はじ め に わが国は 本格的な人口減少社会を迎え 世界のどこの国も経 験したことがないペースで少子高齢化が進展しています あわせ て 地域から東京をはじめとした大都市圏への人口流出が続いて います こうした構造的課題の解決には 人口の自然増や社会増を図 る 人口減少対策 を重点に 地域の元気づくり との2本柱で 地域創生の取組を進めていかねばなりません 少子対策 子育て 支援は最重点課題の一つです 本県は 平成17年度に少子対策本部を設置し ひょうご子ども未来プラン 平成17 21年 度 や 新ひょうご子ども未来プラン 平成22 26年度 に基づき 少子対策 子育て支援 を総合的に推進してきました その結果 平成25年の合計特殊出生率は1.42となり 平成16年の1. 2 4から上昇しました また 待機児童数は平成18年度の873人から平成26年度には552人と減少 認定こども園は 118園で全国一となりました しかしながら 20 30代の女性人口の減少をはじめ 未婚化や晩産化の進行 仕事と子育て の両立の難しさなどにより 出生数は平成22年から毎年減少しています また 若者の非正規雇 用の増加 家庭や家族のあり方の変化などが深刻な課題となっています こうした状況を踏まえ このたび 今後5年間 平成27 31年度 の少子対策 子育て支援に 係る基本計画である ひょうご子ども 子育て未来プラン を策定しました ①豊かな人間性を育み 安定した生活を築く未来の親づくり ②すべての子どもと子育て家庭への切れ目のない支援による 子育てしやすい環境づくり ③仕事と生活が調和し 職場 地域が子どもと子育て家庭を支える社会づくり を目標に 総合的かつ体系的に取組を推進していきます 子どもを産み育てたいという希望が叶う社会をつくるためには 市町 NPO 地域団体 企業 住民等の協働が欠かせません ともに力をあわせ 誰もが安心して子育てできる兵庫の実現 に取り組んでいきましょう 平 成 2 7 年 3月 兵庫県知事
序 章 1 策定の趣旨 県では 少子対策を総合的に推進するため 平成 9(1997) 年度の すこやかひょうご 子ども未来プラン の策定 ( 平成 13(2001) 年度改訂 ) を皮切りに 平成 17(2005) 年度には 平成 15(2003) 年に制定された少子化社会対策基本法及び次世代育成支援対策推進法 ( 以下 次世代法 という ) を踏まえ 次世代法に基づく県の前期行動計画として ひょうご子ども未来プラン を策定し 平成 18(2006)~ 22(2010) 年の 5 年間で出生数 25 万人という目標を掲げました あわせて 庁内に 兵庫県少子対策本部 を設け 総合的 先導的な取組を進めてきました さらに 平成 22(2010) 年度には 次世代法に基づく県の後期行動計画ともなる 新ひょうご子ども未来プラン を策定し 出生数目標 24 万人 ( 平成 23(2011)~ 27(2015) 年の 5 年間 ) を掲げて取組を推進してきました しかし 本県の出生数は 平成 22(2010) 年以降毎年減少し 目標達成は極めて厳しい状況にあります また 少子化の進行により 労働力不足 社会保障負担の増大 地域社会の存続困難 子どもの成育にとって望ましい集団規模の維持困難など 様々な課題が懸念されています 一方 国においては 子ども 子育て支援が 社会保障と税の一体改革の対象に位置付けられました 消費税等を財源に 質の高い幼児期の学校教育 保育の総合的な提供 保育の量的拡大及び確保並びに地域における子ども 子育て支援の充実を図る 子ども 子育て関連 3 法 1 が成立し 平成 27(2015) 年 4 月から 子ども 子育て支援新制度 2 がスタートします このプランは 法令により策定が求められている子ども 子育てに関する法定計画であるとともに 少子対策 子育て支援に関する政策の基本的な方向を総合的かつ体系的に定める計画です また NPO 3 地域団体 企業 住民等における協働の取組の方向性を示すものです 2 関係者の責務 子ども 子育て支援には 子どもの視点に立ち 子どもの健全な育成や発達が保障されるよう 良質かつ適切な内容及び水準とすることが不可欠です また 全ての子ども 子育て家庭が 身近な地域において様々な支援を受けられることで 一人ひとりの子どもの健やかな育ちを等しく保障する必要があります 加えて 結婚や出産に関する希望の実現に向けた支援や 悩みや不安を抱えながら子育てを行なっている人々にも個々のニーズに即した適時適切な支援が必要です これらの実現をめざし 各主体が協働しながらそれぞれの役割を果たすことが求められます ( は P99 用語解説をご覧下さい ) 1
(1) 行政 在宅で子育てをしている家庭を含む全ての家庭及び子ども並びに若者等を対象に 地域の実情に応じた 少子対策 子育て支援に関する多様かつ総合的な支援が求められます 子ども 子育て支援新制度は 市町が実施主体となり 質を確保しながら 地域の実情に応じた取組を関係者と連携しつつ実施します また 国及び県は市町の取組を重層的に支えます (2) 事業主 働く人々が子育てに向き合えるよう 職場全体の長時間労働の是正 本人の希望に応じた育児休業や短時間勤務を取得しやすい環境づくり 職場復帰支援等のワーク ライフ バランス (WLB) 4 が図られるよう雇用環境の整備を行なうことが求められています (3) 教育 保育事業者 地域における子ども 子育て支援の中核的な役割を担い 子どもの健やかな育ちを実現するため 保護者のみならず地域の人々も子どもの活動支援や見守りに参加することが求められています また 質の高い教育 保育を提供するため 幼稚園教諭 保育士等子どもの育ちを支援する者の専門性の維持向上が極めて重要であり 研修等によりその確保を図ることが不可欠です (4) 県民 ( 家庭 地域 ) 子育ては 家庭が中心であるだけでなく 地域の中で保護者同士や地域の人々がつながりを持つことが大切です 保護者は 地域社会に積極的に参画し 地域の人々も子どもや子育て家庭への支援に役割を果たす必要があります また 地域団体は 日常の中での子どもたちの見守りなどにより 子どもや子育て家庭を支える役割も求められています 3 プランの位置付け (1) 本県の子ども 子育てに関する次の法定計画 県行動計画 ( 次世代育成支援対策推進法第 9 条 ) 県子ども 子育て支援事業支援計画 ( 子ども 子育て支援法第 62 条第 1 項 ) 県子ども 若者計画 ( 子ども 若者育成支援推進法第 9 条 ) 自立促進計画 ( 母子及び父子並びに寡婦福祉法第 12 条 ) 県子どもの貧困対策計画 ( 子どもの貧困対策の推進に関する法律第 9 条 ) 県母子保健計画 ( 健やか親子 21( 第 2 次 )) (2) 本県の少子対策 子育て支援に関する取組を総合的かつ体系的に推進するための基本計画 (3) 市町 NPO 地域団体 企業 県民等における協働の取組の方向性を示すもの 2 ( は P99 用語解説をご覧下さい )
4 計画期間 平成 27(2015) 年度から平成 31(2019) 年度まで (5 年間 ) 5 プランの推進 (1) 毎年度の行動プログラムの策定 公表 本プランを計画的に推進するため 毎年度行動プログラム ( 実施計画 ) を策定し 具体的施策に取り組み 県民にわかりやすく情報提供を行います (2) 兵庫県子ども 子育て会議 による取組の評価 検証 兵庫県子ども 子育て会議 において 本プランの推進状況を調査審議し PDCA(Plan-Do-Check-Action) 5 サイクルにより 継続的な評価 検証を行います (3) 兵庫県子ども 子育て支援推進本部 による少子対策 子育て支援施策の総合的推進 本プランの策定や 子ども 子育て支援新制度 の本格実施に合わせ 兵庫県少子対策本部 を 平成 27(2015) 年度から 兵庫県子ども 子育て支援推進本部 に変更し より強力に少子対策 子育て支援施策を推進します (4) 県 市町子ども 子育て支援協働会議 の開催 県 市町の子ども 子育て支援関係者が一堂に会し それぞれの取組状況の報告や意見交換等を通じて相互の連携を図る 県 市町子ども 子育て支援協働会議 を開催し 県 市町が協働して少子対策 子育て支援を推進します ( は P99 用語解説をご覧下さい ) 3
第 1 章 少子化の現状と課題 1 少子化の現状 (1) 出生数 出生率の推移 本県の合計特殊出生率 6 は 平成 16 (2004) 年の 1.24 を底に 平成 17(2005) 年以降上昇傾向となり 平成 25(2013) 年には 1.42 となりましたが 現在の人口維持に必要な 2.07 を大きく下回っています また 出生数は 平成 23(2011) 年 47,974 人 24(2012) 年 47,186 人 25 (2013) 年 46,230 人 26(2014) 年 44,817 人と毎年減少しています 今後は 団塊 出典 : 出生数は兵庫県統計課 推計人口 合計特殊出生率は厚生労働省 人口動態統計 ジュニア世代 7 ( 昭和 46(1971)~ 昭和 49(1974) 年生まれ ) の女性が 40 歳代となり 20 ~ 30 歳代の女性人口の減少が続くことなどから 合計特殊出生率が上昇しても 容易に出生数は増加に転じません (2) 少子化がもたらす影響 少子化の進行により 将来の労働力人口の減少による経済成長へのマイナスの影響が懸念されます また 少子化により 社会保障制度 ( 年金 医療 介護 子育て ) の担い手が減り 現役世代の負担の増加につながるほか 地域の活力低下により自主的な活動を困難にするなど 地域社会の存続そのものが危ぶまれます 子どもの育成に関しても 望ましい規模の集団形成の難しさから 子ども同士が学校生活や兄弟姉妹 友達との遊びの中で人間性や社会性を育みながら成長していくための機会が減少し 協調性を養いつつ 個人として自立した人間に成長する人格形成への影響が懸念されます 少子化に歯止めをかけるには 結婚 出産を支える取組はもとより 生まれた子どもが健やかに成長し 将来の親として自立できるよう 社会全体で支援を行う必要があります 2 人口減少と人口構造の変化 我が国は 少子高齢化が世界的にも例を見ないスピードで進み 人口構造の急速な変化が起こっています 兵庫県の人口は 平成 21(2009) 年の 560 万人をピークに減少に転じ 平成 52(2040) 年には ピーク時より 93 万人少ない 467 万人となる見込みです 年齢別 (3 区分 ) でみると 65 歳以上の人口比率は 平成 17(2005) 年の 19.9% から 平成 52(2040) 年には 36.4% まで上昇する見込みです 一方 14 歳以下の子どもの人口比率は 平成 17(2005) 年の 14.3% から 平成 52(2040) 年には 10.1% まで減少する見込みであり 少子高齢化の一層の進展が予測されています また 広い県土において 人口の偏在化も進みます 県内全域で人口が減少する中で 神戸 阪神地域は平成 32(2020) 年頃までは人口を維持する一方 西播磨 但馬 丹波 淡路地域では人口減少が著しく 平成 72(2060) 年頃には 現在の 6 割を切る水準にまで減少すると見込まれる市町もあります 4 ( は P99 用語解説をご覧下さい )
県内市区町別人口指数予測 現行トレンドで推移した場合 平成 22(2010) 年の人口を 100 としたときの 県内市区町別人口指数 ( 兵庫県ビジョン課推計 ) < 平成 32(2020) 年 > 神戸 阪神は人口維持 西播磨 但馬 淡路は人口が80~90に減少 < 平成 52(2040) 年 > 神戸 阪神は概ね90~100 を維持 地域格差が拡大 地域別の合計特殊出生率の推移 県内地域別の合計特殊出生率を見ると 神戸 阪神地域などに比べて 但馬 淡路 丹波地域などは 比較的高い出生率となっています 地 域 兵庫県神戸地域阪神南地域阪神北地域東播磨地域北播磨地域中播磨地域西播磨地域但馬地域丹波地域淡路地域 合計特殊出生率の推移 1985 年 1990 年 1995 年 2000 年 2005 年 2010 年 < 平成 72(2060) 年 > 神戸 阪神も80 未満に 西播磨 但馬 丹波 淡路は総じて60 未満に減少 5
3 今後の課題 (1) 20~30 代の女性人口の減少 20 ~ 39 歳の県内女性人口は 平成 17(2005) 年には約 76 万人でしたが 平成 22(2010) 年には約 70 万人と約 6 万人減少しています また 平成 23(2011) 年 ~ 平成 26(2014) 年にかけて団塊ジュニア世代が 40 歳代となったことから 平成 22(2010) 年からの 5 年間で約 9 万人減少し その後も減少傾向が続くことが予測されています 出典 : 兵庫県ビジョン課調べ (2) 未婚化 晩婚化 晩産化の進行 8 生涯未婚率は 平成 22(2010) 年で男性 17.5% 女性 10.7% で この 10 年で 男性 6.5 ポイント 女性 4.9 ポイントそれぞれ上昇しています 特に 女性は 平成 17(2005) 年から平成 22(2010) 年の5 年間で 3.5 ポイント上昇し 未婚化が急速に進行しています 一方 出生動向基本調査 ( 平成 22(2010) 年厚生労働省 ) によると いずれ結婚するつもり と回答した人は 男性 86.3% 女性 89.4% となっており 条件が整えば結婚したいと考えている人も多く見られます こうしたことから 結婚は個人の意思に基づくものであることを前提としながらも 家族や子育ての重要性などを伝えていくとともに 出会いの機会の提供などにより 結婚したい人が結婚することを応援する環境づくりが大切です (%) 年代別の出生率の推移 ( 兵庫県 ) また 本県の 25 ~ 34 歳男女の未婚率は 平成 100.0 22(2010) 年で男性 55.5% 女性 4 6.6% であり 30 80.0 年前と比べると 男性 1 9.2 ホ イント 女性 3 1.2 ホ イント上昇しています 60.0 出産した人の年代の構成比の推移を見ると 20 40.0 ~ 34 歳で出産する人の割合が減少する一方 35 歳 20.0 以上の割合は 平成 17(2005) 年の 16.1% から 平成 24(2012) 年には 26.4% と 10.3 ポイント増加し 0.0 ています また 第 1 子の出産平均年齢は 平成 17 2005 2007 2009 2011 2012 35 歳以上 20~34 歳 19 歳以下 (2005) 年の 29.2 歳から 平成 24(2012) 年には 30.4 歳となっており 1.2 歳上昇しています 出典 : 厚生労働省人口動態統計晩産化の進行は 出産可能な期間が短くなることから 希望する子どもの数が実現できないことや 出生数の減少にもつながります このことから 結婚 出産を希望する人の希望を叶えるとともに 結婚 出産の早期化により 第 2 子や第 3 子以上を産み育てやすい環境づくりが大切です 6 ( は P99 用語解説をご覧下さい )
(3) 子どもの数の希望と現実との乖離 夫婦が持つ平均子ども数は 戦後大きく低下したものの 昭和 47(1972) 年から 30 年程度は 概ね 2. 2 人で推移してきました しかし 平成 17(2005) 年に 2.09 人 平成 23(2011) 年には 1.96 人へと減少し 初めて 2 人を下回りました 出生動向基本調査 によると 夫婦の理想的な子どもの数は 2.42 人ですが 子どもが欲しいと願いながらも 子育てにかかる経済的負担 精神的な不安 身体的事情により あきらめざるを得ない人も少なくありません さらに 女性の就労と出産 子育ての両立の難しさや男性の長時間労働など 男女共の働き方の課題も見られます 21 世紀出生児縦断調査特別報告書 ( 平成 25(2013) 年厚生労働省 ) 及び 出生動向基本調査 によると 第 2 子の出生に影響を及ぼす主な要素は 夫婦間の家事 育児の分担 第 3 子の主な要素には教育費の負担感が挙げられています こうしたことから 夫婦が希望する子どもの数が叶えられるよう 男性の育児参画や妊娠 出産 子育てにかかる経済的負担の軽減 職場や地域における子育てしやすい環境づくりが求められます (4) 若年者の非正規雇用の増加 終身雇用や年功序列といった日本型雇用慣行が変容し 正規雇用者の割合が大幅に低下する一方で パートタイム アルバイトや派遣労働者の割合が年々上昇するなど 雇用形態の多様化が進んでいます 特に 若年層において非正規雇用など雇用の不安定化や低所得化が進むとともに 若年無業者 ( いわゆるニート ) の存在など 経済的に自立が困難な若者が増えています ( 平成 25(2013) 年本県におけるニートの推計数 : 約 2.6 万人 ) また 就職しても 簡単に離職してしまう若者も増えています 雇用形態による賃金格差を見ると 年齢が上がるにつれて収入が増加する正社員に対して パート アルバイト等はほぼ横ばいであるため 正社員を 100 とした場合の指数は 30 ~ 34 歳は 73 35 ~ 39 歳は 65 と 年齢の上昇とともに格差が拡大しています こうしたことから 若者の安定的な就業等による経済的 精神的自立を促進し 生活基盤の安定を図る必要があります 7
(5) 子育てと仕事の両立の難しさ ア 女性の就業状況 女性の社会進出の進展により 就業している女性は年々増加していますが 第 1 子の出産 育児期に一旦仕事を辞める女性が多い状況です このため 保育所 認定こども園 9 等の整備や 男女の働き方の改革などにより 女性が出産後も働き続けられる環境の整備が不可欠です イ 男性の育児参画 県民モニター調査 ( 平成 26(2014) 年兵庫県 ) で 子育て中 ( 中学生以下 ) の人が 1 日あたりに家事 育児に費やす時間 を尋ねたところ 男性のうち半数近くの人が 1 日 1 時間以上家事 育児を行うなど 一定の役割を果たしていることが窺えますが 女性と比較すると圧倒的にその時間が少ない状況となっています こうしたことから 男女の役割分担の固定的な意識を解消するとともに 男性の長時間労働の慣習を改めるなど 男女が協力 共同して子育てを行う環境づくりが必要です 子育て中の人が1 日に家事 育児に費やす時間 ( 兵庫県 ) 時間男性女性 4 時間以上 2 時間 ~4 時間未満 1 時間 ~2 時間未満 30 分 ~1 時間未満 30 分未満 ほとんどない 出典 :H22 年国勢調査 (6) 家族や家庭のあり方の変化 かつて 日本における家族構成は 三世代同居など大家族が多かったため 経験豊かな祖父母が子育てに協力したり 知恵を授けたりしただけでなく 兄や姉が幼い子の面倒をみるなど 家族全体で子育てを担う仕組みが存在していました しかし 核家族と単独世帯を合わせた割合が増加し 三世代同居にみられたつながりが希薄化し 特に都市部においては 母親の社会からの孤立感 疎外感 育児に対する不安感の増大につながっています 県民意識調査 ( 平成 26(2014) 年兵庫県 ) の結果では 子育てに悩んだ時の相談先として 誰にも相談しない と答えた人が 小学生の保護者で 13.6% 中学生の保護者で 18.9% に上り 子育て家庭の孤立化が懸念されます こうしたことから 身近な場所に子育て中の親子が集まって 交流 情報交換したり 一時的な保育需要への対応や 子育てに関する相談に対する適切な助言など 地域の子育て支援機能の強化が求められています 8 ( は P99 用語解説をご覧下さい )
4 求められる対応 フランスやスウェーデンでは 1980 年代に 1.6 台まで低下した出生率が 出産 子育てと就労に関して幅広い選択ができるような両立支援の政策を推進した結果 2010 年には フランス 2.01 スウェーデン 1.98 まで回復しました こうしたことから 合計特殊出生率水準は社会経済環境によって決定される要素が強く 政策展開によって変わり得るものであると言えます しかし 人口減少をくい止めるには 長期間にわたり対策に取り組む必要があります このため 前記の課題を踏まえ 若者の生活基盤の安定 出会い 結婚支援 家族 家庭づくりの意識醸成 子どもの健全育成 子育てとの両立が可能な働き方の実現など 以下のような取組を総合的かつ継続的に展開する必要があります 若者の経済的自立の促進 若者に対する研修 カウンセリングやインターンシップなど就業支援の充実 豊かな人間性を育む体験活動機会の提供とふるさと意識の醸成 チャレンジ精神 規律 協調性などを大切にする子どもたちの集団活動機会の提供 積極的に地域社会に参画する若者の育成 結婚 出産の希望を叶える支援の充実 ひょうご出会いサポートセンターなど出会い 結婚支援の充実 若い世代が結婚 出産や子育て等ライフプランを考える機運の醸成 不妊治療への支援や周産期医療の維持 強化 ライフステージ等に対応した切れ目のない支援 ライフステージや個々の家庭の課題 ニーズに対応する 切れ目のない支援 誰もが利用する支援( ユニバーサル支援 ) と個別の課題への支援 ( ターゲット支援 ) との適切な組み合わせ 質の高い幼児期の学校教育 保育の提供ときめ細かな子育て支援 認定こども園など教育 保育施設の充実や保育人材の確保 小一の壁 解消に向けた放課後対策の充実 病児 病後児保育など子育て家庭のニーズに応じた子育て支援サービスの充実 子育て家庭の経済的負担の軽減 子どもの医療費や多子世帯の保育料に対する経済的支援 子育てと両立できる働き方の実現 ひょうご仕事と生活センターを拠点とした 労働者 経営者 行政の三者合意に基づくワーク ライフ バランスの取組促進 男女共同参画センターを中心とした継続就業 再就業 起業など女性の多様な働き方への支援 男女とも 子育てが評価されキャリアアップへつながる環境づくり 男性の家事 育児参画の促進 家族 家庭づくりの意識醸成 家族の日 運動など家族との触れあいの大切さの意識啓発や家庭の教育力の充実 地域の三世代による体験 交流機会の創出 社会全体での子育て 子育て応援ネットなど地域社会による子育て家庭への支援 子育て家庭を応援する企業 団体との協働の推進 特別な支援が必要な子どもへの支援 ひとり親 貧困世帯 施設入所児童 障害児 外国人児童生徒などへの支援 9