s とは何か 2011 年 2 月 5 日目次へ戻る 1 正弦波の微分 y=v m sin ωt を時間 t で微分します V m は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y=v m sin u u=ωt と置きますと dy dt dy du du dt d du V m sin u d dt

Similar documents
s と Z(s) の関係 2019 年 3 月 22 日目次へ戻る s が虚軸を含む複素平面右半面の値の時 X(s) も虚軸を含む複素平面右半面の値でなけれ ばなりません その訳を探ります 本章では 受動回路をインピーダンス Z(s) にしていま す リアクタンス回路の駆動点リアクタンス X(s)

( ( になります in を複素関数で表せば 簡単にラプラス変換出来ることが分ります - 式を計算し ラプラス逆変換することによって y(t が決まります ここでは伝達関数 の例として 下の簡単な回路で考えます R x(t t< で i 図 y(t まず この回路の伝達関数 G( を求めます G は

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

航空機の運動方程式

Microsoft Word - H26mse-bese-exp_no1.docx

Microsoft PowerPoint - H22制御工学I-2回.ppt

Taro-F25理論 印刷原稿

<4D F736F F D B4389F D985F F4B89DB91E88250>

Microsoft PowerPoint - 基礎電気理論 07回目 11月30日

Microsoft PowerPoint - パワエレH20第4回.ppt

(Microsoft Word - PLL\203f\203\202\216\221\227\277-2-\203T\203\223\203v\203\213.doc)

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

Microsoft Word - Chap17

Microsoft Word - 第9章 PID制御.doc

Microsoft PowerPoint - H22制御工学I-10回.ppt

Microsoft PowerPoint - ›žŠpfidŠÍŁÏ−·“H−w5›ñŒÚ.ppt

Microsoft PowerPoint - DigitalMedia2_3b.pptx

三相の誘導電動機をスターデルタ始動した場合の電流の話です 皆様ご承知の様に スターデルタ始動はよく用いられる始動方法です この始動方式を用いた場合の 始動電流及び始動トルクの関係は次の様に説明されています 説明その 1 始動電流は全電圧始動の 1/3 になり 始動トルクは 1/3 になる 説明その

線積分.indd

<8AEE B43979D985F F196DA C8E323893FA>

Microsoft PowerPoint - CSA_B3_EX2.pptx

スライド 1

2. コンデンサー 極板面積 S m 2, 極板間隔 d m で, 極板間の誘電率が ε F/m の平行板コンデンサー 容量 C F は C = ( )(23) 容量 C のコンデンサーの極板間に電圧をかけたとき 蓄えられる電荷 Q C Q = ( )(24) 蓄えられる静電エネルギー U J U

交流 のための三角関数 1. 次の変数 t についての関数を微分しなさい ただし A および ω は定数とする 1 f(t) = sin t 2 f(t) = A sin t 3 f(t) = A sinωt 4 f(t) = A cosωt 2. 次の変数 t についての関数を積分しなさい ただし

PowerPoint プレゼンテーション

ÿþŸb8bn0irt

スライド 1

Microsoft Word - 付録1誘導機の2軸理論.doc

スライド 1

スライド 1

<4D F736F F D2091E631348FCD B838A83478B C982E682E982D082B882DD946782CC89F090CD2E646F63>

Chap2

公式集 数学 Ⅱ B 頭に入っていますか? 8 和積の公式 A + B A B si A + si B si os A + B A B si A si B os si A + B A B os A + os B os os A + B A B os A os B si si 9 三角関数の合成 si

喨微勃挹稉弑

<4D F736F F D2097CD8A7793FC96E582BD82ED82DD8A E6318FCD2E646F63>

Microsoft PowerPoint - 電力回路h ppt

第 11 回 R, C, L で構成される回路その 3 + SPICE 演習 目標 : SPICE シミュレーションを使ってみる LR 回路の特性 C と L の両方を含む回路 共振回路 今回は講義中に SPICE シミュレーションの演習を併せて行う これまでの RC,CR 回路に加え,L と R

問 の標準解答 () 遮へい失敗事故 : 雷が電力線を直撃してアークホーンにフラッシオーバが発生する 逆フラッシオーバ事故 : 架空地線あるいは鉄塔への雷撃によって架空地線あるいは鉄塔の電位が上昇し, 架空地線と導体間, 又はアークホーンにフラッシオーバが発生する () 架空地線の弛度を電力線のそれ

ÿþŸb8bn0irt

RLC 共振回路 概要 RLC 回路は, ラジオや通信工学, 発信器などに広く使われる. この回路の目的は, 特定の周波数のときに大きな電流を得ることである. 使い方には, 周波数を設定し外へ発する, 外部からの周波数に合わせて同調する, がある. このように, 周波数を扱うことから, 交流を考える

Microsoft PowerPoint - バスゼミ_ ppt [互換モード]

Microsoft Word - thesis.doc

Microsoft PowerPoint - H22パワエレ第3回.ppt

Microsoft PowerPoint - 第3回2.ppt

Microsoft Word - 知能機械実験・実習プリント_ docx

DVIOUT-SS_Ma

7 渦度方程式 総観規模あるいは全球規模の大気の運動を考える このような大きな空間スケールでの大気の運動においては 鉛直方向の運動よりも水平方向の運動のほうがずっと大きい しかも 水平方向の運動の中でも 収束 発散成分は相対的に小さく 低気圧や高気圧などで見られるような渦 つまり回転成分のほうが卓越

2009 年 11 月 16 日版 ( 久家 ) 遠地 P 波の変位波形の作成 遠地 P 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに P U () t = S()* t E()* t P() t で近似的に計算できる * は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

オペアンプの容量負荷による発振について

微分方程式による現象記述と解きかた

<4D F736F F D2094F795AA95FB92F68EAE82CC89F082AB95FB E646F63>

ディジタル信号処理

Microsoft PowerPoint - 複素数.pptx

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - dm1_6.pptx

学習指導要領

Microsoft PowerPoint - dm1_5.pptx

3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考

物理演習問題

第1章 様々な運動

以下 変数の上のドットは時間に関する微分を表わしている (ex. 2 dx d x x, x 2 dt dt ) 付録 E 非線形微分方程式の平衡点の安定性解析 E-1) 非線形方程式の線形近似特に言及してこなかったが これまでは線形微分方程式 ( x や x, x などがすべて 1 次で なおかつ

降圧コンバータIC のスナバ回路 : パワーマネジメント

2018 年 5 月 31 日版 知能機械実験 実習 Ⅳ Ⅳ-1. 制御工学実験 1. 実験概要と目的 ロボットをはじめとするメカトロニクス機器において 高度な動作を実現している背景には 制御技術がある 制御とは 物体の運動を意図した位置や速度で動かす技術である 精度の高い制御を行うためには 正しく

下記回路のスイッチを閉じた時の電流値 Iの値を求めなさい R[Ω] L[H] I[A] 前ページと同類の問題である 数値が全て一般値で与えられているのが前ページとの違い 学術的に左記の問題を解析すると次のようになる 電圧周波数は f[hz] とする 電源は交流電源であるから SIN 関数になる (C

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

Microsoft PowerPoint - ce07-09b.ppt

第 5 章復調回路 古橋武 5.1 組み立て 5.2 理論 ダイオードの特性と復調波形 バイアス回路と復調波形 復調回路 (II) 5.3 倍電圧検波回路 倍電圧検波回路 (I) バイアス回路付き倍電圧検波回路 本稿の Web ページ ht

20年度一次基礎略解

平成 年 月 7 日 ( 土 第 75 回数学教育実践研究会アスティ 45 ビル F セミナールーム A 札幌医科大学 年 P ab, を正の定数とする 平面上において ( a, を中心とする円 Q 4 C と (, b を中心とする円 C が 原点 O で外接している また P を円 C 上の点と

PowerPoint Presentation

19年度一次基礎科目計算問題略解

Chap2.key

DVIOUT

状態平均化法による矩形波 コンバータの動作特性解析

横浜市環境科学研究所

パソコンシミュレータの現状

RMS(Root Mean Square value 実効値 ) 実効値は AC の電圧と電流両方の値を規定する 最も一般的で便利な値です AC 波形の実効値はその波形から得られる パワーのレベルを示すものであり AC 信号の最も重要な属性となります 実効値の計算は AC の電流波形と それによって

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

Chapter 版 Maxima を用いた LC のインピーダンス測定について [ 目的 ] 電気通信大学 先進理工学科の2 年次後期に実施される電気 電子回路実験において L,C のインピーダンス測定を実施している この実験項目について 無料ソフトの Maxima を用い

"éı”ç·ıå½¢ 微勃挹稉弑


Microsoft PowerPoint - chap8.ppt

Microsoft PowerPoint - aep_1.ppt [互換モード]

2015-2017年度 2次数学セレクション(複素数)解答解説

前期募集 令和 2 年度山梨大学大学院医工農学総合教育部修士課程工学専攻 入学試験問題 No.1/2 コース等 メカトロニクス工学コース 試験科目 数学 問 1 図 1 は, 原点 O の直交座標系 x,y,z に関して, 線分 OA,OB,OC を 3 辺にもつ平行六面体を示す. ここで, 点 A

航空機の運動方程式

数学 t t t t t 加法定理 t t t 倍角公式加法定理で α=β と置く. 三角関数

数学 ⅡB < 公理 > 公理を論拠に定義を用いて定理を証明する 1 大小関係の公理 順序 (a > b, a = b, a > b 1 つ成立 a > b, b > c a > c 成立 ) 順序と演算 (a > b a + c > b + c (a > b, c > 0 ac > bc) 2 図

Microsoft PowerPoint - H21生物計算化学2.ppt

Microsoft PowerPoint - ip02_01.ppt [互換モード]

第1章 単 位

人間科学部研究年報平成 24 年 (1) (2) (3) (4) 式 (1) は, クーロン (Coulomb) の法則とも呼ばれる.ρは電荷密度を表し,ε 0 は真空の誘電率と呼ばれる定数である. 式 (2) は, 磁荷が存在しないことを表す式である. 式 (3) はファラデー (Faraday)

スライド 1

例題 1 表は, 分圧 Pa, 温度 0 および 20 において, 水 1.00L に溶解する二酸化炭素と 窒素の物質量を表している 二酸化炭素窒素 mol mol mol mol 温度, 圧力, 体積を変えられる容器を用意し,

Microsoft PowerPoint - 物情数学C(2012)(フーリエ前半)_up

反射係数

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 計測2.ppt [互換モード]

Transcription:

とは何か 0 年 月 5 日目次へ戻る 正弦波の微分 y= in を時間 で微分します は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y= in u u= と置きますと y y in u in u (co u co になります in u の は定数なので 微分後も残ります 合成関数の微分法ですので 最後に u を に戻しています 0[ra] の co 値は [ra] の in 値と同じです その先の角 度でも同じ関係が続きます coθと in( θ は同値ですので co in( と置き換えます 微分結果は in( です in の大きさが ( 角周波数 倍され 位相が [ra](90 度 進んだ正弦波と なりました が付いているので 周波数が高いほど振幅が大きくなります この in( を 更に時間 で微分します y= in u u 成関数の微分法を用いますと と置き 合 y y in u ( (co u になります in u の は定数なので 微分後も残ります coθ の値は in(θ+ と同値ですから in( in( と置き換えます 微分結果は in( となり 最初の in に比べ 大きさが 倍され 位相が [ra](80 度 進んだ正弦 波となりました この in (+ を更に時間 で微分します y= in u u=+ と置き 合成 - -

関数の微分法を用いますと y y 3 in u ( (co u になります in u の は定数なので 微分後も残ります coθ の値は in(θ+ と同値ですから in( in( 3 と置き換えます 微分結果は 3 in( 3 3 となり 一番最初の in に比べ 大きさが 3 倍され 位相が 3 [ra](70 度 進んだ 正弦波となりました きりがありませんので止めますが in を時間 で微分して行きますと 一回の微分 ごとに大きさが 倍 ( 角周波数倍 され 位相が [ra](90 度 ずつ進むことが分ります 正弦波の積分 次に y= in を時間 で積分します =u と置きます =u の両辺を で微分しま すと u になります 積分は in in u in u co u co となります 置換積分ですので 最後に u を に戻しています co in( in( ですから 積分定数を無視すれば - -

in( 4 です in の大きさが ( 角周波数分の になり 位相が [ra](90 度 遅れた 正弦波となります が付いているので 周波数が高いほど振幅が小さくなります 出てきた in( を更に時間 で積分します uと置き uの両辺 を で微分しますと ( u になります 積分は in( in u in u となります 置換積分ですので 最後に u を に戻しています in( in( ですから 積分定数を無視すれば in( 5 です 最初の in に比べ 大きさが になり 位相が [ra](80 度 遅れた正弦波 となります 出てきた in( を更に時間 で積分します -=u と置き -=u の両辺 を で微分しますと ( u - 3 -

になります 積分は in( in u in u 3 3 となります 置換積分ですので 最後に u を に戻しています in( in( 3 ですから 積分定数を無視すれば 3 in( 3 6 です 一番最初の in に比べ 大きさが になり 位相が 3 3 [ra](70 度 遅れ た正弦波となります きりがありませんので止めますが in を時間 で積分して行きますと 一回の積分 ごとに大きさが 倍され 位相が [ra](90 度 ずつ遅れることが分ります 3 ラプラス変換による微分 i in F キルヒホッフの法則によれば 回路への供給電圧と回路での電圧降下は 常に等しいで す 上図のコンデンサーでの電圧降下は Q です 分母の は静電容量 分子の Qは電荷 です 電荷 Q は 流れ始めから現在までの電流を積分したものですから Q 0 i です したがってコンデンサーでの電圧降下は しいのですから i 0 となります この電圧降下が供給電圧と等 i 0 in と言う方程式になります 簡単化の為に静電容量 を [F]( ファラッド にしますと 0 i in - 4 -

と言う式になります i を求める為 この方程式をラプラス変換します i( i( ( j( j ( j( j となり 最大値 の正弦波のラプラス変換に が掛かる形になりました 右辺の部分分数変換を行います ( j( j j j とおきます を求めるには 両辺に +j を掛け ( j ( ( j( j j ( j j j 約分した後 =-j にすれば j ( j j j j j j j j となり が求まります を求めるには 両辺に -j を掛け ( j ( ( j( j j ( j j j 約分した後 =j にすれば j ( j j j j j j - 5 -

j j となり が求まります したがって部分分数は i( j j となります ラプラス逆変換しますと i j ( j co in( j j になります 正弦波のラプラス変換に が作用すると 大きさが 倍になり 位相が 進 みます これは で行った正弦波を微分することと同じです 4 ラプラス変換による積分 i L in H キルヒホッフの法則によれば 回路への供給電圧と回路での電圧降下は常に等しいです 上図のコイルでの電圧降下はL i です L はコイルのインダクタンスです 電流を時間 で微分した値にインダクタンスを掛けた値がコイルでの電圧降下です この電圧降下が供 給電圧と等しいのですから i L in - 6 -

と言う微分方程式になります 簡単化の為に L を [H]( ヘンリー にしますと i in になります i を求める為 この微分方程式をラプラス変換しますと i( i( ( j( j ( j( になり 最大値 の正弦波のラプラス変換に が掛かる形になりました 右辺の部分分 j 数変換を行います ( j( j j j とおきます を求めるには 両辺に +j を掛け ( ( j( j ( j ( j j j j ( j 約分した後 =-j にすれば ( j ( j j ( j j ( j j( j ( j( j となり が求まります を求めるには 両辺に -j を掛け ( ( j( j ( j ( j j j j ( j 約分した後 =j にすれば - 7 -

( j ( j j ( j j (j jj (jj となり が求まります を求めるには 両辺に を掛け ( j( j j j 約分した後 =0 にすれば ( j( j j j 0 ( j( j となり が求まります 部分分数は i( j j となります ラプラス逆変換しますと i ( j j co j j - 8 -

in( になります 初期条件無しのラプラス変換では =0 で i=0 になる様に 積分定数 が 付きます これは微分すると 0 になる 供給電圧とは無関係の電流が流れていることを表 しています このような電流は あったとしても電線内にわずかに含まれる抵抗成分によ り消費され やがては無くなってしまうため 交流回路では考えないことになっています したがって i in( が答です 正弦波のラプラス変換に が作用すると大きさが になり 位相が 遅れます これは で行った正弦波を積分することと同じです 5 まとめ 人の耳は周波数には敏感ですが 位相に鈍感です 位相については目をつぶり の位置 に関連した増幅 ( つまりこれがフィルター が欲しい時は 正弦波を微分積分すれば良い です 正弦波の大きさは 回の微分で 倍されます 回の積分で 倍されます が 個欲しい時は 伝達関数の分子に が 個あれば良いです が 個欲しい時は 伝達関数の分母に が 個あれば良いです 6 と交流理論とのつながり ラプラス変換で解く正弦波応答は 複素関数で表した正弦波を ラプラス変換して使用 しました つまり正弦波 in j j j j j j j 7 α においてラプラス変換 L[ ] です (L[ ] はラプラス変換を表します から α L[ j j j j ] j - j j j - 9 -

j ( ( j ( j j ( j j j ( j j ( j ( j ( j となります つまり L in ( j ( j です 安定な伝達関数 G( の回路に 最大値 の正弦波を加えた場合の 出力のラプラス変換は ラプラスの世界でのかけ算になりますから Y( L [ in ]G( G( ( j ( j となります 右辺を部分分数に展開します 次のように展開されます ( j ( G( j j j G( の分母 展開係数 は 上式両辺に -j をかけ =j と置きます G( j G( j j j G( j j 展開係数 は 両辺に -j をかけ =-j と置きます G( j - j G( j j j G( j 次のように部分分数に展開されます - 0 -

( j ( G( j G( j j j G(- j j j G( の分母 ラプラス逆変換 L [ ] α α です ( L [ ] はラプラス逆変換を表します から y( L [Y(] G(j j j G( j j j 過渡項 G(j j j G( j j j 過渡項 8 G(j jθ j j G( j jθ j j 過渡項 G(j j j( θ G( j j ( j θ 過渡項 G(j ( j( θ j ( j θ 過渡項 G(j in( θ 過渡項 となります 伝達関数の に共役 ( きょうやく 数 j と -j を代入していますから G(j と G(-j も共役になります ( 周波数伝達関数から伝達関数への章の をご覧下さい 途中 8 の次で G(j と G(-j という複素数を 極座標表示にかえています G(j と G(-j は共役ですから 絶対値は同じで偏角は反対向きです 極座標表示では G(j の方の絶対値を使いました の項をまとめると が働き 実数の in に戻ります 7 式で紹介した様に が付い j j たものをラプラス変換したのですから 逆変換したものに が付いて来るのは当然です j 安定な伝達関数なので 過渡項はすぐに減衰します 過渡項に付いては =j の章 5 ペ ージ付近をご覧下さい 最後の式から分る事は 入力正弦波の振幅は 伝達関数の に +j( または -j を代入 - -

した複素数の絶対値倍され 出力されると言うことと 入力正弦波の位相は 伝達関数の に +j を代入した複素数の偏角だけ ひねられて出力されると言うことです 実数の正弦波が起こす応答ですが ラプラス変換を使って解く正弦波応答では ラプラ ス逆変換直後は 8 の一つ前の式の様に複素関数で出て来ます 実数の in を複素数で表している為 反時計回りの j と その共役である時計回りの j が 常に反対方向に回転している必要があります j も付いて来ます 反時計回りと時計回りに回転する共役複素数に 大きさの変化とひねりを加える複素数 があります 反時計回りの j に大きさの変化とひねりを与えるのは 伝達関数の に j を代入した 複素数 G(j です 時計回りの j に大きさの変化とひねりを与えるのは 伝達関数の に-j を代入した 複素数 G(-j です j 回転する共役複素数 と j に それぞれ共役複素数の G(j と G(-j が働くことに より 実数である出力正弦波の振幅と位相が変化するのです =j とは何か の章の にもっと詳しい説明があります 普通の回路では 入力に正弦波を入れた場合 途中も 出力も どこもかしこも同一角 周波数の正弦波ですから 正弦波の大きさ関係と位相関係のみが話題となります そのため 入力が正弦波に限定されている交流理論では フェーザーの考えが出て来ま した j ラプラス変換の方法で出てくる 反時計回りの複素数 の回転を都合の良いところで止め jθ にした状態で 回路の各部分の電圧や電流の大きさと位相のみを問題にします 8 式から第 項と過渡項を捨て 第 項から を除き ある時刻で回転を止め 最大値 j を実効値 RMS に代えたものが 交流理論のフェーザーとなります 回転を止めて計算するフェーザー表示の交流理論では G( の に j を代入した複素数 G(j のみが そのフェーザーに作用します RMS j θ の大きさを変え ひねりを加えるのは G( の に j を代入した複素数 G(j で す これが交流理論における =j の意味になります 伝達関数 G( として のみがあった場合はどうでしょうか =j ですから RMS j θ に j がかけられることとなります j RMS jθ j RMS (co θ jin θ RMS j(co θ jin θ RMS ( in θ jco θ - -

RMS { θ jin( θ } フェーザーに j を掛けると 大きさが 倍され 位相が [ra](90 度 進みます 本章の では正弦波を時間 で微分しました 大きさが ( 角周波数 倍され 位相が [ra] (90 度 進みました フェーザーにおいて j は微分のことだということが分かり ます 複素平面でフェーザー表示した一つの正弦波は 一回の微分ごとに j 倍されます 大きさは 倍 位相は j 倍です 目次へ戻る - 3 -