腎炎症例研究 33 巻 2017 年 若年性ネフロン癆の一例 高 1 田大輔 小 1 暮裕太 今 福 1 礼 山 1 内真之 澤 1 直樹 藤 2 井晶子 森 3 崇寧 乳 1 原善文 1 関根章成 1 上野智敏 1 川田真宏 1 長谷川詠子 1 星野純一 2 大橋健一 3 蘇原映誠 1 薮内純子

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1 腎炎症例研究 33 巻 207 年 若年性ネフロン癆の一例 高 田大輔 小 暮裕太 今 福 礼 山 内真之 澤 直樹 藤 2 井晶子 森 3 崇寧 乳 原善文 関根章成 上野智敏 川田真宏 長谷川詠子 星野純一 2 大橋健一 3 蘇原映誠 薮内純子 早見典子 平松里佳子 諏訪部達也 高市憲明 2 藤井丈士 3 内田信一 4 病理コメンテータ城謙輔 山口 5 裕 症例症例 :25 歳男性紹介目的 : 慢性腎不全の精査現病歴 :2 歳時に嘔吐にて近医受診した際に偶然腎臓の嚢胞を指摘された (ARPKD を疑われていた ) 6 歳時に血液検査にて腎機能障害 (Cre.0 mg/dl) を指摘された その後外来で年に 度経過を診られていたが, 経年的に腎機能障害の進行を認めていた 205 年の近医来院時にも腎機能障害の進行 (Cre 2.40 mg/dl), 尿蛋白 (.03 g/gcre) を認め, 当院紹介受診 既往歴 : 特記事項なし ( 尿蛋白に対してブロプレス2mg/day 投与されたが, 血圧低値につき中止されている ) 家族歴 : 祖母透析 ( 詳細不明 ) 両親 息子 娘 : 嚢胞疾患なし姉 : 糖尿病嗜好歴 : 機会飲酒タバコ 25 本 /day 5 年初診時現症 : 身長 :65 cm 体重 : 56.5 kg BMI: BP:26/64 mmhg ( no medication) 視野障害なし眼球運動障害なし 呼吸音清心音 :S S2 S3(-)S4(-) 収縮期雑音なし腹部平坦 軟圧痛なし下腿浮腫なし合併症検索 : 頭部 MRI: 異常所見なし ( 小脳萎縮なし ) 眼科診察 : 網膜電図含めて異常なし来院までの経過 紹介受診 Cre proteinuria (mg/dl) proteinuria Cre ± ( 虎の門病院 (2 虎の門病院 腎センターリウマチ膠原病科 病理部 (3 東京医科歯科大学 腎臓内科 (4 東北大学大学院医学系研究科 (5 山口病理組織研究所 病理病態学講座 78 Key Word:NPHP,ARPKD,cystic lesion

2 第 65 回神奈川腎炎研究会 入院時血液尿検査 血算 WBC RBC Hb MCV MCHC Plt Na K Cl Ca IP 7600 /μl 467 万 /μl g/dl 3.6 Fl 89.5 % 万 /μl mmol/l 43 mmol/l 3.9 mmol/l 05 mg/dl 9.6 mg/dl 3.9 生化 TP 6.8 Alb 3.6 AST 8 ALT 20 LDH 84 ALP 240 CK 28 Tbil 0.5 UN 37 Cre 2.6 UA 8.4 CRP 0. g/dl g/dl IU/L IU/L IU/L IU/L U/L mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl 右腎 43 * 6mm 左腎 35 * 65 mm 腎内部はφ5-0mmのcystic lesion と高エコー斑により占拠 図 免疫 006 mg/dl IgG 98 mg/dl IgM 9.2 mg/dl IgA CH50 52 U/mL 8 mg/dl C3 36 mg/dl C4 随時尿 76 mmol/gcre Na 32 mmol/gcre K 48 mmol/gcre Cl 図4 腹部CT <尿検査> 尿比重.009 尿蛋白 +.03 g/gcre 尿糖 尿潜血 + RBC < 個/HPF β2mg 539 μg/l αmg 23.5 mg/l NAG 7.0 IU/gCre BJP C Negative 両腎にlow density area 多数形成 微細な石灰化を多数認める 図2 図5 網膜電図含め眼科的疾患なし 腹部MRI T2強調画像にて高信号を示す嚢胞性病変が腎臓全体にみられるが 異常信号を示す嚢胞がなく 嚢胞性病変の境界が不明瞭な点が ADPKDとは異なる 図3 図6 79

3 腎炎症例研究 33 巻 207 年 MT染色 PAS染色 皮質部は概ね正常 総糸球体9個 硬化糸球体なし 皮質髄質境界部で尿細管の拡張像がみられる 図7 図 0 MT染色 皮質髄質境界部でのに尿細管間質の線維化がみられる 尿細管基底膜のジグザグ状変化 図8 図 PAS染色 遺伝子解析 診断に使用した検体種別 血液 同定された遺伝子変異 NPHP4 :exon6 :c.g8a :p.r394h het. NPHP4 :exon3 :c.g662a :p.g22d het. PKHD :exon32 :c.g574a :p.w725s het. いずれもヘテロ接合性ミスセンス変異であり 新 規病変であった 確定診断のために 両親(嚢胞認めない)の遺伝子検索を行った 糸球体は概ね正常 図9 図 2 80

4 第 65 回神奈川腎炎研究会 遺伝子解析 NPHP4 (NM_ ) Ex3 NPHP4 (NM_ ) Ex6 c.g662a :p.g22d c.g8a :p.r394h PKHD (NM_38694) Ex32 c.g574c :p.w725s NPHP の特徴的検査所見 Proband CAGG/ATGA Heterozygous CAGG/ATGA GCCG/ACGA < Heterozygous GCCGCGA GGTG/CGGC Heterozygous GGTGGGC 超音波検査でエコー輝度の上昇を認め 皮髄境界が曖昧になり cystic lesion を認める (Aguilera, et ai. Nephrol Dial Transplant. 997 ) MRI で皮髄境界 髄質に cystic lesion を認める (Stafrace et al. Pediatr Radiol. 200 ) Father Mother Heterozygous CAGGTGA < Wild type GCCG/ACGA < Wild type GGTG/CGGC 腎生検では尿細管基底膜の分裂 間質細胞浸潤と線維化 遠位尿細管や集合管の嚢胞状拡張 cystic lesion による尿細管の萎縮などを認める (Waldherr et al., 982, Salomon et al. Pediatr Nephrol ) Wild type Heterozygous Heterozygous 図 3 図 6 本症の特徴 画像検査にてびまん性に多発する腎嚢胞性病変を確認 腎生検では皮質髄質境界部の間質の線維化と遠位尿細管に相当する領域の拡張所見と, 尿細管基底膜のジグザク状所見を確認 遺伝子検査にて NPHP4 のコンパウンドヘテロミスセンス変異を確認 ( 嚢胞の無い両親から各々遺伝 ) ネフロン癆 (NPHP4) と診断 図 4 NPHP4(22 家族 ) のまとめ 遺伝子の特徴 6 家系はナンセンス変異のアレルを 2 つ 2 家系はミスセンス変異のアレルを 2 つ 家系はホモのスプライシング変異 2 家系はミスセンスとナンセンス変異のコンパウンドヘテロ 家系はナンセンスとスプライシングのコンパウンドヘテロ 臨床上の特徴 変異のタイプに関わらず 分類上は juvenile ESRD (2.6±4.3, 7-25 years) を示していた 2 家系では腎サイズは腫大を認めていた 6 家系では眼や肝臓 ( 網膜剥離 肝線維症など ) 3 家系に聾啞などを認めた ナンセンス変異のアレルを持っていても腎外合併症は認めなかった Chaki, M., et al. Kidney Int, (): p 図 7 ネフロン瘻 Nephronophthisis (NPHP) 常染色体劣性遺伝形式を呈し 嚢胞性病変を伴った慢性尿細管間質病変を認め 比較的若年で末期腎不全になる事を特徴とする 当初は3つの遺伝子異常が同定され末期腎不全に至る年齢に一致すると考えられていた NPHP2 :Infantile type : 歳 NPHP :juvenile type :3 歳 NPHP3 :adolescent type :9 歳 2002 年にNPHP4が同定されている 図 5 代表的な腎外病変合併症 Gene (families) Kidney Eye CNS Liver Heart 2 null alleles <2 null alleles 2 null alleles <2 null alleles 2 null alleles <2 null alleles NPHP (226) (0.4%) + 29 (96.9%) 6 (2.6%) 3 (.3%) + 20 (8.8%) (0.4%) 5 (6.6%) + 7 (3%) NPHP2 (2) 0 (83.3%) 2 (6.6%) (8.3%) + (8.3%) (8.3%) NPHP3 (5) (20%) + 3 (60%) (20%) 2 (40%) NPHP4 (20) 6 (80%) 4 (20%) 3 (5%) + 3 (5%) (5%) 2 (0%) NPHP5 (23) 23 (00%) (4.3%) + 22 (95.6%) NPHP6 (6) (6.2%) + 3 (8.2%) (6.2%) + (6.2%) 8 (50%) + 4 (25%) (6.2%) + (6.2%) (68.7%) NPHP8 (8) 2 (25%) + 5 (62.5%) NPHP0 (5) 5 (00%) 4 (80%) (20%) NPHP (8) (5.5%) + 7 (94.4%) 図 8 7 (38.5%) + 2 (.%) AHI (5) (20%) 3 (60%) (20%) + 2(40%) 4 (80%) CC2D2A (3) 3 (00%) 眼 ( 網膜変性 ), 脳 ( 小脳中部形成異常 ), 肝 ( 先天性肝線維症 ), 骨 ( 円錐状骨端 骨粗鬆症 ) 心疾患 (VSD) 内臓逆位などが挙げられる ARPKD とは肝臓脾臓病変の程度と頻度が少ないのが特徴 Chaki, M., et al. Kidney Int, (): p

5 腎炎症例研究 33 巻 207 年 常染色体劣性多発性嚢胞腎 (ARPKD) PKHD 遺伝子による AR の遺伝病で頻度は /20,000 である 重度肺低形成を伴い新生児期に死亡することが多い典型的な重症型 ( 両方のアレルがナンセンス ) と 一方で新生児期を乗り切り成人期に達して末期腎不全となる緩徐進行型 ( 両方のアレルがミスセンス等 ) がある 両者とも肝病変と脾腫が問題となる 緩徐進行型ではネフロン瘻との鑑別が困難 腎集合管の拡張病変が主病変と考えられている 図 9 結語 NPHP4 の 症例を経験した 腎臓病変の御検討を宜しくお願い申し上げます 図 20 討論高田よろしくお願いいたします 今回このような発表の機会を与えていただき, 誠にありがとうございます スライド 若年性ネフロン癆の一例 に関して発表させていただきます スライド 症例は25 歳男性, 慢性腎不全の精査目的に紹介されました 現病歴ですが,2 歳時に, 嘔吐で近医を受診した際に偶然腎臓の嚢胞を指摘されたということでした この時点では,ARPKD( 常染色体劣性多発性嚢胞腎 ) を疑われていたようです 6 歳時に, 血液検査にて腎機能障害を指摘されまして, その後, 外来で年に 度の経過を診られていましたが, 経年的に腎機能障害の進行を認めておりました 205 年の近医来院時にも腎機能障害の進行, 尿蛋白を認めたため, 当院に紹介受診をされました スライド 既往歴は, 特記事項はありません 家族歴は以下のとおりです 嗜好歴ですが, 機会飲酒程度で, たばこを25 本程度吸われております 初診時の現症としては,BMI が 20 程度でして, 血圧は特に薬剤の内服なしで 26/64mmHg という値でした 頭部 MRIで異常所見などはなく, 眼科診察でも異常を認めませんでした スライド こちらが来院までの経過になっております 経年的にcreatinine の上昇を認めておりまして, 尿蛋白も定性ではございますが, 増加傾向を認めております スライド こちらが入院時の血液尿検査となっております UN が 37mg/dL,creatinine が 2.6mg/dL と腎機能障害を認めておりますが, 肝機能異常や, 電解質の異常などは認めておりません スライド 免疫学的検査も, 特記事項はないと考えております 随時尿でも, 濃縮力の障害などを示唆する所見は得られませんでしたが, 尿沈査でβ2ミクログロブリン,αミクログ 82

6 第 65 回神奈川腎炎研究会 ロブリンの上昇を認めております 蓄尿で調べたら蛋白定量としては,.5g/dayという数値でした スライド こちらが眼科的な所見です 網膜電図含め, 眼科的な疾患は認めておりません スライド こちらがエコー所見ですけれども, 両腎ともに,4cm,3cmと腫大を認めておりまして, 腎臓内部は微小なcystic lesion を認めておりました スライド こちらが CT 所見ですけれども, 両腎にlow density areaを多数認めていることと, 微細な石灰化を所々に認めております スライド こちらは腹部 MRI 所見です T2 強調画像にて高信号を示す嚢胞性病変が腎臓全体に認めました スライド こちらからが腎生検所見となっておりますが, 皮質部はおおむね正常でして, 総糸球体は9 個で, 硬化糸球体は認めませんでした スライド 皮質髄質境界部で, 尿細管間質の線維化を認めておりました スライド 糸球体はおおむね正常所見を呈しております スライド 皮質髄質境界部で, 尿細管の拡張像などが認められております スライド 尿細管基底膜のジグザク状の変化, また, ほかの部位でもmultilayeringなどを認めております スライド ここで遺伝子解析を, 東京医科歯科大学にお願いいたしまして遺伝子解析を行ったところ,NPHP4の2 カ所に遺伝子変異を認め,PKHD の カ所に遺伝子変異を認めました いずれもミスセンス変異で, 新規病変でありました 確定診断のために, 両親の遺伝子検索も行いました スライド こちらがその結果です 父親から NPHP4 の遺伝子を受け継ぎ, 母親からは NPHP4 のもうつの遺伝子と,PKHD が遺伝していることが分かりまして,NPHP4( ネフロン癆 ) が今回の病気の原因だったことが, 遺 伝子解析から分かりました スライド ここで本症の特徴をまとめます 画像検査にて, びまん性に多発する腎嚢胞病変を確認いたしました 腎生検では, 皮質髄質境界部の間質の線維化, 遠位尿細管に相当する領域の拡張所見と, 基底膜のジグザク状の所見を確認いたしました 遺伝子検査にて,NPHP4 のミスセンス変異を確認いたしまして, ネフロン癆と診断を行いました スライド こちらからは考察になっております ネフロン癆は, 常染色体劣性遺伝形式を呈し, 嚢胞性病変を伴い, 比較的若年で末期腎不全になることを特徴とします 当初は,3 つの遺伝子異常が同定されておりまして, 末期腎不全に至る年齢におのおの相当する考えられておりました 2002 年にNPHP4 が同定されております 現在では, から3 までの遺伝子異常が報告されております スライド ネフロン癆の特徴的な検査所見です 超音波検査で, エコー輝度の上昇を認め, 皮髄境界が曖昧になり,cystic lesion を認めること MRIで皮髄境界 髄質にcystic lesion を認めること 腎生検では, 尿細管基底膜の分裂, 間質細胞浸潤と線維化, 遠位尿細管や集合管の嚢胞状拡張などを認めるといわれております スライド これは20 年の KI(kidney INTERNATIONAL) に載っていた論文で, NPHP4のさまざまなものが解析されているのですけれども, そちらの報告では,22 家系の NPHP4に関してまとめられておりました 6 家系ではナンセンス変異のアレル,2 家系ではミスセンス変異のアレル, ほかさまざまな遺伝子の特徴が報告されております それらの臨床上の特徴で報告されているのは, こういった変異のタイプにかかわらず, 分類上はjuvenile な end-stage renal disease(esrd) で,2 歳程度で腎不全に至るといわれておりました また, 一般的にネフロン癆は, 教科書的には, 腎臓のサイズは正常からやや小さいといわれているのですけれども,2 家系で腎臓のサイズは 83

7 腎炎症例研究 33 巻 207 年 腫大を認めておりました また, 腎外病変として,6 家系で目や肝臓の病変,3 家系では耳が聞こえにくいなどの症状を認めておりました 一般的に症状が強く出るといわれているナンセンス変異のアレルを持っていても, 腎外合併症は認めなかったとも記載されておりました スライド こちらがNPHP4の腎外病変の内訳です 脳のほうの病変など, どこかに偏っていることもなく, 認めております スライド 当初はARPKDと考えられておりまして, その臨床的な特徴も含めて簡単に記載させていただきます PKHD 遺伝子による常染色体劣性の遺伝病で, 頻度は2 万分のといわれております 2つの進行度によって分けられると考えておりまして, ポッター症候群など, 肺の低形成を伴って死亡することが多い重症型と, 一方で, それを乗り切った後,5 年生存率は90% 程度といわれているのですけれども, 成人期に達して末期腎不全となる緩徐進行型とがあるといわれております 今回, この緩徐進行型ではネフロン癆との鑑別が困難といわれておりますが, 病理的には, 腎集合管の拡張病変が主病変と考えられております スライド 今回のことをひと言で言うと, ネフロン癆の 症例を経験したということなのですけれども, 臨床上判断が難しいARPKD との腎臓の病理の所見の違いなどを含めて, 今回, この診断で良かったのか, 病理学的にご相談申し上げたいと思っております 以上です 座長ありがとうございました フロアから, 何かご質問はございますでしょうか 城先生, お願いします 城この三番目のPKHD の遺伝子異常, これはどういう遺伝子ですか? polycystic kidney diseseのrecessive のほうの遺伝子異常なのですか 高田はい ARPKD のPKHD に関してですけれども,ARPKD の原因遺伝子といわれております 城 ARPKD の遺伝子の候補は, どのぐらいあるのですか 高田今のところは,PKHD のみをいわれております 城そうですか この症例はネフロン癆と診断して,PKDの,recessive なほうの関与はないとおっしゃっているのですか? 高田そこが, 当初両親の遺伝子検索をお願いしたときに考えていたときに考えていたことでして, 今回, このPKHD が関与している可能性も考えまして,2003 年のJASNの論文などをみると,ARPKD でもPKHD の片方だけあっても発症するのではないかと考察されている論文もありまして, 両親のほうから遺伝子検索をお願いしました 今回, 両親には嚢胞がないにもかかわらず, 息子さんには嚢胞があったことを踏まえて, ネフロン癆が今回の所見に一番関与していると考えましたが, 完全には否定できないと考えております 城あの遺伝子がhetero であった場合は, 要するにrecessive の場合は, 両方ないと発症しないですよね 高田はい 本来はそうです 城 hetero の場合には, 発症しないというふうに? この症例もhetero だったから臨床的には否定できると考えるのですか? 高田母親のほうにもし嚢胞があれば, こちらのほうのPKHD が, 今回の経過からみても, 嚢胞の原因遺伝子の可能性はあります しかし, 同じ遺伝子を持っている母親には嚢胞が無かった事により, 今回はPKHD が発症のきっかけとなっている可能性は低いと考えます 座長それでは, 病理のコメンテーターの先生, よろしくお願いいたします 城先生から, よろしくお願いします 城 スライド0 4 切片採取されております こちらが被膜ですけれども, ここにかなり大きな嚢胞があります それから, こちらが恐らく被膜だと思いますが, 皮髄境界に近いところで大きな嚢胞があります そのほか, 実質の中に 84

8 第 65 回神奈川腎炎研究会 も尿細管が拡張したところが散見されます ここもそうです これは皮髄境界の髄質側ですけれども, やはり嚢胞状の病変があります スライド02 ミクロで見てみますと,mito- chondriaのために上皮が赤く染まるのは, 全部近位尿細管上皮です brush border( 刷子縁 ) があります 近位も拡張していますけれども, やはり, それ以外の場所すなわち近位尿細管でない尿細管に拡張傾向が強いと思います スライド03 どういうわけか, 上皮が剥がれているcyst がずいぶん多いです もちろんこれは artifact なのですけれども, もしかして接着因子の不全等々の問題でこういう上皮が剥がれるというのも, 特徴かも分かりません スライド04 普通の腎生検で, こんなに上皮が剥がれてくることはあまりないです スライド05 こういうふうに核がapical side の中間にあって, しかも細胞境界にちゃんとして境目がある こういうものは, 集合管上皮だと思います スライド06 集合管も拡張しておりますが, それ以外の上皮, 特に遠位系はTAL(Thick Ascending Limb: ヘンレ係蹄の太い上行脚 ) の領域と思われる上皮も拡張しております スライド07 これはHE 染色です 近位尿細管があって, 集合管があって, それ以外の上皮にも拡張傾向があります スライド08 免疫染色ですが, これは, 虎の門病院で染めていただいたものです CD0は近位尿細管のマーカーです 拡張した尿細管には染まっておりませんので, 少なくとも近位尿細管でないことは分かります スライド09 EMA(Epithelial Membrane Antigen) ですけれども, 先ほど染まった近位尿細管は全く染まってまいりません そうしますと, こういうふうにEMAが染まりにくいところと, かなり強く染まっている場所の2つに分かれます スライド0 CK7ですけれども, 先ほどの EMA で染まっていなかったところで,CK7が 強く染まっております またEMA が陽性の場所にもCK7 は染まっております CK7 のほうが染まる範囲は広いと思います スライド 従って, この髄質ですけれども, これは東京腎カンファレンスのときにも使ったスライドですけれども, 内層と外層に分かれて, そこから外帯と内帯に分かれております その成分は非常にはっきりしておりまして, 内層はヘンレのループと集合管です 外帯の外層は, 近位尿細管がここまで下りてきておりますので, 近位尿細管を含む領域が外層です そうしますと, この外層の内帯に関しては,Thick Ascending Limbと, ヘンレのループと, 集合管の混合であるという見方で, ある程度深さが分かるわけです これは, 社会保険病院にいたときの染色で, 虎の門病院での染色とはもちろん違います EMAとCK7 を染めますと, 先ほどのように CK7 はヘンレのループの内層, すなわち集合管のある部分と,Thick Ascending Limb, ヘンレのループの, 両方に染まってきますけれども, EMA で見ますと, 集合管とヘンレのループのところは染まってまいりません 従って, 集合管を同定するには,CK7 が陽性で,EMA が陰性ということで, 一応の判断ができると思います そういう目で見ますと,CK7 が陽性でEMA が陰性だということは, この染まりは, 集合管の染色性を持った場所だということができると思います スライド2 髄放線のところを見ますと, CK7 のほうが広く染まっております CK7 が陽性でEMAが陰性の場所が見えるということで, 髄放線では, ほぼ外側のほうに集合管が分布しているように見えます スライド3 これも上皮が剥がれて, これだけ大きなcyst を呈しております スライド4 こういうふうに上皮がartifact で剥がれておりますが, 剥がれやすいということは, もしかして つの特徴かもしれません 85

9 腎炎症例研究 33 巻 207 年 スライド5 この部分もそうです スライド6 この症例では, 集合管と,Thick Ascending Limb, 遠位尿細管のどこが拡張しているのかという問題になります スライド7 結局免疫染色に頼るしかないわけですけれども スライド8 少なくとも集合管が拡張しているのは確かだと思います スライド9 これもそうです EMAが陰性で, CK7 が陽性なので, この領域の拡張は, 少なくとも集合管であろうと思います スライド 20 ここもそうです スライド2 では,EMA 陽性の場所がどの程度拡張しているかということで, これは, 切片が連続切片でないので, 症例を合わせて詰めようとしたのですけれども, それ以外の場所に連続切片の場所がうまく見つかりません 恐らく集合管以外の場所にも拡張があるのではないかと思っています スライド22 それから, このTBM のジグザグですけれども, ご覧のようにあまり強いジグザグはないです 後で典型像をお見せしますけれども, 電顕で見られたジグザグが尿細管の基底膜にそれほど強く出ているわけではありません スライド23 小児の場合は, 典型像であり早く亡くなる症例 大人になればなるほど軽症型の傾向がある 軽症型であるからこそ大人に生き延びるわけで,25 歳ですけれども, だんだん非典型的な形態になっていくのだろうと思います スライド24 糸球体は, 少し腫大しておりますけれども, 特に異常はありません スライド25 これを見ても, 近位尿細管が拡張しています しかし, 相対的に見ると, それ以外の尿細管のほうが拡張傾向が強いと思います スライド26 ここもそうです 糸球体には異常がない スライド27 この EMAの染色性をもうちょっ としつこく見たのですけれども, こういうふうに2 種類の細胞がある 尿細管上皮にα,βの 2 種類の細胞があって, 再吸収のポンプに2 種類の細胞が相応し, それぞれ違った機能を持っている それらの細胞がheterogeneous に染まってくるのかもしれません スライド28 これは, 先ほどの演者も出しておりますが, 遠位系の尿細管 brush border がありませんので, 遠位系の尿細管 しかも Thick Ascending Limbの場合は,mitochondria が密にあると思いますので, 一部 Thick Ascending Limbも絡んでいるのかもしれません これで見ますと, 確かにジグザクの形態になっているようです スライド29 PAS 染色で見ると, そんなに強いジグザクはなかったのですけれども スライド30 これはartifact ではないと思いますが, 変性細胞があります それから炎症細胞もあります 細線維構造をもった円柱はTamm-Horsfall protein の cast なのですね スライド3 これはbrush border ではなく, villiですね だからこれは遠位系ですけれども, 実際の電顕でThick Ascending Limbと, 通常の遠位尿細管が電顕でどういうふうに違うか 僕はmitochondria の密度だと思っているのですけれども, 普段それほど根を詰めて見ないものですから, 今ひとつあやふやな判断です スライド32 糸球体には異常ないと思います スライド33 ただ,mesangium にやたらと空胞が目立ちますけれども, どの程度のspecific- ityがあるかは分かりません スライド34 免疫染色ですけれども, 免疫クロブリンは陰性です 血管極のhilar artery の内膜には,C3 が出ております また, 輸入細動脈の内膜にC3,Cq が出ております 糸球体には基本的には陰性だと思います 本症例は遺伝子まで, ちゃんと見ておられるということで, NPHP4 型ということは確定しているわけですから, 形態がその後付けの所見になるわけです 86

10 第 65 回神奈川腎炎研究会 スライド35 光顕では,8 個の糸球体に全節性硬化なし ただ, 糸球体が大きいです それから, 尿細管間質に関しては, 先ほどの説明のとおりであります microcysticに拡張した尿細管は主に遠位尿細管か集合管と思われます Tamm-Horsfall proteinが thick ascending limbにかなり強く出てまいりますので,tamm-horsfall proteinの免疫染色をすると, もうちょっと正確に cyst の場所が分かるのかもしれません スライド36 以上の所見から, 家族性ネフロン癆 (NPHP4) と診断されます 先ほどの質問のとおりでありまして,PKHD の関与というのがわかりません 先ほどの演者の説明ですと, autosomal recessive polycystic kidney disease は集合管を中心に出てくるということで本症例に合致します ではNPHP が集合管が出ないのかというと, 今回の症例は, 集合管に少なくとも嚢胞性病変が出ているということですので, この 2つの疾患の区別がどの程度 nephronの拡張の場所に違いが出てくるのかというのは, まだ私自身はよく分かりません スライド37 これはかなり古い論文ですけれども, 先ほどのように基本的にはMCKD と NPHP は発症年齢が違っている しかし, これをNPHP/MCKD complex で見ている NPHP が今,3までわかっているということですが, 発症年齢がきれいなschemaで出てくるといいのですけれども, 僕の知る限りは, それぞれ 3までの発症年齢は, よく把握していません ついえることは,MCKD はautosomal dominantといわれており, 本症例はautosomal recessive であるということ それから,PKD の recessive 型と,NPH のautosomal recessive 型とある程度症状が似ている NPH は, 皮髄境界に近いところに集中して cyst が出るといわれています 今回の大人の症例を見ますと, 必ずしも皮髄境界にcystが集中していない症例だと思います この症例はご覧のように, ジグザクが非常にはっきり出ております こっちは集合管かもしれませんけれども, こっちは集合管の形態をしておりませんので, juvenile のNPH に関しては, この両方が拡張してくるのではないかと思います スライド38 それから, 面白いことに尿細管だけの疾患かと思ったら,global sclerosis も出てくるようです スライド39 この疾患は,lamina densa と上皮の間にlucent な場所が出てくることがあります しかし, 本症例にはこのような所見はありませんでした しかし,TBMのジグザクは本症例にもあったようです 遠位尿細管基底膜にこういうジグザグ状の変化が出ておりました スライド40 これは東京慈恵会医科大学付属柏病院に山口先生がいらしたころの症例で, 病理学会の秋のプレゼンテーションに原田先生が出題しておりました NPH2の典型的な症例の解剖例です ここに髄質があって, 髄質に cystic なregion がある しかし, 髄質間質は非常にedematous です スライド4 皮質に, 尿細管管腔の拡張の場所が散見されます スライド42 皮質ですけれども,2 歳ということで糸球体は幼若です 近位尿細管もそこそこ拡張しておりますけれども, これは恐らく間質がfibrosis になったので, 尿流がわるくなり, 込み上げ的に近位尿細管が拡張してくることがあります 基本的には, やはり遠位系の上皮が拡張をしているのだろうと思います スライド43 髄放線に近い領域です 集合管がほとんど拡張せずに, 集合管以外の, 恐らく遠位尿細管だと思いますけれども, 拡張があります しかし, 髄質を見ますと, ほとんど集合管以外の上皮はここにはありません 弱拡で見ても, この場所の髄質の領域には, ほとんど集合管しか残っておりません その集合管が髄質においては拡張しているわけです スライド44 ご覧のように, これはほぼ集合管です ヘンレのループはない だから, 皮質においてあれだけの遠位系の拡張があって, 髄 87

11 腎炎症例研究 33 巻 207 年 質に下りてくると, ヘンレのループそのものも, ほとんど見られない 残された集合管だけが拡張してくるということで, やはり尿細管上皮の拡張は, 皮質か髄質かの場所によって, かなり違うと思います スライド45 この解剖例がどの程度参考になるかどうか分かりませんけれども, 集合管と遠位尿細管,thick ascending limb の拡張, そのそれぞれの所見が形態的にどのぐらいの疾患特異性があるか これは症例を集めて, もうちょっと詰めてみないと分からないと思います 以上です 座長ありがとうございました それでは, 山口先生, よろしくお願いします 山口 スライド0 我々はなかなか難しいのです 一部しか見ていないですし,polycystic Kidney ARPKD と区別をどうするか問題です 遺伝子事情が先に出てしまった 通常,polycystic Kidney だと, 繊毛の異常と一般的にいわれているですが, 必ずしもそうではなく, 細胞のstructure とか, 間質の問題が絡んでくる 遺伝子レベルで診断されたときに, その遺伝子の function がどんなものかは, もっと明確になってこないと, 十分に対応できないように思います スライド02 皮質幅がだいぶ狭くなってしまっています 糸球体が大体 0 個は並んでいないといけないですが,5,6 列しかないです つぶれてしまったのか, 代償性に肥大した糸球体が残っている 嚢胞状の病変があって, 時間がたって, リモルデリングし,creatinineが2 を超えている スライド03 medullaが幅が広い nephronopthisisと polycystic Kidney との鑑別は間質の態度も違うように思うのです PTC (peritubular capillary) は全くない あるいは vasa recta もはっきりしないです 線維化ばかりです, この尿細管との間が線維化が強い polycystic Kidney で, 間質病変がはっきりは出ていなかった スライド04 尿細管との間に太いcollagen の束が増えてしまった 腎臓の間質は,functional な間質だと思っているわけです 太めのcol- lagen が出てくるのは,function をしていない間質なのです 嚢胞の上皮が剥離し, 集合管上皮に類似した小型な密な細胞の集まりです スライド05 近位が残っていて, 嚢胞上皮が小型化し, 基底膜もはっきりしないです スライド06 嚢胞状というか, 不規則なジグザグですか,proportional な尿細管の形態からは逸脱している PTCはありますけれども, 線維化が強いです スライド07 近位尿細管の形態は,nephron mass が減ってきてしまうと,hypertrophic な面もある 糸球体は血管腔が多くなってしまっています 代償性にglomerulomegaly で, ろ過面が増えてしまって, それに伴う近位尿細管は hypertrophic です スライド08 保存がいい場所で糸球体は大きくなって, 近位から遠位に移行するところでジグザクで, 拡張が目立った遠位系です スライド09 PAS で見ると, 遠位系の尿細管と, 近位も保持されていますが, 糸球体は大きくなってしまっている スライド0 間質が増えて, 線維化がひどくなってきたところでは, 基底膜の蛇行, 濃淡, 薄いと厚いところが, 近位, 遠位も両方に見られています スライド 比較的保持されているところで, 尿細管の断面がイレギュラーなので, 普通はあまり見ない 尿細管の繊毛は, 尿細管の形態を保持することに関与しているわけで, 繊毛の異常が つ原因だろうと思います スライド2 間質の線維化がひどく, 基底膜が厚い, 薄いところが相当進んでいます スライド3 線維化が強いです 基底膜は, 近位系は長いので, 萎縮すると, 厚ぼったく見えて, 遠位系は萎縮しても, 厚くならないです 近位系は厚目に出ます 遠位系は萎縮しても, あまり目立たない 形態がイレギュラーである 88

12 第 65 回神奈川腎炎研究会 スライド 4 先ほどの嚢胞でck7( +) です スライド5 EMAでネガティブで, 集合管, あるいは遠位系といえると思います スライド6 ck7でsingle cellで陽性になっているが, 集合管上皮である可能性が高いです スライド7 EMA(-) で集合管, あるいはそれに類似した上皮であると思います スライド 8 ck7 です スライド9 スライド8と同じ所のEMAでこのへんが出なくなってきています スライド 20,2 蛍光は問題ないと思います スライド22 電顕ですが, 基底膜がこぶ状に多層化して見えています villiからいうと, 遠位系で,mitochondriaは一部はrichなのです PTCで, 多層化をしているのです 内皮細胞が腫大をして,fenestra はあるように思います 間質細胞が動いています スライド23 こちらがPTCのendothelで, 間質細胞がリンパ管様のスペースをつくっているのです これは二次的な反応と思います 基底膜もイレギュラーで, 薄い スライド 24 糸球体に,GBM がやや薄い感じはします スライド25 間質の態度, それから尿細管のイレギュラーな嚢胞化で, 普通の嚢胞化とは違う nephronopthisisでいいのかなと思います スライド 26 これは infantile type で, イレギュラーな感じです 近位系はhypertrophicになっている 電顕は, 間質細胞がmyofibroblastで増殖して, お互いに胎児性のjunctionを持っている myofibroblast 様の細胞にtransform をしている印象を持っていました スライド27 近畿大学の先生が集めて日本も 35 例集められて, 平均 2.5 歳です typeが多いのです 特に欧米と変わらない スライド28 これは,nephrocystin-4 が, 繊毛だけではなく,subcellular な localization があるということです α-tubulinの繊毛ばかりではなく, 基底膜, あるいは間質との関係を示唆するような文献です トータルとして見ていかな くてはいけないと思います 以上です 座長ありがとうございました 89

13 腎炎症例研究 33 巻 207 年 城先生 _0 城先生 _04 城先生 _02 城先生 _05 城先生 _03 城先生 _06 90

14 第 65 回神奈川腎炎研究会 城先生 _07 城先生 _0 城先生 _08 城先生 _ 城先生 _09 城先生 _2 9

15 腎炎症例研究 33 巻 207 年 城先生 _3 城先生 _6 城先生 _4 城先生 _7 城先生 _5 城先生 _8 92

16 第 65 回神奈川腎炎研究会 城先生 _9 城先生 _22 城先生 _20 城先生 _23 城先生 _2 城先生 _24 93

17 腎炎症例研究 33 巻 207 年 城先生 _25 城先生 _28 城先生 _26 城先生 _29 城先生 _27 城先生 _30 94

18 第 65 回神奈川腎炎研究会 城先生 _3 城先生 _34 城先生 _32 城先生 _35 城先生 _33 城先生 _36 95

19 腎炎症例研究 33 巻 207 年 城先生 _37 城先生 _40 城先生 _38 城先生 _4 城先生 _39 城先生 _42 96

20 第 65 回神奈川腎炎研究会 城先生 _43 城先生 _46 城先生 _44 城先生 _47 城先生 _45 城先生 _48 97

21 腎炎症例研究 33 巻 207 年 城先生 _49 城先生 _52 城先生 _50 城先生 _53 城先生 _5 城先生 _54 98

22 第 65 回神奈川腎炎研究会 城先生 _55 山口先生 _3 II-: 若年性ネフロン癆の一例 ( 虎の門病院分院腎センター ) 症例 :25 歳 男 2 歳時腎嚢胞 3 歳時腎機能障害指摘され 徐々に増悪 当院入院で Cr2.6mg/dl,UP.03g/day B2MG7500μg/day 腎サイズ長径 4 mmと腫大 嚢胞 (-) 腎遺伝子検索で PKHD の遺伝子変異を検出 臨床病理学的問題点 :. 若年性ネフロン癆で良いか? 2. 線毛のみの異常か? 山口先生 _ 山口先生 _4 山口先生 _2 山口先生 _5 99

23 腎炎症例研究 33 巻 207 年 山口先生 _6 山口先生 _9 山口先生 _7 山口先生 _0 山口先生 _8 山口先生 _ 00

24 第 65 回神奈川腎炎研究会 EMA 山口先生 _2 山口先生 _5 CK7 山口先生 _3 山口先生 _6 CK7 EMA 山口先生 _4 山口先生 _7 0

25 腎炎症例研究 33 巻 207 年 C3, Cq C4 CK7 山口先生 _8 山口先生 _2 EMA 山口先生 _9 山口先生 _22 IgG, IgA IgM 山口先生 _20 山口先生 _23 02

26 第 65 回神奈川腎炎研究会 Clin Exp Nephrol. 205 Oct 23. [Epub ahead of print] Clinical and genetic characteristics of Japanese nephronophthisis patients. Sugimoto K, Miyazawa T 2, Enya T 2, Nishi H 2, Miyazaki K 2, Okada M 2, Takemura T 2. Author information Abstract BACKGROUND: Nephronophthisis (NPH) accounts for 4-5 % of end-stage renal disease occurring in childhood. METHOD: We investigated the clinical context and characteristics of renal and extrarenal symptoms, as well as the NPHP genes, in 35 Japanese patients with clinical and histologic features suggesting NPH. RESULTS: NPH occurred fairly uniformly throughout Japan irrespective of region or gender. In three families, NPH affected siblings. The median age of patients was 2.5 years. Renal abnormalities attributable to NPH discovered through mass screening, such as urine tests in school. However, NPH accounted for less than 50 % of children with abnormal findings, including incidentally discovered renal dysfunction during evaluation of extrarenal symptoms or during routine checkups. Typical extrarenal manifestations leaded to discovery including anemia and delayed physical development. The urine often showed low gravity specific density and low molecular weight proteinuria. Frequent renal histologic findings included cystic dilation of tubules, mainly in the medulla, and irregularity of tubular basement membranes. Genetically abnormalities of NPHP were not common, with large deletions frequently noted. Compound heterozygotes showing single abnormalities in each of NPHP, NPHP3, and NPHP4 were observed. CONCLUSIONS: Our findings resemble those reported in Western populations. 山口先生 _24 山口先生 _27 65-II- Nephronophthisis, adolescent form, most-likely cortex/medulla= 4/6, global sclerosis/glomeruli=0/0 光顕では 集合管を始め遠位位尿細管系を主とする嚢胞化が散在し 不規則な迂曲性を呈し 基底膜の肥厚や非薄や核の密在などを認めます その周囲間質には線維化が幅広く見られ 尿細管萎縮や硝子円柱を認めます 皮質幅の減少と共に糸球体は密度がかなり少なく 大きな展開が目立ち 一部でボウマン嚢肥厚を認めます 尿細管系には近位尿細管系に軽度の代償性肥大が見られ 硝子滴変性を認めます 中位動脈硬化は軽度で 軽度の細動脈硝子化が見られます 蛍光抗体法では 糸球体には IgG(-), IgA(-), IgM(±), C3(-), C4(-), Cq(±) です 電顕では 糸球体にはやや薄い GBM に内皮下浮腫が軽度見られ メサンギウム基質の軽度増加を認めます 足突起の癒合に乏しいです 遠位尿細管上皮には扁平化が見られ 薄い基底膜の多層化や蛇行を認めます その周囲傍尿細管毛細血管壁に基底膜の多層化が見られ 間質に間質細胞によるリンパ路様間隙を認めます 以上 上記の診断が考えられます 山口先生 _25 山口先生 _28 家族性乳児性ネフロン癆 (infantile type) 山口先生 _26 03

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