベイランス 藤原佐美 ( 感染対策室 ) (4)DPC/PDPS 診断群分類の適正調査 島田裕子 ( 企画課 ) (5)VAS-GAP 高値のリウマチ患者の心理的傾向について 金季実 木村美佐子 ( がん相談支援センター ) (6) 入院中患者の転倒転落防止に向けた新たな取り組み 坪井秀規 全身 四肢筋肉量と転倒転落との関連についての検討 ( リウマチ 膠原病 アレルギー科 ) (7) リウマチ手指関節の可動域制限装具の開発 辻聡一郎 ( リウマチ 膠原病 アレルギー科 ) (8) 新規感染症マーカー : 田浦映恵 プレセプシン (P-SEP) の発現機序の解明と臨床応用 ( 臨床研究部 ) * 発表の順番は公平を保つ為 くじ引きで決めさせて頂いております 休憩 15 分 ( 投票 ) 第二部 16:40~17:40 座長臨床研究部長 各研究室発表 ( 各 10 分質疑応答を含む ) 1 免疫異常研究室 Fcγ 受容体と自己免疫疾患 大島至郎 2 循環器疾患研究室 冠動脈局所のインターロイキン(IL)-10 と 安岡良典 ステント内再狭窄 (ISR) との関連性 - 急性冠症候群例における検討 - 3 がん研究室 大腸穿孔症例の検討 木村正道 4 骨運動器疾患研究室 2014 骨運動器疾患研究室研究総括 坪井秀規 5 再生医療研究室 脂肪細胞の炎症性 抗炎症性サイトカイン分泌に大屋健 脂肪酸組成が与える影響 6 治験管理室 2014 年治験状況報告 本田富得 閉会の挨拶 ( 講評 優秀賞発表 / 表彰 ) 竹田清院長

15 7. 平成 26 年度受託研究 ( 治験等 ) ( 括弧内は平成 25 年度 ) 総研究課題数 139 件 (139 件 ) 契約金額 ( 本年度実績 ) 88,275,038 円 (156,551,876 円 ) 実施率 ( 症例数 ) 56.6% (52.0%) 受託研究一覧 ( 本年度新規 追加契約分 46 件 ) No. フェース 会社名 研究課題名 26 年度契約額 診療科 1 Ⅲ 第一三共株式会社 CS-747S 第 Ⅲ 相試験 - 虚血性脳血管障害患者を対象としたクロピトグレル硫酸塩に対する非劣性検証試験 - 6,080,832 脳外科 2 Ⅰ/Ⅱ 日本化薬株式会社 関節リウマチ患者を対象としたCT-P13 第 Ⅰ/Ⅱ 相臨床試験の継続投与試験 548,208 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 3 Ⅲ 中外製薬株式会社 トシリズマブ162mgの2 週間隔皮下投与で効果が不十分な関節リウマチ患者を対象としたMRA-SCの第 5,020,963 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 Ⅲ 相二重盲検並行群間比較試験 4 Ⅲ アステラス製薬株式会社 ASP015K 第 Ⅲ 相試験 疾患修飾性抗リウマチ薬 (DMARD) で効果不十分 13,524,084 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 な関節リウマチ患者を対象とした無作為化 二重盲検 プラセボ対照 有効性検証試験 (015K-CL-RAJ3) 5 Ⅲ アステラス製薬株式会社 ASP015K 第 Ⅲ 相試験 メトトレキサート (MTX) で効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした無作為化 二重盲検 プラセボ対照 有効性検証試験 (015K-CL-RAJ4) 18,287,791 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 6 Ⅱ/Ⅲ サノフィ株式会社 メトトレキサート治療に効果不十分な中等度 ~ 重度の日本人活動性関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート併用下でsarilumabを投与したときの有効性及び安全性を評価するランダム化 二重盲検 多施設共同 プラセボ対照試験 10,278,000 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 7 Ⅲ 帝人ファーマ株式会社 GGSの顕微鏡的多発血管炎 (MPA) を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較による臨床試験 ( 第 Ⅲ 相試験 ) 2,467,584 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科

16 8 Ⅲ ファイザー株式会社 CD20 陽性低腫瘍量濾胞性リンパ腫患者に対する一次治療における PF とリツキシマブを比較する, 無作為化, 二重盲検, 第 3 相試験 5,296,320 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 9 Ⅱ ノバルティスファーマ高齢なサルコペニア患者を対象に bimagrumab 70 15,347,880 リウマチ外科 株式会社 mgを4 週ごとに24 週間投与したときの筋力及 び運動機能に対する影響を評価する ランダム化 二重盲検 プラセボ対照 多施設共同 並行群間比較 用量設定試験 10 Ⅲ サノフィ株式会社 日本人の活動性関節リウマチ患者を対象として メトトレキサート (MTX) 以外の疾患修飾性抗リウマチ薬 1,616,436 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 (DMARDs) 併用下でsarilumabを投与したとき 又は sarilumab の単剤療法を行ったときの安全性及び有効性を評価するランダム化 二重盲検 多施設共同試験 11 Ⅳ アッヴィ合同会社 ヒュミラ皮下注 40mgシリンジ0.8ml 特定使用成績調査 92,664 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 ( 強直性脊椎炎に関する全例調査 ) 12 Ⅳ 株式会社エム イー MH-ロッキングネイルシステム使用成績調査 108,108 整形外科 システム 13 Ⅳ アステラス製薬株式会社 シムジア皮下注 200mgシリンジ 関節リウマチ 使用成績調査 154,440 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 14 Ⅳ 武田薬品工業株式会ゼルヤンツ5mg 錠特定使用成績調査 ( 全例調査 ) 1,853,280 リウマチ 膠原病 社 アレルキ ー科 15 Ⅳ エーザイ株式会社 アクトネル 錠 75mg 特定使用成績調査 463,320 リウマチ外科 - 長期使用に関する調査 (12ヵ月間投与による調査) - 16 Ⅳ サノフィ株式会社 リキスミア皮下注 300μg特定使用成績調査 1,389,960 内分泌代謝内科 17 Ⅳ 武田薬品工業株式会アドセトリス点滴静注用 50mg特定使用成績調査 ( 全 277,992 血液内科 社 例調査 ) 18 Ⅳ グラクソ スミスクライ アーゼラ 点滴静注液使用成績調査 30,888 血液内科 ン株式会社 19 Ⅳ 久光製薬株式会社 ネオキシテープ 73.5mg特定使用成績調査 416,988 泌尿器科

17 20 Ⅳ アステラス製薬株式会社 スーグラ 錠長期特定使用成績調査 1,853,280 内分泌代謝内科 21 Ⅳ ホ ストン サイエンティフィック MRI 検査対応ヘ ーシンク システムインシ ェニオ MRI ファインラ 61,776 循環器 ( 心臓 ) シ ャハ ン株式会社 イン Ⅱ PU ファインライン Ⅱ EZ PU ファインライン Ⅱ ステロックス ファインライン Ⅱ ステロックス EZ 使用成績調査 22 Ⅳ サノフィ株式会社 アプルウェイ錠 20mg 長期使用に関する特定使用成績調査 926,640 内分泌代謝内科 23 Ⅳ 大鵬薬品工業株式会ロンサーフ配合錠 T15,T20 使用成績調査 ( 外科 ) 92,664 外科 社 24 Ⅳ 大鵬薬品工業株式会ロンサーフ配合錠 T15,T20 使用成績調査 ( 消化器 92,664 消化器 社 科 ) 25 Ⅳ ノバルティスファーマ ジャカビ錠 5mg 特定使用成績調査 ( 骨髄線維症 ) 741,312 血液内科 株式会社 26 Ⅳ 大塚製薬株式会社 サムスカ使用成績調査 (ADPKD) 277,992 腎臓内科 27 Ⅳ 持田製薬株式会社 フィルグラスチムBS 注シリンジ モチダ 特定使用成 231,660 血液内科 績調査 28 Ⅳ アッヴィ合同会社 ヒュミラ皮下注 40mgシリンジ0.8ml 特定使用成績調査 ( 強直性脊椎炎に関する全例調査 ) における追 61,776 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 跡調査 29 Ⅳ アッヴィ合同会社 ヒュミラ 皮下注 20mgシリンジ0.4mLならびにヒュミラ 皮下注 40mgシリンジ0.8mL 特定使用成績調査 46,332 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 ( 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎に関する全例調査 ) 30 Ⅳ アッヴィ合同会社 ヒュミラ 皮下注 20mgシリンジ0.4mLならびにヒュミラ 皮下注 40mgシリンジ0.8mL 特定使用成績調査 ( 多 15,444 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 関節に活動性を有する若年性特発性関節炎に関する全例調査 ) における追跡調査 31 Ⅳ シャイアー ジャパン アグリリンカプセル0.5mg 使用成績調査 61,776 血液内科 株式会社 32 Ⅳ アッヴィ合同会社 ヒュミラ 皮下注 40mgシリンジ0.8mL 特定使用成績調査 - 賃金労働就労に従事する関節症性乾癬患者を対象としたWPAI 調査 - 123,552 皮膚科

18 33 - 大日本住友製薬株式 会社 スミフェロン副作用詳細調査 30,888 泌尿器科 34 - 武田薬品工業株式会社アクトス錠副作用報告 30,888 内分泌代謝内科 35 - バイエル薬品株式会社 マグネビスト静注シリンジの副作用詳細調査 30,888 内分泌代謝内科 36 - 武田薬品工業株式会社エンブレル副作用報告 30,888 皮膚科 37 - 東和薬品株式会社 ランソプラゾールOD 錠 30mg トーワ の副作用 感染 30,888 皮膚科 症調査 38 - ニプロ株式会社 クラリスロマイシン錠 200mg NP の有害事象調査 30,888 皮膚科 39 - 武田薬品工業株式会社ベクティビックス点滴静注副作用報告 30,888 外科 40 - 日医工株式会社 アモキシシリンカプセル250mg 日医工 の有害事象 30,888 皮膚科 について 41 - 中外製薬株式会社 アクテムラ点滴静注用有害事象詳細調査 30,888 リウマチ 膠原病 アレルキ ー科 42 - バイエル薬品株式会社 ミラドールの副作用詳細調査 30,888 皮膚科 43 - 武田薬品工業株式会社アクトス副作用報告 30,888 泌尿器科 44 - アステラス製薬株式会社セレコックス錠副作用 感染症調査 30,888 皮膚科 45 - アステラス製薬株式会社イクスタンジカプセルによる肺結核の副作用 感染症調査 30,888 泌尿器科 46 - アステラス製薬株式会社セレコックス錠による薬疹 播種状紅斑丘疹型の副 30,888 皮膚科 作用 感染症調査 合計 88,275,038 診療科別契約金額 フェーズ別件数

19 平成 26 年度受託研究 ( 治験等 ) 審査委員会名簿 構成員 官職 所属 氏名 委員長 臨床研究部長 佐伯行彦 副委員長 薬剤科長 山﨑邦夫 外部委託委員弁護士 ( コスモス法律事務所 ) 四宮章夫 元日本リウマチ友の会大阪支部長 北野嬋子 大阪大谷大学薬学部教授 小川雅史 内部委員 副院長 齊藤正伸 事務部長 野村和範 統括診療部長 肱岡泰三 循環器疾患センター部長 佐々木達哉 看護部長 中村しをり 企画課長 内谷公一 免疫異常疾患研究室長 大島至郎 臨床検査部長 津村昌 主任臨床工学技士 中村貴行 平成 26 年度倫理審査委員会名簿 構成員 官職 所属 氏名 委員長 副院長 齊藤正伸 副委員長 臨床研究部長 佐伯行彦 外部委託委員元日本リウマチ友の会大阪支部長 北野嬋子 弁護士 ( コスモス法律事務所 ) 四宮章夫 大阪大谷大学薬学部教授 小川雅史 社会福祉法人川上会観心寺保育園長 渡辺範子 内部委員 事務部長 野村和範 統括診療部長 肱岡泰三 看護部長 中村しをり 管理課長 美馬信夫

20 Ⅱ. 各研究室の活動報告 (1) 免疫異常研究室 室長大島至郎 2014 年研究室の活動報告 早期関節リウマチ患者における生物学的製剤による寛解導入 ( 特に BIO FREE 寛解 ) に関する研究 THE RAINBOW STUDY 近年 関節リウマチ (RA) の治療は 生物学的製剤の登場により 飛躍的に改善 進歩した とくに TNF を標的としたサイトカイン阻害剤が 現在 その中心的役割を果たしている 一方 大規模臨床研究により RA の治療においては 早期治療介入 と タイトコントロール の重要性が明白になってきた なかでも オランダのグループにより行われている BeSt Study において TNF 阻害剤である Infliximab(IFX) による早期治療介入により 臨床的寛解 構造的 機能的寛解 さらには免疫学的寛解まで望むことが可能であることが示唆されている もし 効率よく薬物を中止しても維持される ( 特に BIO FREE) 寛解まで達成できれば RA の予後を改善するだけでなく 生物学的製剤の最大の問題である高コストの問題が解決できるものと考えられる 本研究では 発症 2 年以内のメソトレキサート抵抗性の早期 RA 患者において生物学的製剤を十分量投与することにより寛解 (BIO FREE) の達成率を検討することを主目的とし 多施設共同研究を行っている 本研究の成果は 障害の少ない Window of Opportunity 期での効率のよい寛解導入法 とくに BIO FREE 寛解導入法の確立につながり RA 患者の運動機能 身体障害の軽減 抑止 また高コストの生物学的製剤使用量を減らすことが可能となり 社会的 医療経済的に多大な貢献をすることが期待できる ( 関西分子標的治療研究会 ) 感染症の新規バイオマーカープレセプシンに関する研究自己免疫性疾患において炎症性サイトカインが病態形成に重要な役割を果たすことが明らかとなり それらの炎症性サイトカインを制御する治療が可能な時代となってきた 一方 自己免疫性疾患において感染症は生命予後を脅かす重要な合併症の 1 つであり 感染症時に用いられるマーカーも炎症性サイトカインにより影響を受けることから 感染症マーカーの上昇が 感染症を反映しているのか 原疾患が悪化しているのか鑑別に苦慮することは少なくない

21 遠藤らは可溶性 CD14 分子 (soluble CD14: scd14) のうち 13kDa の scd14 サブタイプを発見し これを プレセプシン (presepsin; P-SEP) と命名し 敗血症における感染症マーカーとしての有用性を報告した 我々は P-SEP を用いて RA における感染症マーカーとしての有用性について検討した 結果 P-SEP は RA 患者において RA の疾患活動性によらず感染症の診断 治療効果判定に有効なマーカーであると考えられこれを報告した (Eular2013, Madrid, THU0442) 全身性エリテマトーデスの活動性マーカー CD64 に関する研究全身性エリテマトーデス (SLE) の発症機序に 樹状細胞から産生される IFN-αが深く関与していることが報告され 近年 IFN-α 阻害療法も開発されつつある IFN-αの刺激によって単球上 CD64(mCD64) が高発現することがすでに報告されており フローサイトメーターを用いて測定することが可能となっていたが これまで mcd64 分子数値を用いて定量し SLE の疾患活動性を評価した報告はない 我々は active SLE 10 例と inactive SLE 19 例を対象とし mcd64 分子数値および IFN-α SLE の疾患活動性である SLEDAI 抗 ds-dna 抗体を用いて比較検討した Active SLE の mcd64 は 39800±16609 分子数 / 細胞で inactive SLE よりも有意に高値 (p<0.001) であり active SLE の治療後に有意な低下 (p=0.01) を認めた mcd64 と SLE 29 例の SLEDAI と有意な相関を認めた (r=0.666, p<0.001) また IFN-αもactive SLE で有意に高値 (p<0.05) を示し mcd64 とも有意な相関を認めた (r=0.608, p<0.001) mcd64 分子数値は ROC 解析で AUC 感度 70.7% 特異度 94.7% と抗 ds-dna 抗体 C3 に比べ高く SLE 活動性指標としての有効性が示唆された ( 1) さらに mcd64 と SLE は病態 病型との関係を明らかにするために研究を続けている ( 平成 27 年度 NHO ネットワーク共同臨床研究 ) (1) Kikuchi-Taura A, Yura A, Tsuji S, Ohshima S, Kitatoube A, Shimizu T, Nii T, Katayama M, Teshigawara S, Yoshimura M, Kudo-Tanaka E, Harada Y, Matsushita M, Hashimoto J, Saeki Y. Monocyte CD64 expression as a novel biomarker for the disease activity of systemic lupus erythematosus. Lupus Sep;24(10):

22 抗 CCP 抗体高値陽性の診断未確定多関節炎 (UA) 患者における早期治療介入の関節リウマチ (RA) 発症抑止に関する前向き研究診断不確定の多関節炎 (UA) 症例において抗 CCP 抗体が関節リウマチ (RA) の発症予測に有用であることが報告されている また RA において早期治療介入がその予後改善に寄与することが示唆されている 本研究では 抗 CCP 抗体高値陽性 UA 患者を対象とし (1) MTX を用いた RA に対する標準的治療群 (2)MTX 以外の対症療法を行なう群の 2 群において 一年間経過観察し 主項目として RA の発症 副項目として骨破壊 骨塩量の変化および有害事象の発現を検討し 早期治療介入による RA の発症の抑止に関してその有効性を明らかにした ( 2) (2) Kudo-Tanaka E, Shimizu T, Nii T, Teshigawara S, Yoshimura M, Watanabe A, Tsuji S, Tsuboi H, Hirao M, Yura A, Harada Y,Sueishi M, Suenaga Y, Chiba N, Tonai T, Saisho K, Ogata A, Matsushita M, Hashimoto J, Ohshima S, Tohma S, Saeki Y. Mod Rheumatol Mar 24:1-31. 生物学的製剤 (Bio) 中断解析 : TNF 阻害剤効果不十分の分子メカニズム近年の薬物療法のめざましい進歩により 現在 RA においては寛解を目指した治療も可能となった その進歩の最大の原動力は TNF IL-6 などの炎症性サイトカインや T 細胞をターゲットとしたモノクローナル抗体 可溶性レセプターなどの いわゆる生物学的製剤 (Bio) による治療の登場であると言って過言ではない しかしながら Bio をより安全に より有効に使用するために解決すべき主な課題として (1) 効果不十分 ( 治療抵抗性 ) (2) 高コスト (3) 副作用 ( 重症の感染など ) がある この中でも 本研究では (1) 効果不十分 ( 治療抵抗性 ) の原因を解明することにより Bio 治療における分子標的の的確な選択に貢献できると考える 1 喫煙の影響 AhR シグナル国立病院機構 (NHO) の施設を中心に全国の主な 40 の RA 医療の基幹施設からなる独自のリウマチ臨床研究ネットワーク (ir-net) からなる わが国で最大 ( 登録患者 1 万人以上 ) の RA 患者の臨床データベース (Ninja : National Database of rheumatic disease by ir-net in Japan) に参加し RA に関する医療の現状を分析し その課題 問題の抽出を行ってきた ( 3) その活動の中で このデータベースを利用し 実臨床における Bio の使用状況 とくに Bio 使用中断についてその理由を解析してきた Bio 中断理由を (1) 効果不十分 (2) 副作用 (3) 寛解の3つのカテゴリーに分け横断的解析を行い 効果不十分 による Bio 中断と 喫煙 習慣との関連を検討した結果 喫煙者の場合 非喫煙者と比べ 効果不十分 による Bio 中断症例が有意に多いことを明らかにした また 禁煙者は喫煙者に比べ Bio 中断症例が有意に少ないことを示し 禁煙することにより Bio の効果が復元する可能性があることを示唆する結果を報告した (EULAR 2014, Paris)

23 従来 喫煙 は RA において その病因 ( 環境因子 ) として また治療効果との関連がとくに注目され その分子メカニズムにおける喫煙凝縮物質 (CSC: cigarette smoke condensate) のリガンドの一つである aryl hydrocarbon receptor (AhR) シグナルの研究が進められている AhR シグナルは免疫系への関与も報告され 炎症の主要シグナル経路である NF-κB シグナル経路を活性化することからも 喫煙 の RA の病態への影響の分子メカニズムのひとつとして注目されている 本研究では 上述の RA 患者の臨床データベース解析から得た 喫煙 が RA における Bio IL-6 阻害剤ではなく とくに TNF 阻害剤の治療効果に影響するとの結果と AhR シグナルが TNF シグナルと同様に NF-κB 経路を活性化するとの事実から AhR シグナルと TNF シグナル間のクロストークを分子メカニズムから解明しようとするものである ( 平成 27 年度文部科学省科学研究費基盤 C) 2 A20 遺伝子変異について近年 TNF 刺激により産生される A20 という TNF の作用 (NF-κB シグナル ) のブレーキ役をする分子が発見され その異常 ( 変異 ) と RA をはじめとするさまざまな病気との関連が報告されている このようなことを背景に 我々は TNF 阻害剤一次無効の原因のひとつとして A20 遺伝子変異が関与しているのではないかとの着想に至った 現在 TNF 阻害剤一次無効症例において A20 exon 領域における遺伝子変異を解析中である A20 変異による TNF シグナル-NF-κB 活性化経路の機能解析を行うことで TNF 阻害剤無効症例における原因を明らかにし TNF 阻害剤治療の大きな課題である一次無効を予知し その回避を可能にすることが期待できる (3) Saeki Y, Matsui T, Saisho K, Tohma S. Current treatments of rheumatoid arthritis: from the 'NinJa' registry. Expert Rev Clin Immunol Jul;8(5):

24 (2) 循環器疾患研究室 室長佐々木達哉 第一循環器科 ( 心臓 ) < 臨床研究活動 > (1) 個別研究個別研究のテーマは冠動脈疾患 心臓カテーテル 心エコー 冠動脈 MDCT の各テーマに大別されその分野は多岐にわたる 詳細は臨床研究業績集を参照されたい (2) 共同研究主要対象疾患は冠動脈疾患 脂質異常症の他 肺塞栓症など以下のとおりである 1. 実臨床における Nobori バイオリムス A9 エリューティングステントの至適 2 剤併用抗血小板療法 (DAPT) 期間の検討 : 東邦大学医療センター大橋病院および小倉記念病院が主体の多施設共同研究 ステント留置術後の 2 剤抗血小板療法において 二つの異なる継続投与療法 (6 ヶ月と 18 ヶ月 ) を比較し 6 ヶ月の投与期間での臨床成績が 18 ヶ月の投与期間に劣らないことを証明することを目的としている 2. 難治性大動脈炎症候群に対する Interleukin-6 阻害療法の確立に向けた基盤的研究 : 大阪大学循環器内科学講座が主体となって当院および大阪医療センター共同でステロイド治療抵抗性の難治性大動脈炎症候群に対する tocilizumab の有効性を明らかにすることを目的としている (3) 治験 1. 心筋梗塞の既往歴がある患者を対象にアスピリン治療下における AZD6140 による血栓イベント発現の予防効果をプラセボと比較する国際共同二重盲検無作為化プラセボ対照並行群間比較試験 2. 発作性及び持続性心房細動患者を対象とした OPC 単回投与時の安全性 薬物動態及び有効性を検討する多施設共同 プラセボ対照 無作為化 二重盲検 群間比較試験

25 (4) 業績 1 発表論文 (H.26.4~H.27.3) 1. Yasuoka Y, Kitatoube A, Kume K, Nakashima T, Kohama Y, Kosugi M, Araki R, Matsutera R, Noda Y, Hattori S, Adachi H, Sasaki T, Saeki Y.: Local release of inflammatory markers in coronary artery associated with the development of in-stent restenosis in patients with acute coronary syndrome. Exp Clin Cardiol. Vol 20 Issue 1 pages / Nojima Y, Yasuoka Y, Kume K, Adachi H, Hattori S, Matsutera R, Kohama Y, Sasaki T.: Switching types of drug-eluting stents does not prevent repeated in-stent restenosis in patients with coronary drug-eluting stent restenosis. Coron Artery Dis Dec; 25(8): doi: /MCA Matsutera R, Kume K, Yamato M, Noda Y, Fujita S, Iwata K, Yasuoka Y, Kaneko M, Sasaki T.: BioGlue coronary embolism during open heart surgery. Journal of Cardiology Cases Aug Vol 10 Issue 2 pages 学会発表 (H.26.4~H.27.3) 第 43 回日本 IVR 学会総会 2014 年 6 月奈良 1. 小濱康明 田中佐織 山戸将司 吉尾拓郎 小杉元宏 松寺亮 野田善樹 服部進 足達英悟 久米清士 野嶋祐兵 安岡良典 佐々木達哉経皮的冠動脈形成術後に自然発生性大腰筋内出血を合併し経皮的動脈塞栓術にて救命しえた一例 第 23 回日本心血管インターベンション治療学会学術集会 2014 年 7 月名古屋 2. Yasuoka Y, Kohama Y, Matsutera R, Adachi H, Kume K, Nojima Y, Sasaki T. Local Release of Inflammatory Markers in Coronary Artery after Everolimus-Eluting and Sirolimus-Eluting Stents Implantation. (PD11-4) 3. Nojima Y, Yasuoka Y, Kume K, Adachi H, Hattori S, Noda Y, Matsutera R, Kohama Y, Kosugi M, Sasaki T. Relationship between renal function stage and clinical outcomes after repeated percutaneous coronary intervention for drug eluting stents in-stent restenosis. 4. Kume K, Yamato M, Kohama Y, Matsutera R, Adachi H, Nojima Y, Yasuoka Y, Sasaki T. Effect of new-onset anemia during hospital in patients with ST-segment elevation myocardial infarction

26 5. Adachi H, Yasuoka Y, Nojima Y, Kume K, Matsutera R, Kohama Y, Yamato M, Sasaki T. The SYNTAX Score as Predictor of Mortality in All Acute Coronary Syndrome Patients with Triple-Vessel Disease Including Cardiogenic Shock. 6. Matsutera R, Yasuoka Y, Kume K, Adachi H, Kohama Y, Yamato M, Sasaki T. Relation between tip load of guidewire and the lesion-specific coronary calcium scores by 64-slice multi-detector computed tomography. 7. Kohama Y, Kume K, Yasuoka Y, Nojima Y, Adachi H, Noda Y, Matsutera R, Kosugi M, Yamato M, Sasaki T. Successful transcatheter embolization of psoas major muscle hematoma in a patient with acute coronary syndrome. 8. Yamato M, Matsutera R, Kohama Y, Adachi H, Kume K, Nojima Y, Yasuoka Y, Sasaki T, Iwata K, Fujita S. BioGlue coronary embolism during open heart surgery. 第 62 回日本心臓病学会学術集会 2014 年 9 月仙台 9. 安岡良典 山戸将司 小濱康明 松寺亮 服部進 足達英悟 久米清士 野嶋祐兵 佐々木達哉洞機能不全症候群における MVP モードは異なる心房ぺーシング部位よりも血行動態の点で有利である -バイオマーカーを用いた検討- 10. 久米清士 長谷川峻 山戸将司 小濱康明 松寺亮 足達英悟 服部進 野嶋祐兵 安岡良典 佐々木達哉 Primary PCI を受けた ST 上昇型急性心筋梗塞症例の退院後に心不全再入院の予測因子についての検討 11. 松寺亮 安岡良典 久米清士 足達英悟 服部進 小濱康明 山戸将司 長谷川峻 佐々木達哉冠動脈 CT 撮影時におけるランジオロール塩酸塩増量の検討 12. 山戸将司 安岡良典 野嶋祐兵 久米清士 足達英悟 服部進 小濱康明 松寺亮 佐々木達哉 Generator 交換後 心室 pacing 率が増加し心不全症状を呈した DDD ペースメーカ植込み後の一例

27 第 25 回日本心血管画像動態学会 2015 年 1 月東京 13. 松寺亮 安岡良典 久米清士 足達英悟 小濱康明 山戸将司 長谷川峻 佐々木達哉慢性完全閉塞病変を通過するガイドワイヤー先端荷重と冠動脈造影 CT における石灰化スコアとの関連性 14. 長谷川峻 松寺亮 安岡良典 久米清士 足達英悟 小濱康明 山戸将司 佐々木達哉比較的珍しい冠動脈起始異常の一例 日本不整脈学会第 7 回植込みデバイス関連冬季大会 2015 年 2 月東京 15. 安岡良典 足達英悟 長谷川峻 山戸将司 小濱康明 松寺亮 服部進 久米清士 佐々木達哉 中西健 中村貴行洞機能不全症候群における MVP モードは異なる心房ぺーシング部位よりも血行動態の点で有利である -バイオマーカーを用いた検討- 第 204 回日本内科学会近畿地方会 2014 年 6 月大阪 16. 藤崎一基 小濱康明 山戸将司 松寺亮 服部進 足達英悟 久米清士 野嶋祐兵 安岡良典 佐々木達哉低体温により心室細動をきたし心肺停止となった症例 第 118 回日本循環器学会近畿地方会 2014 年 11 月大阪 17. 長谷川峻 松寺亮 安岡良典 久米清士 足達英悟 服部進 小濱康明 山戸将司 佐々木達哉比較的珍しい冠動脈起始異常の一例 3 研究会等での発表 (H.26.4~H.27.3) KCJL 年 4 月京都 1. 経皮的冠動脈形成術後に自然発生性大腰筋内出血を合併し経皮的動脈塞栓術にて救命しえた一例小濱康明 久米清士 足達英悟 野嶋祐兵 安岡良典 佐々木達哉 第 8 回 MOCHOT K-SAMITO 2014 年 6 月大阪 2. 山戸将司上行大動脈人工血管置換術直後に二枝同時閉塞を来した急性心筋梗塞の一例低体温により心室細動をきたし心肺停止となった症例

28 3. 佐々木達哉 南の PCI - それからの話 年度阪大循環器部会症例 プロジェクト検討会 2014 年 8 月大阪 4. 山戸将司 安岡良典 久米清士 足達英悟 服部進 小濱康明 佐々木達哉 Generator 交換後 心室 pacing 率が増加し心不全症状を呈した DDD ペースメーカ植込み後の一例 -AV Delay Hysteresis から Safe R mode への変更後の pitfall- 第 9 回 MOCHOT K-SAMITO 2014 年 12 月大阪 5. 安岡良典 AF 患者の PCI を考える - 当院での現状 - 第 5 回 Minami Osaka Co-Medical Organization 2015 年 2 月大阪 6. 佐々木達哉新規糖尿病薬の作用機序 7. 久米清士新規糖尿病薬 ( チアゾリジン系 ) 8. 松寺亮新規糖尿病薬 (DPP-4 阻害薬 ) 9. 山戸将司新規糖尿病薬 (SGLT2 阻害薬 ) 10. 山戸将司スタチンで冠動脈プラークが退縮した症例 4 総説 著書 (H.26.4~H.27.3) 1. 佐々木達哉循環器疾患ディベート - Evidence and Experience Based Medicine - メディカルサイエンスインターナショナル社 2014 年 9 月 2. 山戸将司 佐々木達哉ハートナーシング 2015 年春季増刊 くすりのはたらきと使用ポイントがわかる! ナース必携! 循環器の薬剤ガイド 硝酸薬

29 第二循環器科 ( 脳 ) 当科では 脳疾患の画像診断とその臨床応用 ( 脳血流 SPECT 検査を用いた脳血管障害 認知症 てんかんの診断とその臨床応用 頸動脈ステント留置術前後の脳循環動態の変化を測定し過還流現象の可能性 予後予測への有用性を検討 ) をテーマとしている (1) 個別研究 : なし (2) 共同研究脳梗塞再発高リスク群患者を対象とした抗血小板剤併用療法の有効性及び安全性の検討 (CSPS.com 試験 : 多施設共同無作為化比較試験 国立循環器病研究センター代表 ) に参加 (3) 治験虚血性脳血管障害患者を対象にプラスグレルの心血管系イベントの抑制効果についてのクロピドグレルとの非劣性を検証する :CS747-S 第 3 相試験 (2 次組み入れ ) に参加 (4) 業績 1 論文 1.Nakajima M, Pearce LA, Ohara N, Field TS, Bazan C, Anderson DC, Hart RG, Benavente OR,SPS3 Investigators Vertebrobasilar Ectasia in Patients with Lacunar Stroke: The Secondary Prevention of Small Subcortical Strokes Trial Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases. 2015,24(5): 学会発表 国外 1.Ohara N, Nakajima M, Pearce LA, Feldmann E, Bazan C, Hart RG, Liebeskind DS, Benavente OR, for the SPS3 Investigators International Stroke Conference 2015, Nashville Intracranial wall irregularity and recurrent stroke : the SPS3 Trial 2.Ohara N, Tateshima S, Sayre J, Duckwiler G, Jahan R, Gonzalez N, Vespa P, Ali L, Saver J, Liebeskind D The 11th Annual Meeting of Society of NeuroInterventional Surgery Colorado Springs USA Emergency carotid artery stenting in acute ischemic stroke

30 3.Sugiyama Y, Faraco G, Iadecola C, and Anrather J Society for Neuroscience; Neuro science 2014 Walter E Washigton Convention Center Regional and phenotypic differences in hematogenous cells repopulating the brain after irradiation or chemotherapy-based myeloablative approaches for bone marrow transplantation 国内 1. 尾原信行, 立嶋智, Gary R Duckwiler, Jeffrey L Saver, David S Liebeskind 第 30 回日本脳神経血管内治療学会総会 , 横浜頸動脈ステントを用いた急性期再開通治療の検討 3 研究会 1. 尾原信行 Fighting Vascular Events in Kobe , 神戸 Time is Brain; アメリカの取組み 2. 尾原信行平成 26 年度国立病院機構大阪南医療センター地域消防本部合同勉強会 , 大阪南医療センター脳梗塞急性期治療の進化 3. 尾原信行第 38 回脳循環 脈管ジョイントミーティング , 大阪アメリカで学んだこと ;Stay Foolish 4. 杉山幸生第 39 回脳循環 脈管セミナー , 須磨 Weill Cornell Medical College 留学記

31 (3) がん研究室 室長肱岡泰三 平成 26 年度がん研究室活動報告 消化器科 悪性大腸狭窄に対して大腸ステント留置を行った 10 例の検討を 平成 26 年 10 月第 88 回日本消化器内視鏡学会総会にて報告した 目的 2012 年に大腸ステントが保険収載となり 悪性大腸狭窄に対する大腸ステント留置術の有効性が多数報告されている 当院にて施行した大腸ステント留置術について治療成績を検討する 方法 2012 年 7 月から 2014 年 2 月までに大腸ステント留置術を施行した 10 例を対象とし 患者背景 部位 偶発症 留置後の経過などについて検討した 結果 患者背景は男性 5 例 女性 5 例 年齢中央値は 74.5 歳 (53-92 歳 ) 狭窄部位は横行結腸 2 例 下行結腸 5 例 S 状結腸 2 例 直腸 2 例であった 狭窄原因は大腸癌 9 例 膵癌 1 例 病期は IV 期 4 例 III 期 4 例 II 期 2 例 留置目的としては術前一時的留置 Bridge to Surgery(BTS)8 例 緩和目的 2 例 ステントは全例 WallFlex Colonic Stent 径 22mm を使用し 6cm 6 例 9cm 4 例であった 留置後の合併症は下血 1 例 微小穿孔が疑われた症例が 1 例であった 微小穿孔が疑われた症例では留置後 2 日目より発熱 炎症反応の上昇が認められ 腹部 CT にて微少な free air が認められたため開腹手術となったが穿孔部位ははっきりしなかった また 留置後の食事再開時期は中央値 5 日 (2-17) であり 8 症例では 1 週間以内の食事再開が可能であった 食事再開が遅延した原因としては留置後の腹痛 炎症所見の持続が 2 例 麻薬使用に伴う意識レベル低下が 1 例であった BTS8 例での手術待機期間の中央値は 15 日 (3-29) 開腹手術は 6 例 腹腔鏡下手術は 2 例であった 一期的再建 6 例 人工肛門造設 2 例 深達度は SS 3 例 SE 3 例 SI 1 例 A 1 例であった 手術を施行した全例にて術後縫合不全は認めなかった 考察 悪性大腸狭窄に対するステント留置術は BTS では術前の栄養状態を維持できる見込みがあり 緩和目的では早期に良好な QOL を比較的安全に得られる事ができ 有効な治療手段であると考える しかし穿孔のリスクもあり留置後も慎重な経過観察が必要である 以上 報告を行ったが 主にイレウス管を使用し減圧 絶食を強いられた患者が QOL からも大腸ステントは悪性狭窄治療に新たに有用な選択肢となり得るものであることが明らかとなった

32 外科 大腸穿孔に関する臨床的検討大腸穿孔は糞便性の腹膜炎から敗血症性ショックや多臓器不全を引き起こし 死亡率 ( %) が高い疾患である 当院外科での大腸穿孔症例を解析し 予後因子について検討した 2008 年 10 月 2014 年 10 月までの大腸穿孔症例 ( 虫垂穿孔 大腸穿通等の待機的手術 縫合不全による再手術は除く ) は 50 例で そのうち 45 例を救命でき 死亡率は 10% であった これらの症例で DIC の有無などの 10 項目に関して 生存群 死亡群に分類し 統計学的解析を行った 急性期 DIC スコア 4 点以上かつ PLT 減少率 50% 以上 周術期のショックの有無 APACHE-Ⅱスコア 20 点以上 SOFA スコア 7 点以上 糞便性腹膜炎のあるもの の5 項目のいずれかを認める症例で有意に死亡率が高かった (χ2 検定 ) また大腸穿孔症例ではその 46% に DIC が合併し DIC 合併症例では有意に死亡率が高かった 上記 5 因子のような予後不良な因子をもつ症例では 厳重な全身管理が必要と考えられた またリコンビナントトロンボモジュリンは 抗凝固作用のみならず HMGB1 の阻害による抗炎症作用等が証明されており 当科での使用症例数はまだ少ないが 早期の DIC 治療により臓器障害への進展の制御 死亡率の低下が期待されると考えた 今後更なる症例の蓄積を行い 予後因子の検討 救命率の上昇を目指したい 血液内科 血液内科にて現在行っている臨床研究を以下に示す 成人 T 細胞白血病 : HTLV-1 感染疾患機序における自然免疫の役割解明と疾患リスク予知への応用 ATL および無症候 HTLV-1 キャリアの病態解析に関する研究厚生労働科学研究委託費 ( 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 ) 責任者 : 東京医科歯科大学神奈木真理教授悪性リンパ腫 : 低悪性度リンパ腫に対する R-B( リツキサン+ベンダムスチン トレアキシン ) 療法の有効性の解析多発性骨髄腫 : 多発性骨髄腫に対するボルテゾミブ ベルケード +デキサメタゾン療法及びレナリドマイド レブラミド 療法骨髄異形成症候群 : 低悪性度 MDS に対するアザシチジン ビダーザ 療法発熱性好中球減少症 :L-AMB( アムビゾーム ) 療法の有効性慢性骨髄性白血病 : イマチニブ ( グリベッグ ) からニロチニブ ( タシグナ ) への移行試験 分子遺伝子学的完全寛解に達している慢性骨髄性白血病に対する Stop ニロチニブ ( タシグナ ) 試験 分子遺伝子学的完全寛解に達している慢性骨髄性白血病に対する Stop ダサチニブ ( スプリセル ) 試験 ダサチニブ ( スプリセル ) 投与と血管内皮 免疫に関するパラメータとの関連性研究

33 [ 論文発表 ] 1. Ohyama Y. et al. Induction of molecular remission by using anti-cc-chemokine receptor 4 (anti-ccr4) antibodies for adult T-cell leukemia: a risk of opportunistic infection after treatment with anti-ccr4 antibodies Ann Hematology 93:169-71, Sato S. et al. Anti-leukemic potency of piggyback-mediated CD19-specific T cells against refractory Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia. Cytotherapy 16: , Kumode T. et al. A case of secondary leukemia subsequent to myelodysplastic syndromes successfully treated with azacitidine. Case Reports in Medicine. Volume 2014, Article ID , 3 pages 4. Eguchi G. et al. A risk of dermopathy and opportunistic infection after treatment with anti-ccr4 antibodies for adult T-cell leukemia. Hematologica 99(suppl 1): , Maeda Y. et al. Successful Treatment with Dapsone for Refractory Immune Thrombocytopenia International Journal of Medical and Pharmaceutical Case Reports 2: 57-60, 山口晃史他成人白血病に対する治療 - 治癒をめざして急性白血病に対する薬物療法の実際急性前骨髄球性白血病腫瘍プラクティス Vol.10 No.1 p17~p 井本真由美他尿タンパク試験紙に Bence Jones タンパクが反応することの検証臨床化学 43 : , 2014 [ 学会発表 ] 1. 成人 T 細胞白血病に対する CCR4 抗体投与による臨床効果の評価および皮膚障害と再発例に対する対応について第 111 回日本内科学会講演会東京国際フォーラム ( 東京 ) 平成 26 年 4 月 11 日 ~13 日 2. SLE に IVL( 血管内大細胞性リンパ腫 ) を合併した症例第 111 回日本内科学会講演会東京国際フォーラム ( 東京 ) 平成 26 年 4 月 11 日 ~13 日 3. 当院血液内科における血液製剤使用状況並びに鉄過剰症への対応第 62 回日本輸血 細胞治療学会奈良県文化会館奈良県新公会堂東大寺総合文化センター ( 奈良 ) 平成 26 年 5 月 15 日 ~17 日 4. レチノイドによる細胞老化誘導療法第 18 回日本がん分子標的治療学会学術集会 ( 仙台 ) 平成 26 年 6 月 25 日 ~27 日 5. 抗 CCR4 抗体の臨床的評価と有害事象について第 2 回 ATL 疾患検討会 ( 東京 ) 平成 26 年 8 月 2 日

34 6. CTL エピトープペプチドパルス樹状細胞ワクチンによる機能的 CTL の誘導および HTLV-1 感染細胞数の制御第 73 回日本癌学会学術総会 ( 神奈川 ) 平成 26 年 9 月 25 日 ~ 平成 26 年 9 月 27 日 7. 成人 T 細胞白血病における CCR4 発現に関する検討第 36 回京阪血液研究会 ( 兵庫 ) 平成 26 年 10 月 4 日 8. レトロウイルスの反乱と制圧シスメックス免疫セミナー in 大阪 ( 大阪 ) 平成 26 年 10 月 22 日 9. Febrile Neutropenia(FN) 治療に対するアムビゾームの有効性と安全性第 62 回日本化学療法学会西日本支部総会第 57 回日本感染症学会中日本地方会学術集会第 84 回日本感染症学会西日本地方会学術集会合同開催 ( 岡山 ) 平成 26 年 10 月 23 日 ~25 日 10. Clone dependent eradication with 2nd TKI in chronic phase CML patients with ABL muta-tion. 第 76 回日本血液学会学術集会 ( 大阪 ) 平成 26 年 10 月 31 日 ~11 月 2 日 11. Retrospective multicenter study of ocular adnexal mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma. 第 76 回日本血液学会学術集会 ( 大阪 ) 平成 26 年 10 月 31 日 ~11 月 2 日 12. Plasma sctla4 is negatively correlated with increased lymphocyte count during dasatinib treatment. 第 76 回日本血液学会学術集会 ( 大阪 ) 平成 26 年 10 月 31 日 ~11 月 2 日 13. Safety and efficacy of 2nd TKI retreatment in relapsed patients after stop imatinib. 第 76 回日本血液学会学術集会 ( 大阪 ) 平成 26 年 10 月 31 日 ~11 月 2 日 14. Occurrence of dermopathy by treatment with anti-ccr4 antibodies for adult T-cell leukemia. 第 76 回日本血液学会学術集会 ( 大阪 ) 平成 26 年 10 月 31 日 ~11 月 2 日 15. 血液がんの治療 NPO 法人血液情報広場 つばさフォーラム in 大阪 ( 大阪 ) 平成 26 年 11 月 29 日 16. 診断に苦慮した上行結腸の一例第 71 回大阪血液疾患談話会 特別講演会 ( 大阪 ) 平成 26 年 12 月 20 日 17. HTLV-1 キャリアに発症した悪性リンパ腫の一例について第 71 回大阪血液疾患談話会 特別講演会 ( 大阪 ) 平成 26 年 12 月 20 日

35 泌尿器科 泌尿器科は 2013 年より診療スタッフが変更となり 2014 年はまだ移行期で常勤医 2 名 専修医 1 名の 3 体制でした 2014 年の手術例数は 247 例 (2013 年 :156 例 ) 悪性腫瘍に対する手術は 腎摘除術 ( 開腹 ):5 例 腎尿管摘除術 ( 開腹 ):4 例 膀胱全摘除術 ( 開腹 ): 1 例 経尿道的膀胱腫瘍切除術 (TUR-BT):101 例 前立腺全摘除術 ( 開腹 ):14 例 高位精巣摘除術 :4 例 後腹膜腫瘍摘除術 :2 例でした 前立腺生検は 100 件近く施行した その他 良性疾患に対する手術は 副腎摘除術 ( 開腹 ):1 例 ( 腹腔鏡下 ):2 例 尿路結石症に対する内視鏡手術 :27 例 前立腺肥大症に対する内視鏡手術 :27 例 内シャント造設術 :22 例などでした 各種進行癌に対する抗がん剤化学療法 治療 緩和目的の放射線治療も積極的に取り入れ 特に転移姓腎細胞癌には分子標的薬の治療も行った また 臨床研究においては 日本泌尿器科学会総会を始め各種学術集会において多数臨床報告を行った 2015 年より常勤医が 4 名体制となり 可能な範囲で腹腔鏡下手術を行い 開腹手術でも腹腔鏡を併用し 拡大視野による術野の共用により安全で再現性の高い術式の確立を目指していきます 上部尿路の結石に対しては 体外衝撃波砕石装置ではなく f-tul( 最新の軟性尿管鏡とレーザー ) で低侵襲かつ高い治療成績を継続していきます 新しい取り組みとして 間質性膀胱炎の治療 そして尿失禁や膀胱瘤などの骨盤内臓器脱手術などの女性泌尿器科も導入しています また 近畿大学泌尿器科を中心とした多施設臨床研究などにも積極的に参加し 更に活発な学術活動を行ってまいります

36 (4) 骨 運動器疾患研究室 室長齊藤正伸 平成 26 年度骨 運動器疾患研究室活動状況報告 < 人工股関節の擢動面摩耗の研究 > 1. 耐摩耗性を向上させるためガンマ線照射された Cross-Linked Polyethylene を使用した人工股関節の摩耗量について 骨頭径の違い (26mm/32mm) が摩耗量に与える影響を in vivo で経時的に計測している これまでに手術後 5 年経過しても 26mm 群 32mm 群で摩耗量に有意差は無いことを報告した 現在 術後 10 年目のデータを収集し 長期的な摩耗量についての評価を行っている 2. 関節擢動面にセラミックを使用した人工股関節は 低摩耗であるが 合併症としてセラミックの破損が報告されている それを解決すべくセラミックの耐摩耗性と破損予防を兼ね備えた材料 オキシニウム が臨床応用されつつあるが まだ詳細な合併症 摩耗量の検討は少ない 当センターでは一昨年より 多施設共同研究としてオキシニウムヘッドと Cross-Linked Polyethylene の組み合わせによる人工股関節手術の臨床データを収集している 今後 収集したデータをもとに合併症 摩耗量の計測を行いその臨床的有用性について検証する < 人工股関節置換術後の体幹 下肢の動作解析 > 人工股関節手術後の重篤な合併症の一つに脱臼がある 安全な股関節可動域は患者毎に異なるにもかかわらず脱臼を予防するために一律に過度の動作制限を患者に強制しているのが現状である 当センターでは人工股関節手術を行った患者に対して個別の安全可動域を検討し 患者の ADL の拡大を図ることを目的として 赤外線位置センサーを用いた三次元位置計測システムを用いて動作解析を継続している これまでの研究成果として 1 靴下着脱動作に着目して自宅で高頻度に行われている靴下着脱動作パターンを聞き取り調査にて明らかにし その動作パターンに対して術後患者 (n=20) を対象に三次元位置計測システムにて検証を行ったところ 股関節の動きは健常者 (n=10) と比較してもほぼ同等であり 脱臼しない安全範囲内 (20 度以上の安全可動域 ) でおさまっていることを定量的に解明した さらに2 術後 7 日目の患者 (n=20) に対して起居動作の検討を行ったところ ベッドから起き上がりに際して手術側へ介助なしに起居する動作が最も自覚的な困難感や疼痛が少なく動作時間も短時間にて達成され 股関節角度も脱臼しない安全範囲で動作されていることを明らかにした 3 現在 同じ患者に対して術後半年以上経過した時点で同様に起居動作の検討を行い 動作パターンがどのように変化しているかを調査している

37 4さらに新たな取り組みとして術後患者 (n=300) に対して各種 ADL 動作をどの時期からできるようになったか アンケート調査を開始している この結果をもとに 当院におけるリハビリ指導はこれまでの一律な過度の動作制限を解除して 患者 ADL 向上につながるように変更している 今後の計画として各種 ADL 動作の解析をすすめ 患者指導をよりよきものへと変えていく予定である < 低侵襲脊椎前方固定術 (XLIF) の導入による手術低侵襲化に向けた取り組み> 近年, 腰椎変性側弯症は高齢者の ADL や QOL へ大きく影響を与える疾患として注目されている 腰椎変性側弯症に対する従来の手術術式は, その手術侵襲の大きさが問題視されてきたが, 当センターでは大阪大学と連携し従来の手術術式に XLIF を組み合わせたハイブリッド手術に取り組んでいる 今年度は, その手術適応や低侵襲化の実現の可能性について, 当センターでの臨床成績を中心に日本整形外科学会認定研修講演で公表した. 今後症例数を重ね, 本術式の利点 欠点について検討する < 腰椎術後患者の円滑な早期離床にはどのような動作指導が必要か> 早期離床訓練の必要性は言うまでもないが 術直後は創部痛が強く苦痛を伴うため円滑に離床訓練へ誘導できないことが多い 今年度は, 起き上がり動作に強い疼痛を伴う後方進入腰椎椎体間固定術 (PLIF) 施行患者に対して,3 種類の起き上がり動作を術前に指導することで, 術後の円滑な離床訓練への誘導が可能かどうかをリハビリテーション科と連携し検討した 本検討により, 疼痛を最小限に抑えて起き上がる動作方法の選択肢を見出し, それを術前に患者に獲得させることにより, 術後の円滑な離床訓練への誘導が可能であることがわかった 今後は, 疼痛の少なかった 1 種類の起き上がり動作に限定して指導し その有効性を検討する <ケアに難渋する腰椎手術患者の自我状態を踏まえたケアの類型化 > 脊椎疾患患者は, 器質的異常や身体機能の問題にとどまらず, しばしば精神医学的要因, 心理社会的要因が関与し, 痛みやしびれが遷延化することが多い また手術症例においては, 各患者個人の神経機能回復予後, またそれに要する期間は異なり, 患者によって遺残症状の訴えも様々である 今年度は, 術後急性期に多くの時間を患者と共有する看護師と連携し, 術前の 各患者個人の自我状態 に着目し, 患者に対する看護師の対応と患者側の反応を後ろ向きに調査し, 各患者個人の自我状態 に応じた適切な看護を実践することが可能か否かについて検討した 本検討により, 看護師が対応に難渋した患者の 自我状態 が明確となったため, 病棟看護師全員がその情報を共有することで, より適切な看護を実践することができる可能性が示唆された 今後は, 前向き研究することによりその信頼性 妥当性について検討する

38 (5) 再生医療研究室 室長幸原晴彦 副室長大屋健 平成 26 年度再生医療研究室研究報告書 脂質は三大栄養素の一つであり 単位重量当たり変換可能なエネルギーが最大となる貯蔵に最も適した物質である また 生命の単位である細胞を成り立たせる 膜 そのものであり ステロイドホルモンやビタミン D など多数の生理活性物質の原材料となる 脂質は 脂肪酸の化合物であるリン脂質や中性脂肪と 加水分解されないコレステロールやステロイドに大きく分けられる 高コレステロール血症が動脈硬化性疾患の促進因子である事は 数多くの研究により裏付けられて来た 一方 近年 脂肪酸においてもインスリン抵抗性惹起の原因として多くの研究がなされている 飽和脂肪酸の過剰摂取が心血管系疾患発症 進行を促す事は明白である一方で EPA や DHA などω3 系脂肪酸の摂取が動脈硬化に対し抑制的に働くことは古くから知られている これは脂肪酸が単にエネルギー源として利用されるだけでなく 別の生理活性を有する事を示している 脂肪酸はリン脂質の構成素因となり 形質膜や細胞内小器官の膜の柔軟性や生理活性に影響を与える また 脂肪酸からはプロスタグランジン類やトロンボキサン類などの生理活性物質が作られ 血行動態や血小板凝集などを制御している 更に 脂肪酸はそれ自身が脂質代謝に関する遺伝子転写因子の ligand であり あるものは脂肪酸から中性脂肪を合成して脂質の細胞内貯留を促し あるものは中性脂肪の分解 脂肪酸の燃焼を促進させるという様に 多様性が見られる 脂肪組織を取り巻く遊離脂肪酸の組成や濃度が 脂肪細胞の分化 増殖 肥大化を促すと同時に 脂肪酸放出 組織縮小 細胞死にも影響を与えていると考えられている コレステロール 中性脂肪 脂肪酸いずれにしても過剰に摂取すれば機能異常を来すわけであるが 体全体で脂肪が蓄積すれば肥満といい 細胞内に脂肪が蓄積すれば泡沫化や脂肪変性 あるいは肥大化という 両者はかなりの部分で共通の現象を表しているはずであるが 実際の臨床の場と研究の場では大きくかけ離れ 両者を繋ぐメカニズムの研究はあまり行われていない また 脂肪を蓄積するためその体積を 3~6 倍にも拡大し得る脂肪細胞と それほどの余力を持たない肝細胞や筋細胞が脂肪を蓄積するのでは 自ずと意味が異なって来る 多くの細胞 組織で脂質蓄積と機能異常は関連を持つと推察され その機序の解明は幅広い臨床像の理解に資すものと考える

39 1) 脂肪細胞におけるサイトカイン分泌経路と調節機構の解明脂肪組織は体内最大の内分泌器官である かつては単なるエネルギーの貯蔵庫 体温維持のための発熱器官と考えられていたが この 20 年の間に脂肪細胞由来のホルモンが多数発見され 内分泌器官としての地位が定着した 脂肪細胞では脂質代謝に関する分子を始め ステロイド代謝 免疫関連 線溶系関連因子などの発現が認められ 更に炎症性のサイトカインとして Leptin Resistin TNF IL-6 が 抗炎症性サイトカインとして Adiponectin(APN) IL-10 TGF-βが挙げられる また これら自身も含め インスリン グルカゴン GH など多岐にわたるサイトカインに対する受容体が存在し 脂肪組織は実に多数のホルモン産生器官であり 同時に感受性器官でもある APN は脂肪細胞が分泌する主要な抗炎症性サイトカインであり 低 APN 血症が動脈硬化性疾患の危険因子である事は多くの報告がある また μg/ml オーダーのサイトカインとしては極めて高い血中濃度を有しているが 部分欠損体も含めた四種類の多量体が存在しており それぞれ活性は均一では無く 分泌調節機構も異なるとされている 未だその作用機序は十分に解明されていないが その最大の問題点は有効な再合成蛋白が存在しないため 最終的な証明が得られずにいる事である 現時点では薬剤として体外から投与することもできず 生体自身の分泌を亢進させる方法が望まれ それ故に分泌のメカニズムを知ることが重要性と考える APN は細胞内小胞輸送で分泌され 細胞内にプールを形成していることが報告されている また インスリン応答性に分泌する経路と恒常的に分泌する複数の経路が想定されている 細胞内小胞輸送は SNARE 蛋白と呼ばれる膜蛋白質によって制御されている 小胞と標的器官の相対する両膜上に存在する SNARE 分子の 4 ドメインが強固な複合体を形成することで 膜を十分に近づけ もって膜リン脂質を融合させて内部の積荷を輸送する その 4 つの組合せは各膜融合ステップで特異的に決まっている 更に Rab と呼ばれる G 蛋白とその関連分子群による複合体が標的までの輸送と接続を司っており Rab と SNARE の組み合わせでより高度な特異性と生理的な反応速度を実現している 低 APN 血症の病的意義に関する研究は多数見られるにもかかわらず これら調節機構は現時点でほとんど解明されておらず 本研究はそれらを同定する事で 病的状態での分泌低下の理解とより効果的な分泌促進の開発を企図するものである そこで我々は 脂肪細胞の分化と共に発現量が増し 分泌小胞上に存在していると考えられるSNARE 蛋白であるVAMPのアイソフォームVAMP2 VAMP3 VAMP5 VAMP7をsiRNA 法で発現を抑制し APN 分泌への影響を検討することで APN 分泌経路の同定を試みた

40 sirna transfection は脂肪細胞分化誘導後 5 日目に行った 8 日目に培養液交換後 6 時間での APN 分泌量と細胞内残留量を測定し 全体における分泌量の比率 分泌率をもって分泌機能の指標とした VAMP5 は発現阻害が得られなかったので コントロールを加えた 4 条件で比較検討を行った VAMP2 VAMP3 の発現阻害では APN 分泌量に変化は無かったが 細胞内の貯留量はいずれの場合でも 15~25% 減少した 特に VAMP3 阻害の場合は結果として分泌率の上昇が認められた 一方 VAMP7 の阻害では分泌量 貯留量が共に減少したが 分泌率に変化は見られなかった APN はインスリン刺激に即応して分泌が行われる為の細胞内プールの存在が考えられている インスリン抵抗性を惹起してシグナルを遮断すると コントロールにおいては細胞内の貯蔵量が減少するのに対し VAMP2 VAMP3 阻害条件ではそれ以上の減少は見られず 抵抗性出現前からすでにインスリン作動性プールの形成に影響が出ていた事が示唆される 一方 VAMP7 阻害ではインスリン抵抗性を惹起させた場合 更なる低下が見られ VAMP7 はインスリン作動性小胞プールとは異なる部分で APN 分泌に関わっていると思われる インスリン抵抗性出現時 分泌量は 4 条件で共に著しく低下していた また 内毒素であるリポ多糖は 細胞表面の TLR-4 という受容体を介して炎症性サイトカインの分泌を促す作用を有する 脂肪細胞表面にも TLR-4 は発現しており TNF-αや IL-6 などの炎症性サイトカインを分泌する IL-6 の分泌にも細胞内小胞輸送系が用いられている事が知られているが 脂肪細胞での分泌経路の同定は行われていない リポ多糖を作用させると APN の分泌は 4 条件全てで低下が見られたが インスリン抵抗性の場合と異なり細胞内貯留量の低下は見られず VAMP2 VAMP3 阻害条件ではむしろ貯留が亢進している傾向が見て取れた 脂肪細胞におけるインスリン抵抗性惹起と炎症性反応惹起 いずれの場合も APN の分泌が低下するという病的状態を再現した 両者は同じように分泌率が低下し APN 分泌能が低下していると考えられるが 細胞内プール形成という面で両者は異なった動向を見せた VAMP2 が関与するプールと VAMP3 が関与するプール インスリン作動性プールに関与しない VAMP7 経路の存在の可能性が示唆された 今後も 3 者の違いに注視しつつ それぞれの経路を制御する Rab G 蛋白質を同定し 幾つかの経路を介した APN 分泌 その障害という病態の理解を深めたいと考える 2) インスリン抵抗性及び脂肪酸負荷が 脂肪細胞における炎症性 抗炎症性サイトカイン分泌に及ぼす影響の研究脂肪組織が健全に増殖する場合 細胞数の増加と共に血管造成が起こり 十分な血液が供給される 一方 病的肥満では肥大化した細胞群に見合うだけの血管造成が行われず 血流不全から低酸素状態となり 炎症性サイトカインの分泌亢進と抗炎症性サイトカインの低下が見られる様になる このような状況がインスリン抵抗性に代表される全身性の代謝

41 異常を引き起こし 糖尿病 高脂血症などの代謝性疾患 更に動脈硬化性変化 脳梗塞 心筋梗塞を引き起こす 更に昨今の知見では 全身の炎症とインスリン抵抗性は DNA ダメージ アポトーシス抑制 浸潤 血管増殖といった癌発生 増殖機序の上流に位置し 2 型糖尿病における有意な癌合併率の上昇を引き起こす原因とされている 脂肪細胞より分泌される脂肪酸は隣接するマクロファージの toll like receptor (TLR) -4 を活性化し TNF-αの分泌を促す TNF-αは脂肪細胞での脂肪分解を促し 脂肪酸の分泌を亢進させると共に 更なるマクロファージの侵入を促す MCP-1 と ICAM-1 を分泌させる この正のフィードバックの中 脂肪細胞からは 全身の炎症とインスリン抵抗性を惹起する IL-6 の分泌亢進が見られ 同時に抗炎症性サイトカインである APN の分泌が抑制される 脂肪細胞にも TLR-4 は発現しており 自身の分泌した脂肪酸により活性化を受け TNF-α を分泌している APN は脂肪酸による TLR-4 の作用を阻害するとされており IL-6 分泌から APN 分泌へスイッチを切り替える事で このパラクライン オートクラインループを断ち切る事が可能かつ重要と考える そこで それぞれの分泌制御機構を TNF-α 刺激下並びに種々の脂肪酸負荷条件で比較検討する 脂肪酸カクテルは総脂肪酸濃度を低濃度 150μM と高濃度 800μM で設定し モル比による含有率で各組成の濃度を決定した 生理的組成で含有率 1% を超える以下の7 種 パルミチン酸 (16:0)31% ステアリン酸(18:0)13% オレイン酸(18:1)20% リノール酸(18:2) 14% パルミトレイン酸(16:1)5% DHA(22:6)2.5% アラキドン酸(20:4)2% をこの比率で混合して計 87.5%(131μM または 700μM) とし 通常の培養条件である 10% 血清に上乗せして培養を行った また 低濃度カクテル条件に主要 4 組成のうち 1 種を過剰に加え 総脂肪酸濃度を高濃度条件と同じにして 組成バランスについての検討を行った 低濃度脂肪酸カクテル負荷を基準に 高濃度カクテルでは分泌量 分泌率共に有意に増加した 一方 飽和脂肪酸であるパルミチン酸 ステアリン酸過剰負荷条件では分泌量 分泌率共に低下した 一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸負荷では 高濃度脂肪酸カクテル負荷より大きな脂肪滴を形成し 細胞体積も最大となったが APN 分泌率は高濃度カクテル負荷に及ばなかった 2 価不飽和脂肪酸であるリノール酸過剰負荷ではバラツキが大きく 一定の傾向が確認できなかった いずれの条件においても分泌された APN は約 10% 程度であり 細胞内外の発現量総和に有意差は認められず 蛋白合成以降の分泌調節機構に差異が存在するものと思われる 一方 炎症性サイトカイン IL-6 については 分泌量と細胞内貯留量を比較すると そのほとんどが 6 時間のアッセイの間に分泌される事より IL-6 は細胞内におおきなプールを形成しないものと思われる 飽和脂肪酸であるパルミチン酸 ステアリン酸負荷で 分泌量 細胞内貯留量共に著増したのに対し 同じ高濃度であっても脂肪酸カクテルと一価不飽和脂肪酸のオレイン酸負荷では増加は軽度であった

42 今後は IL-6 の分泌が最大となる時間的条件に合わせて APN 分泌に及ぼす影響を検討す る予定である IL-6 の分泌に対し 充分な APN の分泌が得られる脂肪酸の組成が確立されれば EPA 製剤の様に脂肪酸組成を調整する薬剤の開発に期待が持てる 肥満患者において大循環中の IL-6 の 35% は皮下脂肪由来であるとの試算もあり 脂肪組織はその身体全体に占める割合の大きさ故に 個々の細胞当たりの反応は小さくとも 全身に及ぼす影響は無視できないものがある 3) 脂質蓄積に伴う脂肪細胞及び肝細胞内における小胞輸送異常の解明肝細胞においても脂肪細胞同様 脂質が過度に蓄積すると TNF-αや IL-6 の炎症性サイトカインが分泌されることが報告されており 近年ではこれら肝細胞由来のサイトカインを hepatokine と呼び 脂肪細胞由来サイトカインの adipokine と良い対比をなしている また sex hormone-binding globulin や follistatin などインスリン抵抗性改善作用を有するサイトカインも同時に分泌されており 炎症性 抗炎症性のバランスを司っている点でも脂肪細胞 肝細胞の両者は非常に似通っている 上述の様に これらのサイトカインの分泌は細胞内小胞輸送によって行われるが 近年その制御システムである Rab SNARE の脂肪細胞での異常による 2 型糖尿病 インスリン抵抗性発症に関する報告が散見される 特に 過度の脂肪蓄積によりインスリン応答性糖取り込みに必要な SNARE 蛋白 SNAP23 が脂肪滴にトラップされ インスリン抵抗性が惹起されるという 2007 年 Nature Cell Biol. の報告は その機序に触れた最初の研究である 一方 肝細胞ではこの様な機序を論じた文献は見当たらないものの 肝細胞内脂質蓄積で VLDL の分泌が低下したり 2 型糖尿病患者でしばしば巨大化した VLDL の過剰生成が肝細胞内に観察されるなど 細胞内輸送障害が強く示唆される また endosome 系全体の形成を司る Rab5 を阻害して量的低下を招くと 胆管上皮側への bile salt export pump (BSEP) の輸送も障害されることより 脂質排出には健全な endosome 系機能が必要と思われる 二大エネルギー供給源である両組織の余剰脂質処理法と 引き起こされる病態の相違 相同点を検証することで 細胞が脂質を溜める事の意義に迫りたい 研究助成 平成 23 年度 ~ 平成 26 年度科学研究費助成事業 ( 学術研究助成基金助成金 ) 基盤研究 (C) 分化脂肪細胞内におけるアディポネクチンの分泌経路の同定と調節機構の解明 平成 25~ 平成 28 年度武田科学振興財団 2013 年度ビジョナリーリサーチ助成 蓄積に伴う脂肪細胞及び肝細胞内における小胞輸送異常の解明

43 Ⅲ. 奨励研究課題報告 (1) 多剤耐性グラム陰性桿菌のアクティブ サーベイランス 藤原佐美 1 2 山田加代子 2 山本よしこ 2 江口富夫 1 渡邉清司 1 星田義彦 1 1 臨床検査科 2 感染対策室 背景および目的 医療関連感染の防止は当センター感染対策室の重要な役割の一つである 薬剤耐性菌は従来 MRSA などのグラム陽性菌が主な対象であったが 多剤耐性緑膿菌 (MDRP) の出現を機にメタロ-β-ラクタマーゼ産生菌 (MBL) カルバペネム耐性腸内細菌科菌(CRE) 基質特異性拡張型 β-ラクタマーゼ産生菌 (ESBL) AmpC 型 β-ラクタマーゼ過剰産生菌 (AmpC) などグラム陰性桿菌の耐性菌が多種類出現し これらによる疾患は多剤耐性グラム陰性桿菌 (MDRGNR) 感染症と総称されている MDRGNR の多くはヒト腸管常在性の細菌である また 食品や環境中からも検出されており 広く市中に拡散していることが予想される 一方 当センターの検出状況は 過去 3 年間で MDRP が 10 倍 MBL 産生緑膿菌が 3 倍 ESBL が 1.5 倍 AmpC が 6 倍と著明に増加している 今回私どもは これら MDRGNR の感染拡大を回避することを目的に アクティブ サーベイランス ( 積極的な保菌状況監視 ) を行い MDRGNR の市中から院内への持ち込みの実態を検討した 方法 平成 26 年 11 月から平成 27 年 3 月の期間に 東 4 階病棟に入院し研究協力の同意を得た 37 名の入院後 48 時間以内の糞便検体で MDRGNR スクリーニング検査を行った スクリーニングに使用する培地は クロモアガー社の KPC&ESBL 培地と AmpC 培地を用いた スクリーニング陽性の場合 米国臨床検査標準協議会 (CLSI) の方法に準拠して菌種同定および薬剤感受性試験を実施した 結果および考察 37 名のうち 7 名から ESBL が 3 名から AmpC が検出され 陽性率は ESBL が 19% AmpC が 8% であった ESBL 陽性率の本邦における従来の報告は約 5-10% であることより 当センターにおける ESBL 陽性率が高値であることがわかった 今回の検討をもって 市中でも薬剤耐性菌の蔓延が進んでいることを具体的な数値で証明することができた 今後さらに症例数を増やし 患者背景や遺伝子型の解析を行い 効果的な感染拡大防止対策に結び付けたい

44 (2) 新規感染症マーカー : プレセプシン (P-SEP) の発現機序の解明と臨床応用 臨床研究部 田浦映恵 背景 プレセプシン(presepsin; P-SEP) は CD14-サブタイプで 2014 年に保険収載された 新規敗血症診断マーカーである P-SEP の産生機序については ウサギ顆粒球を用いた大腸菌貪食実験のみで 未だ解明には至っておらず 自己免疫性疾患の分野での実臨床における有用性についても検討されていない 目的 P-SEP の臨床応用としては 関節リウマチ (RA) 患者の感染症診断における有用性ならびに P-SEP の産生機序を明らかにすることを目的とした 方法 臨床応用 ; 感染源が同定できた感染症合併 RA164 例 うち細菌感染合併群が 48 例 ウイルス感染合併群が 13 例 非感染症群 103 例の P-SEP を測定し 比較検討を行った 産生機序 ; ヒト健常末梢血より単核球分画と顆粒球分画に分離し 大腸菌共培養を行い P-SEP 産生量を測定した また貪食阻害剤 Cytochalasin D を用い 同様の貪食実験を行った 結果 臨床応用; 細菌感染症合併群の P-SEP 1514±3661pg/mL と非感染症群 (268±397) と比べ有意に高値を認めた (p<0.001) 非感染症群とウイルス感染症合併群(239±88pg/mL) では有意な差を認めなかったことから 細菌感染症の診断に有用な感染症マーカーであることが示唆された 産生機序 ; 大腸菌共培養後 24 時間で 単核球分画では P-SEP 372.5±68.5pg/mL 顆粒球分画では 1.9±0.9pg/mL と 単球を含む単核球分画において明らかな産生が認められた さらに単核球分画において貪食阻害剤 Cytochalasin D 存在下では濃度依存的に P-SEP の産生量が低下した 結語 P-SEP は RA 患者においても細菌感染症を特異的に鑑別できるマーカーで ヒトにおいて顆粒球よりも単球の貪食が主体となって産生されると考えられた

45 (3) 入院中患者における身体筋肉量と転倒転落との関連についての検討 ( 第 3 報 ) - 転倒転落防止に向けた新たな取り組み リウマチ 膠原病 アレルギー科坪井秀規 はじめに 転倒転落事故は特に高齢者において その結果生じる外傷により日常生活レベルの低下を来たし問題となる 一般に入院中患者においては各医療機関で転倒転落危険度を評価し その防止に努めているが当院でも同様である 2012 年度および 2013 年度の検討で 患者個々の下肢筋肉量 握力 Timed up and go test(tug) を組み合わせることが 転倒転落危険度評価をより正確にすることが示唆された その一方で当院における危険度評価は 高リスク群 ;A 中リスク群;B 低リスク群;C に分類されるが 入院時の評価判定結果はその約半数以上が B 群に分類されること A 群に分類されるのは眠剤等の向精神薬内服患者のみであることが判明し 本来の患者個々の身体機能に応じた転倒転落危険度評価が必要であることが考えられた そこで本年度は 危険度判定 B 群のみを対象とし 握力 TUG および新たに患者への質問票を用いた運動器不安定症 ( ロコモティブシンドローム ) の評価を加え これら結果と転倒転落アセスメントシートとを併用することで より正確な転倒転落危険度を評価することが可能かを検討した 対象 予定入院患者( 平成 26 年 11 月 1 日 ~ 平成 27 年 1 月 31 日 )61 人のうち 入院時の転倒転落危険度評価 B 群 ;48 人を対象とした 男性 12 人 女性 36 人であった なお 入院時に安定立位に介助を要する患者は除外した 方法 入院時に 身長 体重 身体筋肉量(BIA 法 マルチ周波数体組織計 MC-190 タニタ社製) を測定した さらに 握力測定 機能的移動能力を評価する目的で TUG を施行した さらに運動器不安定症の評価として ロコモ度テスト ( ロコモ 25; 日本整形外科学会 ) を評価した 結果 下肢筋肉量は 男性 16.9±2.5kg 女性 11.5±1.9kg であった 握力 ; 男性 35.3±6.5kg 女性 15.9 ±6.8kg TUG; 男性 11.9±6.1 秒 女性 13.2±5.0 秒であり 男性の方で握力が強く TUG も早いという結果であった 性別ロコモ 25 は 男性 34.4±21.5points 女性 43.2±18.4points で 男性の方がやや優れているという結果であった さらに今回のロコモ 25 の平均値 (40) 未満 ( 運動機能がより維持されている群 ;23 人 ) および以上 ( 運動機能がより劣っている群 ;15 人 ) の 2 群に分けそれぞれ 年齢 下肢筋肉量 握力 TUG を検討したところ 平均未満群 / 平均以上群で それぞれ 69 歳 /72 歳 13.7±3.8kg/12.0 ±2.2kg 24.8±11.5/19.4±11.0kg 10.6±3.4/15.1±5.9 秒であり いずれにおいても 平均値未満群が平均以上群より優れている結果であった 考察 前年度までの結果同様 基礎疾患を有する入院患者においても年齢別筋肉量は男女とも加齢により低下がみられた しかし 今回我々が問題と考えた B 群において 下肢筋肉量に着目すると 男性 16.9 ±2.5kg 女性 11.5±1.9kg であったが この結果は BIA 法を用いた健常人での報告 ( 谷本ら 日老医誌 2010) と同様であり 下肢筋肉量のみで B 群における詳細な評価は困難と考えられた しかし ロコモ 25 の評価を追加することにより その平均値未満 以上で下肢筋肉量 握力 TUG いずれも同様の傾向を示したことより 運動器不安定症の項目を追加することが有用であると考えられた したがって 今後は患者個々に適した転倒転落防止対策を実施できることを目標に 運動器不安定症も組み合わせた新しいアセスメントシートを作成し 転倒転落防止対策への有効性について検討を進める予定である まとめ 運動器不安定症を評価することで 転倒転落危険度が予測できる可能性が示唆された

46 (4) リウマチ手指の可動域制限装具 リウマチ 膠原病 アレルギー科辻聡一郎 目的 関節リウマチ(RA) による罹患関節は手指関節が最多であり 手指関節破壊による ADL QOL の損失は計り知れない RA 手指の関節可動域制限を体験することでより真摯に RA について考え RA 教育 リハビリ 自助具の提案また早期治療介入と RA 診療につながると考えられる そこで RA 手指体験装具 (RA hand/finger simulation equipment; RSE) をリハビリテーション科 装具士とともに開発した 開発した RSE で RA 手指を疑似体験できるのかを評価する 方法 RA における手指機能障害の強いスワンネック変形および尺側偏位による PIP 関節の屈曲制限ならびに MP 関節の伸展制限を疑似体験できる装具を用いる スワンネック変形による PIP 屈曲制限はオーバル 8( フクイ株式会社 ) を反転して用いることで体験でき 尺側偏位による MP 伸展制限は手の背側からかぶせるようにして MP 関節を 90 以上伸展できない装具を開発した それぞれ健常者 10 人 ( 男性 5 人 女性 5 人 ) の利き手の第 2~5 指にオーバル 8 を 尺側偏位体験装具を装着し 上肢機能評価を DASH (Disabilities of the Arm, Shoulder and Hand: 正常 0 点 ~ 全廃 100 点 ) を用いて評価した 結果 機能障害/ 症状 DASH では 54.6±12.6 点と仕事効率 DASH では 73.2±15.0 点と有意に ( ともに p=0.005) 高値を示した 考察 結論 RSE を装具することで 手指の機能障害を体験することができた この手指機能障害が RA 患者の手指機能障害を体験できているのかは今後の課題である RSE を用いて個々の RA 患者の手指障害を模倣して 個別のリハビリテーションや RA 教育など多岐にわたる RA 診療につなげていきたい

47 (5) 院内における効果的な医療機関情報の提供のあり方 - 地域の医療機関との連携につながる媒体として - 大阪南医療センター医療社会事業専門職萬谷和広 目的 現在の医療提供体制は 病病連携 病診連携といった関係機関との連携を持って成立する体制であるのは周知の事実である この体制の中 特に地域医療支援病院においては その連携を促進するための試みとして 登録医等のリーフレットなどの情報を病院内に配置する医療機関が多い しかし この情報配置に関しては 効果的な情報提供の方法論は確立していない そのため 本研究では 院内における効果的な医療機関の情報提供のあり方を明らかにする 方法 本研究においては まず量的調査を実施し 情報提供体制の一般的な状況 ( 全体像 ) を明らかにする その上で 1 当院に近しい医療環境にあること 2 効果的な情報提供が実施されている医療機関を選定し 具体的な情報提供のあり方を質的調査で汲み上げるという方法で実施した 結果 調査の結果 効果的な医療機関の情報とは その情報自体が 関係機関との連携につながる媒体として機能しているもの と位置づけることができた つまり 情報自体に意味があるということより その情報を構築するプロセスを通して地域連携体制を充実させている あるいは すでに充実している地域連携体制についてさらに情報を通してその体制を可視化させ 機関同士がこの関係を確認する さらには情報を更新するプロセスの中からさらに関係を充実される側面に意味があり それが効果的な情報提供となるということが明らかになった 結語 本研究では 情報の意味 情報提供の方法のみならず 地域医療連携の効果的な方法論も同時に見出すことができた これらの方法を援用させることで 院内の効果的な情報提供 充実した地域医療連携を目指すことで可能であり 今後 その取り組みを実施していきたい

48 (6)VAS-GAP 高値のリウマチ患者の心理的傾向について 1) 2) 3) 4) 臨床心理士医療情報管理室看護部リウマチ科 1) 1) 2) 3) 4) 金季実 木村美佐子 香川邦彦 岡本紀代香 大島至郎 目的 当院外来通院中の関節リウマチ (RA) 患者は 診察毎に自身の総合状態を VAS(Visual Analog Scale) を使って記録し 医師も同様に患者の総合状態を記録している 双方の VAS は必ずしも一致をみているわけではなく 約 5% の患者において患者の VAS と医師の VAS に 50mm 以上 /100mm の著明な乖離 (VAS-GAP) が見られている VAS-GAP は 医師が病気の状態は安定していると判断したのに対し 患者は悪いままであると判断したことを意味している RA における身体状態と心理状態の関連性は深く ストレスが長期化すると患者と治療者間の情報のずれが生じ 感情の乱れが起きやすくなると言われていることから VAS-GAP にも患者の心理的要因が影響していると考えられる そこで本研究では VAS-GAP 高値の患者の心理的傾向を捉え 心理的支援の可能性を探索的に検討することを目的とする 方法 外来通院中の VAS-GAP50 以上の RA 患者で同意を得られた4 名を対象に CES-D 及び POMS 短縮版を用いて気分 感情の状態を評価した上で半構造化面接を行った 結果 CES-D の結果 対象者全員が気分障害群に該当した POMS においては 対象者 4 名中 1 名のみ全項目が正常範囲内を示し その他の対象者 3 名は 活気 意欲 思考力の低下や疲労感の蓄積 精神的混乱といった気分の特徴を有していることが示された 半構造化面接の内容分析を行った結果 不自由な身体への悲哀 や 家族関係の問題 主観的な身体のつらさに伴う心理的ストレス 病気を含めた多重なストレスによる心理的負担感 といったテーマが抽出された 結語 心理的ストレスや抑うつ傾向が VAS-GAP に影響を及ぼしている可能性が示唆された 今後調査を継続するなかで VAS-GAP 高値のリウマチ患者の心理的傾向をより詳細に捉え その上で心理的支援の意義を検討していくこととする

49 (7) ターミナル期における医療者の意思決定支援の現状と課題 地域医療連携室 / がん相談支援センター中川麻由 背景 目的 がん患者は 療養過程の中で様々な意思決定場面に遭遇する 特に ターミナル期においては 治療や療養の場など 難しい意思決定が多く生じる 患者 家族 医療者の思いがすれ違うこともあり 共同で意思決定に至ること には困難さが伴う 意思決定場面においては 様々な課題が存在すると考えられる また これらの意思決定場面においては 医療者の役割が非常に重要となってくる そこで本研究では ターミナル期において 医療者が行うがん患者の意思決定支援について 当院の現状を記述することを目的とする 方法 質的記述的研究とする 医療者のうち 意思決定に深く関わる職種である医師を対象として 半構造化面接を実施する 分析については 意思決定支援に関する医療者の認識や行動についての語りを抽出したデータをコード化し, 内容の類似性 相違性に基づきカテゴリー化を行う 結果 医師の語りより 医師自身の価値観 意思決定に影響を与えたもの 迷いや悩み 意思決定支援に関する課題 意思決定を促進するための工夫 チーム医療における課題 の6 項目のカテゴリーが形成された 意思決定支援のあり方には 遺族との経験から得た学びが大きく影響していることや 患者が死に向かう過程の中で 家族に対し死への準備性を高めるための工夫や声かけを行っていることなどが語られた 結語 医師の持つ価値観や信念が 方針および情報提供のあり方に 影響を与えていると考えられる また 医師自身の不安や迷いがもたらす ゆらぎ が 患者家族を中心とした意思決定過程に寄り添う元となりうると思われる

50 (8)DPC/PDPS 診断群分類の適正調査診療情報管理士島田裕子 喜多田祐子 松本由紀子 酒井早 背景 平成 10 年より国立病院機構 10 病院から得た情報を元に診断群分類に基づく 1 件当り包括支払方式の試行が開始された これを日本版 DRG とし施行を重ね平成 13 年に現在の基礎となる DPC が改定されている 以後 改定を重ね平成 15 年に最初の DPC 支払方式が採用となり研究は継続され診療報酬改定に反映されている 目的 診断群分類は当初 183 分類で構成され改定変動を経て 2,973 分類になり区分も医療行為 年齢や副傷病を考慮し複雑になっている しかし 全国の医療行為が基になった在院日数や 1 日当りの診療報酬点数から設定されているため 地域特性や重症度などが考慮されていない このような特性は診療報酬で一律設定ではなく機能評価係数に反映されるよう仕掛けが設けられている 当院の特性が適正に評価されているか確認が必要である 方法 2014 年 4 月 1 日から同年 12 月 31 日間退院した内 DPC 対象となった 6,632 件を DPC 分析ソフト EVE で在院区分割合を確認した MDC2 桁における割合でⅢ 期が 50% 以上超過する診断群分類をさらに 6 桁構成 504 分類で確認した さらにⅢ 期区分 50% 以上を占めた 76 種類の診断群のうち 最も病院運営に影響が大きいとされた 2 種の診断群における在院日数長期化要因を様式 1 および EF データ 診療録から確認した 結果 DPC 在院区分であるⅡ 期は全国平均の在院日数で設定されている 当院の全体を確認すると Ⅲ 期 27.0% Ⅲ 期超え 9.8% と長期化していた DPC6 桁コードで構成された 504 分類で 当院が担っている診断群は 281 種類のうち 76 種分類がⅢ 期区分 50% 以上を占めていた 件数が多く影響度の高い診断群のうち 07040x の 2 種に高齢者特有の基礎疾患の影響が推測された 07040x は 抗血小板薬投与に対する代替のために術前に数日要しており 定義副傷病名に循環器疾患の設定はなく処置区分に高リスクに対する輸血の評価もない では AMI による影響と推測されるような心不全が要因とされるが定義副傷病名に呼吸器疾患しかなく また重症度別区分の評価もない 考察 当院の平均在院日数は約 14 日と全体では良好な推移であるが DPC の診断群別に確認すると Ⅲ 期やⅢ 期超えの割合が高い 高齢に起因する循環器疾患の影響が大きいとされる DPC の設定日数や点数には 高リスク要因 ( 重症度 ) の評価が少なく 当院の立地する南河内医療圏は 大阪府下でも人口減少が大きく高齢化率が高いことから全国平均には合わない症例も多い さらに高リスクの患者の需要が高まると推測され DPC 設定の見直しや地域特性加点の設けに期待したい それには 特性の歪みの影響を広く提供することやこれまでの診療プログラムの見直しなどの対策も必要である 継続した調査と提言をしていきたい

51 Ⅳ. 業績 (1) 論文 ( 太字アンダーラインは当院所属 ) 1) 原著論文欧文免疫異常の分野 1. Saeki Y, Ishihara K. Infection-immunity liaison: pathogen-driven autoimmune-mimicry (PDAIM). Autoimmun Rev. 2014;13(10): Kudo-Tanaka E, Shimizu T, Nii T, Teshigawara S, Yoshimura M, Watanabe A, Tsuji S, Tsuboi H, Hirao M, Yura A, Harada Y, Sueishi M, Suenaga Y, Chiba N, Tonai T, Saisho K, Ogata A, Matsushita M, Hashimoto J, Ohshima S, Tohma S, Saeki Y. Early therapeutic intervention with methotrexate prevents the development of rheumatoid arthritis in patients with recent-onset undifferentiated arthritis: A prospective cohort study. Mod Rheumatol Mar 24;1-31.[Epub ahead of print] 3. Kikuchi-Taura A, Yura A, Tsuji S, Ohshima S, Kitatoube A, Shimizu T, Nii T, Katayama M, Teshigawara S, Yoshimura M, Kudo-Tanaka E, Harada Y, Matsushita M, Hashimoto J, Saeki Y. Monocyte CD64 expression as a novel biomarker for the disease activity of systemic lupus erythematosus. Lupus. (in press) 4. Yoshida Y, Ogata A, Kang S, Ebina K, Shi K, Nojima S, Kimura T, Ito D, Morimoto K, Nishide M, Hosokawa T, Hirano T, Shima Y, Narazaki M, Tsuboi H, Saeki Y, Tomita T, Tanaka T, Kumanogoh A. Semaphorin 4D contributes to rheumatoid arthritis by inducing inflammatory cytokine production: Pathogenic and therapeutic implications. Arthritis Rheumatol. (in press) 5. Ohshima S. Rheumatoid arthritis and IgG as biomarker. Glycoscience: biology and medicine. 2015;

52 6. Yasuno F, Taguchi A, Yamamoto A, Kajimoto K, Kazui H, Kudo T, Kikuchi-Taura A, Sekiyama A, Kishimoto T, Iida H, Nagatsuka K. Microstructural abnormality in white matter, regulatory T lymphocytes, and depressive symptoms after stroke. Psychogeriatrics Dec;14(4): Nii T, Yoshikawa H, Okabe T, Tachibana I. Septic pulmonary and systemic embolism in tricuspid endocarditis. BMJ Case Rep Nov 24; Ootsu Y,Akiyama I,Hatsuda K,Hayashi S. Albumin level upon hospitalization predicts responsiveness to anti-tuberculosis therapy.clin Res Pulmonol April;2(1):1013./1-5 循環器疾患の分野 9. Yasuoka Y, Kitatoube A, Kume K, Nakashima T, Kohama Y, Kosugi M, Araki R, Matsutera R, Noda Y, Hattori S, Adachi H, Sasaki T, Saeki Y. Local release of inflammatory markers in coronary artery associated with the development of in-stent restenosis in patients with acute coronary syndrome. Exp Clin Cardiol. 2014;Vol 20 Issue 1 pages Nojima Y, Yasuoka Y, Kume K, Adachi H, Hattori S, Matsutera R, Kohama Y, Sasaki T. Switching types of drug-eluting stents does not prevent repeated in-stent restenosis in patients with coronary drug-eluting stent restenosis. Coron Artery Dis Dec;25(8): doi: Matsutera R, Kume K, Yamato M, Noda Y, Fujita S, Iwata K, Yasuoka Y, Kaneko M, Sasaki T. BioGlue coronary embolism during open heart surgery. Journal of Cardiology Cases Aug ; Vol 10 Issue 2 pages Ohara N, Tateshima S, Sayre J, Duckwiler G, Jahan R, Gonzalez N, Vespa P, Ali L, Saver J, Liebeskind D. Emergency carotid artery stenting in acute ischemic stroke. J Neurointerv Surg Jul;6 Suppl 1:A

様式2

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