1解剖学各論2013アナ

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1 筋系各論 *** 運動に関しては各自まとめること *** 頭部の筋 1. 表情筋 ( 顔面筋 ) muscles of expression, facial muscles : 支配神経は顔面神経顔面皮下に広がる横紋筋で 骨から起こり皮膚に停止する皮筋 顔の何処にあるか? 1. 後頭前頭筋 occipitofrontalis m 2. 眼輪筋 orbicularis oculi m 3. 口輪筋 orbicularis oris m 4. 頬筋 buccinator m 2. 咀嚼筋 masticatory muscles : 支配神経は三叉神経第 3 枝 ( 下顎神経 ) 頭蓋骨から起こり下顎骨に停止し 下顎を挙げて口を閉じ歯をかみしめる 下顎を横や後に滑らす など下顎の運動 ( 咀嚼 ) に作用する 1 咬筋 masseter m : 頬骨弓 下顎角の外面 2 側頭筋 temporalis m : 側頭骨 下顎骨の筋突起 3 外側翼突筋 lateral pterygoid m : 蝶形骨 翼状突起外側板 下顎骨の翼突筋窩 4 内側翼突筋 medial pterygoid m : 蝶形骨 翼状突起外側板 下顎角の翼突筋粗面 頭頚部内臓の筋喉頭の筋輪状甲状筋 : 上喉頭神経支配後輪状披裂筋 外側輪状披裂筋 ( 横 ) 披裂筋 甲状披裂筋 披裂喉頭蓋筋 甲状喉頭蓋筋 : 下喉頭神経支配 舌筋 : 全て舌下神経支配 オトガイ舌筋 舌骨舌筋 茎突舌筋 上縦舌筋 下縦舌筋 横舌筋 垂直舌筋 口峡の筋 口蓋帆挙筋 口蓋垂筋 口蓋舌筋 口蓋咽頭筋 : 咽頭神経叢 ( 舌咽神経 迷走神経 ) 口蓋帆張筋 : 下顎神経支配 咽頭の筋 : 咽頭神経叢 ( 迷走神経 舌咽神経 ) 支配 耳管咽頭筋 茎突咽頭筋 口蓋咽頭筋 上咽頭収縮筋 中咽頭収縮筋 下咽頭収縮筋 眼球の筋上直筋 下直筋 内側直筋 下斜筋 上眼瞼挙筋 : 動眼神経支配 外側直筋 : 外転神経支配 上斜筋 : 滑車神経支配 耳の筋 鼓膜張筋 : 三叉神経 ( 上顎神経 ) の鼓膜張筋神経 アブミ骨筋 : 顔面神経 ( アブミ骨筋神経 ) 筋系各論 - 1 -

2 頚部の筋 1. 広頚筋 platysma : 神経支配は顔面神経頚枝 下顎骨の下縁 第 2,3 肋間の高さの皮膚 2. 胸鎖乳突筋 sternocleidomastoid m : 神経支配は副神経と頚神経叢 胸骨柄 鎖骨 側頭骨の乳様突起 3. 舌骨上筋 suprahyoid muscles : 下顎の下制や舌骨の挙上 1 顎二腹筋 digastric m : 中間腱 ( 舌骨 ) を挟んで後腹と前腹を持つ二腹筋 前腹は下顎体 後腹は乳様突起に着く 神経支配 : 顔面神経 ( 顎二腹筋枝 ) と下顎神経 ( 顎舌骨筋神経 ) 2 茎突舌骨筋 stylohyoid m : 茎状突起 舌骨神経支配 : 顔面神経 ( 茎突舌骨筋枝 ) 3 顎舌骨筋 mylohyoid m : 下顎骨の顎舌骨筋線 舌骨と正中の縫線神経支配 : 下顎神経 ( 顎舌骨筋神経 ) 4オトガイ舌骨筋 geniohyoid m : 下顎骨オトガイ棘 舌骨神経支配 : 舌下神経 ( オトガイ舌骨筋枝 ) 4. 舌骨下筋 infrahyoid muscles : 舌骨の引き下げ : 神経支配は頚神経ワナ 1 胸骨舌骨筋 sternohyoid m : 胸骨柄 舌骨 2 肩甲舌骨筋 omohyoid m : 下腹は肩甲骨より起こり 中間腱を経て上腹が舌骨に停止 3 胸骨甲状筋 sternothyroid m : 胸骨柄 甲状軟骨 4 甲状舌骨筋 thyrohyoid m : 甲状軟骨 舌骨 5. 椎前筋 anterior vertebral muscles : 首の前屈頚椎 胸椎の前方にある筋群 椎骨から起こり頚椎 後頭骨に停止 1 頚長筋 longus colli m 2 頭長筋 longus capitis m 3 前頭直筋 rectus capitis anterior m 4 外側頭直筋 rectus capitis lateralis m 神経支配 : 頚神経前枝 6. 斜角筋 scaleni muscles 頚椎の横突起より起こり 外下方に向かい第 1 第 2 肋骨に停止する筋群 神経支配 : 頚神経前枝 1 前斜角筋 scalenus anterior m : 第 3~6 頚椎の横突起 第 1 肋骨の前斜角筋結節 2 中斜角筋 scalenus medius m : 第 2~7 頚椎の横突起 第 1 肋骨の鎖骨下動脈溝の後方 3 後斜角筋 scalenus posterior m : 第 4~6 頚椎の横突起 第 2 肋骨 * 斜角筋隙 筋系各論 - 2 -

3 胸部の筋 muscles of thorax 1. 浅胸筋 superficial muscles of thorax : 胸部に位置する上肢筋胸郭より起こり上肢帯と上腕骨に停止する 腕神経叢の神経支配 1 大胸筋 pectoralis major m : 鎖骨 ( 鎖骨部 ) 胸骨と肋骨 肋軟骨( 胸肋部 ) 腹直筋鞘前葉( 腹部 ) 上腕骨の大結節稜神経支配 : 内側 外側胸筋神経 2 小胸筋 pectoralis minor m : 第 3~5 肋骨 肩甲骨の烏口突起神経支配 : 内側 外側胸筋神経 3 前鋸筋 serratus anterior m : 第 1~8 肋骨 肩甲骨の内側縁神経支配 : 長胸神経 4 鎖骨下筋 subclavius m : 第 1 肋骨 鎖骨神経支配 : 鎖骨下筋神経 2. 深胸筋 deep muscles of thorax : 固有胸筋 : 神経支配は肋間神経 1 外肋間筋 external intercostal m : 肋間隙に存在 前部では外上方より内下方に至る 2 内肋間筋 internal intercostal m : 肋間隙に存在 前部では内上方より外下方に至る 3 最内肋間筋 innermost intercostal m : 肋間隙に存在 内肋間筋と同じ走行 4 肋下筋 subcostales m : 最内肋間筋の後部の筋束が1つおいて下位の肋骨に停止 5 胸横筋 transversus thoracis m : 前胸壁の内面にある筋 6 肋骨挙筋 levatores costarum m : 胸椎横突起 肋骨 神経支配は脊髄神経後枝 3. 横隔膜 diaphragma : 神経支配は横隔神経腹腔と胸腔の境界にある半球ドーム状をした横紋筋の膜起始は腰椎 肋骨 胸骨 停止は腱中心 central tendon 大静脈孔 大動脈裂孔 食道裂孔 1 腰椎部 lumbar part 1) 内側脚 medial crus : 右脚 ( 第 1~4 腰椎椎体 ) と左脚 ( 第 1~3 腰椎椎体 ) 2) 外側脚 lateral crus : 内側弓状靭帯 medial arcuate ligament と外側弓状靭帯 lateral arcuate ligament 2 肋骨部 costal part : 肋骨弓より 3 胸骨部 sternal part : 胸骨剣状突起より 4 腱中心 : 三つ葉型をした腱膜 筋系各論 - 3 -

4 腹部の筋 muscles of abdomen 1. 前腹筋 : 前腹壁の正中線両側にある : 神経支配は肋間神経と腸骨下腹神経 1 腹直筋 rectus abdominis m : 恥骨 第 5-7 肋軟骨と剣状突起 3~4 個の腱画を含む 2 錐体筋 pyramidalis m : 恥骨 白線の下部 2. 側腹筋 : 腹壁の大部分を占める 1 外腹斜筋 external oblique m : 第 5-12 肋骨の外面 腸骨稜 また腱膜として鼡径靱帯 腹直筋鞘の前葉 白線に停止神経支配 : 肋間神経 腸骨下腹神経 2 内腹斜筋 internal oblique m : 腸骨稜 胸腰筋膜 鼡径靱帯 第 肋骨 腱膜として腹直筋鞘の前葉と後葉に入り白線に停止神経支配 : 肋間神経 腸骨下腹神経 腸骨鼡径神経 3 精巣挙筋 cremaster m : 内腹斜筋の最下部の筋束が分かれ 鼡径管を通り 精索を包む神経支配 : 陰部大腿神経 4 腹横筋 transversus abdominis m : 第 7-12 肋軟骨 腰筋膜 腸骨稜 鼡径靱帯 腱膜として弓状線より上方では腹直筋鞘の後葉 弓状線より下方では腹直筋鞘の前葉に入り 白線に終わる 神経支配 : 肋間神経 腸骨下腹神経 腸骨鼡径神経 * 鼡径靱帯 浅 深鼡径輪 鼡径管 3. 後腹筋 : 腰椎の両側にある 腰方形筋 quadratus lumborum m : 腸骨稜 第 12 肋骨 神経支配 : 腰神経叢 筋系各論 - 4 -

5 背部の筋 dorsal muscles 1. 浅背筋 superficial dorsal muscles : 上肢の運動に関与 (1) 第 1 層 : 僧帽筋と広背筋 1 僧帽筋 trapezius m : 後頭骨 頚椎 ~ 胸椎の棘突起 肩甲骨の肩甲棘 肩峰 鎖骨支配神経 : 副神経と頚神経叢 2 広背筋 latissimus dorsi m : 第 6~12 胸椎 腰椎の棘突起 仙骨 腸骨稜 肋骨 肩甲骨 上腕骨の小結節稜支配神経 : 胸背神経 (2) 第 2 層 : 菱形筋と肩甲挙筋 : 神経支配は肩甲背神経 1 菱形筋 rhomboid m : 大菱形筋と小菱形筋 第 6-7 頚椎の棘突起 ( 小菱形筋 ) 第 1-4 胸椎の棘突起 ( 大菱形筋 ) 肩甲骨の内側縁 2 肩甲挙筋 levator scapulae m : 第 1-4 頚椎横突起 肩甲骨の上角 2. 深背筋 : 上肢とは関係がない (1) 第 1 層 : 上 下後鋸挙筋 : 肋骨を補助的に動かす : 支配神経は肋間神経 1 上後鋸筋 serratus posterior superior m : 第 5 頚椎 ~ 第 1 胸椎の棘突起 第 2-5 肋骨 2 下後鋸筋 serratus posteiror inferior m : 第 11 胸椎 ~ 第 2 腰椎の棘突起 第 9-11 肋骨 (2) 第 2 層 : 固有背筋 : 背筋 本来の背側にある筋 : 主に支配神経は脊髄神経後枝 1 板状筋 splenius m : 頭蓋骨に停止する頭板状筋と頚椎横突起に停止する頚板状筋 2 脊柱起立筋 erector muscle of spine, erector spinae : 起始停止をまとめること 1. 腸肋筋 iliocostalis m 2. 最長筋 longissimus m 3. 棘筋 spinalis m 3 横突棘筋 transversospinalis m : 横突起 棘突起起始停止をまとめること 1. 頭半棘筋 semispinalis capitis m 2. 頚半棘筋 semispinalis cervicis m 3. 胸半棘筋 semispinalis thoracis m 4. 多裂筋 multifidus m 5. 回旋筋 rotator m 4 棘間筋 interspinale m : 二つの ( 主に隣り合う ) 棘突起の間にある筋 5 横突間筋 intertransversarii m : 横突起の間に張る筋 6 後頭下筋 suboccipital m : 後頭部の最深層にある筋 第 1-2 頚椎 後頭骨 第 1 頚椎 支配神経 : 後頭下神経 1. 大後頭直筋 rectus capitis posterior major m 2. 小後頭直筋 rectus capitis posterior minor m 3. 上頭斜筋 obliquus capitis superior m 4. 下頭斜筋 obliquus capitis inferior m 筋系各論 - 5 -

6 上肢の筋 muscles of upper limb 1. 上肢帯の筋 muscles of shoulder girdle 鎖骨 肩甲骨より起こり上腕骨に着く 神経支配 : 腕神経叢の枝 1 三角筋 deltoid m : 肩甲骨の肩甲棘と肩峰 鎖骨外側 上腕骨の三角筋粗面神経支配 : 腋窩神経 2 棘上筋 supraspinatus m : 肩甲骨の棘上窩 上腕骨の大結節神経支配 : 肩甲上神経 3 棘下筋 infraspinatus m : 肩甲骨の棘下窩 上腕骨の大結節神経支配 : 肩甲上神経 4 小円筋 teres minor m : 肩甲骨の外側縁 上腕骨の大結節神経支配 : 腋窩神経 5 大円筋 teres major m : 肩甲骨の下角 上腕骨の小結節稜神経支配 : 肩甲下神経 6 肩甲下筋 subscapularis m : 肩甲骨肋骨面 上腕骨の小結節神経支配 : 肩甲下神経 2. 上腕の筋 muscles of upper arm 内側 外側上腕筋間中隔により屈筋群と伸筋群に分かれる (1) 上腕の屈筋群 : 主に上腕前面にある 神経支配 : 筋皮神経 1 上腕二頭筋 biceps brachii m : 長頭は肩甲骨の関節上結節 短頭は烏口突起 橈骨の橈骨粗面 2 烏口腕筋 coracobrachialis m : 烏口突起 上腕骨の内側前面 3 上腕筋 brachialis m : 上腕骨前面の下半 尺骨の尺骨粗面 (2) 上腕の伸筋群 : 主に後面にある 神経支配 : 橈骨神経 1 上腕三頭筋 triceps brachii m : 上腕骨後面 ( 内側頭 ) 上腕骨の橈骨神経溝の上方( 外側頭 ) 肩甲骨の関節下結節( 長頭 ) 尺骨の肘頭 2 肘筋 anconeus m : 上腕骨の外側上顆 尺骨後面 3. 前腕の筋 muscles of forearm A. 前腕の屈筋群 : 神経支配は主に正中神経 (1) 浅層群 1 円回内筋 pronator teres m : 上腕骨内側上顆 ( 上腕頭 ) 尺骨鈎状突起( 尺骨頭 ) 橈骨中央 2 橈側手根屈筋 flexor carpi radialis m : 上腕骨の内側上顆 第 2(3) 中手骨底 3 長掌筋 palmaris longus m : 上腕骨の内側上顆 腱膜状に広がり手掌腱膜に移行 4 尺側手根屈筋 flexor carpi ulnaris m : 上腕骨の内側上顆 ( 上腕頭 ) 尺骨上方の後縁( 尺骨頭 ) 停止腱は豆状骨に付着後 有鈎骨と第 5 中手骨底 * 神経支配 : 尺骨神経 5 浅指屈筋 flexor digitorum superficialis m : 上腕骨の内側上顆と尺骨の尺骨粗面 ( 上腕尺骨頭 ) 橈骨の上部( 橈骨頭 ) 4 筋腹 4 腱になり 第 2-5 指の基節骨底で2 分し 裂孔 ( 間に深指屈筋の腱が入る ) を作り 再び合流し中節骨底に停止 (2) 深層群 : 神経支配は正中神経 1 深指屈筋 flexor digitorum profundus m : 尺骨と前腕骨間膜 4 筋腹 4 腱 浅指屈筋腱の裂孔を通過して 第 2-5 指の末節骨底に停止 * 神経支配 : 橈側の2 筋腹は正中神経 尺側の2 筋腹は尺骨神経筋系各論 - 6 -

7 2 長母指屈筋 flexor pollicis longus m : 橈骨と前腕骨間膜 母指末節骨 3 方形回内筋 pronator quadratus m : 尺骨下部 橈骨下部 B. 前腕の伸筋群 : 神経支配はすべて橈骨神経 (1) 橈側群 : すべて上腕骨より起こる : 橈骨神経支配 1 腕橈骨筋 brachioradialis m : 上腕骨の外側縁 橈骨下端 2 長橈側手根伸筋 extensor carpi radialis longus m : 上腕骨の外側縁と外側上顆 第 2 中手骨底 3 短橈側手根伸筋 extensor carpi radialis brevis m : 上腕骨の外側上顆 第 3 中手骨底 (2) 浅層群 : 主として上腕骨の外側上顆より起こる : 橈骨神経支配 1( 総 ) 指伸筋 extensor digitorum m : 外側上顆 4 筋腹 4 腱に移行 第 2-5 指の背側で指背腱膜となり 3 分して中央は中節骨底に 両側は末節骨底 2 小指伸筋 extensor digiti minimi m : 指伸筋から分かれた筋で 指伸筋の第 4 腱とともに指背腱膜を形成 3 尺側手根伸筋 extensor carpi ulnaris m : 上腕骨の外側上顆と尺骨 第 5 中手骨底 (3) 深層群 : 橈骨神経支配 1 回外筋 supinator m : 上腕骨の外側上顆と尺骨の回外筋稜 橈骨の上部 2 長母指外転筋 abductor pollicis longus m : 尺骨と橈骨の後面および前腕骨間膜 第 1 中手骨底 3 短母指伸筋 extensor pollicis brevis m : 橈骨の後面と前腕骨間膜 母指基節骨底 4 長母指伸筋 extensor pollicis longus m : 尺骨体と前腕骨間膜 指背腱膜を作り 母指末節骨底 5 示指伸筋 extensor indicis m : 尺骨下部と前腕骨間膜 総指伸筋の第 2 指腱の指背腱膜 4. 手の筋 muscles of hand : 働きは全て屈筋 : 神経支配は多くが尺骨神経 (1) 母指球筋 thenar muscles 1 短母指外転筋 abductor pollicis brevis m : 母指基節骨底に着く : * 神経支配 : 正中神経 2 短母指屈筋 flexor pollicis brevis m : 2 頭 ( 浅頭と深頭 ) を持ち 母指基節骨底に着く * 神経支配 : 浅頭は正中神経 深頭は尺骨神経 3 母指対立筋 opponens pollicis m : 第 1 中手骨に着く 正中神経 4 母指内転筋 adductor pollicis m : 横頭と斜頭があり 母指基節骨底に着く (2) 小指球筋 hypothenar muscles : 全て尺骨神経の支配 1 短掌筋 palmaris brevis m : 手掌腱膜より起こり小指球の皮膚に終わる皮筋 2 小指外転筋 abductor digiti minimi m : 小指基節骨底に着く 3 短小指屈筋 flexor digiti minimi brevis m : 小指基節骨底に着く 4 小指対立筋 opponens digiti minimi m: 作用 : 第 5 中手骨に着く (3) 中手筋 1 虫様筋 lumbrical ms : 深指屈筋の4 腱から起こる4 個の筋第 1と第 2 虫様筋は第 2 指と第 3 指の深指屈筋腱 第 3と第 4 虫様筋は第 3 4 指 第 4 5 指の腱 (2 頭 ) 基節骨の橈側から指背腱膜に繋がる * 神経支配 : 第 1 2 虫様筋は正中神経 第 3 4 虫様筋は尺骨神経 2 掌側骨間筋 palmer interossei ms : 3 個あり 第 2 中手骨の尺側 第 4 5 中手骨の橈側 第 2 指では基節骨の尺側から 第 4,5 指では基節骨の橈側から指背腱膜に繋がる 3 背側骨間筋 dorsal interossei ms : 4 個あり 2 頭を持ち第 1-5 中手骨 第 2 指橈側 第 3 指橈側 第 3 指尺側 第 4 指尺側で基節骨底につき さらに指背腱膜に繋がる 筋系各論 - 7 -

8 下肢の筋 muscles of lower limb 1. 下肢帯の筋 muscles of pelvic girdle (1) 内寛骨筋 : 骨盤の中にある筋 : 腸腰筋 iliopsoas m : 神経支配 : 腰神経叢と大腿神経 1 腸骨筋 iliacus m : 腸骨窩 大腿骨小転子 2 大腰筋 psoas major m : 第 12 胸椎 - 第 4 腰椎 ( 浅頭 ) 全腰椎の肋骨突起( 深頭 ) 大腿骨小転子 3 小腰筋 psoas minor m : 大腰筋の前にある薄い筋 しばしば欠如 (2) 外寛骨筋 : 骨盤の外にある筋 : 殿筋群 1 大殿筋 gluteus maximus m : 腸骨翼 仙骨と尾骨の外側縁 大腿骨の殿筋粗面 腸脛靱帯神経支配 : 下殿神経 2 中殿筋 gluteus medius m : 腸骨翼 大腿骨大転子神経支配 : 上殿神経 3 小殿筋 gluteus minimus m : 腸骨翼 大腿骨大転子神経支配 : 上殿神経 4 大腿筋膜張筋 tensor fasciae latae m : 上前腸骨棘 大腿筋膜の内面 腸脛靱帯を経て脛骨外側顆神経支配 : 上殿神経 (3) 回旋筋群 : 大腿を外旋する 神経支配は仙骨神経叢の枝 1 梨状筋 piriformis m : 仙骨の前面 大坐骨孔を通過 大転子 2 内閉鎖筋 obturatorius internus m : 骨盤内面の閉鎖膜 小坐骨切痕を通過 大腿骨の転子窩 3 上双子筋 gemellus superior m : 坐骨棘 大腿骨の転子窩 4 下双子筋 gemellus inferior m : 坐骨結節 大腿骨の転子窩 5 大腿方形筋 quadratus femoris m : 坐骨結節 大転子 転子間稜 2. 大腿の筋 (1) 屈筋群 : 大腿の後面にある筋群 下腿の屈曲 神経支配は脛骨神経 1 大腿二頭筋 biceps femoris m : 大腿骨粗線の外側唇 ( 短頭 ) 坐骨結節( 長頭 ) 腓骨頭 2 半腱様筋 semitendinosus m : 坐骨結節 脛骨粗面 3 半膜様筋 semimembranosus m : 坐骨結節 脛骨内側顆 (2) 伸筋群 : 大腿の前面にある筋群 下腿を伸展 神経支配は大腿神経 1 縫工筋 sartorius m : 上前腸骨棘 脛骨粗面 2 大腿四頭筋 quadriceps femoris m : 大腿直筋 外側広筋 中間広筋 内側広筋大腿直筋は下前腸骨棘 外側広筋は大腿骨粗線の外側唇 中間広筋は大腿骨の前面と側面 内側広筋は大腿骨粗線の内側唇より起こる 4 筋は一つの腱として 膝蓋骨に付き さらに膝蓋靱帯となり脛骨粗面に停止する * 大腿輪 大腿管 筋裂孔 血管裂孔 腸恥筋膜弓 * 大腿三角 スカルパ三角 筋系各論 - 8 -

9 (3) 内転筋群 : 大腿の内側面にある筋群 大腿を内転 神経支配は主に閉鎖神経 1 恥骨筋 pectineus m : 恥骨櫛 大腿骨の恥骨筋線 * 神経支配 : 大腿神経 2 薄筋 gracilis m : 恥骨結合 脛骨の内側面 3 長内転筋 adductor longus m : 恥骨結節 大腿骨粗線の内側唇 4 短内転筋 adductor brevis m : 恥骨下枝 大腿骨粗線の内側唇 5 大内転筋 adductor magnus m : 恥骨下枝 坐骨枝 坐骨結節 大腿骨粗線の内側唇 内側上顆 6 外閉鎖筋 obturatorius externus m : 閉鎖膜の外面 大腿骨の転子窩 ( 外旋 ) 3. 下腿の筋 (1) 伸筋群 : 足に至り 足と指の背屈 ( 伸展 ) を行う 神経支配 : 深腓骨神経 1 前脛骨筋 tibialis anterior m : 脛骨と下腿骨間膜 足底で内側楔状骨と第 1 中足骨 2 長母指伸筋 extensor hallucis longus m : 下腿骨間膜と腓骨間縁 母指の指背腱膜を経て母指末節骨 3 長指伸筋 extensor digitorum longus m : 腓骨 前下腿筋間中隔 4 腱として 第 2-5 指の指背腱膜に移行し 中節骨と末節骨 4 第 3 腓骨筋 peroneus tertius m : 長指伸筋の一部が分かれた筋で 第 5 中足骨底の背側に停止 (2) 腓骨筋群 : 腓骨外側にあり 足の外側縁に至り 外反と底屈を行う 神経支配 : 浅腓骨神経 1 長腓骨筋 peroneus (fibularis) longus m : 腓骨頭 足底で第 1 2 中足骨底と内側楔状骨 2 短腓骨筋 peroneus (fibularis) brevis m : 腓骨と前下腿筋間中隔 第 5 中足骨粗面 (3) 屈筋群 : 足の底屈と指の底屈を行う 神経支配は全て脛骨神経 (3-1) 浅層の筋 1 下腿三頭筋 triceps surae m : 2 頭の腓腹筋とヒラメ筋 1. 腓腹筋 gastrocnemius m : 大腿骨の内側上顆 ( 内側頭 ) 大腿骨の外側上顆( 外側頭 ) 2. ヒラメ筋 soleus m : 腓骨頭 脛骨のヒラメ筋線 両者の腱が癒合して踵骨腱 ( アキレス腱 Achilles tendon) となり 踵骨隆起に停止 2 足底筋 plantaris m : 大腿骨の外側上顆 ヒラメ筋と腓腹筋の間を下行して 踵骨腱に加わる 3 膝窩筋 popliteus m : 大腿骨の外側上顆 脛骨の上部 (3-2) 深層の筋 1 後脛骨筋 tibialis posterior m : 下腿骨間膜 脛骨 腓骨の後面上方 足の内側縁から足底の舟状骨 内側 中間 外側楔状骨 立方骨 第 2-4 中足骨に至る 2 長指屈筋 flexor digitorum longus m : 脛骨の後面 短指屈筋の腱裂孔を通過し 第 2-5 指の末節骨 3 長母指屈筋 flexor hallucis longus m : 腓骨の後面 母指の末節骨 筋系各論 - 9 -

10 4. 足の筋 (1) 足背の筋 : 神経支配は深腓骨神経 1 短母指伸筋 extensor hallucis brevis m : 母指基節骨底に着く 2 短指伸筋 extensor digitorum brevis m : 3 腱に分かれて 第 2-4 指の長指伸筋の腱の外側から合して 指背腱膜に加わり 中節骨と末節骨に停止する (2) 母指球筋 1 母指外転筋 abductor hallucis m : 母指基節骨に着く 神経支配 : 内側足底神経 2 短母指屈筋 flexor hallucis brevis m : 母指基節骨に着く 神経支配 : 内側足底神経 3 母指内転筋 adductor hallucis m : 斜頭と横頭からなり 母指基節骨に着く 神経支配 : 外側足底神経 (3) 小指球筋 : 神経支配は外側足底神経 1 小指外転筋 abductor digiti minimi m : 小指基節骨底に着く 2 短小指屈筋 flexor digiti minimi brevis m : 小指基節骨底に着く (4) 中足筋 1 短指屈筋 flexor digitorum brevis m : 踵骨隆起 第 2-5 指の中節骨神経支配 : 内側足底神経 2 足底方形筋 quadratus plantae m : 踵骨隆起 長指屈筋の腱の背面神経支配 : 外側足底神経 3 虫様筋 lumbrical m : 4 個ある 長指屈筋腱から起こり 第 1 虫様筋は第 2 指腱の母指側 第 2-4 虫様筋は第 2-5 指腱の相対する面より起こり 第 2-5 指の基節骨の母指側をまわり 第 2-5 指の指背腱膜や基節骨に停止する 神経支配 : 第 1 虫様筋は内側足底神経 その他は外側足底神経 4 底側骨間筋 plantar interossei ms : 3 個あり 第 3-5 中足骨の内側面 第 3-5 指の内側から基節骨底神経支配 : 外側足底神経 5 背側骨間筋 dorsal interossei ms : 4 個ある 第 1-5 中足骨の相対する面から2 頭で起こり 第 1 背側骨間筋は第 2 指の内側 第 2-4 背側骨間筋は第 2-4 指の外側で基節骨底に停止 神経支配 : 外側足底神経 筋系各論

11 骨盤底の筋 muscles of pelvic floor 1. 骨盤隔膜仙骨神経叢支配 1 肛門挙筋 levator ani 恥骨尾骨筋 : 恥骨内面 尾骨腸骨尾骨筋 : 腸骨内面 尾骨 2 尾骨筋 coccygeus : 坐骨棘 尾骨仙棘靭帯の裏 2. 会陰陰部神経支配 1 浅会陰横筋恥骨下枝 会陰腱中心 2 深会陰横筋坐骨枝 会陰腱中心 3 尿道括約筋恥骨下枝 尿道を囲む 3. 生殖器陰部神経支配 1 坐骨海綿体筋坐骨結節 尿道海綿体 陰茎海綿体 / 坐骨結節恥骨下枝 陰核 2 球海綿体筋会陰腱中心 尿道球 陰茎海綿体 / 前庭球 陰核海綿体 筋系各論

12 脈管系各論 動脈系各論 *** 皮膚の上から触診できる動脈の部位は何処か? 各自調べること *** 1. 大動脈 aorta 大動脈は左心室より上行し ( 上行大動脈 ) 左後方に曲がって ( 大動脈弓 ) 脊柱の左側に至る 次に脊柱の前左側に沿って下がり ( 下行大動脈 ) 横隔膜の大動脈裂孔を貫いて腹腔に入り 第 4 腰椎の高さで総腸骨動脈に分かれる 下行大動脈は横隔膜をはさんで胸大動脈と腹大動脈に分けられる 2. 上行大動脈 ascending aorta 左心室の大動脈口より始まり 腕頭動脈が分かれるところまで心膜に覆われる 径は3cmほど 上行大動脈の起始部は3つに膨隆し ( 大動脈球 ) 一方 内腔は陥凹する ( 大動脈洞 バルサルバ洞 ) 大動脈洞より右冠状動脈と左冠状動脈 right and left coronary a が大動脈弁の右および左半月弁の直上から出る 3. 大動脈弓 aortic arch 右第 2 胸肋関節の高さで上行大動脈に続き 第 4 胸椎の高さで下行大動脈に接続する 以下の動脈が順に分枝する 1 腕頭動脈 brachiocephalic trunk 2 左総頚動脈 left common carotid a 3 左鎖骨下動脈 left subclavian a 動脈管索 arterial ligament : 大動脈弓と肺動脈分岐部とを結ぶ 胎児期の動脈管が生後変化した索状組織 4. 総頚動脈 common carotid artery 右総頚動脈は腕頭動脈より ( 右胸鎖関節の高さ ) 左総頚動脈は大動脈弓より( 第 2 胸椎の高さ ) 出る 頚動脈三角で ( 甲状軟骨上縁の高さ ) ほぼ同じ太さの外頚動脈と内頚動脈に分かれる 総頚動脈は枝を出さない 総頚動脈には呼吸に関する反射や循環反射に関与する受容器がある : 1 頚動脈小体 2 頚動脈洞 5. 外頚動脈 external carotid artery 総頚動脈より分かれて 内頚動脈の前内側を上行し 下顎頚の高さで顎動脈と浅側頭動脈に分かれる 顔面 前頚部 頭蓋壁に分布する 1 上甲状腺動脈 superior thyroid a : 甲状腺に分布し 下甲状腺動脈と吻合する 2 舌動脈 lingual a : 舌骨舌筋の内側を前走し 舌に分布する 3 顔面動脈 facial a : 下顎骨の下縁を通って顔面に分布し 口角の外側より内眼角に向かう ( 眼角動脈 ) 4 上行咽頭動脈 ascending pharyngeal a : 咽頭の後壁を上行する 5 後頭動脈 occipital a : 後頭部頭頂部に分布する 脈管系各論 - 1 -

13 6 浅側頭動脈 superficial temporal a : 耳介前方を上行し側頭筋膜の外側で前頭頭頂に分布する 7 顎動脈 maxillary a : 下顎頚の後下部より始まり 下顎枝の内側を前進し 外側翼突筋の間を通り 翼口蓋窩に至る 1) 中硬膜動脈 2) 下歯槽動脈 3) 後上歯槽動脈 4) 眼窩下動脈 5) 下行口蓋動脈 6) 蝶口蓋動脈 6. 内頚動脈 internal carotid artery 総頚動脈より分かれて上行し 頭蓋底の頚動脈管を通って頭蓋腔内に入り 視神経管の後で眼動脈を出し 大脳動脈として 脳に分布する ( 脳の動脈は神経解剖学で学ぶ ) 7. 鎖骨下動脈 subclavian artery 右は腕頭動脈 左は大動脈弓から分かれる 前斜角筋と中斜角筋との間を通って腋窩に至り 第 1 肋骨外側縁で腋窩動脈となる 前方には鎖骨下静脈 後には腕神経叢がある 1 椎骨動脈 vertebral a : 第 6 頚椎横突孔に入り 頚椎横突孔を上行し 環椎の横突孔を貫いたのち 大後頭孔より頭蓋内に至る 頭蓋腔で左右の椎骨動脈は合して脳底動脈 basilar a になり 脳に分布する 2 内胸動脈 internal thoracic a : 前胸壁の後面を下行し 筋横隔動脈 musculophrenic a と上腹壁動脈 superior epigastric a となる 縦隔 胸腺 気管支 肋間などに分布 3 甲状頚動脈 thyreocervical trunk 1) 下甲状腺動脈 2) 上行頚動脈 3) 頚横動脈 4) 肩甲上動脈 4 肋頚動脈 costocervical trunk : 深頚動脈 deep cervical a と最上肋間動脈 supreme intercostal a ( 分かれて第 1 第 2 肋間動脈になる ) に分かれる 8. 腋窩動脈 axillary artery 鎖骨下動脈の続きで 腋窩を通り 大胸筋の下縁 ( 大円筋の下縁 ) で上腕動脈となる 大胸筋 小胸筋に覆われる 1 胸肩峰動脈 thoracoacromial a : 鎖骨 胸筋 三角筋 肩峰に分布 2 外側胸動脈 lateral thoracic a : 前鋸筋の表面を下行する 3 肩甲下動脈 subscapular a : 肩甲骨外側縁を走り 肩甲回旋動脈 circumflex scapular a ( 内側腋窩隙を通り棘下筋と周辺の筋に分布 ) と胸背動脈 thoracodorsal a ( 広背筋と前鋸筋 ) に分かれる 4 前上腕回旋動脈 anterior circumflex humeral a : 上腕骨外科頚の前を外方に走り 後上腕回旋動脈と吻合する 5 後上腕回旋動脈 posterior circumflex humeral a : 外側腋窩隙を腋窩神経と共に通り上腕骨外科頚の後を走る 9. 上腕動脈 brachial artery 腋窩動脈の続きで 大胸筋下縁から肘関節まで 肘窩で橈骨動脈と尺骨動脈に分かれる 1 上腕深動脈 deep brachial a : 上腕骨の後方に向かい 橈骨神経とともに橈骨神経溝を外下方に走る 10. 橈骨動脈 radial artery 肘関節屈側で上腕動脈より分かれる 1 母指主動脈 2 深掌動脈弓 deep palmar arch: 中手骨掌側で弓状をなし尺骨動脈深掌枝と交通する 掌側中手動脈が3 本出る 脈管系各論 - 2 -

14 11. 尺骨動脈 ulnar artery 1 総骨間動脈 common interosseous a : 前腕骨間膜で後骨間動脈と前骨間動脈に分かれる 2 浅掌動脈弓 superficial palmar arch : 橈骨動脈の浅掌枝と結合する 3 本の総掌側指動脈と小指尺側指動脈を出す 12. 胸大動脈 thoracic aorta 大動脈弓の続きで 第 4 胸椎の高さに始まり 第 12 胸椎の高さで横隔膜の大動脈裂孔を貫き腹腔に入り 腹大動脈となる 始めは脊柱の左に位置し 次第に前に位置する (1) 臓側枝 1 気管支動脈 2 食道動脈 3 心膜枝 4 縦隔枝 (2) 壁側枝 1 肋間動脈 posterior intercostal a : 第 3-11 肋間で最内肋間筋と内肋間筋の間を外方に 肋骨の下縁 ( 肋間隙の上縁 ) に沿って走る 前胸部で内胸動脈と交通する 2 肋下動脈 subcostal a : 第 12 肋骨下縁にある最下位の肋間動脈 13. 腹大動脈 abdominal aorta 第 12 胸椎の高さ ( 横隔膜 大動脈裂孔の高さ ) で 胸大動脈に続いて始まり 第 4 5 腰椎の前で左右の総腸骨動脈を出したのち 細い正中仙骨動脈 mediansacral a となって尾骨の先端まで達する (1) 臓側枝の腹側枝 1 腹腔動脈 celiac trunk, coeliac trunk : 膵臓上縁 ( 第 12 胸椎 ) で枝分かれし 1~2cm走行後 3つに分かれる 1) 左胃動脈 left gastric a : 胃の小弯に沿って小網内を左から右に走り 右胃動脈と交通する 2) 総肝動脈 common hepatic a : 右胃動脈 ( 胃の小弯に沿って右から左に走り 左胃動脈と交通する ) と胃十二指腸動脈 ( 上膵十二指腸動脈と右胃大網動脈に分かれる ) を出したのちに固有肝動脈となり 肝十二指腸間膜内を走り 肝門にて右枝と左枝に分かれ肝臓に分布する 3) 脾動脈 splenic a : 膵臓の上縁に沿って左方に走り脾臓に至る 短胃動脈 左胃大網動脈が枝分かれする 2 上腸間膜動脈 superior mesenteric a : 膵臓の後を通って膵臓と十二指腸下部の間から現れ 腸間膜内を走る 1) 下膵十二指腸動脈 2) 空腸動脈と回腸動脈 3) 中結腸動脈 4) 右結腸動脈 5) 回結腸動脈 3 下腸間膜動脈 inferior mesenteric a : 第 3 腰椎の高さで分かれ 結腸間膜に入る 1) 左結腸動脈 left colic a 2) S 状結腸動脈 sigmoid a 3) 上直腸動脈 superior rectal a (2) 臓側枝の外側枝 1 腎動脈 renal a : 第 2 腰椎の高さで分かれる 下副腎動脈を出した後 腎門に至る 2 精巣動脈 testicular a, 卵巣動脈 ovarian a : 腹大動脈前面より出るが 左右で高さが異なる 下方に走り尿管と交叉する 精巣動脈は精索中を精巣に至る 卵巣動脈は子宮広間膜内を走り卵巣に至る (3) 壁側枝 : 1 下横隔動脈 2 腰動脈 脈管系各論 - 3 -

15 14. 総腸骨動脈 common iliac artery 第 4 腰椎の前方で腹大動脈から分かれて外下方に至り 仙腸関節の高さで内腸骨動脈と外腸骨動脈に分かれる 15. 内腸骨動脈 internal iliac artery 仙腸関節の前で分かれ 小骨盤に入り 骨盤内臓に分布する (1) 壁側枝 1 腸腰動脈 2 外側仙骨動脈 3 閉鎖動脈 4 上殿動脈 5 下殿動脈 (2) 臓側枝 1 臍動脈 umbilical a : 胎生期に臍帯を経て胎盤に至るが 生後は退化し臍動脈索となる 基部は上膀胱動脈となる 2 下膀胱動脈 3 精管動脈, 子宮動脈 4 中直腸動脈 5 内陰部動脈 internal pudendal a : 大坐骨孔 ( 梨状筋下孔 ) を通って骨盤外に出るが再び小坐骨孔より骨盤内に入り坐骨直腸窩の外側壁 ( 陰部神経管アルコック管 ) を前進する 下直腸動脈 会陰動脈 陰茎動脈あるいは陰核動脈が分かれる 16. 外腸骨動脈 external iliac artery 仙腸関節の前より始まり鼡径靭帯の下 ( 血管裂孔 ) で大腿動脈に接続する 1 下腹壁動脈 2 深腸骨回旋動脈 deep circumflex iliac a 17. 大腿動脈 femoral artery 外腸骨動脈の続きで鼡径靭帯の下の血管裂孔より始まり 腸恥窩 内転筋管を経て 内転筋腱裂孔で膝窩動脈に続く 上部 では大腿前面にあるが 下行するに従い大腿の内側より後側にまわり膝関節の後面に至る 1 浅腹壁動脈 2 浅腸骨回旋動脈 3 外陰部動脈 4 大腿深動脈 1) 内側大腿回旋動脈 2) 外側大腿回旋動脈 3) 貫通動脈 5 下行膝動脈 descending genicular artery 18. 膝窩動脈 popliteal artery 大腿動脈の続きで内転筋腱裂孔に始まりヒラメ筋腱弓の下で前脛骨動脈と後脛骨動脈に分かれる 19. 前脛骨動脈 anterior tibial artery ヒラメ筋腱弓の下で下腿骨間膜の上端を貫いて前面に出て下行し 足背動脈に続く 20. 足背動脈 dorsal artery of foot 前脛骨動脈の続きで 足背に至り 第 1 中足骨間隙の基部で深足底枝と第 1 背側中足動脈に分かれる 21. 後脛骨動脈 posterior tibial artery ヒラメ筋の深層を下行し 内果の後側を回って足底に至り 内側足底動脈と外側足底動脈に分かれる 1 腓骨動脈 peroneal a : 後脛骨動脈の最大枝で 後脛骨動脈と平行に下行し 外果の後側に至る 2 内側足底動脈 3 外側足底動脈 4 足底動脈弓 脈管系各論 - 4 -

16 静脈系各論 1. 心臓の静脈 veins of heart 心臓壁の静脈 *** 動脈とは異なる部位が重要 *** 2. 上大静脈 superior vena cava 頭頚部 胸郭 上肢などからの血液を集める静脈の本幹 右第 1 肋軟骨内側端の後で左右の腕頭静脈が合流して出来 上行大動脈の右を胸骨右縁に沿って下り 第 3 肋軟骨下縁の高さで右心房に注ぐ (1) 腕頭静脈 brachiocephalic vein : 内頚静脈と鎖骨下静脈よりできる (2) 内頚静脈 internal jugular vein ほとんど全ての頭頚部の血液を集める静脈で総頚動脈の領域に相当する S 状静脈洞の続きとして頚静脈孔に始まり 胸鎖関節の後方で鎖骨下静脈と合流する ( 静脈角 venous angle: 内頚静脈と鎖骨下静脈が合流する部位 左静脈角に胸管が 右静脈角に右リンパ本管が入る ) 1 舌静脈 lingual v 2 顔面静脈 facial v : 顔面動脈の分布域より血液を集め 下顎角の後側で下顎後静脈と合して内頚静脈に合流 3 下顎後静脈 retromandibular v : 浅側頭静脈と顎静脈が合流 4 外頚静脈 : 皮静脈 (3) 頭蓋 epicranial veins と大脳 cerebral veins の静脈 A: 硬膜静脈洞 sinus of dura mater, dural venous sinus : 脳の静脈血は静脈に集まった後 硬膜静脈洞に注ぎ S 状静脈洞 sigmoid sinus から内頚静脈に注ぐ 1 横静脈洞 transverse sinus : 静脈洞交会に始まり S 状に曲がって (S 状静脈洞 ) 頚静脈孔で内頚静脈に合流 2 上矢状静脈洞 superior sagittal sinus : 大脳鎌の上縁にある 上大脳静脈が入る 3 下矢状静脈洞 inferior sagittal sinus : 大脳鎌の下縁にある 4 直静脈洞 straight sinus : 大脳鎌と小脳テントの会合する線にある 大大脳静脈と下矢状静脈洞が合流して出来る 5 海綿静脈洞 cavernous sinus : 蝶形骨体の両側にある 左右の海綿静脈洞は海綿間静脈洞で交通する 上錐体静脈洞を介してS 状静脈洞に合流 B: 脳の静脈 : 動脈とは関係なく分布 上大脳静脈 上小脳静脈 大大脳静脈など C: 板間静脈 diploic veins : 頭蓋冠の内板と外板の間にあり 互いに吻合して網状を呈している 頭蓋の外にある静脈や頭蓋腔の硬膜静脈洞と連絡する 脈管系各論 - 5 -

17 D: 導出静脈 emissary veins : 頭蓋骨を貫いて内外にある静脈を結合する短い静脈 1 頭頂導出静脈 : 頭頂孔を通る 浅側頭静脈と上矢状静脈洞 2 乳突導出静脈 : 乳突孔を通る 後頭静脈と S 状静脈洞 3 顆導出静脈 : 顆管を通る 椎骨静脈叢と S 状静脈洞 (4) 頚部の皮静脈 cervical veins 1 前頚静脈 anterior jugular v : 外頚静脈または内頚静脈に合流 2 外頚静脈 external jugular v : 耳介の後ろから 鎖骨下静脈または内頚静脈に合流 (5) 上肢の静脈 veins of upper limb 深静脈 : 橈骨静脈 radial v と尺骨静脈 ulnar v が合流して上腕静脈 brachial v となり 腋窩静脈 axillary v ついで鎖骨下静脈 subclavian v に接続する 皮静脈 : 1 橈側皮静脈 cephalic v : 前腕の橈側にあり 腋窩静脈に合流 2 尺側皮静脈 basilic v : 前腕の尺側にあり 上腕静脈に合流 3 前腕正中皮静脈 median antebrachial v : 前腕掌側の正中部を上行 肘窩で橈側皮静脈または尺側皮静脈に注ぐか あるいは両者を連ねる肘正中皮静脈 median cubital v に注ぐ (6) 奇静脈 azygos vein 1 奇静脈 : 右の上行腰静脈は奇静脈となり 横隔膜を貫いて胸腔に入り 胸椎椎体前面を走行し 右肋間静脈や縦隔臓器の静脈 ( 食道静脈 気管支静脈 心膜静脈 縦隔静脈など ) 半奇静脈を集めて 第 3 胸椎の高さで前に曲がり上大静脈に合流 2 半奇静脈 hemiazygos v : 左の上行腰静脈は半奇静脈となり 横隔膜を貫いて胸腔に入り 下位の肋間静脈を集めて 第 9 胸椎あたりで脊柱を右へ横切り奇静脈に合流 半奇静脈のこれより上の部分を副半奇静脈と言い 奇静脈に注ぐ 3. 下大静脈 inferior vena cava 第 4 5 腰椎の高さで左右の総腸骨静脈が合してでき 脊柱の前方を腹大動脈の右側に沿って上行し 横隔膜 ( 大静脈孔 ) を貫いて右心房につながる 1 腰静脈 lumbar v : 4 対 各腰静脈は上行枝により縦に交通し 上行腰静脈を作る 2 肝静脈 hepatic v 3 右副腎静脈 right suprarenal v 4 腎静脈 renal veins : 複数が腎門で合して出来る 左腎静脈は長く 左副腎静脈と左精巣 ( 卵巣 ) 静脈が合流する 5 右精巣静脈 right testicular v 卵巣静脈 ovarian v 6 総腸骨静脈 common iliac v : 仙腸関節の前で内と外腸骨静脈が合流して出来る (1) 門脈 hepatic portal vein 胃 腸 膵臓 脾臓から血液を集め 肝臓に運ぶ静脈系で 腹腔動脈 上 下腸間膜動脈の流域に相当する 門脈は上腸間膜静脈 下腸間膜静脈と脾静脈が合して始まり 小網の肝十二指腸間膜内を総胆管 固有肝動脈とともに走り 肝門に達してここで右枝と左枝に分かれ肝臓に至る 門脈系には静脈弁が無く また肝臓内の循環不全 ( 肝硬変など ) により血流が滞り うっ血を起こし門脈圧が高くなりやすい この場合 側副血管路を通して血液が流れるようになる * 左胃静脈 食道静脈 臍傍静脈 浅腹壁静脈 下腸間膜静脈 上直腸静脈 中 下直腸静脈の側副路 3つが重要 脈管系各論 - 6 -

18 (2) 内腸骨静脈 internal iliac v : 骨盤壁と骨盤内臓からの血管からなる 1 腸腰静脈 2 上殿静脈 3 下殿静脈 4 閉鎖静脈 5 内陰部静脈 (3) 下肢の静脈 veins of lower limb 深静脈 : 伴行静脈である 前脛骨静脈と後脛骨静脈が合流して膝窩静脈 popliteal vv. となり 大腿静脈 femoral v. に続き外腸骨静脈 external iliac v. に注ぐ 皮静脈 : 1 大伏在静脈 great saphenous v : 足の内側縁より下腿と大腿の内側を上行し 伏在裂孔より大腿静脈に注ぐ 2 小伏在静脈 small saphenous v : 足の外側縁より下腿後面に至り 膝窩にて膝窩静脈に注ぐ 脈管系各論 - 7 -

19 リンパ系各論 1. リンパ管系の本幹 ( リンパ本幹 ) 1 頚リンパ本幹 jugular trunk : 1 対 頭頚部のリンパを集める 2 鎖骨下リンパ本幹 subclavian trunk : 1 対 胸部浅層と上肢のリンパを集める 3( 右 ) 気管支縦隔リンパ本幹 bronchomediastinal trunk : 右側の胸郭とその内容物のリンパを集める 左側では本幹を形成せず 各リンパ管は個々に胸管に注ぐ 4 腸リンパ本幹 intestinal trunk : 1 本 腹部内臓のリンパを集める 5 腰リンパ本幹 lumbar trunk : 1 対 下肢と骨盤臓器のリンパを集める 2. 胸管 thoracic duct 左右の腰リンパ本幹と腸リンパ本幹の3 本が第 2 腰椎の高さで腹大動脈の右後ろに集まり 胸管となる この合流部は膨大しており乳糜槽 Cisterna chyli という 胸管は横隔膜の大動脈裂孔を通って胸腔に入り 上行して左静脈角に注ぐ 合流直前に左頚リンパ本幹と左鎖骨下リンパ本幹が合わさる 全長約 40cm 10 個ほどの弁を持つ 3. 右リンパ本幹 right lymphatic duct ( 右胸管 right thoracic duct) 右頚リンパ本幹 右鎖骨下リンパ本幹 ( 右 ) 気管支縦隔リンパ本幹が集まり 右リンパ本幹となって右静脈角につながる 右リ ンパ本幹は 1cm 程であり 欠如することもある 4. リンパ管とリンパ節の分布 (1) 頭部浅リンパ管は頭部の皮下を耳介周辺に向かって走る 深リンパ管は顔面の深部から 顎動脈の枝に沿って後走する 1 顎下リンパ節 submandibular lymph nodes : 下顎角の内面で 顎下腺の周囲にある 輸入管は顔面 上顎 下顎の歯肉 舌などから来る (2) 頚部浅リンパ管は頭部の浅リンパ管とともに浅頚リンパ節に入る 深リンパ管は 頚部の内臓 筋から始まり 内頚静脈に沿って深頚リンパ節に入る 1 浅頚リンパ節 superficial cervical lymph nodes : 頭部頚部の浅リンパ管がつながる20 個ほどのリンパ節 広頚筋と胸鎖乳突筋の間で外頚静脈に沿うリンパ節 輸入管は頭頚部の浅リンパ管 リンパ節などから来て 輸出管は深頚リンパ節に至る 脈管系各論 - 8 -

20 2 深頚リンパ節 deep cervical lymph nodes : 頭頚部の深リンパ管がつながる20 個ほどのリンパ節 総頚動脈と内頚静脈に沿って分布 頭部や頚部の全リンパ管を集め 輸出管は頚リンパ本幹として胸管や右リンパ本幹と合する 深頚リンパ節で 左鎖骨部 ( 鎖骨上リンパ節 ) に癌が転移しリンパ節腫脹が触れるものを ウイルヒョウのリンパ節という (3) 上肢浅リンパ管は 手掌や手背より起こり前腕筋膜や上腕筋膜の上を走り 腋窩リンパ節に注ぐ 深リンパ管は血管に沿って上行し 腋窩リンパ節に注ぐ 1 腋窩リンパ節 axillary lymph nodes : 上肢のリンパ管および胸壁と乳腺 腹壁 ( 臍より上 ) からのリンパ管がつながる40 以上のリンパ節 腋窩動静脈や神経束の間にある 全体として腋窩リンパ叢を形成 上肢 肩甲部 胸壁 乳腺より輸入管を受け 輸出管は鎖骨下リンパ本幹に入る 2 浅肘リンパ節 : 肘窩にて上腕動静脈の分岐部にあるリンパ節 (4) 胸部浅リンパ管は 皮下と乳腺から腋窩リンパ節へ続く 深リンパ管は 胸部の筋 乳腺 胸膜から起こり 胸骨傍リンパ節や肋間リンパ節へ続く 1 気管支肺リンパ節 broncopulmonary lymph nodes 肺門リンパ節 hilar nodes : 肺門にある 肺リンパ節からの輸入管が入る 気管周辺のものをまとめて気管リンパ節 tracheal lymph nodes ともいう 2 肺リンパ節 : 肺の実質中で 肺動静脈や気管支に沿う 3 前 後縦隔リンパ節 : 縦隔内にある 4 胸骨傍リンパ節 : 内胸動脈に沿う (5) 腹部浅リンパ管は 腹壁皮下の上半部 ( 臍より上 ) では腋窩リンパ節へ続き 腹壁下半部では浅鼡径リンパ節へ続く 深リンパ管は 腹壁上半部では上腹壁動脈から内胸動脈に沿って上行し 胸骨傍リンパ節へ続く 下半部では下腹壁動脈や深腸骨回旋動脈に沿い深鼡径リンパ節へ続く 腹壁の深層では腰動脈や腸腰動脈に沿い腰リンパ節へ続く 1 腰リンパ節 lumbar lymph nodes : 後腹壁の腹大動脈 下大静脈周辺の20~30 個のリンパ節 互いに連絡して大動脈リンパ叢を作る 骨盤内や後腹壁 脊柱からのリンパを集め 腰リンパ本幹となる 2 腹腔リンパ節 celiac lymph nodes : 腹腔動脈の周りの10 ~20 個のリンパ節 腸リンパ本幹につながる 3 右 左胃リンパ節 : 右 左胃動脈に沿い胃の大弯や小弯に分布する 腸リンパ本幹につながる 4 右 左胃大網リンパ節 : 右 左胃大網動脈に沿い 胃の大弯に分布する 腸リンパ本幹につながる 脈管系各論 - 9 -

21 5 幽門リンパ節 : 胃十二指腸動脈に沿い 胃幽門と十二指腸上部の境界にあるリンパ節 腸リンパ本幹につながる 6 肝リンパ節 : 肝門にあるリンパ節 腸リンパ本幹につながる 7 膵脾リンパ節 : 脾動脈に沿って分布するリンパ節 脾臓と膵臓よりリンパを集める 腸リンパ本幹につながる 8 上腸間膜リンパ節 superior mesenteric lymph nodes : 上腸間膜動脈に沿う 小腸に属するもので100~200 個 大腸に属するものは20~50 個ある 回結腸動脈に伴うものを回結腸リンパ節 右結腸動脈に伴うものを右結腸リンパ節 中結腸動脈に伴うものを中結腸リンパ節という 腸リンパ本幹につながる 9 下腸間膜リンパ節 inferior mesenteric lymph nodes : 下腸間膜動脈に沿って分布するリンパ節 特に左結腸動脈に伴うリンパ節を左結腸リンパ節という 下行結腸 ~ 直腸上部のリンパを集め 大動脈リンパ叢 ( 腰リンパ節 ) に注ぐ (6) 骨盤部浅リンパ管は 骨盤外面の皮下から浅鼡径リンパ節へ続く 深リンパ管は 骨盤外面の深層および骨盤内面から内腸骨動脈の枝に伴い 内腸骨リンパ節へ続く 骨盤内臓のリンパは内腸骨リンパ節へ続く ただし 精巣 子宮上部と卵巣からのリンパ管はそれぞれ精巣 / 卵巣動脈に伴い上行して腰リンパ節に入る 1 総腸骨リンパ節 common iliac lymph nodes: 総腸骨動脈に沿う 腰リンパ節に輸出管を出す 2 内腸骨リンパ節 internal iliac lymph nodes : 内腸骨動脈周辺 総腸骨リンパ節に輸出する 3 外腸骨リンパ節 external iliac lymph nodes : 外腸骨動脈周辺 総腸骨リンパ節に輸出する (7) 下肢浅リンパ管は 大部分の下肢の皮下では大伏在静脈に沿って浅鼡径リンパ節へ続くが 下腿後面の一部では 小伏在静脈に沿い膝窩リンパ節へ続く 深リンパ管は 下肢の動脈に沿い深鼡径リンパ節へ続く 1 浅鼡径リンパ節 superficial inguinal lymph nodes : 下肢の浅リンパ管がつながる6~13 個のリンパ節 鼡径靱帯と伏在裂孔周囲のものがある 骨盤部や腹部 ( 臍より下 ) のリンパ管もつながる 下肢 下腹部 外陰部からの浅リンパ管を集め 深鼡径リンパ節へ続く 2 深鼡径リンパ節 deep inguinal lymph nodes : 下腿深部のリンパ管が膝窩リンパ節を経てつながる3~4 個のリンパ節 大腿筋膜の下面で大腿動静脈に沿ってあるリンパ節 外腸骨リンパ節に輸出する 3 膝窩リンパ節 : 膝窩にあるリンパ節 ( 附 ) リンパ組織 1. リンパ小節 lymph nodule 2. 扁桃 3. 脾臓 spleen : 胃の左上 左第 9-11 肋骨の高さ 表面を腹膜で覆われる 下内側面は脾門であり 脾動静脈やリンパ管 神経が出入りする 結合組織からなる被膜があり 脾柱が実質内に伸びる 実質は白脾髄と赤脾髄に分かれる 4. 胸腺 thymus : 胸腔内 心膜の前 胸骨の後 1 対 出生時に12-15g 思春期に30-40g その後退縮し脂肪組織となる 脈管系各論

22 末梢神経系各論 脊髄神経系各論 1. 頚神経 cervical nerves 1-1. 後枝 1 後頭下神経 suboccipital n. : C1 後枝であり 筋枝 ( 後頭下筋 ) のみ 2 大後頭神経 greater occipital n. : C2 後枝 後頭部の知覚 3 第 3 後頭神経 3rd occipital n. : C3 後枝 項の知覚 1-2. 前枝 C1-C4 は頚神経叢 C5-C8 は腕神経叢を作る 1-3. 頚神経叢 cervical plexus:c1, C2, C3, C4 前枝で構成皮枝 1 小後頭神経 lesser occipital n. : C2-3 後頭部 2 大耳介神経 greater auricular n. : C2-3 耳介周辺 3 頚横神経 transverse cutaneous nerve of neck : C2-3 頚部 4 鎖骨上神経 supraclavicular n. : C3-4 鎖骨周囲筋枝 1 頚神経ワナ Ansa cervicalis : 上根 (C1, C2) と下根 (C2, C3) が合流しループが形成される 舌骨下筋群 2 横隔神経 phrenic n. : C4(C3-C5) 前斜角筋の前面を下行し 鎖骨下動静脈の間を通って胸腔に入り 肺根の前を通って横隔膜に分布する 3 椎前筋や斜角筋への枝 1-4. 腕神経叢 brachial plexus : C5,C6,C7,C8,T1 前枝 A. 神経幹 1 上神経幹 superior trunk : C5C6が合してできる 2 中神経幹 middle trunk : C7 単独でできる 3 下神経幹 inferior trunk : C8とT1が合してできる B. 神経束 : 3 神経幹はそれぞれ前後に分かれ 3つの神経束を作る 1 後神経束 posterior cord : 3 本の神経幹後部が合してできる 2 外側神経束 lateral cord : 上神経幹の前部と中神経幹の前部が合してできる 3 内側神経束 medial cord : 下神経幹の前部でできる 末梢神経系各論 - 1 -

23 C. 主要 5 神経後神経束は橈骨神経と腋窩神経になる 外側神経束と内側神経束はそれぞれ内側枝と外側枝の2 枝に分かれ それぞれの1 本が合して正中神経となる 残った外側神経束の外側枝は筋皮神経となり 内側神経束の内側枝は尺骨神経になる D. 腕神経叢の枝鎖骨上部で分枝する神経 1 肩甲背神経 dorsal scapular n. : C5 菱形筋と肩甲挙筋を支配 2 長胸神経 long thoracic n. : C5-7 前鋸筋を支配 3 鎖骨下筋神経 subclavian n. : C5-6 上神経幹から分枝 鎖骨下筋を支配 4 肩甲上神経 suprascapular n. : C5-6 上神経幹から分枝 棘上筋と棘下筋 鎖骨下部で分枝する神経 1. 外側神経束 1 外側胸筋神経 lateral pectral n. : C5-7 小胸筋と大胸筋を支配 2 筋皮神経 musculocutaneous n. : C5-6 烏口腕筋を貫いて 上腕の屈筋群を支配し 外側前腕皮神経となる 3 正中神経の外側根 C 内側神経束 1 内側胸筋神経 medial pectral n. : C8-T1 小胸筋と大胸筋を支配 2 内側上腕皮神経 medial cutaneous n. of arm : 第 2 肋間神経外側皮枝が合わさって肋間上腕神経となる 3 内側前腕皮神経 medial cutaneous n. of forearm 4 尺骨神経 C8-T1 5 正中神経の内側根 C8-T1 3. 後神経束 1 肩甲下神経 subscapular n. : C5-6 大円筋 肩甲下筋を支配 2 胸背神経 thoracodorsal n. : C6-8 広背筋を支配 3 腋窩神経 axillary n. : C5-6 後上腕回旋動脈とともに外側腋窩隙を通る 三角筋と小円筋に筋枝を与えたのち 上外側上腕皮神経となる 4 橈骨神経 C5-T1 4. 正中神経 median n. C5-T1 外側神経束と内側神経束からの枝が合わさり正中神経となる 1 筋枝 : 円回内筋 橈側手根屈筋 長掌筋 浅指屈筋などを支配 2 前骨間神経 anterior interosseous n. : 深指屈筋の橈側 2 筋腹 長母指屈筋 方形回内筋を支配 3 掌枝 : 手関節あたりの母指側の皮膚 4 総掌側指神経 common palmar digital n. : 母指球の筋 ( 短母指外転筋 短母指屈筋 母指対立筋 ) と第 1 2 虫様筋に筋枝を与えたのち 固有掌側指神経となり 薬指の中央より橈側の手掌と掌側指縁の皮膚の知覚を支配する 末梢神経系各論 - 2 -

24 5. 尺骨神経 ulnar n. C8T1 内側神経束より起こり 内側上腕筋間中隔を貫き 上腕の背側に出る 尺骨神経溝 尺側手根屈筋の両頭間を通り 前腕の屈側に至る 1 筋枝 : 尺側手根屈筋 深指屈筋の尺側 2 筋腹を支配する 2 掌皮枝 : 手掌の尺側の皮膚の知覚 3 背側指神経 : 中指の中央より背側指縁の知覚を支配する 4 掌枝 : さらに深枝と浅枝に分かれる 深枝は小指球の筋 ( 小指外転筋 短小指屈筋 小指対立筋 ) 第 3 4 虫様筋 掌側 背側骨間筋 母指内転筋に筋枝を出す 浅枝は総掌側指神経さらに固有掌側指神経となり 薬指の中央より尺側の掌側指縁の知覚を支配する 6. 橈骨神経 radial n. C5-T1 上腕深動脈とともに上腕骨後面 ( 橈骨神経溝 ) を下外側に走り 腕橈骨筋の起始部の下を通って肘窩の外側に現れる 1 後上腕皮神経 posterior cutaneous n. of arm 2 下外側上腕皮神経 lower lateral cutaneous n. of arm 3 筋枝 : 上腕三頭筋と肘筋を支配 4 後前腕皮神経 posterior cutaneous n. of forearm 5 浅枝 : 背側指神経となる 中指の中央より橈側の背側指縁を支配する 6 深枝 : 回外筋を貫いて前腕の背側に出て 前腕の全ての伸筋群に筋枝を与えたのち 後骨間神経となり 手根関節の知覚を支配する 2. 胸神経 thoracic nerves 2-1. 後枝背部の皮膚と固有背筋に分節状に分布する 内側枝と外側枝がある 2-2. 前枝 : 肋間神経 intercostal n. T1~T12 胸神経の前枝を肋間神経といい 12 対ある (T12は肋下神経 subcostal n. と呼ばれる ) 肋間動 静脈とともに肋間隙の上縁で肋骨の下縁に沿い 最内肋間筋と内肋間筋の間を走る 1 筋枝 : 肋間筋 上 下後鋸筋 側腹筋群 前腹筋群を支配する 2 外側皮枝 lateral cutaneous n. : 特に第 2 肋間神経の外側皮枝は内側上腕皮神経と合して肋間上腕神経となる 3 前皮枝 anterior cutaneous n. 3. 腰神経 lumbar nerves 3-1. 後枝内側枝 外側枝として腰背部の筋と皮膚に分布 上殿皮神経 superior cluneal n. : L1-3 後枝の外側枝 殿部上方の知覚 3-2. 腰神経叢 lumbar plexus : T12, L1, L2, L3, L4 前枝 1 腸骨下腹神経 iliohypogastric n. : T12-L1 筋枝を側腹筋群に 皮枝を殿部側面 ( 外側皮枝 ) と下腹部 ( 前皮枝 ) 末梢神経系各論 - 3 -

25 2 腸骨鼡径神経 ilioinguinal n. : L1 筋枝を側腹筋群に出し 鼡径管を通って浅鼡径輪を出て 陰嚢 / 陰唇に分布する 3 陰部大腿神経 genitofemoral n. : L1-2 大腿枝と陰部枝 前者は大腿前面の皮膚知覚を 後者は男性では精索に伴い陰嚢に至り精巣挙筋と精巣白膜を 女性では子宮円索に伴い陰唇を支配する 4 外側大腿皮神経 lateral femoral cutaneous n. : L2-3 筋裂孔を通って大腿外側面の皮膚へ 5 閉鎖神経 obutrator n. : L2-4 閉鎖動脈とともに閉鎖管を貫き 筋枝を内転筋群に 皮枝を大腿内側面に出す 6 大腿神経 femoral n. : L1-4 筋裂孔を通って大腿動脈に沿って腸恥窩へ 1) 筋枝 : 腸腰筋 恥骨筋 大腿四頭筋 縫工筋 2) 前皮枝 : 大腿前面 前内側面 3) 伏在神経 saphenous n. : L3-4 内転筋管を通り大伏在静脈に伴い 下腿内側より足背内側縁の皮膚 4. 仙骨神経 sacral nerves 4-1. 後枝 中殿皮神経 middle cluneal n. : S1-S3 の後枝 殿部の知覚 4-2. 仙骨神経叢 sacral plexus : L4, L5, S1, S2, S3 前枝 腰仙骨神経幹により腰神経叢と交通 1 上殿神経 superior gluteal n. : L4-S1 梨状筋上孔より骨盤外に至り 中殿筋 小殿筋 大腿筋膜張筋を支配 2 下殿神経 inferior gluteal n. : L5-S2 梨状筋下孔より骨盤外に至り 大殿筋を支配 3 後大腿皮神経 posterior cutaneous n. of thigh : S1-3 梨状筋下孔より骨盤外に出て 大腿後面と膝窩の皮膚に分布する 途中 下殿皮神経と会陰枝が分かれる 4 坐骨神経 sciatic n. : L4-S3 梨状筋下孔より骨盤外に出て 大腿後側を下り 膝窩上方で2 枝 ( 総腓骨神経と脛骨神経 ) に分かれる 大腿の屈筋群と大内転筋に筋枝を出す 1) 総腓骨神経 common peroneal n. : 腓骨頭を回り 下腿の前面に出る 外側腓腹皮神経 lateral sural cutaneous n. : 下腿外側の皮膚 浅腓骨神経 superficial peroneal n. : 腓骨筋群 ( 長 短腓骨筋 ) に筋枝を出し 内側足背皮神経と中間足背皮神経になる 深腓骨神経 deep peroneal n. : 下腿の伸筋群に筋枝を出し 母指外側と第 2 指内側の背側指神経になる 2) 脛骨神経 tibial n. : 下腿の後側を内果に向い 内果の後側で内側および外側足底神経に分かれる 筋枝 : 下腿の全屈筋群を支配 内側腓腹皮神経 : 外側腓腹皮神経との交通枝と吻合し 腓腹神経 sural n. となり 外側足背皮神経などを出す 内側足底神経 : 母指外転筋 短母指屈筋 短指屈筋の一部 内側の虫様筋を支配したのち 総底側指神経 固有底側指神経となる 外側足底神経 : 足底方形筋と小指外転筋に筋枝を出したのち 短小指屈筋 骨間筋 外側の虫様筋 母指内転筋を支配する また総底側指経と固有底側指神経を出す 4-3. 陰部神経叢 pudendal plexus : S2-4 前枝陰部神経 pudendal n. : 梨状筋下孔を出たのち 小坐骨孔を経て坐骨直腸窩に達する 1) 下直腸神経 inferior rectal n. : 外肛門括約筋と肛門周囲の皮膚 2) 会陰神経 perineal n. : 後陰嚢神経 / 後陰唇神経を出す 3) 陰茎背神経 / 陰核背神経 末梢神経系各論 - 4 -

26 脳神経各論 脳から出入りする末梢神経 ( 頭蓋を貫く神経 ) 12 対 ( 今の段階では脳内の核は必要ない ) 機能的分類 1). 感覚性神経 sensory n. / 求心性神経 afferent n. 1 一般体性求心性 general somatic afferent (GSA) : 体性感覚 ( 痛覚 温度覚 触覚 深部覚など ) 2 一般臓性求心性 general visceral afferent (GVA) : 内臓の感覚 3 特殊体性求心性 special somatic afferent (SSA) : 視覚 聴覚 平衡覚 4 特殊臓性求心性 special visceral afferent (SVA) : 味覚 嗅覚 2). 運動性神経 motor n. / 遠心性神経 efferent n. 1 体性遠心性 general somatic efferent (SE) : 体節に由来する横紋筋を支配 2 特殊臓性遠心性 special visceral efferent (SVE) : 鰓弓に由来する横紋筋を支配 3 一般臓性遠心性 general visceral efferent (GVE) : 内臓の平滑筋 心筋 腺を支配 1. 嗅神経 olfactory n. 嗅覚を司る純感覚性神経 SVA 鼻粘膜嗅部の嗅細胞の軸索 嗅糸 (20 本くらい )( まとめて嗅神経 ) 篩骨篩板 嗅球 2. 視神経 optic n. 視覚を司る純感覚性神経 SSA 視細胞 視神経節細胞 視神経円板 optic disk ( 視神経乳頭 optic papilla) で眼球を出る 視神経 視神経管を通過 視神経交叉溝上で視交叉 ( 視神経交叉 ) optic chiasma を形成 視索 外側膝状体 3. 動眼神経 oculomotor n. 外眼筋の運動と内眼筋の副交感を司る混合性神経 1 SE 中脳 動眼神経核 動眼神経 海綿静脈洞 上眼窩裂 上枝 : 上眼瞼挙筋と上直筋 下枝 : 内側直筋 下直筋 下斜筋 2 GVE 中脳 動眼神経副核 (E-W 核 ) 動眼神経 下枝 毛様体神経節 瞳孔括約筋と毛様体筋 末梢神経系各論 - 5 -

27 毛様体神経節 ciliary ganglion 副交感神経節 瞳孔括約筋と毛様体筋の支配を行う 眼神経に付属する 1 副交感性 : 動眼神経からの枝 ( 節前 ) 毛様体神経節で節後線維 短毛様体神経 ( 節後 ) 瞳孔括約筋と毛様体筋 2 交感性 : 上頚神経節 ( 節後 ) 内頚動脈神経 毛様体神経節 ( 通過 ) 短毛様体神経 瞳孔散大筋 3 感覚性 : 三叉神経節 鼻毛様体神経からの枝 毛様体神経節 ( 通過 ) 短毛様体神経 眼球感覚 4. 滑車神経 trochlear n. 上斜筋を支配する純運動性神経 SE 中脳 滑車神経核 滑車神経 海綿静脈洞 上眼窩裂 上斜筋 5. 三叉神経 trigeminal n. 顔面の体性感覚 眼筋 咀嚼筋の深部感覚 ( 固有感覚 ) 咀嚼筋の運動を支配する混合性神経 1 GSA 顔面皮膚 三叉神経 三叉神経節 三叉神経脊髄路核と三叉神経主知覚核 2 GSA 眼筋 咀嚼筋 歯根膜 三叉神経 三叉神経中脳路核 3 SVE 橋 三叉神経運動核 三叉神経運動根 咀嚼筋 感覚性成分と運動性成分はそれぞれ集まって感覚根と運動根を作り 感覚根は三叉神経節 ( 半月神経節 ) trigeminal ganglion, semilunar ganglion を作り さらに眼神経 上顎神経 下顎神経の3 枝に分かれる 運動根は下顎神経に合流する ( 副交感神経節として眼神経に毛様体神経節 上顎神経に翼口蓋神経節 下顎神経に耳神経節と顎下神経節が付属する ) 5-1. 眼神経 ophthalmic n. ( 三叉神経第 1 枝, V1) 上眼窩裂を通って眼窩に入る 小脳テント 前頭部 上眼瞼 眉間 鼻根 鼻尖の皮膚感覚 眼球感覚を司る ( 翼口蓋神経節と毛様体神経節から副交感性節後線維を受け 涙腺と瞳孔括約筋 毛様体筋の支配も行う ) 1 ( テント枝 : 上眼窩裂を通らず頭蓋内を通って小脳テントに分布 ) 2 涙腺神経 lacrimal n. : 上眼瞼の外側部の皮膚感覚を支配する ( 頬骨神経との交通枝を介して翼口蓋神経節に由来する副交感と交感を含み涙腺に分布 ) 3 前頭神経 frontal n. : 眼窩上壁の骨膜と上眼瞼挙筋の間を進み 眼窩上神経と滑車上神経に分かれる 眼窩上神経は外側枝が眼窩上切痕 ( 孔 ) を 内側枝が前頭切痕 ( 孔 ) を通って 前頭部 ~ 頭頂部の皮膚に至る 滑車上神経は滑車の上方を通って上眼瞼内側部 結膜 鼻根に至る 4 鼻毛様体神経 nasociliary n. : 眼球 涙嚢 鼻粘膜 ( 一部 ) 鼻根の感覚 ( 滑車下神経 : 滑車の下方を通って 上眼瞼や内眼角の皮膚に至る ) 前篩骨神経 : 前篩骨孔を通過して再び頭蓋内に入り 篩骨篩板の上を前走し 篩板を貫いて鼻腔に入り 鼻粘膜の感覚と鼻背と鼻尖の感覚を司る 末梢神経系各論 - 6 -

28 後篩骨神経 : 後篩骨孔を通過して篩骨洞や蝶形骨洞の感覚を司る 長毛様体神経 : 2~3 本 眼球の後極から強膜と脈絡膜の間に至る 眼球の感覚 毛様体神経節との交通枝 : 毛様体神経節に感覚性成分を送る 5-2. 上顎神経 maxillary n. ( 三叉神経第 2 枝, V2) 正円孔を通って翼口蓋窩に入る 脳硬膜 下眼瞼 頬部 鼻翼 上唇の皮膚感覚 上顎の歯と歯肉の感覚を司る ( 翼口蓋神経節より副交感性節後線維を受けて鼻腺 口蓋腺の副交感性支配も行う ) 1 ( 硬膜枝 : 脳硬膜に分布する感覚神経 ) 2 眼窩下神経 infraorbital n. : 翼口蓋窩から下眼窩裂を通って眼窩に至り 眼窩下溝 眼窩下管 眼窩下孔より顔面に出る 下眼瞼枝 外鼻枝 内鼻枝 上唇枝 前上歯槽枝 中上歯槽枝 3 翼口蓋神経 pterygopalatine n. : 上顎神経と翼口蓋神経節を結合する2~3 本の小枝で 翼口蓋神経節を通過する感覚性線維の他に 翼口蓋神経節からの副交感性節後線維が通り頬骨神経を経て涙腺に至る 4 頬骨神経 zygomatic n. : 翼口蓋窩から下眼窩裂を通って眼窩に至り 頬骨眼窩孔より頬骨に入る 頬骨内で頬骨顔面枝と頬骨側頭枝に分かれ皮下に出る 頬骨神経は交感 副交感が通り涙腺神経に進む 5 後上歯槽枝 posterior superior alveolar branch : 上顎骨内を通り 歯と歯肉の感覚を司る 後上歯槽枝と眼窩下神経の前 中上歯槽枝は上歯槽神経 superior alveolar n. として 歯や歯槽に神経 ( 上歯神経叢 superior dental plexus) を伸ばす 5-3. 下顎神経 mandibular n. ( 三叉神経第 3 枝, V3) 感覚と運動性成分を含む混合性神経 卵円孔を通って側頭下窩に入る 硬膜の知覚 側頭部 耳介前部 オトガイ部の皮膚知覚 下顎の歯と歯肉の知覚 下唇 舌前 2/3 の味覚を除く知覚と 咀嚼筋を支配する 1 ( 硬膜枝 : 硬膜感覚 ) 2 咬筋神経 : 咬筋支配 3 深側頭神経 : 側頭筋支配 4 外側翼突筋神経 : 外側翼突筋支配 5 内側翼突筋神経 : 内側翼突筋支配 6 頬神経 buccal n.: 頬粘膜の感覚 7 耳介側頭神経 auriculotemporal n. : 中硬膜動脈を間に挟む2 根として始まる 耳介前面 外耳道 側頭部の感覚を支配する 耳神経節からの副交感性節後線維が通り 耳下腺に分布する 8 舌神経 lingual n. : 舌前 2/3 の感覚 ( 味覚以外 ) を支配する 鼓索神経 chorda tympani ( 顔面神経の枝 ) と合流して 味覚線維と副交感性節前線維が入り 舌前 2/3の味覚と顎下腺と舌下腺の分泌を支配する 9 下歯槽神経 inferior alveolar n. : 下顎孔より下顎管に入り下歯神経叢 inferior dental plexus となり下顎の歯と歯肉に分布 本幹は更にオトガイ孔より出てオトガイ神経 mental n. として オトガイ部と下唇皮膚感覚を司る 下顎孔に入る直前に分かれる顎舌骨筋神経は 顎舌骨筋と顎二腹筋前腹を支配する 6. 外転神経 abducent n. 外側直筋を支配する運動性神経 SE 橋 外転神経核 海綿静脈洞 上眼窩裂 外側直筋 末梢神経系各論 - 7 -

29 7. 顔面神経 facial n. 表情筋の運動 涙腺 鼻腺 小口蓋腺 顎下腺 舌下腺の支配 舌前 2/3の味覚を支配する混合性神経 狭義の顔面神経 1 SVE 橋 顔面神経核 顔面神経 表情筋中間神経 2 GVE 延髄 上唾液核 中間神経 翼口蓋神経節 涙腺 鼻腺 小口蓋腺延髄 上唾液核 中間神経 顎下神経節 顎下腺 舌下腺 3 SVA 舌前 3 分の2の味蕾 膝神経節 孤束核 延髄 橋と延髄の境界より起こり 内耳神経とともに内耳道に入り ( 中間神経は内耳神経と顔面神経の間に位置する ) 内耳道底で内耳神経と別れる 側頭骨内の顔面神経管に入り 膝神経節を作り直角に曲がって下方に走り茎乳突孔より頭蓋の外に出る 1) 顔面神経管で出る枝 1 大錐体神経 greater petrosal n. : 上唾液核に由来する副交感性節前線維で 膝神経節のところで大錐体神経として別れ 大錐体神経管と大錐体神経管裂孔を通り側頭骨の錐体前面に出る 大錐体神経溝から破裂孔より頭蓋外に出る 交感性節後線維の深錐体神経と合して翼突管神経となり 翼突管を通り翼口蓋窩で翼口蓋神経節に至る 節後線維は涙腺 鼻腺 小唾液腺を支配する 2 アブミ骨筋神経 : アブミ骨筋を支配する 3 鼓索神経 chorda tympani : 顔面神経が茎乳突孔より頭蓋外に出る直前に出す枝で 鼓索小管を通って鼓室に入り キヌタ骨とツチ骨の間を通って 錐体鼓室裂より頭蓋外に出て 舌神経に合流する 上唾液核からの副交感性節前線維と膝神経節からの味覚性線維からなる 2) 茎乳突孔を出た後の枝 1 後耳介神経 : 後頭筋 側頭頭頂筋 後耳介筋 顎二腹筋の後腹 茎突舌骨筋 2 耳下腺神経叢 : 表情筋に分布 翼口蓋神経節 pterygopalatine ganglion 副交感神経節で 翼口蓋窩にある 涙腺 鼻腺 口蓋腺を支配する 上顎神経に付属する 神経節に入る 1 感覚性 : 翼口蓋神経 ( 上顎神経 ) 翼口蓋神経節 ( 通過 ) 2 副交感性 : 中間神経 ( 顔面神経 ) 大錐体神経 翼突管神経 翼口蓋神経節 3 交感性 : 上頚神経節 ( 節後 ) 内頚動脈神経 深錐体神経 翼突管神経 翼口蓋神経節 ( 通過 ) 神経節から出る ( 混合性 ) 1 後鼻枝 : 蝶口蓋孔 鼻粘膜鼻口蓋神経 切歯管 口蓋粘膜 2 口蓋神経 : 大口蓋管 大口蓋神経 小口蓋神経 大口蓋孔 小口蓋孔 口蓋 口蓋扁桃 3 涙腺神経 : 翼口蓋神経 頬骨神経 ( 上顎神経の枝 ) 涙腺神経 涙腺 末梢神経系各論 - 8 -

30 顎下神経節 submandibular ganglion 副交感神経節で 顎下腺と舌下腺を支配する 下顎神経に付属する 1 副交感性 : 中間神経 ( 顔面神経 ) 鼓索神経 舌神経 顎下神経節 ( 節後線維となる ) 顎下腺と舌下腺 2 交感性 : 上頚神経節 ( 節後 ) 外頚動脈神経 顔面動脈神経叢 顎下神経節 ( 通過 ) 顎下腺と舌下腺 8. 内耳神経 vestibulocochlear n. 平衡感覚 ( 前庭神経 ) と聴覚 ( 蝸牛神経 ) を支配する感覚性神経 SSA 前庭神経 ( 平行斑と膨大部菱 前庭神経節 ) と蝸牛神経 ( ラセン器 ラセン神経節 ) 内耳道底 内耳道 内耳神経 橋と延髄の境界 9. 舌咽神経 glossopharyngeal n. 茎突咽頭筋や上部咽頭筋の運動 耳下腺分泌 鼓室 耳管 咽頭 舌の後方 1/3の臓性感覚 舌後方 1/3の味覚 耳介後方の小領域の体性感覚を支配する混合性神経 1 SVE 延髄 疑核 茎突咽頭筋や上部咽頭筋 2 GVE 延髄 下唾液核 耳神経節 耳下腺 3 GSA 耳介後方の一般体性感覚 上神経節 三叉神経脊髄路核 4 SVA 舌後方 1/3 の味覚 下神経節 孤束核 5 GVA 鼓室 耳管 咽頭 舌後方 1/3の一般臓性感覚 下神経節 孤束核 延髄より起こり 頚静脈孔より頭蓋外に出る 頚静脈孔の入り口で上神経節と下神経節を形成する 1 鼓室神経 tympanic n. : 下唾液核より起こる副交感性節前線維と下神経節より起こる感覚性線維からなる 下神経節で分かれ 鼓室小管を通り 鼓室で鼓室神経叢を形成し 鼓室と耳管の感覚を支配する 副交感性の小錐体神経を出す ( 小錐体神経は小錐体神経管を通って 小錐体神経裂孔より錐体前面に出る 小錐体神経溝を経て破裂孔より頭蓋外に出て 耳神経節を経て耳介側頭神経を通って耳下腺に分布 ) 2 頚動脈洞枝 3 咽頭枝 : 咽頭の外側を下降し 迷走神経咽頭枝と共に咽頭神経叢を形成し 咽頭の感覚と上部咽頭筋を支配 4 扁桃枝 : 口蓋扁桃 口峡 軟口蓋の感覚 5 舌枝 : 舌の後 1/3( 舌根 ) の味覚と感覚 6 茎突咽頭筋枝 : 茎突咽頭筋の運動 耳神経節 otic ganglion 副交感神経節で 側頭下窩にある 耳下腺を支配する 下顎神経に付属する 1 副交感性 : 舌咽神経 鼓室神経 小錐体神経 耳神経節 ( 副節後 ) 耳介側頭神経 耳下腺 2 交感性 : 上頚神経節 ( 節後 ) 外頚動脈神経 耳神経節 ( 通過 ) 耳介側頭神経 耳下腺 3 運動性 : 三叉神経運動根 下顎神経 耳神経節 ( 通過 ) 口蓋帆張筋と鼓膜張筋 末梢神経系各論 - 9 -

31 10. 迷走神経 vagus n. 喉頭と咽頭の筋 胸 腹部臓器の副交感性支配と臓性感覚 耳介後方と外耳道後壁の体性感覚を司る混合性神経 1 SVE 疑核 喉頭と咽頭の筋 2 GVE 迷走神経背側運動核 腹部の副交感性自律神経節 腹部臓器の平滑筋や腺 3 GVA 喉頭蓋 喉頭 咽頭 胸 腹部臓器の一般臓性感覚 下神経節 孤束核 4 GSA 耳介後方と外耳道後壁 ( 体性感覚 ) 上神経節 三叉神経脊髄路核 延髄より起こり 舌咽神経や副神経と共に頚静脈孔を通って頭蓋外に出る 頚静脈孔の中で上神経節 ( 頚静脈神経節 ) 出て下神経節 ( 節状神経節 ) を作る 頚動脈鞘の中を内頚動脈 総頚動脈と内頚静脈とともに下行し 右の迷走神経は鎖骨下動脈の前を 左の迷走神経は大動脈弓の前を通って 胸腔に入る はじめ左右の迷走神経は食道の両側にあるが 下方に行くにつれ右迷走神経は食道の後方へ移動して後迷走神経幹に 左の迷走神経は食道の前方に移動して前迷走神経幹になる 横隔膜の食道裂孔を貫いて 腹腔に至る 1 ( 硬膜枝 : 上神経節の枝で頭蓋外に出ずに脳硬膜の感覚を司る ) 2 ( 耳介枝 : 上神経節の枝で耳介後部の皮膚感覚を司る ) 3 咽頭枝 : 下神経節から出て舌咽神経の咽頭枝とともに咽頭神経叢を形成する 4 上喉頭神経 superior laryngeal n. : 下神経節から出て内枝と外枝に分かれる 内枝は臓性感覚で甲状舌骨膜を貫いて喉頭感覚を支配する 外枝は 下咽頭収縮筋 輪状甲状筋を支配する 5 反回神経 recurrent laryngeal n. : 右は鎖骨下動脈 左は大動脈弓 ( 動脈管索の外側 ) を前から下を通って後へ回り上行し 下喉頭神経となる 喉頭下半の感覚と 輪状甲状筋を除く喉頭筋の支配 6 上頚心臓枝 下頚心臓枝 胸心臓枝 : 副交感性節前線維 心臓神経叢を作り 心臓に分布する 7 食道枝 : 頚部では反回神経 胸部では本幹からの枝 8 気管支枝 : 肺神経叢を作り 気管 気管支の平滑筋 気管支腺に分布 9 終枝 : 横隔膜を貫いて腹腔内に入った枝 胃枝 肝枝 腹腔枝など 食道 ~ 横行結腸中央までの消化管の副交感性支配と臓性感覚 11. 副神経 accessory n. 僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配する運動性神経 SE/SVE 延髄根は疑核下部に由来し 延髄から出る 脊髄根は頚髄 (C1-C5) の前角にある副神経脊髄核より起こり 頚神経の前根と後根の間から出て上行し 大孔より頭蓋内に入る 延髄根と脊髄根は副神経を形成し 頚静脈孔を貫いて頭蓋外に出て ただちに内枝 ( 延髄根の延長 ) と外枝 ( 脊髄根の延長 ) に分かれる 内枝は迷走神経の反回神経などを通して咽頭喉頭に分布 外枝は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する 12. 舌下神経 hypoglossal n. 舌筋を支配する運動性神経 SE 脊髄神経 ( 頚神経 ) の頭側への続き 延髄 舌下神経核 10~15 本が延髄より出る 2 本の束として硬膜を貫く 舌下神経管 舌筋 末梢神経系各論

32 自律神経系各論 交感神経系各論 1. 頭部交感神経 節前線維は上位胸髄に由来し 上頚神経節において節後線維に変わり 内頚動脈神経と外頚動脈神経となる 1 内頚動脈神経 ( 交感神経幹の続きのように見える ) は 頚動脈管に入り内頚動脈神経叢を作り以下の枝を出し 内頚動脈とその枝に分布する ( 頚鼓神経は頚鼓小管を通り鼓室に入り 舌咽神経と共に鼓室神経叢を作り鼓室に分布する ) 深錐体神経が頚動脈管を出る付近で分かれ ( 顔面神経由来の大錐体神経と共に ) 翼突管神経となり 翼口蓋神経節を通過して 涙腺 口蓋腺 鼻腺に分布する 海綿静脈洞付近で眼動脈から分かれ 上眼窩裂を通って眼窩に入り 毛様体神経節を通過し短毛様体神経として眼球内の血管 瞳孔散大筋に分布する 2 外頚動脈神経は 外頚動脈神経叢を作り 頭部の皮膚や血管に分布する 他に 顎動脈と中硬膜動脈を経て耳神経節を通過し 耳下腺に分布する 顔面動脈を経て顎下神経節を通過し 顎下腺と舌下腺に分布する 2. 頚部交感神経節前線維は上位胸髄に由来し 上頚神経節 superior cervical ganglion 中頚神経節 middle cervical ggl 下頚神経節 inferior cervical ggl の幹神経節に入り 節後線維を作る 約半数の下頚神経節は第一胸神経節と融合して頚胸神経節 cervicothoracic ggl ( 星状神経節 stellate ggl) となる これら神経節は8 本すべての頚神経 C1-C8に節後線維を与える 1 上頚神経節からは 喉頭咽頭枝が出て頚動脈小体に分布し さらに咽頭神経叢を作り咽頭喉頭に分布する 上頚心臓神経 superior cervical cardiac n. は大動脈弓の前や後を通って心臓神経叢に至る C1-C3と交通し その脊髄神経分布域に節後線維を送る 2 中頚神経節は欠如したり分散したりすることもある ( 甲状腺枝は下甲状腺動脈に沿って甲状腺に至る ) 中頚心臓神経 middle cervical cardiac n. は大動脈弓の後ろを経て心臓神経叢に至る C4-C6と交通し その脊髄神経分布域に節後線維を送る 3 頚胸神経節からは 下頚心臓神経 inferior cervical cardiac n. が出て動脈弓の後ろから心臓神経叢に至る 椎骨動脈神経は椎骨動脈に分布しながら頭蓋内に入り後大脳動脈まで達する C7-C8と交通し 腕神経叢に入り上肢に分布する 3. 胸部交感神経胸部交感神経幹には約 11 個の胸神経節 thoracic ggl があり 同じ高さの胸神経 T1-T12に節後線維を送り 筋や皮膚に分布する 他には以下の枝が出る 上位胸神経節からは節後線維として 胸心臓神経 thoracic cardiac n. や肺枝が出る 下位胸神経節からは主として節前線維と感覚線維から構成される胸内臓神経 ( 以下の3つに分類される ) が出る 1 大内臓神経 greater splanchnic n. は第 5-9 胸神経節を通過する神経 ( 節前線維 ) であり 大部分は腹腔神経節に終わり 一部は大動脈腎動脈神経節に終わる 2 小内臓神経 lesser splanchnic n. は第 9-10 胸神経節を通過する神経 ( 節前線維 ) で 大動脈腎動脈神経節に終わる ( 3 最下 ( 小 ) 内臓神経は不定で 腎神経叢に終わる ) 末梢神経系各論

33 4. 腰部交感神経通常 4つの腰神経節 lumbar ggl があり 節後神経は腰神経 L1-L5や腰神経叢を経て体幹下部から下肢に分布する 腰神経節を通過する節前線維は腰内臓神経 lumbar splanchinic n. を経て上下腹神経叢に加わり 神経叢内の神経節に達する 5. 骨盤部交感神経 4-5 個の仙骨神経節 sacral ggl からなり 仙骨神経 S1-S5や仙骨神経叢を経て下肢に向かう節後線維が出る 下方では左右の神経幹が尾骨の前で癒合し不対神経節を作る 仙骨神経節を通過する節前線維である仙骨内臓神経 sacral splanchnic n. は下腹神経または下下腹神経叢に加わる 副交感神経系各論 1. 動眼神経 節前線維は中脳の動眼神経副核 (Edinger-Westphal 核 ) に始まり 動眼神経とともに走り 毛様体神経節 ciliary ggl に達す る 節後線維は短毛様体神経を経て眼球内に入り 毛様体筋と瞳孔括約筋に分布する 2. 顔面神経延髄の上唾液核に始まり中間神経を経て顔面神経と合流する 膝神経節の位置で顔面神経から分かれ 大錐体神経やがて翼突管神経 ( 交感性の深錐体神経と合流 ) を経て翼口蓋神経節 pterygopalatine ggl に入り 節後線維として鼻腺や口蓋腺に達する また翼口蓋神経節から上顎神経 頬骨神経を経て涙腺神経を通り 涙腺に至る 鼓索神経 舌神経を経由して顎下神経節 submandibular ggl に至り 節後線維が顎下腺 舌下腺に至る 3. 舌咽神経延髄の下唾液核から起こって舌咽神経を通り ついで鼓室神経を通り 小錐体神経となり耳神経節 otic ggl に入る 節後線維は耳介側頭神経を通って耳下腺に達する 舌咽神経の途中にある上 下神経節には一般内臓性感覚神経の細胞体があり 感覚線維は舌後部 扁桃 咽頭 頚動脈洞 頚動脈小体に分布する 4. 迷走神経延髄の迷走神経背側核からの節前線維は気管 消化管に達し 疑核から起こった節前線維は心臓に達する 気管支枝は 気管枝後面で肺神経叢を形成し 肺門近傍にある神経節を経て節後線維は気管枝や気管細枝に分布する 消化管に分布するものは消化管壁内の神経節に達し節後線維を形成する 複数の ( 上頚 下頚 胸 ) 心臓枝は総頚動脈や腕頭動脈に沿って大動脈弓に至り 心臓神経叢に達し 心臓神経節 ( 副交感神経節 ) を経て節後線維として心臓に達する 迷走神経中にある上 下神経節には一般内臓性感覚神経の細胞体があり 感覚線維は咽頭 食道 心臓 気管気管支 胃 小腸 腎臓などに分布する 5. 仙骨神経第 2-4 仙骨神経の前枝から出る節前線維からなる骨盤内臓神経 pelvic splanchnic n. は 下下腹神経叢 ( 骨盤神経叢 ) を作り 神経叢内 ( 骨盤神経節 pelvic ggl) または臓器の壁中にある神経節で節後線維となり 骨盤内の臓器に分布する 仙骨神経の脊髄神経節には一般臓性求心性神経の細胞体が含まれ 結腸や骨盤内臓に分布する 末梢神経系各論

34 自律神経叢 autonomic plexus 胸腹部 骨盤部に分布する自律神経は直接臓器に分布するのではなく いったん神経叢 ( 自律神経叢 ) の形を取り 交感神 経と副交感神経が混合した神経線維の網目構造を作り 後に臓器に分布する 1. 胸部の神経叢 1 心臓神経叢 cardiac plexus 上中下頚心臓神経 ( 交感 ) からの節後線維と迷走神経 心臓枝 ( 副交感 ) からの節前線維 心臓神経節 cardiac ggl ( 迷走神経由来 副交感 ) とそこからの節後線維で形成される 浅部 ( 腹側 ) は大動脈弓の下で右肺動脈の前に位置し 左の上頚心臓神経 ( 交感 ) と左の下頚心臓枝 ( 迷走 ) が入り 右冠状動脈から右房 右室に分布する 深部 ( 背側 ) は大動脈弓の後ろで気管分岐部の前にあり右の上中下頚心臓神経と左の中下頚心臓神経 ( 交感 ) と 右の上頚 下頚心臓枝と左の上頚心臓枝 左右の胸心臓枝 ( 迷走 ) が入る 左冠状動脈から左房 左室に入る 更に胸神経節由来の交感神経も心臓神経として加わる 2 肺神経叢 pulmonary plexus 主気管支の前後に形成される 肺門の近傍に小さな神経節 ( 副交感性 ) がある 前の神経叢は心臓神経と心臓枝の他に上位胸神経節からの肺枝や反回神経からの枝により出来る 後の神経叢は迷走神経からの気管支枝を主体とし上位胸神経節からの肺枝が加わって出来る 末梢神経系各論

35 2. 腹部の神経叢 1 腹腔神経叢 celiac plexus, coeliac plexus 腹大動脈の前面に 大 小内臓神経 ( 交感 節前 ) と迷走神経 ( 副交感 節前 ) が絡み合って神経叢を作り 腹腔動脈の左右に大きな腹腔神経節 celiac ganglion と大動脈腎動脈神経節 ( 腹腔神経節の下部が離れている場合 ) ( 共に交感 ) が位置する さらに二次神経叢 ( 交感節後 副交感節前 ) が広がる 肝神経叢 肝動脈と門脈に沿う 胃神経叢 左に分布する部分 ( 前後の神経叢は主に迷走神経による ) 脾神経叢 脾動脈沿う 腎神経叢 腎動脈周囲にあり腎神経節を含む 尿管神経叢 尿管周囲に出来る 精巣動脈神経叢 精巣動脈に沿って出来る 卵巣動脈神経叢 卵巣動脈に沿って出来る 2 上腸間膜動脈神経叢 superior mesenteric plexus 腹腔神経叢の続きとして見られ 上腸間膜動脈神経節 ( 交感 ) を含み 上腸間膜動脈に沿い膵臓や小腸結腸に分布する 3 下腸間膜動脈神経叢 inferior mesenteric plexus 下腸間膜動脈神経節 ( 交感 ) を含む 下腸間膜動脈に沿って分布し 結腸に分布する 末梢神経系各論

36 3. 骨盤部の神経叢 1 上下腹神経叢 superior hypogastric plexus 大動脈分岐部から岬角付近に広がり 腹部の神経叢の続きと腰内臓神経から出来る 下腹神経が下下腹神経叢との間をつなぐ 主に交感性の神経叢であり 小さな交感神経節を含む 副交感神経成分は下下腹神経叢から下腹神経を経由する 尿管神経叢 精巣動脈神経叢 卵巣動脈神経叢などに枝を送る 2 下下腹神経叢 inferior hypogastric plexus ( 骨盤神経叢 pelvic plexus) 小骨盤壁と内臓の間で 腹膜外の結合組織中にある 多数の小さな骨盤神経節を含み 交感神経と副交感神経の神経節として働く 交感神経節前線維は 腰神経由来の下腹神経 hypogastric n. と 骨盤部の交感神経幹 ( 仙骨神経節 S4が主体 ) に由来する仙骨内臓神経 sacral splanchnic n. よりなり 骨盤神経節で節後線維となる 副交感神経節前線維は 骨盤内臓神経 (pelvic splanchnic n. 勃起神経 仙髄由来の副交感神経 S2~S4) を通り 骨盤神経節や臓器中の神経節に達し節後線維を作る さらに二次神経叢を形成する 中直腸動脈神経叢 中直腸動脈に沿って直腸に分布 膀胱神経叢 膀胱動脈に沿い 膀胱や精管に分布する 前立腺神経叢 前立腺などの精路付属線 海綿体などに分布 子宮膣神経叢 子宮広間膜中に分布し 副交感性の神経節を含む 子宮 膣 卵管 卵巣に分布 末梢神経系各論

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