年度物理情報工学科 年生秋学期 物理情報数学 C フーリエ解析 (Fourier lysis) 年 月 5 日 フーリエ ( フランス ) (768~83: ナポレオンの時代 ) 歳で Ecole Polyechique ( フランス国立理工科大学 ) の教授 ナポレオンのエジプト遠征に従軍 (798) 87: 任意の関数は三角関数によって級数展開できる という フーリエ級数 の概念を提唱 ( 論文を提出 ) f() coscosbsibsi 物理情報工学科 足立修一 級数 : ( 無限 ) 数列の和の形式での表現 ω 周波数 矢上 5-58 室 dchi@ppi.keio.c.jp hp://rx.ppi.keio.c.jp/ フーリエ フーリエ級数の論文の審査員はラグランジェやラプラスであったが, あまりにも斬新な考え方であったためと, 数学的には不完全な部分があったため, その論文は掲載されなかった 8: 熱の理論解析 という本の中でフーリエ級数を発表 フーリエが提案したフーリエ解析は, 今日では, 物理学, 電気電子工学, 情報工学などをはじめとして, さまざまな分野で利用されている ( エジプト遠征以来 ) 全身を真綿でくるみ, さらにホウタイでぐるぐる巻きにして, 真夏でも閉めきった部屋の中で思索した ( フーリエ自伝より ) 物理情報工学科におけるフーリエ解析の意義 物理現象のフーリエ解析 熱伝導光 X 線とプラズマ量子力学 電気電子工学 電気回路 ( 交流理論 ) 計測工学, システム工学 制御工学 足立研究室 線形信号システム理論 f() sicos sicos si 5 cos 5 5 物理情報工学科のさまざまな研究室で, フーリエ解析は使われている キーワード : 周波数スペクトル 3 4
フーリエ解析 フーリエ解析 周期関数 フーリエ級数 非周期関数 フーリエ変換 級数展開 テイラー級数展開, マクローリン級数展開など : 微分が必要なので, 不連続関数には適用できない フーリエ級数展開は周期関数に対するものであるが, 微分可能性を必要としないので, 不連続関数にも適用できる キーワード 周期関数 : 正弦波 (si,cos), 指数関数, オイラーの関係式 ( 複素関数の基礎 ) 正規直交関数系 : 直交性, 内積, 距離 ( ノルム ) 周波数 : 時間領域 vs 周波数領域 ( 仮想世界 ) 関数の内積と直交性 定義 つの関数の内積 : 周期 のつの周期関数 f() と g() / f, g f( ) g( ) d / 定義 関数の大きさ ( ノルム ) / f f, f f ( ) d / 定義 3 つの関数の直交性 : つの関数の内積が のとき, 直交しているという f, g 5 6 f() si, g() si のとき, 内積を計算せよ 例題 三角関数の積分の公式 解 / f, g si / si d 公式 : si xsi x cos( ) x cos( ) x なので, cos d cos 3 d / / / / f() si とg() si は直交している! si xsi x dx cos( ) x dx cos( ) x dx,, / / / / / / 7 8
問題 : つぎの公式を三角関数の加法定理から導け si xsi x cos( ) x cos( ) x 解 cos( ) xcos xcos xsi xsi x cos( ) xcos xcos xsi xsi x - より, 得られる また, + より, 次式が得られる cos x cos x cos( ) x cos( ) x 同様にして, si( ) xsi xcos xcos xsi x 3 si( ) xsi xcos xcos xsi x 4 3 + 4より si x cos x si( ) x si( ) x 9 三角関数の公式 si xsi x cos( ) x cos( ) x cos x cos x cos( ) x cos( ) x si x cos x si( ) x si( ) x, si si d,, cos cos d, cos si d f() si, g() si の大きさは? 解 f f f (), si d g gg (), si d 関数の大きさが f() と g() はともに大きさが で, 直交している 正規直交関数系 正規直交関数系 f () si,,,... si, si, si 3,... 基本波第 高調波第 3 高調波 g () cos,,,,..., cos, cos, cos3,.... 直流成分基本波第 高調波第 3 高調波 角周波数が整数倍の関数列 すると,,, f,,, 正規直交関数系 f g g,, << アナロジー >> 正規直交基底があれば, 平面の例と同じように, 任意の周期関数をこの基底を用いて記述できるのでは?
関数空間 単位ベクトルの役割 si h ( ) 3si si si h () この関数空間内に存在する任意の周期関数 f() は, f() si si 3 によって表現できる ここで, 係数 α,α は平面図形のときと同様に内積によって計算できる f,si, f,si フーリエ級数展開 f( ) coscos 偶関数 b sib si 奇関数 フーリエ級数展開は, 関数を偶関数成分と奇関数成分に分解したもの 無限級数展開 問題は, どのようにしてフーリエ係数, bを決定するか 内積計算 いまは 次元関数空間を考えたが, これを 次元関数空間に一般化したものをフーリエ級数展開 3 4 ポイント 3.5 フーリエ級数 () 周期 の周期関数 f() は次式のようにフーリエ級数展開できる f b 基本角周波数 () cos si フーリエ係数, b は内積計算より得られる / f,cos f ( )cos / d / b f,si f ( )si / d 比較テイラー級数展開 f ( ) f( ) f() f( ) ( ) ( )!! テイラーはニュートンと同時代の人 (7 世紀中ごろ ), フーリエの約 年前 テイラー級数展開は関数の微分を必要としているので, 不連続関数には適用できない それに対して, フーリエ級数展開は不連続関数にも適用できる フーリエは, 不連続関数を無限回微分可能な si, cos という滑らかな関数の和で表現しようとした f b () cos si 5 6
Brek Cbridge Uiversiy Kigs college Brook ylor (685-73) Goville & Cius College ルーカス教授職ニュートンストークスディラックホーキング... S Joes college riiy college Sir Isc Newo (64-77) ポイント 3.6 フーリエ級数 () 三角関数の合成定理を用いると, f() K cos( ) f b () cos si, のとき 直流成分 ( DC成分 ) ただし, K b,,,... のとき 高調波振幅, のとき b 位相角 rc,,,... のとき cos ( ) cos ( ) 第 次高調波成分 ( h hroic) 基本波成分 関数 ( 信号 ) を基本波と高調波に分解すること 調和解析 (hroic lysis) 7 8 ポイント 3.7 = π の場合のフーリエ級数 のとき [rd/s] f () coscosbsibsi cos bsi ただし, f, cos f( )cos d b f,si f ( )si d ポイント 3.8 フーリエ余弦級数 偶関数のとき f () cos 4 / ただし, f()c os d ポイント 3.8b フーリエ正弦級数 奇関数のとき f() b si 4 / ただし, b f()si d 9
例題 図示した周期的な矩形波をフーリエ級数展開せよ f() 解答 この関数は周期の偶関数であるので, 次式のようにフーリエ余弦関数展開できる f () cos ここで, フーリエ係数はつぎのように計算できる f()cos d まず, = のとき f() d d つぎに, =,, のとき f ()cos d cosd si 解答 (co d) 以上より, 周期的な矩形波はつぎのようにフーリエ級数展開される f() sicos sicos si cos フーリエ級数展開 ( 例題 ) f () ギッブス現象 f( ) si cos si cos si3co s 3 si3 cos3 3 3 与えられた関数が, フーリエ級数の部分和で近似されるとき, 項数をいくら増やしていっても, 不連続点の近傍で誤差を生じ, これをギッブス現象という 不連続点におけるフーリエ級数の収束の非一様性 3 4
例題 図示した周期的なのこぎり波をフーリエ級数展開せよ g - 5