アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 2 用語及び略語一覧 ADME absorption, distribution, metabolism and excretion 吸収 分布 代謝及び排泄 ALP alkaline phosphatase アルカリフォスファターゼ ALT

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1 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 1 CTD 第 2 部 2.4 非臨床試験の概括評価 ブリストル マイヤーズ株式会社

2 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 2 用語及び略語一覧 ADME absorption, distribution, metabolism and excretion 吸収 分布 代謝及び排泄 ALP alkaline phosphatase アルカリフォスファターゼ ALT alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ ASV asunaprevir, BMS アスナプレビル AUC area under the plasma concentration-time curve 血漿中濃度曲線下面積 BCRP breast cancer resistance protein 乳癌耐性蛋白 BDC bile duct-cannulated 胆管カニューレ挿入 BID twice daily 1 日 2 回 BMS NS3 protease inhibitor, asunaprevir, ASV NS3 阻害薬 アスナプレビル BMS NS5A inhibitor, daclatasvir, DCV NS5A 阻害薬 ダクラタスビル BSEP bile salt export pump 胆汁酸塩輸送ポンプ BVDV bovine viral diarrhea virus ウシウイルス性下痢ウイルス CC 50 50% cytotoxic concentration 50% 細胞毒性濃度 cdna complementary DNA 相補的デオキシリボ核酸 CHO Chinese hamster ovary チャイニーズハムスター卵巣 Cmax highest observed plasma concentration 最高血漿中濃度 CYP cytochrome P450 チトクローム P450 DCV daclatasvir, BMS ダクラタスビル EC 50 50% effective concentration 50% 有効濃度 FDA Food and Drug Administration 米国食品医薬品局 F0 founder generation 親世代 F1 first generation 第 1 世代 GBV GB virus GB ウイルス GGT gamma glutamyltransferase γ- グルタミルトランスフェラーゼ GLP Good laboratory practice 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準 GSH glutathione グルタチオン HCoV Human corona virus ヒトコロナウイルス HCV hepatitis C virus C 型肝炎ウイルス herg human ether-a-go-go-related gene ヒト ether-a-go-go 関連遺伝子 HIV human immunodeficiency virus ヒト免疫不全ウイルス HRV human rhinovirus ヒトライノウイルス IC 50 concentration that causes 50% inhibition 50% 阻害濃度 ICH International conference on harmonization 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 IFN-α interferon-alfa インターフェロン α IKr LC-MS/MS rapidly activating, delayed rectifier cardiac potassium current liquid chromatography with tandem mass spectrometry 急速活性化遅延整流カリウム電流 液体クロマトグラフィー タンデム質量分析

3 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 3 MCH mean corpuscular hemoglobin 平均赤血球ヘモグロビン量 MCHC mean corpuscular hemoglobin concentration 平均赤血球ヘモグロビン濃度 MCV mean corpuscular volume 平均赤血球容積 MRP multidrug resistance protein 多剤耐性蛋白 NOAEL no observed adverse effect level 無毒性量 NS3 nonstructural protein 3 of HCV HCV 非構造蛋白 3 NS5A nonstructural protein 5A of HCV HCV 非構造蛋白 5A NS5B nonstructural protein 5B of HCV HCV 非構造蛋白 5B OAT organic anion transporter 有機アニオントランスポーター OATP organic anion transporter polypeptide 有機アニオン輸送ポリペプチド OCT organic cation transporter 有機カチオントランスポーター P-gp p-glycoprotein P 糖蛋白 PEG polyethylene glycol ポリエチレングリコール QD once daily 1 日 1 回 QT beginning of Q wave to the end of T wave in the ECG 心電図における Q 波の始点から T 波の終点まで QTc QT interval corrected for heart rate 心拍数補正した QT 間隔 RDW red cell distribution width 赤血球分布幅 RNA ribonucleic acid リボ核酸 SCN5A sodium channel ナトリウムチャネル TPGS d-α-tocopheryl polyethylene glycol 1000 succinate d-α- トコフェリルポリエチレングリコール 1000 コハク酸エステル TK toxicokinetics トキシコキネティクス UGT uridine diphosphate glucuronosyl transferase ウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素

4 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 4 目次 1 非臨床試験計画概略 薬理試験 酵素活性及び特異性 抗 HCV 活性 細胞毒性 作用機序 耐性 併用試験 安全性薬理試験 薬物動態試験 吸収及びバイオアベイラビリティ 分布 代謝 排泄 蛋白結合 薬物動態学的薬物相互作用 トキシコキネティクス 毒性試験 単回投与毒性試験 反復投与毒性試験 併用投与毒性試験 遺伝毒性試験 がん原性試験 生殖発生毒性試験 局所刺激性試験 その他の毒性試験 総括及び結論 参考文献... 39

5 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 5 表一覧 表 1-1 アスナプレビルの毒性試験... 8 表 主要な反復経口投与毒性試験におけるアスナプレビルの投与量 AUC 値 及びヒト AUC に対する動物 AUC の比 表 4-1 アスナプレビルの無毒性量及び主な毒性発現用量における曝露量と ヒト曝露量との比 表 反復投与毒性試験における肝臓の所見及びアスナプレビルの曝露量... 29

6 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 6 1 非臨床試験計画概略アスナプレビル (BMS ) は C 型肝炎ウイルス (HCV) の非構造蛋白 3(NS3) プロテアーゼに対する低分子阻害薬 ( 直接作用型抗ウイルス薬 ) である 本薬にはヒトにおける機能あるいは代謝に関して重要な標的は知られていないことから 過剰な薬理作用により副作用が発現する可能性は低いことが期待される アスナプレビルは PI 末端にアシルスルホンアミド基を有するトリペプチドであり PI 末端にケトアミド基を有するテトラペプチドであるテラプレビル ( 既承認の NS3/4A プロテアーゼ阻害剤 ) とは構造が大きく異なることから テラプレビルとの毒性学的プロファイルの比較から あまり有益な情報は得られないと考えられる アスナプレビルは他の直接作用型抗ウイルス薬との併用で相加又は相乗作用を示し 現在 C 型慢性肝炎患者の治療を目的として HCV NS5A 複製複合体阻害薬であるダクラタスビル塩酸塩 (BMS 以下 ダクラタスビル) との併用で開発が進められている 本概括評価では アスナプレビルの非臨床試験計画並びにアスナプレビル単剤及びダクラタスビルとの併用 (ASV + DCV) による薬理 薬物動態及び毒性試験結果の概略を記載する アスナプレビルの臨床第 2/3 相用量は 軟カプセル 100 mg 1 日 2 回投与又は錠剤 200 mg 錠剤の 1 日 2 回投与である 第 3 相試験では軟カプセルが用いられたが 初期の臨床試験 ( 第 2 相試験を含む ) で用いた錠剤と同様の曝露量であることが確認されている 第 2/3 相用量における定常状態でのアスナプレビルの曝露量 ( 以下 ヒト曝露量 ) は 最高血漿中濃度 (Cmax)0.419 μg/ml 血漿中濃度曲線下面積 (AUC)3.69 μg h/ml であった アスナプレビルはヒト及び動物のいずれにおいても高い蛋白結合率を示した In vitro における蛋白結合率は 毒性試験に用いた各種動物の血清で同程度 ( マウス 99.2% ラット 98.8% イヌ 98.5% サル 97.2%) であり ヒト血漿では 99.7% であった 動物におけるアスナプレビルの曝露量のヒト曝露量との比 ( 動物の曝露量 ヒトの曝露量 ) は 総血漿 AUC を基に第 2/3 相用量におけるヒトの AUC との比を算出し アスナプレビルの遊離体としての補正は行わなかった アスナプレビルの主な薬理学評価 ( 効力 細胞毒性及び耐性 ) については HCV レプリコンアッセイを用いた HCV レプリコンの複製及び阻害に対するアスナプレビルの単独効果及びダクラタスビルを含む他の抗 HCV 薬との併用効果の評価には 複数の検出系 (Luciferase, FRET 及びTaqman) を用いた 心血管系 中枢神経系及び呼吸系に及ぼす影響については 一連の in vitro 及び in vivo における心血管系安全性薬理評価を安全性薬理試験で実施し また in vivo における心血管系 中枢神経系及び呼吸系の安全性薬理評価を主要な毒性試験の一部として実施した すべての薬理試験は適切な試験計画に基づき 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 (ICH) ガイドラインに準拠して実施した アスナプレビルとその代謝物の吸収 分布 代謝及び排泄 (ADME) を動物及びヒトを用いて検討した 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準 (GLP) 適用下で実施したトキシコキネティクス (TK) 試験でアスナプレビルの血漿中濃度を測定するため 高感度かつ特異的な液体クロマトグラフィー タンデム質量分析 (LC-MS/MS) 法を開発し その妥当性を検証した アスナプレビルの肝臓中又は胆汁中濃度は 科学的に妥当性が検証された GLP 非適用の LC-MS/MS 法を用いて測定した 有色ラット及びアルビノラットを用いたアスナプレビルの組織

7 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 7 内分布は 定量的オートラジオグラフィー法を用いて検討した アスナプレビルは 経口投与により吸収され全身循環し 体内に広範に分布した 代謝物プロファイルはすべての種で質的に類似しており ヒトに特有な又は主要な代謝物は検出されなかった アスナプレビルはヒト血漿中の主化合物であった 多様な血中代謝物が存在したが いずれの動物試験においてもアスナプレビルの曝露量の 6% 未満であった ヒトにアスナプレビルを反復投与後 代謝物の曝露量は増加したが いずれの代謝物もアスナプレビルの AUC 値の 20% 未満又はアスナプレビルとその代謝物の総曝露量の 10% 未満であった 代謝物の解析結果に基づくと ヒトにアスナプレビル 200 mg を 1 日 2 回 10 日間反復経口投与後の代謝物曝露量に比べて 動物にアスナプレビル [100 mg/kg( マウス ) 80 mg/kg( ラット ) 又は 50 mg/kg( イヌ )] を単回経口投与後の代謝物曝露量の方が大きく ヒトの AUC(0-12 h) 値に対する動物の AUC(0-8h) 値の比は 2.2~46.5 であった このことから 代謝物を用いた試験は別途実施しなかった ヒト肝ミクロソーム及びヒト相補的デオキシリボ核酸 (cdna) 発現酵素を用いた in vitro 試験により アスナプレビルの代謝物の生成に関与する酵素を検討した 人工膜透過性測定法及び Caco-2 細胞モデルを用いて アスナプレビルの膜透過性を検討した トランスポーター発現細胞株及び P 糖蛋白 (P-gp) ノックアウトマウスを用いて P-gp 及びその他のトランスポーターとの相互作用を検討した 赤血球への分布 複数の種 ( マウス ラット イヌ サル ヒト ) 由来の血清蛋白との結合 ラット肝細胞への取込みのメカニズムを検討した アスナプレビルの毒性を評価するための非臨床毒性試験として 単回投与毒性試験 ( マウス ラット イヌ ) 反復投与毒性試験( ラット最長 6 ヵ月間 イヌ最長 9 ヵ月間 ) 併用投与(ASV +DCV) 毒性試験 ( ラット 1 ヵ月間 サル最長 3 ヵ月間 ) 遺伝毒性試験(in vitro 及び in vivo) がん原性試験 [Tg-rasH2 マウス ラット ( 実施中 )] 生殖発生毒性試験( ラット マウス ウサギ ) 光毒性試験(in vitro 及び in vivo) を実施した 重要な毒性試験はいずれも GLP 適合下で ICH ガイドラインに準拠して実施した 肝臓が治療の標的器官であることから 一部の反復投与毒性試験においてアスナプレビルの肝臓中及び胆汁中濃度を測定した 胆汁中濃度は非臨床試験に用いた動物種及びヒトで測定したが GLP 適合下で実施していない これらの測定以外に特殊な検査は実施しなかった アスナプレビルは波長 290~700 nm の領域の光線を吸収するため アスナプレビルの光毒性についてマウス線維芽細胞及び Long-Evans 有色ラットを用いて評価した アスナプレビル単剤の毒性試験に用いる主要な動物種として ラット ( げっ歯類 ) 及びイヌ ( 非げっ歯類 ) を選択した ラットは毒性試験に用いる標準的動物種で背景データが豊富であることから選択した イヌは 経口バイオアベイラビリティ (42% 以上 ) がサル (10%) より高く 高い全身曝露量が得られることから選択した 胚 胎児発生に関する試験では 構造が類似した先行化合物の試験でマウスはラットより高い感受性を示したため げっ歯類動物種としてマウスを選択した マウス ラット イヌ及びヒトにおけるアスナプレビルの代謝プロファイルは質的に類似していた 併用投与 (ASV + DCV) 毒性試験における動物種は 単剤投与の毒性に基づいて選択した ダクラタスビルの毒性試験では イヌと比較してサルのダクラタスビルの代謝プロファイルがよりヒトに類似しているため 非げっ歯類としてサルを選択した アスナプレビルの曝露

8 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 8 量はイヌがサルより高かったが サルにおいても十分な曝露量が得られ 代謝プロファイルは類似していることから 併用投与毒性試験における非げっ歯類としてサルを選択した アスナプレビル単剤の重要な試験の用量選択は 十分に高い用量で評価するため 先行して実施した試験に基づき設定した 併用投与毒性試験の用量選択に関しては 明らかな毒性が発現する用量よりも 臨床におけるそれぞれの薬剤のヒト曝露量範囲での影響を評価する AUC が得られる用量を設定した 併用投与毒性試験の投与期間については ICH M3(R2) ガイダンス及び FDA の HCV ガイダンス案 (Chronic Hepatitis C Virus Infection: Developing Direct-Acting Antiviral Agents for Treatment, CDER, September 2010) に基づき 単剤の高用量による長期投与毒性試験の方が臨床曝露量に関連した AUC が得られる用量で実施した併用投与毒性試験よりも安全性の評価に有用と考えられることから 最長 3 ヵ月間とした 毒性試験の投与経路は臨床投与経路と同様の経口投与とし 媒体 [60% ポリエチレングリコール 400(PEG-400) 及び 40% ビタミン E d-α-トコフェリルポリエチレングリコール 1000 コハク酸エステル (TPGS)] に溶解して投与した 実施したアスナプレビルの毒性試験を表 1-1 に示す 表 1-1 アスナプレビルの毒性試験 試験の種類及び投与期間 投与経路 試験系 単回投与毒性 経口 マウス ラット イヌ 反復投与毒性 1 週間投与毒性試験 経口 サル 2 週間投与毒性試験 経口 ラット 1 ヵ月間投与毒性試験 経口 ラット イヌ 6 ヵ月間投与毒性試験 経口 ラット 9 ヵ月間投与毒性試験 経口 イヌ 併用投与毒性 (ASV + DCV) 1 ヵ月間投与毒性試験 経口 ラット サル 3 ヵ月間投与毒性試験 経口 サル 遺伝毒性復帰突然変異試験 In vitro S. typhimurium, E. coli 染色体異常試験 In vitro CHO 細胞 小核試験 経口 ラット がん原性 26 週間投与がん原性試験 経口 Tg-rasH2 マウス 2 年間投与がん原性試験 経口 ラット ( 実施中 ) 生殖発生毒性受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 経口 ラット 胚 胎児発生に関する試験 経口 マウス ウサギ 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 経口 ラット その他の毒性光毒性試験 In vitro Balb/c 3T3 マウス線維芽細胞 単回投与光毒性試験 経口 ラット

9 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 9 以上の非臨床薬理試験 薬物動態試験及び毒性試験の成績は C 型慢性肝炎患者におけるアス ナプレビルのダクラタスビルとの併用療法の有効性及び安全性を裏付けるものと考えられる

10 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 10 2 薬理試験 HCV NS3 プロテアーゼは NS3 の N 末端ドメインにコードされる 181 のアミノ酸から成るセリンプロテアーゼである 1) NS3 プロテアーゼは酵素活性の発現に必要な補因子である NS4A 蛋白とヘテロ二量体酵素を形成している アスナプレビルの主な薬理学評価 ( 効力 細胞毒性及び耐性 ) には HCV レプリコンアッセイを用いた 2) また 本薬の NS3 プロテアーゼに対する選択性及び結合性を検討した 心血管系 中枢神経系及び呼吸系に及ぼす影響を評価するため 一連の in vitro 及び in vivo における心血管系安全性薬理評価を安全性薬理試験で実施し また in vivo における心血管系 中枢神経系及び呼吸系の安全性薬理評価を主要な毒性試験の一部として実施した 2.1 酵素活性及び特異性 NS3/4A プロテアーゼ複合体に対するペプチド類似阻害薬の構造は プロテアーゼが基質ペプチドから放出される C 末端側産物ではなく N 末端側産物によるフィードバック阻害を受けやすいという知見によって決定された アスナプレビルは 効力と選択性のいずれも最大化できるように 最適化したトリペプチド阻害薬の中心部を利用している アスナプレビルのジェノタイプスペクトラムを評価するため HCV の 6 種の主要なジェノタイプに対する IC 50 値を測定した その結果 IC 50 値は 0.3~320 nm の範囲であった アスナプレビルの in vitro 活性をテラプレビル 3) を対照薬として評価した アスナプレビルの in vitro 活性は ジェノタイプ 2b 以外の試験したすべてのジェノタイプに対しテラプレビルよりも優れていた プロテアーゼの基質特異性は 一般的に切断部位に隣接する側鎖によって決定される 4) HCV NS3/4 プロテアーゼ複合体によりトランス切断を受ける天然基質は 切断される結合部位の P1 位に システイン残基があることが必須である この特殊な必要条件により 高い選択性を有する HCV プロテアーゼ阻害薬を開発することが可能となる 体内には多くのプロテアーゼが存在するため 治療薬としてのプロテアーゼ阻害薬には選択性が重要である アスナプレビルは HCV と近縁関係にある GBV-B の NS3 プロテアーゼ及びヒトのセリン又はシステインプロテアーゼに対し ほとんどあるいは全く活性を示さなかったことから 本薬が HCV NS3 セリンプロテアーゼに対して選択的であることが示された ( 選択指数は 倍以上 ) In vitro におけるアスナプレビルの選択性は BMS ( テラプレビルの P1 プロピル官能基位光学異性体の混合物 ) よりも優れていた 2.2 抗 HCV 活性アスナプレビルの HCV RNA の複製に及ぼす影響を評価するため HCV レプリコンシステム 2) を用いた 本薬のジェノタイプ 1a, 1b, 2a の HCV レプリコン及びジェノタイプ 2b, 3a, 4a の NS3 プロテアーゼ配列をコードしたハイブリッドレプリコンに対する活性を検討した レプリコンにおける抗 HCV 活性及び算出された治療係数について アスナプレビルはジェノタイプ 1a, 1b 及び 4a のレプリコンに対しテラプレビルよりも強力な作用を示した 一方 ジェノタイプ 2b, 3a

11 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 11 のハイブリッドレプリコンに対するアスナプレビルの効果は テラプレビルと同等又はそれより弱かった アスナプレビルの感染性 HCV ジェノタイプ 2a(JFH-1) ウイルス 5) に対する抗ウイルス活性を検討した その結果 アスナプレビルのウイルス産生に対する 50% 有効濃度 (EC 50 ) は 39 nm であり テラプレビルで認められた 116 nm よりも約 3 倍強力な阻害作用を示した アスナプレビルのウイルス特異性を評価するため 様々なウイルスに対する検討を行った アスナプレビルは細胞培養試験において ウシウイルス性下痢ウイルス (BVDV)(EC 50 = 12 μm) ヒト免疫不全ウイルス (HIV-1)( EC 50 = 14 μm) ヒトライノウイルス (HRV)( EC 50 > 100 μm) 及びヒトコロナウイルス (HCoV)( EC 50 > 100 μm) に対して ほとんどあるいは全く活性を示さなかった 抗ウイルス薬の臨床効果は血清蛋白との結合によりしばしば減弱する そこで アスナプレビルの抗ウイルス活性に及ぼす血清蛋白結合の影響を調べるため 40% ヒト血清を含む培養液中においてレプリコンアッセイを実施した その結果 アスナプレビルのジェノタイプ 1b(Con 1) レプリコンに対する EC 50 値が 40% ヒト血清を含まない標準的なアッセイの場合と比較して 6.5 倍に増大したことから 本薬の抗ウイルス活性はヒト血清により軽度にしか変化しないことが示唆された BMS の抗ウイルス活性も アスナプレビルの場合と類似した変化であった (EC 50 値が 6.8 倍に増大 ) 2.3 細胞毒性アスナプレビルの細胞毒性を解剖学的に異なる起源のヒト細胞株を用いて検討した 4~6 日間培養後に 50% 細胞毒性濃度 (CC 50 ) を測定した アスナプレビルの細胞毒性は BMS と同程度であったが HCV ジェノタイプ 1a(H77) レプリコンに対する EC 50 値との比から算出した治療係数は アスナプレビルの方が著明に高かった ( 治療係数 2750 以上 ) 2.4 作用機序アスナプレビルの作用機序について 組換え酵素アッセイを用いて複数の HCV ジェノタイプ 1 分離株の NS3/4A プロテアーゼ複合体で検討した 純粋な組換え NS3/4A プロテアーゼ複合体に対し アスナプレビルは競合的阻害薬の速度論的パラメータの特徴を示した これは 最大酵素代謝回転率が一定の間 基質に対するみかけの Michaelis-Menten 定数が増加した Lineweaver-Burke プロットにより確定された 試験したウイルス株により 阻害定数 (K i ) は 0.24~1.0 nm の範囲を示した この競合的阻害様式は その後に実施した X 線結晶構造解析によって裏付けられた 6) アスナプレビルは NS3 プロテアーゼドメインの活性部位である S4 から S1 結合部位を占有していた これらのサブサイトは 通常 HCV の基質によって占有されると考えられる 2.5 耐性 アスナプレビルの耐性機序を把握するため HCV サブゲノムレプリコンシステムを用いて臨床

12 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 12 で発現する耐性置換の特定及びその特徴を明らかにした また テラプレビル及び boceprevir(ns3 プロテアーゼ阻害剤 国内未承認 ) といった NS3 プロテアーゼ阻害薬の臨床での耐性変異をジェノタイプ 1a 及び 1b のレプリコンに発現させ アスナプレビルの阻害作用に対する感受性を評価した 表現型解析の結果 ウイルス学的ブレイクスルーを起こしたジェノタイプ 1a レプリコンの感受性は 対照とした野生型細胞の約 1/49~1/11 であった 耐性レプリコンの NS3 及び NS4A 蛋白の遺伝子型解析の結果 NS3 プロテアーゼドメイン内に多数の非保存的変化がみられた これらの置換は T40A, Q41E, V51A, R62K, D79E, T95A, I114V, R123G, R155K, D168G, I170T, N174Y, L175P 及び G176E であった 表現型解析の結果 ウイルス学的ブレイクスルーを起こしたジェノタイプ 1b レプリコンの感受性は 対照とした野生型細胞の約 1/400~1/170 に低下した 耐性レプリコン群の NS3 及び NS4A 蛋白の遺伝子型解析の結果 NS3 プロテアーゼドメイン内に非保存的変化がみられた これらの置換は Q41R, Q80R, Q86R, P89L, Y105C, D168A/G/H/V/Y, E173G 及び E176G であった 発現した置換の多くは 本薬の結合部位周辺に存在することが X 線結晶構造解析試験によって確認された アスナプレビル耐性レプリコンは NS5A 阻害薬のような HCV の複製サイクルにおける他のウイルス蛋白を標的とする HCV 阻害薬に対する感受性を維持している このことは 複数のウイルス蛋白を標的とする薬剤と組み合わせることにより アスナプレビルによる治療中に発現し得る耐性ウイルスに対しても治療が期待できることを示唆している HCV NS3 プロテアーゼに結合したアスナプレビルのコンピューターモデルを用いた解析の結果 Q80, R155, D168 及び I170 のアミノ酸における置換が酵素活性部位の近傍において優先的に認められた これらの置換は いずれも種々の NS3 プロテアーゼ阻害薬の耐性に関連することが以前に報告されている 7)8)9) D168 は切り出された NS3/4A プロテアーゼ複合体とアスナプレビルの X 線結晶構造において 酵素活性部位の S2 及び S4 ポケットの間に存在している D168 のアラニン グリシン バリン又はチロシンのようなアミノ酸残基への置換は アスナプレビルの P2 イソキノリン部分との相互作用に重要な R155 との塩橋の形成を妨害することが予測された 構造解析の結果 I170 のアミノ酸がアスナプレビル結合時の R155 と D168 の塩橋関係周辺のポケット形成部分である R155 の頭部基と相互作用を有することが示された 10) I170 がより極性の高いスレオニンへ置換されることにより R155 の周辺環境を変化させると考えられ その結果 アスナプレビルの P2 イソキノリン部分との相互作用が軽度に減少した 変異を有するレプリコンの作製により アスナプレビル耐性におけるこれらの置換の役割が裏付けられた アスナプレビルに対するレプリコンの耐性プロファイルは テラプレビルや boceprevir について報告されているものとわずかに異なる 7)8) テラプレビルや boceprevir の耐性レプリコンでは V36 及び A156 のアミノ酸残基に変化がみられた 概して アスナプレビルはテラプレビルに比べて良好な耐性プロファイルを示した 一方 A156 のアミノ酸残基に変異を有するレプリコンに対するテラプレビルの効力は アスナプレビルに比べて著明に低下した

13 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 併用試験テラプレビルの臨床試験において C 型慢性肝炎患者にテラプレビルを単剤投与した場合には 高い頻度で耐性が発現した 8) HIV 治療と同様に C 型慢性肝炎治療においても併用療法により耐性発現を効果的に防御できると考えられる アスナプレビルが他の抗 HCV 薬と併用投与が可能か否か HCV レプリコンシステムを用いて検討した HCV ジェノタイプ 1b のレプリコン細胞をアスナプレビルとインターフェロン α(ifnα) 又はリバビリン あるいはダクラタスビルやと併用した場合 相加又は相乗効果が認められた HCV ジェノタイプ 1a のレプリコン細胞にアスナプレビルと IFNα を併用した場合 HCV ジェノタイプ 1b レプリコンの場合と同様に 相乗効果又は相加効果を示す結果が得られた 検討したすべての併用試験において相加又は相乗効果が認められ 抗ウイルス活性の拮抗は認められなかった これらの結果から アスナプレビルは他の抗 HCV 薬との併用により C 型慢性肝炎に対する有効な治療薬となる可能性が示唆された ジェノタイプ 1a-NS3 の野生型レプリコン及びジェノタイプ 1a-NS3-R155K の NS3 プロテアーゼ阻害薬耐性レプリコンに アスナプレビルとダクラタスビル及び IFNα を 25 日間併用すると いずれのレプリコンの複製も同等に抑制された これらの結果は アスナプレビルとダクラタスビル及び IFNα の投与レジメンが テラプレビルや boceprevir を含む治療法が無効であった C 型慢性肝炎患者において HCV RNA の複製を抑制できる可能性を示唆している 2.7 安全性薬理試験 ICH S7A ガイドラインで推奨される心血管系 中枢神経系及び呼吸系の各指標に及ぼすアスナプレビルの影響について 一連の in vitro 及び in vivo 安全性薬理試験を実施し また 単回投与毒性及び反復投与毒性試験の一部として評価した In vitro 試験では受容体及びイオンチャネルのリガンド結合並びに酵素活性の相対的阻害を評価した 心血管系については ヒト ether-a-go-go 関連遺伝子 (herg/ikr) 電流及び心筋イオンチャネル ウサギプルキンエ線維の活動電位に及ぼす影響並びに摘出ウサギ心臓を用いた試験を in vitro で評価し また 麻酔下ウサギを用いた単回投与試験及びイヌを用いた単回投与テレメトリー試験により 心血管系パラメータに及ぼす影響を in vivo で評価した アスナプレビルの曝露量はイヌの方がサルより高かったため 安全性薬理試験にはイヌを用いた アスナプレビルの代謝プロファイルが安全性薬理試験に用いた動物種及びヒトにおいて質的に類似しており また ヒトに特有の代謝物も検出されなかったことから 代謝物の安全性薬理試験は実施しなかった In vitro 安全性薬理試験では本質的に蛋白を含まないことから in vitro 試験における曝露量比は in vitro 濃度 臨床用量での遊離体 Cmax(0.005 μg/ml) として算出した 受容体 / イオンチャネル結合及び酵素アッセイ In vitro 試験において アスナプレビルは 10 μm(7.5 μg/ml) の濃度で 37 種類の薬理学的標的

14 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 14 ( 受容体 酵素 イオンチャネル セカンドメッセンジャー及び取込み部位 ) に対し 明らかな結合や阻害を示さなかった (50% 以上の変化を明らかな作用と定義した ) アスナプレビル 10 μm (7.5 μg/ml) の濃度は アスナプレビルの臨床用量での遊離体 Cmax の 1500 倍であることから 本薬がヒトにおいて有害作用を引き起こす可能性は低いことが示唆された 心血管系アスナプレビルの心筋カリウムチャネル (herg/ikr) ナトリウムチャネル(SCN5A) 及び L 型カルシウムチャネル電流 並びにウサギプルキンエ線維の活動電位に及ぼす影響を in vitro 試験で検討した herg 及びナトリウムチャネルアッセイでは アスナプレビルの 10 及び 30 μm(7.5 及び 22.5 μg/ml) を試験した アスナプレビルのナトリウムチャネルに及ぼす頻度依存性作用を 1 及び 4 ヘルツ (Hz) の 2 つの刺激頻度を用いて評価した L 型カルシウムチャネルアッセイでは アスナプレビルの 30 μm(22.5 μg/ml) を試験した 再分極に及ぼす影響を検討するため アスナプレビル 3, 10 及び 30 μm(2.2, 7.5 及び 22.5 μg/ml) の摘出ウサギプルキンエ線維の活動電位に及ぼす影響を検討した アスナプレビルは 10 及び 30 μm で herg カリウム電流をそれぞれ 8.2% 及び 20.6% 阻害し IC 50 値は 30 μm 超であった アスナプレビルは 10 及び 30 μm で 心筋ナトリウム電流を 1 Hz 刺激頻度で 26.6% 及び 65.9% また 4 Hz 刺激頻度で 29.8% 及び 71.6% 阻害した 更に アスナプレビルは L 型カルシウム電流を 30 μm で 18.3% 阻害した アスナプレビルは 30 μm 以下の濃度ではウサギプルキンエ線維の活動電位持続時間及び他の活動電位パラメータに影響を及ぼさなかった 以上より アスナプレビルは 10 μm で herg/ikr ナトリウム及び L 型カルシウム電流を軽度に阻害し また 30 μm でプルキンエ線維活動電位パラメータには影響を及ぼさなかった アスナプレビルのヒト遊離体 Cmax の 1500 倍高い濃度においても軽度なイオンチャネル阻害作用 (herg) が認められのみであり また 同様に 4500 倍でも活動電位持続時間に影響を及ぼさなかったことから 本薬がヒトの心電図に影響を及ぼす可能性は低いことが示唆された 摘出ウサギ心臓における電気生理学的試験では アスナプレビル 10 μm(7.5 μg/ml) を大動脈の逆行性灌流により注入して 20 分又は 60 分間の試験を また 右心房を 3.5, 4, 4.5 及び 5 Hz でそれぞれ 30 秒間刺激した 心房電位図 心電図及び冠灌流量を継続的に記録した 洞結節回復時間及び心拍数の測定により洞房結節機能を評価した その結果 摘出ウサギ心臓において アスナプレビル 10 μm(7.5 μg/ml) を 60 分以下で灌流した場合の心房及び心室のアスナプレビル濃度はそれぞれ 93.4 μm(69.9 μg/ml) 及び μm (113.4 μg/ml) であったが 洞房結節機能や冠動脈灌流量に本薬に関連した変化は認められなかった これら心房内及び心臓内のアスナプレビル濃度は ヒト遊離体 Cmax のそれぞれ 倍及び 倍という高濃度であったことから 上記の結果は 本薬がヒトに心血管系の作用を引き起こす可能性が低いことを示唆するものである 麻酔下ウサギを用いた in vivo 心臓電気生理学的試験において アスナプレビルを 3, 10 及び 30 mg/kg の用量で静脈内に漸増投与し アスナプレビルの心血管系への作用を更に評価した ア

15 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 15 スナプレビルの平均血漿中濃度は 15~180 μg/ml( ヒト Cmax の 36 倍 ~430 倍 ) の範囲であり 用量依存性が認められた アスナプレビルの血漿に対する心臓の平均濃度比が 1.2 であったことから 本薬の心組織への蓄積は少ないことが示された アスナプレビルは 30 mg/kg 以下の用量 ( 血漿中濃度は 180 μg/ml 以下 ) では 心電図パラメータに影響を及ぼさなかったが 軽微で一過性の用量依存的な血圧上昇が認められた (3, 10 及び 30 mg/kg でそれぞれ投与前値に比して 10% 21% 及び 24% の上昇 ) 単回経口投与の心血管系テレメトリー試験において アスナプレビルの 100 mg/kg をイヌに投与した結果 心拍数 全身動脈血圧 左心室圧 心電図の各種波形間隔 (QTc 間隔を含む ) 身体活動及び深部体温にアスナプレビルの投与に関連した変化はみられなかった 本試験における投与 4 時間後のアスナプレビルの平均血漿中濃度 (57 μg/ml) は イヌの 9 ヵ月間投与毒性試験における 100 mg/kg/day の Cmax(50.3 μg/ml) と同等であった テレメトリー試験における投与 4 時間後の血漿中濃度は ほぼ定常状態の Cmax であことから イヌの心血管系テレメトリー試験における無作用量での Cmax は ヒト曝露量 Cmax の 120 倍であった イヌの反復投与毒性試験においてもアスナプレビルの心血管系に及ぼす影響を検討した その結果 イヌの 1 ヵ月間反復経口投与試験で 300 mg/kg/day まで 9 ヵ月間反復経口投与試験で 100 mg/kg/day までの用量を投与しても心拍数及び心電図に本薬投与に関連した変化は認められなかった 100 mg/kg/day 投与時の Cmax 及び AUC は それぞれヒト曝露量の 120 倍及び 82 倍であった アスナプレビルとダクラタスビルの併用投与による最長 3 ヵ月間のサル反復経口投与毒性試験においても 本薬投与に関連した心拍数及び心電図への影響は認められなかった 併用投与毒性試験におけるアスナプレビルの AUC は ヒト曝露量 AUC の 18 倍以下であった 健康被験者への単回投与 (1200 mg 以下の用量 AI 試験 ) 及び反復投与 (600 mg 以下の用量の 1 日 2 回を 14 日間 AI 試験 ) 並びに C 型慢性肝炎被験者に単回投与 (600 mg 以下の用量 AI 試験 ) 及び反復投与 (600 mg 以下の用量を 3 日間 AI 試験 ) した臨床試験においても バイタルサインや心電図に一貫した変化あるいは臨床的に関連した傾向は認められなかった また 健康被験者を対象とした thorough QT 試験 (AI 試験 ) において アスナプレビル軟カプセル 300 mg 1 日 2 回の 10 日間反復投与では QTc 間隔に臨床上懸念される変化はみられなかった 以上 アスナプレビルが心血管系に影響を及ぼす可能性は低いことが示された 唯一認められた心血管系の作用は ヒト遊離体 Cmax の 1500 倍の濃度で認められた軽度な herg 阻害作用及びヒト曝露量 Cmax の 36 倍以上の濃度で認められた麻酔下ウサギの血圧上昇であった また 本薬は高曝露量でも プルキンエ線維活動電位持続時間 ( ヒト遊離体 Cmax の 4500 倍 ) ウサギ摘出心臓試験での心電図 ( ヒト遊離体 Cmax の最大 倍 ) イヌの単回経口投与毒性試験( ヒト曝露量 Cmax の 120 倍 ) 最長 9 ヵ月間の反復経口投与毒性試験 ( ヒト曝露量 AUC の最大 82 倍 ) 及びサルにアスナプレビルとダクラタスビルを最長 3 ヵ月間投与した併用投与毒性試験 ( ヒト曝露量 AUC の最大 18 倍 ) における心血管系パラメータのいずれに対しても影響を及ぼさなかった

16 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 中枢神経系アスナプレビルの中枢神経系に及ぼす影響を評価するための独立した安全性薬理試験は実施しなかった 有色 Long-Evans ラット及び白色 Sprague Dawley ラットに [ 14 C] アスナプレビルを投与した試験において 本薬の脳組織内濃度は定量下限未満であった 本結果と一致し マウス ラット及びイヌの毒性試験において 神経学的な臨床症状や神経系の組織学的所見にアスナプレビル投与に関連した変化は認められなかった アスナプレビルは イヌの 1 ヵ月間反復経口投与毒性試験 (300 mg/kg/day 以下 ヒト曝露量 AUC の最大 375 倍 ) 及び 9 ヵ月間反復経口投与毒性試験 (100 mg/kg/day 以下 ヒト曝露量 AUC の最大 82 倍 ) において 行動及び運動 末梢及び中枢神経機能に影響を及ぼさなかった また アスナプレビルの反復併用投与毒性試験において 本薬とダクラタスビルをラット ( ヒト曝露量 AUC の最大 11 倍 ) 又はサル ( ヒト曝露量 AUC の最大 18 倍 ) に投与した場合でも 本薬投与に関連した中枢神経系への影響は認められなかった 以上より アスナプレビルがヒトの中枢神経系に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた 呼吸系アスナプレビルの呼吸系に及ぼす影響を評価するための独立した安全性薬理試験は実施しなかった マウス ラット及びイヌの毒性試験において 呼吸系の臨床症状にアスナプレビル投与に関連した変化は認められなかった アスナプレビルは イヌの 9 ヵ月間までの反復経口投与毒性試験において 100 mg/kg/day 以下の用量 ( 臨床用量での AUC の 82 倍以下 ) では 呼吸数及び肺音 ( 胸部聴診による判断 ) あるいは動脈血酸素飽和度 ( パルス酸素濃度計により測定 ) に影響を及ぼさなかった また アスナプレビルをダクラタスビルと併用してラット ( 臨床用量での AUC の 11 倍以下 ) 又はサル ( 臨床用量での AUC の 18 倍以下 ) に反復投与した場合でも 本薬投与に関連した呼吸系への影響は認められなかった 以上より アスナプレビルがヒトの呼吸系に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた 安全性薬理評価の結果 ヒトでの有害事象を懸念させる in vitro 試験での標的以外の作用 in vivo 試験での心血管系 中枢神経系及び呼吸系への影響は認められなかった

17 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 17 3 薬物動態試験一連の in vitro 試験及びマウス ラット ウサギ イヌ及びサルを用いた in vivo 試験において アスナプレビルの非臨床薬物動態を評価した マウス ラット ウサギ イヌ及びサル由来の各種生体試料中のアスナプレビルは LC-MS/MS 法により分析した 使用した分析法は 高感度で 精度良く 正確であった アスナプレビルは 経口投与により吸収され全身循環し 体内に広範に分布した 代謝物プロファイルはすべての種で質的に類似し ヒトに特有の代謝物は検出されなかった 多様な血中代謝物が存在したが 動物におけるアスナプレビルの曝露量の 6% 未満であった ヒトにアスナプレビルを反復投与した結果 代謝物の曝露量は増加したが いずれの代謝物もアスナプレビルの AUC 値の 20% 未満又はアスナプレビルとその代謝物の総曝露量の 10% 未満であった 代謝物の解析結果に基づくと 代謝物の曝露量はヒトよりも動物の方が大きかった アスナプレビルは主としてチトクローム P450(CYP)3A4 及び CYP3A5 により代謝された 動物におけるアスナプレビルの消失には 胆汁クリアランス 代謝クリアランス及び腸内分泌などの複数の経路が関与し アスナプレビルとその代謝物は主に糞便中に排泄された 腎クリアランスは アスナプレビルの主要な消失経路ではなかった アスナプレビルは多様な酵素及びトランスポーターの基質 阻害剤及び誘導剤であり CYP3A CYP2D6 有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP) 及び P-gp を介した薬物相互作用が臨床試験で確認された しかしながら ダクラタスビルとアスナプレビルの臨床薬物動態学的相互作用は顕著ではなかった 3.1 吸収及びバイオアベイラビリティアスナプレビルの膜透過性は高く アスナプレビルを溶液として経口投与したとき吸収は速やかで 最高血中濃度到達時間 (Tmax) は 試験した動物種で 1.3~9.6 時間であった アスナプレビルは P-gp の基質であることから P-gp がアスナプレビルの経口吸収を抑制する可能性がある ラットにアスナプレビルを静脈内及び門脈内投与したときの曝露量は同程度であったことから 初回通過効果がバイオアベイラビリティを抑制するとは考えられない マウス ラット及びサルにおける絶対バイオアベイラビリティは 1%~28% の範囲であったが イヌでは 42% 以上と高値であった ラット及びイヌにおけるバイオアベイラビリティは用量に依存し ラットでは 10~ 30 mg/kg の用量範囲で 4~8 倍増加し イヌでは 4~10 mg/kg の用量範囲で約 6 倍増加した イヌに錠剤 400 mg を経口投与したとき 食事の影響 ( 吸収の増加 ) が認められた これは 脂質の存在下で緩やかな消化管運動による溶解性及び溶解度の増加が原因であると考えられた イヌ及びサルにアスナプレビルを静脈内投与すると アスナプレビルは速やかに消失し 半減期はそれぞれ 1 時間以下及び 1.3 時間であった アスナプレビルの消失半減期はマウス及びラットの方が長く それぞれ 4.6 時間及び 4.2~8.1 時間であった 平均滞留時間も同様の傾向を呈した しかしながら マウスの血清クリアランス (57.3 ml/min/kg) 及びラットの総血漿クリアランス (38.4~38.9 ml/min/kg) は イヌ及びサルの総血漿クリアランス (15.4~18.7 ml/min/kg) よりも高い値を呈した これは イヌ及びサルの定常状態分布容積が高値であることが原因と考えられた

18 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 分布 11) マウス ラット イヌ及びサルの定常状態分布容積は 報告されている全身水分量と同程度又はそれ以上であったことから アスナプレビルの血管外分布が示唆された アスナプレビル 1 μm(0.748 μg/ml) の血漿中濃度に対する血液中濃度の比は ヒトで 0.55 マウス ラット イヌ及びサルで 0.34~0.82 の範囲であったことから 血液中のアスナプレビルは主として血漿中に分布することが示唆された [ 14 C] アスナプレビルを用いた組織分布試験において 放射能は体内に広範に分布し 反復経口投与後の蓄積は認められなかった 動物において 薬理作用の標的臓器である肝臓への取込みは顕著であり 血漿中アスナプレビルに対する肝臓中アスナプレビルの AUC 比は 40~257 以上であった In vitro 試験結果から 受動拡散とエネルギー依存性の能動的取込み過程の両方が肝取込みに関与することが示唆された アスナプレビルの肝取込みは速やかで 飽和性があることから トランスポーターが肝取込みに関与し アスナプレビルが OATP1B1 及び OATP2B1 の基質であることが示唆された これらトランスポーターは肝取込みに関与することから 肝臓中にアスナプレビルを濃縮する役割を担う可能性がある ラットに [ 14 C] アスナプレビルを経口投与したとき [ 14 C] アスナプレビル関連物質は血液脳関門を通過しなかったことから アスナプレビルが中枢神経系に影響を及ぼすとは考えられない 妊娠ラットに [ 14 C] アスナプレビルを投与すると放射能は胎盤を通過し また 授乳中のラットに [ 14 C] アスナプレビルを投与すると放射能が乳汁中に検出されたことから アスナプレビルの投与を受けている女性の胎児及び乳児は アスナプレビルとその代謝物に曝露される可能性のあることが示唆された 3.3 代謝ヒト肝ミクロソームを用いた反応表現型解析試験から アスナプレビルは主として CYP3A4 及び CYP3A5 により代謝され CYP2A6 CYP2B6 CYP2C9 CYP2C19 及び CYP2D6 もわずかながらアスナプレビルの代謝に寄与することが示された 様々な種の肝ミクロソーム 肝 S9 画分及び肝細胞において 13 種類の代謝物が生成した [ 14 C] アスナプレビルの主要な代謝経路として 一及び二酸化 N- 脱アルキル化 イソキノリン環の脱離 O- 脱メチル化及びアミド加水分解が挙げられる ヒトに特異的な代謝物は検出されなかった アスナプレビルの酸化物のグルタチオン (GSH) 付加体が 試験したすべての種で検出された [ 14 C] アスナプレビルとラット イヌ サル及びヒトのミクロソームをインキュベートすると 放射性物質とミクロソーム蛋白との不可逆的結合が起こり この結合は GSH 存在下で減少した この試験結果は反応性代謝物の生成を示すものであるが アスナプレビルを 200 mg/kg/day までの用量で 6 ヵ月間投与したラット (AUC 値はヒトにアスナプレビル 200 mg を 1 日 2 回投与したときの AUC 値の最大 136 倍 ) 及び 100 mg/kg/day までの用量で 9 ヵ月間投与したイヌ (AUC 値はヒトにアスナプレビル 200 mg を 1 日 2 回投与したときの AUC 値の最大 82 倍 ) において 肝毒性が発現しなかったことから in vitro でみられた蛋白との共有結合は臨床用量では安全性に関連し

19 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 19 ないことが示唆された [ 14 C] アスナプレビルを経口投与したときの in vivo 代謝プロファイルは すべての種で質的に類似しており ヒトに特有な代謝物は検出されなかった アスナプレビルは主に酸化物へと代謝され 排泄物中に検出された代謝物は ウサギの 10 種類からマウス ラット及びサルの 16 種類に及んだ ヒトの排泄物中では 15 種類の代謝物が検出された 動物の排泄物中 ( 主に糞便中 ) で確認された最も量の多い代謝物は マウス及びラットで BMS ( 脱イソキノリン環体 それぞれ投与量の 8.3% 及び 7.0%) ウサギで M7( 一酸化物 投与量の 3.1%) イヌでは BMS 及び M3( 一酸化物 )( 両代謝物とも投与量の 2.3%) であった ヒトの主要な代謝物は M8( アミド加水分解生成物 ) 及び M12( 脱イソキノリン環体 ) で それぞれ投与量の 14.6% 及び 8.3% に相当した 以上より いずれの種でも投与量の 15% 以上に相当する代謝物はなかった いずれのヒト代謝物も 少なくとも 1 種類の動物 ( マウス ラット イヌ又はサル ) において生成された アスナプレビルは 動物及びヒトの血清中又は血漿中の主化合物であった 動物血液中に様々な代謝物が存在したが いずれの代謝物もアスナプレビル曝露量の 6% 未満であった ヒトにアスナプレビルを反復投与すると 代謝物の曝露量は増加したが アスナプレビルの曝露量の 20% 未満又はアスナプレビルとその代謝物の総曝露量の 10% 未満で 最も量の多い血中代謝物は M3 であった アスナプレビルの開発において 慢性毒性試験のげっ歯類及び非げっ歯類動物として ラット及びイヌを使用した 動物及びヒトで忍容性がある投与量において ヒトの代謝物曝露量は動物のそれよりも小さかった このことから 毒性試験でのこれら代謝物の曝露量は 安全性を評価する上で十分な量であったことが示唆された ヒトと動物のアスナプレビル曝露量のより詳細な比較検討は 本概括評価のトキシコキネティクスの項 (3.7) に記載した 3.4 排泄動物におけるアスナプレビルの消失には 胆汁クリアランス 代謝クリアランス及び腸内分泌などの複数の経路が関与し アスナプレビルとその代謝物は主に糞便中に排泄された 動物で投与量の 18%~54% が代謝により消失し ヒトではもっと多い量 ( 投与量の 76.4%) が代謝により消失した ヒトにおけるアスナプレビルの消失が代謝クリアランスに依存することは 肝障害患者でアスナプレビルの曝露量が増加することと合致する (AI 試験 ) 胆管カニューレ挿入 (BDC) ラットに [ 14 C] アスナプレビルを静脈内投与したときの放射能回収率から アスナプレビル関連物質の直接的な腸内分泌が示唆された また アスナプレビルの腸内分泌も生じる可能性はあるものの 証明されていない BDC ラット BDC サル及びヒト ( 投与後 3~8 時間に胆汁を採取 ) に [ 14 C] アスナプレビルを経口投与した結果 放射能はラット及びサルでそれぞれ投与放射能の 25.5% 及び 32.9% ヒトでは投与放射能の 8.14% が胆汁中で回収された アスナプレビルがラット サル及びヒトの胆汁中に検出されたことから 胆汁中排泄がこれら種におけるアスナプレビルとその代謝物の消失経路であることが示唆された マスバランス試験において マウス ラット ウサギ イヌ及びヒトに [ 14 C] アスナプレビルを単回経口投与した結果 投与放射能の 77%~88% が糞便中で回収された 投与放射能の 0.2%~

20 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page % が尿中で回収されたことから 尿中排泄がアスナプレビルの主要な消失経路ではないことが示唆された 動物において 糞便中の未変化体は投与量の 35%~66% を占めた なお 胆汁中排泄 腸内分泌 糞便中に検出された未変化体のうちで体内に吸収されなかった未変化体の割合は不明である ヒトにおいて 投与量の 7.5% が糞便中で未変化体として検出されたことから アスナプレビルは動物よりも多く体内に吸収されたか又は胆汁中排泄や腸内分泌が少なかったことが示唆された 3.5 蛋白結合アスナプレビルの in vitro 血清蛋白結合は高値を呈し すべての動物種において同程度で 濃度 10 μm(7.48 μg/ml) で 97.2%~99.2% の範囲であった また ヒト血漿蛋白結合率は濃度に依存せず 濃度 1 μm(0.748 μg/ml) で 99.7% であった ヒト血漿中のアスナプレビル ( 平均血漿中濃度 0.050~1.588 μg/ml) の ex vivo 蛋白結合率は約 99.8% であった (AI 試験 ) したがって 動物及びヒトのアスナプレビル曝露量を比較検討するとき アスナプレビルの遊離形分率を補正しなかった 3.6 薬物動態学的薬物相互作用ヒトにおいてアスナプレビルは主に CYP3A を介した代謝により消失するため アスナプレビルと CYP3A の阻害剤又は誘導剤が併用投与された場合 薬物相互作用が起こる可能性がある このことは 薬物相互作用試験 (AI 試験 ) において CYP3A 及び P-gp の阻害剤であるケトコナゾールを併用投与した健康被験者のアスナプレビル曝露量が増加したことから裏付けられる しかしながら AI 試験でアスナプレビルとリファンピシン (CYP3A の誘導剤 ) を反復併用投与しても アスナプレビルの曝露量は顕著に減少しなかった これは アスナプレビルが OATP の基質であるのに対し リファンピシンは OATP の阻害剤であることが原因であると考えられる すなわち リファンピシンによる OATP の阻害はアスナプレビルの肝取込みを減少させ リファンピシンによる CYP3A 誘導の影響を減弱した可能性があり 結果としてアスナプレビルの血漿中濃度に対し 臨床的に意義のある変化がみられなかったものと考えられた アスナプレビルは OATP1B1 及び OATP2B1 の基質である したがって これらトランスポーターの活性を変化させる薬物の併用投与は アスナプレビルの曝露量に影響を及ぼす可能性がある FDA の薬物相互作用に関するガイダンス ( 案 ) に説明されているベーシックモデルを用いて in vitro データを解析した結果 アスナプレビルは CYP3A4 の誘導剤であるが CYP1A2 又は CYP2B6 の誘導剤ではなかった アスナプレビルは CYP3A の時間依存的阻害剤であるため アスナプレビルを反復投与すると CYP3A の誘導と阻害が同時に起こり得る アスナプレビル (AI 試験 :600 mg を 1 日 2 回 7 日間投与 AI 試験 :200 mg を 1 日 2 回 10 日間投与 ) とミダゾラム (CYP3A の基質 ) を併用投与したとき ミダゾラムの曝露量が 29%~44% 減少した これは アスナプレビルが CYP3A を誘導したことを示すものである また アスナプレビルは CYP2D6 の時間依存的阻害剤であることが示唆され AI 試験において アスナプレビルとデキストロメトルファン (CYP2D6 の基質 ) との間で薬物相互作用が観察された したがっ

21 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 21 て アスナプレビルの投与が CYP3A 及び CYP2D6 の基質との薬物相互作用をもたらす可能性が示唆された アスナプレビルは in vitro でウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素 (UGT)1A1 を阻害した しかしながら AI 試験において アスナプレビルによる UGT1A1 阻害に起因した 総ビリルビン (UGT1A1 の基質 ) の増加は認められなかったため アスナプレビルが UGT1A1 を介したグルクロン酸抱合に明らかな影響を及ぼす可能性は低いと考えられた OATP1B1 OATP2B1 及び OATP1B3 などの多様なトランスポーターがアスナプレビルにより阻害されることが示された [IC 50 = 0.3~3.0 μm(0.22~2.2 μg/ml)] AI 試験で被験者にアスナプレビル 200 mg を 1 日 2 回投与したときの Cmax 値 0.56 μm(0.42 μg/ml) から OATP1B1 の基質との薬物相互作用の発現が示唆された AI 試験において アスナプレビルとロスバスタチン (OATP1B1 及び OATP1B3 の基質 ) との薬物相互作用が観察され アスナプレビルの投与によりロスバスタチン曝露量が増加した 更に P-gp 阻害に対する IC 50 値が 50.6 μm(37.9 μg/ml) と高いにもかかわらず AI 試験で健康被験者にアスナプレビルを 10 日間投与したとき ジゴキシン (P-gp の基質 ) の曝露量の増加がみられた これは 吸収相で高濃度のアスナプレビルが存在する腸管で P-gp が阻害され 結果として腸管内腔へのジゴキシンの排泄が減少し 吸収が増加したためと考えられた アスナプレビルは ダクラタスビルと併用投与される ダクラタスビルの相当量が CYP3A4 を介した代謝により消失し ダクラタスビルは P-gp の基質 CYP3A の誘導剤かつ阻害剤 また P-gp 及び OATP の阻害剤である したがって アスナプレビルとダクラタスビルとの間で薬物相互作用が起こる可能性がある しかしながら 健康被験者を対象とした AI 試験及び C 型慢性肝炎患者を対象とした AI 試験において ダクラタスビルとアスナプレビルの併用投与において臨床的意義のある薬物相互作用は認められなかった 3.7 トキシコキネティクス主要な毒性試験で用いたラット及びイヌの血漿中アスナプレビル濃度は 特に高用量 更にイヌで変動したが 嘔吐がアスナプレビルの曝露量を抑える一因になったと考えられた ラットにアスナプレビルを反復投与したときの AUC 値は 30~200 mg/kg/day の用量範囲では概して用量比以上の増加を示したものの より高い用量では用量比未満の増加を示した ラットにおけるアスナプレビルの AUC 値は 30~100 mg/kg/day の用量範囲では概して雌雄で同程度であったものの 100 mg/kg/day を上回る用量では雄性よりも雌性の方が約 2 倍大きかった イヌにおける反復投与毒性試験では 概して 15~300 mg/kg/day の用量範囲ではアスナプレビルの AUC 値は用量比以上に増加し 雄性よりも雌性の方が約 2 倍大きかった また アスナプレビルの反復投与後の蓄積はみられなかった ラット及びサルにアスナプレビルとダクラタスビルを併用投与したとき アスナプレビルの AUC 値に増加傾向が認められたが アスナプレビルの曝露量は個体間変動が大きいためトキシコキネティクスの相互作用の可能性については明らかでなく DCV + ASV 併用療法の臨床試験では薬物相互作用は報告されていない (AI 試験 CTD ) 数値の変動や血漿中濃度の性差がおおむね 2 倍以下であったことを考慮して TK パラメータ値及び曝

22 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 22 露量比は 雌雄を合わせた平均値として記載した 血漿中代謝物量はアスナプレビルの AUC 値の 6% 未満であったことから 非臨床毒性試験においてアスナプレビルの代謝物を測定しなかった 主要な毒性試験におけるアスナプレビルの投与量 AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC の比を表 に要約した アスナプレビルの毒性の包括的評価を行うため また ヒトでのリスクの可能性を判断するため 適切な投与量が毒性試験で用いられたことが AUC 比から示された 肝臓が治療の標的器官であり ラットの ADME 試験で肝臓中の [ 14 C] アスナプレビルが高濃度であったことから いくつかの反復投与毒性試験でアスナプレビルの肝臓中濃度を測定した ( 表 ) 表 主要な反復経口投与毒性試験におけるアスナプレビルの投与量 AUC 値及びヒトAUCに対する動物 AUCの比 動物種マウスラットラットラットイヌイヌサルサルラット 試験 ( 試料採取時点 ) 6 ヵ月間反復投与毒性試験 (26 週目 ) 1 ヵ月間反復投与毒性試験 (28 日目 ) 1 ヵ月間併用投与毒性試験 (28 日目 ) 6 ヵ月間反復投与毒性試験 (26 週目 ) 1 ヵ月間反復投与毒性試験 (28 日目 ) 9 ヵ月間反復投与毒性試験 (39 週目 ) 1 ヵ月間併用投与毒性試験 (28 日目 ) 3 ヵ月間併用投与毒性試験 (13 週目 ) 受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 (14 日目 ) 投与量 AUC (μg h/ml) a b AUC 比 (mg/kg/day) 雄 雌 雄 雌

23 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 23 妊娠マウス 妊娠ウサギ 授乳ラット ( 母動物曝露量 ) 胚 胎児発生に関する試験 ( 妊娠 15 日 ) 胚 胎児発生に関する試験 ( 妊娠 19 日 ) 出生前及び出生後の発生に関する試験 ( 哺育 4 日 ) ( 母動物 ) ( 胎児 ) 下線を施した投与量は無毒性量 (NOAEL) を示す a 投与後 0 時間から最終測定可能時間 (4~24 時間 ) までの血漿中濃度曲線下面積 b ヒトに臨床推奨用量を投与したときのアスナプレビルの AUC 値は 3.69 μg h/ml である AUC 比 = 動物の AUC 値 ヒトの AUC 値

24 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 24 4 毒性試験アスナプレビルの毒性について ICH ガイドラインに準拠して実施した非臨床毒性試験 ( 表 1-1) により評価した 重要な試験は GLP 適合下で実施した ヒトにおける安全性を評価するため 総合的な毒性評価を担保する高い曝露量が得られる適切な投与量を設定した 重要な試験で得られた動物の曝露量と臨床用量における定常状態のヒトの曝露量との比 (AUC 又は Cmax) を表 4-1 に示す 毒性が発現した曝露量についてもヒト曝露量との比を算出した 表 4-1 アスナプレビルの無毒性量及び主な毒性発現用量における曝露量と ヒト曝露量との比 動物種 試験の種類 無毒性量 (mg/kg/day) AUC (μg h/ml) 又は Cmax (μg/ml) a ヒト曝露量との比 ラット 1 ヵ月間 100 AUC: ラット 6 ヵ月間 200 AUC: イヌ 1 ヵ月間 60 AUC: ( 心電図に関する無毒性量 ) b 300 Cmax: イヌ 9 ヵ月間 100 AUC: ( 心電図に関する無毒性量 ) b 100 Cmax: マウスがん原性 200 AUC: ラット生殖能 600 AUC: マウス胚 胎児発生 母動物 :250 胎児 :500 AUC: ウサギ胚 胎児発生母動物 胎児 :200 AUC: ラット出生前及び出生後発生 F0 母動物 :40 F1 新生児 :125 AUC: 毒性所見 動物種 試験の種類 毒性発現用量 (mg/kg/day) AUC (μg h/ml) a ヒト曝露量との比 消化管 ( 腸細胞肥大 ) ラット 1 ヵ月間 肝臓 ( 血液生化学的変化 ) ラット 1 ヵ月間 肝臓 ( 血液生化学的変化を伴イヌ 1 ヵ月間 う肝細胞壊死 ) a 臨床推奨用量 100 mg BID におけるヒトの Cmax μg/ml 及び AUC 3.69 μg h/ml に基づき算出 ( 動物の AUC/Cmax ヒトの AUC/Cmax) AUC 及び Cmax は雌雄合計平均値 ( 生殖発生毒性試験を除く ) b 最終心電図測定時 (1 ヵ月間試験 : 投与 28 日 9 ヵ月間試験 : 投与 39 週 ) 4.1 単回投与毒性試験マウス及びラットに 200~2000 mg/kg イヌに 30~300 mg/kg の用量でアスナプレビルを単回経口投与した マウス及びラットにおいて 600 mg/kg まで忍容性が認められたが 2000 mg/kg ではマウスで死亡例 ( 剖検及び病理組織学的検査で胃腸管毒性を示唆する変化 ) がみられ ラットで

25 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 25 は体幹の汚れ 排糞量減少 活動性低下 半眼及び腹臥位がみられた イヌでは 100 mg/kg まで 忍容性は良好であったが 300 mg/kg で投与後 60 分以内に嘔吐がみられた 4.2 反復投与毒性試験重要な試験として ラットでは最長 6 ヵ月間 イヌでは最長 9 ヵ月間の反復経口投与毒性試験を実施した 毒性試験に用いる主要な動物種として ラット及びイヌは標準的動物種で背景データが豊富であること 更にイヌは経口バイオアベイラビリティ (42% 以上 ) がサル (10%) より高く 高い全身曝露量が得られることから選択した アスナプレビルの代謝プロファイルが毒性試験に用いた動物種及びヒトにおいて質的に類似しており ヒトに特有の代謝物も検出されなかったことから 毒性試験においてアスナプレビルの代謝物は測定しなかった 各試験において 一般状態観察 [ 安全性薬理評価 ( 心血管系 中枢神経系 呼吸系検査 ) 含む ] 体重測定 摂餌量測定 摂水量測定 眼科学的検査 心電図検査 ( イヌ ) 血液生化学的検査 血液学的検査 凝固検査 尿検査 器官重量測定 剖検及び病理組織学的検査を実施し トキシコキネティクス並びに血漿 胆汁及び肝臓中アスナプレビル濃度を測定した 特別な評価 ( 免疫学的評価 ) 及び代謝物を投与する試験は実施しなかった ラット 1 ヵ月間経口投与では 100 mg/kg/day 6 ヵ月間経口投与では 200 mg/kg/day( 高用量 ) まで アスナプレビルの忍容性は良好であった 1 ヵ月間経口投与毒性試験 [0( 媒体 ),30, 100 及び 600 mg/kg/day] の無毒性量は 100 mg/kg/day (AUC:91 μg h/ml ヒト AUC の 25 倍 ) と考えられた 本用量では血清クレアチニンの軽微な減少 ( 対照群の 0.90 倍 ) 及び肝臓重量の増加 (10%) がみられたのみで 関連した病理組織学的変化は認められなかった 600 mg/kg/day(auc:299 μg h/ml ヒト AUC の 81 倍 ) における主要な毒性の標的臓器は消化管であった 剖検で小腸及び大腸の液体及びガスによる膨満がみられ 1 例で小腸壁の肥厚がみられた 病理組織学的検査では 十二指腸及び空腸並びに盲腸 ( 低頻度 ) で腸細胞の肥大 ( ごく軽微 ~ 軽度 ) 盲腸及び結腸で杯細胞の減少( ごく軽微 ~ 軽度 ) が認められた 投与 1 週に一過性にみられた体重及び摂餌量の減少は 消化管の影響に関連した変化と考えられた ラットにおける消化管の変化の原因は明らかでないが 胃腸管内に白色物質が観察されたことから 大量のアスナプレビルの存在に関連した変化と推察された 更に 600 mg/kg/day では ALT 増加 ( 対照群の 1.79~2.10 倍 ) 総ビリルビン増加(1.46~1.82 倍 ) 肝臓重量増加(+21%) がみられたが これらに関連した肝臓の病理組織学的変化は認められなかった その他 600 mg/kg/day では 摂餌量の増加 ( 投与期間の後半 2 週間 ) 赤血球の小型化を示唆する血液学的変化 [ ヘモグロビン ヘマトクリット 平均赤血球ヘモグロビン (MCH) 及び平均赤血球ヘモグロビン濃度 (MCHC) の減少 ( 対照群の 0.93~0.98 倍 ) 赤血球分布幅 (RDW) の増加 (1.10 倍 )] フィブリノゲン減少(0.76~0.86 倍 ) がみられた 血液生化学的検査では 塩素増加 ( 対照群の 1.02 倍 ) アルブミン/ グロブリン比上昇 (1.11~1.12 倍 ) ALP 増加 ( 1.41 倍 ) 総蛋白減少 (0.90~0.92 倍 ) グロブリン減少(0.84~0.87 倍 ) グルコース減少(0.84~0.86 倍 )

26 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 26 尿素窒素減少 (0.69~0.79 倍 ) クレアチニン減少(0.87 倍 ) 総コレステロール減少(0.70~0.71 倍 ) トリグリセリド減少(0.43 倍 ) アルブミン減少(0.96 倍 ) 及びカルシウム減少 (0.97 倍 ) が認められたが いずれも概して軽微な変化であり 6 ヵ月間投与毒性試験では摂餌量の増加を除いてより高い AUC(503 μg h/ml) でも認められなかった 骨髄の病理組織学的変化は認められなかった 尿検査では 尿量の増加 ( 対照群の 2.56~3.22 倍 ) 尿 ph 上昇 (1.10~1.14 倍 ) が認められた 尿量の増加は摂水量の増加によるものと考えられ 脱水症状がみられず腎臓に病理組織学的変化も認められなかったことから 腎障害を示唆する所見ではないと考えられた 更に 動物及びヒトのいずれにおいてもアスナプレビル及びその代謝物の尿中排泄はほとんどないことから アスナプレビル及び代謝物の溶質利尿による尿量増加の可能性はないと考えられた 甲状腺重量の増加 (+27%) 及び副腎重量の増加 (+17%) が認められたが これらの器官重量の変化に関連した病理組織学的所見は認められず 休薬により回復した 副腎皮質索状帯の細胞変性 ( ごく軽微 ) の発現頻度増加が認められたが 対照群にも認められた変化であり 自然発生性の変化がアスナプレビルにより亢進したものと考えられた アスナプレビルの投与に関連した毒性学的意義のある所見は 2 週間の休薬により完全に回復し 以降に実施したより長期の試験においては認められなかった また 摂餌量増加は軽微でありヒトとの関連性は不明であった 6 ヵ月間投与毒性試験 [0( 媒体 ),40, 80 及び 200 mg/kg/day] ではアスナプレビルの忍容性は良好であり 無毒性量は 200 mg/kg/day(auc:503 μg h/ml) と考えられた 最高用量の 200 mg/kg/day は 1 ヵ月間投与毒性試験の所見に基づき 投与期間の延長による毒性の亢進の可能性を考慮して十分な曝露量 (AUC) が得られる用量として選択した 200 mg/kg/day でみられた所見は 散発的な軟便及び被毛の濡れの発現頻度の増加 軽微な体重増加及び摂餌量増加 回復性の総コレステロール減少 (0.79~0.92 倍 ) 関連する病理組織学的所見がみられなかった肝臓重量増加 (+8%~+23%) のみであった ラット 1 ヵ月間投与毒性試験及び 6 ヵ月間投与毒性試験でみられたアスナプレビル投与に関連した変化はいずれも回復性がみられ 6 ヵ月間投与毒性試験の所見には 1 ヵ月間投与毒性試験と比較して毒性の進行はみられず 新たな標的器官も認められなかった 1 ヵ月間試験 (600 mg/kg/day AUC:299 μg h/ml) における消化管への影響 ( 小腸及び大腸の腸細胞の肥大 ) が 6 ヵ月間試験 (200 mg/kg/day AUC:503 μg h/ml) より概して低い AUC で発現したことは 消化管中の大量のアスナプレビルによる局所的な影響によるものと推察される 1 ヵ月間試験及び 6 ヵ月間試験に共通した所見として肝臓重量の軽度な増加及び摂餌量の軽度な増加が認められた 肝臓重量の増加に関連した病理組織学的所見は認められず 休薬により回復し 肝薬物代謝酵素の誘導に関連した適応性変化と考えられた また 摂餌量の増加は消化管への影響を示唆する変化と考えられた イヌ 1 ヵ月間投与毒性試験 0( 媒体 ),20, 60 及び 300 mg/kg/day] では 60 mg/kg/day(auc:100 μg h/ml) までアスナプレビルの投与に関連した所見は認められず 本用量が無毒性量と考えられた 300 mg/kg/day(auc:1385 μg h/ml) では嘔吐及び不定形 水様便の発現頻度が投与期間を通し

27 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 27 て増加し 体重減少 ( 投与 1 日と比較して 6.9%~ 9.1%) 及び摂餌量減少がみられた 血液学的検査では平均赤血球容積 (MCV) 及び MCH の減少 ( 対照群の 0.86~0.90 倍 ) RDW 増加 (1.16 ~1.20 倍 ) ヘモグロビン減少(0.85 倍 ) が認められ 赤血球の小型化が示唆された また 雌雄の数例で有核赤血球及び鉄染色陽性の微小な好塩基性細胞封入体 ( パッペンハイマー体 ) を有する赤血球が少数認められた パッペンハイマー体はヘモグロビン合成の障害との関連性が知られている 12) 血液生化学的検査では ALT 増加 ( 対照群の 1.94~4.48 倍 ) 総ビリルビン増加(1.55 ~1.66 倍 ) 総蛋白減少(0.78~0.90 倍 ) アルブミン減少(0.75~0.87 倍 ) 総コレステロール減少 (0.55~0.61 倍 ) のほか 雄 1 例で γ-グルタミルトランスフェラーゼ (GGT) 増加 ( 投与前値の 2.7 倍 ) 雌で塩素増加( 対照群の 1.03 倍 ) グロブリン減少(0.81 倍 ) カルシウム減少 (0.91 倍 ) が認められた これらの臨床検査値の変化は ALT GGT 及び総ビリルビンの増加を除き 比較的軽度又は生物学的意義のない変化 ( 総コレステロール ) であったことから 毒性学的意義は低いと考えられた ALT GGT 及び総ビリルビンの増加は 本投与量の病理組織学的検査で観察された肝細胞凝固壊死 ( 後述 ) に関連した変化と考えられた 肝臓への影響は ラット及びイヌのいずれでも高用量及び高曝露量のみで認められ AUC 及び肝臓中濃度について変化が発現する閾値の存在が考えられた 血液凝固検査では APTT の軽度な短縮 (0.82~0.83 倍 ) が認められたが毒性学的意義の低い変化と考えられた 尿検査ではアスナプレビルに関連した変化はいずれの用量でも認められなかった 器官重量測定では 雌で副腎重量増加 ( 対照群の +39% 以上 ) 及び脾臓重量増加 (+45% 以上 ) がみられたが 関連した病理組織学的所見は認められなかった 剖検では雌 1 例に胸腺の小型化がみられたのみであり 本所見に関連して病理組織学的検査で顕著な胸腺萎縮が認められた 病理組織学的検査では 肝臓の肝細胞壊死 ( ごく軽微 ~ 軽微 ) 膵臓外分泌部の分泌顆粒減少( ごく軽微 ~ 軽微 ) 胸腺萎縮の発現頻度及び変化の程度の増加( 軽度 ~ 高度 ) が認められた 膵臓外分泌部の分泌顆粒の減少については 変化の程度がごく軽微で 膵臓の分泌顆粒の大部分は維持されていることから 毒性学的意義は低いと考えられた 胸腺萎縮は自然発生性変化の亢進及びストレスによるものと考えられた 9 ヵ月間投与毒性試験 [0( 媒体 ),15, 50 及び 100 mg/kg/day] の高用量 (100 mg/kg/day) は 1 ヵ月間投与毒性試験の所見に基づき 投与期間の延長による毒性の亢進の可能性を考慮し 十分な曝露量 (AUC) が得られる用量として選択した アスナピレビルの忍容性は良好であり 新たな標的器官は認められなかった 本薬の投与に関連して 50 及び 100 mg/kg/day で流涎 MCV 及び MCH の軽微な減少 (0.91~0.94 倍 ) ALP 増加 (1.32~2.17 倍 回復性 ) がみられたのみであった これらの臨床検査値の変化は軽度であり 赤血球数 ヘモグロビン及びヘマトクリットの減少は認められなかったことから 毒性学的意義は低いと考えられた また ALP の増加に関連した肝臓の病理組織学的変化は認められなかった これらのことから 無毒性量は 100 mg/kg/day (AUC:302 μg h/ml ヒト AUC の 82 倍 ) と考えられた 9 ヵ月間投与毒性試験では慢性毒性の評価に十分に高い曝露量が得られる用量 (100 mg/kg/day) を投与したが 1 ヵ月間投与毒性試験と比較して毒性の亢進及び新たな標的器官は認められなかった

28 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 主要な標的器官への影響及びヒト安全性との関連性 肝臓 1 ヵ月間投与毒性試験の最高用量において ラット (600 mg/kg/day AUC:299 μg h/ml) では ALT 及び総ビリルビンの増加 ( 関連する病理組織学的所見なし ) イヌ (300 mg/kg/day AUC: 1385 μg h/ml) では ALT GGT 及び総ビリルビンの増加を伴う肝細胞壊死が認められ 肝臓が主 な標的器官であることが示唆された 一方 ラット 6 ヵ月間投与毒性試験 (200 mg/kg/day AUC: 503 μg h/ml) 及びイヌ 9 ヵ月間投与毒性試験 (100 mg/kg/day AUC:302 μg h/ml) では それ ぞれの 1 ヵ月間投与毒性試験と比較して同等以上の AUC においても肝臓への影響は認められな かった アスナプレビルの用量に関連した AUC は変動幅が大きく 特に高用量で変動が大きい ことの原因は明らかでないが 実施した毒性試験の結果から 約 300 μg h/ml を上回る AUC にお いて肝臓の変化を示唆する血液生化学的検査値が増加すると考えられた 更に高い AUC (1385 μg h/ml) では イヌにおいて肝細胞壊死が認められた 最長 3 ヵ月間の ASV + DCV 併用投与毒性試験では ラット及びサルにおいて臨床推奨用量に おけるアスナプレビルのヒト曝露量より十分に高い曝露量 ( ヒト AUC の 6~18 倍 ) でも肝毒性 を示唆する変化は認められなかった 併用投与毒性試験では 非げっ歯類の動物種としてダクラ タスビルの代謝物プロファイルに基づきサルを選択した イヌは アスナプレビル単剤の毒性評価ではバイオアベイラビリティがサルより高いため最も適切な非げっ歯類動物種であったが 併用投与毒性試験で十分に高いアスナプレビルの曝露量が得られることから サルも適切な動物種と考えられる イヌの 1 ヵ月間投与毒性試験で肝臓の変化 (ALT 総ビリルビン及び GGT の増加 肝細胞壊死 ) が認められたアスナプレビルの肝臓中濃度 (146 μg/g 以上 ) は in vitro での HCV ジェノタイプ 1a レプリコン阻害濃度 (IC50:0.003 μg/ml) と比較して非常に高かった ラットでみられた肝臓 13) 重量の増加は 酵素誘導に関連した毒性学的意義の低い適応性変化と考えられた ラット及びイヌの慢性毒性試験における肝臓中アスナプレビル濃度 (69 μg/g 以下 ) は 1 ヵ月間投与試験で肝臓の変化が発現した肝臓中濃度の半量以下であり 慢性毒性試験で肝臓の変化がみられなかったことと一致した 最長 3 ヵ月間の ASV + DCV 併用投与毒性試験におけるアスナプレビルの AUC は単剤の毒性試験より低値であったが臨床用量におけるヒト曝露量を十分に上回った 肝臓中濃度も低値であったが 十分に高い肝臓中濃度 (39 μg/g) が得られ 肝毒性を示唆する変化は認められなかった 反復投与毒性試験における肝臓の所見及びアスナプレビルの曝露量を表 に示す

29 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 29 表 反復投与毒性試験における肝臓の所見及びアスナプレビルの曝露量 動物種 試験の種類 投与量 (mg/kg/day) AUC (μg h/ml) 肝臓中濃度 (μg/g) 肝臓の所見 ラット 1 ヵ月間 肝臓重量 ALT 総ビリルビン 肝臓重量 ラット 6 ヵ月間 肝臓重量 肝臓重量 肝臓重量 イヌ 1 ヵ月間 ALT 総ビリルビン GGT 肝細胞壊死 イヌ 9 ヵ月間 ラット 1 ヵ月間 (DCV 併用 ) サル 1 ヵ月間 (DCV 併用 ) サル 3 ヵ月間 (DCV 併用 ) : アスナプレビルの投与に関連した肝臓所見なし : 増加 アスナプレビルの肝臓中濃度は毒性試験に用いた複数の動物種で測定したが ヒトにおける肝臓中濃度は測定していないため 肝臓への影響の安全性評価は動物とヒトにおける AUC の比較により行った 早期の海外前期第 2 相試験において 600 mg を QD 又は BID 投与した被検者に血液生化学的検査値の増加がみられ 肝臓への影響が示唆されたため アスナプレビルの投与量を減量し 以降の開発での 600 mg QD/BID 投与を中止した In vitro で GSH 付加体の形成及び肝臓ミクロソーム蛋白との共有結合がみられたことから アスナプレビルの反応性中間体への生体内活性化が示唆された しかし 慢性毒性試験において肝毒性はみられず ミクロソーム蛋白との共有結合とアスナプレビルを 600 mg QD/BID 投与した患者でみられた血液生化学的検査値の増加との因果関係は明らかでない ダクラタスビルとの併用療法において 200 mg BID( 錠剤 ) 及び 100 mg BID( 軟カプセル ) の臨床的な忍容性は概して良好であった AST 又は ALT の増加 ( グレード 3/4 正常値上限の 5 倍以上 ) の発現頻度は 10% 未満であった ヒトにおいて AST 及び ALT の増加に関連したアルブミン減少 総ビリルビン増加及び血液凝固関連値の変化はみられず 肝機能障害を伴わないことが示唆された ラット及びイヌで認められた肝臓の変化は アスナプレビルの高い用量 AUC 及び肝臓中濃度

30 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 30 に関連して認められ AUC 及び肝臓中濃度に関して閾値が存在すると考えられた アスナプレビルの投与に関連した肝臓の所見として ラット 1 ヵ月間投与毒性試験では ALT 総ビリルビン及び肝臓重量の増加 ラット 6 ヵ月間投与毒性試験では肝臓重量増加 イヌ 9 ヵ月間投与毒性試験では ALP 増加がみられたが いずれも休薬により回復した ( イヌ 1 ヵ月間投与毒性試験では回復性を評価せず ) ラット及びイヌの慢性毒性試験 (26 週間以上 ) は予定臨床投与期間の 24 週間を超え 肝臓に関する無毒性量における AUC のヒト曝露量との比は高い ( ヒト AUC の 82 倍 ) ことから 推奨臨床用量においてヒトで肝臓への影響が発現するリスクは低いと考えられた 消化管ラット及びイヌにおける高用量の所見から 消化管が毒性の標的器官と考えられた ラット 1 ヵ月間投与毒性試験では 600 mg/kg/day(auc:299 μg h/ml) で十二指腸 空腸及び盲腸の腸細胞肥大 盲腸及び結腸の杯細胞減少 ( 粘液成分の減少 ) 小腸及び大腸の液体及びガスによる膨満 小腸壁の肥厚及び一過性の摂餌量増加が認められた ラット 6 ヵ月間投与毒性試験では 200 mg/kg/day(auc:503 μg h/ml) で消化管への影響を示唆する所見として 軟便の発現頻度の増加及び摂餌量増加が認められたのみであった 腸管の膨満及び腸壁の肥厚は 吸収不良 分泌増加又は腸閉塞によるガス及び液体の貯留によるものと考えられた イヌ 1 ヵ月間投与毒性試験では 300 mg/kg/day の用量でラット 1 ヵ月間投与毒性試験における 600 mg/kg/day の AUC(299 μg h/ml) より高い AUC(1385 μg h/ml) が得られたが 消化管への影響を示唆する所見として嘔吐の発現頻度の増加がみられたのみであった イヌ 9 ヵ月間投与毒性試験では 最高用量の 100 mg/kg/day(auc:302 μg h/ml) まで消化管への影響を示唆する変化はみられなかった 臨床第 2/3 相試験 ( 錠剤 200 mg BID 投与又は軟カプセル 100 mg BID 投与 ) では 下痢が 9.8% の日本人被験者で認められたが いずれも軽度で 治験薬の投与中止に至った下痢は認められなかった イヌ及びラットでみられた消化管に関連した所見は 胃腸管内の大量のアスナプレビルの存在による局所的な影響によるものと考えられた 市販予定製剤である 100 mg 軟カプセルではアスナプレビルの総量が減少したため 局所的な影響も低いと考えられる 消化管の所見は ラットにおける軟便及び摂餌量の増加を除き 主に 1 ヵ月間投与毒性試験における高用量でみられ 慢性毒性試験では高い曝露量 ( ラット : ヒト AUC の 136 倍 イヌ : 同 82 倍 ) においても認められなかった 以上より アスナプレビル投与に関連した消化管への影響は 主にラットにおいて高用量 ( 局所的高曝露量 ) で発現したものであり ヒトで発現するリスクは低いと考えられた 4.3 併用投与毒性試験 アスナプレビルをダクラタスビルと併用投与した場合の毒性学的相互作用について ラット及びサルを用いた 1 ヵ月間併用投与毒性試験 サルを用いた 3 ヵ月間併用投与毒性試験により評価

31 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 31 した 併用投与毒性試験の用量は 臨床用量におけるヒト曝露量と関連する AUC が得られる用量を設定した イヌはバイオアベイラビリティがサルより高いため アスナプレビル単剤の毒性試験で最も適切な非げっ歯類動物種であったが サルも併用投与毒性試験で十分に高いアスナプレビルの曝露量が得られたことから適切な動物種と考えられた ラット及びサルにおいて臨床推奨用量におけるアスナプレビルのヒト曝露量より十分に高い曝露量 ( ヒト AUC の 6~18 倍 ) が得られ 肝臓中濃度 (39 μg/g) も十分に高かったが 併用投与による毒性学的相互作用は認められず 肝毒性を示唆する変化も認められなかった 併用投与で認められた所見はいずれもアスナプレビル及びダクラタスビルそれぞれの単剤の毒性試験で認められたものであった アスナプレビルの AUC はダクラタスビルと併用投与した場合に増加する傾向がラット及びサルでみられたが アスナプレビルの曝露量は個体間変動が大きく トキシコキネティクスへの影響は明らかでなかった しかし 健康被検者及び HCV 感染患者における臨床試験 (AI 試験 AI 試験 ) では アスナプレビル及びダクラタスビルの間に薬物動態学的相互作用はみられなかった 4.4 遺伝毒性試験 In vitro 試験 ( 細菌を用いる復帰突然変異試験,CHO 細胞を用いる染色体異常試験 ) 及び in vivo 試験 ( ラット小核試験 ) のいずれも ICH ガイドラインで推奨される最高濃度 用量まで陰性の結果であった In vivo 小核試験では 最高用量 2000 mg/kg/day(auc:1190 μg h/ml ヒト AUC の 322 倍 ) をラットに 3 日間投与した 4.5 がん原性試験 Tg-rasH2 マウスの 26 週間経口投与試験により評価した SD ラットの 2 年間経口投与がん原性試験は実施中である 投与量は マウス試験では Tg-rasH2 マウスと同腹の非トランスジェニックマウスを用いた 28 日間投与用量設定試験 ラット試験ではラット 6 ヵ月間投与毒性試験の結果に基づき 米国 FDA の勧告に従って設定した Tg-rasH2 マウス 26 週間投与試験 [0( 水 ),0( 媒体 ),25, 100 及び 200 mg/kg/day] の結果 最高用量 200 mg/kg/day(auc:1292 µg h/ml ヒト AUC の 350 倍 ) までがん原性は認められなかった 最高用量の 200 mg/kg/day は 28 日間投与用量設定試験の結果に基づき 長期投与における最大耐量として設定した アスナプレビルの忍容性は最高用量まで良好であった アスナプレビル投与群の生存率に対照群との有意差は雌雄ともに認められなかった 陽性対照 (N-ニトロソメチル尿素) 群では予測された生存率の低下及びリンパ腫の発生頻度の増加 ( 媒体対照群との比較 ) がみられ 導入遺伝子の安定性及びがん原性の検出モデルとしての感度が確認された アスナプレビルの投与に関連した腫瘍発生はいずれの用量でもみられなかった 非腫瘍性変化として 200 mg/kg/day で肝臓の小葉中心性肝細胞肥大及び肝細胞空胞化 ( 適応反応であるミクロソーム酵素の誘導と考えられる ) 腸間膜の白色脂肪組織の慢性血栓増加がみられた これらの所

32 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 32 見は 自然発生性の病変が亢進したものと考えられた ラットの 2 年間経口投与がん原性試験 [ 雄 :0( 水対照 ),0( 媒体対照 ),50, 75 及び 125 mg/kg/day 雌 :0( 水対照 ),0( 溶媒対照 ),40, 60 及び 80 mg/kg/day] は実施中で 投与期間が終了してデータの評価中である 4.6 生殖発生毒性試験ラットを用いた受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 マウス及びウサギを用いた胚 胎児発生に関する試験 ラットを用いた出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験を実施した 胚 胎児発生に関する試験では 構造が類似した先行化合物の試験でマウスはラットより高い感受性を示したため げっ歯類の動物種としてマウスを選択した 雌雄ラットにおいて生殖能への影響はみられず マウス ラット及びウサギにおいて選択的な発生毒性はみられなかった 受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 [0( 媒体 ),50, 200 及び 600 mg/kg/day] では いずれの用量でも雌雄親動物の生殖能及び初期胚発生に影響は認められなかった アスナプレビルの投与に関連した一般症状として 50 mg/kg/day 以上で流涎 被毛の汚れ及び軟便 200 mg/kg/day 以上で摂餌量の変化が概して用量に依存して投与期間中に認められた また 600 mg/kg/day で体重減少がみられ 雌では 200 mg/kg/day 以上で肝臓重量増加がみられた 雌雄親動物の一般毒性に関する無毒性量は 50 mg/kg/day 雌雄親動物の生殖能及び初期胚発生に関する無毒性量は 600 mg/kg[auc:386 ( 雄 ) 及び 373( 雌 )μg h/ml ヒト AUC の 105 倍 ( 雄 ) 及び 101 倍 ( 雌 )] と考えられた 胚 胎児発生に関する試験では マウス試験 [0( 媒体 ),60, 125, 250 及び 500 mg/kg/day] 及びウサギ試験 [0( 媒体 ),50, 100, 200 及び 400 mg/kg/day] のいずれでも選択的な発生毒性はみられなかった マウス試験では最高用量の 500 mg/kg/day(auc:1740 µg h/ml ヒト AUC の 472 倍 ) で母動物の 1 例を状態悪化により安楽死させたが 本例以外に母動物への影響はみられなかった ウサギ試験では最高用量の 200 mg/kg/day(auc:4.4 µg h/ml ヒト AUC の 1.2 倍 ) まで母動物への影響及び発生毒性は認められなかった ウサギではアスナプレビルの高い曝露量が得られなかったが ウサギにおける曝露量は推奨臨床用量におけるヒトの曝露量と同等以上であり マウスにおいて高い曝露量が得られていることから 胚 胎児発生への影響は適切に評価されたと考えられた 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 [0( 媒体 ),40, 125 及び 400 mg/kg/day] では F0 母動物において 125 mg/kg/day 以上で副腎重量増加 腹部膨満及び消化管の拡張がみられ F1 出生児においては 400 mg/kg/day で生存率低下 体重及び摂餌量の減少がみられた F0 母動物の一般毒性に関する無毒性量は 40 mg/kg/day( 母動物 AUC:26.8 μg h/ml ヒト AUC の 7.3 倍 ) F1 出生児の発達に関する無毒性量は 125 mg/kg/day( 母動物 AUC:282 μg h/ml ヒト AUC の 76 倍 ) F1 出生児の生殖能に関する無毒性量は 400 mg/kg/day( 母動物 AUC:711 μg h/ml ヒト AUC の 193 倍 ) と考えられた アスナプレビルの乳汁中排泄について 授乳中のラットに [ 14 C] アスナプレビルを 80 mg/kg の用

33 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 33 量で単回経口投与して評価した結果 母動物血漿中曝露量に対する乳汁中曝露量の比は Cmax 比で AUC 比で であった [ 14 C] アスナプレビルは授乳ラットの胎盤を通過し 乳汁中に排泄されることから アスナプレビルを服用している妊婦及び授乳婦では胎児及び乳児が本薬及びその代謝物に曝露される可能性が示唆された 以上の生殖発生毒性試験の結果から アスナプレビルは選択的な発生毒性物質ではないと考えられた 4.7 局所刺激性試験 臨床投与経路が経口であるため 局所刺激性試験は実施していない 4.8 その他の毒性試験 光毒性試験アスナプレビルは 波長 290~700 nm の光線を吸収し in vitro 試験で光毒性を有する可能性が示唆されたが 有色の Long-Evans ラットを用いた in vivo 試験の結果 最高用量 600 mg/kg(auc: 1440 μg h/ml ヒト AUC の 390 倍 ) まで光毒性は認められなかった 抗原性 免疫毒性 いずれの動物種においてもアスナプレビルの直接的な作用による免疫機能への影響を示唆する変化が認められなかったことから 抗原性試験及び免疫毒性試験は実施しなかった 依存性アスナプレビルは薬理学的に中枢神経作用を有さず 薬物依存性に関与する受容体等との薬理学的相互作用は認められなかった また いずれの動物種においても神経系 ( 中枢及び末梢 ) への影響を示唆する変化が認められず ラット分布試験において脳への移行が非常に低かったことから 薬物依存性試験は実施しなかった 代謝物の毒性ヒトに特有の代謝物は検出されず in vivo のアスナプレビルの代謝物プロファイルは毒性試験に用いた動物種及びヒトで質的に類似した 動物の循環血中でアスナプレビルの曝露量の 6% を超える代謝物は存在しなかった これらのことから 毒性試験において代謝物を測定せず 代謝物の毒性試験は実施しなかった 不純物の毒性 安全性確認が必要な閾値 ( 原体 0.15% 製剤 0.2%) を超える不純物が存在しないため 検討していない

34 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 34 5 総括及び結論アスナプレビルは HCV NS3 プロテアーゼに対する低分子阻害薬 ( 直接作用型抗ウイルス薬 ) である 本薬は HCV の宿主であるヒトにおいて機能的又は代謝的に重要な標的は知られていないことから 過剰な薬理作用に伴う影響が少ないことが期待される アスナプレビルは PI 末端にアシルスルホンアミド基を有するトリペプチドである PI 末端にケトアミド基を有するテトラペプチドであるテラプレビルとは構造的に大きく異なることから 両薬剤の毒性学的プロファイルの比較から あまり有益な情報は得られないと考えられる In vitro 及び in vivo 非臨床薬理試験の結果 アスナプレビルは 6 種の主要な HCV ジェノタイプを有する HCV NS3/4A プロテアーゼ複合体に対して強力な阻害作用を示した (IC 50 値 0.3~ 320 nm) 最も強力な作用はジェノタイプ 1 のプロテアーゼに対するものであった (K i 値 0.24~ 1.0 nm) アスナプレビルは一連のセリンプロテアーゼに対して ほとんどあるいは全く活性を示さなかったことから 本薬が HCV NS3 プロテアーゼに対して選択的であることが示された 更に in vitro 試験においてダクラタスビルとの併用により相加又は相乗効果を示したことから C 型慢性肝炎患者に対する新規治療法となることが示唆された 心血管系 中枢神経系及び呼吸系の各指標に及ぼすアスナプレビルの影響について 一連の in vitro 及び in vivo 安全性薬理試験を実施し また 単回投与毒性及び反復投与毒性試験の一部として評価した 一部はダクラタスビルとの併用試験として実施した その結果 麻酔下ウサギにおいてヒト遊離体 Cmax の 36 倍 ~430 倍の高曝露量で軽微で一過性の血圧上昇が認められたが イヌにおいてヒト遊離体 Cmax の 120 倍でも血圧上昇は認められず また 健康被験者にアスナプレビルとダクラタスビルを併用投与しても血圧を含むバイタルサイン及び心電図に一貫した変化あるいは臨床的に重要な変化は認められなかった 非臨床安全性薬理試験の成績からはヒトにおける安全性への懸念を示す作用は認められなかった 非臨床薬物動態試験から アスナプレビルの吸収 分布 代謝及び排泄の特性が示された アスナプレビルのバイオアベイラビリティは変動しやすく 動物において 1%~100% 超の範囲であり 処方に依存し 食事の影響 ( 吸収の増加 ) を受けた アスナプレビルは胃内及び腸内の生理 ph 値では溶けにくく 胃内 ph の上昇はアスナプレビルの溶解度を変えないことが示されたため アスナプレビルの溶解性の ph 依存性は検討しなかった アスナプレビルの血清蛋白結合率は 97.2%~99.2% であった 動物におけるアスナプレビルの消失は 変動しやすかった アスナプレビルの消失半減期は イヌ (0.3~1 時間 ) やサル (1.3 時間 ) よりもマウス (4.6 時間 ) やラット (4.2~8.1 時間 ) の方が長かった 有色ラット及びアルビノラットを用いた組織分布試験において [ 14 C] アスナプレビル由来の放射能は体内に広範に分布し 反復投与後の蓄積はなかった 動物におけるアスナプレビルの取込みは 肝臓 ( 血漿中アスナプレビルに対する肝臓中アスナプレビルの AUC 比は イヌで 40 ラットでは 257 以上 ) 及び消化管組織で顕著であった 肝臓及び腸管は毒性の標的臓器であり 肝臓は抗 HCV 活性の標的臓器である 神経 内分泌腺 分泌器官 脂肪 生殖器 呼吸器及び視覚器官の組織では 放射能濃度は低いか又は定量下限未満であった [ 14 C] アスナプレビル由来の放射能は 投与後 168 時間までに完全に消失した

35 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 35 ヒト及び動物におけるアスナプレビルの主要な代謝経路として 一及び二酸化 アミド加水分解 イソキノリン環の脱離をもたらす酸化及び N- 脱アルキル化が挙げられる アスナプレビルの酸化的代謝は 主に CYP3A を介して行われる 試験したすべての種において アスナプレビルは血液中の主化合物であった ヒト血漿中に検出された全代謝物は少なくとも一つの動物種で検出されており その AUC 値は全血漿中化合物のそれの 5% 未満であった ヒトにアスナプレビルを反復投与後 代謝物の曝露量は増加したが いずれの代謝物もアスナプレビルの AUC 値の 20% 未満又はアスナプレビルとその代謝物の総曝露量の 10% 未満であった 代謝物の解析結果に基づくと ヒトにアスナプレビル 200 mg を 1 日 2 回 10 日間反復投与したときの代謝物曝露量に比べて 動物にアスナプレビルを 100 mg/kg 以下の用量で単回投与したときの代謝物曝露量の方が大きく ヒトに対する動物の AUC 比は 2.2~46.5 であった このことから 代謝物を用いた試験は別途実施しなかった 代謝クリアランス 胆汁クリアランス及び腸内分泌は ラット イヌ及びサルにおけるアスナプレビルの主要な消失経路であったが 腎クリアランスは動物及びヒトにおいて主要な消失経路ではなかった マスバランス試験において マウス ラット イヌ及びヒトに [ 14 C] アスナプレビルを単回経口投与したとき 投与放射能の 77%~88% が糞便中で回収され 尿中からは投与放射能の 0.3%~1.4% が回収された CYP3A4 及び CYP3A5 はアスナプレビルの主代謝酵素であり アスナプレビルは P-gp の基質である したがって CYP3A 及び P-gp 活性の変化はアスナプレビルの体内動態に影響を及ぼす可能性がある AI 試験で健康被験者にアスナプレビルとケトコナゾール (CYP3A 及び P-gp の阻害剤 ) を併用投与したとき アスナプレビル曝露量が増加したことから 上記で予測した薬物相互作用の発現が確認された また アスナプレビルの曝露量に及ぼすリファンピシン (CYP3A 及び P-gp の誘導剤 ) の臨床的意義のある影響は認められなかったが これはリファンピシンによる OATP 阻害が同時に起こったことが原因であると考えられた アスナプレビルは CYP1A2 の誘導剤ではないが CYP3A の誘導剤かつ可逆的及び時間依存的阻害剤である したがって CYP3A の誘導と阻害が in vivo で同時に起こる可能性がある AI 及び AI 試験で アスナプレビルとミダゾラム (CYP3A の基質 ) との間で薬物相互作用が認められ ミダゾラムの曝露量が 29%~44% 減少した これは 全体としてはアスナプレビルが CYP3A を誘導したことを示すものである In vitro において アスナプレビルは CYP2D6 の時間依存的阻害剤であった AI 試験で アスナプレビルとデキストロメトルファン (CYP2D6 の基質 ) との間に薬物相互作用が認められ アスナプレビルの投与後にデキストロメトルファンの曝露量が増加した また アスナプレビルは UGT1A1 を阻害した しかしながら AI 試験で 総ビリルビン (UGT1A1 の基質 ) の増加傾向は認められなかった なお UGT 阻害のヒトにおける関連性は不明である In vitro 試験結果から アスナプレビルは OATP1B1 OATP2B1 及び P-gp の基質であることが示された 更に 様々な取込み及び排出トランスポーターがアスナプレビルによって阻害された また P-gp 乳癌耐性蛋白(BCRP) 多剤耐性蛋白(MRP)2 有機カチオントランスポーター (OCT)1 及び有機アニオントランスポーター (OAT)3 は弱く阻害された 一方 タウロコール

36 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 36 酸ナトリウム共輸送体 OAT1 OATP1B1 OATP1B3 OATP2B1 及び胆汁酸塩輸送ポンプ (BSEP) は強く阻害された これらの試験結果から アスナプレビルとこれらトランスポーターの基質 阻害剤及び誘導剤との間で薬物相互作用が起こる可能性が示唆された 臨床試験において アスナプレビルとロスバスタチン (OATP1B1 OATP1B3 及び BCRP の基質 ) との間に薬物相互作用が観察され アスナプレビルの投与後にロスバスタチンの曝露量が増加した (AI 試験 ) また アスナプレビルとジゴキシン (P-gp の基質 ) との間で薬物相互作用が観察され 腸内 P-gp の阻害に起因するジゴキシンの中程度の増加がみられた ヒトにおいて アスナプレビルとダクラタスビルとの間に臨床的意義のある薬物相互作用は認められなかった アスナプレビルの毒性を評価するため ICH ガイドラインに準拠した非臨床毒性試験を GLP 適合下で実施した 実施した試験 設定した用量範囲及び観察された影響に基づき アスナプレビルの毒性を選択した動物種において総合的に評価した 慢性毒性試験では ラット 6 ヵ月間投与の最高用量 200 mg/kg/day(auc:503 μg h/ml ヒト AUC の 136 倍 ) 及びイヌ 9 ヵ月間投与の最高用量 100 mg/kg/day(auc:302 μg h/ml ヒト AUC の 82 倍 ) まで アスナプレビルの忍容性は良好であった 主な毒性の標的器官はラット及びイヌの 1 ヵ月間反復投与毒性試験で確認された消化管及び肝臓であり これらの所見は高用量及び高曝露量においてのみ認められた ラット 1 ヵ月間反復投与毒性試験では 600 mg/kg/day(auc:299 μg h/ml ヒト AUC の 81 倍 ) で小腸の腸細胞肥大がみられた アスナプレビルによる腸管の変化に関連した変化として血清蛋白 アルブミン及びグロブリンの減少がみられ 吸収不良あるいは消化管からの蛋白損失の促進を示唆する変化と考えられた ラットで認められた変化は いずれも休薬により回復した イヌ 1 ヵ月間反復投与毒性試験では 300 mg/kg/day(auc:1385 μg h/ml ヒト AUC の 375 倍 ) で 600 mg/kg/day を投与したラットより高い曝露量が得られたが 消化管に関連した所見は嘔吐の発現頻度の増加のみであった ラット及びイヌでみられた消化管に関連した所見は 消化管中の大量のアスナプレビルによる局所的な影響と考えられた 消化管の所見は 1 ヵ月間投与毒性試験の高用量で主に発現し ラットにおける軟便及び摂餌量の増加を除き 慢性毒性試験では高い曝露量 [ ヒト AUC の 136 倍 ( ラット ) 及び 82 倍 ( イヌ )] でもみられなかった 第 2 相試験 ( 錠剤 200 mg BID 投与 ) では 消化管への影響による投与中止例はみられなかった 消化管毒性が発現する用量を投与したラットの消化管中のアスナプレビルの量と比較してヒトにおける推奨臨床用量でのアスナプレビルは少量であり これに一致して明らかな胃腸管への安全性が懸念される徴候はみられなかったことから ヒトにおいて胃腸管への影響が発現するリスクは比較的低いと考えられた また 1 ヵ月間投与毒性試験では ラットにおいて 600 mg/kg/day(auc:299 μg h/ml ヒト AUC の 81 倍 ) で病理組織学的変化を伴わない ALT 及び総ビリルビン増加がみられ イヌでは 300 mg/kg/day(auc:1385 μg h/ml ヒト AUC の 375 倍 ) で肝細胞壊死及びこれに関連して ALT 及び総ビリルビンの増加がみられた GSH 付加体の生成及び肝ミクロソーム蛋白との共有結合から アスナプレビルの代謝を介した

37 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 37 反応性中間体への生体内活性化が示唆された しかし ラット及びイヌの慢性毒性試験では高い曝露量 ( ヒト AUC の 82~136 倍 ) においても肝毒性はみられなかったことから ヒトにおける関連性については明らかでなかった 1 ヵ月間投与毒性試験では ラット及びイヌに共通して赤血球関連値 ALT 総ビリルビン及び血清蛋白の変化がみられたが ラット (600 mg/kg/day AUC:299 μg h/ml) ではイヌ (300 mg/kg/day AUC:1385 μg h/ml) より低い曝露量で発現した ラットではこれらの臨床検査値の変化に関連した病理組織学的所見は認められなかったが ラットの AUC はイヌで肝臓の凝固壊死がみられた AUC の 0.3 であったことから 感受性の種差あるいは曝露量に閾値が存在することが示唆された ヒトにおいては 600 mg QD/BID で AST 又は ALT の増加 ( 総ビリルビン増加を伴う又は伴わない ) がみられ 肝臓への影響が示唆されたため 高用量の臨床開発を中止した 以降の臨床試験におけるアスナプレビルの用量は忍容性が概して良好であり 肝臓への影響が発現するリスクは比較的低いと考えられる 慢性毒性試験では 1 ヵ月間試験と比較して消化管及び肝臓の毒性の進行は認められず 新規の標的器官もみられなかった 1, 6 及び 9 ヵ月間投与毒性試験で共通してみられたアスナプレビルの投与に関連した所見 ( ラットにおける軽度な回復性の肝臓重量増加及びイヌにおける軽微な回復性の赤血球の変化 ) は 毒性学的意義が低い変化であるか 関連した血液生化学的検査値又は病理組織学的変化が認められない変化であった ダクラタスビルとの併用投与毒性試験をラット及びサルを用いて最長 3 ヵ月間で臨床におけるヒト曝露量の範囲を網羅する AUC( ヒト AUC の 18 倍 ) が得られる用量で実施した結果 毒性学的相互作用を示唆する変化はみられなかった アスナプレビルは遺伝毒性を有さず Tg-rasH2 トランスジェニックマウスを用いた 26 週間投与がん原性試験の結果 最高用量 200 mg/kg/day(auc:1292 μg h/ml ヒト AUC の 350 倍 ) までがん原性は認められなかった ラット 2 年間投与試験は実施中である 生殖発生毒性に関しては ラットにおいてヒト AUC の 103 倍まで生殖能への影響はみられなかった マウス及びウサギの胚 胎児発生に関する試験の結果 アスナプレビルに選択的な発生毒性は認められず 胚致死作用及び催奇形性もみられなかった ウサギではアスナプレビルの高い曝露量が得られなかったが ウサギにおける曝露量は推奨臨床用量における曝露量と同等以上であり マウスで高い曝露量 ( ヒト AUC の 472 倍 ) が得られていることから 胚 胎児発生への影響は適切に評価されたと考えられた ラットの出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験では 400 mg/kg/day( ヒト AUC の 193 倍 ) で母動物毒性が発現したが 選択的な発生毒性はみられなかった アスナプレビルは胎盤を少量通過し 乳汁中に排泄されることから アスナプレビルを服用している妊婦及び授乳婦では胎児及び乳児が本薬及びその代謝物に曝露される可能性が示唆された 本薬の臨床投与経路は経口であるため 局所刺激性試験は実施していない アスナプレビルに光毒性は認められなかった 免疫機能への影響並びに中枢及び末梢神経系への影響を示唆する変化は認められず ヒトに特有の代謝物及び臨床での曝露量が高い代謝物が存

38 アスナプレビル 2.4 非臨床試験の概括評価 Page 38 在しないことから 抗原性 免疫毒性試験 薬物依存性試験及び代謝物の毒性試験は実施しなかった 以上の非臨床薬理試験 薬物動態試験及び毒性試験の成績により 試験に使用した動物種及び試験系におけるアスナプレビルの特徴を示した 非臨床試験の成績は アスナプレビルのダクラタスビルとの併用による C 型慢性肝炎患者における DCV + ASV 併用療法の有効性及び安全性を裏付けるものと考えられる

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