腎炎症例研究 32 巻 2016 年 肉眼的血尿が出現し急速に腎障害が進行した糖尿病性腎症の一例 1 阿部哲也 1 高橋遼 1 竹内和博 1 村野順也 1 竹内康雄 1 青山東五 1 島田芳隆 1 鎌田真理子 1 内藤正吉 1 関本恵子 1 正木貴教小川みゆき 1 佐野 1 隆 2 病理コメンテータ

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1 腎炎症例研究 32 巻 206 年 肉眼的血尿が出現し急速に腎障害が進行した糖尿病性腎症の一例 阿部哲也 高橋遼 竹内和博 村野順也 竹内康雄 青山東五 島田芳隆 鎌田真理子 内藤正吉 関本恵子 正木貴教小川みゆき 佐野 隆 2 病理コメンテータ城謙輔 山口 3 裕 症例症例 :75 歳, 男性 主訴 : 下腿浮腫, 呼吸苦現病歴 :8 年前に黄疸と灰白色便を主訴に当院消化器内科受診した 下部胆管の狭窄, 膵管のび慢性狭小化を認め, 自己免疫性膵炎と診断された 内視鏡的逆行性胆管ドレナージ (ERBD) のみで経過観察となった また, 後腹膜線維症も指摘された 3 か月後, 胆管ドレナージチューブの閉塞に伴う閉塞性胆管炎, K.Oxytoca E.facium α-streptococcusによる敗血症と播種性血管内凝固症候群 (DIC) を発症した チューブ交換と抗菌薬により軽快し,CRP は陰性化した 経過中に糖尿病と診断され, HbAc は 8 9% 台で経過した また同年に冠動脈バイパス手術が施行され, 術後に心房細動を発症し, 抗凝固薬 ( ワルファリン ) も開始された 年前に右足背に蜂窩織炎を発症し, 同部位からStaphylococcus species が検出された 抗菌薬にて症状は軽快したが, その後もCRP 陽性が持続した この時点では血清 Cr.2 mg/dl で, 尿蛋白, 尿潜血ともに陰性であった 9 か月前より尿潜血 (2+), 尿蛋白 (+) が出現し, 赤血球円柱も認めた 時折, 肉眼的血尿を自覚することもあった また,6 か月前より血清 Cr.74 mg/dlに上昇し, その2か月後には血清 Cr 2.9 mg/dl まで増悪した その後, 下腿浮腫と呼吸苦が出現し入院となり, 腎生検を施行した 現症 : 身長 63 cm, 体重 76 kg, 体温 36.4, 血圧 30/80 mmhg, 脈拍 80 回 / 分,SpO2 97% (room air) 検査所見 : 尿蛋白 (2+), 蓄尿蛋白排泄量 5.9g/ day, 尿潜血 (3+), 変形 RBC(+), 赤血球円柱 (+) WBC /μl,hgb 4. g/dl,plt /μL,TP 6.8 g/dl,alb 3.6 g/dl, AST 25 U/L,ALT 7 U/L,LDH 29 U/L, ALP 364 U/L,γ - GTP 90 U/L,Cr 3.0 mg/dl, HbAc 7.%,CRP 0.4 mg/dl,na 34 meq/l, K 5.8 meq/l,cl 02 meq/l, 補正 Ca 9.2 mg/ dl,igg 479 mg/dl,igg4 79 mg/dl,igm 44 mg/dl,iga 204 mg/dl,ige 86 mg/dl,c3 07 mg/dl( 正常 65-35), C4 30 mg/dl( 正常 3-35), CH50 5 mg/dl( 正常 28-48), 抗核抗体 40 倍, IgG クリオグロブリン陽性, 免疫複合体 3.6 μ g/ml( 正常 <3), MPO-ANCA 陰性,PR3-ANCA 陰性, 抗 GBM 抗体陰性,HBc 抗体 ( +) 腹部超音波検査では腎サイズは正常, 水腎症は認めず Ga シンチでは腎臓を含め有意な集積所見を認めなかった 腎生検所見 : 光顕上, 糸球体は一部全節性硬化に陥っていた 軽度のメサンギウム細胞の増殖と基質の増加を背景に巣状分節性に管内増殖性病変を認め, 個の糸球体には細胞性に管外 ( 北里大学医学部腎臓内科 (2 東北大学大学院医学系研究科 (3 山口病理組織研究所 病理病態学講座 204 Key Word: 肉眼的血尿, 感染性腎炎, 糖尿病性腎症

2 第 64 回神奈川腎炎研究会 増殖性病変を伴っていた 蛍光抗体法では糸球 体係蹄壁に C3 の沈着が散見された 電顕では hump 様に上皮下に高電子密度沈着物を認めた また, 多核白血球の浸潤が認められた 組織診 断として糖尿病性腎症に合併した巣状分節性管 内増殖性糸球体腎炎と診断した 本症例の腎病変の原因として 感染性腎炎を 考えたが その他 腎炎の可能性についてご検 討頂きたく症例を提示致します 症 例 74 歳 男性 主 訴 下腿浮腫 呼吸苦 現病歴 8年前に黄疸と灰白色便を自覚し閉塞性黄疸及び自己免疫性膵炎と診 断された 内視鏡的逆行性胆管ドレナージのみで軽快した その3ヶ月後 に閉塞性胆管炎によりDICを発症するが抗菌薬によりCRPは陰性化した 同時期に糖尿病と心房細動と診断され その後HbAc 8 9 台で経過し た 年前にStaphylococcus speciesによる右足蜂窩織炎を発症した アモキ シシリンにて症状は軽快したが CRP陽性が持続した この時点で血清 Cr.2 mg/dlで 尿蛋白 尿潜血ともに陰性であった その3ヶ月後より尿潜 血(2 ) 尿蛋白( )が出現し 赤血球円柱も認めた 時折肉眼的血尿を認 めることがあった 半年前より血清Cr.74 mg/dl その2か月後には血清 Cr2.9 mg/dlに上昇した その後下腿浮腫と呼吸苦が出現し Cr3.0 mg/dlとさらに増悪を認め 入院した 図 既往歴 66歳-虚血性心疾患 冠動脈バイパス術術後 73歳-出血性多発胃潰瘍 73歳-蜂窩織炎 家族歴 特記事項なし 生活歴 喫煙 20本(20歳 68歳) 飲酒 機会飲酒 アレルギー歴 特記事項なし 図2 現症 身長 6cm 体重 75kg 体温 36.4 血圧 30/80 mmhg 脈拍 80回/min 不整 SpO2 98 (room air) 意識清明 眼瞼結膜 貧血(-) 眼球結膜 黄染(-) 眼瞼浮腫(-) 甲状腺 腫大(-) 頚部リンパ節 腫脹(-) 口腔 正常 心音 雑音(-) 呼吸音 清 腹部 平坦 軟 圧痛(-) 発赤(-) 肝 脾 腎 触知せず 下腿 浮腫( ) 皮膚所見 紫斑( ) 図3 205

3 腎炎症例研究 32 巻 206 年 腎生検時検査所見① 動脈血ガス(room air) ph PaCO Torr PaO Torr HCO mmol/l BE -.0 mmol/l 血算 WBC 5700 /μl RBC /μl Hb 4. g/dl Ht 4.8 Plt /μl 凝固系 PT-INR 3.58 APTT 47.8 sec Fib 505 尿一般 比重.00 PH 7.0 蛋白 (2+) 定量 5.9g/day 潜血 (3+) 糖 (-) 尿沈渣 赤血球 >00/HPF 白血球 0-9/HPF 円柱 硝子円柱 上皮円柱 赤血球円柱 変形赤血球 (+) 尿生化学 NAG 35.3 U/L 腎生検時検査所見④ 感染症 内分泌 TPLA (-) TSH 3.82 μiu/ml RPR (-) F-T3.8 pg/ml 抗HBs抗原 (-) F-T4.25 ng/ml 抗HBs抗体 (-) 抗HBc抗体 (+) 抗HBe抗原 (-) 抗HBe抗体 (+) HBV-DNA 2.Logコピー/mL 抗HCV抗体 (-) HCV-RNA (-) 図4 図7 画像所見① 腎生検時検査所見② 胸部レントゲン 生化学 T.P Alb T-bil AST ALT ALP γ-gtp LDH CK UN Cr UA Na K Cl 補正Ca P Glu HbAc g/dl g/dl IU/L IU/L IU/L IU/L IU/L 心電図 IU/L meq/l meq/l meq/l 図5 図8 画像所見② 腎生検時検査所見③ 免疫 CRP 0.4 IgG 497 IgG4 79 IgA 203 IgM 39 IgE 86 C3 07 C4 30 CH50 5 抗核抗体 40 抗DNA抗体 <2.0 免疫複合体 3.6 mg/ml mg/ml U/mL 倍 IU/mL μg/ml 腹部エコー MPO-ANCA <.0 U/mL PR3-ANCA <.0 U/mL 抗GBM抗体 <2.0 IU/mL 抗CL β2gpⅠ抗体<.2 U/mL 抗CL-IgG 抗体 <8U/mL ループスアンチコアグラント.04 クリオグロブリン定性 弱陽性 クリオグロブリン同定 IgG 血清免疫電気泳動 BJP陰性 尿免疫電気泳動 M蛋白陰性 左腎 右腎 cm cm 図6 図9 206

4 第 64 回神奈川腎炎研究会 画像所見 3 ガリウムシンチグラフィー 腎生検 3 管外増殖性変化 管内増殖性変化 両側腎臓含め 異常集積は認めない PAS 染色 ( 200) PAS 染色 ( 400) 図 0 図 3 腎生検 腎生検 4 HE 染色 ( 200) 図 PAM 染色 ( 200) PAM 染色 ( 400) 図 4 好中球 腎生検 2 腎生検 5 HE 染色 ( 400) HE 染色 ( 400) Masson 染色 ( 200) Masson 染色 ( 400) 図 2 図 5 207

5 腎炎症例研究 32 巻 206 年 腎生検⑥ 腎生検⑨ Bowman腔 3000 IgA IgG 好中球 IgM λ κ 図 6 図 9 腎生検⑦ 診断 PAS染色にてメサンギウム増殖 基底膜の肥厚と基質の増加がみ られ糖尿病性変化を認めた 電顕にて上皮下沈着物を認めた C4 C3 糖尿病性腎症に合併した 巣状分節性管内増殖性糸球体腎炎 C1q Fib 図 7 図 20 腎生検⑧ GBM Bowman腔 GBM Bowman腔 上皮下沈着物 図 8 図 2 208

6 第 64 回神奈川腎炎研究会 討 腎生検における感染性腎炎診断基準 論 少なくとも以下の3つを満たしたときに診断する 阿部 糸球体腎炎発症時もしくはそれ以前の感染の既往 がある します よろしくお願いいたします 肉眼的 2 低補体血症がある お願いします 北里大学病院 阿部と申 血尿が出現し急速に腎障害が進行した糖尿病性 腎症の一例 について発表させていただきます 8 年前に黄疸と灰白色便を自覚し 閉塞性黄 3 管内増殖性糸球体腎炎 4 免疫抗体法でC3が発光を示す 5 電子顕微鏡にて上皮化にハンプが認められる Kidney International (203)83, ) 疸および自己免疫性膵炎と診断されました 内 視鏡的逆行性胆管ドレナージのみで軽快しまし た その 3 カ月後に 閉塞性胆管炎により DIC 図 22 を発症しましたが 抗菌薬により CRP は陰性 化しました 同時期に糖尿病と心房細動を診断 され その後 HbAc は 8 9 台で経過しま 感染性腎炎の臨床的特徴 患者数 (人) 平均年齢 歳 糖尿病 ドイツ 不明 フランス ( ) 8 イタリア ( ) 10 タイ ( ) アメリカ ( ) 57 台湾 ( ) 国 観察期間 感染部位 した 年 前 に staphylococcus species に よ る 右 足 感染細菌 転帰 歯 23 皮膚 3 Streptococcus(40) Staphyrococcus(3) 寛解 64 保存期腎不全 28 ESRD(4),死亡 4 の蜂窩織炎を発症しました アモキシシリンに 上気道 28 皮膚 25 肺 6 歯 3 心内膜 3 Staphyrococcus(7) Gram-negative(4) Streptococcus(4) 寛解 28 保存期腎不全 54 ESRD(8) 死亡 上気道 44 肺 6 尿路 2 Streptococcus(47) Gram-negative(22) Staphyrococcus(2) 寛解 43 保存期腎不全 47 ESRD(0) 死亡 0 て 症状は軽快しましたが CRP 陽性が持続し 不明 不明 Streptococcus(22) Non-Streptococcus(78) 寛解 7 保存期腎不全 6 ESRD(3) 死亡 不明 上気道 32 肺 6 心内膜 2 皮膚 尿路 4 Streptococcus(33) Staphyrococcus(4) 寛解 44 保存期腎不全 3 ESRD(25) 死亡 20 6 不明 皮膚 20 心内膜 20 肺 5 骨 関節 5 尿路 5 Staphyrococcus(60) Streptococcus(5) 寛解 30 保存期腎不全 30 ESRD(20) 死亡 20 アメリカ 皮膚 28 肺 6 尿路 3 上気道 0 心内膜 6 Staphyrococcus(46) Streptococcus(6) 寛解 22 保存期腎不全 44 ESRD(33) 死亡 23 中国 上気道 67 皮膚 20 Streptococcus(67) Non Streptococcus(33) 寛解 86 保存期腎不全 8 ESRD(4) 死亡 0 図 23 ま し た こ の 時 点 で 血 清 ク レ ア チ ニ ン は.2mg/dl で 尿蛋白 尿潜血ともに陰性でした その 3 カ月後より 尿潜血 2 + 尿蛋白 + が出現し 赤血球円柱も認めました 時折 肉 眼的血尿を認めることもありました 半年前より 血清クレアチニンが.74mg/dl その 2 カ月後には 2.9mg/dl その後 下腿浮 腫と呼吸苦が出現し クレアチニンも 3.0mg/ dl とさらに増悪を認め入院となりました 既往歴 家族歴 生活歴 アレルギー歴は示 すとおりです 本例の診断について 本症例の診断について感染性腎炎を考えたが その他の腎炎の可能性についてご検討頂きたく 症例を提示致します 入院時現症です 身長は 6cm 体重 75kg バイタルは体温 36.4 血圧 30/80 脈拍 80 回の不整 サチュレーションは 98 とルーム で保たれておりました 下腿に浮腫を認め 皮膚に紫斑は認めており ませんでした こちらは腎生検時の検査所見です 尿所見で 3 + 変形赤血球陽 は 尿蛋白が 5.9g 潜血は 性 赤血球円柱を認めました 血液ガスでは異 図 24 常所見は認めておりません 採血所見に移ります 血算では異常所見は認 209

7 腎炎症例研究 32 巻 206 年 めず, 凝固系ではワルファリン4.5mg 内服下で, INR3.58と延長を認めておりました 生化学では, ビリルビン, アルカリフォスファターゼ,γ-GTPで, 高値を認めました また尿素窒素 34, クレアチニン3.0と高値を認めております また, カリウムが5.8 と高値を認め, HbAc は 7.% でした CRP は 0.4と軽度高値,IgG4 が79,IgEが 86と高値を認めました また, 免疫複合体が3.6 と高値を認めております その他,ANCA, 補体は陰性 クリオグロブリンは定性で弱陽性 同定で IgG を認めております 感染症はHBc 抗体,HBe 抗体が陽性でしたが,DNA は 2. 未満でした 甲状腺機能に異常はありませんでした 続いて画像所見です 胸部レントゲンでは, CTR は 50%, 両肺野ともに異常陰影は認めておりません 心電図はheart rate60 台のafリズムでした 腹部エコーです 両腎ともに腎サイズは正常 水腎症は認めず, 左の腎嚢胞を認めました 免疫複合体陽性, 蜂窩織炎などの感染症の既往があること CRPも完全に陰性化しないことから, 感染性腎炎の可能性も疑い, ガリウムシンチグラフィを施行しましたが, 腎臓を含め全身に有意な集積所見は認めませんでした 急速に進行する腎機能障害の鑑別目的に腎生検を施行しております こちらが腎生検の所見です 光学顕微鏡の所見は,HE 染色 200 倍の所見です 糸球体は20 個含まれており,5 6 個の糸球体が全節性硬化に陥っておりました こちらは HE の 400 倍の所見です 軽度のme- sangium 細胞の増殖と基質の増加を背景に巣状分節性に管内増殖性病変を認め, 個の糸球体には細胞性に管外増殖性病変を伴っておりました PAS 染色です mesangiumの増殖, 基底膜の肥厚と基質の増加, 糖尿病性の変化を認めております また, 管内増殖性変化を認め, 一部管 外増殖性変化も認めております PAM 染色では, 基底膜の二重化,spike や点刻像は認めませんでした Masson 染色では, 線維の増生造成は認めましたが,IgG4 関連腎炎に特徴的な所見は認めませんでした 免疫染色の所見です 蛍光抗体法でIgA, IgG,IgM,λ,κでは発光は認められませんでした 基底膜に沿って,C3 で沈着所見を認めております その他,C4,Cq,fibrinogen では発光は認めませんでした こちらは電子顕微鏡の所見です 上皮下に高電子密度沈着物 hump を認めております 好中球浸潤に伴う糸球体基底膜の破綻を認めており, ボーマン腔に移送する像が認められました 以上をまとめると,PAS 染色にてmesangium の増殖, 基底膜の肥厚, 基質の増加が認められ, 糖尿病性変化を認めました また, 電顕にて, 上皮下の沈着物を認めました 今回, われわれは病理の結果から糖尿病性腎症に合併した巣状分節性糸球体腎炎と診断いたしました 入院後経過は, 尿潜血は3(+) と持続的に陽性所見を認めておりました また,CRPが持続陽性であり,staphylococcus species による蜂窩織炎の既往も認めることから,day70 40 までstaphylococcus を標的として, アモキシシリン500mg/day の内服を行いましたが, 経過途中で薬剤性の肝障害を認めたため中止 その経過の中で, 腹部超音波にて肝腫瘤を認めたため造影 CTを施行し, 肝細胞癌と診断し,TS も施行されております 腎機能障害は増悪を続け, 血液透析導入となりました 腎生検における感染性腎炎の診断基準は, Kidney international によると, 少なくとも以下の3つを満たしたときに診断するとされております 今回, われわれの症例では,,3,4, 5 を満たしておりました 感染性腎炎の臨床的特徴として, 各国での統 20

8 第 64 回神奈川腎炎研究会 計をまとめました バックグラウンドに糖尿病を持つ患者さまでは, 感染性腎炎発症率が高いことが分かりました また, 上気道や心内膜, 尿路と, 感染部位はさまざまですが, 皮膚の感染症,staphylococcus 属の感染の割合も多いことが分かりました 本症例でも, 蜂窩織炎の既往があること, staphylococcus の感染があることが一致しておりました 本例の診断について, 感染性腎炎の可能性を考えましたが, その他の腎炎の可能性について検討をしていただきたく, 本症例を提示いたします 以上です 座長どうもありがとうございました フロアの先生から, ご質問, ご意見等はございますでしょうか 城先生, お願いいたします 城この方はいろいろな疾患を合併しているのですけれども, 最初の時期に自己免疫膵炎, 後腹膜線維症, 閉塞性胆管炎といったものは, 別個の疾患として合併しているのですか 何かそういう疾患群を説明するような病態はあったのですか 阿部これは, 消化器内科で診断がつけられていて, 過去のカルテをひもといてみたのですけれども, 当時 IgG4 などは測られていなくて, ミクリッツ病や, 硬化性の病変を来す疾患としては診断がなされていなくて, 全てが関連しているかどうかは不明です 城 8 年前ですね 阿部はい 城糖尿病の発症はいつごろからですか 阿部糖尿病の発症は 8 年前です 城同じころですか 阿部同じころです 座長その他, ご意見ございますでしょうか 補体が低下したこともありますか 阿部経過中に補体は2 回測定しているのですけれども, いずれも C3,C4,C,CH50, いずれも正常値でした 座長ありがとうございました クリオグロブ リンの影響も特にありませんでしたか? 阿部クリオグロブリンの影響に関してですけれども, 今回, 病理の結果からはクリオグロブリン血症だと,MPGN 様の変化を来すような病変は今回の病理所見では認めていなかったことから, 感染に引っ張られてクリオグロブリンが陽性になって, 今回の病変とは大きく関係していないと考えています 座長ありがとうございました では, 時間がなくなってきていますので, 組織のほうに移りたいと思います では, 城先生からお願いいたします 城 スライド0 表題どおりに, 肉眼血尿が出現し, 急速に腎障害が進行した糖尿病性腎症の一例ということです 腎実質が2 本採取されておりまして, この部分が皮質で, 一部髄質が付いております ご覧のように糸球体病変, それから, この黒く見えるのが尿細管の染色性が非常に強く出ている すなわち, 何らかの尿細管障害を疑わせるような所見です 糸球体の硬化像はそれほど強くありませんが,mesangium 領域に結節性のnodule が見られます 年齢が75 歳ですけれども, 小葉間動脈内膜の線維性肥厚が目立ちます 各施設で Masson 染色もいろいろな染まり方をしてくるのですが, 本症例では近位尿細管でのMasson 染色の染まりが強く出過ぎます この原因が何かということです 尿細管の萎縮があって, 周囲の間質のfibrosis と浮腫が見られます スライド02 これは髄質域ですけれども, やはりこれは近位尿細管のP3 portion が髄質の外帯に入ってきた場所だと思います 近位尿細管の濃く染まった状態が, 髄質にも及んでおります スライド03 強拡です 糸球体では,mesan- gium matrix が拡大しております メサンギウム細胞増多はあまりはっきりしません ろ過面を持たない細かい小血管が, 拡大したmesangi- um 基質の中に認められます スライド04 この部分の尿細管には, 軽度の 2

9 腎炎症例研究 32 巻 206 年 尿細管壊死がありますが, それほど強いacute tubular necrosis の変化はないようです スライド05 糸球体は, ご覧のようにmesan- gium 基質の拡大と, 軽度のmesangium 細胞増多がありますけれども, それに加えて, 糸球体毛細血管の中に炎症細胞浸潤が見られます スライド06 言いかえれば, 管内性細胞増多が加わった病変です スライド07 PAS 陽性の好中球も含んでおります スライド08 ここは, 好中球を含む管内性細胞増多が目立つsegmentです それから, 拡大した基質の中にろ過面を持たない小血管が見られます すなわち, 糖尿病性糸球体硬化症のびまん型のごく早期の病変があるのではないかと思います 電顕で最終的な診断が分かるわけですけれども, これを見てもやはり糖尿病性糸球体硬化症びまん型の早期病変があることが疑われます それに管内性細胞増多が加わった所見だと思います スライド09 PAM 染色で見ますと, 糖尿病にしては, 細動脈内膜の硝子様肥厚が目立ちません スライド0 この尿細管上皮は,brush border がありますので近位尿細管です そこにiso- metric vacuolization が強く見られます カルシニューリン阻害薬の毒性として有名ですけれども, この症例はそういう薬剤は使われていない背景で, これだけ強いisometric vacuolizationが見られます そこらへんは, 後で臨床の先生とディスカッションしてみたいと思います スライド これが, 弱拡から言及していました近位尿細管でのMasson 染色が強く染まった変化です この変化をどう捉えるかです 急性尿細管壊死と見るのか どうしてMasson 染色でこれだけ強く染まってくるのか その一部が isometric vacuolizationを起こしていますけれども, 何らかのかたちで尿細管の機能障害に結び付いている形態像ではないかと思います スライド2 Henleのloop ですけれども, Tamm-horsfall 蛋白を含み,hyaline cast がかなり顕著に見られます スライド3 まとめますと, 全節性硬化が8 分の5 個, 約 3 割の全節性硬化があります 背景となる残存糸球体では,mesangium 細胞増多がわずかに見られます 拡大したmesangium 基質にろ過面を持たない小血管の増生を認め, 糖尿病性糸球体硬化症, びまん型の早期病変を疑わせる変化だと思います それに加えて管内性細胞増多を認めます スライド4 半月体, 分節性硬化, 癒着, 虚脱はありません つの糸球体にglomerular cystic legion があります これは, 尿細管の下流からの尿のこみ上げ現象があった病変かもしれません 糸球体基底膜そのものには異常がなく,spike,bubbling, 二重化はありません 糸球体の腫大もありません 尿細管は40% の萎縮で, その分の間質の線維性拡大ならびに浮腫性拡大があって, 炎症細胞浸潤は目立ちません リンパ球と形質細胞浸潤は0% 程度です スライド5 近位尿細管領域のisometric vacuolization があり,Masson 染色で強く染まる急性尿細管壊死があります 遠位尿細管には硝子円柱の形成があります Tamm-horsfall は, 免疫学的に染めてみないと確定できませんが,Tammhorsfall による円柱腎症が合併していると思います スライド6 間質の炎症細胞はリンパ球, 形質細胞が主体で, 好中球浸潤はありませんでした スライド7 血管系では, 小葉間動脈に,70 歳ですので年齢相応の内膜の線維性肥厚があります それから, 軽度の輸出輸入細動脈の硝子様肥厚があります スライド8 免疫染色ではC3 が主体で,mesangial granular パターン Cq もfibrinogen も絡んでいます スライド9 内皮下に強い浮腫があります 基底膜の所見からは, 糖尿病性糸球体硬化症が始まっていると思います 基底膜そのものは厚 22

10 第 64 回神奈川腎炎研究会 いです ここはもうちょっと厚いです これで 400nm ぐらいだと思いますが, ここになりますと 800nm 程度の肥厚があります mesangium matrix が拡大しています 一部, ろ過面を持たない小血管が, 毛細血管を取り込みつつあります スライド20 この症例は, 光顕像でも示しましたように好中球,macrophagesが管腔の中に強く浸潤しております ここは, 基底膜が破壊されて, ちょうど好中球がボウマン腔の外に出るところであります ここに基底膜があって, ここが断裂しておりまして, ここから好中球がボウマン腔に遊出するところです ここに hump 様の上皮下沈着物もあります スライド2 急性活動性病変でhump を伴う この症例ではstaphylococcus 感染から来る急性糸球体腎炎であり, 基底膜を破壊して, 好中球の遊出を誘導している像だと思います スライド22 上皮下沈着物があります 糸球体毛細血管内にはmacrophagesの浸潤があります スライド23 こちらがボウマン腔, こちらが内皮です 典型的なhump の形成があります 従来, 溶連菌により急性糸球体腎炎のhump を誘導しますが, この症例ではブドウ球菌の感染から来るhumpであります 溶連菌に限らず, staphylococcus でもきれいなhump を起こし得る証拠になると思います スライド24 免疫染色では,C3 単独でmesan- gium あるいは糸球体末梢係蹄に顆粒状の陽性でしたが, 電顕的にはhump も染まっている変化だと思います スライド25 従来の免疫 globulinは陰性でした スライド26 Cq,fibrinogen の分節性陽性の変化は, 恐らく浸出性病変であると思います スライド27 IgG の糸球体末梢係蹄のlinearな陽性はなく, 糖尿病性糸球体硬化症のtypicalな所見ではありません しかし, 糖尿病性糸球体硬化症でlinear な IgG 沈着の陰性の症例はいく らもありますので,linear に染まっていないからといって, 糖尿病性腎症を否定する根拠にはなりません スライド28 糸球体基底膜の厚さは約 600nm で肥厚しております mesangium 基質の拡大を伴っています スライド29 糖尿病性糸球体硬化症, びまん型にcompatible だと思います それにhump 形成を伴う管内性変化が出ておりますので, ブドウ球菌による急性感染後腎炎の合併した症例と診断します スライド30 これが結論です 臨床診断としては, 慢性腎炎症候群, 糖尿病, クリオグロブリン血症 このクリオグロブリンは,CIC( 血中に循環する免疫複合体 ) も高値で, クリオも陽性だったですけれども, 糸球体にはクリオを示すようなdense deposit はなく,C3 dominant であったので, むしろ急性感染後腎炎の変化で C3 が出ているものだと思います クリオグロブリン血症性免疫複合体性腎炎の変化ではなかったかと思います スライド3 肥満があり, クリオ陽性とHCV 抗体陽性がある程度関連した変化なのかもしれません また, 蜂窩織炎がありました sepsis になったということで, 血清中からstaphylo- coccus が培養されておりますので, やはりここを感染巣として, 糖尿病性腎症に, 急性感染後腎炎が合併した可能性があります 糖尿病のため易感染性の状態であったのだと思います ここは, 山口先生にもお聞きしたいのですけれども, 本症例は相当抗生剤を投与している可能性がありますので, 量依存性の薬剤性尿細管壊死があったのではないかと思います isometric vacuolization も, 外から与えた薬剤との関連があるのではないかと思いますが, その実態がよく分かりませんので, 後で臨床の先生にもお聞きしたいと思います スライド32 それから,IF, 電顕所見は先ほどお示ししたとおりです スライド33 糸球体に関しては, 電顕診断を 23

11 腎炎症例研究 32 巻 206 年 重視して, 糖尿病性糸球体硬化症, びまん型に humpを伴う急性感染後腎炎の合併と診断しました 近年の腎機能の悪化は, これだけでは説明がつかないと思いますので, 尿細管上皮に量依存性の急性毒性の病態 それから,isometric vacuolizationを背景に腎機能が悪化した可能性があると思います 抗生剤, あるいは抗菌薬の投与だと思いますが, ここらへんはもう少し臨床の先生の情報を得たいと思っております 以上です 座長ありがとうございました 山口先生, お願いいたします 山口 スライド0 この症例は, 不思議な humpで, そのhump のあるところに好中球, macrophages が浸潤してきている human Pathologyを見ていたら,hump は, いつもだとただあるだけなのですが, 先ほど城先生がお見せしたような好中球がダイレクトに来て, GBM にギャップを起こしている なかなか電顕で見ないです スライド02 普通見る上皮の扁平化と内腔の拡張はあるのです vacuolizationは,cni の特許ではなくて, いろいろな病態で随伴していきます 糸球体は, 巣状分節様病変が限局した,segmentalに endocapillaryな, その場所にhump がある その点が面白いように思います 間質は線維化して,TBMもやや厚い印象です スライド 03 nephronの萎縮もある 糖尿病で癒着を起こしますと, そこから尿細管極に染み込み病変ができてくる ここに既存の基底膜があって, そうすると, この間にこんなスペースがどんどんでき, これが染み込み病変で, 今は一応,paratubular basement membrane insudation という名前を付けています これが近位尿細管の straight portion まで進展していく 最終的には尿細管が萎縮して, 糸球体がatubularになってしまう スライド04 mesangial matrix が拡大して, 糸球体は大きいです 尿細管の萎縮を見ているのですが, どうも糖尿病だけの専売特許ではなくて, いろいろな病態に随伴して出てきてしまいますが, 広範囲な変化は糖尿病の病変に由来するのかなと, 今は考えております スライド05 mesangial matrix は, いずれも増えて, 細動脈の硝子化が目立たないです 一部の糸球体にhump みたいな瘤状のものが見えていたのです スライド06 tubular injury はあるので, これは虚血, 全身性の循環障害でもいいように思います スライド07 この糸球体は, この拡大だと hump が見えなくて申し訳ないです capillaritis,tubulitis も場所によってはあります スライド08 一部にこういうvacuolization brush border が残っているのです 基底膜側に foamy な変化は, ネフローゼのときに, 最初は遠位側にlipidもたまり, 遠位側のfoamy change で, 長期に近位側にもlipidがたまってくることがあります ただ, 比較的限局して見られているので, 薬剤といったtoxic なものも関与しているのかもしれないです ここにもendocap- illaryなものがsegmental に見られています スライド09 vasa recta のところに軽い炎症が見られます スライド0 これは髄質側のstraight portion かどうかは分からないのですが, 萎縮を見ています 本来の基底膜, 内側に新生 TBMがあって, その間がloose になっている変化です スライド tubular injury です スライド2 hump のあるところに,endocapillaryな反応が見られる スライド3 スライド2 と同様です スライド4 Masson で少しcrescent 様の病変ができています スライド5 crescent ができかかって,endocapillary な変化がsegmental に広がっている スライド6 ここにhump が2 つあります 24

12 第 64 回神奈川腎炎研究会 hump は取り残されて数カ月で吸収されるとはいわれています スライド7 IgG が, 顆粒状でsegmentalに, 一部陽性と取ってもいいのかなと思っています スライド8 C3は peripheral 一部 mesangial が出ているように思います スライド9 κ,λも, ちょこっとあるのかなという印象です スライド20 典型的な糖尿病のmesangial matrix,gbm の肥厚 こちら側のsegmentはend- capillaryの像で,humpが多発して, 一部好中球が出て, 癒合性になっている スライド2 拡大で見ますと, 皆さんも見たことがあるのかどうか分かりませんが, この hump に膜状のものが入っているのです 濃淡ぐらいはある, だけど, この膜状構造が一緒にあるhumpは記載がないです では,DM があるからできたのか あるいは菌体成分の膜を, complex で膜を取り込んだのか こういう hump は僕も初めて出合いました 膜内沈着にも同じように膜状のものが入っています ですから,circulating immune complexes であるならば, ちょっと面白い変化だろうと思います スライド22 糖尿病性糸球体硬化症があります スライド23 focal segmentalなendocapillary proliferationで, 感染関連の急性腎炎と, 糖尿病性糸球体硬化症でいいと思います スライド24 これは追加です Hoas 先生の post-nfectious glomerulonephritisでは糖尿病に随伴してくるものが圧倒的に多いと思います 以上です 座長どうもありがとうございました 臨床の先生から何かご質問はありますでしょうか 今回はCRP が陰性化してから腎生検までのタイムラグは, 結構ありましたか 阿部 CRP が 回陰性化したのは, たぶん8 年前の閉塞性黄疸の治療後なので, そこから6, 7 年は普通にCRPは陰性の時期が続いていて, 蜂窩織炎後から, 回皮膚科で入院をされて軽快したのですけれども, その後, 持続的に陽性だったという経過があります 座長分かりました 先ほどの城先生のご質問で, 結局, 今回の腎機能障害の原因として, 尿細管のisometric vacuolization の問題があるということで, 量依存性の障害とおっしゃいましたが, 抗生剤の量はどうですか 阿部抗生剤の量は, その当時入っているのを確認して, 日 500mg で, 恐らくそのときの腎機能 dose で入っていたと思うので, 適量が入っていたと思うのですけれども, 抗生剤が入っていても, 腎機能が徐々に増悪していって, その経過で肝機能障害が出てきたところもあって, 抗生剤を一時的に中止させてもらったのです その経過の中で, また肝細胞癌が出てきたこともあって, 造影剤を使用しなければいけない経過もありまして, それも若干腎臓に追い打ちをかけたような印象は少しあります 座長分かりました 城造影剤を使っているのですか 阿部そうなのです 肝細胞癌の診断のために造影剤を使わざるを得ない状況になってしまって 城では,isometric vaculolization は造影剤の可能性が高いです 抗生剤は多剤併用ですか? また, 何をどのぐらい使っていますか 阿部アモキシシリン単剤を40 日ぐらいです 城アモキシシリン単剤ですか 阿部はい 単剤です そのとき, 特別何か培養が出ていたということではなく,CRPが持続陽性ということもあって, 蜂窩織炎の既往から感染後腎炎を疑って, そこを目掛けて抗生剤を投与したのですけれども, 効果が乏しくて, 肝障害が出たところで中止になりました 城肝障害の黄疸はどの程度でしたか 阿部黄疸は, ビリルビン自体は.2 とかなのですけれども,AST,ALT の値が上がってきた 25

13 腎炎症例研究 32 巻 206 年 ところで腹部の超音波を施行したところ, 肝の S4,S8 領域に腫瘤影があるということで, その後造影 CT を撮って, 消化器内科にコンサルトのうえ, テスト施行というようなかたちになっていると思います 城では, 肝障害としては大した障害ではないですか 阿部そうです 座長はい では, 今回の症例は, 糖尿病に合併した感染後糸球体腎炎ということで, 腎機能障害に関しては, 直接的には病理との相関がないのかもしれないということで, よろしいでしょうか 金綱先生, お願いいたします 金綱 KYK の金綱です 私も以前, 足の外傷に続発した管内増殖性腎炎を経験したことがございます この人の今回のエピソードについては, 糖尿病プラス管内増殖性感染関連腎炎でよろしいかと思います やはり, 不思議なのが, 尿細管間質の障害です 拝見していますと, 割合線維化が激しい割に炎症の所見が弱いなと それが大変印象的でありました つは, 薬剤関連とか血流障害があると思いますけれども, この方の場合, つは糖尿病である もうつは後腹膜線維症を指摘されておりますので, 例えば尿流出障害のようなものがあったかどうかということも確認させていただきたいと思いました 阿部入院時に超音波などを取らせていただいたのですけれど, 明らかに水腎症などの所見は認めていなくて,IgG4 関連の疾患が今 active かは否定的と考えました 金綱特に糖尿病による, 膀胱機能障害等もないということですか 阿部ないと思います 金綱はい どうもありがとうございます 座長ありがとうございました そのほか, ご意見はございませんでしょうか 竹内先生, お願いいたします 竹内共同演者の北里大学の竹内でございま す 臨床経過に少し補足でございます この方の腎障害の経過につきまして, 抗生剤を投与したにもかかわらず, 炎症反応は結局その後一度も正常化することはなく, 低レベルではございましたけれども, ずっと異常値が続いていた 感染性腎炎の経過はその後あったと一応仮定をしておりまして, 尿所見上でも, 確か血尿が最終的には消えなかったと思います 糸球体病変の悪化がどうなのだろうかと, ちょっと懸念されたところもございましたので, 今回出させていただきました 尿細管障害については, あまり今回の腎障害の要因としては, 実際のところ, われわれは考えていなかったというのが事実でございます 座長ありがとうございます 何か補足のご意見などはございますでしょうか はい では, このへんでこの症例は終わらせていただきます 司会の不手際でお時間を延長して, 申し訳ございませんでした では,3 演題の座長を終わらせていただきます ありがとうございました 26

14 第 64 回神奈川腎炎研究会 I-3 肉眼的血尿が出現し急速に腎障害が進行した糖尿病性腎症の一例 北里大学医学部腎臓内科阿部哲也先生 青山東五先生 関本恵子先生 高橋遼先生 島田芳隆先生 正木貴教先生 竹内和博先生 鎌田真理子先生 小川みゆき先生 村野順也先生 内藤正吉先生 佐野隆先生 竹内康雄先生 東北大学大学院 医科学専攻 病理病態学講座城謙輔 第 64 回神奈川腎炎研究会 205 年 9 月 7 日 ( 土 )5:30~9:45 横浜シンポジア 城先生 _0 城先生 _04 城先生 _02 城先生 _05 城先生 _03 城先生 _06 27

15 腎炎症例研究 32 巻 206 年 城先生 _07 城先生 _0 城先生 _08 城先生 _ < 光顕 > 標本は 2 切片採取 糸球体 5/8 個 (28%) に全節性硬化 残存糸球体において メサンギウム細胞増多を 2/3 個 (5%) 認め 拡大したメサンギウム基質に濾過面を持たない小血管の増生を認めます 管内性細胞増多を 3/3 個 (23%) 認めます 半月体形成ならびに分節性硬化 癒着 虚脱はありません glomerular cystic lesion:/3 個 (8%) 認めます 糸球体基底膜の肥厚はなく PAM 染色にて二重化ならびに spike bubbling も見られません 糸球体の腫大はありません (200μm) 尿細管 間質尿細管の萎縮はびまん性に萎縮し 同域間質の線維性 浮腫性拡大を中等度に認め (40%) リンパ球 形質細胞浸潤を 0% 認めます 尿細管上皮は近位尿細管領域に isometric vacuolization を認め 領域的には急性尿細管壊死も見られます さらに遠位尿細管には硝子円柱の形成も見られます HE 染色にて Tamm-Horsfall 蛋白の鬱滞が疑われます 間質には軽度のリンパ球 形質細胞浸潤のみで好中球浸潤はありません 血管系小葉間動脈に中等度の内膜の線維性肥厚を認め 輸入 輸出細動脈に軽度の内膜の硝子様肥厚を認めます 城先生 _09 城先生 _2 28

16 第 64 回神奈川腎炎研究会 IgG C3 IgM Cq IgA Fib 城先生 _3 城先生 _6 城先生 _4 城先生 _7 城先生 _5 城先生 _8 29

17 腎炎症例研究 32 巻 206 年 免疫染色 C3単独にメサンギウム領域に顆粒状に陽性です 免疫グロブリンは陰性です Cq Fibが分節性のおそらく浸出性病変に陽性です IgGの糸球体末梢係蹄への線状陽性はなく 糖尿病性糸球体硬化症と 診断出来ません 電顕診断 糸球体基底膜は肥厚し 約600nm メサンギウム基質の拡大を伴っています 濾過面を持たない小血管の増生は見られませんが 糖尿病性糸球体硬化症 びまん型にcompatible です さらに上皮下にhumpを形成し 毛細血管腔には好中球 マクロファージ浸潤を 認めます 領域的に内皮下の浮腫を伴っています 以上の所見から 糖尿病性糸球体硬化症 びまん型にhumpを伴う急性感染後腎炎 の合併した症例と診断します I 3:肉眼的血尿が出現し急速に腎障害が進 行した糖尿病性腎症の例 北里大腎内 城先生 _9 山口先生 _0 症例 75歳 男 8年前自己免疫性膵炎 後腹 膜線維症 閉塞性胆管炎で敗血症 DIC,糖尿 病 年前蜂窩織炎(Staphylococcus)で CRP陽 性持続 徐々にCr上昇し 2. mg/dlで 尿潜血 蛋白 + 臨床病理学的問題点 1 糖尿病性腎症に合併した感染性腎炎で良 いか? 2 その他の可能性は? P 歳 男性 臨床診断 慢性腎炎症候群 糖尿病 クリオグロブリン 陽性 肥満 HBc抗体 陽性 腎機能低下 閉塞性胆管炎 蜂窩織炎の既往 病因分類 糖尿病性腎症 病型分類 糖尿病性糸球体硬化症 びまん型 急性感染後腎炎の合併 量依存性薬剤性急性尿細管壊死の合併 isometric vacuolizationの原因不明 IF診断 免疫複合体性腎炎否定 C3のみメサンギウム領域に顆粒状陽性 電顕診断 糖尿病性糸球体硬化症 びまん型 humpを伴う急性感染後腎炎合併の疑い 皮質 髄質 5 5 糸球体数 8個 全節性硬化 5個 メサンギウム細胞増殖 2個 管内性細胞増多 3個 半月体形成 0個 細胞性半月体 0個 線維細胞性半月体 0個 線維性半月体 0個 分節性硬化 0個 癒着 0個 虚脱 0個 未熟糸球体 0個 glomerular cystic lesion 個 尿細管の線維化(IFTA) 40% 間質の炎症細胞浸潤 0% 小葉間動脈内膜の線維性肥厚 中等度 輸入 輸出細動脈内膜の硝子様肥厚 軽度 城先生 _20 山口先生 _02 考察 糸球体に関しては 電顕診断を重要視して 糖尿病性糸球体硬化症 びまん型に humpを伴う急性感染後腎炎の合併と診断しました しかし 近年の腎機能の悪化はそれだけでは説明がつきません 尿細管の萎縮が目立ち(40%) 同域の間質の線維性 浮腫性拡大が 腎機能悪化に関連しています さらに近位尿細管のiisometric vacuolization ならびに急性尿細管壊死を伴っており 腎機能悪化へ関与したと思われます 以上 iisometric vacuolizationの原因はわかりません 急性尿細管壊死は抗生剤ないしは抗菌薬の投与による原因と思われます 城先生 _2 山口先生 _03 220

18 第 64 回神奈川腎炎研究会 山口先生 _04 山口先生 _07 山口先生 _05 山口先生 _08 山口先生 _06 山口先生 _09 22

19 腎炎症例研究 32 巻 206 年 山口先生 _0 山口先生 _3 山口先生 _ 山口先生 _4 山口先生 _2 山口先生 _5 222

20 第 64 回神奈川腎炎研究会 κ λ 山口先生 _6 山口先生 _9 IgG 山口先生 _7 山口先生 _20 C3 山口先生 _8 山口先生 _2 223

21 腎炎症例研究 32 巻 206 年 山口先生 _22 64 I 3( 北里大 ). Endocapillary proliferative glomerulonephritis 2. Diabetic glomerulosclerosis, diffuse type, most likely 3. Patchy tubular injury and foamy degeneration, moderate cortex / medulla= 6/4, global sclerosis/glomeruli= 7/2 光顕では 糸球体には軽度のメサンギウム域拡大を認め 分節状に多核球浸潤及び内皮腫大 増生が散在し 大きな hump 様上皮下沈着を疎らに認めます ボウマン囊の肥厚を伴う上皮増生が ヶが見られ その周囲に多核球浸潤を伴っています 被膜直下に球状硬化が 5 ヶ見られ Polar vasculosis を軽度認めます 尿細管系には近位上皮に扁平化及び拡張と泡沫変性が散在し 硝子滴変性が見られ 硝子或いは血球円柱を認めます 更に二重化に萎縮した尿細管群を散見し 一部に上皮下染み込み病変を認めます 動脈系に輸入出細動脈硝子化が中等度見られ 中位動脈内膜肥厚を中等度認めます 蛍光抗体法では IgG(+), IgA( ), IgM( ), Cq( ), C3(+), C4( ), κ( ), λ(+): starry sky です 電顕では 観察糸球体には厚い GBM に膜状構造物が散在する大きな hump 様上皮下及び膜内沈着が散在し 好中球などが浸潤し 一部では GBM の断裂と好中球のボウマン囊腔への逸脱を認めます 血管腔は狭小化し 内皮下浮腫と内皮の腫大を認め メサンギウム間入が見られます メサンギウム域には癒合性のメサンギウム基質増加が見られます 脚突起癒合が所々で見られます 尿細管基底膜肥厚が見られます 以上, 感染関連急性腎炎を合併した糖尿病性糸球体硬化症と思われます 山口先生 _23 山口先生 _24 224

1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61

1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61 1 2 2 ANCApouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - '03 2 3 31 UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, 3+ 4 14 156.0 cm 61.5 kg 36.9 158/92 mmhg 90 1. ANCA 2. 3. IgG4 deposit

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