少子高齢化班後期総括

Similar documents
Microsoft PowerPoint - 【資料3-2】高年齢者の雇用・就業の現状と課題Ⅱ .pptx

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果の概要

26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

Microsoft PowerPoint

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

平成30年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)

第 Ⅰ 部本調査研究の背景と目的 第 1 節雇用確保措置の義務化と定着 1. 雇用確保措置の義務化 1990 年代後半になると 少子高齢化などを背景として 希望者全員が その意欲 能力に応じて65 歳まで働くことができる制度を普及することが 政策目標として掲げられた 高年齢者雇用安定法もこの動きを受

日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

①公表資料本文【ワード軽量化版】11月8日手直し版【1025部長レク⑤後】平成30年61本文(元データあり・数値1004版)

自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

<4D F736F F D20819C906C8E96984A96B1835A837E B C8E3693FA816A8E518D6C8E9197BF E646F63>

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

JILPT 高齢者の雇用 採用に関する調査結果 (2008) の概要 高齢者の雇用 採用に関する調査 (2008 年 8-9 月実施 ) 高年齢者雇用関連の法制度が整備される中で 企業の高齢者の雇用や採用に関する最近の取組等を把握 全国の常用雇用 50 人以上の民営企業 社を対象 有効回

Microsoft PowerPoint - 020_改正高齢法リーフレット<240914_雇用指導・

市報2016年3月号-10

5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

労働力調査(詳細集計)平成24年平均(速報)結果の要約

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

Microsoft Word - コピー ~ (確定) 61発表資料(更新)_

資料4 270924【セット】高齢者現状


取材時における留意事項 1 撮影は 参加者の個人が特定されることのないよう撮影願います ( 参加者の顔については撮影不可 声についても収録後消去もしくは編集すること ) 2 参加者のプライバシーに配慮願います 3 その他 (1) 撮影時のカメラ位置等については 職員の指示に従ってください (2) 参

「高年齢者雇用安定法《のポイント

第3節 重点的な取り組み

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

Microsoft Word - H29 結果概要

みずほインサイト 政策 2013 年 2 月 20 日 希望者全員を 65 歳まで雇用義務化高齢者が活躍できる職場の創設と人材育成が課題 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 年 4 月 1 日に高年齢者雇用安

H30年度 シンポジウム宮城・基調講演(藤波先生)

第第第ライフスタイルに対する国民の意識と求められるすがた50 また 働いていないが 今後働きたい と回答した人の割合は 男性では 7.4% であるのに対し て 女性は19.1% である さらに 女性の中では 30 代の割合が高く ( 図表 2-1-2) その中でも 特に三大都市圏で高い割合となってい

第 3 章 就労促進に向けた労働市場の需給面及び質面の課題 くなり いきがい 社会参加 や 頼まれた といった社会とのつながりによる理由が高くなっており 長期的にも上昇傾向にある 一方 女性については いずれの年齢層も 経済上の理由 が最も高くなっているが 男性よりその割合は小さく いきがい 社会参

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

Microsoft Word - Notes1104(的場).doc

スライド 1

Microsoft Word - 雇用継続制度

ⅰ. キーワードや法令を知る 01 処遇検討の背景 少子高齢化が急速に進展する中 労働力人口の減少に対応し 経済と社会を発展させるため 高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められております また 現在の年金制度に基づき平成 25 年度から特別支給の老齢厚生年

事業活動の縮小に伴い雇用調整を行った事業主の方への給付金

定していました 平成 25 年 4 月 1 日施行の 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律 では, 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止について規定されていますが, 平成 25 年 4 月 1 日の改正法施行の際, 既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準につい

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

参考 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに 家

<4D F736F F D DE97C78CA78F418BC B28DB895F18D908F DC58F49817A2E646F63>

図表 29 非正規労働者の転職状況 前職が非正規労働者であった者のうち 現在約 4 分の 1 が正規の雇用者となっている 非正規労働者の転職希望理由としては 収入が少ない 一時的についた仕事だから が多くなっている 前職が非正規で過去 5 年以内に転職した者の現職の雇用形態別割合 (07 年 現職役


目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

厚生年金の適用拡大を進めよ|第一生命経済研究所|星野卓也

中央労働災害防止協会発表

<4D F736F F D2091E693F18EED8C7689E E CF8D58905C90BF82CC8EE888F882AB5F F4390B3>

<本調査研究の要旨>

①-1公表資料(本文 P1~9)

(1) 政府の方針 (2) 近年の法改正の動向 (3) 国の高齢者雇用施策の概要 2 神奈川県の取組 (1) シニア ジョブ スタイル かながわ (2) 神奈川生涯現役促進協議会の取組 (3) 第 10 次神奈川県職業能力開発計画 (4) 経済団体への要請 (5) シルバーベンチャーの創出促進 (6

18歳人口の分布図(推計)

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 02 別添 パンフレット (3)

1 調査の概要 1-1 調査の目的我が国は 人口減少社会を迎えており 働く意欲と能力のある高年齢者が その能力を発揮して 希望すればいくつになっても働くことができるような環境整備が課題となっている これまで 年金の支給開始年齢の引上げ等もあり 65 歳までの雇用確保 ( 継続 ) に力点が置かれがち

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ

スライド 0

スライド 1

スライド 1

第 1 章 65 歳雇用時代に求められる人事管理 解説 1 解説 2 解説 3 中高年齢者雇用を巡る現状と今後の課題 敬愛大学経済学部教授高木朋代 65 歳雇用時代のあるべき人事賃金制度 日本賃金研究センター主任アドバイザー藤田征夫 シニア社員活性化への処方箋株式会社ジェイフィールコンサルタント片岡

平成29年版高齢社会白書(全体版)

目次. 独立行政法人労働政策研究 研修機構による調査 速報値 ページ : 企業調査 ページ : 労働者調査 ページ. 総務省行政評価局による調査 ページ

Presentation Title

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

短時間労働者への厚生年金 国民年金の適用について 1 日又は 1 週間の所定労働時間 1 カ月の所定労働日数がそれぞれ当該事業所 において同種の業務に従事する通常の就労者のおおむね 4 分の 3 以上であるか 4 分の 3 以上である 4 分の 3 未満である 被用者年金制度の被保険者の 配偶者であ

あえて年収を抑える559万人

01 公的年金の受給状況

調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果のポイント,概要,統計表等

スライド 1

2. 女性の労働力率の上昇要因 М 字カーブがほぼ解消しつつあるものの 3 歳代の女性の労働力率が上昇した主な要因は非正規雇用の増加である 217 年の女性の年齢階級別の労働力率の内訳をみると の労働力率 ( 年齢階級別の人口に占めるの割合 ) は25~29 歳をピークに低下しており 4 歳代以降は

Microsoft Word - rp1410a(的場).docx

第 1 子出産前後の女性の継続就業率 及び出産 育児と女性の就業状況について 平成 30 年 11 月 内閣府男女共同参画局

<8EF78C60907D816989BC816A2E786C7378>

<4D F736F F D208DA1944E348C8E95AA82A982E782CC944E8BE08A7A82C982C282A282C FA967B944E8BE08B408D5C816A2E646F6378>

ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

< その他 > 定年制度自体の廃止をするべき (30 代金融コンサルティング ) 若い人の給与が減少 高齢者の雇用を義務付けるのではなく雇用に機会を増やすべき (50 代メーカー研究開発 ) 7 割が 定年は 65 歳以上が適切 と回答 Q: 定年は何歳が適切だと考えますか? 75 歳 4% 70

農業法人等における雇用に関する調査結果

2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大上記の選別基準が廃止されることにより 企業が雇用する従業員が増加すると推察され 雇用事業主だけでの雇用確保は限界があると考えられるため 継続雇用の雇用確保先がグループ企業にまで拡大された 3. 厚生労働大臣による高年齢者雇用確保措置に関する勧告に従

スライド 1

望ましいであろう 本稿では 労働政策研究 研修機構 高年齢者の継続雇用の実態に関する調査 (2006) に回答した企業を 1 継続雇用の範囲 ( 原則希望者全員 基準を設ける ) 2 継続雇用者の処遇 ( 高 低 ) という2つの軸を用いて6つの類型にわけ それぞれの類型に属する企業の間で 継続雇用

平成27年版高齢社会白書(全体版)

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について 社 % 不足している 1, 過不足はない 1, 過剰である 合計 2, 全体では 半数以上の企業が 不足している と回答 n =2,

高齢社会は危機かチャンスか

調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

スライド 1

平均賃金を支払わなければならない この予告日数は平均賃金を支払った日数分短縮される ( 労基法 20 条 ) 3 試用期間中の労働者であっても 14 日を超えて雇用された場合は 上記 2の予告の手続きが必要である ( 労基法 21 条 ) 4 例外として 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の

Microsoft Word - "ç´ıå¿œçfl¨ docx

Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

( 情報化がもたらす仕事の変化 ) 情報化が急速に進展した 21 世紀初頭において 企業における情報関連投資の目的をみると 業務のスピード向上や全体的な情報共有化のためが多く 次いでコスト削減となっている ( 付 2 (1) 2 表 ) 企業の情報関連投資は 人員削減などのコスト抑制を目的としたもの

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

政策課題分析シリーズ16(付注)

平成29年度     地域経済動向調査      調査報告書

<4D F736F F F696E74202D C668DDA A8DB293A190E690B62E B8CDD8AB B83685D>

労働法制の動向

Microsoft PowerPoint - いしかわの「働き方改革」H30.4

親と同居の未婚者の最近の状況(2016 年)

Transcription:

労働力人口減少を抑制しよう ~ 高齢労働者の活用から ~ 専修大学経済学部 望月ゼミ少子高齢化班 市原 棚田 和田

流れ テーマ 問題意識 現状 問題点 活用方法

労働力人口の推移 万人 7000 問題意識少子高齢化 労働力人口減少 6500 6000 360 372 493 426 504 521 549 566 579 585 465 446 483 530 560 598 556 5500 279 248 603 5000 5652 5847 5681 5690 5637 5554 5478 5407 4500 5123 5102 4000 1980 年 1990 年 2000 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 65 歳以上 60~64 歳 15~59 歳 出所 : 厚生労働省平成 24 年高齢社会白書

14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 ( 万人 ) 高齢化の推移と将来推計 36.1 31.6 29.1 23 17.4 12.1 9.1 4.9 5.7 7.1 38.8 39.9 2,336 (%) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 75 歳以上人口 65~74 歳人口 20~64 歳人口 19 歳以下人口高齢化率 出所 : 厚生労働省 平成 24 年度高齢社会白書

班の考え 人口減少に伴い 労働力人口が減少 人口に占める 高齢者の割合は 高齢者を活用しよう!! 増加

少子高齢化班のテーマ 労働意欲があり 定年を迎えた人 高齢労働者の活用から 労働力人口減少を 抑制しよう!!

100 90 80 70 (%) 88.5 75.2 年齢階層別就業率 70.9 60 50 62.1 57.3 46.2 40 30 20 10 0 44.2 36.3 30.1 26.9 22.8 13.5 16.5 8.3 5.2 55~60 歳 60~64 歳 65~69 歳 70~74 歳 75 歳以上 男性女性男女計出所 : 総務省 労働力調査 ( 平成 23 年度 )

万人 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 292 218 214 高齢者雇用者数の推移 312 317 315 228 248 2006 年改正高年齢者雇用安定法 352 272 389 408 440 450 292 305 314 308 60~64 歳 65 歳以上 472 340 出所 : 厚生労働省 平成 24 年高齢社会白書

65 歳以降における就業意向 ( 調査対象 :60~64 歳 ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総数 44% 31.4% 24.7% 仕事をしている人 56.7% 16.6% 26.7% 仕事をしていない人 20.1% 59% 21% 仕事をしたい仕事をしたくないまだ考えていない 出所 : 厚生労働省 平成 24 年版高齢社会白書

いつまで働きたいか ( 全国 60 歳以上の男女 ) 単位 :% 9.7 19.2 23 8.9 2.4 36.8 60 歳ぐらいまで 65 歳ぐらいまで 70 歳ぐらいまで 75 歳ぐらいまで 76 歳以上 働けるうちはいつまでも 出所 : 内閣府平成 20 年 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査

高齢者側の現状

高齢者の就業希望理由 75 歳以上 3.2 10.9 17.9 2.65.3 41.5 18.1 (%) 70 ~ 74 歳 5.5 12.6 14.2 4.4 8.1 40.4 14.3 65 ~ 69 歳 10.7 14.2 14.7 4.5 9.7 32.7 13.2 60 ~ 64 歳 24.9 14.0 13.1 5.2 9.0 21.6 12.1 失業している知識や技能を生かしたい時間に余裕ができたその他 収入を得る必要が生じた社会に出たい健康を維持したい 出所 : 総務省 就業構造基本調査 (2002 年 )

仕事を選ぶときにもっとも重視すること (%) 60~64 歳 25.7 7.9 24.3 14.6 14.4 3.4 65~69 歳 17 8.5 25.9 19.3 10.4 2.3 70~74 歳 13.1 13.1 22.4 23.4 6 2.3 収入 年金が減額されないこと 経験が生かせること 体力的に軽い仕事であること 勤務時間 通勤時間 仕事先を探すのが容易であること その他 わからない 出所 : 内閣府平成 23 年 高齢者の経済生活に関する意識調査

高齢者 ( 役員を除く ) の雇用形態別割合 ( 平成 23 年度 ) 男性 23% 8% 9% 6% 31% 1% 女性 29% 3% 34% 56% 正規の職員 従業員 労働者派遣事業所の派遣社員 その他 パート アルバイト 契約社員 嘱託 出所 : 総務省 労働力調査

高齢者の産業別就業者数 ( 平成 23 年 ) 万人 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 93 92 62 60 41 36 33 30 23 総数 男性 女性 出所 : 総務省 労働力調査

高齢者側まとめ 高齢労働者数は増加 ( 法律の改正より ) 働く意欲のある高齢者が多い 経験や技能を活かしたい 非正規雇用が多い

制度

改正高年齢者雇用安定法とは? 2006 年 165 歳までの定年の引き上げ 2 継続雇用制度の導入 3 定年の定めの廃止 2012 年 いずれかの実施の義務化 希望者全員に 65 歳までの継続雇用制度導入を義務付け 高年齢者本人の希望により何らかの形で雇用が 65 歳まで確保されるようになった!!

雇用確保措置の導入 措置の導入企業の割合 講じた措置 2.7% 14.7% 導入している, 97.3% 82.5% 継続雇用制度の導入 定年の引き上げ 定年の定めを廃止 出所 : 厚生労働省 平成 24 年高年齢者の雇用状況

継続雇用制度の内訳 勤務延長制度 定年年齢が設定されたまま その定年年齢に到達した者を退職させることなく引き続き雇用する 再雇用制度 定年年齢に達した者をいったん退職させた後 再び雇用する

特徴 勤務延長制度 対象者の基準を定められる 従来の勤務延長なので 労働条件の変更が難しい 退職金の支払も延長できる 再雇用制度 対象者の基準を定められる 新たな雇用契約の締結 労働条件を低く設定できる 再雇用基準を満たさない場合 希望しても再雇用されないケースがある

60 歳以降も社員を継続して雇用する ための取組 (%) 0 20 40 60 80 100 定年到達後の再雇用制度を導入している 91.3 定年到達後の勤務延長制度を導入している 7.7 定年年齢を 60 歳より上の年齢に一律に引き上げている その他 2.4 1.8 再雇用制度を導入している企業が多い! 特に行っていない 0.9 無回答 0.7 出所 : 高齢者雇用の現状と課題 2008 年

賃金の変化出所 : 平成 20 年厚生労働省高年齢者雇用実態調査勤務延長再雇用 5~29 人 74.5 5.812.6 30.9 26.3 35 5.4 30~99 人 64.2 22.5 8.7 24.8 26.6 31.9 14.6 100~299 人 300~999 人 73.6 15.1 7.8 17.3 18.8 25.4 再雇用の方が賃金が低い 45.7 38 12.2 13.3 35.5 42.8 27.5 10.5 1,000~4,999 人 52.5 12.5 15.2 8.5 25 26 35.3 5,000 人以上 65.4 16.2 4.6 19.8 16.9 33.3 21 0% 50% 100% 0% 50% 100% 多い同程度 8~9 割 6~7 割 4~5 割 3 割以下不明

雇用形態出所 : 平成 20 年厚生労働省高年齢者雇用実態調査 勤務延長 再雇用 5~29 人 79.1 10.9 16.9 39.3 52.3 6.8 30~99 人 70.3 26.9 20.4 38.5 54.2 15.2 100~299 人 300~999 人 33.2 20.8 49.5 30.4 69.2 再雇用の方が非正規雇用が多い 36.4 61.4 30.1 19.9 71.9 20.8 12.2 1,000~4,999 人 48.3 33.6 27.7 31.6 58.6 24.5 5,000 人以上 94.4 18 28.2 56 23.7 0% 50% 100% 0% 50% 100% 正社員 正職員嘱託 契約社員パート アルバイトその他不明

契約期間出所 : 平成 20 年厚生労働省高年齢者雇用実態調査 勤務延長 再雇用 5~29 人 27.9 12.7 54.1 6.9 49.1 21.3 20.1 30~99 人 34 20.1 42.3 2.9 64.8 17.6 13 100~299 人 300~999 人 64.1 62.6 5.7 14.2 22.7 6.4 9.1 76.6 再雇用の方が契約期間が短い 12 79.5 8.83.3 6.2 1.7 1,000~4,999 人 36 22 27.4 6 78.7 10.3 0.5 5,000 人以上 59.1 19.1 4.1 22.4 58.8 9.4 7.1 0% 50% 100% 0% 50% 100% 6 か月未満 6 か月以上 1 年未満 1 年 1 年を超える期間を定めない不明

在職老齢年金 60 歳以降働きながら年金を受取る場合 給料と年金額との合計が一定の基準額を超えると年金額の全部 または一部が支給停止される制度 高齢者の労働意欲を 阻害する要因になのでは?

在職老齢年金の仕組 60~64 歳 賃金 + 年金月額年金月額賃金年金の支給停止額 28 万円以下 0 円 ( 全額支給 ) 46 万円以下 ( 賃金 + 年金月額 -28 万円 ) 2 28 万円超 28 万円以下 46 万円超 (46 万円 + 年金月額 -28 万円 ) 2 +( 賃金 -46 万円 ) 46 万円以下賃金 2 28 万円超 46 万円超 46 万円 2+( 賃金 -46 万円 )

61 歳の男性年金額 :12 万円月給 :27 万円 ( 賃金 + 年金月額 -28 万円 ) 2 より (27 万円 +12 万円 -28 万円 ) 2 =11 万円 2=5.5 万円 年金停止額 12 万円 -5.5 万円 =6.5 万円 年金支給額 月にもらえる合計 27 万円 +6.5 万円 =33.5 万円 損失額 :39 万円 -33.5 万円 =5.5 万円

制度面まとめ 在職老齢年金により 就業意欲が 低下しているのでは? 再雇用制度において雇用条件が 厳しい

高齢者の受け入れ ~ 企業側から ~

高齢者に対する企業の考え方 -プラス面- (n=4416) 広い知識 経験がある 高い技能 熟練 勤務態度等が真面目 責任感が強い 幅広い人脈がある 低賃金で雇用できる 労働力として比較的豊富 採りやすい 雇用条件の設定に柔軟性がある 0 20 40 60 80 100 出所 : 高齢 障害 求職者雇用支援機構 企業の高齢化諸施策の実態に関する調査研究平成 14 年 %

団塊世代の退職等による問題があるとした事業所 (%) (n=4,276) 60 50 51.6 49.3 51.2 40 30 20 10 19.5 29 27.5 26.5 22.4 15.5 11.2 13.4 26 26.4 32.7 0 出所 : 厚生労働省 平成 19 年度能力開発基本調査

技能継承の取り組みを行っている事業所 (%) (n=4,276) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 86.9 86.1 89.3 70.2 70.2 68.1 64.8 73 59.9 51.9 55.9 75 68.8 72.5 出所 : 厚生労働省 平成 19 年度能力開発基本調査

高齢者に対する企業の考え方 - マイナス面 - (n=4416) 0 10 20 30 40 50 60 70 (%) 能力や体力に個人差がありすぎる 新しい仕事に対する意欲や好奇心がない ポスト 配置 処遇が難しい 作業能力や能率が低下する 自分の能力や技術を的確に自己評価できない 対人関係において協調性に欠ける面がある 出所 : 高齢 障害 求職者雇用支援機構 企業の高齢化諸施策の実態に関する調査研究平成 14 年

高齢者雇用を増やす理由 高齢者雇用方針 0 20 40 60 80 100 % 65 歳までの本格的な就労場所を積極的に確保したい 早期に 65 歳までの雇用の場の確保は難しいが取り組みたい 高齢者に適した仕事 年齢には関係ない仕事がある 高齢者の経験能力を活用したい 中小企業 大企業 高齢者雇用は社会的要請である 自社内で高齢化が進んでいる 出所 : 厚生労働省平成 16 年高年齢者雇用事態調査と高齢者社会参画に関する政策研究報告書

60 歳以上の労働者の雇用を増やさない理由 (%) 0 10 20 30 40 50 60 高年齢労働者に適した仕事がない 高年齢労働者は体力 健康の面で無理がきかない 若年 中年層の雇用が優先される 人件費が割高である 高年齢労働者は過去の経歴にこだわる 中小企業 大企業 高年齢労働者は定着率が悪い 高年齢労働者に限らず 採用の予定はない その他 出所 : 平成 18 年度国民生活白書

高齢者雇用延長と若年新規採用の関係 A に賛成, 11.5% アンケート企業数 :3707 社 無回答, 2.6% どちらかというと A に賛成, 23.9% A: 高齢者を雇用延長すると若年新規採用を抑制せざるを得ない わからない, 11.1% どちらかというと B に賛成, 27.3% B: 高齢者の雇用延長と若年新規採用は補完的な関係にある B に賛成, 23.6% 出所 : 厚生労働省 平成 24 年版労働経済の分析 若年抑制になる 補完的な関係であると考える企業が半々ずつ

大企業 中小企業高齢者雇用を増やす理由 増やさない理由 中小企業 増やす理由 経験能力を活かしたい 適した仕事がある 増やさない理由 適した仕事がない 若年 中年層の雇用が優先される 体力 健康面で無理がある 大企業 経験能力を活かしたい 自社内で高齢化が進んでいる 若年 中年層の雇用が優先される 適した仕事がない

企業が考える 高齢者雇用メリット デメリット メリット 知識や経験 技能がある 勤務態度 責任感がある 人脈が広い 低賃金で雇え 豊富な労働力になる 雇用形態 条件面の柔軟性がある デメリット 作業能力 体力面に個人差がある 新しい仕事に対する意欲 好奇心のなさ ポスト 配置 処遇が難しい 適した仕事がない 若者雇用との兼ね合いが難しい

まとめ 高齢者を活用するにはどうすればよいか?

高齢者雇用における問題点 1 高齢者の体力の衰え 2 高齢者に適した仕事がない 若者との兼ね合いが難しい 3 再雇用制度 雇用契約期間が 1 年以内が多い 雇用条件が厳しい

問題点 改善点 1 高齢者の体力の衰え ペア就労

ペア就労とは!? 高齢者と若者がペアになって働くこと 力仕事 高齢者 若者 知識 経験を活かして指導する

ケーススタディ株式会社諏訪田製作所 ( 刃物製造業 ) 49 名 ( 高齢者比率 14%) 定年 60 歳定年後 : 再雇用希望者全員を65 歳まで再雇用 高齢者と若者を同じ作業部門に配属 技術伝承 高齢者のモチベーション向上

問題点 改善点 2 高齢者に適した仕事がない若者との兼ね合いが難しい ワークシェアリング

ワークシェアリングとは? 目的 : 生産性の向上から雇用の維持 創出を図ること 雇用 賃金 労働時間の適切な配分を目指す 労働一人ひとりが 自分のライフスタイルに応じた働き方を選択することができる

ワークシェアリング制度導入 8 時間単位 3 交代の勤務シフト 4 時間勤務毎月 週単位のシフトスケジュールによる勤務体系を設定 夜間の時間帯を 4 時間単位の短時間勤務を中心としたシフト勤務制に移行 短時間勤務や隔日勤務などの多様な勤務形態を希望する高年齢者を採用することが可能に!!

問題点 改善点 3 < 再雇用制度 > 雇用契約期間が 1 年以内が多い 契約期間を 5 年に延長 < 再雇用制度 > 雇用条件が厳しい 雇用条件を緩和

なぜ 5 年に延長か!? 65 歳ぐらいまで働きたいと思っている高齢者が比較的多い 2013 年 4 月から年金支給開始年齢が 65 歳になる 長い期間働くと企業側の負担が大きくなる 5 年間が適切なのでは!?

雇用条件が厳しいとは? < 再雇用制度の特徴 > 対象者の基準を定められる 条件をなくすことは 企業側にとって負担が大きくなる 新たな雇用契約の締結 条件撤廃ではなく 条件緩和が適切なのでは!? 労働条件を低く設定できる 再雇用基準を満たさない場合 希望しても再雇用されないケースがある

改善方法 ペア就労 ワークシェアリング 雇用期間を 1 年 5 年に延長 雇用条件を緩和

高齢者を活用すれば 労働力人口減少を抑制!!

ご清聴ありがとうございました