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2 目次 まとめ Org の薬物動態 Org がロクロニウムの薬物動態特性に及ぼす影響 Org の薬物動態 分析法 ラット血漿中の Org を測定する液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法のバリデーション NL , ラット EDTA 血漿及び血清中の Org を測定する LC-MS 法のバリデーション INT , ラット EDTA 血漿中の Org を測定する LC-MS 法のバリデーション INT , ウサギ血漿中の Org を測定する液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法のバリデーション NL , イヌ血漿中の Org を測定する液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法のバリデーション NL , イヌ EDTA 血漿中の Org を測定する LC-MS 法のバリデーション INT , イヌ血漿中のロクロニウムの濃度を測定する液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法のバリデーション (Org によるロクロニウム濃度測定への干渉の評価を含む ) NL , INT , ネコ血漿中の Org 及びロクロニウムを測定する液体クロマトグラフィー -タンデム質量分析法のバリデーション NL ,

3 吸収 Wistar ラットにおける Org 及び Org 単回静脈内投与時の薬物動態 INT , Wistar ラットにおける単回静脈内投与時の薬物動態 ([ 14 C]-Org の薬物動態並びに Org の存在下又は非存在下における [ 3 H]-ロクロニウムの薬物動態 ) NL , Wistar ラットにおける Org 単回及び 2 週間反復静脈内投与時の薬物動態 NL , Wistar ラットにおける Org 単回及び 4 週間反復静脈内投与時の薬物動態 NL , 幼若 Wistar ラットにおける Org 単回及び 2 週間反復皮下投与時の薬物動態 INT , 幼若 Wistar ラットにおける Org 単回皮下投与及び反復投与 (2 週間皮下 +2 週間静脈内 ) 時の薬物動態 INT , 麻酔下モルモットにおける静脈内持続投与時のロクロニウムの薬物動態試験 INT , 妊娠 NZW ウサギにおける Org 反復静脈内投与時の薬物動態 NL , ビーグル犬における Org 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 NL , ビーグル犬における Org 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 INT , ビーグル犬における [ 14 C]-Org 単回静脈内投与時の薬物動態及び [ 3 H]-ロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態に対する Org の影響 NL , ビーグル犬における Org 単回及び 2 週間反復静脈内投与後の薬物動態 NL , ビーグル犬における Org 単回及び 3 週間反復静脈内投与後の薬物動態 INT , ネコにおける Org 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 NL ,

4 分布 In vitro 分布試験 ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒトにおける in vitro での血漿タンパク結合 NL , ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒトにおける in vitro での赤血球結合 NL , In vitro におけるラット肝細胞への取り込み NL , In vivo 分布試験 ラット組織分布 NL , 雄性ラットを用いた骨への分布に関する試験 INT , ラットにおける単回及び反復投与後の骨及び歯への分布に関する試験 INT , ラット骨のミクロオートラジオグラフィー試験 INT , ラット単回投与胎盤通過試験 NL , ラット単回及び反復投与胎盤通過及び胎児組織分布試験 INT , ラット胎児全身オートラジオグラフィー試験 INT , ウサギ単回投与胎盤通過試験 NL , 代謝 ( 動物種間の比較 ) In vitro におけるラット肝細胞への取り込みと代謝 NL , In vivo における Wistar ラットの代謝分析及び代謝物同定 NL , ラット羊水中の代謝分析 INT , In vivo におけるビーグル犬の代謝分析及び代謝物同定 NL , 排泄 雄性及び雌性 Wistar ラットに [ 14 C]-Org 又は [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与, あるいは [ 3 H]-ロクロニウム投与後に Org を投与したときの排泄試験 NL , 雄性及び雌性ビーグル犬に [ 14 C]-Org を単独投与又は [ 3 H]-ロクロニウムを単独投与, あるいは [ 3 H]-ロクロニウム投与後に Org を投与したときの排泄試験 NL , ラット乳汁排泄試験 NL ,

5 薬物動態学的薬物相互作用 代謝による薬物間相互作用 包接による薬物間相互作用 その他の薬物動態試験 考察及び結論 図表 参考文献一覧

6 略号一覧 略語英語日本語 AUC area under the plasma concentration-time curve 血漿中濃度 - 時間曲線下面積 AUC inf AUC t-t' AUC last area under the plasma concentration-time curve from 0 to infinity area under the plasma concentration-time curve during specific post-dose time from t to t' (time range in h or min) area under the plasma concentration-time curve from zero to the last measurable concentration CL clearance クリアランス C max highest concentration observed in plasma 最高血漿中濃度 CYP Cytochrome P450 チトクローム P450 C 0 extrapolated initial drug concentration upon intravenous dosing eq equivalents of radioactivity 放射能の薬物等量 GFR glomerular filtration rate 糸球体濾過速度 投与後無限大時間までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 投与後の時間 t から t' までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 (t,t' は分又は時間 ) 投与から定量可能な最終測定時点までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物初濃度 GLP Good Laboratory Practice 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基 準 HP-β-CD hydroxypropyl-β-cyclodextrin ヒドロキシプロピル -β- シクロデキストリン HPLC High-performance liquid chromatography 高速液体クロマトグラフィー HPLC-MS High-performance liquid chromatography assay with mass spectrometric detection 高速液体クロマトグラフィー質量分析 λ Z terminal elimination constant 終末相における消失速度定数 Me-β-CD methyl-β-cd メチル -β- シクロデキストリン MRM multiple reaction monitoring 多チャンネル選択反応モニタリング M1,M2,M3,... Radiometabolite 1, 2, 3 etc. 代謝分析で分離された放射性成分 NAUC 0-t NC 0 dose-normalized area under the plasma concentration-time curve (time range in h or min) dose-normalized extrapolated initial drug concentration upon intravenous dosing 投与量で規格化した, 投与から投与後の時間 t までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 (t は分又は時間 ) 投与量で規格化した, 外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物初濃度 NZW New Zealand White (rabbit strain) ニュージーランド白色 ( ウサギ系統 ) TK toxicokinetics トキシコキネティクス t max time at which maximal concentration is reached 最高血漿中濃度到達時間 t 1/2 half life 半減期 V volume of distribution (not specified) 分布容積 V SS volume of distribution estimated at steady state 定常状態分布容積 6

7 定義一覧 Org Org の類縁物質である γ-シクロデキストリン誘導体 類縁物質 E* Org の類縁物質 ( 体 ) である γ-シクロデキストリン誘導体 類縁物質 I* Org の類縁物質 ( 体 ) である γ-シクロデキストリン誘導体 Org HPLC-MS 分析時に用いた内標準物質 Org 9273 HPLC-MS 分析時に用いた内標準物質 7

8 まとめ Org はロクロニウムとベクロニウムによる筋弛緩作用に拮抗する選択的筋弛緩薬結合薬である. 実施した薬物動態試験を表 に示す. Org に関する非臨床薬物動態データの大半は, 種々の動物種を用いた毒性又は薬理試験と併せて収集した. これら非臨床安全性試験で使用した主なげっ歯類及び非げっ歯類は, ラット及びイヌであった. また, 胚 胎児発生に関する生殖発生毒性試験はラット及びウサギを用いて実施したため, トキシコキネティクス ( 以下,TK という ), 血漿タンパク結合及び赤血球結合, 並びに胎盤通過もこれらの動物種を用いて検討した. ロクロニウム存在下及び非存在下での単回投与毒性試験にはネコを使用したため, この試験では Org 及びロクロニウムの曝露データを測定した. モルモットにおける薬理試験を補足するため, 本動物種における血漿中ロクロニウム濃度も測定した Org の薬物動態 吸収 Org の血漿中濃度を, ラット, モルモット, ウサギ, イヌ及びネコで検討した. 個々の試験では, わずかな性差や曝露量の用量比例性からの微小なずれが認められている場合もあるが, これらは特定の動物種について一貫して観察されるものではなく, いずれの動物種の試験でも, 全身曝露量は用量の増加に伴い直線的に増加し, 雌雄動物間で大きな性差はないと考えられた. 雌雄ラットに 120,500 又は 2000 mg/kg の Org を単回静脈内投与したとき, 血漿中半減期は 0.3~0.7 時間と短かった. また, 雌雄ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したとき, 血漿中放射能のクリアランスはラットの肝及び腎血漿流量より低く, 糸球体濾過速度 (GFR) より高かった. 雌雄ラットに 1.84,7.36 又は 27.6 mg/kg の Org を 2 週間反復静脈内投与したとき, 並びに,30,120 又は 500 mg/kg で 4 週間反復静脈内投与したとき, 単回投与と反復投与の間で曝露量に大きな差は認められなかった. 雌雄幼若ラットに 30,120 又は 500 mg/kg の Org を 2 週間反復皮下投与したとき, 単回投与時に比べて全身曝露量が小さくなったが, これは幼若ラットの日齢上昇に伴う GFR 増加により薬物消失が速くなったためと考えられた. 雌雄幼若ラットに 30,120 又は 500 mg/kg の Org を 2 週間反復皮下投与し, 引き続き 2 週間反復静脈内投与したとき, 血漿中半減期は 0.3~0.4 時間であった. 妊娠ウサギ ( 妊娠 14 日 ) に 20,65,200 mg/kg の Org を 9 日間反復静脈内投与したとき, Org の血漿中半減期, クリアランス及び分布容積は各投与量でほぼ同程度であった. 雌雄イヌに,2.76 mg/kg(0.92 mg/kg 3 回 ) 又は 27.6 mg/kg(9.2 mg/kg 3 回 ) の Org を 30 分間隔で静脈内投与したとき,Org の血漿中半減期は 0.4~0.8 時間であった. 本試験系において,Org 各投与の 2 分前にロクロニウムの前投与 (0.36 mg/kg 3 回, 静脈内投与 ) を行った場合,Org の曝露量は,Org の低用量ではほとんど変化せず, 高用量においてもわずかに減少する傾向がみられたのみであった. 雌雄イヌに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したとき, 放射能の半減期は 8 時間であり, 血漿中放射能の全身クリアランスはイヌの肝及び腎血漿流量より低かったが GFR とほぼ同程度であり, 定常状態分布容積は総体液量と同 8

9 程度であった. 雌雄イヌに Org を 1.84,7.36 又は 27.6 mg/kg で 2 週間反復静脈内投与したとき, 並びに,25,80 又は 250 mg/kg で 3 週間反復静脈内投与したとき, 単回投与時と反復投与時で曝露量に差はなかった. 雌雄ネコに,30 分間隔で 0.5 mg/kg 3 回のロクロニウムを静脈内投与し, 各ロクロニウム投与 2 分後に 1 mg/kg 3 回又は 10 mg/kg 3 回の Org を静脈内投与した. このとき, ロクロニウムの前投与は Org の薬物動態に影響しなかった 分布ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト ( いずれも雄性 / 男性 ) の血漿タンパク質及び赤血球に対する結合性を in vitro で検討した.[ 14 C]-Org は 0~125 µm( 約 0~250 µg/ml) の薬物濃度で血漿タンパク質に結合せず,0~250 µm( 約 0~500 µg/ml) の薬物濃度で赤血球に結合しなかった. また, 雄ラットの肝細胞への取り込みを in vitro で検討したところ,[ 14 C]-Org の肝細胞への取り込み量は最大でも 2.4% と低かった. 雌雄白色ラットに,8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したとき, 放射能は体内の広範囲へ急速に分布した. 最も高濃度に分布した組織は大腿骨関節及び大腿骨であり, 次いで腎臓, 膀胱, 前立腺 ( 雄 ) 及び腟 ( 雌 ) であった. また, 血液 - 脳関門の通過はほとんど認められなかった. 雌雄有色ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したとき, 眼における放射能濃度は白色ラットと同程度であった. 雄性ラットに 8.6 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したとき, 投与後 24 時間における組織 1g 中放射能の投与量に対する割合は, 種々の骨で 1.1~1.9%, 切歯で 0.45% であった. また, ミクロオートラジオグラフィーにより肩甲骨及び大腿骨における放射能の局所分布を検討したところ, いずれの骨でも, 放射能は, 皮質骨の骨膜及び骨内膜又はその付近, 並びに骨梁の骨内膜又はその付近に局在し, 骨端軟骨板及びその直近に最近形成された骨梁にはほとんど認められなかった. 雌雄ラットに [ 14 C]-Org を静脈内投与し, 骨及び歯への分布をさらに検討した.30,120 又は 400 mg/kg の単回静脈内投与で, 投与後 24 時間の骨及び歯中の放射能濃度は, 投与量の増加に伴い非直線的に増加した.30 mg/kg/ 日の 28 日間反復静脈内投与 ( 種々測定時点における最終投与時に [ 14 C]-Org を使用 ) では, 骨中放射能濃度は投与 3 日目までほぼ一定で, その後は経時的に減少した. 種々週齢のラットに 30 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したとき, 骨及び歯への Org の結合率 ( 組織あたり ) は, ラットの週齢上昇に伴い低下した. また,30 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与した直後にロクロニウム (Org の約半分のモル量 ) を投与すると, 骨及び臼歯中放射能濃度はロクロニウム非存在下に比べて減少した. 妊娠ラット及びウサギに 20 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与し, 胚 胎児へと移行する放射能を測定した. 胚又は胎児あたりの放射能の投与量に対する割合は, 妊娠 11 日のラットで ~0.0244%, 妊娠 16 日のラットで ~0.0012%, 妊娠 10 日のウサギで ~0.0196%, 妊娠 17 日のウサギで ~0.0003% と低かった. 妊娠ラットに,500 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回,5 日間反復又は 15 日間反復静脈内投与したところ, 胎児中放射能濃度は単回投与時に比べ反復投与時に高く, 反復 5 日間投与で定常状態に達することが示唆された. また,500 mg/kg/ 日の [ 14 C]-Org を 15 日間反復回静脈内投与したときの胎児組織中放射能分布をオートラジオグラ 9

10 フィーにより検討したところ, 放射能は大部分が骨及び排泄器官に局在し, 心臓, 脳又は肺などの重要器官系に放射能の蓄積は認められなかった 代謝雄ラット肝細胞を用いた [ 14 C]-Org の in vitro 取り込み試験において,3 時間の試験時間中に代謝物の生成は認められなかった. 雌雄ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与し, 血漿, 尿及び糞試料の代謝分析を行った. いずれの試料においても, 成分 M6,M7 及び M8 の存在が認められ,M8 が主要成分であった.M8 はクロマトグラフィー上で Org の未変化体と同時に溶出した.M6 及び M7 は, 体の γ-シクロデキストリン類縁物質である類縁物質 E* 及び類縁物質 I* と同時に溶出し, 尿試料を用いてその同定がされている. その他の成分は, 分離度が低く, 極めて微量であった. ラット血漿試料中の M8 の割合は,25 分後に雄で 59% 及び雌で 38% であり,1 時間後にはそれぞれ 83% 及び 80% であった. 血漿試料中の M6 及び M7 の割合は, それぞれ 9~15% 及び 10~25% であった. ラット尿試料中の M8 の割合は, 雄で 53~75%, 雌で 49~80% であり,M6 及び M7 の割合は 5~10% 及び 5~12% であった. ラット糞試料中で,M8 の割合は雄で 50~57%, 雌で 46~56% であり,M6 及び M7 の割合は,9~11% 及び 5~8% であった. 雌雄イヌに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与し, 血漿及び尿試料の代謝分析を行った. いずれの試料においても, 成分 M2,M3 及び M4 の存在が認められ,M4 が主要成分であった.M4 はクロマトグラフィー上で Org の未変化体と同時に溶出した.M2 及び M3 は, 体の γ-シクロデキストリン類縁物質である類縁物質 E* 及び類縁物質 I* と同時に溶出した. その他の成分は分離度が低く極めて微量であった. イヌ血漿試料中の M4 の割合は雄で 56~73%, 雌で 46~77% であり,M2 及び M3 の割合は 4~20% 及び 13~21% であった. イヌ尿試料中の M4 の割合は, 雄で 76~84%, 雌で 86~88% であり,M2 及び M3 の割合は 4~10% 及び 6 ~13% であった. なお, 上記の [ 14 C]-Org 以外に認められたピークは, 投与液中の類縁物質 E* 及び類縁物質 I* の存在, 及び / 又は, 尿及び血漿サンプルの採取後の酸化 / 変化によるものであったことが示唆されている 排泄雌雄ラット及びイヌに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与して放射能の排泄を検討した. ラットでは投与後 168 時間で, 尿中に雄及び雌で 及び 78.86%, 糞中に雄及び雌で 4.22 及び 6.82% の放射能が排泄された. イヌでは投与後 168 時間で, 尿中に雄及び雌で 及び 87.20%, 糞中に雄及び雌で 0.33 及び 0.80% が排泄された. いずれの動物種でも放射能のほとんどが尿中に排泄され, 排泄経路及び排泄率に性差は認められなかった. 授乳雌ラット ( 出産後 9 日 ) に 20 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したところ, 放射能の乳汁中への移行が認められ, 濃度は投与後約 30 分で最大になった. 投与後 30 分以降の血漿 / 乳汁中濃度比はおよそ 1 であった. 10

11 Org がロクロニウムの薬物動態特性に及ぼす影響 吸収 (Org がロクロニウムの吸収に及ぼす影響 ) 雌雄ラットに 2 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, その 5 分後に 8 mg/kg の Org を単回静脈内投与したときの, 放射能の血漿中薬物動態を [ 3 H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.[ 3 H]-ロクロニウム投与後の全身放射能曝露量 (AUC last ) は Org 投与時に顕著に増大し ( 約 50%), 血漿クリアランスは減少した. 雄性モルモットに, ロクロニウムを 12 nmol/kg/min の投与速度で静脈内に持続注入して筋弛緩が 90% となる定常状態を保つようにした. ロクロニウム投与開始の 30 分後から Org を 50 nmol/kg/min の投与速度で静脈内持続注入したところ,Org 投与開始前に対する血漿中ロクロニウム濃度の有意な上昇が認められた. 雌雄イヌに,0.36 mg/kg 3 回のロクロニウムを 30 分間隔で静脈内投与し, 各投与の 2 分後に 2.76 mg/kg(0.92 mg/kg 3 回 ) 又は 27.6 mg/kg(9.2 mg/kg 3 回 ) の Org を静脈内投与した. 高用量 (9.2 mg/kg 3 回 ) の Org を併用したときに, 低用量 (0.92 mg/kg 3 回 ) 併用時と比べて, ロクロニウムの曝露量は増加した. また, 雌雄イヌに 0.36 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, その 10 分後に 8 mg/kg の Org を単回静脈内投与したときの血漿中放射能濃度を,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.Org 併用時では,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時に比べて放射能の曝露量が約 2 倍に増大し, クリアランス及び分布容積がいずれも減少した 分布 (Org がロクロニウムの分布に及ぼす影響 ) [ 3 H]-ロクロニウムのラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト血漿タンパクへの結合は, 共存する Org 濃度の増加に依存して低下した. ロクロニウムと Org のモル濃度比がほぼ 1 となったときに結合率が 0% となったことから,Org 25969/ ロクロニウム包接体も Org と同様に血漿タンパクに結合しないと考えられた. また, ロクロニウムは,Org の存在によらず, 男性ヒト赤血球に結合しなかった. 雌雄ラットに 2 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, ロクロニウム投与の 5 分又は 15 分後に 8 mg/kg の Org を単回静脈内投与した. 放射能の組織分布は,[ 3 H]-ロクロニウム単独静脈内投与時と [ 3 H]-ロクロニウム投与後 5 分又は 15 分に Org を投与したときとで同様のパターンを示した. 妊娠ラットに 0.3 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, その 3 分以内に 2 mg/kg の Org を静脈内投与したときの胚 胎児中放射能を,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時と比較した. 妊娠 10 日では, 放射能濃度の胚 胎児 / 母体血漿比に関し, ロクロニウム単独投与よりも Org との併用時の方が低かったが, 妊娠 16 日ではこの差は認められなかった. 妊娠ウサギに 0.02 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, その 3 分以内に 0.2mg/kg の Org を静脈内投与したときの胚 胎児中放射能を,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時と比較した. 胚 胎児中放射能は, 妊娠 10 日ではロクロニウム単独投与時より Org 併用時でわずかに高かったが, 妊娠 17 日ではこの差は認められなかった. 11

12 代謝 (Org がロクロニウムの代謝に及ぼす影響 ) ロクロニウムはほとんど代謝されないため,Org のロクロニウム代謝に及ぼす影響は検討 しなかった 排泄 (Org がロクロニウムの排泄に及ぼす影響 ) 雌雄ラットに 2 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, その 5 分後に 8 mg/kg の Org を投与したときの放射能排泄を,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時は, 放射能の尿中排泄率 ( 投与量に対する %) が雄及び雌で 及び 9.75% であったが,Org 併用時は雄及び雌で 及び 14.09% と増加した. 一方, 放射能の糞中排泄率については,Org 併用による顕著な影響は認められなかった. 雌雄イヌに 0.36 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単回静脈内投与し, その 10 分後に 8 mg/kg の Org を静脈内投与したときの放射能排泄を,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与時と比較した.[ 3 H]- ロクロニウム単独投与時は, 放射能の尿中排泄率 ( 投与量に対する %) が雄及び雌で 及び 12.89% であったが,Org 併用時は雄及び雌で 及び 32.59% と増加した. また, 放射能の糞中排泄率については, 単独投与時 ( 雄及び雌で 及び 72.20%) に比べ併用時 ( 雄及び雌で 及び 55.47%) で減少した Org の薬物動態雌雄ラットに,Org 25969(Org を % 含有するロット AE) を 120,500 又は 2000 mg/kg (Org として, 又は mg/kg) で単回静脈内投与したところ,Org の血漿中濃度は, 雌雄で同等であった. また,Org と Org とで血漿中薬物濃度推移のパターンは類似していた. 12

13 表 非臨床薬物動態試験の一覧表 動物種 ( 系統 ) 投与量 (mg/kg) a), 動物数 / 群 投与経路, 投与期 間 吸収 ラット (Wistar) 0,120,500,2000 雌雄各 6 ラット (Wistar) 0 + 8*, 2 # + 0, 2 # + 8 ( ロクロニウム+Org 25969) 雌雄各 3 ラット (Wistar) 0,1.84,7.36,27.6 雌雄各 10 ラット (Wistar) 0,30,120,500 雌雄各 10 幼若ラット (Wistar) 幼若ラット (Wistar) モルモット (Dunkin-Hartley) 0,30,120,500 雌雄各 40 0,30,120,500 雌雄各 (nmol/kg/min), (nmol/kg/min), ( ロクロニウム+Org 25969) 雄 6 妊娠ウサギ (NZW) 0,20,65,200 雌 5 麻酔イヌ ( ビーグル ) 麻酔イヌ ( ビーグル ) イヌ ( ビーグル ) イヌ ( ビーグル ) 回, 回, 回 回, 回 回 ( ロクロニウム+Org b) ) 雌雄各 回 回 回 回 18 3 回 回 ( ロクロニウム+Org b) ) 雌雄各 *, 0.36 # + 0, 0.36 # + 8 ( ロクロニウム+Org 25969) 雌雄各 3 0,1.84,7.36,27.6 雌雄各 4 静脈内, 単回 静脈内, 単回 主要評価項目 AUC, C 0, t 1/2, V, CL (Org 及び Org 48302) AUC, C 0, t 1/2 ( 初期相及び終末相 ), λ Z,V, CL 報告書番号 INT NL 静脈内,2 週間 AUC, C 0, t 1/2, V, CL NL 静脈内,4 週間 AUC, C 0, t 1/2, V, CL NL 皮下,2 週間 AUC, C max, t 1/2, t max INT 皮下,2 週間 静脈内,2 週間 静脈内持続注入 AUC, C max or C 0, t 1/2, V, CL Org 投与開始後 0, 10, 20, 30 分の血漿中濃度 INT INT 静脈内,9 日間 AUC, C 0, t 1/2, V, CL NL 静脈内, 単回 (30 分間隔 3 分割投与 ) 静脈内, 単回 (30 分間隔 3 分割投与 ) 静脈内, 単回 AUC, C 0, t 1/2 の概算値 (Org 及びロクロニウム ) AUC, C max, t 1/2 の概算値 (Org 及びロクロニウム ) AUC, C 0, t 1/2 ( 初期相及び終末相 ),λ Z,V, CL NL INT NL 静脈内,2 週間 AUC, C 0, t 1/2, V, CL NL イヌ ( ビーグル ) 0,25,80,250 雌雄各 3 静脈内,3 週間 AUC, C 0, t 1/2, V, CL INT AUC: 血漿中濃度 - 時間曲線下面積,C 0 : 外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物初濃度,t 1/2 : 半減期,V: 分布容積, CL: クリアランス,λ Z : 終末相における消失速度定数,NZW:New Zealand White a) 特記しない限り, 投与量は活性成分の量として示した.* 及び # は放射標識体の投与を示す (*:[ 14 C]-Org 25969,#:[ 3 H]- ロクロニウム ). b) ロクロニウムの投与後 2 分に Org を投与した. 13

14 表 非臨床薬物動態試験の一覧表 ( 続き ) 動物種 ( 系統 ) 投与量 (mg/kg) a), 動物数 / 群 投与経路, 投与期 間 吸収 ( 続き ) 麻酔ネコ 回, 回, 回 回 回 回 ( ロクロニウム+Org b) ) 雌雄各 4 分布 (in vitro) ラット, ウサギ, ネコ, イヌ, ヒト血漿タンパク ラット, ウサギ, ネコ, イヌ, ヒト赤血球 0 μm + 0~125* μm, 0~11.1 # μm + 0 μm, 0.24 # ~11.1 # μm + 0~12.5 μm ( ロクロニウム +Org 25969) 0 μm + 0~250* μm 3.1 # μm + 0 μm 3.1 # μm + 0.8~12.4 μm ( ロクロニウム +Org 25969) 静脈内, 単回 (30 分間隔 3 分割投与 ) In vitro,3 時間インキュベーション In vitro,5 及び 60 分間インキュベーション ラット肝細胞 6*,100* μm In vitro,3 時間イ ンキュベーショ ン (4 及び 37 ) 分布 (in vivo) ラット (Wistar 及び Lister Hooded) ラット (Wistar) 8.6* 雄 3 幼若, 若齢成熟又は高齢ラット (Wistar) ラット (Wistar) 8.6* 雄 3 妊娠ラット (Sprague Dawley) 妊娠ラット (Sprague Dawley) ラット胎児 (Sprague Dawley) 0 + 8* (A), 2 # + 0 (B), 2 # + 8 (C, D) ( ロクロニウム+Org c) ) 雌雄各 3 30*,120*,400* 雌雄各 *, 0.3 # # + 2 ( ロクロニウム+Org 25969) 雌 3~4 30*,500* 雌 3 500* 雌 6 静脈内, 単回 静脈内, 単回及び反復 静脈内, 単回及び反復 静脈内, 単回 静脈内, 単回 ( 妊娠 10,11,16 日目 ) 静脈内,1,5,15 日間 静脈内,15 日間 ( 妊娠 6~20 日目 ) 主要評価項目 AUC, C 0 の概算値 血漿タンパク結合率 赤血球結合率 肝細胞取り込み, 細胞生存能, 代謝安定性 / 代謝物プロファイル Org の組織分布 (A), ロクロニウムの組織分布 (B, C, D) 骨, 歯, 軟骨等への分布 骨, 歯への分布 大腿骨, 肩甲骨のミクロオートラジオグラフィー ( 投与後 1, 21,84 日 ) 胎盤通過 (Org 又はロクロニウム ) 胎盤通過, 胎児組織分布 胎児全身オートラジオグラフィー 報告書番号 NL NL NL NL NL INT INT INT NL INT INT AUC: 血漿中濃度 - 時間曲線下面積,C 0 : 外挿により求めた静脈内投与時の血漿中薬物初濃度,t 1/2 : 半減期,V: 分布容積, CL: クリアランス,λ Z : 終末相における消失速度定数 a) 特記しない限り, 投与量は活性成分の量として示した.* 及び # は放射標識体の投与を示す (*:[ 14 C]-Org 25969,#:[ 3 H]- ロクロニウム ). b) ロクロニウムの投与後 2 分に Org を投与した. c) ロクロニウムの投与後 5 分 (C) 又は 15 分後 (D) に Org を投与した. 14

15 表 非臨床薬物動態試験の一覧表 ( 続き ) 動物種 ( 系統 ) 投与量 (mg/kg) a), 動物数 / 群 投与経路, 投与期 間 分布 (in vivo)( 続き ) ウサギ (NZW) * 0.02 # # ( ロクロニウム+Org 25969) 雌 3~5 代謝 静脈内, 単回 ラット肝細胞 6*,100* μm In vitro,3 時間イ ンキュベーショ ン (4 及び 37 ) 主要評価項目 胎盤通過 (Org 又はロクロニウム ) 肝細胞取り込み, 細胞生存能, 代謝安定性 / 代謝物プロファイル ラット (Wistar) 8* 静脈内, 単回 代謝物プロファイル 及び代謝物の同定 ラット (Sprague Dawley) イヌ ( ビーグル ) 排泄 ラット (Wistar) 500* 雌 3~4( プール試料 ) 8* 雌雄各 3 ラット (Wistar) 8.6* 雄 3 イヌ ( ビーグル ) 授乳ラット (Sprague Dawley) 0 + 8* (A) 2 # + 0 (B) 2 # + 8 (C) b) ( ロクロニウム +Org 25969) 雌雄各 * (A) 0.36 # + 0 (B) 0.36 # + 8 (C) c) ( ロクロニウム +Org 25969) 雌雄各 3 静脈内,1,5,15 日間 静脈内, 単回 静脈内, 単回 静脈内, 単回及び反復 静脈内, 単回 20* 静脈内, 単回 ( 出産後 9 日目 ) 羊水中の代謝物プロファイル 代謝物プロファイル及び代謝物の同定 Org 25969(A) 及びロクロニウム (B, C) の排泄 尿中排泄 Org 25969(A) 及びロクロニウム (B, C) の排泄 乳汁中排泄 報告書番号 NL NL NL INT NL NL INT NL NL NZW:New Zealand White a) 特記しない限り, 投与量は活性成分の量として示した.* 及び # は放射標識体の投与を示す (*:[ 14 C]-Org 25969,#:[ 3 H]- ロクロニウム ). b) ロクロニウムの投与後 5 分に Org を投与した. c) ロクロニウムの投与後 10 分に Org を投与した 15

16 分析法 Org 及び / 又は Org の濃度はバリデートされた分析法で測定した. Org 単独の測定には, 高速液体クロマトグラフィー質量分析 ( 以下,HPLC-MS という ) 法を用いた. 本法が適用された生体試料 ( 試験 ) は以下のとおりである : ラット血漿 NL , INT , , ウサギ血漿 NL , , イヌ血漿 NL , , INT , 及びネコ血漿 NL , これらの測定法のうち, ネコ血漿試料については, ロクロニウムの測定法も含まれる. さらに, ラット試料中の Org の測定もバリデートされた分析法 INT , を使用した. また, イヌ単回投与試験では血漿中のロクロニウムも測定したが, これに関してもバリデートされた分析法 NL , INT , を使用した. モルモットを用いた薬理試験では, 血漿中のロクロニウムを測定するために HPLC-MS 法 (GLP の下ではバリデートされていない ) を使用した INT , さらに, 非臨床試験の動物種及びヒトの種々の生体試料において, オフライン分取式又はフロースルー式の放射能検出による高速液体クロマトグラフィー ( 以下,HPLC という ) システム又は, 液体シンチレーションカウンターを用いて [ 14 C]-Org 及び類縁化合物を測定した NL , , INT , , NL , , NL , , NL , , INT , , INT , , NL , , INT , , INT , , NL , , NL , , 試験, なお, 放射能の定量下限は, バックグラウンド値 (40~50dpm) の 2 倍とした (2 Bq 相当 ). 16

17 表 バリデートされた生体試料分析法の概要 動物種測定法報告書番号分析物質 ラット 定量下限 (ng/ml) 当該測定法を用いた薬物動態試験 HPLC-MS NL Org 週間静脈内投与試験 (NL ) 7130 a) 4 週間静脈内投与試験 (NL ) HPLC-MS INT Org 単回静脈内投与試験 (INT ) 幼若動物 2 週間皮下投与試験 (INT ) 幼若動物 4 週間静脈内 / 皮下投与試験 (INT ) HPLC-MS INT Org 単回静脈内投与試験 (INT ) モルモット HPLC-MS INT ロクロニウム 25 静脈内持続注入試験 (INT ) ウサギ HPLC-MS NL Org 生殖発生毒性試験 (NL ) イヌ HPLC-MS NL Org b) 単回静脈内投与試験 (NL ) 2 週間静脈内投与試験 (NL ) HPLC-MS INT Org 週間静脈内投与試験 (INT ) 単回静脈内投与試験 (INT ) HPLC-MS NL ロクロニウム 9.56 単回静脈内投与試験 (NL ) HPLC-MS INT ロクロニウム 100 単回静脈内投与試験 (INT ) ネコ HPLC-MS NL Org ロクロニウム a) 4 週間静脈内投与試験に適合させた時の値 b) 2 週間静脈内投与試験に適合させた時の値 単回静脈内投与試験 (NL ) 17

18 ラット血漿中の Org を測定する HPLC-MS 法のバリデーション NL , HPLC-MS 法を用いて, ラット血漿中の Org を測定する分析法を開発し, バリデートした. トリフルオロ酢酸 10 µl を用いた除タンパク及びその後の Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりラット血漿 0.1 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, 液体クロマトグラフィー -ターボイオンスプレー質量分析法により定量した. ラット血漿中で Org は 183~36640 ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は, (1/ 濃度 ) 二乗回帰法により算出した. ラット 4 週間静脈内投与試験 NL , では, 本分析法を 7130~ ng/ml のダイナミックレンジに適合させた ラット EDTA 血漿及び血清中の Org を測定する HPLC-MS 法のバリデーション INT , HPLC-MS 法を用いて, ラット血漿及び血清中の Org を測定する分析法を開発し, バリデートした. 固相抽出法 (HAX カートリッジ使用 ) によりラット血漿又は血清 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, その後多チャンネル選択反応モニタリング (multiple reaction monitoring; 以下,MRM という ) による HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオンスプレーを用いて行った. ラット血漿及び血清中で Org は 1000~ ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は重み係数 1/Y 2 の加重線形回帰法により算出した ラット EDTA 血漿中の Org を測定する HPLC-MS 法のバリデーション INT , HPLC-MS 法を用いて, ラット血漿中の Org を測定する分析法を開発し, バリデートした. 固相抽出法 (HAX カートリッジ使用 ) によりラット血漿 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, その後 MRM による HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオンスプレーを用いて行った. ラット血漿中で Org は 200~20000 ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は重み係数 1/Y 2 の加重線形回帰法により算出した. 18

19 ウサギ血漿中の Org を測定する HPLC-MS 法のバリデーション NL , HPLC-MS 法を用いて, ウサギ血漿中の Org を測定する分析法を開発し, バリデートした. Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりウサギ血漿 0.1 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, 液体クロマトグラフィー - 陰イオンスプレー質量分析法により定量した. ウサギ血漿中で Org は 2000~ ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は (1/ 濃度 ) 二乗回帰法により算出した イヌ血漿中の Org を測定する HPLC-MS 法のバリデーション NL , HPLC-MS 法を用いて, イヌ血漿中の Org を測定する分析法を開発し, バリデートした. トリフルオロ酢酸 100 µl を用いた除タンパク及びその後の Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりイヌ血漿 1 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, 液体クロマトグラフィー -ターボイオン( 陰 ) スプレー質量分析法により定量した. イヌ血漿中で Org は 91.6~9160 ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は (1/ 濃度 ) 二乗回帰法により算出した. イヌ 2 週間反復投与試験 NL , では, 血漿 0.5 ml に対してトリフルオロ酢酸 50 µl を用いた除タンパク及びその後の固相抽出を前処理とし, その結果, ダイナミックレンジは 183~36640 ng/ml であった イヌ EDTA 血漿中の Org を測定する HPLC-MS 法のバリデーション INT , HPLC-MS 法を用いて, イヌ血漿中の Org を測定する分析法を開発し, バリデートした. 固相抽出法 (HAX カートリッジ使用 ) によりイヌ血漿 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, その後 MRM による HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオンスプレーを用いて行った. イヌ血漿中で Org は 1000~ ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は重み係数 1/Y 2 の加重線形回帰法により算出した. ロクロニウム存在下では, ロクロニウム濃度が血漿 1 ml あたり 500 µg になるまで測定への影響は認められなかった. 19

20 イヌ血漿中のロクロニウムの濃度を測定する HPLC-MS 法のバリデーション (Org によるロクロニウム濃度測定への干渉の評価を含む ) NL , INT , HPLC-MS 法を用いて, イヌ血漿中のロクロニウムを測定する分析法を開発し, バリデートした NL , Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりイヌ血漿 0.5 ml からロクロニウム及びその内標準物質 (Org 9273) を抽出し, 液体クロマトグラフィー -ターボイオン ( 陽 ) スプレー質量分析法により定量した. イヌ血漿中でロクロニウムは 9.56~956 ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は加重 (1/ 濃度 ) 二乗回帰法により算出した. また, イヌ EDTA 血漿中のロクロニウム濃度に関しては, 除タンパク試料の MRM による HPLC-MS 分析による別の測定法も開発しバリデートした INT , 本測定法は, イヌ単回投与毒性 /TK 試験 INT , において, より広い定量範囲をカバーするために用いられた. タンパク沈殿法により, イヌ EDTA 血漿からロクロニウム及びその内標準物質 (Org 9273) を抽出し,HPLC-MS 分析を,MRM モードのターボイオンスプレーを用いて行った. イヌ血漿中でロクロニウムは 100 ng/ml~10 µg/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. 検量線は二次回帰法 (1/Y 2 ) により算出した. また, いずれの分析法でも,Org はロクロニウムの濃度測定に干渉しなかった ネコ血漿中の Org 及びロクロニウムを測定する HPLC-MS 法のバリデーション NL , HPLC-MS 法を用いて, ネコ血漿中の Org 及びロクロニウムを測定する分析法を開発し, バリデートした. Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりネコ血漿 0.1 ml から Org 及びその内標準物質 (Org 26265) を単離し, 液体クロマトグラフィー -ターボイオン( 陰 ) スプレー質量分析法により定量した. ネコ血漿中で Org は 410~82000 ng/ml のダイナミックレンジで選択的に測定可能であった. Nexus Abselut カートリッジを用いた固相抽出法によりネコ血漿 0.1 ml からロクロニウム及びその内標準物質 (Org 9273) を単離し, 液体クロマトグラフィー -ターボイオン( 陽 ) スプレー質量分析法より定量した.19.1~3824 ng/ml の濃度範囲にわたる検量線を用いて血漿中のロクロニウム濃度を測定した. 検量線は加重 (1/ 濃度 2 ) 二乗回帰法により算出した. 分析条件下で Org はロクロニウムの濃度測定に干渉せず, ロクロニウムも Org の濃度測定に干渉しなかった. 20

21 吸収 Org を静脈内投与したときの薬物動態データは, ラット, 妊娠ウサギ, イヌ, ネコを用いた毒性試験と併せて収集した ( 表 を参照 ). さらに, モルモットを用いて薬物動態試験を実施し, 本動物種における薬理試験を補足した.Org の薬物動態は単回投与後に検討され, ほとんどの場合は反復投与後にも検討されている. 一般的に薬物動態を検討した用量域は広く, 臨床用量域を超えている.TK 試験では, ラット, ウサギ及びネコについては時点間で異なる個体から試料を採取して毒性試験の推定曝露量を算出した. イヌについては, 個々の動物につき連続採血して薬物濃度推移曲線を描出した. 幼若ラットを用いた試験では, 生後 1~3 週齢のラットで単回及び反復皮下投与時の動態を評価した. さらに, 生後 7 日から 2 週間の皮下投与に続き 2 週間の静脈内投与を行った 5 週齢のラットを用いて, 反復静脈内投与時の薬物動態が検討されている. 非臨床動物種における薬物濃度推移測定では,1 時点あたりの試料数は 1~4( 幼若動物は n = 2~3) とし,7~10 時点で測定した. これにより信頼性のある曝露量が推定できるものと考えられる. Org 及び類縁物質である Org の動態を比較するため,Org を %(Org の活性成分に対して ) 含有する Org ロット AE を用いて, ラットに単回投与したときの両化合物の薬物動態を比較した INT , ラット 4 週間反復投与試験 NL , 及びイヌ 4 週間反復投与試験 NL , においても TK 評価を行ったが, これらの試験では, 生体試料分析に関して GLP に準拠していない部分があった.Org と Org の薬物動態比較をこのラット 4 週間反復投与試験で実施していたため, 別途 GLP 下でラット単回投与 TK 試験 INT , を実施し両化合物の薬物動態を比較検討した. また, 前記のイヌ 4 週間反復投与毒性試験 NL , に関しては, 別途イヌ 3 週間 TK 試験 INT , を実施し, 本動物種における GLP に準拠した曝露データを入手した. イヌ NL , INT , 及びネコ NL , の単回投与試験において, ロクロニウムの前投与なし又は前投与後の Org の薬物動態が検討されている. これにより Org がロクロニウムの血漿中薬物動態全体に及ぼす影響及びロクロニウムが Org の血漿中薬物動態全体に及ぼす影響を検討することができた. さらに, 麻酔ネコ試験 NL , , 麻酔イヌ試験 NL , 及び[ 3 H]-ロクロニウムを用いたイヌ試験 NL , において,Org がロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響を検討した. 21

22 全体として,Org の薬物動態の特徴は, 静脈内投与後迅速に分布し, 分布容積が小さく主として細胞外液中に分布すると考えられることである. いずれの動物種の試験でも, 全身曝露量 (AUC 及び C 0 又は C max ) は用量の増加に伴い直線的に増加し i, 雌雄動物間で大きな性差は認められなかった ( 表 及び図 ). 単回投与後と反復投与後では, 曝露量はほぼ同等であった. クリアランスは迅速であったが, 放射能の終末相半減期は HPLC-MS 法で定量した未変化体 (Org 25969) の動態から得られた値に比べてはるかに長かった. これは HPLC-MS 法と放射能測定の定量下限の差によるものであると考えられる. あるいは, この長い終末相半減期のテーリングは深いコンパートメントからの緩徐な消失を示している可能性もある. クリアランスに関する種間比較 ( 表 ) から, 排泄速度は概ねアロメトリックモデルに従い, 腎消失速度は糸球体濾過速度 ( 以下,GFR という ) とほぼ同じであった. 動物種 表 ラット, ウサギ, イヌ及びヒトにおける Org の平均薬物動態パラメータの比較 ラット (NL ) ウサギ (NL ) イヌ (NL ) 投与量 30 mg/kg 20 mg/kg 25 mg/kg 4 mg/kg 性別雄雌雄雌雄雌男性女性 AUC (µg h/ml) 48.7 a) NAUC (µg h/ml)/(mg/kg) 1.62 a) C 0 (µg/ml) 240 a) b) NC 0 (µg/ml)/(mg/kg) 7.99 a) b) t 1/2 (h) CL (L/h/kg) V (L/kg) 動物における投与量は, ヒト推奨臨床用量 (4 mg/kg) に対する同等用量 ( 体表面積に基づきアロメトリックスケーリング法により補正した投与量 ) に近い値である. -: 該当せず a): 単回投与後のデータが過大評価と考えられたため, 反復投与後のデータを示した. b): ゼロ時間への外挿による C 0 値算出も試みたが, 初期相にあたる時間中に十分な測定時点が得られず, 算出された C 0 値が投与後 0.08 時間における血漿中濃度 (C 0.08h ) より低値であったため,C 0.08h を記載した. ヒト 図 (AUC) 及び図 (C o 又は C max ) に, 非臨床動物種の代表的な毒性試験から得られた推定曝露量を示し, ヒトの曝露データ と比較した. 主要な毒性及び TK 試験における曝露パラメータの概略を表 に示す. 毒性試験において実験動物で到達した曝露量は, 推奨用量 2,4,16 mg/kg での標準的なヒトの曝露量より著しく高かった. 実験動物における体重標準化クリアランスがヒトに比べて高いにもかかわらず, このような結果であった. i 個々の試験では, わずかな性差や曝露量の用量比例性からの微小なずれ ( 用量に比例した値よりもわずかに高い又は低い ) が認められている場合もある. しかしながら, これらは特定の動物種について一貫して観察されるものではなかった. 22

23 10000 AUC 1000 AUC(µg h/ml) (µg h ml -1 ) 投与量 Dose (mg/kg) (mg kg -1 ) rat 雄ラット 4 wk M 4 週間投与試験 rat 雌ラット 4 wk F 4 週間投与試験 rat 雄ラット SD M 単回投与試験 rat 雌ラット SD F 単回投与試験 dog 雄イヌ 3 wk M 3 週間投与試験 dog 雌イヌ 3 wk F 3 週間投与試験 rabbit 妊娠ウサギ MD F 反復投与試験 juv 幼若雄ラット rat 4 wk M 4 週間投与試験 juv 幼若雌ラット rat 4 wk F 4 週間投与試験 Average ヒト平均 human AUC inf AUCinf (2mg/kg) at 2 mg/kg Average ヒト平均 human AUC inf AUCinf (4mg/kg) at 4 mg/kg Average ヒト平均 human AUC inf AUCinf (16 mg/kg) at 16 mg/kg 図 非臨床動物種における単回投与後の AUC と投与量の関係, 並びにヒトとの比較 妊娠ウサギは反復投与後の値を示し, それ以外は単回投与 ( 反復投与における初回投与後 ) の値を示した. 成熟ラットに関しては AUC 0-3h を, それ以外は AUC inf を示した C 0 or C max C C 0 or Cmax (µg ml- ) 0 又は C max (µg/ml) 投与量 dose (mg/kg) (mg kg -1) rat 雄ラット 4 wk M 4 週間投与試験 rat 雌ラット 4 wk F 4 週間投与試験 rat 雄ラット SD M 単回投与試験 rat 雌ラット SD F 単回投与試験 dog 雄イヌ 3 wk 3 M 週間投与試験 dog 雌イヌ 3 wk 3 F 週間投与試験 rabbit 妊娠ウサギ MD F 反復投与試験 juv 幼若雄ラット rat 4 wk M 4 週間投与試験 juv 幼若雌ラット rat 4 wk F 4 週間投与試験 Average ヒト平均 human C 0 (2mg/kg) C0 at 2 mg/kg Average ヒト平均 human C 0 (4mg/kg) C0 at 4 mg/kg Average ヒト平均 human C 0 (16 C0 mg/kg) at 16 mg/kg 図 非臨床動物種における単回投与後の C 0 又は C max と投与量の関係, 並びにヒトとの比較 妊娠ウサギに関しては, 妊娠 14 日前後 (9 日間反復投与後 ) における投与後 0.08 時間における値 (C 0.08h ) を示した. 幼若ラットに関しては, 反復投与後の C 0 を示した. 23

24 ラット 表 主要な薬物動態試験 (TK 試験を含む ) における Org の全身曝露パラメータの概略 動物種 ( 試験 ), 書誌名 投与量 AUC (μg h/ml) C 0 又は C 0.08h (μg/ml) (mg/kg) 雄 ( 男性 ) 雌 ( 女性 ) 雄 ( 男性 ) 雌 ( 女性 ) ( 単回静脈内投与試験 ) INT ラット * * 145 (4 週間静脈内投与試験 ) * NL * * 幼若ラット (2 週間皮下 +2 週間静脈内投与試験 ) INT 妊娠ウサギ (9 日間反復静脈内投与試験 ) NL イヌ (3 週間静脈内投与試験 ) INT ヒト (2.7.2) 可能な限り単回投与後 ( 初回投与時 ) のデータを記載した. -: 該当せず *: 単回投与後のデータが過大評価と考えられたため, 反復投与後のデータを示した. 妊娠ウサギ (AUC 及び C 0 ) 及び幼若ラット (C 0 ) については, 反復投与後のデータを示した. ラット 4 週間静脈内投与試験では AUC 0-3 h を, その他は AUC inf を示した. 妊娠ウサギに関しては投与後 0.08 時間における濃度 (C 0.08h ) を示し, その他は C 0 を示した. 24

25 Wistar ラットにおける Org 及び Org 単回静脈内投与時の薬物動態 INT , 雄性及び雌性 Wistar ラットに,Org 25969(Org を % 含有するロット AE) を 120,500, 2000 mg/kg で単回静脈内投与した.Org 及び類縁物質である Org の薬物動態パラメータを評価し, 両物質の薬物動態特性を比較した.Org 及び Org の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を下表 ( 表 及び表 ) 及び図 に示す. 表 ラットに Org を 120,500 及び 2000 mg/kg(org を, 及び mg/kg) で単回静脈内投与したときの Org の平均薬物動態パラメータ 投与量薬物動態パラメータ性 Org 25969:120 mg/kg Org 25969:500 mg/kg Org 25969:2000 mg/kg (Org 25969) 別 (Org 48302: mg/kg) (Org 48302: mg/kg) (Org 48302: mg/kg) AUC inf (μg h/ml) 雄 雌 C 0 (μg/ml) 雄 雌 t 1/2 (h) 雄 雌 CL (L/h/kg) 雄 雌 V (L/kg) 雄 雌 n=2:1 群雌雄各 6 匹のラットに投与し, 各測定時点で 2 匹から採血した. 表 ラットに Org を 120,500 及び 2000 mg/kg(org を, 及び mg/kg) で単回静脈内投与したときの Org の平均薬物動態パラメータ 投与量 薬物動態パラメータ性別 Org 48302: mg/kg Org 48302: mg/kg Org 48302: mg/kg (Org 48302) (Org 25969:120 mg/kg) (Org 25969:500 mg/kg) (Org 25969:2000 mg/kg) AUC inf (μg h/ml) 雄 雌 C 0 (μg/ml) 雄 雌 t 1/2 (h) 雄 雌 CL (L/h/kg) 雄 雌 V (L/kg) 雄 雌 n=2:1 群雌雄各 6 匹のラットに投与し, 各測定時点で 2 匹から採血した. 25

26 10000 Plasma 血漿中濃度 concentration (µg/ml) (μg/ml) Org 25969, 雄 Org 25969, M Org Org 48302, 25969, M 雌 Org 25969, F Org 48302, 雄 Org 48302, F Org 48302, 雌 時間 Time ( 時間 (h) ) 図 ラットに Org を 2000 mg/kg(org を mg/kg) で単回静脈内投与 した時の Org と Org の血漿中薬物濃度推移 Org のバッチ AE( % の Org を含む ) を 2000 mg/kg の投与量で投与した (INT ). n=2:1 群雌雄各 6 匹のラットに投与し, 各測定時点で 2 匹から採血した. Org 及び Org の血漿中濃度は, 雄性及び雌性ラットの間で同等であった.Org 及び Org の曝露量は, 投与量を 120 mg/kg(org では mg/kg) から 500 mg/kg (Org では mg/kg) に増加させると投与量に比例して増加したが, 投与量を 500 mg/kg (Org では mg/kg) から 2000 mg/kg(org では mg/kg) に増加したときは曝露量は投与量比例性から推測される値よりもわずかに高かった. このことは, 高用量群では低及び中用量群に比べて長期にわたって濃度測定が可能であったことが一因と考えられる. 小さな分布容積 (0.2~0.7 L/kg) と短い消失半減期 (0.3~0.7 時間 ) は両化合物で同等であり,Org と Org について血漿中薬物濃度推移のパターンは類似していた. 26

27 Wistar ラットにおける単回静脈内投与時の薬物動態 ([ 14 C]-Org の薬物動態並びに Org の存在下又は非存在下における [ 3 H]- ロクロニウムの薬物動態 ) NL , 雄性及び雌性 Wistar ラットに [ 14 C]-Org を 8 mg/kg で単回静脈内投与し, 血漿中薬物動態を検討した. さらに, 本試験では [ 3 H]-ロクロニウムを 2 mg/kg で単回静脈内投与後 5 分に Org を 8 mg/kg で投与した場合としなかった場合のロクロニウムの血漿中薬物動態も調べ,Org がロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響を検討した. [ 14 C]-Org の薬物動態雄性ラット 3 匹及び雌性ラット 3 匹に [ 14 C]-Org 25969(8 mg/kg) を単回静脈内投与したときの血漿中放射能の平均薬物動態データを表 に示す. 表 ラットに [ 14 C]-Org を 8 mg/kg で単回静脈内投与したときの血漿中放射能に関する薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ ([ 14 C]- 放射能 ) 雄雌 C 0 (µg eq/g) AUC last (µg eq h/g) AUC inf (µg eq h/g) a) λ Z (h -1 ) a) 終末相 t 1/2 (h) a) 初期相 t 1/2 (t 1/2α )(h) CL (L/h/kg) a) V SS (L/kg) a) V SS : 定常状態分布容積 a) 終末相消失速度定数 (λ Z ) が事前に設定した基準の下では求められなかった.λ Z 及びこれを用いて算出したパラメータは概 算値として示した. 血漿中放射能は推定初期相半減期 15 分及び終末相半減期 15 時間で消失した. 血漿中放射能の薬物動態に大きな性差は認められなかったが, 雌性ラットで放射能の平均血漿中濃度がわずかに高い傾向があった. 本動物種では血漿中放射能のクリアランスが肝及び腎血漿流量 ( それぞれ 1.8 及び 1.2 L/h/kg) より低かったが GFR(0.3 L/h/kg) より高かった 1, 2. Org が [ 3 H]-ロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響 2 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単独で単回静脈内投与した場合又は [ 3 H]-ロクロニウムの投与後 5 分に 8 mg/kg の Org を静脈内投与した場合の血漿中放射能の平均薬物動態データを表 に示す. 27

28 表 ラットに 2 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単独で単回静脈内投与したとき又は投与後に 8 mg/kg の Org を投与したときの血漿中放射能の薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ ([ 3 H]- 放射能 ) [ 3 H]- ロクロニウム単独 [ 3 H]- ロクロニウム投与後に Org を投与 雄雌雄雌 C 0 (µg eq/g) AUC last (µg eq h/g) AUC inf (µg eq h/g) a) λ Z (h -1 ) a) 終末相 t 1/2 (h) a) 初期相 t 1/2 (t 1/2α )(h) 0.11 a) 0.12 a) CL (L/h/kg) a) V SS (L/kg) a) a) 消失速度定数 ( 初期相又は終末相 ) が事前に設定した基準の下では求められなかった. 消失速度定数及びこれを用いて算出したパラメータは概算値として示した. Org 投与の有無にかかわらず,[ 3 H]-ロクロニウム投与後の平均血漿中放射能濃度は, 一般に雄性ラットで雌性ラットよりも低く推移し,AUC last は雄で雌よりも約 10~15% 低かった. ゼロ時点の放射能濃度算出値 (C 0 ) は,[ 3 H]-ロクロニウムを単独投与した場合又は [ 3 H]-ロクロニウム投与後に Org を投与した場合に雄性ラットと雌性ラットで同等であった.[ 3 H]- 放射能の終末相半減期については,[ 3 H]-ロクロニウムの投与後 5 分に Org を投与した場合に雌性ラットで増加するとの結果となったが, 算出した半減期が概算値であることを踏まえると実際の影響である可能性は低いと考えられる. 推定初期相半減期は,Org を投与した場合にわずかに長くなった.[ 3 H]-ロクロニウム投与後の全身放射能曝露量 (AUC last ) は Org 投与後に顕著に増大し ( 約 50%), 血漿クリアランスは減少した. また,[ 3 H]-ロクロニウム単独投与では放射能の推定血漿クリアランスは肝及び腎血漿流量と同等であったが, 定常状態分布容積 (V SS ) は総体液量よりはるかに大きかった.Org により [ 3 H]-ロクロニウムの V SS に大きな変化はみられなかったが, 本試験の概算値からは明瞭な結論を得ることは困難であった Wistar ラットにおける Org 単回及び 2 週間反復静脈内投与時の薬物動態 NL , 雄性及び雌性 Wistar ラットにおける 2 週間毒性試験の一環として,Org を 1.84,7.36 又は 27.6 mg/kg で単回及び 2 週間反復静脈内投与したときの薬物動態を検討したところ 表 A, 血漿中濃度は用量に対してほぼ直線的に増加した. 雄性ラットにおいて雌性よりもわずかに高い血漿中濃度 (AUC inf 及び C 0 に関して ) が認められ, 雄性の血漿クリアランスは雌性よりも低値であった. 単回投与と反復投与の間で曝露量に大きな差は認められず, 分布容積及び消失半減期はそれぞれ 0.20~0.40 L/kg 及び 0.21~0.37 時間と推定された. 28

29 Wistar ラットにおける Org 単回及び 4 週間反復静脈内投与時の薬物動態 NL , 雄性及び雌性 Wistar ラットにおける 4 週間毒性試験の一環として,Org の薬物動態を検討した.Org を 30,120 又は 500 mg/kg で単回及び 1 日 1 回反復静脈内投与して血漿中 Org 濃度を測定し, 曝露量を評価した. 結果を表 及び図 に示す. 表 ラットに Org を 30,120,500 mg/kg で単回及び反復静脈内投与したときの平均薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ (Org 25969) AUC 0-3 h (µg h/ml) C 0 (µg/ml) b) t 1/2 (h) CL (L/h/kg) V (L/kg) 性別 30 mg/kg 120 mg/kg 500 mg/kg 単回投与反復投与単回投与反復投与単回投与反復投与 雄 75.6 a) 48.7 c) 雌 c) a) 929 雄 1609 a) 雌 a) 4073 雄 雌 雄 雌 雄 雌 : 算出せず. a) 過大評価値 b) C 0 及びこれから算出されるパラメータは, 概算値である. c) 投与後 1.5 時間までの AUC(AUC h ) を記載した. 血漿中濃度 (µg/ml) 雄 血漿中濃度 (µg/ml) 単回 500 mg/kg 反復 500 mg/kg 単回 120 mg/kg 反復 120 mg/kg 単回 30 mg/kg 反復 30 mg/kg 雌 単回 500 mg/kg 反復 500 mg/kg 単回 120 mg/kg 反復 120 mg/kg 単回 30 mg/kg 反復 30 mg/kg 時間 ( 時間 ) 平均値及び標準偏差 (n = 1~4) 時間 ( 時間 ) 図 ラットに Org を 30,120,500 mg/kg で単回及び反復静脈内投与したときの平均血漿中薬物濃度推移 Org は迅速に排泄され,t 1/2 は 0.4~1.1 時間と短く, 血漿クリアランスは 0.40~0.62 L/h/kg であった. また, 分布容積は小さかった (0.24~0.65 L/kg). 雌性ラットに比べて雄性ラットにおいて血漿中 Org 濃度がわずかに高かったが, 単回投与と反復投与の間に大きな差はなかった ( 図 ). また, 投与量増加に対する血漿中濃度の増加は, 投与量比例性から推測される増加よりもわずかに高くなる傾向があったが, ほぼ投与量に比例したものであった. 29

30 幼若 Wistar ラットにおける Org 単回及び 2 週間反復皮下投与時の薬物動態 INT , 雄性及び雌性幼若 Wistar ラットを用いた 30,120,500 mg/kg の 2 週間皮下投与用量設定毒性試験の一環として,Org の薬物動態を検討した 表 C. 結果は幼若ラット 4 週間試験 ( ) で認められたものと同様であった. Org は急速に吸収され, 一般に単回投与後では 1 時間以内, 反復投与後では 20 分以内に C max に達した. 単回及び反復投与後に雄性ラットと雌性ラットで同等の血漿中濃度が認められ, 用量の増加に比例して増加した.1 日 1 回の反復投与では単回投与時に比べて全身曝露量が小さくなったが, これは幼若ラットの日齢上昇に伴う GFR 増加により C max 到達後の血漿中濃度減少がより迅速になったためと考えられた. また, 消失半減期 (t 1/2 ) は 0.7~0.9 時間であった. 30

31 幼若 Wistar ラットにおける Org 単回皮下投与及び反復投与 (2 週間皮下 +2 週間静脈内 ) 時の薬物動態 INT , 雄性及び雌性幼若 Wistar ラットにおける 4 週間毒性試験の一環として,Org の薬物動態を検討した.30,120,500 mg/kg の用量で 7 日齢時から皮下投与を 2 週間行った後, 静脈内投与を 2 週間行った. 本試験の結果を下表 ( 表 ) に示す. 表 幼若ラットに Org を 30,120,500 mg/kg で単回皮下投与及び 2 週間皮下 +2 週間静脈内投与したときの平均薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ (Org 25969) AUC 0-3 h (μg h/ml) AUC inf (μg h/ml) C max 又は C 0 b) (μg/ml) t max (h) t 1/2 (h) CL (L/h/kg) 性別 単回皮下投与 反復静脈内投与 (2 週間皮下 +2 週間静脈内 ) 30 mg/kg 120 mg/kg 500 mg/kg 30 mg/kg 120 mg/kg 500 mg/kg 雄 雌 雄 雌 雄 雌 雄 0.5 a) n.a. n.a. n.a. 雌 0.5 a) 0.5 a) 0.5 a) n.a. n.a. n.a. 雄 雌 雄 n.d. n.d. n.d 雌 n.d. n.d. n.d 雄 n.d. n.d. n.d V (L/kg) 雌 n.d. n.d. n.d 投与方法が異なるため, 単回投与と反復投与のパラメータを直接比較することは出来ない. n.a.: 該当せず,n.d.: 算出せず,t max : 最高血漿中濃度到達時間 ( 単回皮下投与のみ ) -: 終末相の濃度推移が異常であったため算出できなかった. a) 初回測定時点 b) 単回投与に関しては初回投与 ( 皮下投与 ) 後の C max を記載し, 反復投与に関しては最終投与 ( 静脈内投与 ) 後の C 0 を記載した. 単回皮下投与後 (7 日齢 ),Org は投与部位から急速に吸収された. 多くの場合, 初回測定時点である投与後 0.5 時間に C max に到達し, 消失半減期は 0.5~0.9 時間であった. また, 反復投与時 (34 日齢 ) の半減期は 0.3~0.4 時間であった. いずれの投与方法でも, 雄性ラットと雌性ラットで同等の血漿中濃度が認められ, 投与量増加に対する曝露量の増加は, 投与量比例性から推測される増加よりもわずかに高くなる傾向があったが, ほぼ投与量に比例したものであった. なお, 単回皮下投与時に比べて反復静脈内投与時の消失半減期が短く, 曝露量が低くなるとの結果であったが, これは反復投与時 (34 日齢 ) までにラットの GFR が増加して薬物消失が速くなったためと推察される. 31

32 麻酔下モルモットにおける静脈内持続投与時のロクロニウムの薬物動態試験 INT , 雄性モルモットに, 筋弛緩薬であるロクロニウムを 12 nmol/kg/min(0.006 mg/kg/min) で静脈内に持続注入し, 筋弛緩が 90% となる定常状態を保つようにした. ロクロニウム投与開始の 30 分後から,160 µl/min の投与速度で Org 25969(50 nmol/kg/min(0.1 mg/kg/min)) 又は生理食塩水を 30 分間静脈内に持続注入した. 生理食塩水投与群ではロクロニウム濃度に変化は認められず, 定常状態にあることが確認された.Org 投与群では, 試験開始後 50 及び 60 分 (Org の投与開始後 20 及び 30 分 ) で, 血漿中総ロクロニウム濃度 ( 遊離型及び Org 包接型の合計 ) の有意な上昇が認められた 表 C. なお, この時点での総投与量は, ロクロニウムで各々 0.32 及び 0.38 mg/kg,org で各々 2.0 及び 3.0 mg/kg であった. 32

33 妊娠 NZW ウサギにおける Org 反復静脈内投与時の薬物動態 NL , 妊娠 NZW ウサギに Org を 20,65,200 mg/kg で反復投与 (9 日間投与 ) したときの Org の薬物動態パラメータを評価した. 結果を表 に示す. 表 妊娠ウサギに Org を 20,65,200 mg/kg で 9 日間反復静脈内投与したときの平均薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ (Org 25969) 20 mg/kg 65 mg/kg 200 mg/kg AUC inf (µg h/ml) NAUC inf (µg h/ml)/(mg/kg) C 0.08h a) (µg/ml) 137 ± ± ± 231 NC 0.08h a) (µg/ml)/(mg/kg) t 1/2 (h) CL (L/h) V (L) n = 5 a) ゼロ時間への外挿による C 0 値算出も試みたが, 初期相にあたる時間中に十分な測定時点が得られず, 算出された C 0 値が投与 後 0.08 時間における血漿中濃度 (C 0.08h ) より低値であったため,C 0.08h を記載した. 血漿中濃度は投与後 0.08 時間の初回測定時から規則的かつ全般的に穏やかな速度で減少した. Org の曝露量 (C 0.08h 及び AUC) は用量の増加に伴いほぼ直線的に増加した. また, 終末相半減期, クリアランス及び分布容積は各投与群でほぼ同程度であり, 用量の増加に依存していなかった. 33

34 ビーグル犬における Org 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 NL , 雄性及び雌性ビーグル犬における急性毒性試験の一環として,Org 及びロクロニウムの薬物動態を検討した. 本試験では, 前投与なしあるいは前投与としてロクロニウムを 0.36 mg/kg 3 回投与した後に,2.76 mg/kg 又は 27.6 mg/kg の Org を 30 分間隔で 3 回に分けて投与した. Org の推定薬物動態パラメータ ( 概算値 ) を表 に示す. なお, ロクロニウムの推定動態パラメータについてはモジュール に記載した 表 D. 表 イヌに前投与なし又はロクロニウム前投与後に Org を静脈内投与したときの Org の薬物動態パラメータ 薬物動態 パラメータ (Org 25969) 性別 0.92 mg/kg Org mg/kg Org 平均値 (n = 2) 平均値 ± 標準偏差 (n = 4) 0.92 mg/kg Org mg/kg ロクロニウム 平均値 (n = 2) 9.2 mg/kg Org mg/kg ロクロニウム 平均値 ± 標準偏差 (n = 4) 総 AUC a) 雄 ± ± (µg h/ml) 雌 ± c) d) C b) 0 雄 ± ± (µg/ml) 雌 ± c) ± t 1/2 雄 0.50 e) 0.41 e) ± 0.04 c) (h) 雌 0.77 e) 0.42 ± ± : 算出出来ず. a) 総 AUC = AUC (0-29min) + AUC (30-59min) + AUC (60-120min) 又は AUC (0-29min) + AUC (30-59min) + AUC (60-118min) b) Org の 3 回目投与後の C 0 c) n = 3 d) n = 2 e) n = 1 雄性イヌより雌性イヌでわずかに高い血漿中 Org 濃度が認められた. また, 投与量増加に対する Org の曝露量の増加は, 投与量比例性から推測される増加よりもわずかに高くなる傾向があったが, ほぼ投与量に比例したものであった. ロクロニウムを前投与した場合の Org の曝露量は,Org の低用量においてほとんど変化せず, 高用量においてもわずかに減少する傾向がみられたのみであった. 雄性イヌと雌性イヌの間で総ロクロニウム曝露量に差はなかったが, 高用量の Org (9.2 mg/kg 3 回 ) を併用したときに, 低用量 (0.92 mg/kg 3 回 ) 併用時と比べて, ロクロニウムの曝露量が増加した 表 D. 34

35 ビーグル犬における Org 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 INT , 雄性及び雌性ビーグル犬における単回投与毒性試験の一環として,Org 及びロクロニウムの薬物動態を評価した. 本試験では,30 分間隔で 0.36 mg/kg 3 回,3.6 mg/kg 3 回又は 18 mg/kg 3 回のロクロニウムを静脈内投与し, それぞれ 0.92 mg/kg 3 回,13 mg/kg 3 回又は 65 mg/kg 3 回の Org を各ロクロニウム投与の 2 分後に同じく静脈内投与した. 低投与量は他のイヌ単回投与試験 (NL ( )) と同じ投与量とし, 中及び高投与量ではロクロニウムと Org がほぼ等モルとなるように設定した. 両薬物を併用した時のロクロニウム及び Org の薬物動態パラメータを, それぞれ表 及び表 に示す. 表 イヌにロクロニウムと Org を静脈内投与したときのロクロニウムの薬物動態パラメータ 投与薬物, 投与量 性別 AUC last (µg h/ml) ロクロニウムの薬物動態パラメータ AUC inf (µg h/ml) C max (µg/ml) t 1/2 (h) ロクロニウム :0.36 mg/kg 3 回 雄 3.43 ± ± ± ± Org 25969:0.92 mg/kg 3 回 雌 3.61 ± 1.00 a) 3.70 ± 1.03 a) 5.23 ± 1.50 a) 0.45 ± 0.13 a) ロクロニウム :3.6 mg/kg 3 回 雄 50.1 ± ± 4.73 a) 51.0 ± ± 0.12 a) + Org 25969:13 mg/kg 3 回 雌 50.4 ± ± ± ± 0.26 ロクロニウム :18 mg/kg 3 回 雄 ± ± ± ± Org 25969:65 mg/kg 3 回 雌 ± b) 380 ± b) 平均値 ± 標準偏差 (n = 4) AUC は全投与量 (3 回分 ) に渡って算出し,t 1/2 は最終投与後の濃度から算出した. a) n = 3 b) n = 2 表 イヌにロクロニウムと Org を静脈内投与したときの Org の薬物動態パラメータ 投与薬物, 投与量 性別 AUC last (µg h/ml) Org の薬物動態パラメータ AUC inf (µg h/ml) C max (µg/ml) t 1/2 (h) ロクロニウム :0.36 mg/kg 3 回 雄 10.8 ± ± ± ± Org 25969:0.92 mg/kg 3 回 雌 15.7± 4.83 a) 17.3 ± 4.96 a) 20.1 ± 6.94 a) 0.73 ± 0.11 a) ロクロニウム :3.6 mg/kg 3 回 雄 ± ± 28.4 a) 193 ± ± 0.07 a) + Org 25969:13 mg/kg 3 回 雌 ± ± 16.7 a) 231 ± ± 0.10 a) ロクロニウム :18 mg/kg 3 回 雄 1002 ± ± 61.0 a) 1450 ± ± 0.04 a) + Org 25969:65 mg/kg 3 回 雌 1059 ± ± ± ± 0.21 平均値 ± 標準偏差 (n = 4) AUC は全投与量 (3 回分 ) に渡って算出し,t 1/2 は最終投与後の濃度から算出した. a) n = 3 ロクロニウムの全身曝露量はロクロニウムの投与量とともに増大した.C max の増加はほぼ投与量に比例した増加を示したが, 中投与量 (3.6 mg/kg 3 回 ) 及び高投与量 (18 mg/kg 3 回 ) での AUC の増加は, 投与量比例性から推測される増加よりもわずかに高いものであった. またロクロ 35

36 ニウムの t 1/2 も, ロクロニウム投与量の増加に伴い延長したことから, 本条件におけるロクロニウムの薬物動態は非線形である可能性が示唆された. 低投与量では, 中及び高投与量よりも投与した Org 25969/ ロクロニウムのモル比が低かったことから, ロクロニウムが十分に包接されず, クリアランスが中及び高投与量と比べて高かったものと推察される. 一方,Org の全身曝露量は投与量に対してほぼ比例した増加を示し, 本薬の薬物動態は線形であると考えられた. また, ロクロニウム及び Org のいずれについても, 曝露量に大きな性差は認められなかった. 36

37 ビーグル犬における [ 14 C]-Org 単回静脈内投与時の薬物動態及び [ 3 H]-ロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態に対する Org の影響 NL , 雄性及び雌性ビーグル犬に [ 14 C]-Org を 8 mg/kg で単回静脈内投与したときの血漿中薬物動態を検討した. さらに,[ 3 H]-ロクロニウムを 0.36 mg/kg で単回静脈内投与し, その 10 分後に Org を 8 mg/kg で静脈内投与した場合としなかった場合のロクロニウムの血漿中薬物動態も調べ,Org がロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響を検討した. [ 14 C]-Org の薬物動態雄性イヌ 3 匹及び雌性イヌ 3 匹に [ 14 C]-Org 25969(8 mg/kg) を単回静脈内投与したときの血漿中放射能の平均薬物動態データを表 に示す. 表 イヌに [ 14 C]-Org を 8 mg/kg で単回静脈内投与したときの血漿中放射能の薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ ([ 14 C]- 放射能 ) 雄雌 C 0 (µg eq/ml) ± ± 3.71 AUC last (µg eq h/ml) ± ± 3.36 AUC inf (µg eq h/ml) a) ± ± 3.28 λ Z (h -1 ) a) ± ± 終末相 t 1/2 (h) a) 7.8 ± ± 1.4 初期相 t 1/2 (t 1/2-α )(h) 0.8 ± ± 0.03 CL (L/h/kg) a) ± ± V SS (L/kg) a) ± ± λ Z : 終末相消失速度定数 a) AUC inf, 終末相 t 1/2,CL,V SS は概算値. 血漿中放射能は終末相半減期約 8 時間で消失し, その動態に明白な性差は認められなかった. 血漿中放射能濃度の初期相半減期は約 0.7~0.8 時間と推定された. 本動物種では放射能の全身クリアランスが肝及び腎血漿流量 (1.1 及び 0.75 L/h/kg) より低かったが GFR(0.37 L/h/kg) とほぼ同程度であり, 定常状態における分布容積は総体液量と同程度であった 1, 2. 37

38 Org が [ 3 H]-ロクロニウムの薬物動態に及ぼす影響 0.36 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単独で単回静脈内投与した場合又はその 10 分後に 8 mg/kg の Org を静脈内投与した場合の放射能の平均血漿中薬物動態データを表 に示す. 表 イヌに 0.36 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単独で単回静脈内投与したとき又は投与後に 8 mg/kg の Org を投与したときの血漿中放射能の薬物動態パラメータ 薬物動態パラメータ ([ 3 H]- 放射能 ) [ 3 H]- ロクロニウム単独 [ 3 H]- ロクロニウム投与後に Org を投与 雄雌雄雌 C 0 (µg eq/ml) ± ± ± ± AUC last (µg eq h/ml) ± ± ± ± AUC inf (µg eq h/ml) a) ± ± ± ± λ Z (h -1 ) a) ± ± ± ± 終末相 t 1/2 (h) a) 初期相 t 1/2 (t 1/2-α ) (h) CL (L/h/kg) a) ± ± ± ± V SS (L/kg) a) 12.3 ± ± ± ± 2.93 λ Z : 終末相消失速度定数 a) AUC, 終末相 t 1/2,CL,V SS は概算値. Org 投与の有無にかかわらず, ゼロ時点の放射能濃度算出値 (C 0 ) は雄性イヌより雌性イヌの方がわずかに高かったが,AUC last に性差は認められなかった.Org を静脈内投与すると [ 3 H]- 放射能の曝露量が約 2 倍になった.[ 3 H]-ロクロニウムを単独で投与した場合, 放射能の全身クリアランスは肝及び腎血漿流量 ( それぞれ 1.1 及び 0.75 L/h/kg 1, 2 ) と同程度であったが, 分布容積は総体液量を大きく上回っていた. このことから, ロクロニウム由来物質の組織成分への結合が, 血漿成分への結合を大きく上回っていることが示唆された.[ 3 H]-ロクロニウムの投与後に Org を投与すると, クリアランス及び分布容積がいずれも減少したが,Org は主に [ 3 H]-ロクロニウムの分布容積に影響した. したがって,Org の存在下では組織への [ 3 H]-ロクロニウム由来物質の曝露量が顕著に減少したことがわかった ビーグル犬における Org 単回及び 2 週間反復静脈内投与後の薬物動態 NL , 雄性及び雌性ビーグル犬に Org を 1.84,7.36,27.6 mg/kg で単回及び反復投与する 2 週間毒性試験の一環として,Org の薬物動態を評価した 表 F. AUC inf 及び C 0 で表される Org 曝露量は用量の増加に伴って直線的に増加し, 性差及び投与群間差 ( 単回投与群 vs. 反復投与群 ) はなかった. 分布容積は小さく (0.15~0.28 L/kg), 平均消失半減期は 0.32~0.87 時間とばらつきがあった. 38

39 ビーグル犬における Org 単回及び 3 週間反復静脈内投与後の薬物動態 INT , 雄性及び雌性ビーグル犬に Org を 25,80,250 mg/kg で単回及び 3 週間反復静脈内投与する毒性試験の一環として,Org の薬物動態を評価した. 結果を表 に示す. 表 イヌに Org を 20,80,250 mg/kg で単回投与及び 3 週間反復静脈内投与 したときの平均薬物動態パラメータ パラメータ 25 mg/kg 80 mg/kg 250 mg/kg 性別 (Org 25969) 単回投与反復投与単回投与反復投与単回投与反復投与 AUC inf (µg h/ml) 雄 134 ± ± ± ± ± ± 12 雌 127 ± ± ± ± ± ± 63 NAUC inf 雄 5.17 ± ± ± ± ± ± 0.14 (µg h/ml)/(mg/kg) 雌 4.91 ± ± ± ± ± ± 0.20 C 0 (µg/ml) 雄 252 ± ± ± ± ± ± 160 雌 232 ± ± ± ± ± ± 74 NC 0 (µg/ml)/(mg/kg) 雄 9.73 ± ± ± ± ± ± 0.75 雌 9.00 ± ± ± ± ± ± 0.50 t 1/2 (h) 雄 0.9 ± ± ± ± ± ± 0.2 雌 0.9 ± ± ± ± ± ± 0.0 CL (L/h/kg) 雄 0.19 ± ± ± ± ± ± 0.01 雌 0.21 ± ± ± ± ± ± 0.02 V (L/kg) 雄 0.25 ± ± ± ± ± ± 0.09 雌 0.26 ± ± ± ± ± ± 0.02 平均値 ± 標準偏差 (n = 3) 血漿中濃度は雄性イヌと雌性イヌで同等であり, 用量を 25 mg/kg から 80 mg/kg に増加させると血漿中濃度が比例的に増加し,80 mg/kg から 250 mg/kg に増加させたときの増加は, 投与量比例性から推測される増加よりもわずかに低かった. 単回投与と反復投与の間に差は認められなかった. また, 分布容積は小さく (0.24~0.43 L/kg), 消失半減期は短かった (0.6~1.1 時間 ). 39

40 ネコにおける Org 及びロクロニウム単回静脈内投与時の薬物動態 NL , 雄性及び雌性ネコにおける急性毒性試験の一環として,Org 及びロクロニウムの薬物動態を検討した. 本試験では, 前投与なしあるいは前投与としてロクロニウムを 0.5 mg/kg 3 回投与した後に,3 mg/kg 又は 30 mg/kg の Org を 30 分間隔で 3 回に分けて投与した.Org の薬物動態パラメータは表 に, ロクロニウムの薬物動態パラメータはモジュール に記載した 表 G. 表 ネコに前投与なし又はロクロニウム前投与後に Org を静脈内投与したときの Org の薬物動態パラメータ パラメータ (Org 25969) 性別 1 mg/kg Org mg/kg Org mg/kg Org mg/kg ロクロニウム 10 mg/kg Org mg/kg ロクロニウム 総 AUC a) 雄 (µg h/ml) 雌 C 0 b) (µg/ml) 雄 雌 群 4 匹のネコを用い, 個体毎の採血時点が 3 回となるように試料を採取した. a) 総 AUC = AUC 0-29 min + AUC min + AUC min b) Org の 3 回目投与時における C 0 ロクロニウム 表 G 及び Org について,AUC 及び C 0 に性差は認められず, いずれのパラメータも用量の増加に伴って直線的に増加した. ネコにおいて, ロクロニウムの前投与は Org の薬物動態に有意な影響を及ぼさなかった. 40

41 分布 In vitro において,[ 14 C]-Org の血漿タンパク及び赤血球結合, 並びに Org が [ 3 H]-ロクロニウムの血漿タンパク及び赤血球結合に及ぼす影響を検討した. さらに,Wistar 白色ラット ( 組織分布 ),Lister Hooded 有色ラット ( 組織分布 ), 妊娠 Sprague Dawley ラット ( 胎盤通過 ), 及び妊娠 NZW ウサギ ( 胎盤通過 ) を用いて,[ 14 C]-Org の分布を検討した. 若齢成熟ラット及び妊娠ラット, 並びに妊娠ウサギにおいて,Org が [ 3 H]-ロクロニウムの組織分布に及ぼす影響を in vivo で検討した. さらに, ラットを用いて,[ 14 C]-Org の骨及び歯への結合特性を定量的に評価する試験及びロクロニウムが [ 14 C]-Org の骨及び歯への結合率に及ぼす影響を検討した In vitro 分布試験 ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒトにおける in vitro での血漿タンパク結合 NL , In vitro において,[ 14 C]-Org のラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒトの血漿タンパクへの結合率を検討した. さらに, 本試験では共存する Org が [ 3 H]-ロクロニウムの結合率に及ぼす影響も評価した. いずれの動物種でも雄性 / 男性から採取した試料を用いた. 試験方法 :[ 14 C]-Org のタンパク結合 Org を添加した血漿サンプル ( 薬物濃度 :0~125 µm, 臨床濃度域であるおよそ 0~ 250 µg/ml に相当 ) を, 等濃度の Org 25969/[ 14 C]-Org を含む ph 7.4 のリン酸緩衝液に対して 37 で 3 時間平衡透析を行い,[ 14 C]-Org の血漿タンパク結合率を測定した ii. また,1.25 µm の Org と約 185 kbq/ml(27.6 µm に相当 ) の [ 14 C]-Org を含むヒト血漿 1.0 ml を HPLC 分析することにより, 結合タンパク画分を評価した. 試験方法 :[ 3 H]-ロクロニウムのタンパク結合ウサギ血漿を用いて, 平衡透析法により [ 3 H]-ロクロニウムの血漿タンパク結合率を測定した ( 他の動物種に関するロクロニウムのタンパク結合率は別試験で測定した ). ロクロニウム (0~ 11.1 µm, 臨床濃度域であるおよそ 0~5.9 µg/ml に相当 ) と 1.85 kbq/ml の [ 3 H]-ロクロニウムを添加した血漿サンプルを, 等濃度の [ 3 H]-ロクロニウムを含む ph 7.4 のリン酸緩衝液に対して 37 で 3 時間透析した. 試験方法 :Org 存在下での [ 3 H]-ロクロニウムのタンパク結合ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト血漿を用いて, 平衡透析法により Org 存在下における [ 3 H]-ロクロニウムの血漿タンパク結合率を測定した.[ 3 H]-ロクロニウム (0.24~11.1 μm/ ii 被験物質をバッファー側に添加して血漿側と平衡化させる方法では平衡に達するまで長時間 (6 時間以上 ) を要したため, このような試験方法とした. 平衡に達するまでに時間がかかったのは,Org のタンパク結合率がきわめて低く, また比較的大きい分子量のために半透膜透過が遅いためと考えられる. 41

42 1.85 kbq/ml, およそ 0.13~5.9 µg/ml に相当 ) と Org 25969( 濃度域 :0~12.5 µm, およそ 0~25 µg/ml に相当 ) を添加した血漿サンプルを, 等濃度の [ 3 H]-ロクロニウムと Org を含むリン酸緩衝液に対して 37 で 3 時間透析した. 結果ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト血漿を [ 14 C]-Org とインキュベートすると,3 時間後に血漿サンプルと [ 14 C]-Org を添加した緩衝液サンプルが平衡に達した. ラット血漿 / 緩衝液との 3 時間のインキュベーション後,[ 14 C]-Org の放射化学的純度は 99% から 84% に減少した.[ 14 C]-Org はラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト血漿タンパクに結合しなかった.[ 14 C]-Org を添加したヒト血漿の HPLC 分析では,Org はタンパク質と同時に溶出せず, そのため Org とヒト血漿タンパクとの特異的結合はないことがわかった.[ 3 H]-ロクロニウムのウサギ血漿タンパクへの結合率は, 薬物濃度に依存しなかった (33.8±4.4%, 平均 ± 標準偏差 ).Org 存在下で [ 3 H]-ロクロニウムはラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト血漿タンパクに結合するが, 試験したすべての動物種において,Org の濃度を増加させると [ 3 H]- ロクロニウムの血漿タンパク結合率は低下した ( 表 及び図 ). ロクロニウムと Org の濃度がほぼ等モルとなったときに,[ 3 H]-ロクロニウムの結合率は 0% となった. したがって,Org 25969/ ロクロニウム包接体も血漿タンパクに結合しないと考えられた. 表 ロクロニウム /Org 比 0~1.1 で Org が存在するときの ロクロニウムの血漿タンパク結合率 動物種 Org 25969/ ロクロニウム比 タンパク結合率 (%) a) ラット 0 ~ ~ 0 ウサギ 0 ~ ~ 0 ネコ 0 ~ ~ 0 イヌ 0 ~ ~ 0 ヒト 0 ~ ~ 0 a) 計算結果が負の値となった場合は, 結合率をゼロとした. [ % 3 H]- ロクロニウムのタンパク結合率 Protein binding [ 3 (%) H]-Org Org ratio 25969/ Org ロクロニウム / Org 9426 比 図 Org が [ 3 H]- ロクロニウムのヒト ( 男性 ) 血漿タンパク結合率に及ぼす影響 42

43 ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒトにおける in vitro での赤血球結合 NL , 赤血球結合試験では,in vitro において [ 14 C]-Org のラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト赤血球結合率を測定した. さらに,[ 3 H]-ロクロニウムの結合率, 及び in vitro において Org が [ 3 H]-ロクロニウムのヒト赤血球結合率に及ぼす影響も検討した. いずれの動物種でも雄性 / 男性から採取した試料を用いた. ラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト血液サンプルに, 薬物濃度が 0~250 µm( 想定される臨床濃度域であるおよそ 500 µg/ml に相当 ) となるように [ 14 C]-Org 25969(2.9~3.3 kbq/ml) を添加し,[ 14 C]-Org の赤血球結合率を測定した. また, ヒト血液を 3.1 µm の [ 3 H]-ロクロニウム (3.9 kbq/ml) とインキュベートし, ヒト赤血球へのロクロニウムの結合率を測定した. さらに,0.8~12.4 µm の Org が [ 3 H]-ロクロニウム (3.1 µm,4.1 kbq/ml) のヒト赤血球結合率に及ぼす影響を検討した ( 濃度は代表的臨床濃度域である ). インキュベーションは 37 で 60 分行い, インキュベーション前後にはヘマトクリット値を測定して赤血球のインテグリテリィを検査した. 試験結果 表 B から, 以下の結論を得た.In vitro において,Org は薬物濃度及びインキュベーション時間によらずラット, ウサギ, ネコ, イヌ及びヒト赤血球に結合しなかった. ロクロニウムは, インキュベーション時間によらずヒト赤血球に結合せず, 種々の濃度の Org 共存下でも同様にロクロニウムの赤血球への結合は認められなかった. なお, 試験した濃度範囲で (Org 25969, ロクロニウム, 及び Org 25969/ ロクロニウム包接体で, それぞれ 250 µm, 3.1 µm 及び 12.1 µm:3.1 µm まで ) 溶血は認められなかった. 43

44 In vitro におけるラット肝細胞への取り込み NL , In vitro において,3 時間のインキュベーション中に [ 14 C]-Org のラット肝細胞取り込みを検討した 表 C. 95%O 2 /5% CO 2 の条件下,0.1% ウシ血清アルブミン添加 Williams E 培地で懸濁した用時採取雄性ラット肝細胞約 6 又は 100 µm(12 又は 200 µg/ml に相当 ) の [ 14 C]-Org 25969(39 MBq/L) と 4 又は 37 で 3 時間インキュベートした.0~180 分までの様々な時点で, 細胞の放射能取り込み及び生存能を検討した. また, 放射性標識化物質の安定性及び薬物に曝露しないときの肝細胞の生存能も検討した. 4 及び 37 において,[ 14 C]-Org とのインキュベーション開始後 1 時間はラット肝細胞の生存率が一定であり ( 約 76%), その後, 生存率は 4 では 2 時間及び 3 時間のインキュベーションでそれぞれ 75.5% 及び 74.9% へわずかに低下し,37 ではそれぞれ 73.1% 及び 72.3% へ非常に緩徐に低下した. インキュベーション開始後 1 時間は肝細胞の生存能力が一定であるため, Org 取り込みが十分測定できる.Org は 100 µm まで細胞毒性を示さなかった. [ 14 C]-Org の放射化学的純度はすべての対照反応混合物中で 90~95% であり, いずれの反応条件でも 180 分間安定していた. さらに, ラット肝細胞との 3 時間のインキュベートにおいて代謝物は生成されなかった. 最高 2.4% の細胞外 Org がラット肝細胞に取り込まれていることから, 細胞外 Org の量が Org 取り込み能及び速度を制限しているわけではない.6 及び 100 µm の Org と雄性ラット肝細胞を 4 で 3 時間インキュベートしたところ, それぞれ 13 及び 83 pmol/mg protein の Org がラット肝細胞に取り込まれた.37 でインキュベートした場合の雄性ラット肝細胞による Org 取り込み量は,6 及び 100 µm でそれぞれ 20 及び 95 pmol/mg protein であった.4 及び 37 におけるラット肝細胞への Org 25969(6 及び 100 µm) の取り込み量の経時変化を図 に示す. 44

45 (4 C, 4,6 6 µmol/l)) µm (37 C, 37,6 6 µm µmol/l) (4 C, 4,100 µm µmol/l) (37 C, 37,100 µm µmol/l) 120 取り込み量 Uptake (pmol/mg (pmol / mg protein) protein) Time 時間 (minutes) ( 分 ) 図 及び 37 におけるラット肝細胞への 6 及び 100 µm の Org の取り込み 100 及び 6 µm の Org の取り込み量には, それぞれ約 15 分又は 30 分まで直線性が認められた.4 及び 37 における Org 25969(6 及び 100 µm) のラット肝細胞への 1 時間あたりの取り込み速度を曲線の直線部から求めた. 以上より, 次の結論を得た.Org のラット肝細胞への取り込みは比較的少なかった.37 における 6 及び 100 µm の Org の直線部での取り込み速度は, それぞれ 及び pmol/mg protein/h であった. 反応温度を 4 に低下させると直線部での Org の取り込み速度が 6 及び 100 µm でそれぞれ 5.87 及び pmol/mg protein/h に低下したことから, 取り込みは少なくとも部分的な受動輸送によることがわかった. 45

46 In vivo 分布試験 ラット組織分布 NL , Wistar 白色ラット及び Lister Hooded 有色ラット ( いずれも雄性及び雌性 ) において, [ 14 C]-Org 又は [ 3 H]-ロクロニウム単独静脈内投与後, あるいは [ 3 H]-ロクロニウム静脈内投与後 5 分又は 15 分に Org を静脈内投与したときの組織分布を検討した. Org の組織分布 ([ 14 C]-Org 単独投与 ) 結果を表 ( 雄性白色ラット ), 表 ( 雌性白色ラット ) 及び表 ( 有色ラット ) に示す. 白色ラットに [ 14 C]-Org を投与すると, 放射能は体内の広範囲へ急速に分布 iii した. 最も高濃度に分布した組織は大腿骨関節及び大腿骨であり, 次いで腎臓, 膀胱, 前立腺 ( 雄 ) 及び腟 ( 雌 ) であった ( 及び も参照 ). 腎臓及び膀胱への高濃度の分布は, 放射能が投与後長時間わたり尿中に排泄されることと一致している. 放射能は投与 168 時間後もほとんどの組織で測定可能であった. 消化管の内容物及び壁, 特に盲腸内容物及び小腸内容物にも顕著な量の放射能が分布した. 血液 - 脳関門の通過はほとんど認められなかった. 有色ラットの眼における放射能濃度は白色ラットと同程度であり,Org の眼メラニン結合性は低いことが示唆された. iii 膝関節とともに採取された骨試料にも高い結合が認められたが, 関節の軟骨及び周辺の軟組織への結合は低いと考えられた ( ). 46

47 表 雄性白色ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したときの組織分布 組織 組織中濃度 (µg eq/g) 25 分 1 時間 5 時間 24 時間 168 時間 血漿 ± ± ± ± ± 血液 ( 全血 ) ± ± ± ± NC 血球 ± ± ± ± NC 大動脈 ± ± ± ± ± 小脳 ± ± ± ± ± 脳 ( 小脳以外 ) ± ± ± ± ± 脊髄 ± ± ± ± ± 眼 ± ± ± ± ± 心臓 ± ± ± ± ± 腎臓 ± ± ± ± ± 膀胱 ± ± ± ± ± 肝臓 ± ± ± ± ± 肺 ± ± ± ± ± 喉頭 ± ± ± ± ± 膵臓 ± ± ± ± ± 脾臓 ± ± ± ± ± 副腎 ± ± ± ± ± ハーダー腺 ± ± ± ± ± リンパ節 ( 腸間膜 ) ± ± ± ± ± 下垂体 ± ± ± NC NC 顎下腺 ± ± ± ± ± 胸腺 ± ± ± ± ± 甲状腺 ± ± ± ± ± 精巣上体 ± ± ± ± ± 前立腺 ± ± ± ± ± 精嚢 ± ± ± ± ± 精巣 ± ± ± ± ± 卵巣 子宮 腟 骨 ( 大腿骨 ) ± ± ± ± ± 骨髄 ( 大腿骨 ) ± ± ± ± ± 褐色脂肪 ± ± ± ± ± 腎傍脂肪 ± ± ± ± ± 骨格筋 ± ± ± ± ± 皮膚 ( 非有色 ) ± ± ± ± ± 皮膚 ( 有色 ) 胃 ± ± ± ± ± 小腸 ± ± ± ± ± 盲腸 ± ± ± ± ± 大腸 ± ± ± ± ± 関節 ( 大腿骨 ) ± ± ± ± ± 組織中放射能 (% of dose/ 組織 ) 胃内容物 ± ± ± ± NC 小腸内容物 ± ± ± ± ± 盲腸内容物 ± ± ± ± ± 大腸内容物 ± ± ± ± ± 平均値 ± 標準偏差 (n = 3) -: 該当せず NC:2 匹以上の動物で定量下限以下であったため算出せず. 47

48 表 雌性白色ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したときの組織分布 組織 組織中濃度 (µg eq/g) 25 分 1 時間 5 時間 24 時間 168 時間 血漿 ± ± ± ± ± 血液 ( 全血 ) ± ± ± ± NC 血球 ± ± ± ± NC 大動脈 ± ± ± ± ± 小脳 ± ± ± ± NC 脳 ( 小脳以外 ) ± ± ± ± NC 脊髄 ± ± ± ± ± 眼 ± ± ± ± ± 心臓 ± ± ± ± ± 腎臓 ± ± ± ± ± 膀胱 ± ± ± ± ± 肝臓 ± ± ± ± ± 肺 ± ± ± ± ± 喉頭 ± ± ± ± ± 膵臓 ± ± ± ± ± 脾臓 ± ± ± ± ± 副腎 ± ± ± ± ± ハーダー腺 ± ± ± ± ± リンパ節 ( 腸間膜 ) ± ± ± ± ± 下垂体 ± ± ± NC NC 顎下腺 ± ± ± ± ± 胸腺 ± ± ± ± ± 甲状腺 ± ± ± ± NC 精巣上体 前立腺 精嚢 精巣 卵巣 ± ± ± ± ± 子宮 ± ± ± ± ± 腟 ± ± ± ± ± 骨 ( 大腿骨 ) ± ± ± ± ± 骨髄 ( 大腿骨 ) ± ± ± ± ± 褐色脂肪 ± ± ± ± ± 腎傍脂肪 ± ± ± ± ± 骨格筋 ± ± ± ± ± 皮膚 ( 非有色 ) ± ± ± ± ± 皮膚 ( 有色 ) 胃 ± ± ± ± ± 小腸 ± ± ± ± ± 盲腸 ± ± ± ± ± 大腸 ± ± ± ± ± 関節 ( 大腿骨 ) ± ± ± ± ± 組織中放射能 (% of dose/ 組織 ) 胃内容物 ± ± ± ± NC 小腸内容物 ± ± ± ± ± 盲腸内容物 ± ± ± ± ± 大腸内容物 ± ± ± ± ± 平均値 ± 標準偏差 (n = 3) -: 該当せず NC:2 匹以上の動物で定量下限以下であったため算出せず. 48

49 表 有色ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与したときの組織分布 組織 組織中濃度 (µg eq/g) 24 時間 168 時間 雄雌平均値雄雌平均値 血漿 血液 ( 全血 ) ND ND NC 血球 ND ND NC 大動脈 小脳 ND NC ND NC 脳 ( 小脳以外 ) 脊髄 眼 心臓 腎臓 膀胱 肝臓 肺 喉頭 膵臓 脾臓 副腎 ハーダー腺 リンパ節 ( 腸間膜 ) 下垂体 ND ND NC ND ND NC 顎下腺 胸腺 甲状腺 ND NC 精巣上体 NC NC 前立腺 NC NC 精嚢 NC NC 精巣 NC NC 卵巣 NC NC 子宮 NC NC 腟 NC NC 骨 ( 大腿骨 ) 骨髄 ( 大腿骨 ) 褐色脂肪 腎傍脂肪 骨格筋 皮膚 ( 非有色 ) 皮膚 ( 有色 ) 胃 小腸 盲腸 大腸 関節 ( 大腿骨 ) : 該当せず ND: 定量下限 ( バックグラウンド値の 2 倍 ) 未満 NC: 算出せず 49

50 ロクロニウムの組織分布に対する Org の影響 ([ 3 H]-ロクロニウム単独投与又は [ 3 H]-ロクロニウム投与後に Org を投与 ) 放射能の組織分布は,[ 3 H]-ロクロニウム単独静脈内投与後と [ 3 H]-ロクロニウム投与後 5 分又は 15 分に Org を投与した後とで同様のパターンを示した 表 A( だたし,[ 3 H]-ロクロニウム投与後 15 分に Org を投与したデータの掲載は省略 ). したがって, 使用した用量レベルにおいて,Org はロクロニウムの分布に顕著な影響を及ぼさず, また筋弛緩からの自然回復前に Org を投与しても後に投与してもロクロニウムの分布に影響を及ぼさないことが示唆された. 組織分布に性差は認められず, 放射能が最も高濃度に分布した組織は消化管 ( 内容物及び胃腸壁 ), 肝臓, 膀胱及び腎臓 ( ロクロニウムの主な排泄経路 ) であった. また, 下垂体, 腟, 動脈, 甲状腺, 膵臓, 喉頭及び前立腺にも高濃度で分布した. ロクロニウムはほとんど血液 - 脳関門を通過しなかった. 有色ラットの組織分布データは白色ラットの結果とよく一致したが, 眼でロクロニウム関連物質のメラニン結合性が認められた. しかしながら, 皮膚への分布に関しては有色ラットの有色部位と非有色部位の間で差は認められず, 白色ラットにおける平均皮膚中濃度と同様であったことから, ロクロニウムのメラニン結合性は高いものではないと考えられた. 100 組織中放射能 % of dose [ 3 (% H]-Org of 9426 dose) 時間 Time ( 時間 (h) ) Kidney, - Org Kidney, + Org 腎臓 Liver, (- - Org 25969) Liver, 腎臓 + (+ Org Org 25969) Stomach, - Org Stomach, + Org 肝臓 Smal (- int, Org - Org 25969) Small 肝臓 int, (+ + Org Org ) 胃 (- Org 25969) 胃 (+ Org 25969) 小腸 (- Org 25969) 小腸 (+ Org 25969) 図 ラットにおいて Org の投与が排泄器官中 [ 3 H]- ロクロニウム濃度に及ぼす影響 n = 3 [ 3 H]- ロクロニウム 2 mg/kg を単独で単回静脈内投与した場合 (,,, ),[ 3 H]- ロクロニウム 2 mg/kg の単回静脈内投与後 5 分に 8 mg/kg の Org 25969( ほぼ等モル量 ) を投与した場合 (,,, ) につき組織中放射能の経時変化を示した. 50

51 雄性ラットを用いた骨への分布に関する試験 INT , 雄性 Wistar ラットに [ 14 C]-Org を単回静脈内投与し, 種々の部位の骨, 歯及び軟骨, 並びに腎臓, 膀胱, 肝臓及び骨髄中の [ 14 C]-Org の組織動態及び尿中排泄を検討した. また, コンパートメント解析により, 骨における Org の半減期を評価した. さらに [ 14 C]-Org 投与前に非標識 Org を投与したときの組織中濃度及び尿中排泄を検討し,[ 14 C]-Org 単独投与時と比較した. なお, 各群 1 匹から大腿骨及び肩甲骨を採取し, ミクロオートラジオグラフィーにより放射能の局在を顕微鏡レベルで評価したが, この結果は他項 ( ) に記載した. 雄性 Wistar ラットに [ 14 C]-Org を含む Org を静脈内投与し, 次の表に従ってサンプルを採取した. 群 n 投与量 (mg/kg); 放射能投与量 (MBq/kg) 表 INT 試験のデザイン 投与日 a) 試料採取時間 ; 時間 備考 ( 他の試料採取 ) 尿 (0~24 時間 ), 血液 ( 標識体投与後 30,60 及び 90 分 ) ; 日尿 (7 日間,24 時間間隔 ) ; 日 ; 日 ; 日 ;5.6 b) 0 b), 1 48 時間 尿 (24~48 時間 ), 血液 ( 標識体投与後 30,60 及び 90 分 ) a) すべての動物から以下の試料を採取した : 骨 ( 大腿骨, 肩甲骨, 頭蓋骨, 脛骨, 上腕骨, 椎骨 (L4,5,6)), 切歯, 気管軟骨, 腎臓, 膀胱 ( 洗浄したもの ), 肝臓及び骨髄. b) 群 6 の初回投与では非標識 Org を投与した ( 試料採取時間は初回投与からの時間 ). 実験中に組織の増殖が認められ, 放射能が大幅に希釈された. このため, 放射能を投与量に対する組織全体あたりの割合 ( 骨髄は除く ) として,1 又は 2 コンパートメントモデルの一次速度式によるフィッティング法により解析した (Berkeley Madonna ソフトウェア ). 投与後 1 日 ~84 日の骨, 切歯及び気管軟骨における放射能濃度を図 及び 表 B に示す. 51

52 組織中放射能 % of dose (% per of gram dose tissue / g 組織 ) Femur 大腿骨 Scapula 肩甲骨 Skull 頭蓋骨 bones Tibia 脛骨 Humerus 上腕骨 Vertebrae 椎骨 Incisors 切歯 Trachea 気管 時間 Time ( (days) 日 ) 平均値 ± 標準偏差 (n = 3) 図 雄性ラットに [ 14 C]-Org を 8.6 mg/kg で単回静脈内投与したときの, 骨, 気管及び切歯における放射能動態 投与後 24 時間には, 大腿骨で放射能濃度が最も高く ( 組織 1 g あたり投与量の 1.9%), 次いで脛骨 (1.8%), 椎骨 (1.5%), 肩甲骨 (1.4%), 上腕骨 (1.3%), 頭蓋骨 (1.1%), 切歯 (0.45%) であった. 気管では濃度は低かった (0.03%). 最終的に, すべての骨で放射能濃度が減少し, 投与後 84 日には骨 1 g あたり投与量の約 0.36% という同一濃度になった. 骨及び歯 ( 切歯 ) に比べると, 気管軟骨における放射能濃度は 1/50 以下であり, 投与後 1 日の 0.03% から 84 日の % まで減少した. 投与後 1 日に軟組織で回収された放射能濃度の投与量に占める割合は, 組織 1 g あたり腎臓で 0.16%, 膀胱で 0.11%, 骨髄で 0.02%, 肝臓で 0.01% であった. いずれの濃度も試験中にさらに減少した. 8.6 mg/kg の [ 14 C]-Org の単回投与を受けた動物 ( 群 1) と 8.6 mg/kg の非標識 Org 投与に続いて 8.6 mg/kg の [ 14 C]-Org 投与を受けた動物 ( 群 6) の間で, 種々の骨, 切歯及び気管を含む組織の放射能含有量に差は認められなかった 表 B. このことから,8.6 mg/kg の非標識体の前投与は Org の全身動態及び組織への残留に影響しないことが示唆された. また,8.6 mg/kg では [ 14 C]-Org の骨及び切歯への結合は飽和状態にならないと考えられる. 累積尿排泄データから, 投与量の 74% が 24 時間以内に尿中に排泄され, 投与後 2 日には 75%, 投与後 7 日には 78% に増加することが明らかになった ( 群 2). また, 放射能の尿中排泄は 8.6 mg/kg の非標識体 Org の前投与により影響を受けなかった 表 B. ほとんどの組織では組織中動態データに, 各組織コンパートメントからの一次消失がある 2 コンパートメントモデルがあてはまり, 各コンパートメントについて個別の半減期 (t 1/2α 及び t 1/2β ) が得られた. また, 頭蓋骨及び椎骨のみ 1 コンパートメントモデルが適合した. 消失半減期 (1 コンパートメントモデルにおける t 1/2α 又は 2 コンパートメントモデルにおける t 1/2β ) が最も長かったのは頭蓋骨 (210 日 ), 最も短かったのは肝臓であった (6 日 ). 放射能の消失半減期の推定値は, 52

53 頭蓋骨以外の骨で t 1/2β が 67~175 日, 切歯で t 1/2β が 8 日であった. また, 骨における平均の消失半減期は 172 日であった ラットにおける単回及び反復静脈内投与後の骨及び歯への分布に関する試験 INT , 雄性及び雌性 Wistar ラットにおける Org の骨及び歯への結合を検討した. 若齢成熟ラットに [ 14 C]-Org 25969(30,120,400 mg/kg) を単回静脈内投与し, 骨及び歯における Org の結合率を算出して結合率が用量に対して直線的に増加するかを検討した. また, 若齢成熟ラットに [ 14 C]-Org を 1 日 1 回 28 日間反復静脈内投与後, 骨及び歯における Org の累積結合率を算出し, 結合の飽和状態の有無を検討して最大結合率を推定した. また, 週齢 ( 及び骨成長率 ) が [ 14 C]-Org 単回投与後のラットの骨及び歯における Org の結合率に影響するかどうかを検討した. さらに, ロクロニウムの存在が若齢成熟ラットの骨及び歯における Org の結合率に影響するかどうかを検討した. 試験の結果, 以下の所見が得られた. 30,120,400 mg/kg(3,12,40 MBq/kg) の [ 14 C]-Org をラットに単回静脈内投与し,24 時間後の骨及び歯への結合を検討した. 投与量の増加に伴って骨及び歯 1 g あたりの Org の結合量 (mg eq./g 組織 ) は上昇したが, 投与量に対して直線的ではなかった 表 C. Org を 30 mg/kg/ 日で 1 日 1 回反復投与し,28 日までの種々の時点において骨への結合を検討した. 各測定時点の最終投与時に放射標識体 ([ 14 C]-Org 25969) を投与し, 最終投与以外では非標識体を投与した. その結果, 骨及び歯への Org の結合が認められ, 骨での結合量 ( 投与量に対する %/ グラム組織 ) は 3 日目までほぼ一定であったが, その後は 1 日毎の蓄積量が経時的に減少した 表 C. なお,28 日間静脈内投与後の Org の最大結合率を推定したところ, 骨 1 g あたり 2.5~5 mg, 切歯 1 g あたり 2~2.6 mg, 臼歯 1 g あたり 0.6~1.1 mg であった. [ 14 C]-Org を 30 mg/kg で単回静脈内投与すると, ラットの週齢すなわち骨成長速度が骨及び歯への Org の結合率に大幅に影響した. プールした雄性及び雌性 Wistar ラットの骨及び歯 1 組織あたりの結合率は, 週齢に伴って投与量の 13.6%( 雄性幼若ラット ) 及び 13.0%( 雌性幼若ラット ) から 2.8%( 雄性及び雌性若齢成熟ラット ) に, さらに 0.5%( 雄性高齢ラット ) 及び 0.4%( 雌性高齢ラット ) に低下した 表 C. 雄性及び雌性若齢成熟ラットにおいて, ロクロニウムの存在により骨及び歯における Org の結合率が低下した. 雄性及び雌性若齢成熟 Wistar ラットに [ 14 C]-Org を 30 mg/kg で単回静脈内投与した直後にロクロニウム (Org の約半分のモル量 ) を投与すると, 骨及び臼歯 1 g あたりの Org の結合率はそれぞれ約 36% 及び 67%( 雄性 ) 並びに 31% 及び 41%( 雌性 ) 低下した. 切歯ではこのような結合阻害は認められなかった (Org の結合率が約 18%( 雄性 ) 及び 24%( 雌性 ) とわずかに上昇した ). 53

54 ラット骨のミクロオートラジオグラフィー試験 INT , 雄性 Wistar ラットに [ 14 C]-Org を単回静脈内投与し, 投与後 1,21 及び 84 日における骨中の放射能局在について, 非脱灰大腿骨及び肩甲骨のミクロオートラジオグラフィーにより定性的に評価した. 代表的なデータを図 に示す. 8.6 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与した全 3 匹のラットにおいて, 肩甲骨及び大腿骨のいずれでも皮質骨の骨膜及び骨内膜又はその付近, 並びに骨梁の骨内膜又はその付近に放射能の局在を示す銀粒子の蓄積を示す帯が認められた. 骨端軟骨板, 及びその直近に最近形成された骨梁のほとんどには放射能の局在は認められなかった. [ 14 C]-Org 投与時に骨形成が活発であった部位又はその付近に, 放射能の局在を示す銀粒子が蓄積しており, その後形成された骨には放射能の局在はみられなかった. 骨切片から Org の結合部位が細胞であるか細胞外マトリックスであるかを特定する十分な詳細を得ることはできなかった. 皮質骨と骨梁の間で結合率及び結合部位に明白な差はなかった. 組織学的詳細は一部解明困難であったが, 骨形成は正常に継続していた. 54

55 肩甲骨 ( 低倍率 ) 肩甲骨 ( 高倍率 ) 骨髄 骨内膜 皮質骨 骨内膜 骨髄 骨膜 皮質骨 大腿骨 ( 低倍率 ) 大腿骨 ( 高倍率 ) 骨内膜 骨内膜 皮質骨 骨膜 骨髄 皮質骨 骨髄 大腿骨 ( 低倍率 ) 大腿骨 ( 高倍率 ) 骨端軟骨板 骨幹端 骨髄 骨幹端 骨髄 骨梁 骨梁 骨幹 骨幹 図 雄性ラットに 8.6 mg/kg の [ 14 C]-Org を単回静脈内投与後 21 日における肩甲骨及び大腿骨中の放射能分布 55

56 ラット単回投与胎盤通過試験 NL , 妊娠 Sprague Dawley ラットにおいて, 妊娠 10 もしくは 11 日, 又は 16 日に [ 14 C]-Org 又は [ 3 H]-ロクロニウムを単独で静脈内投与, あるいは [ 3 H]-ロクロニウム投与後に Org を静脈内投与したときの放射能の胎盤通過を検討した. ロクロニウムの投与量は, 筋弛緩作用が完全に現れない最高投与量である 0.3 mg/kg とした. Org の投与量は 20 又は 2 mg/kg とし, これらはそれぞれラット胚 胎児発生に関する試験 NL , で適用された低用量に等しいか又はロクロニウムに対する Org のモル比が 1.4 となる用量である. 試験デザインを表 に示す. 群 n 投与日 表 NL 試験のデザイン 投与量 (mg/kg) [ 3 H]- ロクロニウム [ 14 C]-Org Org 妊娠 11 日 - 20 a) 妊娠 16 日 - 20 a) 妊娠 10 日 0.3 b) 妊娠 16 日 0.3 b) 妊娠 10 日 0.3 b) - 2 c) 6 4 妊娠 16 日 0.3 b) - 2 c) -: 該当せず. a) 胚 胎児発生に関する試験 (NL ) における最低投与量と同一 b) ロクロニウムの筋弛緩作用が完全に現れない投与量 c) Org とロクロニウムのモル比が 1.4:1 Sprague Dawley ラットに対し, 妊娠 10 もしくは 11 日, 又は 16 日に約 20 mg/kg の [ 14 C]-Org 又は 0.3 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単独静脈内投与, あるいは 0.3 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを投与後 3 分以内に 2 mg/kg の Org を静脈内投与した. 結果を概要表 表 A に示す. 胎盤を通過して胚 胎児へと移行する [ 14 C]-Org 又は [ 3 H]-ロクロニウムの放射能は, いずれもわずかであった. 胚及び胎児中の放射能は初回サンプル採取時 ( 投与後 10 分 ) に検出された後, 徐々に減少した. すべての群で胎盤通過が認められ, 妊娠後期 ( 妊娠 16 日 ) より妊娠初期 ( 妊娠 10 又は 11 日 ) の方が高濃度で通過した. 胚 胎児に移行した Org 25969/ ロクロニウム包接体 ( 群 5 及び 6) の濃度はロクロニウム単独投与群 ( 群 3 及び 4) と同等であった. したがって,Org との包接によってロクロニウムの胎盤通過率は上昇するわけではない. 胚組織 / 母体血漿比に関しては, 妊娠 10 日では, ロクロニウム単独投与後 ( 群 3) の方がロクロニウム投与後に Org を投与した場合 ( 群 5) より高かった. このことから, ロクロニウムと Org の包接により胚に移行するロクロニウムの量が減少することが示唆された. 一方, 妊娠 16 日にはこのような差は認められなかった. 56

57 ラット単回及び反復投与胎盤通過及び胎児組織分布試験 INT , 妊娠 Sprague Dawley ラットに,[ 14 C]-Org を単回静脈内投与 ( 妊娠 20 日 ) 又は反復静脈内投与 ( 妊娠 16~20 日又は 6~20 日 ) し, 血漿, 血液及び胎盤中の放射能濃度を測定した. また, 胎児に関して, 屍体 ( 胎児全体 ), 各種組織及び血液中の放射能濃度を測定し,[ 14 C]-Org の胎盤通過性を検討した. 試験デザインを表 に示す. 群 n 表 INT 試験のデザイン [ 14 C]-Org 投与量 (mg/kg); 放射能投与量 (MBq/kg) 投与期間 ( 投与日 ) a) 試料採取時間 ( 時間 ) ; 日間 ( 妊娠 6~20 日 ) ;2.3 5 日間 ( 妊娠 16~20 日 ) ; 日間 ( 妊娠 6~20 日 ) 0, 2, 4, 6, 7, ;2.5 単回 ( 妊娠 20 日 ) ;2.3 単回 ( 妊娠 20 日 ) 1 いずれの群も母動物及び胎児から試料を採取した. a) 妊娠 20 日に試料採取 最終投与後 1 時間 ( 群 3 は投与後 0,2,4,6,7,24 時間 ) にラットを屠殺し, 母体血液 / 血漿, 子宮及び胎児を採取した. 最大 3 体の胎児から, 対応する胎盤及び羊水, 肝臓, 血液, 骨, 腎臓, 膀胱, 肺, 脳, 並びに屍体を採取した. 各組織及び体液を溶解し, 液体シンチレーション計数法により放射能を測定した. 胎盤通過及び胎児組織分布試験のデータから次の所見が得られた 表 B. 母体血液に比べて胎児コンパートメントからの [ 14 C]-Org の放射能消失速度は緩徐であった ( およそ 1/2). ほとんどの胎児組織について, 最初は胎児からの消失より胎児への胎盤通過の方が速いことを示す吸収ピークが認められた. ラットにおける Org の放射能の胎児への胎盤通過率はわずかであった ( 投与量 500 mg/kg では, 胎児で投与量の 0.096%, 子宮及び胎盤で投与量の 2.17%). すべての胎児又は母動物組織で 500 mg/kg より 30 mg/kg を投与した場合に平均放射能濃度 ( 投与量に対する %/ グラム組織 ) が高かったことから, 用量に対する直線性からの逸脱が示唆された. 反復投与に比べて単回投与では胎盤を除く組織 1 g あたりの胎児の平均放射能濃度が一貫して低かったことから, 反復投与時には胎児コンパートメントへの放射能蓄積が生じると考えられる. しかし,5 又は 15 日間の 1 日 1 回投与後に胎児組織濃度に差はなかったことから, 約 5 日間の 1 日 1 回投与後に定常状態に達することが示唆された. 放射能の分布は骨に比較的多く認められた. 胎児大腿骨には最も高濃度の放射能が含まれ, 大腿骨 1 g あたり投与量の最大 0.35%( 胎児骨 1 g あたり 0.45~0.6 mg) であった. 他のすべての胎児組織では,[ 14 C]-Org の放射能濃度は大幅に低く,500 mg/kg 投与後 15 日の胎児脳が最低であった ( 最大 0.7~1.8 µg/g). 母体及び胎児組織から, 分布した放射能が時間とともに消失することが確認された. 胎児の腎臓及び膀胱, 並びに羊水で放射能濃度が比較的高かった (4~8 µg/g) ことから, 妊娠終了時には胎児の腎排泄経路が重要な役割を果たすと考えられた. 57

58 ラット胎児全身オートラジオグラフィー試験 INT , 妊娠 Sprague Dawley ラットに 15 日間反復静脈内投与 ( 妊娠 6~20 日 ) したときの胎児における [ 14 C]-Org の組織分布を検討した. 本試験は前項 ( ) のラット胎盤通過試験のフォローアップとして実施し, 前項試験で残った胎児を用いて胎児組織への [ 14 C]-Org の分布の有無を定性的に検討した. 妊娠ラットに対して妊娠 6~20 日の 15 日間に 500 mg/kg/ 日の [ 14 C]-Org を 1 日 1 回静脈内投与した. 最終投与直前及び最終投与後 1,2,4,6 及び 24 時間 (1 時点あたり n = 1) に屠殺して胎児を摘出し, 正中線方向の切片 ( 厚さ 30 µm) を用いてオートラジオグラムを作成した. 図 ~ 図 に代表的なオートラジオグラムを示す. 胎児組織で検出された放射能は大部分が骨 ( 肋骨, 顎骨, 頭蓋骨, 椎骨, 脛骨, 腓骨など ) 及び排泄器官 ( 膀胱内容物及び消化管 ) に局在した. 泌尿器系及び消化管では投与後約 4 時間から放射能が検出された. 心臓, 脳又は肺などの重要器官系に放射能の蓄積は認められなかった. 定量的測定結果については 表 B,INT を参照のこと. 58

59 骨格筋 骨 肝臓 眼 脾臓 心臓 胃 頭蓋骨 肋骨 副腎 頭蓋骨 肋骨 腎臓 腎臓 肺 褐色脂肪 椎骨 脳 脊髄 椎骨 顎骨 胸腺 消化管 顎骨 右列にオートラジオグラムを, 左列には臓器位置を示すために対応する切片の写真を示した. 図 妊娠ラットに [ 14 C]-Org を 15 日間反復静脈内投与 ( 妊娠 6~20 日 ) したときの胎児全身オートラジオグラム ( 最終投与後 1 時間 ) 59

60 脾臓 腎臓 眼 脛骨 骨格筋 脛骨 脳 肋骨 副腎 肋骨 頭蓋骨 肝臓 頭蓋骨 褐色脂肪 肺 骨 膀胱 膀胱内容物 顎骨 胃 顎骨 椎骨 脊髄 椎骨 心臓 消化管 胸腺 右列にオートラジオグラムを, 左列には臓器位置を示すために対応する切片の写真を示した. 図 妊娠ラットに [ 14 C]-Org を 15 日間反復静脈内投与 ( 妊娠 6~20 日 ) したときの胎児全身オートラジオグラム ( 最終投与後 4 時間 ) 60

61 肋骨 脾臓 肋骨 肝臓 胃 肺 副腎 腎臓 心臓 骨格筋 褐色脂肪 骨 眼 脊髄 消化管 消化管 脳 椎骨 椎骨 頭蓋骨 胸腺 膀胱 頭蓋骨 膀胱内容物 顎骨 顎骨 右列にオートラジオグラムを, 左列には臓器位置を示すために対応する切片の写真を示した. 図 妊娠ラットに [ 14 C]-Org を 15 日間反復静脈内投与 ( 妊娠 6~20 日 ) したときの胎児全身オートラジオグラム ( 最終投与後 24 時間 ) 61

62 ウサギ単回投与胎盤通過試験 NL , NZW ウサギにおいて, 妊娠 10 日又は 17 日に [ 14 C]-Org 又は [ 3 H]-ロクロニウムを単独で静脈内投与, あるいは [ 3 H]-ロクロニウム投与後に Org を静脈内投与したときの放射能の胎盤通過を検討した. 試験デザインを下表に示す. 表 NL 試験のデザイン 群 n 投与日 投与量 (mg/kg); 放射能投与量 (MBq/kg) [ 3 H]- ロクロニウム [ 14 C]-Org Org 妊娠 10 日 - 20;1-2 5 妊娠 17 日 - 20;1-3 4 妊娠 10 日 0.02 a) ; 妊娠 17 日 0.02 a) ; 妊娠 10 日 0.02 a) ; b) 6 4 妊娠 17 日 0.02 a) ; b) a) ロクロニウムの筋弛緩作用が完全に現れない投与量 b) ロクロニウムの投与後 3 分以内に投与 試験結果を概要表 表 C に示す.NZW ウサギに対し, 妊娠 10 日又は 17 日に 20 mg/kg の [ 14 C]-Org 又は 0.02 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムを単独静脈内投与, あるいは 0.02 mg/kg の [ 3 H]-ロクロニウムの投与後 3 分以内に 0.2 mg/kg の Org を静脈内投与したところ, 胚 胎児への放射能 ([ 14 C]-Org 又は [ 3 H]-ロクロニウム ) の胎盤通過はいずれもわずかであった. 胚及び胎児中の放射能は, 初回サンプル採取時 ( 投与後 10 分 ) に低濃度で検出された後, 概して経時的に減少した. 妊娠 17 日に比べて妊娠 10 日に胚 / 胎児屍体の [ 14 C]-Org 濃度 ( 胚あたりの投与量に対する割合 ) が比較的高かった. 妊娠 10 日と妊娠 17 日で [ 3 H]-ロクロニウムの放射能濃度に差はなかった. 妊娠 10 日には, 群 3( ロクロニウム単独投与 ) の動物の胚放射能濃度が群 5( ロクロニウム投与後 Org 投与 ) よりわずかに低かった. これは妊娠 17 日には認められなかった. ロクロニウム単独の胎盤通過性が低いため, 本試験の限られたデータからの詳細な議論は困難ではあるものの,Org はロクロニウムの胎盤通過に大きな影響は及ぼさないと考えられた. 62

63 代謝 ( 動物種間の比較 ) Org の代謝については,in vitro におけるラット肝細胞試験, 並びにラット, イヌ, ヒトにおける単回投与排泄試験において試料を採取して検討した. 代謝分析を行った主な試料は, 培地 ( ラット肝細胞 ), 羊水 ( ラットのみ ), 血漿及び尿であった. ラットでは投与量の約 4~7% が糞中排泄されたことから ( 表 ), 糞の代謝分析も行った. イヌ及びヒトの糞中排泄率は 1% 未満であり ( 表 ), そのためこれらの種では糞試料の代謝分析は行わなかった In vitro におけるラット肝細胞への取り込みと代謝 NL , In vitro において用時採取雄性ラット肝細胞への [ 14 C]-Org の取り込みを検討した試験 ( ) で, 対照としてインキュベーション開始後 3 時間までの [ 14 C]-Org の安定性を検討した ( 反応温度 4 及び 37, 最終濃度 6 及び 100 µm). [ 14 C]-Org の放射化学的純度はすべての対照反応混合物について 90~95% であり, いずれの反応条件でも 180 分間安定していた. さらに, ラット肝細胞との 3 時間のインキュベーションで代謝物の生成も認められなかった In vivo における Wistar ラットの代謝分析及び代謝物同定 NL , mg/kg の [ 14 C]-Org を投与した排泄及び組織分布試験 ( 及び ) の一環として, 雄性及び雌性 Wistar ラットにおいて単回静脈内投与後の血漿, 尿及び糞試料の代謝分析を行った. 分析は放射能検出器付き HPLC により行い, 各サンプル中の放射性成分を HPLC-MS により同定した. ラットで分離された放射性代謝物は, その保持時間に基づいて M1~M8 との記号を割り当てたが, 全試料ですべての成分が検出されたわけではない. また, 一部の成分は痕跡程度の微量のみが認められた. 血漿ラット血漿試料の代表的なクロマトグラム ( 雄性, 投与後 25 分 ) を図 に, 検出された各放射性成分の抽出された総放射能に対する割合を表 に示す. 血漿中の主要成分はいずれの時点でも M8 であり,Org の未変化体と同時溶出していた. この成分の割合は 25 分後に雄性ラットで 59% 及び雌性ラットで 38% であり,1 時間後にはそれぞれ 83% 及び 80% であった ( 表 ). 微量成分である M6 及び M7 が認められ, それぞれ体の γ-シクロデキストリン類縁物質である類縁物質 E* 及び類縁物質 I* と同時溶出した. 未変化体 (Org 25969) 並びにこれら類縁物質の構造を図 に示す.M6 及び M7 の割合は両サンプル採取時点で同程度であり, それぞれ 9~15% 及び 10~25% であった.25 分後のサンプルでは, これら 3 つの成分以外に, 分離度が低く ( 溶出時間 :10~15 分 ) その割合が 1~8% である成分が 4 つ検出されたが,1 時間後のサンプルでは検出されなかった ( 表 ). 63

64 cps 400 ラット血漿 : 25 分 M4 M8 放射能 (cps) M3 M2 M5 M7 100 M min 時間 ( 分 ) 図 雄性 Wistar ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を静脈内投与後 25 分のプール血漿抽出液の HPLC ラジオクロマトグラム 表 Wistar ラットに 8 mg/kg の [ 14 C]-Org を静脈内投与したときの血漿中の [ 14 C]-Org とその他の放射性成分の放射能の割合 性別 雄 雌 試料採取放射能の割合 (%: 抽出された総放射能に対して ) 時間 M1 M2 M3 M4 M5 M6 a) M7 b) M8 c) Other d) 25 分 ND 時間 ND ND ND ND ND 分 ND 時間 ND ND ND ND ND 平均の保持時間 分 12.5 分 13.5 分 14 分 17 分 18 分 21 分 - ラット 3 匹からのプール試料を分析した. ND: 検出されず,-: 該当せず a) クロマトグラフ分析で類縁物質 E* と一致した. b) クロマトグラフ分析で類縁物質 I* と一致した. c) クロマトグラフ分析で未変化体 ([ 14 C]-Org 25969) と一致した. d) 観察されたピーク間で, 明確に分離された成分を伴わないもの. 64

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