るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

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問 題

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

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国語科学習指導案様式(案)

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テレビ講座追加資料1105

埼玉県学力 学習状況調査 ( 中学校 ) 復習シート第 1 学年数学 組 番 号 名 前 ( 数と計算 を問う問題) 1 次の計算をしなさい レベル4~6 (H26 全国学力 学習状況調査 1 (1)) (1) (2) 答え 答え 2 次の計算をしなさい レベル 7 8 (1) (2)

数学科学習指導案 指導者ステップコース隠地純子 平野未紗 ジャンプコース中村徳寿 1 日時平成 27 年 1 月 20 日 ( 火 )5 校時 2 学年第 1 学年ステップコース 12 人 ジャンプコース 19 人 3 単元名空間図形 立体の表面積と体積 4 単元について (1) 単元観中学校学習指

 

平成 30 年度 前期選抜学力検査問題 数学 ( 2 時間目 45 分 ) 受検番号氏名 注 意 1 問題は, 表と裏にあります 2 答えは, すべて解答欄に記入しなさい 1 次の (1)~(7) の問いに答えなさい (1) -3 (-6+4) を計算しなさい 表合計 2 次の (1)~(6) の問

立体切断⑹-2回切り

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第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

中学校第 3 学年数学科学習指導案 日 時 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時 対 象 第 3 学年 学校名 立 中学校 1 単元名 式の計算第 1 章式の計算 2 単元の目標文字を用いた簡単な多項式について 式の展開や因数分解ができるようにするとともに 目的に応じて式を変形したりその意味を読

( ) 除法の意味や割合の意味を理解することに課題があります 例 )A3(1) 120 cmの赤いテープの長さが白いテープの長さの 0.6 倍に当たるとき 二つのテープの長さの関係を表している図を選ぶ 県 31.3%( 全国 34.0%) A8 犬を飼っている 8 人が学級全体の人数の 25% に当

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英語                                    英-1

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25math3

平成 31 年度 前期選抜学力検査問題 数学 ( 2 時間目 45 分 ) 受検番号氏名 注 意 1 問題は, 表と裏にあります 2 答えは, すべて解答欄に記入しなさい 1 次の (1)~(7) の問いに答えなさい (1) 3 (-2 2 ) を計算しなさい 表合計 2 次の (1)~(6) の問

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

< 中 3 分野例題付き公式集 > (1)2 の倍数の判定法は 1 の位が 0 又は偶数 ( 例題 )1~5 までの 5 つの数字を使って 3 ケタの数をつくるとき 2 の倍数は何通りできるか (2)5 の倍数の判定法は 1 の位が 0 又は 5 ( 例題 )1~9 までの 9 個の数字を使って 3

○数学科 2年 連立方程式

7 命題の仮定 三角形の合同条件 図形の性質を記号で表すこと 41

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( 表紙 )

算数科学習指導案 1 日時平成 24 年 10 月 25 日 ( 木 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 8 名 3 単元名比例と反比例 ( 啓林館 ) 4 単元について 本単元は 三原市立和木小学校 指導者荒木美花 本単元のねらいは, 伴って変わる 2 つの数量の中から比例関係や反比例関係にあるも

Ⅲ 研究内容 確かな学力を育成するためには 教師の指導 と 児童 生徒の学び のギャップを教師が認識 する必要がある この研究では,1,2 年の文字式の内容において, 全国調査, 置籍校事前調査の 結果から誤答傾向を把握し, 課題を考察した その中から 計算の対象を理解すること, 考察の 対象を明確

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啓林館 / 未来へひろがる数学 1 1 章 正の数 負の数 1 正の数 負の数 1 正負の数 2 正の数 負の数の計算 2 加法と減法 (1) 4 乗法と除法 (1) 2 章 文字の式 1 文字を使った式 8 文字使用のきまり 2 文字式の計算 10 文字式の計算 (1) 3 章 方程式 1 方程式

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H30全国HP

平成 24 年度岡山県学力 学習状況調査 数学解答類型分類表 解答類型分類にかかる留意事項 数学における学習到達度をみることが目的であるので, 誤字脱字などの文字表現の不備については, 広く許容する 基本的に意図が伝われば許容する 文章表現についても広く許容する てにをはの誤りや

数学○ 学習指導案

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数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

埼玉県学力 学習状況調査 ( 中学校 ) 復習シート第 3 学年数学 組 番 号 名 前 ( 数と式 を問う問題 ) 1 次の計算をしなさい レベル 6~8 1 (27x-36y+18) (-9) 答え 2 15x 2 y 5xy 2 3 答え 2 次の各問いに答えなさい レベル 9 10 (1)

2 度数分布 ( 正答数分布グラフ ) 3 の概要 学習指導要領の領域別平均正答率 評価の観点の平均正答率では 各領域とも全国平均を上回っている 特に 学習指導要領の領域別平均正答率の 読むこと で2.9ポイント 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 で4.1ポイント全国平均を上回っている 評価

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

Taro-@いわてスタンダード中数20

都道府県名

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

学力スタンダード(様式1)

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

算数科学習指導案 指導者伊達詩恵 1 日時平成 24 年 5 月 21 日 ( 月 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 1 組 22 名 3 場所 6 年 1 組教室 4 単元名文字と式 5 単元について 単元観 本単元は, 数量の関係を表す式についての理解を深め, 式に表したり, 式を読み取ったり

都道府県名

1 付けたい力 方法や理由等を言葉や数 式を用いて説明する力 第 5 学年算数科学習指導案 啓林館版 2 単元名 面積 3 単元目標 三角形や四角形の面積の求め方を考え 説明することができる 三角形や四角形の面積の公式を理解し 面積を求めることができる 三角形の高さと面積などの関係を調べ 比例してい

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

中2テスト06

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(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し, その四則計算 (1) 正の数と負の数について具体的な場面での活動を通して理解し, その ができるようにするとともに, 正の数と負の数を用いて表現し考察する 四則計算ができるようにする ことができるようにする ア 正の数と負の数の必要性と意味

中1数学 移行措置資料

算数科学習指導案 1 単元名三角形と四角形 授業者小澤勇司 2 単元について児童は第 1 学年で, 箱や積み木の面を写し取ったり, 数え棒を使って形を作ったりするなどの活動を通して, 図形の構成要素である辺や頂点 角についての素地的な経験をしている ここでは, 児童が日常使っている さんかく や し

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

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本時の展開

中学 1 年数学 ( 東京書籍 ) 単元別コンテンツ一覧 単元ドリル教材解説教材 確認問題ライブラリ (OP) プリント教材 教材数 :8 問題数 : 基本 40, 標準 40, 挑戦 40 正の数 負の数などの問題を収録 解説教材 :3 確認問題 :3 数直線 数の大小と絶対値などの解説 確認問題

国語 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では ほかの学習や実生活において活用できる知識 技能の習得が求められている 描写 要約 紹介 説明 記録 報告 対話 討論などの言語活動に必要な 基礎的な知識 技能を身につけていること 表現したり理解したりするための言語事項に関する 基礎

平成 28 年度山梨県学力把握調査 結果分析資料の見方 調査結果概況 正答数分布グラフ 分布の形状から児童生徒の解答状況が分かります 各学校の集計支援ツールでは, 形状だけでなく, 県のデータとの比較もできます 設問別正答率 無解答率グラフ 設問ごとの, 正答率や無解答率が分かります 正答率の低い設

今日は 具体的な事象を式で表すことについて考えてみましょう あっそうか 縦の長さ 2 つと 横の長さ 2 つを合わせると ひもの長さになるんだ 長さ16cmのひもを使って いろいろな形の長方形を作ります 長方形の縦の長さを変えると 横の長さがどのように変わるかを調べます 1cm 7cm 2cm 6c

(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

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1 次の (1) から (4) までの各問いに答えなさい (1) ' を計算しなさい (2)2#(-5 2 ) を計算しなさい 中数 A 1

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教科書では 同じ割合になっている比は等しい という導入になっているが 2 量の割合は いろいろな表し方ができる という導入に変えている すなわち 2:3 も 4:6 も 6:9 も同じ割合だから等しいという考え方を 2:3 を同じ割合で表すと 4:6 や 6:9 になるという考え方に変えて導入した

FdData中間期末数学2年

【FdData中間期末過去問題】中学数学3年(二次方程式応用/係数/数/面積・体積/動点)

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[] ,,, P.,,[3,4],[5,6], 3,,,[7] [7], 1,,,,,[8],, 1 acm bcm, AB = a + b,, AP : P B = b : a AP = x

2 図形の定義や性質を見いだすための算数的活動を取り入れる 2 枚の長方形, 長方形と三角形,2 枚の三角形を重ねて四角形を作る活動を取り入れ, 向かい合う辺の平行関係に着目させたり, 長さに着目させたりしながら, 四角形を定義できるようにする コンパスや分度器, ものさし等を使って, 四角形の構成

学習指導要領

例 )B3 二物語に描かれている季節を選択する 県 34.1%( 全国 34.2%) こんな問いでした この物語に描かれている季節を 次の 1 から 4 までの中からすべて選びなさい どんな力を見ようとする問題でしょう? 第 1 学年 C 読むこと ウ場面の展開や登場人物などの描写に注意して読み 内

中学 1 年生 e ライブラリ数学教材一覧 学校図書 ( 株 ) 中学 1 年 数学 文字式式の計算 項と係数 中学 1 年 数学 次式 中学 1 年 数学 項のまとめ方 中学 1 年 数学 次式の加法 中学 1 年 数学 77

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

指導上のポイント 場面を図に表して数量の関係を的確に捉える指導今回の調査結果において 問題文に出てきた数値を形式的に処理してしまう児童や 無解答だった児童が 全体の約 3 割いたことを踏まえると 以下の指導が必要となる 1 テープ図や線分図を活用して 加減の相互関係を視覚的に捉えることができるように

二等辺三角形の性質 (2) 次の図の の大きさを求めなさい () = P=Q P=R Q 68 R P (2) (3) 五角形 は正五角形 = F 50 F (4) = = (5) === = 80 2 二等辺三角形の頂角の外角を 底角を y で表すとき y を の式で表しなさい y 2-5-2

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

平成25年度全国学力・学習状況調査:調査問題の内容/中学校/数学A|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

第 ○ 学 年 ○ ○ 科 学 習 指 導 案

3 学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)(数学科)4.授業事例 事例10 2年 図形と合同「円周角の定理」

2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい


学習指導要領

はじめに 平成 21 年度全国学力 学習状況調査は, 小学校第 6 学年及び中学校第 3 学年の原則として全児童生徒を対象に,4 月 21 日に実施されました 調査の目的は,1 国が, 全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から, 各地域における児童生徒の学力 学習状況をきめ細かく把握

平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

【指導のポイント】

刊行に寄せて 青森県教育委員会では 小 中 高等学校 1 2 年間を見通した 縦の連携 を基軸とした学校教育を推進し 児童生徒の学力向上について取り組むべき方策を検討することを目的に 学力向上庁内戦略会議 を設置し 算数 数学 理科 英語の 3 教科について 児童生徒の学力向上に関する専門的な事項に

第5学年  算数科学習指導案

学習指導要領

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平成24年度全国学力・学習状況調査の結果について(概要)

Transcription:

事例 1 式と計算 中学校第 学年 A 数と式発展的に考え, 予想した事柄を説明するために 1 全国学力 学習状況調査の結果から (1) 関連する平成 0 年度実施の調査問題 ( 中学校数学 B 位を入れかえた数参照 ) () 解答類型の反応率 滋賀県版 ( 公立 ) からみる分析結果と課題 (1) の問題では, けたの自然数と, その数の十の位の数と一の位の数を入れかえた数の和 という問題場面について, 考察の対象を明確にとらえているかどうかをみるものである 正答率は,75.3% である 誤答については,110と解答している解答類型 3と,8+8まではできている解答類型 4 の反応率を合わせると, 反応率は13.9% である この中には, 本題においては考察の対象を明確にとらえていたが, 表現が十分でない生徒がいると考えられる () の問題では, 予想された事柄が成り立つ理由を, 示された方針にもとづいて説明することが求められる けたの自然数と, その数の十の位の数と一の位の数を入れかえた数の和が,11の倍数になる ことを, 文字式を用いて説明することができるかどうかをみるものである 正答率は,40.0% であり, 予想された事柄が成り立つ理由を, 示された方針にもとづいて説明することに課題がある 誤答については, 与えられた文字式を計算し,11x +11y としただけで, 文字式をもとにして根拠と結論に関する記述のない解答類型 7の反応率は,16.% である (3) の問題では, 発展的に考え, 予想した事柄を説明することが求められる けたの自然数と, その数の十の位の数と一の位の数を入れかえた数の差についての性質を予想でき - 1 -

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成り立ちそうな事柄を帰納的に見いだす活動や類推する活動などにおいて, 生徒が自由な発想で予想し, その予想を表現する機会を多く設定することが大切である その上で, 表現された予想について, 成り立つ例や反例を考えるなど具体的に確かめる活動を通して, 生徒が証明や説明の必要性をより実感できるようにすることが大切である また, 証明や説明を振り返ることによって, 新たな性質を予想するなど, 発展的に考える学習も大切である 事柄を ~は, になる ( である ) という形で表現できるようにする数や図形に関する性質を ~は, になる ( である ) の形で表現する機会を設定することが考えられる 授業では, 学習が進むと, 主語に当たる部分が省略されてしまうことがあるため, ~は になる ( である ) の形を意識して, 主語と述語を明確に表現できるようにすることが大切である 事柄が成り立つ理由を説明するための見通しをもつことができるようにする説明の見通しをもつことができるようにするために, 結論を導く上で何を明らかにすればよいかを, 具体的な例を通して考察する活動を取り入れることが必要である 例えば, 本問題の けたの自然数と, その数の十の位の数と一の位の数を入れかえた数の和 については, 次のような例を通して, 11の倍数であることを説明するためには, 式を11 ( 自然数 ) の形にすればよい という見通しをもつことができるようにする 事例 1 + 1 = 33 = 11 3 35 + 53 = 88 = 11 8 47 + 74 = 11 = 11 11 8 + 8 = 110 = 11 10 このように, 説明の見通しをもった上で, 文字式を用いた説明につなげていくことが大切である (1) 単元名中学校第 学年 式と計算 () 指導計画 (14 時間 ) 次 主 な 内 容 時 間 数 1 式と計算 単項式と多項式 8 時間 式の利用 数量の調べ方 5 時間 3 課題学習 長方形で作る立体の体積を考えよう 1 時間 ( 本時 ) (3) 指導の例ア本時のねらい 紙の折り方と体積の関係を帰納的にとらえ, 文字を用いることで一般的な説明が簡潔にできることに気付き, その説明をすることができる イ 指導過程 内は評価の観点を示す 学習活動と発問 指導上の留意点と評価 - -

1. 既習内容の想起 1 本時の課題に取り組むために, 柱体の体 見取図を示す 積の計算を復習する 柱体の体積 = 底面積 高さを確認する 正四角柱 円周率 πを3.14とする ( 底面の一辺が5cm, 高さ8cm ) 円柱( 半径 4cm, 高さ5cm ) 生活場面での導入を図る セレクト豆屋 では, マス1 杯 300 円 マスAとBの体積の大小を予想するため で小豆を売っています マスはA4サイズ 紙で正四角柱の側面の模型を作る の長方形の板から作った正四角柱の形をしたマスA ( 横辺折り) とマスB ( 縦辺折り ) 関 正四角柱の側面 A,Bを作り, 正四角 の 種類があり, 客が自分でマスを選ぶこ 柱の大小を調べている とができます どちらのマスの方が得でしょうか 実際にA4サイズの紙を折り, マスAと マスBをつくり, 比べてみる ( マスA, マスB, 同じの人数確認 ) 底辺と高さとが違うと比べにくく, 確信 が得られない 3 問題を, 次の 問題 1 に置きかえ, 単 問題を単純化して, 課題に取り組ませる 純にしよう. 問題 1 の把握 横 40cm, 縦 0cmの長方形で考えよう 問題 1 横 40 cm, 縦 0 cmの長方形の紙を, 図のように折り, 通りの正四角柱 A,B の側面をつくります 0 cm 40 cm正四角柱 A ( 横の辺を 4 等分に折る ) 正四角柱 B ( 縦の辺を 4 等分に折る ) 正四角柱 A 正四角柱 B - 3 -

正四角柱 A と正四角柱 B の体積について, どちらが大きいかを, 佐藤さん, 鈴木さん, 田中さんが, 話し合っています 底面が大きいから A が大きいかな 並べると高いので B が大きいようだ 同じ長方形でつくるので結局同じでは 佐藤さん鈴木さん田中さんあなたは, どう考えますか その理由もいいなさい 3. 問題 1 の解決 予想を聞き, その根拠を問う 計算して, 考えてみよう A=(10 10) 0= 000 cm B=( 5 5) 40= 1000 cm 3 3 4. 問題 の把握 一般化して, 横が縦より長い, 横 a cm, 縦 の長方形の紙で考えてみよう 文字を使い, 一般化することに目を向けさせる 問題 横が縦より長い, 横 a cm, 縦 の長方形の紙を折り, 正四角柱 Aと正四角柱 Bの側面をつくったとき, 正四角柱 Aと正四角柱 B の体積は, どちらが大きいですか また, その理由を文字を使って説明しなさい a cm正四角柱 A ( 横の辺を4 等分に折る ) 正四角柱 B( 縦の辺を 4 等分に折る ) 正四角柱 B 5. 問題 の解決と追求 表 文字を使い, 正四角柱の体積を計算す ることができる 1 文字を使って, 計算しよう A=( a a 1 机間指導により, 体積の公式を確認する ) = a 4 4 16 1 B=( ) a = a 4 4 16 どちらが大きいか, 比べてみよう 考 文字式を比較し, 体積の関係を見つけ (1)AがBの何倍かより ることができる - 4 -

1 1 A B= a a 16 16 a = >1 Aの方が大きい () 比より 1 1 A:B= a : a 16 16 = a: a > より Aの方が大きい 3 AとBの体積の関係を, 文章で表してみ ~は, である の形で表現する よう Aの体積は,Bの体積の a 倍である 表 主語と述語を明確にして表現できる AとBの体積の比は, a: である 文字を使うことにより,A と B の関係を明確にとらえることができる ( 発見できる ) という, 文字式活用の有用性にふれ 6. 学習のまとめる 1 今日の学習で分かった図形の性質は, 何ですか 横 a cm, 縦 cmの長方形で, 正四角柱 の側面をつくると, 体積比は, * 問題 3 は宿題とする また, 家庭学 横辺折り : 縦辺折り= a: 習の中で 発展 1 と 発展 にも, になる チャレンジするよう促す 結局, セレクト豆屋 では, あなたは Bマスに満たした小豆を,Aマスに入 どちらのマスを選びますか かえて, その体積の違いを確認する (B マスA( 実測より, 約 1.4 倍 ) マス,Aマスは導入で扱ったA4サイズ の紙を折ったもの ) B A B A 3 学習内容の関連 中 1 文字と式 中 連立方程式 中 3 多項式 一次関数 相似と比 - 5 -

問題 3 長方形の紙で円柱の側面をつくる場合も, 正四角柱をつくるときと同じことがいえるか調べてみましょう a cm円柱 A( 横の辺を丸める ) cm 円柱 B( 縦の辺を丸める ) 円柱 B 発展 1 同じ長方形の紙を側面にして, 正四角柱と円柱をつくります どちらの体積が大きくなると思いますか 問題 や 問題 3 で求めた結果を基に考えましょう a cm正四角柱 ( 横の辺を4 等分に折る ) cm a cm円柱 ( 横の辺を丸める ) cm 発展 長方形の紙の横の長さを 倍, 3 倍,, n 倍と変えていくとき, 次の問いに答えましょう 1 横の辺を4 等分に折って側面をつくる正四角柱 Aの体積は, どのように変わっていきますか 縦の辺を4 等分に折って側面をつくる正四角柱 Bの体積は, どのように変わっていきますか an cm正四角柱 A( 横の辺を4 等分に折る ) 正四角柱 B( 縦の辺を 4 等分に折る ) - 6 -

3 4 横の辺を丸めて側面をつくる円柱 Aの体積は, どのように変わっていきますか 縦の辺を丸めて側面をつくる円柱 Bの体積は, どのように変わっていきますか an cm円柱 A( 横の辺を丸める ) 円柱 B( 縦の辺を丸める ) - 7 -

縦折りと横折り, 体積は変わるの? 横 40 cm, 縦 0 cmの長方形の紙を, 図のように 4 等分に折り, 通りの正四角柱 A,B の 側面をつくります 40 cm正四角柱 A( 横の辺を 4 等分に折る ) 0 cm 正四角柱 A 正四角柱 B( 縦の辺を 4 等分に折る ) 正四角柱 B 正四角柱 A と正四角柱 B の体積について, どちらが大きいかを, 佐藤さん, 鈴木さん, 田中さんの三人が話し合っています 底面が大きいから A が大きいかな 並べると高いので B が大きいようだ 同じ長方形でつくるので結局同じでは 佐藤さん 鈴木さん 田中さん 次の問題に答えましょう (1) あなたは, どう考えますか その理由もいいましょう ( 自分の考え, 理由 ) - 1 -

() 横が縦より長い横 a cm, 縦 cmの長方形の紙を4 等分に折り, 正四角柱 Aと正四角柱 B の側面をつくったとき, 正四角柱 Aと正四角柱 Bの体積では, どちらが大きいですか また, その理由を文字を使って説明しましょう a cm正四角柱 A( 横の辺を4 等分に折る ) 正四角柱 B( 縦の辺を 4 等分に折る ) 正四角柱 B 大きい方, ( 理由 ) (3) 長方形の紙で円柱の側面をつくる場合も, 正四角柱をつくるときと同じことがいえるか 調べてみましょう a cm円柱 A( 横の辺を丸める ) 円柱 B( 縦の辺を丸める ) 円柱 B - -

大きい方, ( 理由 ) 発展 1 同じ長方形の紙を側面にして, 正四角柱と円柱をつくります どちらの体積が大きくなると 思いますか () や (3) で求めた結果を基に考えましょう a cm正四角柱 ( 横の辺を 4 等分に折る ) a cm円柱 ( 横の辺を丸める ) 大きい方, ( 理由 ) - 3 -

発展 長方形の紙の横の長さを 倍,3 倍,,n 倍と変えていくとき, 次の問いに答えましょう 1 横の辺を4 等分に折って側面をつくる正四角柱 Aの体積は, どのように変わっていきますか 縦の辺を4 等分に折って側面をつくる正四角柱 Bの体積は, どのように変わっていきますか an cm正四角柱 A( 横の辺を4 等分に折る ) 正四角柱 B( 縦の辺を 4 等分に折る ) 3 4 横の辺を丸めて側面をつくる円柱 A の体積は, どのように変わっていきますか 縦の辺を丸めて側面をつくる円柱 B の体積は, どのように変わっていきますか an cm円柱 A( 横の辺を丸める ) 円柱 B( 縦の辺を丸める ) - 4 -

解答 (1) ( 自分の考え ) A の体積の方が大きい, 佐藤さんと同じだが, 理由は計算による等 3 ( 理由 ) Aの体積 =( 10 10) 0 = 000 cm 3 Bの体積 =( 5 5) 40 = 1000 cm 解答 () 大きい方 A ( 理由 ) a a 1 Aの体積 =( ) = a 4 4 16 3 1 Bの体積 =( ) a = a 4 4 16 3 1 1 (1)A B= a a 16 16 a = >1 Aの方が大きい 1 1 ( 別解 )Aの体積:Bの体積 = a : a = a : 16 16 a >より A の体積の方が大きい 解答 (3) 大きい方 A 円柱 Aの底面の半径 xは,πx= a より x= a π a a a Aの体積 =( π ) = cm π π 4 π 3 a 同様にして B = cm 4 π 3-1-

a a a Aの体積 Bの体積 = = >1 4 π 4π A の体積の方が大きい a a ( 別解 )Aの体積:Bの体積 = : = a: 4 π 4π a > より Aの体積の方が大きい 解答 発展 1 長方形の横がacm, 縦が のとき, 問題 より正四角柱の体積 = 1 16 a 問題 3 より 円柱の体積 = 1 4π a π 3.14 より 1 1 < 16 4π 3 3 よって, 円柱の体積の方が正四角柱の体積より大きい 4π ( 別解 ) 正四角柱 円柱 = < 1 より, 円柱の体積の方が正四角柱の体積 16 の体積より大きい 解答 発展 1 倍,3 倍,, n 倍と変わっていく ( 乗に比例して, 変わっていく ) 理由 正四角柱 A の体積は an an a ( ) = n cm 4 4 16 3 n =のとき, n =3のとき, 3 n =4のとき, 4 --

倍,3 倍,, 倍と変わっていく ( 比例して変わっていく ) 理由 : 横の長さが 倍,3 倍,, n 倍と変わるのに合わせて, 最初の正四角柱が 個,3 個,, n 個と増えていくから, その体積は 倍,3 倍,, n 倍と変わる 3 倍, 3 倍,, n 倍と変わっていく( 乗に比例して, 変わっていく) 理由 円柱 A の体積は an an ( π ) = n cm π π 4 π a 3 n =のとき, n =3のとき, 3 n =4のとき, 4 4 倍,3 倍,, n 倍と変わっていく ( 比例して変わっていく ) 理由 : 横の長さが 倍,3 倍,, n 倍と変わるのに合わせて, 最初の円柱が 個,3 個,, n 個と増えていくから, その体積は 倍,3 倍,, n 倍と変わる -3-