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血糖高いのは朝食後のため検査項目 下限値上限値 単位名称 9 月 3 日 9 月 6 日 9 月 15 日 9 月 18 日 9 月 21 日 9 月 24 日 9 月 28 日 10 月 1 日 10 月 3 日 10 月 5 日 10 月 9 日 10 月 12 日 10 月 15 日 10 月

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

精度管理調査の目的


精度管理調査の目的

九州支部卒後研修会症例

日臨技九州支部血液卒後セミナー 解説 3

当院の血液検査室の概要 血液検査 system 自動血球分析装置塗抹標本作製装置 La-vietal LS (Sysmex 社 ) XN-3000 (Sysmex 社 ) XN 台 ( RET WPC PLT-F の各チャンネル ) XN 台 SP-10 (Sysmex


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1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

母子感染

95

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症例 1

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24 末梢血塗抹標本における低分葉好中球の分類および報告方法について 井本清美 1) 中川浩美 2) 山﨑法子 1) 山﨑哲 1) 聖マリアンナ医科大学病院 1) 広島大学病院 2) Web アンケートを用いた調査研究第 1 回調査報告 目的 先天性または後天性に出現する低分葉成熟好中球の形態学的特

入院時検査所見検査所見 WBC /µl RBC /µl Hb 13.4 g/dl Ht 38.4 % MCV 85.7 Fl MCH 29.2 pg MCHC 34.9 % PLT /µl PT-% 63.8 % PT-INR 1.23 APTT

第 34 回京阪血液研究会松下記念病院 確定診断が得られなかった MF から移行した血液疾患症例 高知医療センター SRL 検査室 根来利次 筒井敬太 筒井義和 福留由香里 山崎喜美高知医療センター 血液内科上村由樹 今井利 町田拓哉 駒越翔山根春那 橋本幸星


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血球数算定 ( 血算 ) NTT 東日本関東病院臨床検査部 栗原正博

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平成 29 年 ₈ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 616 号付録 ) 免疫血清分野 尿一般分野病理分野細胞診分野血液一般分野生化学分野先天性代謝異常分野 細菌分野 末梢血液一般検査の測定結果への影響 ~ 自動血球分析装置の誤差要因 ~ 検査科血液 尿一般係 はじめに近年 自動血球分析装

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第28回血液部門卒後研修会 症例7

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メディカルスタッフのための白血病診療ハンドブック

第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 臨床化学 事例 1 28 歳 男性 項目 TP ALB CRE UN AST ALT ALP LDH CK 初検 ( 再測定前 ) 測定値 項目 測定値 7.6 CKMB TC Na K Cl 1

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063 特発性血小板減少性紫斑病

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岐臨技精度管理事業部平成 25 年度総括集 血液検査 横山裕子 はじめに 今年度の精度管理は, 血球計数,photo survey, 凝固検査を実施した. また, 凝固検査についてのアンケート調査を行った. 血球計数 調査項目白血球 赤血球 ヘモグロビン MCV 血小板 調査試料 ヒト新

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はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

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125 2 P 1st washout 2 PB P mg/dL nd washout 2 P 5.5mg/dL< mg/dL <2.5mg/dL P P 2 D D 3 Ca 10

第 6 回瀬戸内血液研修会のご案内 新年あけましておめでとうございます 皆様お忙しくお過ごしのこととご拝察いたします さて 瀬戸内血液研修会の第 6 回を下記の日程 要綱で行いますのでご案内致します 第 5 回において次回のご案内をしたとおり 骨髄増殖性腫瘍 多発性骨髄腫のテーマで行います 2016

/12/28 UP 3+, TP 4.2g/dl, Alb 1.9g/dl PSL 50mg/day 1/17 PSL 45mg/day PSL 2006/4/4 PSL 30mg/day mpsl mpsl1000mg 3 2 5/ :90 / :114/64 mmhg

医学教育用基準範囲 JCCLS 共用基準範囲に基づく 医学部学生用基準範囲設定についてのパブリックコメント公募 JCCLS 基準範囲共用化委員会 JCCLS 共用基準範囲は一般的な臨床検査 40 項目の基準範囲であり 日本臨床検査医学会 日本臨床化学会 日本臨床衛生検査技師会 日本検査血液学会の共同

愛知県臨床検査標準化ガイドライン 血液特殊染色アトラス 愛知県臨床検査標準化協議会 AiCCLS : Aichi Committee for Clinical Laboratory Standardization


白血病とは 異常な血液細胞がふえ 正常な血液細胞の産生を妨げる病気です 血液のがん 白血病は 血液細胞のもとになる細胞が異常をきたして白血病細胞となり 無秩 序にふえてしまう病気で 血液のがん ともいわれています 白血病細胞が血液をつくる場所である骨髄の中でふえて 正常な血液細胞の産 生を抑えてしま

①免疫介在性血小板減少症(犬)

387 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

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呼吸困難を呈し、            臨床的に閉塞性細気管支炎と  診断した犬の2例

難治性貧血の診療ガイド_3章

(1) ) ) (2) (3) (4) (5) (1) (2) b (3)..

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2.7.6 MJR a MRI CT b 2 Beecham r-afs mg/ mg/ Gn-RH 742

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骨髄異形成症候群 by KI/NK 入院日年月日 症状 : 体重減少 [ ] 発熱 [ ] 倦怠感 [ ] 浮腫 [ ] めまい [ ] リンパ節腫脹 ( 鼻腔 扁桃 頸部 腋窩 鼠径 )[ ] 貧血 [ ] 赤芽球血症 [ ] 巨赤芽球 [ ] 環状鉄芽球 [ ] 多核赤芽球 [

貧血 

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血小板系形態異常の見方

Ⅰ 造血器腫瘍の新しい分類 表1 3 骨髄系腫瘍と急性白血病における WHO 分類 2016 案 文献 2 を改変 Myeloproliferative neoplasms MPN Chronic myeloid leukemia, BCR-ABL1-positive Chronic neutrop

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日常診療と血液疾患 ー血液疾患を見逃さない勘どころー 尾道市立市民病院宮田明 病院長

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

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Sample2 g/dl Target1 : 6.01 g/dl TP Target2 : 8.39 g/dl


59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

ROCKY NOTE 特発性血小板減少性紫斑病 Idiopathic thrombocytopenic purpura:itp(130109) 5 歳男児 四肢に紫斑 特に誘因なし 関節内出血なし 粘膜に出血無

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第 7 6 回内科学研鑽会臨床病理検討会 日時 :2013 年 2 月 2 日 ( 土 ) 午後 2 時から場所 : 市立堺病院 ( 大阪府堺市堺区南安井町 1 丁 1 1) 3 階講堂症例 : 股関節痛と発熱を来たし 死の転帰をとった 47 歳男性 縮 ( 大腿周径 :R 46.


45 クロスミキシングテストが有用だった第 Ⅴ 因子欠乏症と後天性血友病 A の 2 症例 堀美友香 1) 溝口義浩 1) 棚田法子 1) 角龍太 1) 緒方昌倫 1) 公立学校共済組合九州中央病院 1) はじめに 先天性第 Ⅴ 因子欠乏症は 100 万人に 1 人の非常にまれな疾患である 重症例も

臨床試験概要詳細画面|一般財団法人日本医薬情報センター 臨床試験情報

測定方法 測定方法 ( ラット マウス共通 一部の系統でのみ測定されている項目も含む ) 血液学的検査 測定条件 絶食 : 約 16 時間 麻酔 : ネンブタール腹腔内投与 採血部位 : 後大静脈 抗凝固剤 : EDTA-2Na(WBC RBC HGB HCT MCV MCH MCHC PLT) E

適応疾患

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平成 29 年度先駆的臨床検査技術研修会 第 1 回日臨技骨髄像伝達研修会 2017 今から使える 骨髄像の見方 考え方 所見の書き方 東京大学医学部附属病院検査部常名政弘 2017 年 8 月 26 日

MDS( 骨髄異形成症候群 ) とは ( 定義 ) 無効造血 ( 造ってはいるが末梢に出て来れない ) 造血細胞の形態学的異形成 末梢における血球減少 上記を特徴とする骨髄のクローン性腫瘍疾患で しばしば急性骨髄性白血病へ移行する.

血球減少とは 1 ヘモグロビン 10g/dL 好中球数 1.8x10 9 /L 血小板数 100x10 9 /L 国際予後スコア法 (IPSS) WHO2008 でこの基準が採用 2 13g/dL( 男性 ) 12g/dL( 女性 ) 1.8x10 9 /L 150x10 9 /L 厚生労働省特発性造血器障害に関する調査研究班の診断基準 ( 平成 28 年度改定 )

MDS( 骨髄異形成症候群 ) とは ( 定義 ) 無効造血 ( 造ってはいるが末梢に出て来れない ) 造血細胞の形態学的異形成 末梢における血球減少 上記を特徴とする骨髄のクローン性腫瘍疾患で しばしば急性骨髄性白血病へ移行する.

MDS( 骨髄異形成症候群 ) とは ( 定義 ) 赤芽球系 ( 赤血球 ) 顆粒球系 ( 白血球 ; 主に好中球 ) 巨核球系 ( 血小板 ) これらの細胞 1~ 多系統に異常 ( 異形成 ) を来す または芽球が少し増加する

MDS( 骨髄異形成症候群 ) の分類 単一血球に異形成を伴うMDS 多系統に異形成を伴うMDS 芽球の増加している (20% 未満 )MDS 環状鉄芽球を有するMDS ( 異形成は単一または多系統 )

顆粒球系の異形成 偽 Pelger 核異常 偽 Pelger 核異常 環状核好中球 脱顆粒 80% 以上の顆粒減少 巨大好中球 Auer 小体

赤芽球系の異形成 環状鉄芽球 15% 以上巨赤芽球様変化核間架橋 多核赤芽球 核の断片化 核形不整

巨核球系の異形成 微小巨核球 2 核の微小巨核球 分離多核巨核球 微小巨核球 単核巨核球 分離多核巨核球

好中球の異形成 偽 Pelger 核異常 脱 ( 低 ) 顆粒好中球偽 Pelger 核異常 ( 染色性には要注意!) 芽球 Auer 小体 (MDS-EB2 AML)

二相性赤血球形態 環状鉄芽球の存在

巨大血小板 メイ ベル

顆粒球系の異形成カテゴリ -A(MDS に特異性が高い ) 偽 Pelger 核異常 脱顆粒 80% 以上の顆粒減少

顆粒球系の異形成 カテゴリ -B 巨大好中球 環状核好中球 Auer 小体

赤芽球系の異形成カテゴリ -A(MDS に特異性が高い ) 環状鉄芽球 15% 以上

赤芽球系の異形成カテゴリ -B 巨赤芽球様変化核間架橋 PAS 陽性赤芽球

赤芽球系の異形成カテゴリ -B 多核赤芽球 核の断片化 核形不整

赤芽球系の異形成カテゴリ -A(MDS に特異性が高い ) 微小巨核球

赤芽球系の異形成カテゴリ -B 単核巨核球 分離多核巨核球

赤芽球系の異形成カテゴリ -B 異形成の合計が 10% 以上 ( 環状鉄芽球は 15% 以上 ) あると意義がある 単核巨核球 基礎

MDS に特徴的な染色体異常 核型異常 原発性での頻度治療関連性での頻度 +8 * 10% -7 or del(7q) 10% 50% -5 or del(5q) 10% 40% del(20q) * 5~8 % -Y * 5% i(17q) or t(17p) 3~5% -13 or del(13q) 3% del(11q) 3% del(12p) or t(12p) 3% del(9q) 1~2% idic(x)(q13) 1~2% 基礎 * は単独異常の場合, 異形成が確認される必要がある他の異常は, 形態学的に異形成がない場合でも MDS の暫定的な診断が可能

本日の内容 骨髄像の見方 考え方 白血病診断の進め方 骨髄像の所見の書き方

骨髄像の所見の書き方

骨髄像の所見の書き方

骨髄像の所見の書き方

骨髄標本分析をする前に 1. 検査の目的, 臨床的背景の把握 2. 血算 生化学 3. 年齢

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

練習症例 年齢性別 :65 歳男性既往歴 : 発熱を訴え近医受診, 白血球減少, 貧血を指摘され, 精査のため当院を受診した. 主 訴 : 発熱, 肝脾腫 腹部膨満感 バーキットリンパ腫肝脾腫 CML HCL 不明熱 リンパ腫 HPS

練習症例 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 117x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 生化学 TP 7.0 g/dl ALB 3.9 g/dl LD 148 U/L AST 8 U/L ALT 5 U/L ALP U/L T-Bil 1.1 mg/dl D-Bil mg/dl BUN 14.9 mg/dl Cre 0.67 mg/dl UA 6.4 mg/dl sil2r U/mL 凝固 PTs 13.9 秒 PT% 74.0 % PT-INR 1.20 APTT 31.2 秒 Fbg 283 mg/dl FDP μg/ml D-D μg/ml AT % TAT ng/ml PC% % PS % PIC μg/ml

練習症例 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 117x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 生化学 TP 7.0 g/dl ALB 3.9 g/dl LD 148 U/L AST 8 U/L ALT 5 U/L ALP U/L T-Bil 1.1 mg/dl D-Bil mg/dl BUN 14.9 mg/dl Cre 0.67 mg/dl UA 6.4 mg/dl sil2r U/mL 凝固 PTs 13.9 秒 PT% 74.0 % PT-INR 1.20 APTT 31.2 秒 Fbg 283 mg/dl FDP μg/ml D-D μg/ml AT % TAT ng/ml PC% % PS % PIC μg/ml

設問 貧血時に先ずは何を確認? 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 A B C D MCV RDW ヘマトクリット財布の中身

設問 貧血時に先ずは何を確認? 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 A B C D MCV RDW ヘマトクリット財布の中身

赤血球系 ( 貧血 ) 赤血球指数による貧血の分類 小球性低色素性貧血 MCV<80fL MCHC<30% ヘモグロビンが造れない 正球性正色素性貧血 MCV80~100fL MCHC30~35% 1. 造ってない 2. 造れと指示がない 3. 造っているけど壊される 大球性正色素性貧血 MCV>100fL MCHC30~35% DNA 合成が上手くできない

赤血球系 ( 貧血 ) 赤血球指数による貧血の分類 小球性低色素性貧血 MCV<80fL MCHC<30% 1. 鉄欠乏性貧血 2. 慢性炎症に伴う二次性貧血 (ACD) 3. サラセミア 4. 鉄芽球性貧血 正球性正色素性貧血 MCV80~100fL MCHC30~35% 1. 再生不良性貧血 2. 溶血性貧血 3. 赤芽球癆 4. 腎性貧血 大球性正色素性貧血 MCV>100fL MCHC30~35% 1. 巨赤芽球性貧血 2. 骨髄異形成症候群

設問 貧血時に先ずは何を確認? 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 A B C D MCV RDW ヘマトクリット 財布の中身 Lym 20.0 E-Bla 1.0 MCV=Ht/RBC=14.9/1.17x10=127.4fL

設問 貧血時に先ずは何を確認? 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 A MCV=127.4fL 大きいということは DNA 合成が上手くいって いないということ!

赤血球系 ( 貧血 ) 赤血球指数による貧血の分類 小球性低色素性貧血 MCV<80fL MCHC<30% 1. 鉄欠乏性貧血 2. 慢性炎症に伴う二次性貧血 (ACD) 3. サラセミア 4. 鉄芽球性貧血 正球性正色素性貧血 MCV80~100fL MCHC30~35% 1. 再生不良性貧血 2. 溶血性貧血 3. 赤芽球癆 4. 腎性貧血 大球性正色素性貧血 MCV>100fL MCHC30~35% 1. 巨赤芽球性貧血 2. 骨髄異形成症候群

設問 貧血時に生化学では何を確認? 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 A B C D LD T-Bil D-Bil ハプトグロビン

設問 貧血時に生化学では何を確認? 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 A B C D LD T-Bil D-Bil ハプトグロビン

LD (U/L) MDS と MA との鑑別点 ; 生化学検査 AML-M6 MA MDS Normal

練習症例 ん なるほど 入院時検査所見 CBC WBC 1.9x10 9 /L RBC 1.17x10 12 /L Hb 4.9 g/dl Hct 14.9 % PLT 165x10 9 /L Reti 3.3 % St 1.0 Seg 62.0 Eo 3.0 Mono 9.0 Lym 20.0 E-Bla 1.0 生化学 TP 7.0 g/dl ALB 3.9 g/dl LD 148 U/L AST 8 U/L ALT 5 U/L ALP U/L T-Bil 1.1 mg/dl D-Bil mg/dl BUN 14.9 mg/dl Cre 0.67 mg/dl UA 6.4 mg/dl sil2r U/mL 凝固 PTs 13.9 秒 PT% 74.0 % PT-INR 1.20 APTT 31.2 秒 Fbg 283 mg/dl FDP μg/ml D-D μg/ml AT % TAT ng/ml PC% % PS % PIC μg/ml

練習症例 末梢血液 MG 染色 好中球 : 脱顆粒, 偽ペルゲル核異常 血小板 : 巨大血小板

練習症例 末梢血液 MG 染色 何となく MDS??? 好中球 : 脱顆粒, 偽ペルゲル核異常 血小板 : 巨大血小板

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

1. 塗抹標本の肉眼的観察 症例 低形成 過形成

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 )

2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 正形成低形成過形成

2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 )

練習症例

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 ) 症例

3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 ) 過形成

練習症例

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 ) 集塊像は認めず

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 ) 赤芽球の過形成による M/E 比低下

練習症例

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞, 形態異常の確認 顆粒球系 : 低形成, 芽球増加なし 脱顆粒 (7%), 偽ペルゲル核異常 (20%)

練習症例

6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞, 形態異常の確認 赤芽球系 : 過形成, 巨赤芽球変化 (50% 以上 ) 多核赤芽球 (10% 以上 )

練習症例

6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞, 形態異常の確認 巨核球系 : 過形成, 単核巨核球 (50% 以上 )

練習症例

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

7. 有核細胞のカウント

骨髄標本分析法の手順 1. 塗抹標本の肉眼的観察 2. 骨髄有核細胞密度 ( 弱拡大 X100 or X200) 3. 骨髄巨核球の分布状態 ( 弱拡大 X100 or X200) 4. 異常細胞の集塊の有無 ( 弱拡大 X100 or X200) 5. 顆粒球系と赤芽球系の比率 ( 弱拡大 X200 or X400) 6. 各血球系の成熟段階の確認, 異常細胞の確認 ( 中拡大 X400) 7. 有核細胞のカウント, 異形成の確認 ( 強拡大 X1000) 8. 報告書の作成

8. 報告書の作成

N/C の基準 ( 面積比 ) 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 顕微鏡検査ハンドブック臨床に役立つ形態学

8. 報告書の作成 細胞密度は過形成, 芽球の増加は認めない. 赤芽球系の過形成に伴う M/E 比の低下を認める. 顆粒球系は低形成で, 脱顆粒, 偽ペルゲル核異常を認める. 赤芽球系は過形成で, 巨赤芽球変化, 多核を認める. 巨核球系は過形成で単核巨核球を認める. 3 系統に異形成を認め, 芽球の増加はみられないことから, 多血球系異形成を伴う骨髄異形成症候群 (MDS-MLD) が疑われる. 単核巨核球が目立つことより,5 番染色体異常が疑われる. 追加検査としては, 鉄染色にて環状鉄芽球の比率を確認する必要がある. 試験ではこのくらいまで!

8. 報告書の作成 細胞密度は過形成, 芽球の増加は認めない. 赤芽球系の過形成に伴う M/E 比の低下を認める. 顆粒球系は低形成で, 脱顆粒, 偽ペルゲル核異常を認める. 赤芽球系は過形成で, 巨赤芽球変化, 多核を認める. 巨核球系は過形成で単核巨核球を認める. 3 系統に異形成を認め, 芽球の増加はみられないことから, 多血球系異形成を伴う骨髄異形成症候群 (MDS-MLD) が疑われる. 単核巨核球が目立つことより,5 番染色体異常が疑われる. 追加検査としては, 鉄染色にて環状鉄芽球の比率を確認する必要がある. 病院ではもう少し控えめに!

症例 79 歳の男性 某年, 汎血球減少を指摘され, 紹介入院となった.

症例 CBC WBC 2.2x10 9 /L RBC 2.84x10 12 /L Hb 8.4 g/dl Hct 27.7 % PLT 55x10 9 /L Reti 1.8 % Blast 5.5 St 0.0 Seg 42.0 Eo 1.5 Mono 2.5 Lym 48.5 Elb 6.5 入院時検査所見 生化学 TP 6.7 g/dl ALB 3.8 g/dl LD 182 U/L AST 16 U/L ALT 16 U/L ALP 190 U/L T-Bil 0.7 mg/dl D-Bil 0.2 mg/dl BUN 14.0 mg/dl Cre 0.84 mg/dl UA 4.6 mg/dl Ca 8.3 mg/dl sil2r U/mL 凝固 PTs 12.1 秒 PT% 100.0 % PT-INR 1.00 APTT 27.2 秒 Fbg 363 mg/dl FDP 5.2 μg/ml D-D 0.5 μg/ml AT % TAT ng/ml PC% % PS % PIC μg/ml

症例 CBC WBC 2.2x10 9 /L RBC 2.84x10 12 /L Hb 8.4 g/dl Hct 27.7 % PLT 55x10 9 /L Reti 1.8 % Blast 5.5 St 0.0 Seg 42.0 Eo 1.5 Mono 2.5 Lym 48.5 Elb 6.5 入院時検査所見 生化学 TP 6.7 g/dl ALB 3.8 g/dl LD 182 U/L AST 16 U/L ALT 16 U/L ALP 190 U/L T-Bil 0.7 mg/dl D-Bil 0.2 mg/dl BUN 14.0 mg/dl Cre 0.84 mg/dl UA 4.6 mg/dl Ca 8.3 mg/dl sil2r U/mL 坂場幸冶先生 凝固 PTs 12.1 秒 PT% 100.0 % PT-INR 1.00 APTT 27.2 秒 Fbg 363 mg/dl FDP 5.2 μg/ml D-D 0.5 μg/ml AT % TAT ng/ml PC% % PS % PIC μg/ml

症例骨髄所見 1 細胞密度 : 正形成

症例骨髄所見 2 巨核球系 : 正形成

症例骨髄所見 3

症例骨髄所見 4 赤芽球系 : 過形成,M/E 比低下

症例

症例骨髄所見 5 顆粒球系 : 低形成, 偽ペルゲル核異常 ( 約 5% )

症例骨髄所見 6 顆粒球系 : 脱顆粒好中球 (50% 以上 )

症例骨髄所見 7 顆粒球系 : 芽球増加あり

症例

症例骨髄所見 8

症例骨髄所見 9 赤芽球系 : 過形成, 多核 (10% 以上 ), 核不整 (50% 以上 )

症例

症例骨髄所見 10 巨核球系 : 微小巨核球 ( 約 20%)

症例骨髄所見 11 巨核球系 : 単核巨核球 (50% 以上 )

症例

症例 細胞密度は正形成, 芽球は増加. 赤芽球系の過形成に伴う M/E 比の低下を認める. 顆粒球系は低形成で一部に偽ペルゲル核異常を認めるが 10% 未満, 脱顆粒好中球を 50% 以上認める. 赤芽球系は過形成 (ANC の 50% 以上 ) 多核, 核不整, 核融解像, 核断片化で 50% 以上の異形成がみられる. 巨核球系は正形成で単核巨核球, 微小巨核球がみられ異形成は 50% 以上に認める. 赤芽球系は ANC の 60%, 芽球は ANC の 15% であった. 以上のことより と考えられる. 追加検査には,MPO 染色,PAS 染色, 鉄染色,FCM にて芽球の形質の検索, 染色体検査があげられる.

WHO2016 分類の MDS (MDS-RSSLD) 5q-; 単一の付加的染色体は容認 (7 番染色体関連は除く )

WHO2016 分類の MDS RS;Ring Sideroblasts: 環状鉄芽球 高率に SF3B1 の変異が認められ, 基本的には予後良好の因子 15% 以上,SF3B1 の変異があれば 5% 以上で良い 芽球 5% 以下の低リスク MDS では, SF3B1 調節薬 ( スプライシングインヒンビター ) が今後試される

AML-M6,AML-MRC,RAEB の鑑別 AML-M6 Acute erythroid leukemia 急性赤白血病 AML-MRC Acute myeloid leukemia with myelodysplasia related change 骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病 MDS-EB Myelodysplastic syndrome with excess blasts 芽球の増加を伴う骨髄異形成症候群

ANC と NEC の当院の定義 ANC 芽球, 前単球, 前骨髄球, 骨髄球, 後骨髄球, 桿状核好中球, 分葉核好中球, 好酸球, 好塩基球, リンパ球, 形質細胞, 赤芽球, 肥満細胞 ( 巨核球,MØ, 骨芽細胞, 破骨細胞, 間質細胞は含まない ) AML-M6の芽球比率 NECで20% 以上は廃止! NEC ANCから赤芽球および非骨髄系細胞 ( リンパ球, 形質細胞 ) を除いたもの しかし最近では芽球比率は NEC で判定するほうが良いという報告もある

症例の病型はどれでしょう? 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの15% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

症例の病型はどれでしょう? 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの15%(NECの約 37.5%) 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

症例の病型はどれでしょう? 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの15%(NECの約 37.5%) 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

例えば 芽球がANCの21% だったら 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの21% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

例えば 芽球がANCの21% だったら 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの21% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

例えば 異形成が50% 未満であったら 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの21% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

例えば 芽球がANCの7% だったら 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの7% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

例えば 芽球がANCの7% だったら 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの7% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

例えば 芽球が ANC の 7% だったら CBC WBC 2.2x10 9 /L RBC 2.84x10 12 /L Hb 8.4 g/dl Hct 27.7 % PLT 55x10 9 /L Reti 1.8 % Blast 5.5 St 0.0 Seg 42.0 Eo 1.5 Mono 2.5 Lym 48.5 Elb 6.5 生化学 TP 6.7 g/dl ALB 3.8 g/dl LD 182 U/L AST 16 U/L ALT 16 U/L ALP 190 U/L T-Bil 0.7 mg/dl D-Bil 0.2 mg/dl BUN 14.0 mg/dl Cre 0.84 mg/dl UA 4.6 mg/dl Ca 8.3 mg/dl sil2r U/mL 坂場幸冶先生 凝固 PTs 12.1 秒 PT% 100.0 % PT-INR 1.00 APTT 27.2 秒 Fbg 363 mg/dl FDP 5.2 μg/ml D-D 0.5 μg/ml AT % TAT ng/ml PC% % PS % PIC μg/ml

例えば 芽球がANCの7% だったら 赤芽球比率はANCの60% 芽球はANCの7% 異形成は全体の50% 以上 1:MDS-EB2 2:AML-M6 3:AML-MRC

新 AML-M6( 未分化型赤白血病のみ ) 赤芽球比率が ANC の 80% 以上 前赤芽球比率が ANC の 30% 以上 赤芽球が 50% 以上でも ANC の芽球比率で診断! 赤芽球 50% 以上 芽球 20% 以上の場合は M2 or M4

AML-MRC,MDS-EBの鑑別 赤芽球比率は関係なし 芽球比率がANCの20% の以上下記のいずれか1つを満たす 1:MDSの既往 2:MDSに関連した染色体異常 3: 多系統に50% 以上の異形成但し, 治療関連, 反復性遺伝子関連 AMLは除く

AML-MRC,MDS-EB の鑑別 芽球比率が ANC の 5% 以上 20% 未満の場合 末梢血液で芽球 1% を超えた場合 (20% 未満 )

新 AML-M6,AML-MRC,MDS-EB の鑑別疾患カテゴリ - 末梢血所見骨髄所見 RCUD(refractory cytopenias with unlineage dysplasia) (MDS-SLD) 単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少 RA(refractory anaemia) 不応性貧血 RN(refractory neutropenia) 不応性好中球減少症 RT(refractory thrombocytepenia) 不応性血小板減少症 RARS(MDS-RSSLD) (refractory anaemia with ring sideroblasts) 環状鉄芽球を伴う不応性貧血 RCMD(MDS-MLD,MDS-RSMLD) (refractory anaemia with multilineage dysplasia) 多血球系異形成を伴う不応性貧血 RAEB-1(MDS-EB1) (refractory anaemia with excess blasts-1) 芽球増加を伴う不応性貧血 -1 1~2 血球減少 1) 1% > 芽球 2) 貧血のみ芽球なし 血球減少 1% > 芽球 2) Auer- 1x10 9 /L > Mono 血球減少 5% > 芽球 Auer- 1x10 9 /L > Mono 10% 異形成 1 系統 5% > 芽球 15% > 環状鉄芽球 15% 環状鉄芽球異形成は赤芽球系のみ 5% > 芽球 10% 異形成 2 系統以上 5% > 芽球 Auer- 環状鉄芽球 ± 10% 異形成 1~3 系統 5~9% 芽球 3) Auer- RAEB-2(MDS-EB2) (refractory anaemia with excess blasts-2) 芽球増加を伴う不応性貧血 -2 血球減少 5~19% 芽球 Auer± 3) 1x10 9 /L > Mono 10% 異形成 1~3 系統 10~19% 芽球 Auer± 3)