材料の力学 ( 第 章 ) 解答集 ------------------------------------------------------------------------------- 各種応力の計算問題 (No1) 1. 断面積 1mm の材料に 18N の引張荷重が働くとき, 断面に生じる応力はどれほどか ( 18(N/mm ) または 18(MP)) P 18( N) 18 N / mm 18( MP A 1( mm ) ). 直径 1mmの軟鋼試験片で引張試験を行った 引張荷重が 5kN のときに生じた引張応力はいくらか (.5(MP)) P 51.5( N / mm ).5( MP) A 1 ( mm ). 図のような直径 mm のリベットに 8.8kN のせん断力が作用している リベットに生じている せん断応力はいくらか ( 8.1(MP)) d せん断断面積 A d P 8.81 A 8.1( MP) ( mm ).kn の圧縮荷重を受ける部品を中実丸棒の鋼で作りたい 鋼の丸棒に作用する圧縮応力を MP 以下にするには, 部品の直径は最小いくら以上であればよいか (.51(mm 以上 )) 圧縮応力と断面積の関係から P 1 A.1 ( m ).( mm ) 1 ( N / m ) であり, 材料に中実丸棒を使用するからその直径は A. d.515( mm).115 5. 問題. に示すようなリベット継手に.kN の引張荷重が作用するとき, 直径 1mm のリベット 1 本に生ずるせん断応力を MP 以下とするには - 1 -
リベットの本数は何本以上必要か ( 本以上 ) 必要なリベットの本数をn,1 本の断面積をAとして, リベットのせん断力 >=せん断荷重であれば良い したがって, P. 1 (N) An P; n. 本以上 A 1 N/m.1 /(m ). 右図のような中空円筒を 枚の板ではさみ,1kN の力で圧縮するとき, 円筒に生じる圧縮応力を 7MP 以下にとどめるには, 円筒の外径 d はいくら以上にすればよいか ただし, 円筒の内径 d 1 は mm とする ( 7.1(mm 以上 )) 長さの単位をメートルで統一して以下計算を行う 中空円筒の断面積 Aは, A 剛体壁面 d d 1 であり, 圧縮応力を とすれば, P より A P 1 1 (N) A 1.8 1 7 1 N/m したがって, A - (m - - d d 1.8 1 ; d -d 1.818 1 1 1 )..71(m) 7.1(mm) 以上 - - d 1.818 1 d1 1.818 1 --------------------------------------------------------------------------------. ひずみの演習問題 1. 長さ mの棒材が圧縮荷重を受けて. の縦ひずみを生じた 縮み ( 変 形量 ) は何 mmか より,. ; L=(mm) を代入して, L λ= L= -. =. (mm) したがって,.mm 縮んだ d1 mm (.mm). 引張り荷重を受け材料の伸びが.mm, 縦ひずみが. であるとき, 変形前の元寸法はいくらか ( (mm)) より.; =.(mm) を代入して, L.( mm) L ( mm). d 剛体壁面 - -
. 直径 mmの丸棒に引張荷重を作用させたところ, 直径が.mm 縮んだ. 横ひずみはいくらか ( -.1) 横ひずみの定義に従い, d d.( mm).1 d ( mm). 長さ L の丸棒を圧縮したところ, 長さが mm, 縦ひずみが-.5 になった 変形前の元寸法は何 mm か ( 1(mm)) 縦ひずみの定義に従って, L L より, L L L であり, したがって, 変形前の元寸法は L L (1 ) L となり, ここで, 圧縮ひずみ ( 縦ひずみ ) はε=-.5 であることに注意して, L ( mm) L 1.5( mm) 1 1.5) -------------------------------------------------------------------------------- 第 章.5~. 応力 ひずみ, ヤング率, ポアソン比など総合演習問題 1. 表.1 を使って応力 σ ひずみ ε 線図上に硬鋼, ねずみ鋳鉄, 純アルミニュームの線を入れてみなさい 省略 ただし, 鋼, 鋳鉄, アルミニュームの順に縦弾性係数 ( ヤング率 ) が小さいことを理解しておく. 断面が一辺 cmの正方形で長さが 1cmの軟鋼製角棒が圧縮荷重を受けて,.5cm 縮んだ このとき断面積はいくらとなるか ただしポアソン比は.8 とする ( 1.5(cm )) 長さの単位をcmで統一して以下計算する, まず縦ひずみεは.5( cm) 5.1 L 1( cm) 横ひずみε は.8 5.1 1.581 圧縮後の一辺の長さを L, 圧縮前のそれを L とすれば, 横ひずみの定義 LL /Lから L L 1 1 1.581.7( ) L L cm したがって, 正方形の圧縮後の面積 A は.7 1.5( cm ) A L. 直径 18mm, 長さ.5mの軟鋼製丸棒を天井に溶接し, 下端に Nの - -
荷重を加えた このとき, 棒の伸び λ, 棒に生じる応力 σ を求めよ ただし, 丸棒の縦弾性係数 ( ヤング率 ) は GP とする ( λ=.115(cm),σ=.1(mp)) 三つの基本式, P / A, = L, =E から材料の伸び λ は, ひとまず長さ の単位をメートル (m) で統一して, PL.5 - = = =1.1 1(m).115( cm).18 1 P ( N) 7.11 ( P).1( MP) A.18 ( m ). 同一寸法の鋼棒と銅棒を同一の力で引張ったところ, 伸びが :5 の比となった 鋼の縦弾性係数を E=GP として, 銅の縦弾性係数 E を求めよ ( E=1.(GP)) 鋼棒に, 銅棒に の添字をつけて, それぞれの伸びの式を表すと,A,P,L は同一であるから次式が得られる PL PL, 題意から : 5, すなわち したがって, E : PL E PL E 5 E 5. 1 5 1. 1 ( Gp) 5. 右図に示すように, 鋼 ( 寸法 L の部分 ) と銅 ( 寸法 L の部 d d 分 ) を組み合わせた丸棒に引 P 張を加えた時の全体の伸びを求めよ ただし, 鋼, L L 銅の縦弾性係数をそれぞれ, E=GP,E=1GP とする なお, 各部の寸法および荷重は, L=mm,L=mm, 直径 d=5mm, 直径 d=mm, =8 kn とする ( λ=.18(mm)) 鋼棒に, 銅棒に の添字をつけて, それぞれの伸びの式を表すと, - -
φ B φ A PL, PL 題意で与えられた数値を代入して PL 81. 5.18781 ( m).18( mm). 1 PL 81. 1.181 ( m).118( mm).5 11 したがって, 全体の伸びλは.18.118.1818( mm). 下図に示すように, 内側に直径 A 5mm の軟鋼の丸棒, 外側に直径 B 1mmの黄銅製中空円筒をはめた柱がある これに圧縮 15kN を加えた時, 各柱に生じる応力,, ひずみε, 縮み を求めなさい ただ し, 各柱の縦弾性係数は軟鋼 E GP, 黄銅 E 11GP とする なお, 両材料の長さは L mmで, 変形しない黄銅と鋼の縮み板 ( 剛体といい, この場合それぞれのひずみ および縮み は等しいと考える ) に取り付けられている 黄銅 鋼 L ( σ =15.78(MP),σ=.1(MP),ε=1.5 1 -, λ=.57(mm)) 考え方として, 黄銅の断面で受け持っている と鋼が受け持つ の和が圧縮 に等しいと考える すなわち, 黄銅と鋼の断面積および応力をそれぞれ A,σ よび A,σ として, 力のつりあい式は, P PP AA (1) さらに, 両材料は剛体に取り付けられているから, 両材料のひずみ ε,ε または縮 - 5 -
み λ,λ は等しいと考える すなわち, () E E ここで未知数は,σ,σ のつであるから, 式 (1),() を連立させれば解ける { 解答 } (1) 部材の応力を求める 式 () から, E E であり, この応力を式 (1) へ代入して, E P A AA A E E EP EP, 同様にして () A E A E となる 題意で与えられた数値を代入して, EP 111 151 A E A E.1.5 111.5 1 1 1 151 1.51 8.15781 ( P) 8 8 8.751.81 1.51 7 1.5781 ( P) 15.78( Mp) さらに,σ は E ( Gp) 15.78( MP).1( MP) E 11( GP) () ひずみεは, E E 7 7 1.5781 ( P).11.151 1.51 111 ( P) 1 () 縮みλはλ=λ であることに注意して, フックの法則および式 () から L L L 1.51..57 1 ( m).57( mm) E E となる ---------------------------------------------------------------------- 第 章.7~.8 材料の機械的性質, 安全直径, 安全率などの総合演習問題 1. 構造物の部材が鋼製の丸棒であり, 引張荷重 kn を受けているものとする 引張許容応力をN / mm とするとき, この丸棒の安全直径を求めよ (.(mm 以上 )) 許容応力を, 丸棒の直径を d とすれば, 丸棒に許す引張荷重は P は現在受けてい る引張り荷重 knより大きくなければならから, 次式が満たされる必要がある d P kn - -
したがって, 安全直径 d は, d 1 1.1.( mm) 以上. 引張り荷重 1kN が作用する丸棒の安全直径を求めよ ただし, 材料の降伏点 ( 基準強さ ) を MP, 安全率をとする ( 1.(mm 以上 )) 安全率の定義から, 基準強さ ( 応力 ) を, 許容応力を とすれば安全率 f は, f σ で表されるから, このときの許容応力 σ f は 1 11 ( P) であり, 丸棒の直径を d とすれば, 丸棒に許す引張荷重は P は現在受けている引張り荷重 1kNより大きくなければならから, 次式が満たされる必要がある d P 1kN したがって, 安全直径 d は, d 11 11.111 1 ( N / mm 1.( mm) 以上 ). 軟鋼丸棒を安全率 7で使用する 丸棒の許容応力が 88N / cm であれば, 直径 cm の丸棒を破断するにはいくら以上の荷重を加えればよいか ( 1. 1 5 (N)) σ 安全率の定義から, 基準強さ ( 応力 ) を, 許容応力を とすれば安全率 f は f σ で表されるから, このときの基準強さ は, 788 17( N / cm ) f したがって, この応力以上を加えれば破壊できると考え, 丸棒の直径を d, 破壊荷重を P として, d.1 5 P 17 1.1. 最大荷重.MN をクレ-ンで巻き上げるとき, 破壊荷重.5MN のワイヤロープを8 本使った, 安全率 fはいくらか ( f=) ワイヤーロープ8 本が破壊に至る は P 8.51 1 クレーンに実際にかかっている最大荷重が.MN であるから, 安全率 f は - 7 -
破壊荷重 1 = 実荷重. 1 f = h 5. 図.18 のボルトに 7kNの引張り荷重を加える ボルトの安全直径 d とボルトの安全高さ h を求めよ ただし, ボルトの許容引張り応 力をN / cm, 許容せん断応力を 85N / cm とする ( 直径 d.17( cm ),h 8.( mm) ) 許容引張り応力を, ボルトの直径を d とすれば, 図.18 ボルトの強度 ボルトに許容する引張 は現在受けている引張り荷重 7kNより大きくなければ ならから, 次式が満たされる必要がある d P 71 N したがって, ボルトの安全直径 d は, d 71 71.17( cm) 以上.1 つぎに, ボルト頭部の高さ h については, この部分はせん断応力を受け, せん断面積を A, 許容せん断応力を とすれば, 次式を満たす必要がある A dh P 71 したがって, 安全高さ h は P 71 h.8( cm) 8.( mm) 以上 d.1.17 85 N 7kN -------------------------------------------------------------------------------- d - 8 -