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銀河系内のダストによる減光について 研究者名 : 済藤祐理子 担当教諭 : 湯川歩. 研究目的昨年 東京大学木曽観測所で行われた銀河学校 2005に参加し 銀河系で アームと呼ばれる銀径 223 方向 ( 図 ) の G 型星 ( 太陽型の星 ) を選び出し その密度を求めた しかし その時距離にかかわらず密度が一定になると推測していたが 実際は距離が遠くなるにつれて密度が減少している事が分かった その後銀河学校で出た結果に対して疑問を持ち このよ [ 図 ] 銀径 223 うな結果になったのは 銀河系内のダストにより光が吸収されているからではないかと考え そうであるとしたらG 型星の光がダストによってどれくらい減光しているかを調べる研究を行った ( 共同研究 : 森下樹里, 長野県教育委員会主催第一回プレゼンテーションコンクールに参加 ) そこで 今回の研究では今までの研究の結果をさらに発展させ 新たな視点として光の色によってダストによる吸収のされ方が異なる事も考慮して ダストが及ぼす影響を調べることにした 2. 研究方法 () 銀河学校において V-bnd( 緑色のフィルター ) で観測した標準星 ( 標準星とは 距離と明るさが分かっている星のこと ) のカウント ( 星の明るさを数値化したもの ) が00 光年で50000カウントであった事と G 型星のB/V 比 (B-bndのカウントをV-bndのカウントで割った値 B/Vを計算することによって その星がどれくらい青いか つまりその星の色が分かる ) を0.85~0.9と仮定したことをもとに B-bnd( 青色のフィルター ) で観測した場合の標準星の00 光年でのカウントの範囲を求める 計算した結果 B-bndでの標準星の00 光年でのカウントの範囲は275000~365000となった (2) G 型星のV-bndの光が 00 光年につき5%,0%,5% カットされると考えた場合のV-bndと B-bndの00 光年ごとのカウントを求め B/V 比を求める この時 ダストは赤い光よりも青い光をより吸収し B-bndは ダストによる吸収がV-bndの約.33 倍である (*) 事を考慮して求める 以下に G 型星のV-bndの光が00 光年につき0% カットされると考えた場合を例にとり カウントの求め方を述べる ダストによる影響を考える [ 図 2] 例えば00 光年の距離に 明るさがの星があるとする ダストなし宇宙空間に何も無い場合は の明るさがそのまま見える ダストありしかし ダストによって光が 0.9 0% カットされると の明るさだった星は0.9の明るさに 0.8 0.9 見えてしまう さらに距離を 2 倍にすると 00 光年で0.9 になってしまうのだから 0.9 2 の明るさが見える事になる ( 図 2) 8-

2 距離による影響を考える例えば距離がの時 光はの面積を照らす しかし 距離が2 倍になると4 倍の面積を照らす事になるので 単位面積あたりの明るさは/4になってしまう ( 図 3) [ 図 3] 3 カウントを求める式これまでの事を考慮すると カウントを求める式は以下のようになる 2 距離 500000 00 00 0.9 2 0.9 距離ただし この式はV-bndの光が0% カットされた場合なので 5% や5% カットされる場合は この式の0.9の部分を0.95や0.85にすればよい また B-bndのカウントはV-bndのカウントが0% カットに対して その.33 倍の 3.3% カットになるので 上の式の0.9の部分を0.867にする事で同じように計算することができる (3) 実際に銀径 223 方向を観測し 画像処理ソフトmkliiを用いて測光したカウントをもとに 測光したすべての星についてB/V 比を求める ( 観測データは東京大学木曽観測所からお借りした ) (4) V-bndのカウントを基準にし (2) で計算によって求めたカウントと (3) で測光により求めたカウントを対比して 観測した星の大まかな距離を求める (5) (3) のB/V 比を (4) で求めた距離ごとに (2) のB/V 比と照らし合わせて (2) のB/V 比の範囲に当てはまるもの (=G 型星 ) を選び その数を500 光年ごとの領域に区切って数える (6) 観測した領域の体積を 500 光年ごとの領域に区切って求める 体積の求め方観測領域は下のようになっている ( 図 4) [ 図 4] 観測する星 [ 図 5] 視野 星までの距離 この円の中心が望遠鏡 望遠鏡によって異なるが 望遠鏡には見える範囲の限界 ( 視野 ) がある つまり実際に見える範囲というのは視野で決まる事になる 今回は東京大学木曽観測所の05cmシュミット望遠鏡で得た画像をもとに研究しているため 視野は5/6 度である また この図では底面の 辺はカーブしているが 実際には星までの距離は非常に長いため 直線と見なす事ができる そこで 観測領域は四角錐であると考え 体積を求める ( 図 5) すると 四角錐の体積は底面の面積 距離 /3で 底面の四角形の一辺の長さは以下のようになる 2 距離 π 5 360 6 8-2

よって 観測した領域の体積を求める式は以下のようになる 2 2 距離 π 5 距離 360 6 3 この式をもとに 500 光年ごとの領域に区切った体積を求める (7) 密度 = 個数 / 体積である事から 500 光年ごとのG 型星の密度を求め ( 図 6) グラフ化する [ 図 6] 500 光年 500 光年 500 光年 3. 結果当初 5% 0% 5% を求める予定であったが 5% と0% を求めた時点で 5% よりも5% と0% の間の所を詳しく調べる必要があると判断したため 5% は調べなかった 5%cutの場合 20%cutの場合 0. 5%cut 500 光年ごと 500 000 500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 5500 0. 0%cut 500 光年ごと 500 000 500 2000 2500 3000 3500 0.0 0.0 0.00 0.00 0.000 0.000 0.0000 0.0000 0.00000 0.00000 0.000000 0.000000 傾きは緩やかではあるが 距離が遠くなる 途中傾きが水平に近い部分があるが 全体的 につれて密度が減っている (G 型星は6 個 ) に見ると傾きがある (G 型星は38 個 ) 3 6%cutの場合 47%cutの場合 6%cut 500 光年ごと 7%cut 500 光年ごと 0. 500 000 500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 0. 500 000 500 2000 2500 3000 3500 4000 0.0 0.00 0.0 0.000 0.00 0.0000 0.000 0.00000 0.0000 0.000000 0.00000 4000 光年辺りまでは傾きがかなり緩やか 全体的に密度が減っている (G 型星は44 個 ) な線になっている (G 型星は55 個 ) 8-3

5 8%cut の場合 0. 0.0 0.00 0.000 8%cut 500 光年ごと 500 000 500 2000 2500 3000 0.0000 0.00000 0.000000 途中グラフが右上がりになる部分もあるが 全体的に見ると減っている (G 型星は52 個 ) 4. 考察 () ダストによる光の吸収について結果のグラフより 6% カットの場合のグラフが一番傾きが緩やかで水平に近いグラフになっている事から 銀径 223 方向においての00 光年ごとのダストによる光の吸収は V-bndが6% カット B-bndが7.98% カットであると考えられる (2) G 型星の密度について ダストによる光の吸収が6% とした時の 銀径 223 方向のG 型星の密度を求める 密度が極端に減っている4500 光年をのぞく500 光年 ~4000 光年の密度を平均すると約 0.00006 個 / 光年 3 になる よって 銀径 223 方向のG 型星の個数密度は.6 0-5 個 / 光年 3 であると言える さらにこの事から G 型星同士の平均距離を求める事ができる 密度.6 0-5 個 / 光年 3 は言い換えれば62500 光年 3 に 個のG 型星があるという事になる すると G 型星同士の距離は62500 光年 3 の立方体の 辺の長さと等しくなる 3 62500 39.685なので 銀径 223 方向のG 型星同士の平均距離はおよそ39.7 光年であると言える ( 図 7) 62500 光年 3 [ 図 7] 39.7 光年 39.7 光年 39.7 光年 39.7 光年 (3) 色の補正を加えた場合と加えない場合の違いについて色の補正を加えない場合は 距離に関係なくG 型星のB/V 比は常に一定であるという事になる つまり 今回の場合 G 型星を選ぶ際に 観測したすべての星のB/V 比の中から0.85~0.9の範囲にあるものをG 型星とする事になる それに比べて 色の補正を考える場合は 距離によってG 型星のB/V 比は異なる 今回の場合で言うと 基準となるのは00 光年の距離でG 型星のB/V 比は0.85~0.9であるが V-bndもB-bnd も00 光年ごとにダストによる吸収があるためカウントが小さくなっていく そのカウントからB/V 比を求めるため G 型星のB/V 比の値は00 光年ごとに異なった値になる すると 色の補正を考える場合 観測したすべての星について距離とB/V 比を求め そのB/V 比がその距離におけるB/V 比の範囲内にあるものをG 型星とする事になる 8-4

対比した結果 色の補正を加えた場合と加えない場合とでは G 型星の数や密度に違いが出た なお 密度はともに4000 光年までの平均値とした (ⅰ) 色補正あり (ⅱ) 色補正なし G 型星の個数 55 個 G 型星の個数 222 個密度.6 0-5 個 / 光年 3 密度 6.5 0-5 個 / 光年 3 色あり 6%cut 500 光年ごと 色なし 6%cut 500 光年ごと 0. 500 000 500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 0. 500 000 500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 0.0 0.0 0.00 0.000 0.0000 0.00000 0.000000 0.00 0.000 0.0000 0.00000 0.000000 グラフの傾きに大きな違いが出たわけではないが 色の補正ありとなしで違いが出たという事は 色によって何らかの影響がある つまりダストによる吸収を考える際には 色により吸収のされ方が異なることを考慮する事で より正確な結果を導く事ができると考えられる (4) ダストの個数密度についてダストによる光の吸収が6% であるとした時 銀径 223 方向のダストの個数密度を求める 星の光が まっすぐに 直径 D[km] の 円柱状に進むとする この円柱の中に半 径 [km] のダスト ( 今回はダストは球形 であると仮定する ) が 密度 P[ 個 /km 3 ] あ るとする さらにこのダストは真っ黒で ダストに当った光は吸収されてしまうとする (*) この光が00 光年進む場合 つまり長さ00 光年 (= 0 5 [km]) の円柱を考える ( 図 8) D[km] 00 光年 この円柱の体積から この円柱の中に入ってくるダストの個数 Nは P=N/ 体積であるから P=N/{(D/2) 2 π 0 5 } =N/{(2.5 0 4 )D 2 π} よって N=(2.5 0 4 )PD 2 π また ダストはきわめて小さいので 円柱を円方向から覗いた 時に ダスト同士は重ならないとする ( 図 9) すると 覗いた時に見えるダストの数は円柱に含まれるダストの数 Nと同じになる 光全体は 直径 Dの円の範囲を通ってくる ので もしこのダストが覆い隠す面積が直径 Dの円の面積と同じならば 光は00% ダストに吸収され 面積が半分ならば光は50% ダストN 個の面積 = 直径 Dの円の面積の6% 吸収されるという事になる 今回 ダストによる吸収は6% だった ので ダストが覆い隠す面積は直径 Dの円の面積の6% という事になる これらを式にすると ダスト 個の面積は 2 π であるから ダストN 個の面積は N 2 π 2 8-5 [ 図 8] 光 [ 図 9] N 個 ( 密度 P[ 個 /km 3 ])

また 直径 Dの円の面積の 6% がダストで覆われるから (D/2) 2 π 0.06 =(0.03D 2 π)/2 3 2と3は等しいはずだから N 2 π=(0.03d 2 π)/2 この式の Nの部分にを代入して (2.5 0 4 )PD 2 π 2 π=(0.03d 2 π)/2 (5.0 0 4 )P D 2 2 π 2 =0.03D 2 π (5.0 0 4 )P 2 π=0.03 よって P=0.03/{(5.0 0 4 ) 2 π} 4 ダストの半径 を μm(= 0-9 km) とする (*) と これを4 式の 2 に代入し π=3.4として計算すると ダストによる吸収が6% である時のダストの個数密度は 9. 個 /km 3 である事が分かった さらに この事から ダスト同士の平均距離を求める事ができる 密度 9. 個 /km 3 =9. 0-9 個 /m 3 だから これを言い換えると 52356020m 3 に 個のダストがあるという事になる すると ダスト同士の距離は 52356020m 3 の立方体の 辺の長さと等しくなる 3 52356020 374.0であるから 銀系 223 方向のダスト同士の平均距離はおよそ374mであると言える また km 3 の立方体にダストが占める体積の割合も求められる 球の体積 V=(4/3)πr 3 であるから ダスト 個の体積は (4/3)π (0-9 ) 3 km 3 となる 今回の場合 km 3 あたりに9. 個の星があると分かったので ダスト9. 個の体積は 9. (4/3)π (0-9 ) 3 8.0 0-26 km 3 となる よって km 3 の立方体にダストが占める体積の割合は 0.000000000000000000000008%(=8.0 0-24 %) と言える 5. 今後の課題 () 今回の研究を行う際に 銀系 223 方向の星の密度は一定であるとか G 型星のB/V 比の範囲は 0.85~0.9など 様々な仮定をして結果を求めたが これらの仮定が本当に正しいと言えるかどうかを確かめる必要がある (2) 今回は G 型星とダストの個数密度を求めたが G 型星とダストが宇宙空間においてどれぐらいの重さがあるのかを知るために G 型星とダストの重さ密度を計算してみたい (3) この研究の結果をさらに正確にするため V-bnd B-bndに加え R-bnd( 赤色のフィルター ) も加えてやり直してみたい 6. 研究を終えて私は今回の研究をやって 今までに行った研究の結果で確かめたかった事や 宇宙に関する事を研究する際の考え方など 今まで知らなかった事をたくさん知ることができました 特に一番感動した事は 宇宙は遠くて 簡単には行くことができないような所なのに たった2 枚の星空の写真から銀河系内に漂うガスや塵がどれくらいあるかを計算によって推測できた事でした これからさらに勉強して もっともっと宇宙の事を知りたいと思いました また 今回の研究でも課題が残ったので これで終わりにしないように さらに継続して研究を行っていきたいと思います 7. 謝辞今回の研究にあたっては 東京大学木曽観測所から銀河学校 2005の観測データをお借りする事ができました また 研究を進める過程で東京大学木曽観測所の方々に大変お世話になりました とりわけ 宮田隆志先生には 研究の進め方についてご指導頂き 疑問点についても色々と教えて頂きました 尚 本文中の (*) の部分は 宮田先生のご教示によるものです 本当にありがとうございました 8-6