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4 3. (a) 2 (b) 1 2 xy xz- x , 4 R1 R2 R1 R xz- 2(a) 2(b) B 1 B 2 B 1 B 2 2

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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平均値 () 次のデータは, ある高校生 7 人が ヵ月にカレーライスを食べた回数 x を調べたものである 0,8,4,6,9,5,7 ( 回 ) このデータの平均値 x を求めよ () 右の表から, テレビをみた時間 x の平均値を求めよ 階級 ( 分 ) 階級値度数 x( 分 ) f( 人 )

テレビ学習メモ 数学 Ⅰ 第 40 回 第 5 章データの分析 相関係数 監修 執筆 湯浅弘一 今回学ぶこと データの分析の最終回 今までの代表値を複合し ながら 2 種類のデータの関係を数値化します 相関係数は 相関がどの程度強いのかを表しています 学習のポイント 12 種類のデータの相関関係を

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

[] ,,, P.,,[3,4],[5,6], 3,,,[7] [7], 1,,,,,[8],, 1 acm bcm, AB = a + b,, AP : P B = b : a AP = x

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

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3章 度数分布とヒストグラム

散布度

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

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データ解析

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3 時限目日本にあるブラジル生まれの食べ物を知る 4 時限目なぜピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える 一部が隠れた写真を使い, 日本にあるブラジルのものを考える活動を行う 感想を交流する ピラルクがへっているのかを考えて, 自分たちに何ができるのか考える活動を行う 感想

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JAPLA研究会資料 2018/6/16

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の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

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ニュースレター 報道関係各位 2018 年 10 月 26 日 株式会社ベネッセホールディングス広報 IR 部 小学生の読書に関する実態調査 研究 読書は学力が低い子どもたちに大きなプラス効果 自分で調べる 話題が増える 幅広いメリットが明らかに 株式会社ベネッセホールディングスの子会社 株式会社ベ

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2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

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~“娯楽”だけとは言わせない~ ゲーム機のもたらす社会的貢献

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

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フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

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夏期講習高 センター数学 ⅠA テキスト第 講 [] 人の生徒に数学のテストを行った 次の表 は, その結果である ただし, 表 の数値はすべて正確な値であるとして解答せよ 表 数学のテストの得点 次

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表 回答科目数と回答数 前期 後期 通年 ( 合計 ) 科目数 回答数 科目数 回答数 科目数 回答数 外国語 ( 英語 ) 120 / 133 3,263 / 4, / 152 3,051 / 4, / 285 6,314 / 8,426 外国語 ( 英語以

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Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 1 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 2 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価 及び生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実

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6 年 No.22 my summer vacation. 1/8 単元の目標 主な言語材料 過去の表し方に気付く 夏休みの思い出について, 楽しかったことなどを伝え合う 夏休みの思い出について, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現で書かれたものの意味が分かり, 他者に伝えるなどの目的

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

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簿記教育における習熟度別クラス編成 簿記教育における習熟度別クラス編成 濱田峰子 要旨 近年 学生の多様化に伴い きめ細やかな個別対応や対話型授業が可能な少人数の習熟度別クラス編成の重要性が増している そのため 本学では入学時にプレイスメントテストを実施し 国語 数学 英語の 3 教科については習熟

三科目合計の算出関数を用いて各教科の平均点と最高点を求めることにする この2つの計算は [ ホーム ] タブのコマンドにも用意されているが 今回は関数として作成する まず 表に 三科目合計 平均 と 最高点 の項目を用意する 項目を入力する際 適宜罫線などを設定し 分かりやすい表作成を心がけること

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4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

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(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

PowerPoint プレゼンテーション

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

6 年 No.12 英語劇をしよう (2/7) 英語での 桃太郎 のお話を理解し 音読する 導 あいさつをす 挨拶の後 Rows and Columns を交え 天気や時 入 候の確認 既習事項の確認をす (T1,T2) ペンマンシップ ペンマンシップ教材を用いて アルファベットの ジングル絵カー

3章 度数分布とヒストグラム

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

○数学科 2年 連立方程式

情報工学概論

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

講義ノート p.2 データの視覚化ヒストグラムの作成直感的な把握のために重要入力間違いがないか確認するデータの分布を把握する fig. ヒストグラムの作成 fig. ヒストグラムの出力例 度数分布表の作成 データの度数を把握する 入力間違いが無いかの確認にも便利 fig. 度数分布表の作成

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神奈川県立総合教育センター長期研修員研究報告5:***~***

2015-2

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ている それらを取り入れたルーブリックを生徒に提示することにより 前回の反省点を改善し より具体的な目標を持って今回のパフォーマンスに取り組むことができると考える 同に そのような流れを繰り返すことにより 次回のパフォーマンス評価へとつながっていくものと考えている () 本単元で重点的に育成をめざす

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中学 1 年数学 ( 東京書籍 ) 単元別コンテンツ一覧 単元ドリル教材解説教材 確認問題ライブラリ (OP) プリント教材 教材数 :8 問題数 : 基本 40, 標準 40, 挑戦 40 正の数 負の数などの問題を収録 解説教材 :3 確認問題 :3 数直線 数の大小と絶対値などの解説 確認問題

筑波学院大学紀要 はじめに教育に IT が使われるようになり50 年が経過し テクノロジーの利用も大きく変わってきている 2001 年に IT 戦略本部が設置され e-japan 戦略の結果 小 中 高でのコンピュータ インターネットの設置率が100% になろうとしている その結

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資料3 高校生を取り巻く状況について

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

1. 関数 scanf() 関数 printf() は変数の値を画面に表示しますが それに対し関数 scanf() はキーボードで入力した値を変数に代入します この関数を活用することで対話式 ( ユーザーの操作に応じて処理を行う ) プログラムを作ることができるようになります 整数の和

Transcription:

~ 散らばり具合を数値化するという活動を通して ~ 納土恵美香 ¹ 山田雅博 ² 岐阜大学教育研究 2014, vol.13, 128-137 平成 21 年 12 月の学習指導要領から新しく導入された高等学校数学科の内容には データ分析 ( 数学 Ⅰ) がある データ分析 ( 数学 Ⅰ) が未習である大学生を対象に データ分析 ( 数学 Ⅰ) の内容に関する教材を提案し 実践を行った 実践の対象となる学生に興味 関心を持ってほしいという思いから 学生が目にしたことのある 偏差値 に着目した 教材の目標は 生徒が 偏差値 の計算の仕方を理解することである 教材では 母数の異なる 2 つのデータについて平均値や範囲を計算したり 度数分布表 ヒストグラム 度数分布多角形を作成したり 平均偏差 標準偏差 偏差値を計算したりする活動を通して 散らばり具合を数値化して比較する方法が理解できるように構成されている 後半では その教材を用いた授業実践の結果を報告する < キーワード > 平均値 範囲 度数分布表 ヒストグラム 度数分布多角形 平均偏差 標準偏差 平均値 1. はじめに 平成 21 年 12 月の学習指導要領から新しく導入され た高等学校数学科の内容の 1 つである データ分析 ( 数学 Ⅰ) は 中学校数学科 D 資料の活用 領域に おける 資料の整理と活用 (1 年生 ) で取り扱われて いる内容を引き継いでいる 中学生 高校生に対して 新しく導入された デー タ分析 ( 数学 Ⅰ) の内容に興味 関心を持ってもらえ るような教材を提案したいと考えた そこで 高校生 が実際の日常生活で目にする 偏差値 に着目し 偏 差値 の計算方法の理解を最終目標に設定し 資料 の整理と活用 ( 中学 1 年生 ) と データ分析 ( 数学 Ⅰ) で取り扱われている内容を教材にした 大学 3 年生に対して 3 時間の授業実践を行う機会 を頂いた 対象となる大学 3 年生は 資料の整理と活 用 ( 中学 1 年生 ) データ分析 ( 数学 Ⅰ) を中学校 高 等学校で学習していない そこで この教材を大学 3 年生に対して 実践した 以下にその授業実践の結果を報告する 2. 研究のねらい 本実践のテーマは 散らばり具合を数値化すること の良さを理解することである ¹ 岐阜大学大学院教育学研究科 ² 岐阜大学教育学部 128 そこで以下を本実践のねらいとした 1 母数や条件の異なる 2 つのデータについて 平均 値や範囲を計算したり 度数分布表 ヒストグラム 度数分布多角形を作成したりすることで 平均値や範 囲だけではデータの散らばり具合を比較するには不 十分であることを理解する 2 データの散らばり具合を表す数値として 平均偏 差 標準偏差を取り上げ 計算方法を習得する 3 標準偏差を計算する際には 電卓を使用し 電卓 を使って 2 乗の計算をしたり メモリー機能を活用し たりすることで 電卓を有効に活用する方法を習得す る 3. 指導の展開 3.1. 中学校の復習 中学 1 年生の教科書に記載されている例題を通して 資料の整理と活用 (1 年生 ) の内容を復習する < 例題 >( 教科書記載内容 ) 以下のような年平均気温が同じ 2 つの都市は 気候 も同じといえるのであろうか?

年平均気温が同じ 2 つの都市のデータについて 散らばりの程度を調べる 散らばりの程度を表す数値として 範囲 を取り上げる 範囲 ( 範囲 )=( 最大値 ) ( 最小値 ) 範囲を計算する前橋市 :26.1-3.3=22.8 サンフランシスコ市 :18.0-9.8=8.2 2 つの都市の範囲が大きく異なることが分かる そこで 散らばり具合をより詳しく調べるために 度数分布表を作成する 度数分布表を作成する 3.2. 演習問題 数学のテストの結果を比較しよう 演習問題を通して 平均値の計算 範囲の計算を行う < 問題 > 生徒数が異なる 2クラス (1 組 14 人 2 組 16 人 ) の数学のテスト (100 点満点 ) の結果を比較しよう (1) 平均点を計算しよう 1 組 :60 点 2 組 :60 点 (2) 範囲を計算しよう 1 組 :88-40=48 2 組 :88-40=48 計算の結果 生徒数が異なる 2つのクラスは 平均点も範囲も同じであることが分かる そこで 1 組と 2 組の数学のテストの結果は 散らばり具合も同じ といって良いでしょうか? 作成した度数分布表をもとに ヒストグラム 度数 分布多角形を作成する ヒストグラム 度数分布多角形を作成する という課題を提示し 散らばり具合を詳しく調べるために 度数分布表 ヒストグラム 度数分布多角形を作成する活動に入る (3) 度数分布表を作成しよう作成した度数分布表をもとに ヒストグラム 度数分布多角形を作成する (4) ヒストグラム 度数分布多角形を作成しよう ヒストグラム 度数分布多角形を作成することで 年平均気温が同じ 2 つの都市のデータの散らばり具合 の違いが異なっていることが分かる (5) 1 組と2 組のヒストグラムを比較して思ったことを言いましょう (5) に対して 学生からは 度数分布多角形から 1 組と2 組は散らばり具合が異なっていることが分かる 2 組は平均点付近の点数を取っている人が多いことが分かる 129

岐阜大学教育研究 平均点と範囲が同じでも散らばりぐらいが異なっているという意見があった 問題を通して 散らば り程度を表すには 範囲 だけでは不十分であることから 散らばりの程度を表す数値として 平均偏差 を取り上げる 3.3. 平均偏差平均偏差は 資料の整理と活用 (1 年生 ) データ分析 ( 数学 Ⅰ) では取り扱われていない しかしながら 本実践では 標準偏差 を取り扱うため 標準偏差 を学習していない学生に対して より 標準偏差 を理解しやすくすることを目的に 標準偏差 を取り扱う前に 平均偏差 を扱うことにした 平均偏差 = ( + + + ) { + + + } まず 平均偏差を式で定義する 次に 簡単な例を使って平均偏差の計算方法の確認し 数直線を用いて 計算内容を確認する < 例 > 5 人の生徒のテスト (100 点満点 ) の結果について 5 人の得点は 40 点 50 点 60 点 70 点 80 点 平均点は = 60( 点 ) 平均偏差を計算すると 3.4. 演習問題 英語のテストの結果を比較しよう 平均偏差の計算方法の確認のため 演習問題を通して 実際に平均偏差を計算する < 問題 > 生徒数が異なる 2 クラス (1 組 10 人 2 組 8 人 ) の数学のテスト (100 点満点 ) の結果を比較しよう (1) 平均点を計算しよう 1 組 :60 点 2 組 :64 点 (2) 範囲を計算しよう 1 組 :80-20=60 2 組 :90-44=46 範囲を計算した結果 1 組の範囲の方が大きいことが分かる そこで 散らばり具合も 1 組の方が大きいと言って良いでしょか? という課題を提示し 平均偏差を計算する活動に入る (3) 平均偏差を計算しよう 1 組 :10.8 2 組 :15.5 平均偏差を計算した結果 2 組の方が 平均偏差が大きいことが分かる 1 組には極端に低い点数を取っている人が 1 人いるために範囲が大きくなっていたが クラス全体の散らばり具合を比較すると 2 組の方が散らばり具合は大きいことが分かる また このデータにおける度数分布表と度数分布多角形は以下の通りである 1 { 40 60 + 50 60 + 60 60 + 70 60 + 80 60 } 5 = {20 + 10 + 0 + 10 + 20} = 60 = 12 130

3.5. 演習問題 数学のテストの平均偏差を計算しよう 演習問題を通して 平均偏差を計算する < 問題 > 生徒数が異なる 2クラス (1 組 14 人 2 組 16 人 ) の数学のテスト (100 点満点 ) の平均偏差を計算しよう < 問題 > 電卓を使って計算しよう (1) 23 (1) 529 (2) 2014 (2) 4,056,196 (3) 810 (3) 656,100 ( 答 ) メモリー機能の活用 M+ 入力されている数値をメモリーに加算する M 入力されている数値をメモリーから減算する MR メモリーからデータを呼び出す MC メモリーのデータを消去する MRC 1 回押すとメモリーのデータを呼び出し 2 回押すとメモリーのデータを消去する例 )23.5 3 + 41.2 5 + 51.0 6 + 13.5 2. = +. = +. = +. = + MR 609.5 ( 答 ) 3.6. 標準偏差 ( 電卓活用法 ) 標準偏差 {( ) + ( ) + + ( ) } まず 標準偏差を式で定義する 標準偏差を計算する際 2 乗の計算と を含む式の計算を行うため 計算量が多い そこで電卓を使って標準偏差を計算する 2 乗の計算方法を示し 実際に問題を通して 2 乗の計算を電卓で行う 2 乗の計算をする数字 = 例 )3 = 3 = < 問題 > 電卓を使って計算しよう (1) 11 3 + 57 (2) 133 19 + 27 13 (3) 8 13 221 17 (1)90 (2)358 (3)91 ( 答 ) 例 ) 1 + 2 + 3 + 4 + 5 を電卓で計算する = + = + = + = + = + MR 55 ( 答 ) < 問題 > 電卓を使って計算しよう (1) 4 + 156 + 37 (2) 11 + 13 + 15 + 17 + 19 (3) 31 47 + 59 23 (1) 25,721 (2)1,165 (3) 1,704 ( 答 ) 3.7. 演習問題 数学のテストの標準偏差を計算しよう 演習問題を通して標準偏差を計算する 計算をする際 電卓を使う < 問題 > 生徒数が異なる 2 クラス (1 組 14 人 2 組 16 人 ) の数学のテスト (100 点満点 ) の標準偏差を計算しよう 131

岐阜大学教育研究 1 組 ( ) 1 60 0 0 2 40-20 400 3 88 28 784 4 70 10 100 5 80 20 400 6 60 0 0 7 50-10 100 8 60 0 0 9 40-20 400 10 50-10 100 11 74 14 196 12 44-16 256 13 52-8 64 14 72 12 144 平均点 60 210.28571 標準偏差 14.5012 計算の結果 標準偏差は 1 組 :14.5012 2 組 :12 2 組 ( ) 1 60 0 0 2 54-6 36 3 80 20 400 4 60 0 0 5 74 14 196 6 60 0 0 7 88 28 784 8 60 0 0 9 60 0 0 10 52-8 64 11 42-18 324 12 60 0 0 13 50-10 100 14 60 0 0 15 40-20 400 16 60 0 0 平均点 60 144 標準偏差 12 数学 1 組 偏差値 2 組 偏差値 1 60 50 60 50 2 40 36.207 54 45 3 88 69.31 80 66.66667 4 70 56.897 60 50 5 80 63.793 74 61.66667 6 60 50 60 50 7 50 43.103 88 73.33333 8 60 50 60 50 9 40 36.207 60 50 10 50 43.103 52 43.33333 11 74 59.655 42 35 12 44 38.966 60 50 13 52 44.483 50 41.66667 14 72 58.276 60 50 15 40 33.33333 16 60 50 平均点 60 60 3.8. 偏差値偏差値偏差値 試験の平均点を 50 点としたときに 自分のとった得点がどれくらいのレベルにあるかを表した数値 4. 活動の様子 4.1. 実践で使用した学習プリント 以下が実践内で使用した学習プリントである 10( ) + 50 : 各値 : 平均値 : 標準偏差 偏差値を式で定義する 3.9. 演習問題 偏差値を計算しよう 演習問題を通して実際に偏差値を計算する < 問題 > 生徒数が異なる 2クラス (1 組 14 人 2 組 16 人 ) の数学のテスト (100 点満点 ) の中から好きな出席番号を選んで その偏差値を計算しよう 132

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岐阜大学教育研究次に 度数分布表 度数分布多角形 ヒストグラムを作成する活動に入ったが 学生のほとんどが未経験であった そのため 例題を使って全体でどのように度数分布表 度数分布多角形 ヒストグラムを作成するのかを確認した (2) 演習問題 数学のテストの結果を比較しよう ここでは (1) で行った活動を個人活動として行った 平均値 範囲 の計算は全員がすぐにできていたが 度数分布表 度数分布多角形 ヒストグラムを作成する活動に関しては (1) で行った例題をもとにゆっくり確認しながら取り組んでいた 中には度数分布多角形の始点と終点をどこにするのか迷っている姿も見られたので 個人的に見たり 全体の場で確認したりして補助した 最終的には学生全員がきちんと度数分布表 度数分布多角形 ヒストグラムを作成することができた (3) 平均偏差平均偏差は 資料の整理と活用 (1 年生 ) データ分析 ( 数学 Ⅰ) では取り扱われていないが 標準偏差 を学習していない学生に対して より 標準偏差 を理解しやすくすることを目的に 標準偏差 を取り扱う前に 平均偏差 を実践で扱った 平均偏差 は式で定義し 簡単な例と 数直線を使ってどのような計算をしているのかということを説明した 4.2. 実践内での活動の様子について (4) 演習問題 英語のテストの結果を比較しよう 実践の導入で 偏差値 の計算方法の理解を最終 (3) で定義した 平均偏差 の計算を行った 2つの目標に 本時の学習を進めていくことを話した また データを用意し そのデータについて平均偏差の計算中学校数学科における 資料の整理と活用 (1 年生 ) を行うこととしていたため 2つのデータのうちの 1 で学習する内容と 高等学校数学科における データつは全体の場で 平均偏差 の計算方法の確認を行う分析 ( 数学 Ⅰ) で学習する内容に関連した実践である目的で 一斉に行った もう 1つのデータの計算につこと そして中学校数学科の内容 高等学校数学科のいては個人活動とした この活動に関しても計算結果内容を順に学習していくという実践の大まかな流れを出す速さには差があったものの全員が 平均偏差 を説明した をきちんと計算することができていた (1) 中学校の復習 (5) 演習問題 数学のテストの平均偏差を計算しよう 学習プリントに沿って 散らばり具合を表す数値の (2) の活動で使用したデータに対しても 平均偏差 1つである 範囲 を取り上げ 実際に計算を行う を計算するという活動を行った そして 実際に計算 範囲 の計算は データの最大値と最小値の差を求した 平均偏差 と度数分布多角形を比較して 散らめることで計算できるため 全員がすぐに計算するこばり具合が確かに数値化されているということを確とができていた 認した 134

タの偏差値を計算しようとする学生の姿が見られた しかしながら 違いが分かりにくいと感じた学生もおり もっと大きなデータに対してこの活動を行ってみたいという声も上がった (6) 標準偏差 ( 電卓活用法 ) (3) 平均偏差と同様に 標準偏差 を式で定義した 標準偏差 を計算する際 2 乗の計算と を含む式の計算を行うため 計算量が多い そこで本実践では電卓を使って 標準偏差 を計算することとした 2 乗の計算とメモリー機能の活用方法を取り扱った 簡単な練習問題を用意して 2 乗の計算とメモリー機能を活用する計算を行った 初めて取り組む学生も多く 何度も計算結果を確認したり 近くの席の学生と結果を比べたりしながら電卓を叩く姿が多く見られた (7) 演習問題 数学のテストの標準偏差を計算しよう (2)(5) で取り扱ったデータに対して 標準偏差 の計算を 電卓を使って行う活動をした (6) で扱った例題と比べて計算量が多いため 何度も計算しなおしていた 電卓を使っているため 操作ミスが発見しづらく苦戦している姿もあった 最終的には計算結果がどうなるか 全体の場で確認した (8) 偏差値 (3) 平均偏差 (6) 標準偏差 ( 電卓活用法 ) と同様に 偏差値 を式で定義した そして 偏差値 を計算する式の中には 標準偏差 が入っていることから どのようなことが計算されている式なのかということを確認した (9) 演習問題 偏差値を計算しよう (2)(5)(7) で扱ったデータに対して 偏差値 を求める活動を行った 進んでたくさん計算をしてくれている学生の姿や 席が近い学生同士で分担して全デー 5. 実践のまとめ 5.1. 実践全体を通して実践を行うに当たって 大学 3 年生を対象としたため 実践で扱う内容は中学校数学科における 資料の整理と活用 (1 年生 ) と高等学校数学科における データの分析 ( 数学 Ⅰ) であったが 平成 22 年以降に実施される内容であったために 今回の実践を受けた大学 3 年生にとっては未習の内容であった よって それぞれの項目ごとに例題を設け 問題を全体で一緒に解いてから 個人演習を行うという流れを繰り返し行うよう心がけた 2 時間という限られた時間の中で実践を行ったため 特に中学校数学科における 資料の整理と活用 (1 年生 ) の内容について 度数分布表を作成する方法やヒストグラムを作成する方法についてはもっと時間をかけるべきであったと感じた 特にヒストグラム 度数分布多角形を作成するためには 度数分布表を作成する必要があるため データのまとめ方 階級値の決め方について順を追ってきちんと扱うことでより理解しやすかったと思う 5.2. 実践後アンケートについて実践を行ったあと 学生に対して以下のアンケートを行い 以下のような回答があった 1. 散らばり具合を 平均偏差や標準偏差のような数値を使って表す良さはなんだと思いましたか テストの点数だけを見てテストの結果が良かったか良くなかったかを判断するのではなく 平均偏差や標準偏差を見ることでそのテストを受けた人の点数のばらつきを見て結果を判断することができることに良さがあると思いました 単に平均点やヒストグラムを作るだけでは見えてこない部分が見えてくると感じることができました また この計算が偏差値にもつながってくるのでさらに自らの位置を把握するにはとても良い計算方法だと思いました 散らばり具合が範囲だけではわからなかったのが 135

岐阜大学教育研究平均偏差や標準偏差で数値化することで 一目でわかの数字を入力していかねばならないことからどうしるというのが良さだと思いました ても計算ミスが起こってしまう 計算ミスが生じた場 数値に表すことで比べやすくなる 合 また1 から計算をし直す必要があるため学生たち 散らばり具合の違うものでも比較できる数値に直すは実践内でかなり苦労しているようにも感じた アンことができる ケートにも記述があったが 表計算処理ソフトを活用 散らばり具合 と言われると とても感覚的であする方がミスも少なく 作業も容易に行える また いまいな感じがしていましたが 数値で表すことで データが大きければ大きいほど電卓での処理には時はっきりと 散らばり具合が大きい 散らばり具合間がかかる よって 表計算処理ソフトを利用する方が小さい ということを比較できると感じた 法を実践内に取り入れられるとより良い アンケートについて 標準偏差や偏差値が他にどアンケート内には 散らばり具合を表す数値はほかのような場面で使われているかを知りたい という記にないのか知りたい といった記述もあったので実践述がいくつも見られた 今回の実践では あるクラス内で扱うか否かは別にして 今回の実践で取り扱ったのテスト結果を題材にし続けていたため 他の場面で数学の内容により興味 関心を持ってもらうために関の活用について触れていなかった 平均偏差や標準偏連した話題を取り入れて行くのも良いのではないか差 偏差値を求めることの良さをより感じてもらうたと感じた めには 日常生活のどのような場面で使われているかというような具体例を提示するのも1つの案である 5.3. 実践のねらいについてと考える 1 母数や条件の異なる 2つのデータについて 平実践後アンケートより データの散らばり具合を表均値や範囲を計算したり 度数分布表 ヒストグラす数値として 平均偏差や標準偏差を使うことの良さム 度数分布多角形を作成したりすることで 平均を感じてくれた学生が多くいたと言える 値や範囲だけではデータの散らばり具合を比較す 2. もっと学んでみたいと思うことを自由に書いてるには不十分であることを理解する ください 演習問題の際学生から 今回はテストの点数で偏差を調べましたが 別の活 度数分布多角形から 1 組と2 組は散らばり具合が用法を学びたいと思いました 例えばスポーツの得点異なっていることが分かる など特に得点の多いものだと活用しやすいと思いま 平均点と範囲が同じでも散らばりぐらいが異なってした いる エクセルを使って偏差値を求める という意見が得られたことから ねらいは達成された 偏差値以外にもテストの点などから成績を判断すると考えられる 値がないのか知ってみたいと思いました また 演習問題を通して 度数分布表やヒストグラ 身の周りの数字について偏差値以外にも どうやっム 度数分布多角形を作成する活動をした後で 他のて求めているのか分かりにくいものがないか 調べてデータの例に対しても 平均点や範囲の計算を終えてみたいと思いました すぐに 度数分布多角形がどうなっているのかという 電卓をもっとうまく使うこと ことを確認し始める学生の姿も見られた 電卓に関して アンケートには 電卓の使い方が学べてよかった という記述がいくつも見つかったこと 2 データの散らばり具合を表す数値として 平均から 今回の実践に電卓活用法を導入したことは良か偏差 標準偏差を取り上げ 計算方法を習得する ったと言える しかし 実際には標準偏差を 電卓を平均偏差の計算 標準偏差の計算においてそれぞれ利用して計算することは 計算量が多く 非常に多く個別で行う演習問題を取り入れたが どちらの演習問 136

題においても全員がきちんと平均偏差 標準偏差を計算することが出来ていた 標準偏差の計算に関しては 電卓を使用したため 計算した数値が正しいのかどうかという確認に時間がかかっていたが 計算方法を習得するというねらいは達成できた 3 標準偏差を計算する際には 電卓を使用し 電卓を使って 2 乗の計算をしたり メモリー機能を活用したりすることで 電卓を有効に活用する方法を習得する電卓を利用した 2 乗の計算も メモリー機能を活用する計算も練習問題の中で全員の学生が習得することができていた 2つの機能を始めて活用するという学生がほとんどであったため とくにメモリー機能を活用する方では苦戦している姿も見られた メモリー機能を活用する問題に関しては もう少し練習問題を用意する必要があると感じた 最終的には 全員が2 乗の計算も メモリー機能を活用することもできていたので ねらいは達成できたと考えられる 引用 参考文献 [1] 相場一彦ほか 17 名,2012, 数学の世界 1 年, 大日本図書株式会社 [2] 大島利雄ほか 13 名,2011, 数学 Ⅰ, 数研出版株式会社 [3] 坪井俊ほか 13 名,2012, 数学 B, 数研出版株式会社 [4] 文部科学省,2009, 高等学校学習指導要領解説数学編 6. 終わりに今回行った実践から 取り扱う題材からより広く数学の内容に興味 関心を持ってもらえるような内容を考慮すること 取り扱う題材に関する数学の内容がどのような場面で使われているかという具体例を提示できるような教材作りをすること の 2 点が大きな課題として残ったと感じている 今回の実践を今後に生かせるよう 上記の 2 点を教材開発の際の留意点としたい また 今回行った実践の内容をより有意義なものにするため 実践対象者のアンケート内容を参考に実践の内容を改善したいと考えている 改善する際に実際の教育現場で実用できるような内容になるよう考慮していきたい 137