交流 のための三角関数 1. 次の変数 t についての関数を微分しなさい ただし A および ω は定数とする 1 f(t) = sin t 2 f(t) = A sin t 3 f(t) = A sinωt 4 f(t) = A cosωt 2. 次の変数 t についての関数を積分しなさい ただし

Similar documents
2. コンデンサー 極板面積 S m 2, 極板間隔 d m で, 極板間の誘電率が ε F/m の平行板コンデンサー 容量 C F は C = ( )(23) 容量 C のコンデンサーの極板間に電圧をかけたとき 蓄えられる電荷 Q C Q = ( )(24) 蓄えられる静電エネルギー U J U

Microsoft PowerPoint - 基礎電気理論 07回目 11月30日

第1章 様々な運動

Microsoft PowerPoint - 04.誘導起電力 [互換モード]

ÿþŸb8bn0irt

RLC 共振回路 概要 RLC 回路は, ラジオや通信工学, 発信器などに広く使われる. この回路の目的は, 特定の周波数のときに大きな電流を得ることである. 使い方には, 周波数を設定し外へ発する, 外部からの周波数に合わせて同調する, がある. このように, 周波数を扱うことから, 交流を考える

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

Microsoft Word - H26mse-bese-exp_no1.docx

ÿþŸb8bn0irt

s と Z(s) の関係 2019 年 3 月 22 日目次へ戻る s が虚軸を含む複素平面右半面の値の時 X(s) も虚軸を含む複素平面右半面の値でなけれ ばなりません その訳を探ります 本章では 受動回路をインピーダンス Z(s) にしていま す リアクタンス回路の駆動点リアクタンス X(s)

物理演習問題

F コンデンサーの静電容量高校物理において コンデンサーは合同な 2 枚の金属板を平行に並べたものである 電池を接続すると 電圧の高い方 (+ 極 ) に接続された金属板には正の電気量 Q(C) が 低い方には負の電気量 -Q(C) が蓄積される 正負の電気量の絶対値は等しい 蓄積された電気量 Q

s とは何か 2011 年 2 月 5 日目次へ戻る 1 正弦波の微分 y=v m sin ωt を時間 t で微分します V m は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y=v m sin u u=ωt と置きますと dy dt dy du du dt d du V m sin u d dt

PowerPoint プレゼンテーション

ÿþŸb8bn0irt

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

Microsoft PowerPoint EM2_15.ppt

( 全体 ) 年 1 月 8 日,2017/1/8 戸田昭彦 ( 参考 1G) 温度計の種類 1 次温度計 : 熱力学温度そのものの測定が可能な温度計 どれも熱エネルギー k B T を

Taro-F25理論 印刷原稿

Q

Microsoft PowerPoint EM2_15.ppt

平面波

<8AEE B43979D985F F196DA C8E323893FA>

Microsoft PowerPoint - 複素数.pptx

Microsoft Word

スライド 1

スライド 1

多次元レーザー分光で探る凝縮分子系の超高速動力学

人間科学部研究年報平成 24 年 (1) (2) (3) (4) 式 (1) は, クーロン (Coulomb) の法則とも呼ばれる.ρは電荷密度を表し,ε 0 は真空の誘電率と呼ばれる定数である. 式 (2) は, 磁荷が存在しないことを表す式である. 式 (3) はファラデー (Faraday)

スライド 1

反射係数

2009 年 11 月 16 日版 ( 久家 ) 遠地 P 波の変位波形の作成 遠地 P 波の変位波形 ( 変位の時間関数 ) は 波線理論をもとに P U () t = S()* t E()* t P() t で近似的に計算できる * は畳み込み積分 (convolution) を表す ( 付録

数学 t t t t t 加法定理 t t t 倍角公式加法定理で α=β と置く. 三角関数

Microsoft PowerPoint - ›žŠpfidŠÍŁÏ−·“H−w5›ñŒÚ.ppt

スライド 1

木村の物理小ネタ 単振動と単振動の力学的エネルギー 1. 弾性力と単振動 弾性力も単振動も力は F = -Kx の形で表されるが, x = 0 の位置は, 弾性力の場合, 弾性体の自然状態の位置 単振動の場合, 振動する物体に働く力のつり合

Microsoft Word - 微分入門.doc

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx

基礎から学ぶ光物性 第2回 光が物質中を伝わるとき:

Chap2.key

DVIOUT

大阪大学物理 8 を解いてみた Ⅱ. 問 ( g cosq a sin q ) m - 台 B 上の観測者から見ると, 小物体は, 斜面からの垂直抗力 N, 小物体の重力 mg, 水平左向きの慣性力 ma を受け, 台 B の斜面と平行な向きに運動する したがって, 小物体は台 B の斜面に垂直な方

高校卒程度技術 ( 電気 ) 専門試験問題 問 1 次の各問いに答えなさい なお 解答欄に計算式を記入し解答すること 円周率 π は 3.14 で計算すること (1)40[Ω] の抵抗に 5[A] の電流を流した時の電圧 [V] を求めなさい (2) 下の回路図においてa-b 間の合成抵抗 [Ω]

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

<4D F736F F D B4389F D985F F4B89DB91E88250>

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

DVIOUT

補足 中学で学習したフレミング左手の法則 ( 電 磁 力 ) と関連付けると覚えやすい 電磁力は電流と磁界の外積で表される 力 F 磁 電磁力 F li 右ねじの回転の向き電 li ( l は導線の長さ ) 補足 有向線分とベクトル有向線分 : 矢印の位

スライド 1

Microsoft Word - 素粒子物理学I.doc

AK XK109 答案用紙記入上の注意 : 答案用紙のマーク欄には 正答と判断したものを一つだけマークすること 第一級総合無線通信士第一級海上無線通信士 無線工学の基礎 試験問題 25 問 2 時間 30 分 A 1 図に示すように 電界の強さ E V/m が一様な電界中を電荷 Q C が電界の方向

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

スライド 1

電磁気学 IV 第 7 回導体内の電磁界 表皮効果 ( 電磁気ノート19 章を参照 ) 工学部電気電子工学科松嶋徹 授業のスケジュール ( 順番変更 ) 6 月 12 日 ( 第 1 回 ) 電磁気学的な量 一般直交座標におけるベクトル演算 6 月 14 日 ( 第 2 回 )

第1章 単 位

3 数値解の特性 3.1 CFL 条件 を 前の章では 波動方程式 f x= x0 = f x= x0 t f c x f =0 [1] c f 0 x= x 0 x 0 f x= x0 x 2 x 2 t [2] のように差分化して数値解を求めた ここでは このようにして得られた数値解の性質を 考

領域シンポ発表

(Microsoft Word - PLL\203f\203\202\216\221\227\277-2-\203T\203\223\203v\203\213.doc)

ディジタル信号処理

Microsoft PowerPoint - 第9回電磁気学

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 実験2_p1-12キルヒホッフ(第17-2版)P1-12.doc

第9章

スライド 1

c 2009 i

重要例題113

<4D F736F F D20824F B CC92E8979D814696CA90CF95AA82C691CC90CF95AA2E646F63>

Microsoft Word - 2_0421

vecrot

スライド 1

有機4-有機分析03回配布用

線積分.indd

07 年度センター試験物理 問 5 ウ 気温が低くなるほど音速は遅くなるので, 上空より地表のほうが音速は遅い エ 地表から斜め上方に出た音波は, 屈折の法則より音速が大きいと屈折角も大きくなるの で, 大きく地表に向かって曲がっていく したがって, 遠くの地表面上に届きやすくなる ( 答 ) 5

Microsoft Word - t32_吉岡.doc

Microsoft Word - note02.doc

Microsoft Word - 1.2全反射.doc

DVIOUT-SS_Ma

スライド 1

物性基礎

DVIOUT-波

SPring-8ワークショップ_リガク伊藤

Microsoft PowerPoint - H21生物計算化学2.ppt

4.6: 3 sin 5 sin θ θ t θ 2t θ 4t : sin ωt ω sin θ θ ωt sin ωt 1 ω ω [rad/sec] 1 [sec] ω[rad] [rad/sec] 5.3 ω [rad/sec] 5.7: 2t 4t sin 2t sin 4t

<4D F736F F F696E74202D20836F CC8A C58B858B4F93B982A882E682D1978E89BA814091B28BC68CA48B E >

<4D F736F F F696E74202D E8EA58FEA82C982E682E997CD82C68EA590AB91CC>

<4D F736F F D2091E631348FCD B838A83478B C982E682E982D082B882DD946782CC89F090CD2E646F63>

自然現象とモデル_ pptx

物性物理学 I( 平山 ) 補足資料 No.6 ( 量子ポイントコンタクト ) 右図のように 2つ物質が非常に小さな接点を介して接触している状況を考えましょう 物質中の電子の平均自由行程に比べて 接点のサイズが非常に小さな場合 この接点を量子ポイントコンタクトと呼ぶことがあります この系で左右の2つ

Microsoft Word - 付録1誘導機の2軸理論.doc

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

<4D F736F F D20819A B826289F CC8EC08CB C CB48D BA89FC92F994C5385F E A2E646F63>

木村の物理小ネタ ケプラーの第 2 法則と角運動量保存則 A. 面積速度面積速度とは平面内に定点 O と動点 P があるとき, 定点 O と動点 P を結ぶ線分 OP( 動径 OP という) が単位時間に描く面積を 動点 P の定点 O に

RMS(Root Mean Square value 実効値 ) 実効値は AC の電圧と電流両方の値を規定する 最も一般的で便利な値です AC 波形の実効値はその波形から得られる パワーのレベルを示すものであり AC 信号の最も重要な属性となります 実効値の計算は AC の電流波形と それによって

em2_mat18-01

PowerPoint プレゼンテーション

物性物理学I_2.pptx

パソコンシミュレータの現状

スライド 1

p tn tn したがって, 点 の 座標は p p tn tn tn また, 直線 l と直線 p の交点 の 座標は p p tn p tn よって, 点 の座標 (, ) は p p, tn tn と表され p 4p p 4p 4p tn tn tn より, 点 は放物線 4 p 上を動くこと

Transcription:

交流 のための三角関数 1. 次の変数 t についての関数を微分しなさい ただし A および ω は定数とする 1 f(t) = sin t 2 f(t) = A sin t 3 f(t) = A sinωt 4 f(t) = A cosωt 2. 次の変数 t についての関数を積分しなさい ただし 積分定数を 0 とすること 1 f(t) = sin t 2 f(t) = A sin t 3 f(t) = A sinωt 4 f(t) = A cosωt 3. 次の計算をしなさい ただし 2 および 3 は二倍角の公式を用い sin2t または cos2t を用いて表すこと 1 sin 2 t + cos 2 t 2 sin t cos t 3 sin 2 t 4 A sin t + B cos t( 三角関数の合成 ) 交流 電圧と電流が変動して相互に向きが変わる電気を ( ) という 交流の発生

発電所の交流発電機は 次のような原理で交流の電圧を発生させている 一様な磁界 ( 磁束密度 B[T]) 中に面積 S[m 2 ] 巻数 N のコイルを置く 時刻 t=0[s] において コイルの面が磁界 と垂直 ( コイルの法線と磁界が同じ向き ) であるとすると コイルを貫く磁束 Φ[Wb] は Φ=( 表される このコイルを一定の角速度 ω[rad/s] で回転させる t[s] 後のコイルの面の法線は 磁界に対して角度 ( ) だけ傾いているので 時刻 t においてコイルを貫く磁束 Φ(t)[Wb] は Φ(t) = ( ) と表される 磁束が時間変化するので 電磁誘導の法則により コイルには誘導起電力 V(t)[V] = N ΔΦ Δt が発生する Φ(t) を t で微分すると V(t) = ( ) = ( ) と表される ただし V0 = ( ) は起電力の最大値を表す コイルの角速度 ω を 交流の ( ) といい f = ω/2π を交流の ( ) という ( 単位 : ヘルツ [Hz]) f を用いて 交流の周期 T[s] は T = ( ) と表される 交流発電機から電流を取り出すと コイルはその運動と逆向きに力を受けるため コイルを回転させ続けるため には 外から力を加え続けて仕事をしなければならない ( エネルギーの変換 ) エネルギー源として 火力 ( 熱エ ネルギー ) 水力 風力 ( 力学的エネルギー ) 原子力 ( 核エネルギー ) などが用いられている ) と 抵抗を流れる交流と実効値 図のように 交流電源に抵抗 R[Ω] を接続する 交流電源の電圧 V(t)[V] が 正弦関数を用いて V(t) = V0 sinωt (1) のように変化するとき オームの法則より 抵抗 R を流れる電流 I(t) は

= ( ) (2) のように変化する ただし I0 = ( ) は電流の最大値を表す (1),(2) より 電圧と電流は同じように時間変化する これを ( ) が一致しているという このとき 抵抗の消費電力 P(t)[W] は P (t) = V(t) ここで 三角関数の公式 を用いると P (t) = ( ) sin 2 θ = 1 (1 cos2θ) 2 と表されるが cos2ωt を十分長い時間 t について平均すると 0 だから 電力 P(t) の時間平均 P [W] は P = ( ) = ( ) = ( ) となる ここで I e I, 2 V 0 V 0 e とおくと P は Ie Ve を用いて 2 P = ( ) = ( ) = ( ) と表される Ie Ve をそれぞれ 交流の電流や電圧の ( や V(t) を 交流の ( ) という Ie と Ve との間には オームの法則と同様 ( ) の関係が成り立つ 抵抗の発熱量 Q[J] は P および時間 t[s] を用いて Q = ( ) と表される ) という それに対して 各瞬間の電流や電圧の値 I(t) 練習 ) 電圧 電流が (1) (2) のように時間変化するとき V(t) および I(t) のグラフをかけ ただし 周期 T=2π/ω とする V(t),I(t) V 0 I 0 T/2 T t

問題 ) 時刻 t[s] における電圧が V(t) = 42 sin( 6.28 t )[V] のように変化する交流電源を 10 [Ω] の抵抗に接続した (1) 交流の周期 周波数 角周波数をそれぞれ求めよ (2) 抵抗を流れる電流の最大値 最小値および実効値をそれぞれ求めよ コンデンサを流れる交流 電気容量 C[F] のコンデンサに V(t) = V0 sinωt で時間変化する電圧 V(t)[V] を加える このとき コンデンサに蓄えられる電気量 Q(t)[C] は Q(t) = CV(t) = ( ) と表される ここで 回路を流れる電流 I(t)[A] は Q(t) の時間変化 ( 微分 ) に等しい つまり I(t) = dq(t)/dt 微分の公式 (sinωt) = ωcosωt より cosωt = sin(ωt+π/2) を用いると これより 電流の位相は電圧より ( )[rad] だけ ( 進んでいる 遅れている ) ことがわかる 電流の最大値 I0 は V0 を用いて I0= ( ) と表される オームの法則と比較すると 抵抗に相当する ( ) を コンデンサの ( ) といい 単位はオーム [Ω] を用いる 練習 )V(t) および I(t) のグラフをかけ ただし 周期 T=2π/ω とする

コイルを流れる交流 自己インダクタンス L[H] のコイルに V(t) = V0 sinωt で時間変化する電圧 V(t)[V] を加える このとき コイルには電流の変化を妨げる逆起電力 -LdI/dt [V] が発生する コイルの抵抗を無視すると キルヒホッフの第 2 法則より V(t)+(-LdI/dt)=0 これを満たす I(t) は -cosωt = sin(ωt-π/2) を用いると これより 電流の位相は電圧より ( )[rad] だけ ( 進んでいる 遅れている ) ことがわかる 電流の最大値 I0 は V0 を用いて I0= ( ) と表される オームの法則と比較すると 抵抗に相当する ( ) をコイルの ( ) とい い 単位はオーム [Ω] を用いる 練習 )V(t) および I(t) のグラフをかけ ただし 周期 T=2π/ω とする コンデンサやコイルでの消費電力 電気容量 C[F] のコンデンサに V(t) = V0 sin t で時間変化する電圧 V(t)[V] を加える このときコンデンサに流れる電流 I(t)[A] は

= ( ) で表される よってコンデンサにおける消費電力 P(t)[W] は P(t) = V(t) ここで 三角関数の 2 倍角の公式 sinθcosθ = 1 2 sin2θ を用いると P(t) = ( ) となるので P(t) の時間平均値は ( )[W] となる これは コンデンサは充電と放電によって電源との間でエネルギーをやりとりするだけで 電気エネルギーを消費しないことを表している コイルにおける消費電力も同様に計算すると ( )[W] となる したがって コイルにおいても電気エネルギーの消費はない 電気振動 図の回路で スイッチを A 側に入れて電気容量 C[F] のコンデンサを充電し 電源の電圧を V0[V] とすると 最初コンデンサに蓄えられるエネルギー U0[J] は U0 = ( ) である その後 スイッチを側に切り替えると 自己インダクタンス L[H] のコイルの両端の電圧 V(t)[V] および回路を流れる電流 I(t)[A] は時間とともに変化する このような現象を ( ) という コイルやコンデンサに抵抗がないとすると V(t) = V0 cos 0t I(t) = I0 sin 0t で与えられる 0[rad/s] は振動の角周波数である このとき 電流の最大値 I0 と電圧の最大値 V0 の関係は I0 = ( ) = ( ) (1) これより 0[rad/s] および周波数 f0[hz] は L および C を用いて 0 = ( ) (2) f0 = 0/2π=( ) と表される f0 を回路の ( ) という 電気振動は コンデンサに蓄えられる電界のエネルギー UC(t)[J] とコイルに蓄えられる磁界のエネルギー UL(t)[J]

とが 互いに入れ替わることによって生じる現象である それぞれ UC(t) = 1 2 C{V(t)}2 = ( ) UL(t) = 1 2 L{I(t)}2 = ( ) と表されるが (1) (2) を用いると コンデンサとコイルに蓄えられているエネルギーの和 Utotal(t)[J] は Utotal(t) = UC(t) + UL(t) = ( ) = ( ) = U0 となって コンデンサとコイルに蓄えられているエネルギーの和は保存する ( 時間によらない ) ことがわかる 問題 ) 図の回路で V0=10[V] C=0.50[μF] L=2.0[H] とする (1) 回路に蓄えられるエネルギーを求めよ (2.5x10-5 [J]) (2) 振動の固有周波数を求めよ (1.6x10 2 [Hz]) (3) コイルに蓄えられるエネルギーが最初に最大になるのは 何 [s] 後か また そのときコイルに流れる電流を求めよ (1.6x10-3 [s] 5.0 x 10-3 [A]) RLC 直列回路と共振 図のように 抵抗 R[Ω] 電気容量 C[F] のコンデンサ および自己インダクタンス L[H] のコイルを直列に接続して交流電圧 V(t)[V] をかける 回路を流れる電流 I(t)[A] が I(t) = I0 sin ωt のように時間変化するとき 抵抗 コンデンサ コイルのそれぞれにかかる電圧はどうなるだろうか 抵抗にかかる電圧を VR(t) とすると VR(t) の位相は I(t) の位相と一致し VR(t) = ( ) と表される コイルにかかる電圧を VL(t) とすると 電圧の位相は電流よりも位相が ( ) だけ ( 進んで 遅れて ) いるので VL(t) = ( ) または

VL(t) = ( ) コンデンサにかかる電圧を VC(t) とすると 電圧の位相は電流より ( ) だけ ( 進んで 遅れて ) いるので VC(t) = ( ) または VC(t) = ( ) と表される よって RLC 直列回路の全体の電圧 すなわち電源の電圧 V(t) は V(t) = VR(t) + VC(t) + VL(t) =( ) = I0Z sin(ωt+θ) ここで Z = ( ) tanθ = ( ) と表され Z を ( 角周波数 ω および周波数 f が ) という θ は電流と電圧との位相のずれを表す ω = ( ) f = ( ) のとき Z は最小値 ( ) をとり そのとき 回路を流れる電流の振幅は最大となる この現象を ( ) といい このときの f を ( ) この回路を ( ) という f は電気振動の固有周波数 に等しい 問題 ) 図の回路で V0=5.0V R=25Ω C=5.0μF L=20H とする 共振周波数 f0 はいくらか またそのとき 回路を流れる電流の最大値 I0 はいくらか (16Hz, 0.20A) 電磁波 これまで学習したように 磁界の変動によって電界が生じ また 電界の変動 ( 電流 ) によって 磁界が生じる このようにして 電界の振動と磁界の振動が真空中あるいは物質中を波として伝わっていく これを ( ) という 光 ( 可視光線 ) は電磁波の一種である 電磁波は横波であり その進行方向 電界の振動方向および磁界の振動方向の三者は互いに直交する 電界およ び磁界が同一面内で振動し 進行方向から見て振動方向が変わらないのが 直線偏光であり ( 下図 ) 電界の方向 と磁界の方向が互いに直交したまま回転して進んでいくのが 円偏向である

真空中における電磁波の速さ c( 光速度 ) は一定であり その値はおよそ ( ) m/s である 電磁波の振動数 ν[hz] 波長 λ[m] 光速度 c [m/s] の間には ( ) の関係が成り立つ 電磁波は波長 ( 振動数 ) によって その物理的性質が異なり 名前も変わる 電磁波の名称 波長 λ[m] 性質 用途 γ( ガンマ ) 線 < 10-11 原子核から放出 透過力が強い X( エックス ) 線 10-12~10-8 原子から放出 健康診断など 紫外線 10-9~ 3.8 10-7 殺菌作用がある 可視光線 3.8 10-7~7.7 10-7 目に見える光 光学機器等 赤外線 7.7 10-7 ~ 10-4 物体の加熱 乾燥など 電波 10-4 ~ 10 5 ラジオ テレビ放送 レーダーなど 問 ) 1 THz ( テラヘルツ =10 12 Hz) の電磁波の波長は何 m か (λ=c/ν=3.0 10 8 / 10 12 = 3 10-4m) 電磁波 ( 光 ) は波としての性質をもつ一方 粒子としての性質をもつ 粒子としての光を光子という 光子 1 個 のもつエネルギー E[J] は 光の振動数 ν[hz] およびプランク定数 h= 6.6 10-34[J s] を用いて E = ( )=( ) と表される 問 ) 緑色の光 (λ=530nm) の光子 1 個のエネルギーはおよそ何 J か (E = hc/λ=6.6 10-34 3.0 10 8 / 530 10-9 3.7 10-19 J) 波動方程式 電荷密度および電流密度のない真空中において マクスウェルの方程式は E = 0 (1) B = 0 (2) E = B t (3) B = 1 c 2 E t (4) (3), (4) より

( E) = B ( B) = = 1 2 E t t c 2 t 2 一方 (1) およびベクトル解析の公式より よって E= 1 c 2 2 E t 2 (5) ( E) = ( E) E = E これを波動方程式という 磁場 B についても同様である 波動方程式の解を考えよう +z 方向に進む波 ( 電磁波 ) を考えると一般解は の実部となる ただし E(z, t) = E 0 exp[i(kz ωt)] B(z, t) = B 0 exp [i(kz ωt)] B 0 = k ω z E 0 であり z は z 方向の単位ベクトルである したがって磁場ベクトルは常に電場ベクトルに直交 しており その大きさは電場ベクトルの大きさの k ω = 1 c 倍である なお E 0 および B 0 は複素 数ベクトルである E 0 x ( またはy ) のとき 直線偏光という このとき 電場ベクトルおよび磁場ベクトルの方向は変わらず 光の進行に伴って単振動する E 0 = x E 0, B 0 = y B 0 より E(z, t) = x E 0 cos[(kz ωt)] B(z, t) = y B 0 cos[(kz ωt)] E 0 x ± iy のとき 円偏光という 電場ベクトルおよび磁場ベクトルは 互いの直交性を保ったま ま xy 平面において回転する E(z, t) = x E 0 cos[(kz ωt)] y E 0 sin[(kz ωt)] B(z, t) = ±x B 0 sin[(kz ωt)] + y B 0 cos[(kz ωt)] 問題 ) 以下の関係を確かめなさい (E(z, t) およびB(z, t) を単にEおよびBと表す ) (1) E B = 0 ( 電場と磁場は直交 ) (2) E 2 + B 2 = E 2 0 + B 2 0 ( = 一定 )