. エネルギーギャップとrllouゾーン ブリルアン領域,t_8.. 周期ポテンシャル中の電子とエネルギーギャップ 簡単のため 次元に間隔 で原子が並んでいる結晶を考える 右方向に進行している電子の波は 間隔 で規則正しく並んでいる原子が作る格子によって散乱され 左向きに進行する波となる 波長 λ が の時 r の反射条件 式を満たし 両者の波が互いに強め合い 定在波を作る つまり 式 式を満たす波は 進行波としては存在しない 禁止されているのである エネルギーバンド λ λ,, L 許容帯 λ 図 : 次元の r 反射 ϕ ϕ 定在波は 式で表され その確率密度は 5 6 式で示される ϕ cos cos ϕ s s ϕ cos 5 ϕ s 6 禁止帯 禁止帯 禁止帯 許容帯 禁止帯 図 : 周期ポテンシャルによるエネルギーギャップの発生.. ブロッホ関数とブリルアンゾーン 領域 ブロッホ関数を 7 式に示す ブロッホ関数は自由電子の波動関数 r が 結晶格子の周期性を持つ関数で変調された形をしている r ψ r u r 7 次元に書き直すと u r u r t 8 ψ u 9 u u t : 任意の基本格子並進ベクトルただし L 許容帯
ところで 位置 から基本格子分 次元の場合は変位 ずれた場所での波動関数は 式となる ψ u u ψ ψ ψ ここで ψ ψ u と置く 式に示すように 波動関数の位相差に変化はない つまり を任意に ずらして ± の範囲に移動できることを意味する これを第一ブリルアンゾーンという L L.. 周期ポテンシャル中の電子の電気伝導 ~ 金属 半導体 絶縁体 ~ 周期ポテンシャルエネルギーギャップエネルギーバンド 金属 個の状態数半導体 絶縁体 図 : 第一ブリルアンゾーン 図 : 周期ポテンシャルによる金属 半導体 絶縁体の違い
.. 群速度と有効質量 物体の電気伝導を考える時 いくつかの電子に伴う波を重ね合わせた波束を点電荷として扱う そのときの電子の速度は群速度 v となる v dω d Q ω d d d d 自由電子の場合 エネルギーは v d d d d d d 周期ポテンシャルによるエネルギーギャップ定在波の違いによる 5 v 7 となって 古典力学の概念と一致する ここで 負の質量について考察する にいる電子が満たす運動方程式は と表せるので 6 となって 電界とは逆向きに加速されることがわかる dv >, > dt 8 v r 反射が起こる波数 では 速度がゼロとなり 波が進行しないことを示す また その周辺でも影響を受けている 一方 上部にいる電子が満たす運動方程式は dv dt dv <, > >, > dt となって マイナス同士が打ち消すと考えれば 正の電荷を持った粒子が電界と同じ向きに加速されることがわかる 電界と同とる これを正孔という 9 の上部で 質量が負になるエネルギー状態がある 散乱された時に 進む向きが逆になる 図 5: 周期ポテンシャル中のエネルギー 群速度 有効質量
. 真性半導体と不純物半導体.. 半導体概要 半導体のエネルギーバンドは ほとんど満たされたと ほとんど空の伝導体とからなり そのバンドギャップは約 以下である そのため 絶対零度では 導電率は絶縁体的となり 高温では相当に大きくなって 金属の値に近づく 室温では 半導体の導電率は 金属と絶縁体の中間の値をとり ~ - [Ωc] である G は s なる混成軌道を作り 原子価が となる この電子は 結合の手となり 隣り合うつの原子と共有結合する ホール.. 真性半導体のキャリア密度とフェルミ準位 図 6: 真性半導体のキャリア 伝導電子 ~. << ~ G のような 不純物を含まない半導体を真性半導体という この物質の温度を上昇させ熱エネルギーを与えると の電子は伝導体を与えるとに励起される 伝導体に励起された電子は自由電子の様に振る舞い電気伝導に寄与する 一方 にできた電子の抜け穴 正孔 or ホール もまた電気伝導に寄与する このように 真性半導体では 電子数密度 と 正孔数密度 が等しい また 電子とホールを区別なくキャリアと呼ぶ 電子 ホールとも電気伝導に寄与するため 導電率は それぞれを足し合わせた形となる σ σ σ μ μ μ μ Q 次に 電子数密度を求める 伝導体の上端 f d 式を計算する際に 以下の二つの近似を用いる 近似 >> とき f.. fm.. 近似 の増加につれて f は急速にゼロに近づくので 積分の上限を に置き換えても誤差は少ない フェルミ準位 f -f 図 7: 真性半導体の エネルギーバンド b 状態密度 c フェルミ分布関数 d キャリア数密度 f -f f キャリア数密度 b c d
d d d f 伝導体の上端 5 イメージを表示できません メモリ不足のためにイメージを開くことができないか イメージが破損している可能性があります コンピュータを再起動して再度ファイルを開いてください それでも赤い が表示される場合は イメージを削除して挿入してください 6 d d より と置くと ここで 6 7 7 8 9 d d 8 9 9 d の性質を利用する ここで ガンマ関数 - - d d - - - - d d f ここで 5 6 : における実効状態密度 ここで 5 7 式を見比べるとわかるように 伝導電子の下端 に 個の状態が集中していると考えて計算したのと同等である : 伝導体における実効状態密度 : における実効状態密度 6 7 式を見比べるとわかるように 伝導電子の下端 に 個の状態が集中していると考えて計算したのと同等である
6 式より Q また 真性半導体では の電子が励起されて伝導電子になり これと同数の正孔がに残るので となり これを 真性密度 と置けば となる さらに から 8 9 l l 5 9 5 l l 5 l となって 右辺第 が禁制帯の中央の値を示しており 第 項がそこからのずれ分を示している 通常 第 項は第 項に比べて非常に小さいので無視するとフェルミエネルギー は禁制帯の中央にあることがわか 5 で無視すると フェルミエネルギ は禁制帯の中央にあることがわかる
.. 不純物半導体概要 P ドナー電子 図 8: 不純物 型 半導体の概念図 この場合 P をドナーと呼ぶ f ドナー準位 正に帯電し動かない -f 図 9: 型性半導体の エネルギーバンド b 状態密度 c フェルミ分布関数 d キャリア数密度 f -f f キャリア数密度 b c d ホール 負に帯電し動かない f f アクセプタ準位 A -f -f 図 : 不純物 型 半導体の概念図 この場合 をアクセプタと呼ぶ f キャリア数密度 b c d 図 : 型半導体の エネルギーバンド b 状態密度 c フェルミ分布関数 d キャリア数密度
.. 不純物半導体のキャリア密度とフェルミエネルギー A A 伝導体 の実効状態密度はそれぞれ である また ドナー密度 アクセプタ密度を A とする ドナー準位 アクセプタ準位でのフェルミディラック分布則は そのままの形では使用できず 以下のようになる 個の電子しか収容できないため f _ 5 { } f _ A A { A } 55 型半導体を考える A << であり 個のドナー電子のいくつかはアクセプタに落ちており さらに 個の電子が伝導体に励起されているとする ドナー準位には この電子が励起されずに残っているとすると 56 A 型半導体であるので A << >> であるので 57 となる { } { } { } { } { } 58 59 6 6 式より { } また Δ とすると Δ 6 6
... 不純物領域 温度が非常に低い場合 温度が非常に低い場合 << であるので Δ Δ 6 温度上昇と共に 電子密度は 的に増加することがわかる また 式を 6 式に代入して を求めると { } { } l l l l 65 絶対零度では はドナー準位 と伝導体の底 の中間にある 温度上昇と共に 減少する 飽和領域温度がある程度低場合... 飽和領域 温度がある程度低い場合 ドナー準位の電子がすべて伝導体に励起されている領域であるので となって一定値となるまた 式より 66 式を用いて を求めると 66 l l l l となって 一定値となる また 式より 66 式を用いて を求めると 67 度上昇減す温度上昇と共に は減少する... 真性領域 温度が高い場合 温度が高い場合 から伝導体に励起される電子が急激に増加し となって 真性半導体と同じ事になる よって し となって 真性半導体と同じ事になる よって は禁制帯の中央に移動していく 68