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日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―


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平成30年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)

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質問 1 11 月 30 日は厚生労働省が制定した 年金の日 だとご存じですか? あなたは 毎年届く ねんきん定期便 を確認していますか? ( 回答者数 :10,442 名 ) 知っている と回答した方は 8.3% 約 9 割は 知らない と回答 毎年の ねんきん定期便 を確認している方は約 7 割

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

中小企業退職金共済制度加入企業の実態に関する調査結果の概要

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

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退職金制度等の実態に関する調査

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

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20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

図表 29 非正規労働者の転職状況 前職が非正規労働者であった者のうち 現在約 4 分の 1 が正規の雇用者となっている 非正規労働者の転職希望理由としては 収入が少ない 一時的についた仕事だから が多くなっている 前職が非正規で過去 5 年以内に転職した者の現職の雇用形態別割合 (07 年 現職役

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おカネはどこから来てどこに行くのか―資金循環統計の読み方― 第4回 表情が変わる保険会社のお金

<本調査研究の要旨>

. 個人投資家の年齢層と年収 個人投資家 ( 回答者 ) の年齢層 8% 6% 28% 2~3 代 5% 2% 3% 4 代 5 代 6~64 歳 65~69 歳 7 代以上 個人投資家 ( 本調査の回答者 ) の過半数 (56%) は 6 歳以上のシニア層 昨年調査 6 歳以上の個人投資家 56%

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あえて年収を抑える559万人

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自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

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図表目次 ([ ] 内は詳細結果表の番号 ) 表 1 貯蓄現在高の推移... 4 [8-4 表,8-3 表 ] 図 1 貯蓄現在高階級別世帯分布... 5 [8-1 表,8-3 表 ] 表 2 貯蓄の種類別貯蓄現在高の推移... 6 [8-4 表 ] 図 2 貯蓄の種類別貯蓄現在高及び構成比...

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家計調査報告 ( 貯蓄 負債編 ) 平成 23 年平均結果速報 ( 二人以上の世帯 ) 目 次 Ⅰ 貯蓄の状況 1 概要 貯蓄の種類別内訳 貯蓄現在高階級別貯蓄の分布状況... 9 Ⅱ 負債の状況 Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄 負債の状況 1 世帯主の職業別の状況

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3.HWIS におけるサービスの拡充 HWISにおいては 平成 15 年度のサービス開始以降 主にハローワーク求人情報の提供を行っている 全国のハローワークで受理した求人情報のうち 求人者からインターネット公開希望があったものを HWIS に公開しているが 公開求人割合は年々増加しており 平成 27

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01 公的年金の受給状況

質問 1 企業 団体にお勤めの方への質問 あなたの職場では定年は何歳ですか?( 回答者数 :3,741 名 ) 定年は 60 歳 と回答した方が 63.9% と最も多かった 従業員数の少ない職場ほど 定年は 65 歳 70 歳 と回答した方の割合が多く シニア活用 が進んでいる 定年の年齢 < 従業

(3) 可処分所得の計算 可処分所得とは 家計で自由に使える手取収入のことである 給与所得者 の可処分所得は 次の計算式から求められる 給与所得者の可処分所得は 年収 ( 勤務先の給料 賞与 ) から 社会保険料と所得税 住民税を差し引いた額である なお 生命保険や火災保険などの民間保険の保険料およ

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調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

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( 読み替え ) 第 3 条法第 6 条に規定する生命保険契約等については この要領中次の表の左欄に掲げる字句は それぞれ同表の右欄に掲げる字句に読み替えるものとする 預金等生命保険料等預入等払込み残高累計額 ( 事務の総括 ) 第 4 条財形主管課長は 教職員の財産形成貯蓄等の取扱いに関する事務を

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図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

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第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

平成29年度     地域経済動向調査      調査報告書

5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

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世帯主年齢別にみると 加入 追加加入意向あり の割合は 概ね若年齢層ほど高くなって おり 30~34 歳 では 59.3% となっている ( 図表 Ⅱ-75) 図表 Ⅱ 75 今後の加入 追加加入意向 ( 世帯主年齢別 ) - 加入 追加加入意向あり の割合

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III 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況

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2 月間事業その 2 パート 派遣 契約社員等の労働月間 非正規労働者の方にとって働きやすい職場環境の実現を後押しします! 開催日 セミナー開催時間 相談会開催時間 セミナーテーマ定員セミナー講師会場申込み先 事業全般に関する問合せ先 労働相談情報センター事業普及課 労働

ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

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目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

Transcription:

資料 2 H28.11.29 第 17 回勤労者生活分科会資料 財形制度をめぐる状況について

目 次 1-1. 勤労者財産形成貯蓄制度の概要 1 1-2. 財形持家融資制度の概要 2 2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について 3 2-2. 財形貯蓄制度をめぐる状況について 9 3-1. 勤労者の持家をめぐる状況について 12 3-2. 財形持家融資制度をめぐる状況について 14 4-1. 財形制度をめぐる状況について 17 4-2. 財形制度をめぐる課題 22

1-1. 勤労者財産形成貯蓄制度の概要 勤労者財産形成貯蓄 ( 財形貯蓄 ) 制度は 55 歳未満の勤労者 ( 一般財形貯蓄は年齢の制限なし ) が財形貯蓄取扱機関と契約を締結し 事業主が勤労者に代わって賃 から天引き預 する 法により貯蓄を う制度 財形年 貯蓄及び財形住宅貯蓄については その利 等について税制上の優遇措置が講じられている 勤労者財産形成貯蓄制度 ( 財形貯蓄取扱機関 : 銀 証券 保 損保等 ) 一般財形貯蓄 (S46.6 ) 目的自由 利 等は課税 年齢要件なし 財形貯蓄制度の仕組み 労働組合又は従業員の代表 1 給与天引 預入協定 契約数 56 万件 貯蓄残高 1 兆 8,541 億円 (H28.3 末 ) 財形年 貯蓄 (S57.1 ) 貯蓄開始は55 歳未満 年 として受取 ( 満 6 歳以上 ) 定額型 逓増型 前厚型から受取方法を選択 財形住宅と合わせて55 万円 ( 生命保険等の場合は385 万円 ) まで利 課税契約数 184 万件 貯蓄残高 3 兆 2,33 億円 (H28.3 末 ) 勤労者 3 給与天引 事業主 4 預入代 財形住宅貯蓄 (S63.4 ) 貯蓄開始は55 歳未満 住宅の取得 増改築等の費 に充当 財形年 と合わせて55 万円まで利 課税契約数 79 万件 貯蓄残高 1 兆 9,33 億円 (H28.3 末 ) 2 財形貯蓄契約 財形取扱 融機関 1

1-2. 財形持家融資制度の概要 財形持家融資制度は 財形貯蓄を利 している勤労者に対し 保有する財形貯蓄残高の 1 倍 ( 上限 4, 万円 ) までの範囲内で 事業主を通じて ( 転貸融資 ) 又は直接に ( 直接融資 ) 住宅を建設 購 は改良するために必要な資 を融資する制度 財形融資制度 (S52.7 ) ( 独 ) 勤労者退職 共済機構等が債券の発 及び借 により 財形貯蓄取扱機関より資 を調達 ( 財形貯蓄総残 の 1/3 を限度 ) して融資 財形貯蓄制度を利 している勤労者に対し 持家の取得等の資 を融資 ( 独 ) 勤労者退職 共済機構が事業主等を通じて う転貸融資 公務員に対してその共済組合が う直接融資 これらの融資を受けることができない勤労者に対して ( 独 ) 住宅 融 援機構及び沖縄振興開発 融公庫が う直接融資がある 融資限度額 財形貯蓄残高の 1 倍 ( 最大 4, 万円 ) 貸付 利 (5 年固定 ) 年.62% ( 平成 28 年 1 月 1 日現在 ) 償還期間 35 年以内 1 財形貯蓄を利 勤労者 4 住宅資 を転貸 財形融資制度の仕組み 財形取扱 融機関 平成 27 年度実績貸付決定件数 :746 件貸付決定額 :129 億円 ( 独 ) 住宅 融 援機構 沖縄振興開発 融公庫 公務員共済組合が う融資は 事業主を介さず勤労者に直接融資 事業主 2 債券 借 により資 調達 勤労者退職 共済機構 3 住宅資 を融資 2

2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について 近年 金融商品の多様化が進む中 国民が有する金融資産額の 5 割超を預貯金が占めており 依然として 国民の貯蓄志向は高い 我が国の家計が保有する 融資産 種類別 融資産の保有額の推移 投資信託 5.% 債務証券 1.5% 株式等 8.2% その他 2.8% 1,3 ( 万円 ) 1,2 1,1 1, 金融資産保有額 ( 万円 ) 1,169 1,182 1,29 1,152 1,15 1,124 1,18 1,11 1.% 9.% 8.% 7.% 保険 年金 定型保証 29.8% 現金 預金 52.7% 9 8 54.3% 55.1% 54.3% 55.2% 56.9% 55.% 54.1% 53.2% 預貯金の占める率 (%) 6.% 5.% 7 4.% 家計が保有する金融資産の構成 平成 28 年 6 月末 残高 ( 兆円 ) 構成比 (%) 金融資産計 1,746 1.% 現金 預金 92 52.7% 保険 年金 定型保証 52 29.8% 株式等 144 8.2% 投資信託 87 5.% 債務証券 27 1.5% その他 49 2.8% 日本銀行 資金循環統計 6 生命保険の占める率 (%) 3.% 5 16.8% 18.% 17.7% 17.4% 17.6% 18.% 15.9% 16.9% 2.% 4 1.% 3.% 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 3

2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について 勤労者世帯の家計における貯蓄額については 勤労者以外の世帯との格差が依然として存在している 2,5 ( 万円 ) 2,3 2,1 1,9 1,7 1,5 1,8831,892 2,125 2,37 1,958 1,5281,5161,53 1,557 1,637 2,221 2,169 2,2652,26 1,834 1,794 1,821 世帯主の職業別 貯蓄額現在高の推移 2,15 2,8 2,264 2,44 勤労者以外の世帯 2,238 2,222 2,238 2,282 2,289 2,2742,23 2,166 2,1392,143 2,115 1,941 1,884 1,894 1,883 1,93 1,767 1,785 1,8151,864 1,869 1,839 1,776 1,8231,8251,83 勤労者以外の世帯 ( うち個人営業 ) 2,3352,325 2,262 2,73 1,859 1,3 1,1 9 995 1,128 1,51 1,187 1,2361,2341,2611,279 1,25 1,352 1,393 1,356 1,281,292 1,273 1,292 1,2641,2681,251,23 1,2441,2331,2331,244 1,291,39 勤労者世帯 7 5 総務省統計局 家計調査 ( 平成 12 年以前については総務省統計局 貯蓄動向調査 ) 貯蓄動向調査 は平成 12 年で調査終了しているため 家計調査 での調査開始前の平成 13 年については データが存在しない 4

2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について 勤労者世帯の純貯蓄額 ( 貯蓄 - 負債 ) についても 勤労者以外の世帯と開きがある 勤労者世帯の家計において 可処分所得は近年横ばいである 世帯主の職業別 純貯蓄額 ( 負債を除く ) 現在高の推移 2,2 ( 万円 ) 2, 1,929 1,965 1,93 1,886 1,872 1,887 1,889 2,87 2,94 2,17 6. ( 万円 ) 勤労者世帯の 1 ヶ月の実収入及び可処分所得額の推移 1,8 1,6 1,4 1,2 1, 勤労者以外の世帯 1,467 1,337 1,248 1,278 1,312 1,326 1,297 1,27 1,229 1,169 勤労者以外の世帯 ( うち個人営業 ) 55. 5. 45. 4. 53.4 52.6 52.9 非消費支出 実収入 51.8 52.1 51. 44.1 44.3 44.3 42.8 43. 42.1 可処分所得 51.9 52.4 52. 52.6 42.5 42.6 42.4 42.7 8 6 4 64 64 598 勤労者世帯 56 565 586 538 54 534 554 35. 3. 総務省統計局 家計調査 総務省統計局 家計調査 5

2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について 勤労者の給与水準及び貯蓄額には 企業規模による格差が存在している 4. ( 万円 ) 38. 36. 34. 35.9 所定内給与額の推移 ( 企業規模別 ) 企業規模計 1 人以上 1~999 人 1~99 人 35.5 35.1 34.6 34.8 34.3 34.5 34.5 34.7 35.2 1,5 ( 万円 ) 1,25 1, 勤労者世帯の貯蓄額 ( 平成 27 年平均 ) ( 世帯主の勤め先企業規模別 ) 97 1,135 1,162 1,273 1,488 32. 75 3. 3.2 3.1 29.9 29.5 29.6 29.7 29.8 29.6 3. 3.4 28. 26. 29. 28.8 29. 26.4 26.6 26.6 28.5 28.6 28.6 28.7 26. 25.9 25.7 25.8 29.1 28.4 28.1 26.2 26.2 26.4 5 25 24. 1~29 人 3~99 人 1~499 人 5~999 人 1 人以上 厚生労働省大臣官房統計情報部 賃金構造基本統計調査 ( 一般労働者の所定内給与額 ( 短時間労働者を除く )) 総務省統計局 家計調査 6

2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について 正社員以外の労働者数 割合とも近年増加傾向にある 正社員以外の就業形態で男女とも多いのはパートタイムであるが 男性は全体の 1 割に対し 女性は全体の 4 割を占め その割合が高い 2,5 ( 万人 ) 2, 1,5 1, 32.6% 33.% 33.5% 34.1% 33.7% 34.4% 35.2% 35.2% 3.4% 31.4% 29.4% 431 男性 女性 444 正規雇 者の男 別の推移 非正規雇用の割合 466 57 519 539 56 527 54 571 566 37.4% 37.5% 36.7% 61 63 634 (1.47) 就業形態別労働者割合 ( 単位 :%) 総数男性女性 正社員 6.2 73.9 43.3 正社員以外の労働者 39.8 26.1 56.7 出向社員 1.1 1.8.4 嘱託社員 ( 再雇用者 ) 契約社員 ( 専門職 ) 2.7 3.7 1.5 3.5 2.9 4.2 派遣労働者 2.6 2.1 3.1 5 1,345 1,21 1,61 1,98 1,126 1,159 1,196 1,25 1,2 1,223 1,241 1,247 1,296 1,332 (1.32) パートタイム労働者 23.3 1.4 39.4 臨時労働者 1.4 1.3 1.5 その他 5.1 4. 6.6 総務省統計局 労働力調査 平成 27 年のカッコ内は平成 14 年比注 ) 平成 23 年の数値 割合は被災 3 県を除く 厚生労働省大臣官房統計情報部平成 26 年 就業形態の多様化に関する総合実態調査 ( 個人調査 ) 本調査では 事業所規模 5 人未満の事業所は調査対象外となっていること等から総務省統計局 労働力調査 の結果とは異なることに留意する必要がある 7

2-1. 勤労者の貯蓄をめぐる状況について パートタイムは全体的に賃金総額が低く 貯蓄余力は低いと考えられる また 正社員以外の約 5 割は自らの収入で生活を賄っている 平成 26 年 9 の賃 総額 ( 税込 ) % 2% 4% 6% 8% 1% 正社員.2 14.9 83.7.2.9 生活をまかなう主な収入源が自分自身の収入である割合 ( 単位 :%) 正社員正社員以外 全体 83.4 47.7 出向社員.3 8. 9.2.7.7 男性 96.1 8. 嘱託社員 ( 再雇用者 ) 5.1 41.7 52.6.1.5 性 56.6 29.3 出向社員 - 92.6 契約社員 ( 専門職 ) 4.7 47.6 45.7 1.2.8 嘱託社員 ( 再雇用者 ) - 86.1 契約社員 ( 専門職 ) - 67.9 派遣労働者 1. 43.5 42.1 3.4 1.1 派遣労働者 - 69. パートタイム労働者 55. 38.1 4.6 1.6.8 パートタイム労働者 - 32.5 臨時労働者 - 53.4 臨時労働者 54.7 27.3 8. 6.5 1 万円未満 1~2 万円未満 2 万円以上支給なし不明 3.5 厚生労働省大臣官房統計情報部平成 26 年 就業形態の多様化に関する総合実態調査 厚生労働省大臣官房統計情報部平成 26 年 就業形態の多様化に関する総合実態調査 8

2-2. 財形貯蓄制度をめぐる状況について 財形貯蓄の利用件数 貯蓄残高は引き続き減少の傾向にある 勤労者財産形成貯蓄 ( 般 年 住宅 ) の推移 残高 ( 兆円 ) 2 15 1 住宅財形貯蓄残高年金財形貯蓄残高一般財形貯蓄残高住宅財形契約件数年金財形契約件数一般財形契約件数合計契約件数 件数 ( 万件 ) 2 15 1 5 5 S46 S48 S51 S54 S57 S6 S63 H3 H6 H9 H12 H15 H18 H21 H24 H27 ( 年度 ) ( 単位 : 千件 百万円 ) 年 度 一般財形貯蓄財形年金貯蓄財形住宅貯蓄合計契約件数貯蓄残高契約件数貯蓄残高契約件数貯蓄残高契約件数貯蓄残高 平成 23 年度 6,237 1,648,718 2,4 3,576,258 961 2,347,846 9,237 16,572,823 平成 24 年度 6,52 1,687,463 1,99 3,466,634 91 2,231,443 8,952 16,355,54 平成 25 年度 5,93 1,715,347 1,934 3,375,141 865 2,115,298 8,72 16,25,786 平成 26 年度 5,747 1,85,225 1,883 3,288,61 824 2,18,377 8,453 16,111,664 平成 27 年度 5,63 1,854,149 1,838 3,23,314 79 1,933,3 8,231 15,99,493 注 : 件数及び残高は各年度末の数値である 9

2-2. 財形貯蓄制度をめぐる状況について 財形貯蓄制度の導入割合は年々減少している 社内預金制度も同様に減少しており 企業の貯蓄制度は減少傾向にある 財形貯蓄制度の導入割合と制度のある企業における契約労働者割合は企業規模が小さいほど低く 減少幅も大きい 7. (%) 6. 5. 4. 貯蓄制度の事業所導 割合の推移 61.8 財形貯蓄 54.5 社内預金 46.4 41.4 1. (%) 8. 6. 4. 2.. 平成 11 年平成 16 年平成 21 年平成 26 年 56.2 48.6 4.2 35. 企業規模別 財形制度の導 率 7.8 63.4 57.9 51.8 91.789. 83.9 82.3 76.7 72.6 75.5 68.4 3~ 99 人 1~299 人 3~999 人 1, 人以上 厚生労働省大臣官房統計情報部 就労条件総合調査 3. 2. 1.. 7.4 4.6 4.6 3.6 平成 11 年平成 16 年平成 21 年平成 26 年 厚生労働省大臣官房統計情報部 就労条件総合調査 この調査は事業所規模 3 人以上の事業所に調査したものである 4. (%) 35. 3. 25. 2. 15. 1. 5.. 平成 11 年平成 16 年平成 21 年平成 26 年 企業規模別 制度のある企業の労働者に対する一般財形契約労働者割合 24.3 23.5 21.4 21.5 19.8 17.8 18.317.9 29.3 27.9 23.4 24.7 36.3 33.232.231.7 3~ 99 人 1~299 人 3~999 人 1, 人以上 厚生労働省大臣官房統計情報部 就労条件総合調査 1

社員2-2. 財形貯蓄制度をめぐる状況について 正社員以外の雇用者は 正社員に比し 財形制度の適用割合が低い者もいる 雇用者数 1 万人に対する財形貯蓄の契約件数は定年年齢に近づくほど高い 就業形態別財形制度の適 割合 ( 事業所調査 ) 般財形の年齢別 雇 者 1 万 に占める契約件数 7. 7 3. (%) 25. 2. 15. 1. 5.. 正16.4 22.1 嘱託社員(再雇用者)1.2 2.3 出向社員15.6 17.2 契約社員(専門職)8.9 5.5 ( 参考 ) 企業年金 パートタイム労働者3.2.9.7 臨時的労働者財形貯蓄 ( 件 ) 占雇める契約件数(2624 年度 6. 25 年度 26 年度 5. 56 44 4. ( 万件 ) 32 3. 62.8 62.6 56.7 235 61.6 56.7 44.6 2. 56.2 41.7 39. 1.. 23.4 23.7 23.8 3 歳未満 4 歳未満 3 歳以上 5 歳未満 4 歳以上 6 歳未満 5 歳以上 92 8.2 8.8 8. 6 歳以上 用者数1万人に26. 年度)6 5 4 3 2 1 厚生労働省大臣官房統計情報部 平成 26 年就業形態の多様化に関する総合実態調査 この調査は事業所規模 5 人以上の事業所に調査したものである 労働金庫連合会のデータ 総務省統計局 労働力調査 より厚生労働省が作成 11

3-1. 勤労者の持家をめぐる状況について 雇 者世帯及び 営業主世帯の持家率及び持家率格差の推移 1. (%) 9. 8. 7. 6. 5. 4. 3. 2. 1.. 雇用者世帯の持家率については 自営業主世帯との格差が依然として存在している 5.1 79.9 78.8 79.8 79.1 78.8 29.8 54. 24.8 57.9 57.3 56.1 56.9 8.6 58.8 81.9 82.9 83.8 6.8 62. 21.9 21.8 22.7 23.7 23.1 22.1 21.8 雇用者世帯 ( 持家世帯率 ) 自営業主世帯 ( 持家世帯率 ) 自営業主世帯と雇用者世帯の持家率格差 6 (%) 5 4 3 2 1 2 歳代世帯の約 8 割 3 歳代世帯の約 5 割が持家ではなく そのうち 2 歳代世帯の約 5 割 3 歳代世帯の約 4 割が今後 1 年以内の持家取得を望んでいる 36.9 34.3 19. 12.4 5.3 持家のない世帯の世代別住宅取得予定割合 45.2 35.6 22.1 48.6 36.7 16.2 1.6 11.4 7.9 7.2 56.2 52.9 39.2 38.7 21.3 9.4 6. 15.2 8.5 4.4 48.8 39.6 44.5 4.4 17.5 17.9 1. 6.5 11. 5. 5. 43.2 15.3 8.1 5. 56.5 44. 17.2 H19 年 H2 年 H21 年 H22 年 H23 年 H24 年 H25 年 H26 年 H27 年 6.8 4.9 2 代世帯 3 代世帯 4 代世帯 5 代世帯 6 代世帯 総務省統計局 住宅 土地統計調査 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 12

3-1. 勤労者の持家をめぐる状況について 新規貸出額については 平成 7 年度をピークに漸減傾向となっていたが 近年はほぼ横ばい傾向である 住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移新規貸出額 ( 兆円 ) 貸出残高 ( 兆円 ) 5 4 3 2 1 新規貸出額貸出残高 H1 H5 H1 H15 H2 H25 ( 年度 ) 2 19 18 17 16 15 14 13 12 11 1 過去 5 年度分の推移 年度 新規貸出額 ( 兆円 ) 貸出残高 ( 兆円 ) 平成 23 年度 2.1 177.4 平成 24 年度 2.3 179.1 平成 25 年度 2.7 18.7 平成 26 年度 19.2 182. 平成 27 年度 2. 184.1 ( 独 ) 住宅金融支援機構 業態別住宅ローンの新規貸出額及び貸出残高の推移 13

3-2. 財形持家融資制度をめぐる状況について 平成 27 年度の財形持家融資の実績は 貸付決定件数が 746 件 貸付決定額は 129 億円となり 貸付件数 貸付金額ともに減少している 財形持家融資の推移 貸付決定額 ( 億円 ) 5, 4, 3, 金額 件数 貸付件数 ( 件 ) 35, 3, 25, 2, 2, 1, 15, 1, 5, S52 S55 S58 S61 H1 H4 H7 H1 H13 H16 H19 H22 H25 ( 年度 ) 過去 5 年度分の実績 ( 単位 : 件 千円 ) 年 度 貸付件数 貸付決定額 融資残高 平成 23 年度 67 12,2,26 1,42,888, 平成 24 年度 865 15,143,4 1,249,17, 平成 25 年度 1,331 22,267,84 1,11,686, 平成 26 年度 863 14,575,26 993,38, 平成 27 年度 746 12,892,2 887,297, 厚生労働省労働基準局勤労者生活課調べ 14

3-2. 財形持家融資制度をめぐる状況について 住宅ローン市場における財形持家融資のシェアは 平成 27 年度において.6% であり 中長期的には減少傾向にある 3.% 住宅ローンの新規貸出額に占める財形持家融資の割合 3, 住宅ローン全体に占める財形持家融資の割合 2.5% 2.% 1.5% 1.%.5% 1.98% 貸付件数 ( 住宅金融支援機構 ) 貸付件数 ( 勤労者退職金共済機構 ) 貸付件数 ( その他 ) 住宅ローンに占める財形持家融資の割合 ( 貸付金額ベース ) 25, 2, 15, 1, 5, 財形融資制度の貸付決定件数.%.6% 5 年度 7 年度 9 年度 11 年度 13 年度 15 年度 17 年度 19 年度 21 年度 23 年度 25 年度 27 年度 勤労者退職金共済機構 住宅金融支援機構調べ 15

3-2. 財形持家融資制度をめぐる状況について 財形持家転貸融資の貸付件数は 平成 25 年 4 月以降減少し 昨今は概ね各四半期 2 件程度で推移している 45 4 35 3 25 2 15 1 5 財形持家転貸融資貸付決定数及び新設住宅着 数 ( 平成 25 年度 平成 28 年第 2 四半期 ) 貸付決定件数 ( 件 ) 新設住宅着工数 ( 件 ) 金利低下貸付決定件数新設住宅着工数 金利低下 金利低下 消費税 5% 8% 35, 3, 25, 2, 15, 1, 5, H25 年度 4-6 月 7-9 月 1-12 月 1-3 月 H26 年度 4-6 月 7-9 月 1-12 月 1-3 月 H27 年度 4-6 月 7-9 月 1-12 月 1-3 月 H28 年度 4-6 月 7-9 月 参考 財形持家融資貸付金利の推移 (%) 参考 財形持家転貸融資件数 ( 件 ) 年度 4 月 7 月 1 月 1 月年度平均 1 月 ( 民間金融機関当初 5 年固定金利比較 ) 平成 25 年度.85 1.4.97.92.95 1.1 平成 26 年度.92.91.9.83.89.88 平成 27 年度.86.86.81.78.83.88 平成 28 年度.72.57.62.64 年度 貸付件数 平成 25 年度 1,142 平成 26 年度 751 平成 27 年度 681 住宅金融支援機構 勤労者退職金共済機構調べ 16

4-1. 財形制度をめぐる状況について 前出の統計データにより 財形制度をめぐる状況は以下のとおりである 勤労者の貯蓄をめぐる状況 勤労者世帯と勤労者以外の世帯における貯蓄額格差 企業規模による貯蓄水準格差 賃 準の低い 正規労働者の増加 勤労者の持家をめぐる状況 自営業主との持家取得率格差 持家のない 2 代 3 代世帯における今後 1 年以内の住宅取得予定の割合は約 4 5 割 財形貯蓄制度をめぐる状況 契約件数 貯蓄残 の 期的な低下 企業 ( とりわけ中 企業 ) の導 率 利 率の低下 非正規労働者の適用率の低さ 若年層の利 率の低さ 財形持家融資をめぐる状況 融資実績は 中 期的に減少傾向 低 利情勢下において多様化する 間住宅ローンへのシフト 財形制度の現状把握のため 複数の業態の 融機関及び企業に対するヒアリング調査を実施 ( 昨年 12 ) 17

4-1. 財形制度をめぐる状況について コストや制度メリットの低下から 積極的な導入勧奨 利用勧奨を行っていない金融機関もある 中小企業は制度導入にあたり 金融機関から十分な協力が得られず 導入を躊躇する可能性がある 制度の導入 利用向上の取組について ( 金融機関 ) 積極的に制度の普及促進を行っている金融機関がある一方 コスト面や制度のメリット低下から 積極的な導入勧奨 利用勧奨を行っていない金融機関もある ( 積極的な取組例 ) 制度利用のある企業内に金融機関が期間を定めて申込み窓口を設けている 勤労者向けのリーフレットや資産形成セミナーで財形制度について説明している ( 導入勧奨等を行っていない理由 ) システムコストがかかるため 普及促進のコストまではかけられない 昨今の低金利下では 非課税メリットを前面に出した営業ができない 今は魅力的な金融商品が数多くあるため 財形商品よりは他の金融商品の販売に注力している 企業に制度導入の意思があれば対応するが コストの面から企業規模により対応状況に差が生じ得るため 中小企業は導入事務がより煩雑になる可能性がある ( 主な意見 ) コストを重視する必要があるため 導入する企業が中小企業の場合 加入者が多く見込める大企業と同じ対応を行うことは難しい 大企業の場合には直接説明に伺うこともあるかもしれないが 中小企業であればまずは資料送付から始めるといった違いが生じる可能性がある 18

4-1. 財形制度をめぐる状況について 導入しなかった企業にその理由を聞いたところ 事務の負担 と回答する企業が多かった 一方で 金融機関の勧めにより導入をした企業は 導入事務 毎月の事務ともにそれほどの負担は感じておらず 金融機関の協力姿勢が制度導入のカギと言える 中小企業の制度導入 利用について ( 企業へのヒアリング ) 制度導入を検討したが導入に至らなかった中小企業に聴取 (5 社 ) 導入を見送った理由については すべての企業が 事務手続きが負担と感じる ことを挙げた 金融機関から導入の働きかけがあり 近年 (1 年以内 ) に導入した中小企業に聴取 (2 社 ) < 導入時 > 導入方法を金融機関が全て教えてくれ 従業員に対する説明も金融機関が行った 金融機関の説明のとおりに進めるだけであったので 特に負担に思うことなく導入できた < 毎月の事務負担について > 毎月の給料日前に 金融機関と預入れ額について調整を行うが 負担に感じるほどではない ( 聴取先は紙でのやりとりを行っていたが インターネットでやりとりをする方法もある ) 金融機関の働きかけがなく制度導入した事例は把握できなかった 19

4-1. 財形制度をめぐる状況について 社内規程には非正規労働者が対象とならないことを明記していないにもかかわらず 非正規労働者は財形貯蓄を行えない という思い込みから対象としていないケースもある 利用について 広く周知広報を行うことが必要である 非正規労働者の利用について ( 金融機関 企業へのヒアリング ) 金融機関へ聴取 制度対象者は導入企業が決定するため 金融機関から非正規労働者まで対象とするよう加入を勧めることはない 企業が定める 財形貯蓄規程 では非正規労働者を対象としていない場合が多いと思うが これは非正規労働者の全体数が少なかった制度導入時から改正されていないことが原因ではないかと思われる 中小企業へ聴取 非正規労働者 ( パート ) が財形貯蓄ができない規程を設けているわけではないが 今回のヒアリングを受け はじめて非正規労働者も財形貯蓄ができることを知った ヒアリングを行った中小企業 1 社が 金融機関の協力の下 非正規労働者を対象に加えた < 導入の理由 > 社員不足が深刻な業態であるため 他社と比べ福利厚生の充実を図るため < 導入の手続き > 非正規労働者が導入できない規程を設けていたわけではないため 規程や契約等を変える必要はなかった 金融機関の協力のもと 対象者に声がけをするなどして加入を勧めた < 加入者の声 > パートにも 福利厚生制度として貯蓄の制度があるのはよいことだ 2

4-1. 財形制度をめぐる状況について 特に若年労働者に対しては 個人のプライバシーを考慮するあまり 社内で勧誘しない風潮となっている 財形持家融資制度については 財形制度導入企業であっても認知度が低い 若年労働者の利用について ( 金融機関 ) 以前は社内で先輩が新入社員に財形貯蓄を勧めることが一般的だった 現在はプライバシーに触れづらい社会となり 社内勧誘は難しい 若者にも嫌がられる 若年者を含め転職が増え 制度を利用し続けられなくなっているのではないか 財形貯蓄について ( 金融機関 企業へのヒアリング ) 金融機関 制度創設当初に比べ 金融機関内で様々なケースに対応できる者が減っている 企業の中でも担当が代わると制度の理解が足りぬまま運営が行われていることがある 中小企業 住宅財形は払出し時の書類が多く 使い勝手が悪い 55 万円の非課税枠を上げれば 非課税のメリットを感じられる人が増えるかもしれない 財形持家融資について ( 金融機関 企業へのヒアリング ) 金融機関 財形制度のパンフレットに記載はしているが 積極的にアピールすることはない 中小企業 制度導入時に金融機関から案内がなかったため 制度があることすら知らなかった 21

4-2. 財形制度をめぐる課題 財形制度をめぐる状況 財形貯蓄の利 や認知度は全体的に低下しているが これは以前に べ 国のほか 融機関や企業などでの導 利 勧奨の機会が減少していることが一因である 導 率の低い中 企業の制度導 時には 融機関の役割は きいが すべての 融機関が親 に対応できる状況にない 非正規労働者も制度が利 できることを知らない企業が多い 社内で若年労働者に加入を勧める機会が少なくなった 財形持家融資の認知度は財形貯蓄に べて 層低い 勤労者にとって 財産形成に向けた 助努 は引き続き重要であり 国としては 積極的に財形制度を普及 促進していく必要がある 普及 促進にあたっては 特に導 普及率の低い中 企業 正規労働者 若年労働者へ情報が届くような工夫が必要である 財形持家融資の認知度を上げることも必要だが それにはまずは財形貯蓄制度を企業や勤労者に広く知ってもらうことが重要 22