PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
スライド 1

Microsoft PowerPoint - 【配布・WEB公開用】ACRONET_Kitahara.ppt [互換モード]

Microsoft Word SHARE-ws-v10.docx

0831_02_落合_発表.pptx

申請時電子データ提出におけるレガシーデータ変換に関する考察

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

概要 PMDAにおける次世代審査 相談体制の構築 データ標準の利用 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 ( 案 ) について パイロット実施について CDISC 利用に関する今後の検討と展望 2014/05/16 CDISC 概説コース 2

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

Microsoft PowerPoint - 01CDISC概要短縮版.ppt

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

4.7.4 プロセスのインプットおよびアウトプット (1) プロセスへのインプット情報 インプット情報 作成者 承認者 備 考 1 開発に関するお客様から お客様 - の提示資料 2 開発に関する当社収集資 リーダ - 料 3 プロジェクト計画 完了報 リーダ マネージャ 告書 ( 暫定計画 ) 4

PowerPoint プレゼンテーション

電子データ申請に向けた品質管理サイクルの最適化 ~ プログラミング業務における deja vu からの脱却 ~ 小林千鶴, 平野勝也, 坂井絵理, 北西由武 ( 塩野義製薬株式会社解析センター ) Optimization of quality control cycle toward electr

スライド 1

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

記 1. 適用対象本通知は 製造販売業者等が GPSP 省令第 2 条第 3 項に規定する DB 事業者が提供する同条第 2 項に規定する医療情報データベースを用いて同条第 1 項第 2 号に規定する製造販売後データベース調査を実施し 医薬品の再審査等の申請資料を作成する場合に適用する GPSP 省

スライド 1

J-SOX 自己点検評価プロセスの構築

知創の杜 2016 vol.10

Microsoft Word - ③調査仕様書.doc

テスト自動化プロセスの改善

Microsoft PowerPoint - M1001_1_ ppt [互換モード]

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

非営利組織の経営

分野 コース名 基礎的 IT セミナーコース一覧 内容 I T 理解 I T スキル活用 I T 倫理 新技術動向 業務の I T 化 ネットワーク 表計算 ベデーースタ プンレ / ゼ文ン書テ作ー成ショ ホームページ 情報発信コンンプスライア 情報テセィキュリ 1 第 4 次産業革命のインパクト新

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

SAS_user_2015_fukiya02

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D A835E838A F8B7982D18AC48DB85F20534F A68CEB8E9A E9A8F4390B38DCF2

15288解説_D.pptx

スライド 1

解析プログラムの提出の可否( マクロの提出可否 仕様書の提出 ) 使用した解析ソフトウエアとそのバージョン 解析実施環境 (2) 電子データ提出を予定する各試験等の情報 ( 統合解析 ) 1 解析目的及び対象に関する情報 2 電子データに関する情報 3 解析実施に関する情報 (3) 電子データ提出を

CROCO について

日本機械学会 生産システム部門研究発表講演会 2015 資料

平成 30 年度データマネジャー養成研修 研修生募集要項 主催千葉大学医学部附属病院実施千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1. 研修の目的 ICH-GCP の改訂や CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium) 標準の規格での PMDA

医療機器開発マネジメントにおけるチェック項目

Welcome!

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

日経ビジネス Center 2

新事業・サービスの創出プロセスと各プロセスに含まれるタスク

( 別紙 ) 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方について ( 平成 26 年 6 月 20 日付け薬食審査発 0620 第 6 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) 新旧対照表 ( 別添 ) 改正後 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 1. 承認申請時に電子データ提出を

2 マンション管理業界の課題マンション管理業界の課題理事会理事会理事会理事会とのとのとのとのコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーション管理員管理員管理員管理員とのとのとのとのコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーション学習学習学習学習 研磨研

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

chap03.indd

<4D F736F F F696E74202D F8D F8DE28FE35F D208AD F18F6F95A882CC97AF88D3935F87415F88F38DFC97702E >

ソリューション営業の戦略 ~ プロジェクトは提案から始まっている ~ アンケート ソリューション営業 を実現する人材の育成上の課題 セミナー受講者に対し ソリューション営業 の導入状況や ソリューション営業 を実践する人材の育成上の課題を アンケート形式で伺いました 本セミナーの出席者は ソリューシ

PowerPoint プレゼンテーション

の連携による明確な出口戦略を持って NCを含む臨床研究中核病院などの 拠点 及びそのネットワークが中心となり 拠点外シーズ 拠点外施設も含め all Japan 体制で効率的に研究開発が進められる環境作り ( 1~3) を目指す 1 このような環境が整うことのメリットとしては 我が国における医薬品等

組織内CSIRT構築の実作業

ある実務担当者が考える ADaM 開発アプローチと標準の紹介 坂上拓 ( 株式会社中外臨床研究センターバイオメトリクス部データサイエンスグループ ) Introduce ADaM development approach and standards considered by a certain p

授業計画書

PowerPoint プレゼンテーション

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

変更履歴 バージョン日時作成者 変更者変更箇所と変更理由 RIGHTS R ESER VED. Page 2

UMIN INDICE Lower level data communication protocol for CDISC ODM規約

<4D F736F F D208CF897A689BB94C795F18D908F A2E646F63>

ダイバーシティ100選目次.indd

イントロダクション

IT活用力セミナーカリキュラムモデル訓練分野別コース一覧・コース体系

untitled

IATF16949への移行審査

5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

スライド 1

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

PowerPoint プレゼンテーション

2

事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

IT スキル標準 V3 2011_ 職種の概要と達成度指標 (7) アプリケーションスペシャリスト 職種の概要と達成度指標 APS 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

<4D F736F F D208AEE967B8C7689E65F DC58F4994C58EA993AE8D C882B5>

医師主導治験取扱要覧

PowerPoint Presentation

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

PhUSE作成の「Analysis Data Reviewer’s Guide Completion Guidelines」の解説

トレーニングのプレゼンテーション

構築等 相手国の意思決定が必要な政策面で懸念される点がある 今後 全体設計の実現に向け た強固な活動が期待される 4-1. 国際共同研究の進捗状況について本プロジェクトは統合データベースと観測評価システムの開発を第一段階とし 物理モデルの構築 シナリオ解析に基づく評価 システムと技術の開発へと順次進

PowerPoint Presentation

<4D F736F F F696E74202D A B837D836C CA48F435F >

Slide 1

実現力を高める方法

PowerPoint プレゼンテーション

人材育成 に関するご意見 1) 独立行政法人情報通信研究機構富永構成員 1 ページ 2) KDDI 株式会社嶋谷構成員 8 ページ 資料 7-2-1

Microsoft PowerPoint - 矢部SPIJAPAN2013_発表用.pptx

パラダイムシフトブック.indb

20 21 The Hachijuni Bank, LTD.

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

1-1 SPC の経営理念 方針 本事業を長期にわたり運営していくにあたってのSPCの経営理念 方針について記載してください なお 以下の事項については必ず記載してください ( 統括マネジメント業務全体でA4 判 60 枚以内で記載してください なお 各業務における 4 業務の実施費用 の項について

BIM/CIM 活用における 段階モデル確認書 作成マニュアル 試行版 ( 案 ) 平成 31 年 3 月 国土交通省 大臣官房技術調査課

国際共同研究加速基金 ( 国際共同研究強化 (B)) の公募に係る FAQ 1. 趣旨及び対象について 問 1 日本国内で実施する国際共同研究も対象となるのか? 3 問 2 日本側研究者が海外の研究機関等に直接出向くこととなっているが 研究代表者が必ず海外に行かなければならないのか? 3 問 3 海

スキル領域 職種 : ソフトウェアデベロップメント スキル領域と SWD 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D208E9197BF332D CF897A689BB94C78A E646F63>

Oracle Un お問合せ : Oracle Data Integrator 11g: データ統合設定と管理 期間 ( 標準日数 ):5 コースの概要 Oracle Data Integratorは すべてのデータ統合要件 ( 大量の高パフォーマンス バッチ ローブンの統合プロセスおよ

<4D F736F F D20352D318FBC8CCB8E738DC58F F5495AA90CD816A5F8F4390B38CE3816A2E646F63>

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

Transcription:

電子データ申請時代における Biostatistician のあるべき姿 第一三共株式会社 奥田恭行 1

Disclaimer 本発表内容は発表者の経験に基づいた個人的見解であり 所属する組織を代表した意見ではないことにご留意下さい 2

背景 拡大する生物統計担当者の業務とその弊害 近年では 社内で生物統計担当者が関与を求められる業務範囲は広がりつつあり その中でも CDISC 標準実装 電子データ申請対応に関する業務増が大きい CDISC 標準実装については 現状 業務体制 プロセスが確立していない 役割分担が適切ではない 人的リソースが不足している等の様々な問題 課題がある 生物統計担当者の負担の増大 開発戦略立案 エビデンスの創出 新たな方法論の習得のために割ける時間の減少 3

本発表の目的 申請時電子データ提出のための CDISC 標準実装の現状について 生物統計の実務担当者の観点からみた問題や課題を共有し 今後の業務分担や生物統計担当者の関わり方について議論する 4

現状の問題 課題 本発表の内容 CDISC 標準実装の理想と現実のギャップ分析 現状の問題 課題の抽出 今後目指すべき方向性 業務分担 業務プロセス ビジネスモデル ( 内製化 外部委託 ) 生物統計担当の関わり方 データの有効活用 5

現状の問題 課題 本発表の内容 CDISC 標準実装の理想と現実のギャップ分析 現状の問題 課題の抽出 今後目指すべき方向性 業務分担 業務プロセス ビジネスモデル ( 内製化 外部委託 ) 生物統計担当の関わり方 データの有効活用 6

ギャップ分析による問題 課題抽出 CDISC 標準実装の理想と現状のギャップ分析により問題 課題を検討 理想 は CDISC の mission statement を参照 生物統計担当者の視点から 以下の観点で現状を分析 統計解析業務の業務効率 統計解析の品質 統計解析のコスト 科学性 7

Benefits of implementing CDISC standards https://www.cdisc.org/about/what-we-do Fostered efficiency Streamlined processes Improved data quality Complete traceability Increased predictability Reduced costs Enhanced innovation Facilitated data sharing 業務効率品質コスト科学性 8

弊社の状況 現状分析にあたっての前提 データ提出義務化以前には CDISC 標準の実装なし データ提出義務化に向けて社内標準等を作成 SDTM は DM 担当 ADaM 以降は生物統計担当が担当という業務分担 SDTM ADaM の仕様 プログラム作成の実務業務は外部委託 ( 社内プログラマーは存在せず ) 1 人の生物統計担当が複数プロジェクト 複数プロトコルを担当 (1 プロトコルに 1 人の生物統計担当 ) 前提が異なれば 問題 課題も異なる可能性 9

統計解析の業務効率は向上したか? 必ずしも効率的にはなっていない ADaM TFLsのプロセスのみであれば効率的になった部分もあるが RAW SDTM ADaM TFLs のプロセス全体で考えると必ずしも効率的にはなっていない 従来よりも多くの人 ( 社内外のDM STAT PK 担当 ) が関わることで 業務プロセス自体が複雑になっている部分もある 効率化を達成するためには Streamlined process での CDISC 標準実装がまだ不十分 10

統計解析の品質は向上したか? 必ずしも品質は向上していない 従来よりも多くの人や部署 ( 社内外の DM 生物統計 PK 担当 ) が関わることで ミスコミュニケーションやヒューマンエラーが増えることも SDTM は DM 担当 ADaM 以降は生物統計担当という役割分担 連携不足が一因であることも - 生物統計担当から見ると SDTM がブラックボックス化しており そのことがエラーにつながることもある 品質の観点では Complete traceability の実装がまだ不十分 11

Streamlined processes? Complete traceability? 誰が どのように全体の process や traceability を oversight するか? Raw Datasets Study Data Tabulation Model Analysis Data Model Tables/ Figures/ Listings DM 担当 生物統計担当 12

統計解析のコストは削減されたか? コストは削減されていない ( むしろ増えている ) 工数 費用は2~3 倍程度かかっており 現状はコスト削減にはつながっていない ( 費用に関しては 特に CRO 委託費用が増えている ) コスト削減に繋げるためには より強固な社内標準の維持管理 作業プロセスの自動化等も必要 コストについては長期的な視点で考える必要もある (1つの試験の業務だけではなく 将来的なデータの利活用も含めて費用対効果を考える必要がある ) 13

科学性は向上したか? 今はまだ不明 今後に期待 そもそも個々の試験単位で科学性の向上を考えてもあまり意味がなく 複数の試験の統合や医学研究者との data sharing などデータの有効な利活用の促進が望まれる 14

現状の問題 課題 本発表の内容 CDISC 標準実装の理想と現実のギャップ分析 現状の問題 課題の抽出 今後目指すべき方向性 業務分担 業務プロセス ビジネスモデル ( 内製化 外部委託 ) 生物統計担当の関わり方 データの有効活用 15

今後目指すべき方向性 Streamlined processes や Complete traceability を実現するためには SDTM までは DM 担当者 ADaM 以降は生物統計担当者という役割分担は機能しないのでは? データ収集 ~ 解析までの一連のプロセスを横串を指して oversight する役割が必要ではないか 都度の手作業ではなく データマッピングやデータセット作成プロセスの自動化も必要 - 社内標準のより強固な維持管理 自動化のためのツール システム導入も必要 16

今後目指すべき方向性 ある程度の内製化は必要 意思決定を伴う内容もあるため 全ての業務を外部に丸投げすることは難しい 丸投げ方式 の外部委託の場合 社内にノウハウやナレッジが蓄積しにくい 外部委託する場合 社内標準の維持やプロジェクト内の整合性を担保するためには委託するCROの preferred 化が必要 - 委託先の CRO 内での部門間 (DM 生物統計 PK 等 ) の連携不足の問題も 17

今後目指すべき方向性 理想的な業務体制 DM 生物統計 PK 担当等の従来の業務分担ではなく CDISC 担当者 ( 統計プログラマー CDISC エキスパート等の組織 ) が主体となり各担当者と密接に連携して CDISC 標準の維持管理 実装を遂行 生物統計 生物統計 CDISC DM PK DM PK As Is To Be 18

End-to-End 階層的な標準管理 実装体制 標準化グループ (cross-functional) Company level Raw Datasets Study Data Tabulation Model Analysis Data Model Tables/ Figures/ Listings edata Submision データマネジメント 生物統計統計解析 Project Lead Prg. Project Stat RA Project level DM Study Programmer Study Stat PK Study level 19

今後目指すべき方向性 生物統計担当者の関わり方 CDISC 標準実装の中心的存在である必要はなく ADaM のエンドユーザーとして関わればよい - CDISC 標準の維持管理や実装は生物統計担当者とは別の CDISC 担当者が担うべき CDISC の知識が全く不要というわけではなく エンドユーザーとしての最低限の知識はもちろん必要 ADaM 作成のための統計的なインプットや Analysis Results Metadata( の基となる解析仕様 ) の作成には生物統計担当者の関与が必要 20

今後目指すべき方向性 将来的なデータの有効活用 1 品目の承認申請 審査のためにデータを用いるだけであれば CDISC 標準実装はあまり意味がない 新規ガイドラインの作成促進 医薬品開発の成功確率の向上等を通した医学への貢献のための品目横断的なデータの利活用が望まれる ( 生物統計担当が寄与できる場面も多いと思われる ) 申請時電子データ提出のためだけではなく 将来的なデータの利活用も見据えてCDISC 標準実装に取り組む必要がある - そのための対応 ( 同意取得 匿名化等 ) の検討も必要 21

まとめ CDISC 標準実装の理想を実現するためには プロセス分断的な体制ではなく 組織横断的な体制 業務分担によりEnd-to-Endで取り組む必要がある 近視眼的な対応だけではなく 将来の品目横断的なデータの利活用も見据えて取り組む必要がある 標準の維持 管理 実装を専門的に担う社内体制が必要 ( そのための人材の獲得 育成も必要 ) 生物統計担当者は CDISC 標準実装やデータ活用において 生物統計の強みが活かせる分野や生物統計の専門性が真に必要となる業務にフォーカスすべき 22

御清聴ありがとうございました 23