スライド 1

Similar documents
スライド 1

スライド 1

Microsoft PowerPoint - 統計科学研究所_R_主成分分析.ppt

0 部分的最小二乗回帰 Partial Least Squares Regression PLS 明治大学理 学部応用化学科 データ化学 学研究室 弘昌

Microsoft PowerPoint - H17-5時限(パターン認識).ppt

Microsoft PowerPoint - 資料04 重回帰分析.ppt

主成分分析 -因子分析との比較-

スライド 1

スライド 1

多変量解析 ~ 重回帰分析 ~ 2006 年 4 月 21 日 ( 金 ) 南慶典

untitled

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

untitled

Microsoft Word - 補論3.2

memo

PowerPoint Presentation

13章 回帰分析

09.pptx

景気指標の新しい動向

因子分析

線形代数とは

Microsoft PowerPoint - 三次元座標測定 ppt

Microsoft Word - thesis.doc

Microsoft PowerPoint - e-stat(OLS).pptx


Microsoft PowerPoint - H21生物計算化学2.ppt

14 化学実験法 II( 吉村 ( 洋 mmol/l の半分だったから さんの測定値は くんの測定値の 4 倍の重みがあり 推定値 としては 0.68 mmol/l その標準偏差は mmol/l 程度ということになる 測定値を 特徴づけるパラメータ t を推定するこの手

Probit , Mixed logit

Matrix and summation convention Kronecker delta δ ij 1 = 0 ( i = j) ( i j) permutation symbol e ijk = (even permutation) (odd permutation) (othe

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - mp11-02.pptx

<4D F736F F D E4F8E9F82C982A882AF82E98D7397F1>

Microsoft PowerPoint - 10.pptx

パソコンシミュレータの現状

1. 多変量解析の基本的な概念 1. 多変量解析の基本的な概念 1.1 多変量解析の目的 人間のデータは多変量データが多いので多変量解析が有用 特性概括評価特性概括評価 症 例 主 治 医 の 主 観 症 例 主 治 医 の 主 観 単変量解析 客観的規準のある要約多変量解析 要約値 客観的規準のな

ビジネス統計 統計基礎とエクセル分析 正誤表

Microsoft Word - M4_9(N.K.).docx

補足 中学で学習したフレミング左手の法則 ( 電 磁 力 ) と関連付けると覚えやすい 電磁力は電流と磁界の外積で表される 力 F 磁 電磁力 F li 右ねじの回転の向き電 li ( l は導線の長さ ) 補足 有向線分とベクトル有向線分 : 矢印の位

PowerPoint Presentation

横浜市環境科学研究所

Microsoft Word - mstattext02.docx


経営統計学

DVIOUT

Microsoft Word - 訋é⁄‘組渋å�¦H29æœ�末試é¨fi解ç�fl仟㆓.docx

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

スライド タイトルなし

様々なミクロ計量モデル†

航空機の運動方程式

画像類似度測定の初歩的な手法の検証

テンソル ( その ) テンソル ( その ) スカラー ( 階のテンソル ) スカラー ( 階のテンソル ) 階数 ベクトル ( 階のテンソル ) ベクトル ( 階のテンソル ) 行列表現 シンボリック表現 [ ]

学習指導要領

Microsoft Word - Time Series Basic - Modeling.doc

ベイズ統計入門

主成分分析 + 重回帰分析 a.2 変数群に対して, 以下のような手順を実行 ( 多変数群 ) では,2 変数群を組み合わせて実行 ) 説明変数群の主成分分析 2 基準変数群の主成分分析 3 説明変数群における 個の主成分得点に対して, 基準へ数群における主成分得点のすべてを用いて重回帰分析を反復

Microsoft Word - lec_student-chp3_1-representative

DVIOUT-SS_Ma

Microsoft PowerPoint - 統計科学研究所_R_重回帰分析_変数選択_2.ppt

構造方程式モデリング Structural Equation Modeling (SEM)

1/30 平成 29 年 3 月 24 日 ( 金 ) 午前 11 時 25 分第三章フェルミ量子場 : スピノール場 ( 次元あり ) 第三章フェルミ量子場 : スピノール場 フェルミ型 ボーズ量子場のエネルギーは 第二章ボーズ量子場 : スカラー場 の (2.18) より ˆ dp 1 1 =

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

多次元レーザー分光で探る凝縮分子系の超高速動力学

線積分.indd

OCW-iダランベールの原理

Microsoft PowerPoint slide2forWeb.ppt [互換モード]

Microsoft Word ã‡»ã…«ã‡ªã…¼ã…‹ã…žã…‹ã…³ã†¨åłºæœ›å•¤(佒芤喋çfl�)

<4D F736F F F696E74202D2091E6824F82538FCD8CEB82E88C9F8F6F814592F990B382CC8CB4979D82BB82CC82505F D E95848D8682CC90B69

Microsoft PowerPoint - データ解析基礎4.ppt [互換モード]

相関係数と偏差ベクトル

喨微勃挹稉弑

Microsoft PowerPoint - OsakaU_1intro.pptx

観測変数 1~5 因子負荷量 独自因子 a 独自因子 b 共通因子 1 独自因子 c 固有値 ( 因子寄与 ) 独自因子 d 共通因子 2 独自因子 e 共通性 補足説明因子負荷量 : 因子と観測変数の関係性を示す -1.00~+1.00 までの値を取り.60 以上で高く強い関係性があると言える.3

Microsoft PowerPoint ppt

<4D F736F F D2094F795AA95FB92F68EAE82CC89F082AB95FB E646F63>

切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. (

Microsoft PowerPoint - ad11-09.pptx

スライド 1

テレビ学習メモ 数学 Ⅰ 第 40 回 第 5 章データの分析 相関係数 監修 執筆 湯浅弘一 今回学ぶこと データの分析の最終回 今までの代表値を複合し ながら 2 種類のデータの関係を数値化します 相関係数は 相関がどの程度強いのかを表しています 学習のポイント 12 種類のデータの相関関係を

Information Theory

1.民営化

講義「○○○○」

座標系.rtf

スライド 1

0 21 カラー反射率 slope aspect 図 2.9: 復元結果例 2.4 画像生成技術としての計算フォトグラフィ 3 次元情報を復元することにより, 画像生成 ( レンダリング ) に応用することが可能である. 近年, コンピュータにより, カメラで直接得られない画像を生成する技術分野が生

日心TWS

統計学 - 社会統計の基礎 - 正規分布 標準正規分布累積分布関数の逆関数 t 分布正規分布に従うサンプルの平均の信頼区間 担当 : 岸 康人 資料ページ :

nlp1-04a.key

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅

Microsoft PowerPoint - 第3回2.ppt

4.統計解析.indd

DVIOUT

13章 回帰分析

板バネの元は固定にします x[0] は常に0です : > x[0]:=t->0; (1.2) 初期値の設定をします 以降 for 文処理のため 空集合を生成しておきます : > init:={}: 30 番目 ( 端 ) 以外については 初期高さおよび初速は全て 0 にします 初期高さを x[j]

Microsoft Word - 付録1誘導機の2軸理論.doc

第 3 回講義の項目と概要 統計的手法入門 : 品質のばらつきを解析する 平均と標準偏差 (P30) a) データは平均を見ただけではわからない 平均が同じだからといって 同一視してはいけない b) データのばらつきを示す 標準偏差 にも注目しよう c) 平均

<4D F736F F D FCD B90DB93AE96402E646F63>

ファイナンスのための数学基礎 第1回 オリエンテーション、ベクトル

学習指導要領

Microsoft PowerPoint - 2.ppt [互換モード]

破壊の予測

Transcription:

データ解析特論第 5 回 ( 全 15 回 ) 2012 年 10 月 30 日 ( 火 ) 情報エレクトロニクス専攻横田孝義 1

をもっとやります 2

第 2 回 3

データマイニングの分野ではマクロ ( 巨視的 ) な視点で全体を捉える能力が求められる 1. コンピュータは数値の集合として全体を把握していますので 意味ある情報として全体を見ることが不得意 2. 逆に人間には もともと空間的に全体像を捉える能力が得意 人間はこういう写真を見ると瞬間的に内容が理解できる 青空 木 草地 傾斜 紅葉 季節は秋など空間をうまくグループ化して認識している コンピュータでそれを行うのは非常に大変 4

主成分の導出 すなわち J1 を w1 で偏微分してそれを 0 とおく 5

主成分分析 (PCA: Principal Component Analysis) 別名 :KL 展開 (Karhunen-Loeve 展開 ) データを少ない成分であらわすこと例 :100 次元空間のデータを10 次元空間のデータで表したい これによって データ圧縮が可能 少ない次元で表せれば保存するデータが少なくて済む データの見通しが良くなる 分析が進む 6

データマイニングの分野ではマクロ ( 巨視的 ) な視点で全体を捉える能力が求められる 1. コンピュータは数値の集合として全体を把握していますので 意味ある情報として全体を見ることが不得意 2. 逆に人間には もともと空間的に全体像を捉える能力が得意 人間はこういう写真を見ると瞬間的に内容が理解できる 青空 木 草地 傾斜 紅葉 季節は秋など空間をうまくグループ化して認識している コンピュータでそれを行うのは非常に大変 7

例えば セ リーグ打撃ランキング OPS: On-base plus slugging 長打率 + 出塁率 RC27(Runs Created per 27 outs) は RC を元にある特定の選手 1 人で構成された打線で試合を行った場合 27 アウト (9 イニング 3 アウト =1 試合 ) で平均何点とれるかを算出した指標 XR27 (extrapolated Runs per 27 outs) ある打者が一人で打線を組んだ場合の1 試合 (27アウト) あたりの得点数 アウトにならない間にいかに得点数を稼ぐかという野球の形式が表されており アウト数で標準化されているので出場数の異なる複数の打者の得点創出能力を比較するような場合 XRの値そのままよりもこちらのほうが適切 8

例えば セ リーグ打撃ランキング 1) どの選手がどんな能力があって どんなタイプの選手か全要素を使って説明できるか? 2) 似た選手を探したり グループ分けできるか? 打撃成績 ( 規定打席以上 ) のデータは 24 サンプルで 18 要素に過ぎない 24x18 の画像と言ったら こちらは 800x600 画素 432 画素 48 万画素 無理やり画像にするとこのような画像に対応 人間にはさっぱりわからない コンピュータなら空間に分けてもらう その後 人間が認識すればいい 100 倍以上の画素があるが 人間は内容が理解できる 青空 木 草地 傾斜 紅葉など 9

長打力が無い 10

体重 w z2 z1 重い 軽い 身長 h 低い 高い 主成分 z1 軸 : 身長と体重がともに動く成分 体の大きさの軸 ( これでかなり説明できる ) 主成分 z2 軸 : z1 軸で説明しきれない成分を説明 肥満度の軸 11

体重 z2 z1 重い 軽い 情報損失量 身長 低い 高い 情報の損失を出来るだけ小さいまま データの持つ特徴を主成分で表す 例えば 主成分 2 の情報を無視して主成分 1 の情報だけにすれば肥満度の情報が失われる そこで 情報量損失を最小に抑えるような主成分のベクトルを決定していくのが主成分分析である このような主成分のベクトルは各々が直交する 12

多変数の場合も同様 主成分分析とは P 個の変数 の持つ情報を情報の損失を最小に抑えながら の一次結合として与えられる互いに独立な M(M<P) 個の主成分 すなわち 総合的指標 を用いて表現する手法である は 第 m 主成分と呼ばれる 結合係数これをどうやって求めるか? 13

第 m 主成分 結合係数これをどうやって求めるか? --- 条件 --- 第 1 主成分 z 1 の分散は分散の中で最大であること そして 第 m 主成分 z m の分散は 無相関な一次式の持つ分散の中で最大である のあらゆる一次式の持つ の全てと ただし とする 14

例えば 体重 z 1 = 身長 x0.8+ 体重 x0.6 この主成分の分散が最も大きいので第一主成分である 身長 15

主成分の導出 P 個の変数について N 個のサンプルがある場合を考える 主成分の分散が最大になるように主成分を決定する 各変数の平均値を として 平均値からの偏差を導入する 観測データ全体は以下の行列で表される 16

主成分の導出 観測データ全体は以下の行列で表される 第 1 主成分は その結合係数を とすると n 番目のサンプルに対応する第 1 主成分 z 1 の値 t n1 は これを第 1 主成分得点と呼ぶ 17

主成分の導出 これを第 1 主成分得点 これを N 個のサンプル分のベクトルとしてまとめると となる 一方 なので が成り立つ 18

主成分の導出 これを第 1 主成分得点の平均値は ここで 第 1 主成分 z 1 の分散は なので 共分散行列で非負定値行列 Positive Definite 要素は 19

主成分の導出 第 1 主成分は分散を最大にするように決めなければならない Lagrange の未定定数法の登場 とおき これを最大化するような結合係数ベクトルを求めれば良い 20

主成分の導出 すなわち J1 を w1 で偏微分してそれを 0 とおく 21

データの標準化 単位のことなる変数大きく分散の異なる変数 分散の大きな変数の影響を受けやすい 各変数の分散が 1 平均値が 0 となるように標準化する 観測値 をそのまま使うのではなく 平均値 を使う 標準偏差 22

データの標準化 このようにして標準化を行った後に共分散行列は相関行列になる ここで 標準化されたデータの行列 23

寄与率と因子負荷量 寄与率 主成分分析とは : 少ない数の総合的指標 ( 主成分 ) を用いて変数間の関係や特徴を把握するための統計的手法 1. 各主成分が 元のデータに含まれる特徴をどの程度表現しているか? 2. 何個の主成分を採用すれば元のデータに含まれる特徴を十分に表現できるか? 寄与率 および累積寄与率 24

寄与率と因子負荷量 P 個の変数の分散の和は共分散行列を V とすれば V の主体対角要素すなわち (p,p) 要素である v pp が変数 x p の分散であるから 一方で 第 m 主成分の分散 は 共分散行列 V の m 番目に大きい 固有値 に等しいから も成り立つ 25

寄与率と因子負荷量 第 m 主成分の分散が分散の総和に占める割合を以下のように寄与率として定義する また 第 m 主成分までの分散の和が分散の総和に占める割合を累積寄与率と呼ぶ 26

寄与率と因子負荷量 主成分分析の結果の解釈 主成分 ( 総合的指標 ) の意味解釈 主成分とは 各変数の線形結合で与えられる 主成分に強く影響している変数を特定することが有効 主成分と変数との相関係数 : 因子負荷量 (factor loading) 27

寄与率と因子負荷量 第 m 主成分 z m と p 番目の変数 x p との間の因子負荷量は z m の標準偏差 x p の標準偏差 z m, x p の共分散 28

寄与率と因子負荷量 データのサンプル数を N とする ( 野球選手の人数に相当 ) は 第 p 列のみを取り出すベクトルである p 行目 29

寄与率と因子負荷量 一方 であるので (m 番目の主成分の分散は共分散行列 V の m 番目の固有値 ) 因子負荷量 で標準化されている場合は 30

演習 講義を聞いているだけでは身につかない 具体的なデータを扱うことで身につけてほしい 31

先週見せたデータ 32

ホームページにアップしました 33

CSV ファイルにしてアップしてい 34

What to do 教室のメンバーを数班に分けます 来週の講義までに (1) このデータをまず標準化して 相関行列を作ってくる (2) 固有値 固有ベクトルを算出する プログラムは作るか 探すか 自分たちで解決すること 来週 班毎に発表してもらいます ( 途中経過で OK) 35