7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察 * 南場芳文 * 小林俊博 * 武政誠一 * 友枝美樹 * 上杉雅之 * 宮本重範 Key words 経口糖尿

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1 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察 南場芳文 小林俊博 武政誠一 友枝美樹 上杉雅之 宮本重範 Key words 経口糖尿病治療薬リハビリテーションリスクマネージメント Ⅰ. はじめに 糖尿病とはインスリンの作用不足による慢性高血糖を主とする疾患である 1)-3) その患者数 は 2014 年度の厚生労働省の調査によると過去最高の 316 万 6000 人であり 20 歳以上の男性の 15.5% 同女性の 9.8% が糖尿病の有病者であることを示している 糖尿病有病者とは HbA1c 値 (NGSP, national glycohemoglobin standardization program 国際基準値 )6.5% 以上であるか すでに 糖尿病の治療を受けている人が該当する 糖尿病は 50 歳以上で増え始め 70 歳以上では男性の 22.3% 女性の 17.0% が糖尿病とされている 1) -4) 糖尿病はさまざまな重大疾患の基礎となり いわゆる糖尿病性神経症 糖尿病性網膜症 糖尿病性腎症の糖尿病性細小血管障害といわれる三大合併症だけでなく 比較的大きな血管に対しての機能障害や大血管障害にも影響を及ぼす 前者は血糖に左右され 後者は併存症としての高脂血症などと関係し 動脈硬化の形成を促し脳梗塞 狭心症 心筋梗塞や下肢の動脈症も発生させ 場合によっては四肢の切断にまで至る進行と悪化をもたらす程の全身の血管組織に対する破綻を惹起し さまざまな臓器への機能障害を発生させる代表的な基礎疾患とある これは理学療法の中心的な対象疾患である心臓循環器系 中枢神経系の疾患や運動器障害をもつ患者の併存症や介護予防対策をおこなっている高齢者の全般に糖尿病がかかわっている可能性があることを示唆している 1, 2, 糖尿病患の9 割を占める2 型糖尿病では 運動と食事療法による改善が得られない場合 5) 経口糖尿病治療薬 (Oral hypoglycemic agent 以下 OHA) による薬物療法が開始される 1, 2, 5) 現在 OHA は7 系統に分類され 特徴的な作用機序などで benefit( 主作用 ) と risk( 副作用 ) をもつ これは既往も含め糖尿病をもつケースの運動療法を中心としたリハビリテーションを遂行しなければならない理学療法士は 各 OHA の投薬情報から運動療法前からのリスクマネージメントとしての評価と考察をしておかなければならない 特に内服開始後まもない時期や シックデイ ( 体調不良による食欲不振時など ) 時の対応 低 神戸国際大学リハビリテーション学部理学療法学科

2 神戸国際大学紀要 第90号 血糖発作などで緊急対応を求められる場合に必要不可欠な知識である 1, 2, 5 9 表1は2014年度 われわれが臨床実習の報告書にあった 臨床で理学療法が実際に施行された ケースで使用していた薬剤をまとめ その中から OHA のみを抜粋し 今回の考察に用いた 表1 処方箋に記載のあった経口糖尿病治療薬の一覧 文献10 より引用および改変 DPP 4阻害薬 ビルダグリプチン酸塩水和物 エクア ビルダグリプチン アマリール SU 薬 グルメピリド BG 薬 ジャヌビア グリメピリド メトグルコ メトホルミン塩酸塩 α グルコシダーゼ阻害薬 ベイスン ボグリボーズ キネダック エパルレスタット 糖尿病性末梢神経障害治療薬 糖尿病を原因とする合併症治療薬であり 経口糖尿病治療薬ではない Ⅱ 経口糖尿病治療薬 OHA の特徴からみた適切な理学療法のリスクマネージメント 近年 OHA 薬の第一選択薬は 米国糖尿病学会 ADA 欧州糖尿病学会 EASD が合同で 発表した OHA のアルゴリズムでは2型糖尿病の第一選択薬としてメトホルミンが推奨されてい 1, 6, 7, 11 しかし 肥満度の比較的低い本邦の場合は 第一選択薬は個々の処方医の判断に委 る 1, 2, 4, 7 ねられている A ビグアナイド BG 薬 ビクアナイド Biguanide 以下 BG 薬は インスリン抵抗性が存在すると考えられる肥満 合併型の2型糖尿病治療薬に対する第一選択薬的な位置づけである 欧米では肥満のある糖尿病 患者の第一選択薬となっている さらに他の薬剤での効果が不十分の非肥満例にも有効であると されている 1, 3, 5, 6 BG 薬は 肝臓での糖新生を抑制する効果があり これは LKB1 Liver Kinase B1 AMP Adenosine Monophosphate キ ナ ー ゼ を 活 性 化 し PGC1- α peroxisome - proliferator activated receptor coactivator 1α の発現上昇を介してホスフェノーピルビン酸カルボキシナー ゼ phosphoenolpyruvat carboxykinase; PEPCK などの糖新生系酵素の発現抑制作用に影響 していることがわかってきた また 肝臓や骨格筋などにおいて 同様に AMP キナーゼを活性 化し 糖輸送担体4 GLUT4 の移送亢進や aceryl-coa carboxylase ACC のリン酸化を通 じ て 活 性 を 抑 制 し β 酸 化 を 亢 進 し SIRT1 Sirtuin 1 silent mating type information regulation 2 homolog 1 を介して PGC1- α PPAR - γ co-activator 1- α を活性化し イン スリン抵抗性を改善させ末梢での糖の取り込みを促進することが明らかになった 最近の研究で は 肝臓でのグルカゴン作用に拮抗し また ミトコンドリアでのグリセロールリン酸脱水素酵 素阻害作用で糖新生を抑制することがわかってきた このように BG 薬は血糖低下作用の他に 中性脂肪低下作用があり脂質改善作用や 代表的な BG 薬であり食事療法や運動療法での効果不全に対しても処方されるメトグルコ メトホルミ ン は 胃から分泌される食欲亢進作用をもつグレリンの抑制作用による食欲抑制や腸管の糖吸 南場芳文ほか④.indd /06/15 14:47:48

3 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察収抑制による血糖降下の作用をもつ メトグルコ ( メトホルミン ) は線溶系に関係し 糖尿病患者や肥満にて産生が上昇し 線溶系の機能低下の原因と考えられている PAI-1(plasmin activator inhibitor 1) の抑制作用があり 結果として血栓形成を助長の抑制や動脈硬化の予防を促進する作用ももつ 投与について注意されている禁忌や注意されている点は 致命的になる可能性がある乳酸アシドージスを起こしやすい呼吸不全 心不全 腎機能障害 肝硬変 大量のアルコール摂取者 ( アルコール依存症 ) 脱水症 重症感染症などである メトグルコ ( メトホルミン ) の場合 高齢者や軽度の腎障害 軽度 ~ 中等度の肝障害のあるケースは以前では禁忌であったが 現在は慎重投与に変更されている その他の副作用としては 食欲低下 腹部膨満感 嘔気嘔吐 悪心 下痢などの消化器症状 肝機能障害であり 投与開始時には少量から開始され 消化器症状がないことを確認しながら徐々に増量されていく また 何らかの検診や検査などで造影剤 ( ヨード造影剤 ) を使用しなければならないときには 検査の2 日前から服用を中止し 検査終了後に腎機能に問題がないことが確認されてから内服が再開される 単剤の使用では低血糖をきたす可能性はきわめて低い シックデイの場合 一時的に服薬を止め医師の受診を促す 嘔吐や下痢 食欲不振が顕著な場合 脱水症をおこしている可能性が否定できない 代表的な BG 薬にメトグルコ グリコラン メデット ( メトホルミン ) やジジベトス ジベトンS ( ブホルミン ) などがある 1, 5-8, 12-18) B) チアゾリジン (TZD) 薬チアゾリジン薬 (Thiazolidine 以下 TZD 薬 ) とは チアゾリジンジオン ( Thiazolidinedione) の誘導体で脂肪細胞の核内の転写調節因子である PPAR- γ(peroxisome proliferator activated receptor- γ) のアゴニストで 脂肪細胞の分化を促進する TZD 薬が作用すると前駆脂肪体は小型脂肪体に分化し 大型脂肪細胞にアポトーシス ( プログラムされた細胞死 ) を引き起こす ヒトでは TNF- α(tumor necrosis factor - α) の産生を抑制してインスリン抵抗性が改善すると考えられている その他の機序として PAI-1(plasminogen activator inhibitor - 1) の発現抑制があり 動脈硬化などに効果があるとされている TZD 薬は食事療法 運動療法では効果が十分でなく インスリン抵抗性があるような2 型糖尿病で BMI が24Kg/m 2 以上 空腹時 IRI( インスリン ) 値が5μ U/mL 以上 インスリン抵抗性をあらわす HOMA-IR 値が高値となる場合や SU 薬 α GI 薬でコントロールが不十分でインスリン抵抗性があるような場合に適応となっている インスリンの分泌促進作用はないので単独投与で低血糖の危険性は少ないが SU 薬との併用では低血糖に注意が必要である また 水分や Na の貯留作用があるために体重が増加しやすく その傾向は SU 薬を併用する女性に高い また 他の OHA やインスリンとも併用が可能であるが インスリンとの併用では浮腫が起こりやすい よって 少ない量から徐々に投薬開始され 浮腫が強い場合にはフロセミドなどの利尿薬を使用される また 心機能低下状態のあるケースには心不全の進行が認められ 心不全やその既往のある患者には禁忌となっている 狭心症 心筋梗塞 心筋症 高血圧性心疾患には慎重投与となっている その他 膀胱がんとの関係が指摘され使用が制限されていたり 海外の臨床試験では女性の骨折の発生頻度が高まるということが指摘されている 糖尿病の新規発生の抑制や冠動脈プラークの進展抑制や LDH( 乳酸脱水素酵素 ) いわゆる善玉コレステロールである HDL-C(High

4 神戸国際大学紀要 第 90 号 Density Lipoprotein Cholestrol) の上昇 CPK(Creatine Phosphokinase) の上昇 TG (Triglycerides) の低下などの血糖低下作用以外の作用があるとして報告されている 1, 2, 5-8) なお 海外での臨床試験の結果ではあるが 副作用による在宅での ( 転倒 ) 骨折が多く発生する傾向にある 理学療法士は服薬のいかんにかかわらず 適宜評価を行い 転倒予防は常に行わなければならない 1, 3, 5) SU 薬やインスリン製剤との併用の際には低血糖を比較的おこしやすいので運動療法施行の前後の患者の様子や 低血糖発作時の対応を準備しておく必要がある 1, 3, 5-7, 8) 副作用である浮腫の発生にも注意し 体重測定のみでなく日々の四肢周径の計測や運動前中後の心拍数や循環動態の変化を詳細に記録しておくとよい TZD 薬の代表的な先発医薬品としてはアクトス ( ピオグリタゾン ) がある 1, 3, 5-8) C) スルホニルウレア (SU) 薬スルホニルウレア (Ssulfonylurea 以下 SU 薬 ) は OHA の中で最も古くから使用されているものの1つで現在は第 3 世代のまで登場している SU 薬は膵臓のβ 細胞膜にある SU 受容体 (SUR1) と結合し ATP 感受性チャンネルである K ATP チャンネルを閉鎖しβ 細胞の脱分極をおこし 電位依存性 Ca チャンネルより細胞外 Ca が流入することにより ブドウ糖の生理的なインスリン分泌作用が増幅され 血中ブドウ糖の上昇がなくてもインスリン分泌を促す このように服用後の短時間でインスリンの分泌を開始し 血糖の降下作用が起こる 食事療法 運動療法によっても良好な血糖コントロールが得られない インスリン非依存性のケース ( 内因性インスリ 1, 5-8, 16) ン分泌能が残っている場合 ) に対し SU 薬は適応されている また糖尿病患者で肥満 (BMI25 以上 ) を放置したまま SU 薬で高血糖に対する薬物療法のみを行うと肥満が助長されてしまう これは肥満者では増大するインスリン抵抗性に対して 代償的なインスリン分泌の増加が生じ β 細胞量が増加する しかし高血糖状態が持続するケースだと相対的にβ 細胞量が減少してしまう このように肥満の2 型糖尿病を肥満のまま あるいは高血糖のままで放置することは更に病態を悪化させるので 生活習慣を積極的に改善し 体重の減量か 若しくは増加させないようにしてインスリン抵抗性の改善を行いながら血糖コントロールを良好にすることが必要であり インスリン抵抗性の強いケースの処方には注意を要する 1, 5-8, 15-16) SU 薬には特徴的な低血糖をおこしやすいというリスクがある これは血糖値の如何にかかわらずインスリンを分泌させ その作用が強力かつ長時間時に及ぶ主作用そのものの特徴のためである 内服が1 日に1~2 回でよいというアドヒアランスの良さはメリットではあるが 逆に言えば 作用時間が長いという意味でもある よって 食後の血糖値を下げたい時間帯以外の食前や夜間などの血糖値を下げてしまうことが起こったり さらに高齢者や腎機能の軽度低下例にては3~4 日遷延する重篤な低血糖を引き起こすという報告もある また HbA1c をみると改善はしているが 自覚のない低血糖もありグルコース スィング ( 血糖のゆらぎ ) が大きく 低血糖 ( 昏睡 ) のリスクや心血管イベントを含めた動脈硬化の増悪なども起こしてしまう可能性や無自覚性低血糖時の致死的不整脈のリスクもある よって高齢者 腎機能低下例 虚血性心疾患例には使用されていない 同様に高齢者にはもっとも強力な SU 薬であるオイグルコン ( グリベンクラミド ) は使用禁であり 使用する場合でも第 4 選択肢以降とされ グリミクロン ( グリクラ 1, 5-8, 16) ジド ) またはアマリール ( グリメピリド ) の最少量から開始される その他 処方する医師には SU 薬の投薬に後述の DPP-4 阻害薬 ( あるいは GLP-1 受容体作動薬 ) や SGLT2 阻害薬を追加する場合はガイドラインなどに沿った細かなリコメンデーション ( 勧

5 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察 め ) があり SU 薬の減量の方法などの詳細が示され慎重に扱われている また 同薬のリスクに体重の増加がある SU 薬を単独の投与だけでなく TZD 薬やインスリン 療法と併用した場合 患者の血糖変動は全体に低くなる このため低血糖傾向が強くなった時に現れる空腹感によって食事量や間食が増えたり インスリンの糖の取り込み以外の作用である脂 1, 5-8, 16) 肪合成を高める効果があるため体重は増加しやすくなる このため理学療法士は食事療法の確実な理解と実施の支援や運動療法の継続に関する指導や体重 周径の計測などを定期的に行うことは重要である 本人や家族には 食事を食べていない ( 食べれない ) 際には 薬を飲まない と伝え 複数の薬が同一に梱包されている場合には 医師や薬剤師 看護師に内容や剤形の予め確認と問い合わせのルートの確保をしておくとよい 万が一 SU 薬の内服での低血糖発作時の対処は院内にあるブドウ糖や携行や在宅での糖分を多く含むものを直ちに摂取させることが重要である なお 低血糖の予防が第一であるため 患者との低血糖予防に対する話し合いや発作発現前の症状の確認もおこなっておくとよい 低血糖を経験したことのある患者は 震え 動悸 冷汗 腹痛 欠伸 眠気など発作の予兆的な症状を知り得ている場合が多く それらを確認しておくことは非常に重要なリスクマネージメントである 1, 5-8, 12-18) D) 速効型インスリン分泌促進薬 : グリニド薬グリニド (Glinide) 薬は SU 薬と同様に インスリン分泌を促す薬剤である 作用の発現までの時間は早く かつ作用期間は短いためトータルな血糖降下力という面では SU 薬に比べて劣るが 耐糖能異常を含む2 型糖尿病に特徴的であるインスリン追加分泌の遅延や低下に介入し その分泌パターンを改善することのできる OHA である また 大血管障害の合併症や高齢者糖尿病が増えたことにより SU 薬とはことなった治療の目的 意義をもつようになってきたといわれ 1, 5, -8, 16) ている薬剤である グリニド薬は SU 薬に特徴的なスルホニル (SU) 基はもたないが SU 受容体に作用する 内服後の約 5~10 分で膵 β 細胞の K ATP チャンネルの SU 受容体である SUR1 受容体への選択性が極めて高く 数秒間のみ結合し直接に作用し 本来のブドウ糖による生理的なインスリン分泌を再現 増幅させることにより インスリンが分泌されるため2 型糖尿病の患者に欠落している急峻な追加分泌を再現できるためグルコース スィングも抑制できる グリニド薬の内服法の最大の特徴は 食事前に内服しておかなければならないことである なお 食事が摂れない場合に内服してしまってもインスリン分泌量は前述の作用のため低血糖の心配は少ない このように食後高血糖が抑えられるため動脈硬化の進展の予防の可能性もあると示唆されている 1, 5, -8, 16) また ブドウ糖の存在下では より強くインスリン分泌を促進する グリニド薬は膵 β 細胞以外の K ATP チャンネル (SUR2A 2B) にはほとんど作用せず IPC(Ischemic Preconditioning) を阻害しないので心血管疾患合併症患者にも安全である インクレチンの増幅には作用しない 5-8, 16) 重症な低血糖がきわめて少ないことと グリニド薬は心筋虚血を合併した糖尿病患者にも使用が可能であるが シュアポスト ( レパグリニド ) は血糖低下作用がやや強いので 日々の患者の状態を観察し 低血糖の予防には注意が必要である なお SU 薬とグリニド薬は作用機序が重なるため併用は不可である 5, -8, 16) 現在使用できるグリニド薬はファスティクス やスターシス ( ナテグリニド ) グルファスト

6 神戸国際大学紀要 第 90 号 ( ミチグリニド ) 2011 年からシュアポスト ( レパグリニド ) の 3 剤である 前者の 2 剤が SUR1 の SU 基に結合するのに対し 後者の 1 剤のみが SUR1 のベンズアミド基に結合する 3 剤とも基本的には肝臓での代謝であり 腎機能低下例にも慎重使用ではあるが使用が可能となっている しかし ファスティクス やスターシス ( ナテグリニド ) の代謝産物 (M1) は血糖低下作用をもち 腎不全のケースでは遷延性低血糖を引き起こす危険性があると指摘され 透析患者には禁忌であり 腎不全患者にも使用すべきでないとされている シュアポスト ( レパグリニド ) は もっとも血糖降下作用の強力で食後血糖だけでなく HbA1c を最もよく改善し食前血糖の改善にも有効性をもつグリニド薬である 一方 先行のファスティクス やグルファスト と比較して 作用時間が長いこと グルカゴン分泌刺激が少ないことにより 低血糖の発生が増加する可能性があるともされている 以上のようにグリニド薬の最大のメリットは インスリンの追加分泌不全を改善し食後の過血糖を改善すること 条件によっては低血糖昏睡も生じうる報告はあるが 重症低血糖を比較的起 5-8, 16) しにくいことである 他の OHA と併用によるリスクの増大などへの対応が必要である 代表的な薬剤は商品名では前述の4 剤である 1, 5-8, 12, 16) なお IPC(Ischemic preconditioning) とは 心筋細胞を壊死させない程度の短時間の虚血と再還流を数回繰り返すと その虚血耐性が増強する現象である また 虚血前に薬物を投与することにより虚血性プレコンディショニング効果と同じ様に障害を軽減する現象を薬理学的プレコンディショニング作用 (PPC Pharmacologicalpreconditioning) という 5) E)DPP-4 阻害薬 DPP-4( dipeptidyl peptidase Ⅳ) 阻害薬は 現在までに7 剤が承認され 年齢 性別 肥満度 ( やせの程度も含む ) 罹患年数 合併症の有無に左右されず 一般に安全性が高いとされる 低血糖などの副作用はインスリン製剤や SU 薬などのインスリン分泌促進薬との併用で発現することがあり この場合 SU 薬の減量などによって安全性が保たれている 食事を摂ると ( 栄養物質の刺激 ) 小腸上部粘膜のK 細胞からは GIP(glucose-dependent inslinotropic polyeptide) が 小腸下部の粘膜のL 細胞からは GLP-1(glucagon-like peptide-1) という現在確認されている2つのインクレチン (incretin) が分泌される 両者とも膵臓のβ 細胞に作用しインスリン分泌を促進する 一方 生体内にて GIP と GLP-1は それらの分解酵素である DPP-4によって分解され 不活性化されてしまう DPP-4 阻害薬は この DPP-4を選択的に阻害することによって内因性のインクレチン濃度を高くする インクレチンの作用は膵臓のβ 細胞からのインスリン分泌を増加させ 血中の糖を筋などへの取り込みを促進し 血糖を低下させる また同時に 膵臓のα 細胞から分泌されるグルカゴンの分泌を抑制する グルカゴン (glucagon) は肝臓に作用し血液中への糖の放出を促進し 血糖値を上昇させる働きがある よって DPP-4 阻害薬はこれらのインクレチン作用の持続性を保持し 高める なお インクレチンの作用は血糖依存性であり 血糖値が基準値程度にコントロールされている際には働かない特性をもつ DPP-4とは ペプチド結合を切断する酵素の1つである 類縁のものとして DPP-8や DPP-9があるが それらは阻害せずに DPP-4 阻害薬は DPP-4への選択性が高く 作用の安全性は高いとされている DPP-4 阻害活性の持続性により1 日 1~2 回の服用で効果があり グルコース スィ

7 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察ングを抑え 血糖全体を終日低下させる 慎重投与のケースもあるが他剤との併用が可能である 高インスリン血症や食欲亢進を伴わないために肥満 ( 体重過多 ) になりにくい 腎機能低下がある高齢者などでは慎重な投与が行われている 服薬上の利点としては 食事時間に関係なく食前食後のいずれの内服が可能であり 1 日 1 回 ないし2 回の服用回数で済み 飲み忘れやその残薬が少なくアドヒアランスが高い リスクは 便秘症が主であり 以前に指摘されていた膵臓疾患 感染症などについて現在は否定され 関節リウマチ 皮膚炎 間質性肺炎などの免疫にかかわる副作用も自然発生の頻度との差は明らかになっていない 腎機能障害や進行した合併症があってもそれだけでは禁忌にはならない 初回の運動療法などの開始前に SU 薬やインスリンなど他薬剤の使用の有無などを確認しておく 代表的な薬剤には 内服が1 日 1 回でよいものには グラクティブ ジャヌビア ネシーナ トラゼンタ テネリア オングリザ はアドヒアランスに優れ 1 日 1 回の他の服用薬との併用に利便性が高く 高齢者や認知機能が低下したケースにも処方しやすい 1 日に2 回のものには エクア スイニー があり 1 日回の場合より効果が現れやすいとされ また 1 日複数回の服用薬との併用に利便性が高い 1, 5-8, 12-16) F)α-グルコシダーゼ阻害 (α GI) 薬 α-グルコシダーゼ (α -glucosidase) とは 口から摂取した炭水化物 ( 白米 パンなど ) が唾液や膵液中のアミラーゼにより二糖類へ分解された後 小腸へ到達し 小腸上皮で この二糖類の2つの糖の分子間を繋ぐグルコシド結合を加水分解し グルコースやフルクトースなどの単糖類に分解し吸収可能な状態にする二糖類水解酵素のことである 小腸上部での二糖類の分解を阻害し 糖類が小腸下部を含め 小腸全体で吸収させることによって 通常よりゆっくりと時間をかけて糖を体内へ取り込むような作用を発揮するのがαグルコシダーゼ阻害薬 (α -GI) である 1, 2, 5, -8, 16) 糖尿病では 血糖上昇に対してインスリン分泌のタイミングが遅れているため α -GI 薬によって糖質の分解と吸収が遅延すると 血糖上昇とインスリン分泌のタイミングがより適切化され 食後の過血糖が抑制される この特性は空腹時血糖がさほど高くなく 食後に高血糖となる軽症 2 型糖尿病に単独で使用され 食事による血糖の急激な上昇を是正し 食後血糖のピークを低下させる作用をもつ また SU 薬やインスリン治療をおこなっているケースでも食後高血糖の著しいものに対してα -GI 薬との併用は効果を示す α -GI 薬の服用に関する重要な点として食事開始直前か開始と同時に内服しなければならないことも忘れてはならない 臨床で経験するグルコバイ ( アカルボース ) は α-アミラーゼ阻害作用と二糖類分解酵素の阻害作用の両方をもち ベイズン ( ボグリボース ) 及びセイブル ( ミグリトール ) は 二糖類分解酵素の阻害作用のみをもっている 主な副作用は 腹痛 腹部膨満感 下痢 放屁の増加などであり 高齢者や腹部手術歴を有するケースには腸閉塞をおこす可能性や似た症状をおこすことがあるので注意が促されている α -GI 薬の単独の使用では低血糖をおこすことは無いとされているが SU 薬や速効型インスリン分泌促進薬との併用者には低血糖に注意する 低血糖を起した場合には ブドウ糖の経口摂取か ブドウ糖の入った飲料を飲ませる α -GI 薬を内服している患者は 処方時にブドウ糖もあわせて受け取っている場合があり 在宅リハビリなどでは 患者自身にブドウ糖の保管場所を確認し

8 神戸国際大学紀要 第 90 号ておく 院内では薬剤課にブドウ糖が保管されており医師や薬剤師へ緊急対応時の協力や連絡方法を確認しておくとよい また ブドウ糖などが直ちに手に入らない場合もあるため 在宅リハビリ時の緊急対応として 清涼飲料水であるファンタ リポビタンD などの携行と緊急回避への使用は必要である 低血糖の発作があった場合に 仮に単糖類が手元に無くても まずは糖分を摂らせることが肝心である 代表的な薬剤にグルコバイ ( アカルボース ) ベイズン ( ボグリボース ) セイブル ( ミグリトール ) がある 1, 5-8, 12-18) G)SGLT2 阻害薬 SGLT(sodium glucose co-transporter ナトリウム グルコース共役輸送体) は 身体内のさまざまな内臓器 骨格筋 心筋などに存在し細胞内にグルコース ( ブドウ糖 ) やナトリウムを取り込む役わりを有するタンパク質のことで さまざまなサブタイプがある SGLT2は腎臓の近位尿細管の中でも腎糸球体に近い部位に SGLT1は遠い位置に局在し それぞれ原尿中のグルコースを再吸収する働きをもち 近位尿細管での再吸収の90% は SGLT2が 残りの10% を SGLT1が担っている 健常者では原尿中の糖は SGLT2によって再吸収されるため 尿中には糖は排出されない しかし 高血糖により SGLT2の再吸収能を超過した分のグルコースは尿糖として排泄されてしまう この糖を体外に排泄は高血糖状態を緩和させる これが糖尿病の名前の由来にもなっている尿に糖が混じる症状の原因である SGLT2( sodium glucose co-transporter 2 ) 阻害薬とは2014 年 17 日に わが国で最初に承認された比較的新しいⅡ 型糖尿病の OHA である SGLT2による近位尿細管での糖の再吸収を阻害することにより尿糖の排泄を促進し血中の糖を低下させるための薬剤である この薬剤は 健常者が使用し場合では50~60g/ 日程度の糖が尿中に排泄される より血糖値が高い糖尿病患者では原尿中の糖も増加しおり また 尿細管上皮の SGLT2 発現量も増加しているため糖の再吸収能が高まっており より高血糖状態を脱せず維持してしまう原因の1つになっている 1)2)5)-8)16) したがって 糖尿病患者への SGLT2 阻害薬によって健常者への効果より多くの糖 (100g/ 日程度 ) が排出され 約 1% の HbA1c を低下させる改善効果がある このとは血糖コントロールの悪いケースほど血糖改善効果が高くあらわれ 空腹時血糖値も50~70mg/dl 程度低下する 1-3, 5-7, 15, 16) また 経口摂取された糖質の一部が体内で利用されることなく尿中に排出されるため 摂取した食事のカロリーを失わす効果となり 半年で約 3Kg の減量効果が期待できる 内臓脂肪に対する効果としては 糖尿病患者に SGLT2 阻害薬を使用すると100g/ 日程度のブドウ糖が尿中に排出される これは約 400Kcal のカロリーの損失となるため体重減少につながる 糖が身体活動のエネルギー源として利用できなくなった場合 その代替のエネルギーは まず 内臓脂肪から消費されるため肥満症では内臓脂肪が減少し 同時にインスリン抵抗性も向上する このようなメタボリックシンドロームの改善効果 ( 中性脂肪の減少と HDL コレステロールの上昇 ) や尿酸低下効果なども認められる 一方 脂肪分解を促進するためケトン体の産生が急速に増加することがあり このためインスリン作用が不十分なケースではケトアシドーシスのリスクを高めることがあり日々の観察や教育に注意が必要である 一方 脂肪組織が少ない痩せ型の糖尿病患者では筋内のアミノ酸が糖新生のための代替エネル

9 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察ギーとして使用され 筋量が減少する危険性もあるとされ SGLT2 阻害薬を使用している痩せ型のケースへの筋力維持増強中には 医師や薬剤師に確認をしておくことや 筋量 ( 筋力 ) 増強の効果が適切に出ているかそうでないか リハビリテーション開始前から ハンドダイナモメーターや MMT などの筋力測定の実施もだが 定期的に体肢の周径の測定を行い絶対筋力を把握し 処方医師や薬剤師にフィードバックすることも重要である 同様に栄養障害のあるケースにも運動療法の可否や質 量も含めてカンファレンスを行いコンセンサスやアドヒアランスの向上につなげるべきである SGLT2 阻害薬は血液中の糖を尿中に排出し インスリンの作用を介さずに血糖値を下げる作用をもち血糖の低下は糖毒性を低下させることで間接的にβ 細胞を保護する SGLT2 阻害薬は血中のインスリンを下げながら 同時に血糖を効果的に低下させる SGLT2 阻害薬はインスリン分泌を増やさないため 単独使用では低血糖発作が起きにくいとされる また SGLT2 阻害薬は既存の全ての経口糖尿病治療薬とインスリン製剤との併用効果が認められているが インスリン製剤 ( 注射 ) や SU 薬などのインスリン分泌促進薬と併用する場合は低血糖に注意しなければならい 低血糖は高齢患者のみにではなく 比較的若年者にも発生している報告がある 1, 5-8, 12, 15, 16 ) 尿糖の排泄量は 糸球体のろ過量 ( 腎機能 ) に依存するため SGLT2 阻害薬は腎機能が低下すると効果を発揮することができない 腎機能の指標である egfr が60ml/min 未満になると効果は約半分になり 45ml/min 未満となると HbA1c 低下の効果はみられなくなる したがって腎機能の低下したケースには SGLT2 阻害薬の効果は期待しにくい このように SGLT2 阻害薬は高血糖の場合にはより多くの糖が排泄される血糖値依存性と腎機能への依存性がある SGLT2 阻害薬は尿糖排泄に伴い浸透圧利尿をおこしてしまうため 多尿 頻尿や口渇 動悸などの脱水症状を認めることがある 脱水は脳梗塞や熱中症の発祥の危険性を高くするため 在宅リハビリ患者やそのご家族への説明や注意喚起 運動療法中の留意を必要とする なお SGLT2 阻害薬で増える尿量は約 500ml とされ 500ml のペットボトル1 本分 多い飲水を指導したいが 極端に多く水分を補給してしまうと循環器などに負荷がかかることも理解を促す必要がある 尿糖により易尿路感染症などになりやすいため性器周囲の清潔の維持も促す 1, 2, 5, 15, 16) 患者によっては SGLT2 阻害薬の服用だけでのカロリーロスの効果があるため 運動療法が軽視される傾向があるという SGLT2 阻害薬を投与したとしても食事療法や運動療法は ただ減量だけを目的としたものではなく 耐糖能の向上 ( 体質の改善 ) や運動習慣の確立 ( 生活習慣の改善 ) などのために行っていることを繰り返し患者に教育する必要があり 運動療法 食事療法 薬物療法のバランスの取れた治療を推進しなければならない 代表的な治療薬としてはスーグラ ( イプラグリフロジンL-プロリン ) フォシーガ ( ダパプリフロジンプロピレングリコール水和物 ) ルセフィ ( ルセオグリフロジン水和物 ) アプルウェイ デベルザ ( トホグリフロジン水和物 ) カナグル ( カナグリフロジン水和物 ) などがある 1, 5-8, 12-18) H) 配合薬配合薬とは 合剤 やコンパウンド ドラッグス (compound drugs) ともよばれ 数種類の薬物が1つの薬剤に配合されたものを意味する 複数の薬物を混ぜることによって 単剤の併用療法よりも効果を強化したり 持続時間を長くしたり リスクを低下させたりすることができる もちろん 服薬する薬剤の種類や錠数が低減し患者のアドヒアランスが向上する OHA の配合剤は表 Xのようにメタクト配合錠 ソニアス配合錠 リオベル配合錠 グ

10 神戸国際大学紀要 第 90 号 ルベス配合錠 の 4 種類が発売されている これらは 2 型糖脳病の第一選択薬としては使用され ない ( 表 2) 1, 5-8, 12-16) 表 2 代表的な経口糖尿病治療薬の配合薬の一覧 ( 文献 1) より引用および改変 ) 商品名 ( 主なもの ) メタクト配合錠 LD/HD ソニアス配合錠 LD/HD リオベル配合錠 LD/HD グルベス配合錠 一般名ピオグリタゾン塩酸塩 (Pio)/ メトホルミン塩酸塩 (Met) ピオグリタゾン塩酸塩 (Pio)/ グリメピリド (Gli) アログリプチン安息香酸塩 (Alo)/ ピオグリタゾン塩酸塩 (Pio) ミチグリニドカルシウム水和物 (Mit)/ ボグリボース Ⅲ まとめ糖尿病とは 膵臓のランゲルハンス島 β 細胞で生成され分泌されるインスリンの作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝性疾患群である 日本人の多くはインスリンの分泌低下やインスリン抵抗性をきたす要因を含む複数の遺伝因子に過食 ( 特に 高脂肪食 ) 運動不足 肥満 ストレスなどの環境因子と加齢が加わり発症する2 型糖尿病で 全体の9 割を占める インスリン非依存型とも呼ばれる それに対して1 型糖尿病とは膵臓のランゲルハンス島の破壊と消失によるインスリン作用不足の主な原因とする病態のものである インスリン依存型とも呼ばれる 2 型糖尿病でインスリン非依存性の場合で 2~3ヶ月間の食事療法 運動療法を行い それでも良好な血糖コントロールが得られない場合にはじめて OHA による治療が開始される ただし 食事療法 運動療法を実践しているのにもかかわらず血糖が改善しない場合には早期からの血糖降下薬の使用が開始され HbA1c(NGSP)7.0% 以上が続いても血糖降下薬の使用が行われる 1, 5-7, 15) 血糖降下薬は 合併症抑制のエビデンス 病態に適した作用機序 禁忌でないことを考慮されて選択され 患者の同意の下に開始される 欧米では 特に肥満者の第一選択薬に BG 薬が用いられているが わが国では個々のケースに対して総合的な判断により第一選択薬が選ばれている HbA1c の改善を指標とした血糖改善効果は 欧米では SU 薬 TZD 薬 BG 薬がほぼ同等であり ナテグリニド ( 速効型分泌促進薬 ) とα -GI 薬ではやや弱いと判断されている 欧米人と比較し インスリン分泌低下の影響が大きい日本人においては SU 薬の HbA1c 改善効果を期待して汎用されている 空腹時に比べて食後血糖値の改善作用が強い OHA は速効型分泌促進薬 α -GI 1, 2, 薬 DPP-4 阻害薬があり 注射薬である GLP-1 受容体作動薬も同様の効果が認められている 5-8) また 今回の調査では7 種類ある OHA のうち 4 種類の処方が確認された それらは DPP-4 阻害薬ジャヌビア ( ビルダグリプチン酸塩水和物 ) エクア ( ビルダグリプチン )SU 薬アマリール グルメピリド ( グリメピリド )BG 薬メトグルコ ( メトホルミン塩酸塩 )α-グルコシダーゼ阻害薬ベイスン ( ボグリボーズ ) であった

11 7 系統ある経口糖尿病治療薬 (OHA) のそれぞれのリハビリテーションにおけるリスクの考察 参考文献 1) 一般社団法人日本糖尿病研究会編 (2014) 糖尿病治療ガイド 文光堂 ページ 2) 日本糖尿病協会編 (2014) 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 南江堂 ページ 3) アメリカ糖尿病協会編 (2000) 糖尿病コンプリートガイド 医歯薬出版 5-24ページ 4) 糖尿病ネットワーク (2016) 糖尿病患者数が過去最多の316 万人超に増加 2014 年患者調査 dm-net.co.jp/(2016 年 3 月 10 日アクセス ) 5) 岩岡秀明 (2015) 糖尿病診療ハンドブック 中外医学社 ページ 6) 浦部昌夫 (2016) 今日の治療薬 2016 南江堂 ページ 7) 高久史麿 (2015) 治療薬ハンドブック2015 ( 株 ) じほう ページ 8) 龍原徹 (2016) ポケット医薬品集 2016 年度版 白文舎 ページ 9) 細田多穂 (1998) 理学療法ハンドブック ケーススタディ 協同医書出版 ページ 10) 南場芳文, 友枝美樹, 武政誠一, 他 (2010) 薬物療法と理学療法リスクマネージメント 神戸国際大学紀要 第 87 号 71-79ページ 11) 糖尿病トライアルベータベース (2016) 第 9 回国際糖尿病連合西太平洋地区会議 (IDF-WPR)/ 第 4 回アジア糖尿病学会 (AASD) 学術集会 年 3 月 16 日アクセス ) 12) 鯨津吾一 (2014) フィジカルアセスメント完全攻略 Book 彗文社 ) 宮野佐年 (1998) リハビリテーションにおける薬物療法ガイド 医師薬出版 ページ 14) 上野正博 (2010) リハビリスタッフに求められる薬 栄養 運動の知識内部障害ケアのために 南江堂 ページ 15) 医療情報科学研究所 (2015) 病気がみえる vol.3 糖尿病 代謝 内分泌第 4 版 メデッィクメディア ページ 16) 医療情報科学研究所 (2015) 薬がみえる vol2 メデッィクメディア 10-44ページ 17) 清野弘明 (2004) 実践糖尿病運動療法 診断と治療者 41-76ページ 18) 板倉光夫 (2000) 糖尿病テキスト正しい知識と食事療法の実際 南江堂 56-67ページ

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