平成25年6月14日

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原著論文

中高年のヘルスケア (HRT/骨粗鬆症/脂質異常症/排尿障害など)

小児整形外科

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度と骨質を改善する効果により骨折を抑制する効果が示されています. エルデカルシトールの特徴として前腕骨 ( ひじから手首の部分の骨 ) の骨折抑制効果が大変高いことが報告されているので, ラロキシフェンと同様に尺骨短縮手術時のボルト固定の改善効果や手術後の骨折の発生リスクを低下することが期待されます

1 薬事委員会報告

-49<< 図 3 椎体 L2-4 と大腿骨近位部における骨粗鬆症の有病率 ( 推定 05 年 ) 2 椎体 大腿骨近位部 SOURCE Reproduced from Orimo H. et al. Japanese 11 guidelines fo

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

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Microsoft Word 診断基準確定版

副甲状腺ホルモン製剤 A-VD: 活性型ビタミン D 2 骨粗鬆症治療薬のイタリアの学会による中立的な見解 Safety profile of drugs used in the treatment of osteoporosis: a systematical review of the lite

脊椎圧迫骨折後の二次予防

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2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Page 1 リクラスト点滴静注液 5mg ゾレドロン酸水和物 第 2 部 ( モジュール 2):CTD の概要 ( サマリー ) 2.7 臨床概要 生物薬剤学試験及び関連する分析法 旭化成ファーマ株式会社

骨粗鬆症とは!( どんな病気?) 骨粗しょう症は 鬆 ( す ) が入ったように骨の中がスカスカの状態になり 骨がもろくなる病気です 骨がスカスカになると わずかな衝撃でも骨折をしやすくなります 骨粗しょう症は がんや脳卒中 心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが 骨粗しょう

2.5 臨床に関する概括評価 Page 2 略号一覧 略号 省略していない表現 ACE angiotensin converting enzyme( アンジオテンシン変換酵素 ) ADL activities of daily living( 日常生活動作 ) AE adverse event( 有

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

第 14 回日本骨粗鬆症学会骨ドック 検診分科会 2012 年 9 月新潟市朱鷺メッセ 骨粗鬆症リエゾンサービス Report

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299 P1NP 骨芽細胞 プロコラーゲン分解 Ⅰ 型コラーゲン TRACP-5b BAP OC ucoc OC 類骨 細胞活性化による分泌 1 増殖期 P1NP 2マトリックス形成 成熟期 3 石灰化期 OC 破骨細胞 肝臓 腎臓代謝 尿中 NTX CTX 血中 NTX コラーゲン断片 CTX α

骨粗鬆症 (Seminar) The Lancet, Jan.26,2019 Osteoporosis 西伊豆健育会病院西伊豆早朝カンファランス平成 31 年 4 月 30 日仲田和正 著者 Juliet E Compston Department of Medicine, Cambridge Bi

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

骨粗鬆症とは何か 骨粗鬆症とは骨密度が低下し骨質が劣化する疾患で 骨を脆弱化し骨折リスクを高める 特に骨折しやすいのは脊椎 手首 大腿骨近位部 骨盤 上腕である 骨粗鬆症とその関連骨折は さらなる合併症や死亡の重大な要因となる 世界的にみて 50 歳以上の女性のおおよそ 3 人に 1 人 男性では

第11号骨そしょう症

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

データの取り扱いについて (原則)


第 66 回骨粗鬆財団教育ゼミナール講演 Ⅰ 糖尿病に合併する骨粗鬆症の特徴と対策について 島根大学医学部内科学講座内科学第一講師 金沢一平 はじめに糖尿病は加齢とともに増加する疾患であり 世界的に患者数は増加し続けている 超高齢化社会を迎えた我が国において 高齢者糖尿病患者へのアプローチの重要性は

10035 I-O1-6 一般 1 体外衝撃波 2 月 8 日 ( 金 ) 09:00 ~ 09:49 第 2 会場 I-M1-7 主題 1 基礎 (fresh cadaver を用いた肘関節の教育と研究 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 9:00 ~ 10:12 第 1 会場 10037

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報告Ⅰ 骨粗鬆症に対する北葛北部医師会での取り組み 北葛北部医師会地域医療部会担当理事 堀中 北葛北部医師会会長 能美 晋 整形外科 大山 重隆 整形外科 昌司 内科 現在 我が国は世界で平均寿命はトップクラスを維持しているが2013年の統計では健康寿命と平均 寿命の格差が男で9.02年 女で12.

で経過観察を行うのみであった頃と比べれば 大きな進歩だと思います リエゾンサービスの同意を得たら患者情報を収集しメンバーで共有山際リエゾンサービスの対象となる骨粗鬆症性骨折患者さんには 平日の日勤帯に外来を経由するケースと時間 外 休日に救急外来を経由して入院となるケースの 2 通りがあります 青木

症例 1 糖尿病 61 歳男性 現病歴 55 歳頃に糖尿病を指摘されたが未治療で放置していた 最近目が見えにくくなったため眼科受診したところ糖尿病性網膜症 ( 福田分類 B1 全増殖型網膜症 ) があり 内科受診を勧められ当院初診した 既往歴 緑内障 ( 現在眼圧正常 ) 家族 父親が糖尿病 80

次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師にその旨を告げてください 低カルシウム血症の人または低カルシウム血症をおこす可能性のある人 腎臓に重い障害がある人 肺に転移がある骨巨細胞腫の人 この薬には骨粗鬆症の薬であるプラリア皮下注 60mg シリンジと同じ成分のデノスマブが含

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ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

イサロパン外用散6%、カルシトラン注10、サークレチンS錠25、サークレチンS錠50、ソフィアA配合錠、ソフィアC配合錠、テツクール徐放錠100mg 、ホーリン筋注用10mg、ルテウム注10、ルテウム注25、ルテジオン配合錠

Microsoft Word 高尿酸血症痛風の治療ガイドライン第3版主な変更点_最終


高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

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づけられますが 最大の特徴は 緒言の中の 基本姿勢 でも述べられていますように 欧米のガイドラインを踏襲したものでなく 日本の臨床現場に則して 活用しやすい実際的な勧告が行われていることにあります 特に予防抗菌薬の投与期間に関しては 細かい術式に分類し さらに宿主側の感染リスクも考慮した上で きめ細

はじめに この冊子は レトロゾール錠 2.5mg アメル による乳がんのホルモン療法を受ける患者さんが 安心して治療に取り組めるように 乳がんのホルモン療法や薬の効果 副作用について解説しています 冊子を読んでもわからないことや 不安に感じることがありましたら 担当医師や看護師 薬剤師に遠慮なくご相

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

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理学療法科学 32(3): ,2017 原著 骨粗鬆症患者の非椎体骨折性腰背部痛に対する運動療法と薬物療法の効果 Effect of Therapeutic Exercise and Pharmacological Managements for Back Pain in Osteopo

154 川崎医学会誌 表 2 海綿骨の比率 腰椎 60% 椎体 80 大腿骨頸部 25 Ward 三角 25 大転子 50 橈骨 遠位 1/3 部 5 1/ / 中手骨 2-3 全身骨 20 表 3 我々が所有した骨塩定量装置 測定部位 測定方法 機種 第 2 中手骨

DRAFT#9 2011

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

助成研究演題 - 平成 27 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 改良型 STOPP を用いた戦略的ポリファーマシー解消法 木村丈司神戸大学医学部附属病院薬剤部主任 スライド 1 スライド 2 スライド1, 2 ポリファーマシーは 言葉の意味だけを捉えると 薬の数が多いというところで注目されがちで

審決を取り消す 第 2 事案の概要本件は, 特許出願拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である 争点は, 新規性 進歩性の有無 ( 引用発明の認定, 相違点及び効果に係る判断 ) である 1 特許庁における手続の経緯原告は, 名称を 1 回当たり100~200 単位のPTHが週

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医療関係者 Version 2.0 RET 遺伝学的検査の実施について Ⅰ.RET 遺伝学的検査の対象 甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査 平成 28 年 4 月より甲状腺髄様癌に対する RET 遺伝学的検査が保険収載された 診療報酬点数表によると 保険適用による RET 遺伝学的検査は 遺

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転倒教室評価項目について

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にアレディア点滴静注用に含まれる成分や他のビスホスホン酸塩で過敏な反応を経験したことがある人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師に告げてください 腎臓に重篤な障害がある人 全身状態が

骨粗鬆性脊椎圧迫骨折

取扱説明書 [F-05E]

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一般演題 口演 1 骨粗鬆症の基礎研究 10 月 6 日 ( 木 )9:00 ~ 10:00 第 2 会場 ( 仙台勝山館 4F 彩雲東 ) 座長 : 東京大学医学部附属病院老年内科浦野友彦 1. PTH1-34 間欠投与はプレート固定を併用した大腿骨骨欠損モデルにおける BMP 誘導新生骨に対する

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

施術料金表 (1 割負担額 ) 相談支援料算定あり 初検日 + 冷罨法料 初検日 ( 冷罨法料加算なし ) 冷罨法料 初検料 1,460 円 初検料 1,460 円 相談支援料 50 円 相談支援料 50 円 1 部位 760 円 85 円 2,355 円 240 円 1 部位 760 円 2,27

桜町病院対応病名小分類別 診療科別 手術数 (2017/04/ /03/31) D12 D39 Ⅳ G64 女性生殖器の性状不詳又は不明の新生物 D48 その他及び部位不明の性状不詳又は不明の新生物 Ⅲ 総数 構成比 (%) 該当無し Ⅰ 感染症及び寄生虫症 Ⅱ 新生物 C54 子宮体部

骨密度, チェックしていますか? 骨折の危険因子 40 歳以上の年代別骨粗鬆症患者数は約 1300 万人骨粗鬆症による大腿骨近位部骨折の発生数は年間約 15 万人骨粗鬆症 骨折 日常生活レベルの低下の連鎖を断ち切るため骨粗鬆症の早期診断 治療が重要です 低骨密度骨折の既往 家族歴喫煙, 飲酒ステロイ

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 )

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

第 43 回日本肩関節学会 第 13 回肩の運動機能研究会演題採択結果一覧 2/14 ページ / ポスター会場 第 43 回日本肩関節学会 ポスター 運動解析 P / ポスター会場 第 43 回日本肩関節学

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抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら


使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

Ⅰ 目的わが国は世界一の超高齢社会を構成しており 筋骨格系の健康を保つことが要介護 要支援を予防するうえで重要となってきている 約 1200 万人といわれる骨粗鬆症は高齢者の疾患であり 1) 骨折は寝たきりにつながる原因疾患であり 骨折患者の介護費 医療費などは年々増加の一途であるばかりでなく 生命

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

がん登録実務について

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詳細 下記項目におきまして 所要日数を変更させていただきます 一部の項目では ご依頼曜日により所要日数が延長となりますが ご了承ください その他の検査内容に変更はありません β- トロンボグロブリン (β-tg) 2~6( 日 ) 2~4( 日 ) 血小板第 4 因子 (PF

Transcription:

平成 27 年 9 月 7 日 受講者各位 MP ラーニング運営委員会 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版 発刊に伴う改訂のポイント掲載のお知らせ 平素は MP ラーニングサービスをご利用いただき 誠にありがとうございます この度 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版 が発刊されました ガイドラインの主な改定ポイントを次のページよりご説明します 骨粗鬆症 コンテンツにつきましては 最新資料をご参照のうえ 受講いただきますようよ ろしくお願い申し上げます 以上

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版のポイント 2015 年 7 月に 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版 が発刊されました 今回は主な改訂項目の中から 1. 新たに改訂された諸基準 2. 新規薬物 剤形 3. 薬物の評価と推奨 についてポイントを紹介します 2015 年版の主な改訂項目 ( 次ページ以降では青地部分を紹介しています ) 1. 新たに改訂された諸基準 関連領域のガイドライン ( 改訂版 ) の取り入れ 以下のガイドラインの改訂内容を取り入れ 原発性骨粗鬆症の診断基準 2012 年度改訂版 椎体骨折評価基準 2012 年度改訂版 骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン 2012 年版 ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン 2014 年改訂版 2. 新規薬物 剤形新しく上市されたテリパラチド酢酸塩 イバンドロン酸 デノスマブ 既存薬物において登場した注射剤や点滴製剤などの新しい剤形に関する情報とエビデンスの追加 また 治療薬の選択や治療効果の評価管理に関する記述を追加 3. 薬物の評価と推奨海外のガイドライン (NOF や IOF) 国内の他の疾患のガイドラインでは薬物の 推奨 は記載されていないことから 薬物の効果についてはこれまでの 推奨 に変えて 有効性の評価 (A B C) とすることとした 4. 新たな項目の追加 骨粗鬆症の成因に 臓器相関からみた骨粗鬆症の病態 の項目を新たに設定 ロコモティブシンドロームと骨粗鬆症 の項目追加 骨粗鬆症における骨折 の項目を追加 骨粗鬆症の多機能連携システムとして新たに設立された骨粗鬆症リエゾンサービスに関する項目の追加 5. 医療経済に関する情報 新規エビデンスの紹介 2011 年版に設けられていた医療経済に関する項目を 従来の治療だけではなく 検診 予防も含め包括的に記述 6. 続発性骨粗鬆症生活習慣病関連骨粗鬆症を中心とする続発性骨粗鬆症に関する知見についての新たなエビデンスの記載

1. 新たに改訂された初基準 関連領域のガイドライン ( 改訂版 ) の取り入れ 原発性骨粗鬆症の診断基準 2012 年度改訂版 椎体骨折評価基準 2012 年度改訂版 骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン2012 年版 ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン2014 年改訂版 原発性骨粗鬆症の診断基準との整合性を図って作成 ~ 原発性骨粗鬆症の薬物治療開始基準 ~ 赤字が改訂部分 1 2 脆弱性骨折 ( 大腿骨近位部骨折または椎体骨折 ) ない ある 脆弱性骨折 ( 大腿骨近位部骨折および椎体骨折以外 ) 3 BMD YAM SD : 骨密度 : 若年成人平均値 : 標準偏差 ない ある 4 4 4 BMD が YAM の 70% より大きく 80% 未満 BMD が YAM の 70% 以下または -2.5SD 以下 BMD が YAM の 80% 未満 FRAX の10 年間の骨折確率 ( 主要骨折 ) 5,6 15% 以上 大腿骨近位部骨折の家族歴 薬物治療開始 1 軽微な外力によって発生した非外傷性骨折 軽微な外力とは 立った姿勢からの転倒か それ以下の外力をさす 2 形態椎体骨折のうち 3 分の 2 は無症候性であることに留意するとともに 鑑別診断の観点からも脊椎エックス線像を確認することが望ましい 3 その他の脆弱性骨折 : 軽微な外力によって発生した非外傷性骨折で 骨折部位は肋骨 骨盤 ( 恥骨 坐骨 仙骨を含む ) 上腕骨近位部 橈骨遠位端 下腿骨 4 骨密度は原則として腰椎または大腿骨近位部骨密度とする また 複数部位で測定した場合にはより低い % 値または SD 値を採用することとする 腰椎においては L1~L4 または L2~L4 を基準値とする ただし 高齢者において 脊椎変形などのために腰椎骨密度の測定が困難な場合には大腿骨近位部骨密度とする 大腿骨近位部骨密度には頚部または total hip(total proximal femur) を用いる これらの測定が困難な場合は橈骨 第二中手骨の骨密度とするが この場合は % のみ使用する 5 75 歳未満で適用する また 50 歳代を中心とする世代においては より低いカットオフ値を用いた場合でも 現行の診断基準に基づいて薬物治療が推奨される集団を部分的にしかカバーしないなどの限界も明らかになっている 6 この薬物治療開始基準は原発性骨粗鬆症に関するものであるため FRAX の項目のうち糖質コルチコイド 関節リウマチ 続発性骨粗鬆症にあてはまる者には適用されない すなわち これらの項目がすべて なし である症例に限って適用される

2. 薬物の評価と推奨 2011 年版では各薬物の 評価と推奨 の項目がありましたが 海外のガイドライン (NOF や IOF) 国内の他の疾患のガイドラインでは薬物の 推奨 は記載されていないことから 薬物の効果についてはこれまでの 推奨 に変えて 有効性の評価 (A B C) とすることとした [2011 年版 ] 推奨グレードを決定 推奨の強さの分類 A: 行うよう強く勧められる B: 行うよう勧められる C: 行うよう勧めるだけの根拠が明確でない D: 行わないよう勧められる [2015 年版 ] 有効性を評価 骨密度上昇効果 A: 上昇効果がある B: 上昇するとの報告がある C: 上昇するとの報告はない 骨折発生抑制効果 ( 椎体 非椎体 大腿骨近位部骨折のそれぞれについて ) A: 抑制する 1 プラセボを対照にした RCT で有意な上昇効果を示す論文がある 2 プラセボを対照として有意な上昇効果がすでに示されている薬剤を対照とした RCT で非劣性または優越性を示す論文がある 1 プラセボを対照にした RCT で上昇効果を示す論文があるが 結果の普遍性が確立されていない 2 有意な上昇効果がすでに示されている薬剤を対照とした RCT で非劣性または優越性を示す論文があるが 結果の普遍性が確立されていない 1 プラセボを対照にした RCT で有意な上昇効果を示す論文がある 2 プラセボを対照として有意な上昇効果がすでに示されている薬剤を対照とした RCT で非劣性または優越性を示す論文がある B: 抑制するとの報告がある 1 プラセボを対照にした RCT で上昇効果を示す論文があるが 結果の普遍性が確立されていない 2 有意な上昇効果がすでに示されている薬剤を対照とした RCT で非劣性または優越性を示す論文があるが 結果の普遍性が確立されていない C: 抑制するとの報告はない

3. 新薬物の追加 新しく上市された テリパラチド酢酸塩 イバンドロネート デノスマブ 既存薬物において登場した注射剤や点滴製剤などの新しい剤形に関する情報とエビデンスの追加 また 治療薬の選択や治療効果の評価管理に関する記述を追加した 骨粗鬆症治療薬の有効性の評価 ( 赤地が新規薬物 ) 分類薬物名 代表商品名 骨密度椎体骨折非椎体骨折 大腿骨近位部骨折 カルシウム薬 L-アスパラギン酸カルシウム アスパラ-CA B B B C リン酸水素カルシウム 女性ホルモン薬 活性化ビタミン D 3 薬 エストリオール エストリール ホーリン 結合型エストロゲン *1 プレマリン エストラジオール エストラーナ ジュリナ アルファカルシドール アルファロール ワンアルファ カルシトリオール ロカルトロール エルデカルシトール エディロール C C C C A A A A A B B C B B B C B B B C A A B C ビタミン K 2 薬メナテトレノン グラケー B B B C エチドロン酸 ダイドロネル A B C C ビスホスホネート薬 アレンドロン酸 ボナロン フォサマック A A A A リセドロン酸 アクトネル ベネット A A A A ミノドロン酸 ボノテオ リカルボン A A C C イバンドロネート ボンビバ A A B C SERM カルシトニン薬 *2 副甲状腺ホルモン薬 ラロキシフェン エビスタ A A B C バゼドキシフェン ビビアント A A B C エルカトニン エルシトニン B B C C サケカルシトニン カルシトラン B B C C テリパラチド ( 遺伝子組換え ) フォルテオ A A A C テリパラチド酢酸塩 テリボン A A C C 抗 RANKL 抗体薬デノスマブ プラリア A A A A その他 イプリフラボン オステン C C C C ナンドロロン *3 デカ デュラミン C C C C *1 骨粗鬆症は保険適用外 *2 疼痛に関して鎮痛作用を有し 疼痛を改善する (A) *3 2011 年 1 月販売中止 ( 経過措置期間 2015 年 3 月迄 )