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第 3 章統計的手法に用いられる分布 第 節我々の身の回りにある代表的分布と性質. 分布の表わし方我々の身の回りにある全てのものは ばらつきを持っています 収集したデータを分析していくためには このばらつきがどのような分布になっているかを明確に表現し 分析 比較を行えるようにしなければなりません この手法を覚えるようにしましょう () 分布の示し方収集した分布の全体的状態を目視で確認 比較するためには データの分布について 度数表を作成し ヒストグラム (histogram) にすることが基本です 実務的には ヒストグラムが作成できるほど データが収集できている場合には かなりの分析が可能となります () 分布の特性の分析 比較分布の特性を分析 比較するためには 分布の特性を数量化する必要があります この代表的なものには そのデータの集団を代表する値すなわち中心的な値とそれに対するばらつきの程度があります 一般に 中心的な値中心値 ( メディアン ) 算術平均など ばらつきの程度分散 標準偏差など (3) 統計的方法での分布の表わし方 分布を統計的方法で分析 比較できるようにするためには 確率 (probability) の分布で 表すことです 確率とは ある事象が起こりえる確からしさであり 0~ の範囲で表します その意味 は 確率 絶対に起きる 確率 0.5 起きる確率が/である 確率 0 絶対に起きない となります 確率の分布は 扱う対象が計量値 (variable) 計数値 (discrete value) に応じて 以下の ように表されます -6-

確率確率) 計量値 それぞれの値に対する確率を示す曲線は図 3- のようになります この分布を示す関数 f(x) は 確率密度関数 (probability desity fuctio) と呼びます この関数が作る全体の面積は となります ò + - f ( x) = (3.) 区間 a~b に入る確率は b ò f ( x) = P( x a x b) (3.) a 計量値分布する値 ( 測定値など ) 図 3-- 計量値の確率分布 ) 計数値 それぞれの値に対する確率の分布は図 3- の ようになります この各回数 個数の確率の和は となります å i P = (3.3) i 計数値 分布する値 ( 個数など ) 図 3-- 計数値の確率分布. 代表的分布と性質 () 分布の分類と代表的分布 計量値 計数値の代表的な分布は以下のようになります 計量値 ( 長さ 重量などの連続した値 ) の分布 正規分布 計数値 ( 個数 不良点数などの数えることのできる値正の整数 ) の分布 項分布 ポアソン分布 以下 正規分布 項分布 ポアソン分布の性質を解説します () 正規分布 (ormal distributio) 理論上 実用上とも最も重要な分布です 自然界 社会に存在するもので無作為にばら -7-

つくものは 基本的に本分布に従います 分布関数は下記で示されます 平均 μ 標準偏差 σとすると ( x - m) y = f ( x) = exp[ - ( ) ] (3.4) ps s ) 本分布に従うもの本分布に従うものには下記があります ランダムに分布する長さ 重量等で例として人の身長 体重等 真と値と収集したデータとの差等で例として測定誤差等 標本の分布( 母集団が正規分布以外でも ) 項分布等が極限でとる分布等 ) 規準化 ( - m) 規準化 (ormalizatio) とは一般の正規分布に対して変換 : u = x を行い 平均 s 0 標準偏差 に変換することをいいます なお 規準化された分布関数は N(0, ) で表します 規準化された正規分布において 標準偏差をσとすると ±uσ 内 (u は整数 ) に分布する確率は以下のようになります u=± ± ±3 以内に入る確率 -σ ( 値 ) +σ 確率 0.683 -σ ( 値 ) +σ 0.954-3σ ( 値 ) +3σ 0.997 0.5 0.34 0.34 0.36 0.36 0.0 0.0 Z 0-5 -4-3 - - 0 3 4 5 図 3--3 標準正規分布 3) 本分布の代表的性質 -8-

独立に正規分布に従う X( 平均 x 分散 σ ) と Y( 平均 y 分散 σ ) について確率変数 Z=X+Y の分布は正規分布 ( 平均 x + y 分散 σ +σ ) に従います (3) 項分布 回の試行で ある事象が発生する確率がpであるときに 試行を独立に 回繰り返したとき ( ベルヌーイの試行 ) その事象が発生する回数 xの分布を表します この場合 着目した事象の発生する回数がxとなる確率は P x ( ) ( )! p x!( - x)! ( p) x -x x ( -x) = x p - p = - (3.5) となります ) 本分布に従うもの サイコロを 回ふったとき ある目がでる回数の分布 不良率 pの無限母集団から大きさのサンプルを抽出したときサンプル中の不良品個数の分布等 ) 本分布の性質本分布の性質としては 以下があります 平均値は p 標準偏差は p( - p) となります p 5 p 0.5 のときには正規分布として近似して考えることができます 図 3--4 に 試料の大きさ が 50 で 事象の発生確率が 0. 0.3 0.5 0.7 0.9 の場合の 項分布の確率分布を示します 0. 発生確率 (Px) 0.5 0. 0.05 事象の発生確率 (p) 0. 0.3 0.5 0.7 0.9 0 0 0 0 30 40 50 試行回数 () 図 3--4 項分布 -9-

- 補足 - 項分布の正規分布近似 ( ラプラスの定理 ) について X,X,,X を二項分布 Bi(,p) にしたがう確率変数とするとき x + x + x p( - p) - p は正規分布 N(0,) に法則収束します すなわち lim P( a x + x x p( - p) - p b) = ò b a e p - x dx となります ( ラプラスの定理 ) ( 注 ) 法則収束とは P(X=x)=0 なるすべての x について lim P( X x) = P( X x) のとき {X} は X に 法則収束すると言います [ 証明 ] 中心極限定理 すなわち, X lim P( s x - m y s = は 正規分布 N(0,) に法則収束する ことを用います - - = ò y x m y) e - p dx において X = X + X + X s = p( - p) を代入すると証明できます また, このときの確率密度関数も を十分大きくとれば 正規分布に近づきます つまり æö - x x -x limç p ( - p) = e x p p( - p) è ø が成り立ちます 次に このことを 少々証明がややこしいですが 見てみることにしましょう スターリングの公式 を用います + = p - J! e e 0 J スターリングの公式により -0-

ö x -x p x ( - p) -x p ( - p) = æ ç è xø ( ) p x( - x) ( ) ( x - x このとき x = p + t p( - p) とおき テイラーの定理より とを用います のとき log( p p ) x = -( p + t p( - p) log( + t - ) x p ( p) log( ) - x = -t p( - p) - ( - p) t - -x = -( ( - p) - t = t p( - p) - pt p( - p) log( - t ) log( p ) ( - p) ( - p) p p( - p)( + t )( + t p ( - p) log( ) = - log ( - x) s s) = s - + であるこ ( p) p p log p( p) ( t t ) ( t t î íì - - = - - + - + - p p ( - p) p ( - p) )} よって log ö ç p è xø æ x -x ( - p) = -log p - log p( - p) - t (4) ポアソン分布ポアソン分布 (Poisso distributio) とは 項分布で p=mを一定にしておいて を無限大にしたときの極限の分布です 回の試行で発生する確率が極めて小さい事象が 非常に大きな数の独立な繰り返しの下で発生する回数の分布を表します 事象の発生する回数 xの確率は P x -m x e m = (3.6) x! で表されます --

) 本分布に従うもの 安定した工程の下での一定の大きさのサンプル中の欠点数 一定時間内のシステムや機械の偶発的な故障等の点数 一定時間内に発生する電話の呼び出し等の発生件数 一定期間内の交通事故の死者の数等 ) 本分布の性質 平均値 分散ともm=p となります X Y がそれぞれポアソン分布 P(λ) P(μ) に従う独立な分布の場合確率変数 X +Y はポアソン分布 P(λ+μ) に従う 参考のため 図 3--5 に 試行回数 () が 0 平均値(m=p) が 0.5 3 5 0 の場合のポアソン分布の例を示します 0.7 事象の発生する回数の確率 (Px) 平均値 (m=p) 0.5 3 5 0 0 0 5 0 5 0 試行回数 () 図 3--5 ポアソン分布の例 第 節統計量の分布と特性. 統計量とは () 母集団と試料通常 我々が必要とする情報は 実際に対象としているもの ( 母集団と呼びます ) から得ることはできません これは実際に対象としているものが あまりにも膨大であったり また データなどを得る手段自体がないなどからです したがって 実際の測定 実験などを行うために 母集団から抽出 ( サンプリングと呼びます ) したもの ( 試料と呼びます ) で進めます この母集団と試料を整理すると以下のようになります --

サンプリング ( サンプリングとは ) 母集団から 適当な試料 ( 標本 ) を抽出すること ( サンプリング手法 ) 無作為抽出母集団が均一の場合 群に分けて抽出母集団が不均一の場合 測定 実験など試料 試料から母集団の情報を得る 母集団 母集団から必要とする情報を得ることは困難 ( データが膨大など ) 図 3-- 母集団と試料 ) 母集団 (populatio) 実際の調査 研究の対象となるものを示します 通常 集団として大き過ぎたり データを得る手段がないなどのため 母集団から直接 必要とする情報は得ることはできません なお 母集団には 以下のように有限母集団と無限母集団があります 有限母集団単位体の数が有限量 無限母集団単位体の数が無限 ( 例 ) 製品の製造工程 TV 番組の視聴率 世界の人々の身長 体重等 ) 試料 (sample) 母集団からその特性を調べるために抜き取ったもの ( 標本 サンプル ) を呼びます なお 母集団から抜き取った 個以上の単位の組単位体の数を試料の大きさと呼びます 試料の例としては 工程ごとの抜き取りサンプル TV 視聴率調査のモニタ家庭等があります () 区別が必要な母数と統計量母集団の特性を示す統計上の値 例えば平均 分散 標準偏差などは母平均 母分散 母標準偏差などと呼びます また これらをまとめて母数 (populatio parameter) と呼びます これに対して 試料から直接 得られる平均 分散 標準偏差などは統計量 (statistics value) と呼びます 留意すべきことは 母数と統計量は 明確に区別して扱う必要があることです 真に必要な情報は母数なのですが 実際には統計量から推測することになります この場合 必ず誤差が入っているので 明確に区別して扱う必要があります -3-

母集団 サンプリング 試料 真の情報 ( 知りたい情報 ) 未知母数 実験 測定など扱える情報統計量 ( 知りたい情報 ) 母平均 母分散 母標準偏差など 母数に対して必ず誤差がついている 試料から得られた平均 分散 標準偏差など 母数と統計量は 明確に区別して扱う必要がある 図 3-- 母数と統計量. 統計量の分布と基本的特性 我々が直接 扱えるのは 通常 母集団からサンプリングした試料から得られる統計量です ところが 知りたい真の情報は母集団の特性を示す母数です このため 試料の統計量から母集団の特性を推定することになります このとき必要なことは この統計量の分布と基本的特性です () 統計量の分布が意味するものは母数に対して 統計量には誤差が付いています これは たとえ同じ母集団の試料でも 複数回サンプリングして得られたそれぞれの複数の試料の統計量は それぞれ異なることから明らかです 母数を推定するためには 統計量にどのような誤差の付き方をしているかを知ること すなわち統計量がどのように分布しているかを知ることが必要です 一般には 母集団は正規分布 ( 項で後述します ) をしている 母集団は無限母集団で試料の抽出はランダムサンプリングを行ったという前提で扱います 試料の統計量を分析 母集団の母数を推定 するためには 統計量の分布を知ることが必要 統計量の分布 母数に対して統計量への誤差の付き方 ( 前提 ) - ランダムな分布とランダムなサンプリング 母集団は正規分布をしている 母集団は無限母集団で 試料はランダムサンプリングで抽出した 図 3--3 統計量の分布を知る必要性 -4-

() 試料平均 ( x ) の分布 母集団の平均値が μ 標準偏差が σ とすると 試料の大きさ から得られる平均値 ( x ) と標準偏差 (s) の分布は 以下のようになります 平均値の平均値 ( x ) μ( 母集団の平均値 ) 平均値の標準偏差 (s) s ( 母集団の標準偏差の 倍 ) 留意点は の正規分布となります 平均値の標準偏差が 倍となる 大数の法則 (law of great umbers): 試料の大きさが増加すると母平均に近づく 母集団が正規分布でなくても試料平均値の分布は正規分布となる 中心極限定理 (cetral limit theorem) (3) 試料分散 (s ) の分布 母集団の平均値が μ 標準偏差が σ の場合 試料の大きさ から得られる分散 (s) の 分布は 分散の平均値 ( x ) ( - ) s 分散の標準偏差 (s) ( -) s の分布となります 正規分布とはならないことに注意してください 留意点は 分散の推定値 ( 母集団の分散に最も近い値 ) は ( s -) です 試料の分散 s ではありません ( 誤りやすいので注意をして下さい ) ( -) 理由 : 試料の大きさから得られる分散は s であるため なお 最も母集団の分散に近い値とされる ( と呼びます s -) 試料から求める分散は通常 不偏分散を用います を 不偏分散 (ubiased variece) -5-

不偏分散 : V = s = ( -) S f ( 偏差平方和 / 自由度 ) (3.7) ここで φ=- を自由度とよびます 自由度 φ が無限大の時には V = s ( 母分散 ) となります 3. 統計量の分布関数と基本的特性 () カイ二乗分布 母集団の分散について検定 推定を行うときに用いる分布に カイ二乗分布 (chi-square distributio) があります ) 定義大きさの試料について偏差平方和 Sを母分散 σ で割った値の和 c ü å å í ì - S ( xi - x) ( xi x) = = = ý s i s i î s (3.8) þ について χ は自由度 φ=- のカイ二乗分布となります x なお 試料平均ではなく母平均を用いた統計量 : = å - ( i m) c は自由度 φ= s のカイ二乗分布となります i 確率密度 0.8 0.6 0.4 自由度 3 5 7 0. 0 0 5 0 5 χ 図 3--4 カイ 乗分布 ) 特性 母集団として仮定している正規分布の母平均や母分散の値に係らず -6-

カイ二乗分布 ( s S の分布 ) は が等しければ同じとなります 本分布の平均は 分散は です が大きくなると中心が右側に移り 偏平となります 加法性があります χ +χ は 自由度 φ +φ のカイ二乗分布となります 3) 応用 母分散に対する検定 推定に用いられます - 補足 - カイ二乗分布の数式表示とガンマ関数 カイ二乗分布は 数式では f f - -c ( c ) e ( c ) = f G( f ) f χ 0 (3.9) で表されます ここで Γ(λ) はガンマ関数です ガンマ関数は あらゆる実数 λ(λ > 0 ) について, 次の積分によって定義されます ò l- -x x e 0 l (3.0) G( ) = dx ガンマ関数は λ! を解析接続した関数であり これを部分積分すると Γ (λ ) = (λ - ) Γ (λ - ), λ (3.) という関係が導かれます 特に λ が正の整数のときは, Γ (λ ) = (λ- )! (3.) が成り立ちます ここで Γ() = 0!= ですから 自然数 λ に対して Γ(λ+) =λ! (3.3) が成り立つことがわかります 少し 難しくなりますが 解析接続により Γ(λ) を λ = 0,-, -,... を除く複素数全体で定義された有理型関数に拡張することができます このことから ガンマ関数を 自然数の階乗を複素関数に拡張したものと捉えることができます ガンマ関数は ふつうこの拡張されたものを指しています ガンマ関数の関数としての性質は 零点を持たないことがあります 点 λ =- ( N) において一位の極を持ちます そして その留数は Re s( (-),-) =! G (3.4) となります また ガンマ関数は無限乗積を用いて表示することができます この表示は 実際に複素数を用いた時の計算に有効とされています また 数値解析では 主にこれを用いて近似を行っています λ を非正整数でない複素数とすれば -7-

G( e ) = -gl Õ l = l ( + ) l - e l (3.5) ここで γ はオイラーの定数 ( オイラー マスケローニ定数 (Euler-Mascheroi costat) オイラーの γ (Euler s gamma) とも呼ばれます この値は およそ 0.577... です ) を表します 以下に いくつかのガンマ関数の例を上げます ()t 分布 t distributio 母分散が未知の場合に 母平均の検定 推定を行う場合に用いる分布です ) 定義 大きさ の試料平均に対して ( x - m) t = ( ここで s ( e ) S s e = V = ) とするとき f t は自由度 :φ=- の t 分布となります ) 特性 自由度によって形が変わる 左右対称である のとき正規分布となります なお 自由度が 30 以上であれば正規分布で近似できます 0.5 確率密度 0.4 0.3 0. 自由度 3 5 30 0. 0-4 - 0 4 t 図 3--5 t 分布 -8-

3) 応用母分散が未知のときの母平均の検定 推定に用います なお 母分散が既知のときは正規分布で検定 推定を行います () F 分布 (F distributio) 等分散性の検定に用いる分布に F 分布があります ) 定義 分散が等しい正規分布の母集団から 大きさ と大きさ の試料から求めた不偏分散を S S V = V = として -) -) ( ( V V F = とするとき F は自由度 φ =- φ =- の F 分布となります 尚 F ( f, f, a) = F ( f, f, -a) です (α: 信頼度 ) ) 特性 同一の母分散に対する独立な分散の比は F 分布に従います χ χ をそれぞれ自由度 φ φ のカイ二乗分布に従う独立な確率変数とすれば c f F = は F 分布となります c f ある分布 T が t 分布 t() に従うとすれば T は F 分布 ( ) に従います -9-

.5 確率密度 0.5 自由度 4 6 0 自由度 = 0 0 3 4 F 図 3--6 エフ分布 3) 応用 等分散性の検定に用います 第 3 節分布における確率の求め方 統計的手法を用いるためには それぞれの分布における発生確率を求める必要があります 各分布には それぞれ表が用意されています また パソコンの一般的な表計算ソフトであるエクセルには 統計関数が準備されています それぞれの分布について その分布表の使い方 エクセルの統計関数の扱い方について 以下 解説します. 正規分布 () 正規分布表を使う場合始めに規準化します 平均値 0 標準偏差がとなる正規分布に対応するように ( x - m) u = ± s の変換を行い u0 の値を求めます 次に u0 の値での正規分布表の値を見ます その表に示す値が ± から u0 の値までの区間に入る両側の確率となります したがって 片側の確率を求める場合には /とします () エクセルの統計関数を使う場合 統計関数 NORMDIST(x, 平均, 標準偏差, 関数形式 ) を用います ここで -30-

x: 関数に代入する値を指定します 平均 : 対象となる分布の算術平均 ( 相加平均 ) を指定します 標準偏差 : 対象となる分布の標準偏差を指定します 関数形式 : 計算に使用する指数関数の形式を論理値で指定します TRUE を指定すると累積分布関数 FALSE を指定すると確率密度関数の値が計算されます < 例題 > ある自動車の機械部品の長さが平均 6.3cm 標準偏差 3.6cm の分布をしていること がわかっている このとき機械部品の長さが 3.0cm 以上となる確率を求める ( 解答 ) ) 表を使う場合 u0 の値は u0=(3.0-6.3)/3.6=.58 表 3- 正規分布表 ( 片側の確率 ) の値は 0.057 これは u0 までの片側の確率 (u0 ~ の範囲にある確率 ) であるから 求める確率は そのままとなる ) エクセルを使う場合 NORMDIST(x, 平均, 標準偏差, 関数形式 ) として x=3.0 平均 =6.3 標準偏差 =3.6 関数形式 =TRUE( 累積分布関数 ) を入力します 得られる値は 0.9433745 となります 得られた値は - から 3.0cm すなわち 3.0cm 以下となる確率となりますから 3cm 以上となる確率は -0.9433745=0.05667755 となります 表から得られた値とエクセルの統計関数を用いた値は 少し違いがありますが 本来 厳密なものではありませんので この程度の差は問題となることはありません -3-

表 3- 標準正規確率表 ( 片側確率 ) Z 0.00 0.0 0.0 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.0 0.5000 0.4960 0.490 0.4880 0.4840 0.480 0.476 0.47 0.468 0.464 0. 0.460 0.456 0.45 0.4483 0.4443 0.4404 0.4364 0.435 0.486 0.447 0. 0.407 0.468 0.49 0.4090 0.405 0.403 0.3974 0.3936 0.3897 0.3859 0.3 0.38 0.3783 0.3745 0.3707 0.3669 0.363 0.3594 0.3557 0.350 0.3483 0.4 0.3446 0.3409 0.337 0.3336 0.3300 0.364 0.38 0.39 0.356 0.3 0.5 0.3085 0.3050 0.305 0.98 0.946 0.9 0.877 0.843 0.80 0.776 0.6 0.743 0.709 0.676 0.643 0.6 0.578 0.546 0.54 0.483 0.45 0.7 0.40 0.389 0.358 0.37 0.96 0.66 0.36 0.06 0.77 0.48 0.8 0.9 0.090 0.06 0.033 0.005 0.977 0.949 0.9 0.894 0.867 0.9 0.84 0.84 0.788 0.76 0.736 0.7 0.685 0.660 0.635 0.6.0 0.587 0.56 0.539 0.55 0.49 0.469 0.446 0.43 0.40 0.379. 0.357 0.335 0.34 0.9 0.7 0.5 0.30 0.0 0.90 0.70. 0.5 0.3 0. 0.093 0.075 0.056 0.038 0.00 0.003 0.0985.3 0.0968 0.095 0.0934 0.098 0.090 0.0885 0.0869 0.0853 0.0838 0.083.4 0.0808 0.0793 0.0778 0.0764 0.0749 0.0735 0.07 0.0708 0.0694 0.068.5 0.0668 0.0655 0.0643 0.0630 0.068 0.0606 0.0594 0.058 0.057 0.0559.6 0.0548 0.0537 0.056 0.056 0.0505 0.0495 0.0485 0.0475 0.0465 0.0455.7 0.0446 0.0436 0.047 0.048 0.0409 0.040 0.039 0.0384 0.0375 0.0367.8 0.0359 0.035 0.0344 0.0336 0.039 0.03 0.034 0.0307 0.030 0.094.9 0.087 0.08 0.074 0.068 0.06 0.056 0.050 0.044 0.039 0.033.0 0.08 0.0 0.07 0.0 0.007 0.00 0.097 0.09 0.088 0.083. 0.079 0.074 0.070 0.066 0.06 0.058 0.054 0.050 0.046 0.043. 0.039 0.036 0.03 0.09 0.05 0.0 0.09 0.06 0.03 0.00.3 0.007 0.004 0.00 0.0099 0.0096 0.0094 0.009 0.0089 0.0087 0.0084.4 0.008 0.0080 0.0078 0.0075 0.0073 0.007 0.0069 0.0068 0.0066 0.0064.5 0.006 0.0060 0.0059 0.0057 0.0055 0.0054 0.005 0.005 0.0049 0.0048.6 0.0047 0.0045 0.0044 0.0043 0.004 0.0040 0.0039 0.0038 0.0037 0.0036.7 0.0035 0.0034 0.0033 0.003 0.003 0.0030 0.009 0.008 0.007 0.006.8 0.006 0.005 0.004 0.003 0.003 0.00 0.00 0.00 0.000 0.009.9 0.009 0.008 0.008 0.007 0.006 0.006 0.005 0.005 0.004 0.004 3.0 0.003 0.003 0.003 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.000 0.000. カイ二乗分布 () カイ二乗分布表を使う場合 S c = のχ 0 の値を求めます s 発生する確率を設定し χ 0 でのχ 表の値を見ますその値が+ からの χ 0 までの区間の片側の確率です (χ は負の値を取り得ないため 片側の確率となります ) () エクセルの統計関数を使う場合 統計関数 CHIDIST(x, 自由度 ) を用います ここで -3-

x: 関数に代入する値を指定します 自由度 : 対象となる分布の自由度を指定します < 例題 > 母集団の分散 (σ ) が とわかっている場合 試料の大きさ 4 のサンプルで 偏差 平方和 (S)38 となることが確率 0.05 以上であり得るかを調べよ ( 解答 ) ) 表を使う場合 χ0 を求めると χ 0 =38 =3.8 確率 ( 有意水準 )0.05 で自由度 :φ=4-=3 の表 3- のχ 表を見ると 35.7 従って χ 表の値より小さいため発生する確率は 0.05 より大きいと言えます ) エクセルを使う場合 CHIDIST(x, 自由度 ) として x=3.8 自由度 =3 を入力します 得られる値は 0.04375 となります 得られた値は から 3.8 すなわち 3.8 以上となる確率となりますから 3cm 以上となる確率は -0.9433745=0.05667755 となり 発生する確率は 0.05 より大きいと言えます なお このような場合 別の統計関数 CHIINV( 確率, 自由度 ) を使うこともできます この場合 確率 =0.05 自由度 =3 を入力すると 得られる値は 35.746 すなわち χ0 が 35.746 より大きければ 発生する確率は 0.05 より小さい 35.746 より小さければ 発生する確率は 0.05 より大きいとなりますから 確率 0.05 より大きいと言えます 表から得られた値とエクセルの統計関数を用いた値は 少し違いがありますが 本来 厳密なものではありませんので この程度の差は問題となることはありません -33-

表 3- カイ二乗分布表 α ν 0.99 0.98 0.95 0.9 0.8 0.7 0.5 0.3 0. 0. 0.05 0.0 0.0 0.00 0 0 0 0.0 0.06 0.5 0.45.07.64.7 3.84 5.4 6.63 0.83 0.0 0.04 0. 0. 0.45 0.7.39.4 3. 4.6 5.99 7.8 9. 3.8 3 0. 0.8 0.35 0.58.0.4.37 3.66 4.64 6.5 7.8 9.84.34 6.7 4 0.3 0.43 0.7.06.65.9 3.36 4.88 5.99 7.78 9.49.67 3.8 8.47 5 0.55 0.75.5.6.34 3 4.35 6.06 7.9 9.4.07 3.39 5.09 0.5 6 0.87.3.64. 3.07 3.83 5.35 7.3 8.56 0.64.59 5.03 6.8.46 7.4.56.7.83 3.8 4.67 6.35 8.38 9.8.0 4.07 6.6 8.48 4.3 8.65.03.73 3.49 4.59 5.53 7.34 9.5.03 3.36 5.5 8.7 0.09 6. 9.09.53 3.33 4.7 5.38 6.39 8.34 0.66.4 4.68 6.9 9.68.67 7.88 0.56 3.06 3.94 4.87 6.8 7.7 9.34.78 3.44 5.99 8.3.6 3. 9.59 3.05 3.6 4.57 5.58 6.99 8.5 0.34.9 4.63 7.8 9.68.6 4.7 3.6 3.57 4.8 5.3 6.3 7.8 9.03.34 4.0 5.8 8.55.03 4.05 6. 3.9 3 4. 4.77 5.89 7.04 8.63 9.93.34 5. 6.98 9.8.36 5.47 7.69 34.53 4 4.66 5.37 6.57 7.79 9.47 0.8 3.34 6. 8.5.06 3.68 6.87 9.4 36. 5 5.3 5.98 7.6 8.55 0.3.7 4.34 7.3 9.3.3 5 8.6 30.58 37.7 6 5.8 6.6 7.96 9.3.5.6 5.34 8.4 0.47 3.54 6.3 9.63 3 39.5 7 6.4 7.6 8.67 0.09 3.53 6.34 9.5.6 4.77 7.59 3 33.4 40.79 8 7.0 7.9 9.39 0.86.86 4.44 7.34 0.6.76 5.99 8.87 3.35 34.8 4.3 9 7.63 8.57 0..65 3.7 5.35 8.34.69 3.9 7. 30.4 33.69 36.9 43.8 0 8.6 9.4 0.85.44 4.58 6.7 9.34.77 5.04 8.4 3.4 35.0 37.57 45.3 8.9 9.9.59 3.4 5.44 7.8 0.34 3.86 6.7 9.6 3.67 36.34 38.93 46.8 9.54 0.6.34 4.04 6.3 8..34 4.94 7.3 30.8 33.9 37.66 40.9 48.7 3 0..9 3.09 4.85 7.9 9.0.34 6.0 8.43 3.0 35.7 38.97 4.64 49.73 4 0.86.99 3.85 5.66 8.06 9.94 3.34 7. 9.55 33. 36.4 40.7 4.98 5.8 5.5.7 4.6 6.47 8.94 0.87 4.34 8.7 30.68 34.38 37.65 4.57 44.3 5.6 6. 3.4 5.38 7.9 9.8.79 5.34 9.5 3.79 35.56 38.89 4.86 45.64 54.05 7.88 4.3 6.5 8. 0.7.7 6.34 30.3 3.9 36.74 40. 44.4 46.96 55.48 8 3.56 4.85 6.93 8.94.59 3.65 7.34 3.39 34.03 37.9 4.34 45.4 48.8 56.89 9 4.6 5.57 7.7 9.77.48 4.58 8.34 3.46 35.4 39.09 4.56 46.69 49.59 58.3 30 4.95 6.3 8.49 0.6 3.36 5.5 9.34 33.53 36.5 40.6 43.77 47.96 50.89 59.7 40.6 3.84 6.5 9.05 3.34 34.87 39.34 44.6 47.7 5.8 55.76 60.44 63.69 73.4 50 9.7 3.66 34.76 37.69 4.45 44.3 49.33 54.7 58.6 63.7 67.5 7.6 76.5 86.66 60 37.48 39.7 43.9 46.46 50.64 53.8 59.33 65.3 68.97 74.4 79.08 84.58 88.38 99.6 70 45.44 47.89 5.74 55.33 59.9 63.35 69.33 75.69 79.7 85.53 90.53 96.39 00.4.3 80 53.54 56. 60.39 64.8 69. 7.9 79.33 86. 90.4 96.58 0.9 08..3 4.8 90 6.75 64.63 69.3 73.9 78.56 8.5 89.33 96.5 0. 07.6 3. 9.7 4. 37. 00 70.06 73.4 77.93 8.36 87.95 9.3 99.33 06.9.7 8.5 4.3 3. 35.8 49.5 3.t 分布 ()t 分布表を使う場合 ( x - x) t = ± の t 0 の値を求めます ( ) s e t 0 の値でのt 分布表の値を見ます その値が ± からの t 0 の値までの区間に入る両側の確率です () エクセルの統計関数を使う場合統計関数 TDIST(x, 自由度, 尾部 ) を用います ここで x: 関数に代入する値を指定します -34-

自由度 : 対象となる分布の自由度を指定します 尾部 : 片側分布か両側分布を数値で指定します を指定すると片側分布の値が計算されます を指定すると両側分布の値が計算されます < 例題 > ある自動車の機械部品の長さが平均 (μ)6.3cm の分布をしていることがわかっている このとき試料の大きさ ()0 試料標準偏差(s)3.6cm で試料平均 ( x ) が 8.0cm 以上となる確率が 0.05 以上であるかを調べよ ( 解答 ) ) 表を使う場合 t 0 の値は t 0 =(8.0-6.3)/(3.6/ 0)=.493 自由度 :φ=0-=9 確率( 片側有意水準 ):P=0.05 で 表 3-3 t 分布表を見る t 分布表の値は.6 であり t0 より大きい (t0 の方が 確率が大きい ) 従って 試料平均が 8.0cm 以上となる確率は 0.05 より大きい ) エクセルの統計関数を使う場合 TDIST(x, 自由度, 尾部 ) として x=.493 自由度 =9 片側分布なので 尾部 =を入力します 得られる値は 0.0848 となります 得られた値は から 8.0 すなわち 8.0 以上となる確率が 0.0848 ということですから 発生する確率は 0.05 より大きいと言えます なお このような場合 別の統計関数 TINV( 確率, 自由度 ) を使うこともできます ただし TINV は 両側分布の値を示しますから 片側分布の値の場合には その 倍の値を指定します この場合 確率 =0.05 =0.0 自由度 =9 を入力すると 得られる値は.8333 すなわち t0 が.8333 より大きければ 発生する確率は 0.05 より小さい.8333 より小さければ 発生する確率は 0.05 より大きいとなりますから 確率 0.05 より大きいと言えます 表から得られた値とエクセルの統計関数を用いた値は 少し違いがありますが 本来 厳密なものではありませんので この程度の差は問題となることはありません -35-

表 3-3 t 分布表 有意水準 自由度 両側 0. 0.05 0.0 0.0 片側 0.05 0.05 0.0 0.005 6.3.7 3.8 63.66.9 4.30 6.96 9.9 3.35 3.8 4.54 5.84 4.3.78 3.75 4.60 5.0.57 3.36 4.03 6.94.45 3.4 3.7 7.89.36 3.00 3.50 8.86.3.90 3.36 9.83.6.8 3.5 0.8.3.76 3.7.80.0.7 3..78.8.68 3.05 3.77.6.65 3.0 4.76.4.6.98 5.75.3.60.95 6.75..58.9 7.74..57.90 8.73.0.55.88 9.73.09.54.86 0.7.09.53.85.7.08.5.83.7.07.5.8 3.7.07.50.8 4.7.06.49.80 5.7.06.49.79 6.7.06.48.78 7.70.05.47.77 8.70.05.47.76 9.70.05.46.76 30.70.04.46.75 40.68.0.4.70 60.67.00.39.66 0.66.98.36.6 40.65.97.34.60.64.96.33.58-36-

4.F 分布 ()F 分布表を使う場合 F=V /V のF 0 の値を求めます 発生する確率を設定し F 0 でのF 分布表の値を見ますその値が+ からの F 0 までの区間の片側の確率です (Fは負の値を取り得ないため 片側の確率となります ) F 分布表はF>となる値の表であるため該当がない場合は F ( f, f, a) = F ( f, f, -a) で変換して見ます () エクセルの統計関数を使う場合統計関数 FDIST(x, 自由度, 自由度 ) を用います ここで x: 関数に代入する値を指定します 自由度 : 対象となる分布 の自由度 を指定します 自由度 : 対象となる分布 の自由度 を指定します < 例題 > ある母集団から 抜き取ったサンプルが試料の大きさ 6 不偏分散 3 であった 同一の母集団 ( 分散が等しい ) から再度抜き取った試料の大きさ 3 のサンプルの不偏分散が 以下となることが確率 0.05 以上であり得るかを調べよ ( 解答 ) ) 表を使う場合 F 0 =3 =.50 確率 0.05 で自由度 :φ =6-=5 φ =3-= の表 3-4- のF 表を見ると.6 (.6<F< にある確率が 0.05 ) 従って F 表の値より小さいため発生する確率は 0.05 より大きいと言える ) エクセルの統計関数を使う場合 FDIST(x, 自由度, 自由度 ) として x=.50 自由度 =5 自由度 = 指定します 得られる値は 0.0587 となります 得られた値は から.50 すなわち.50 以上となる確率が 0.0587 ということですから 発生する確率は 0.05 より大きいと言えます なお このような場合 別の統計関数 FINV( 確率, 自由度, 自由度 ) を使うこともで きます この場合 確率 =0.05 自由度 =5 自由度 = を指定すると 得られる値は -37-

.6685 すなわち F0 が.6685 より大きければ 発生する確率は 0.05 より小さい.6685 より小さければ 発生する確率は 0.05 より大きいとなりますから 確率 0.05 より大きいと言えます 表から得られた値とエクセルの統計関数を用いた値は 少し違いがありますが 本来 厳密なものではありませんので この程度の差は問題となることはありません 表 3-4- F 分布表 ( 有意水準 α=0.05) 自由度 自由度 3 4 5 6 7 8 9 0 5 0 30 6.4 99.5 5.7 4.6 30. 34 36.8 38.9 40.5 4.9 43 43.9 45.9 48 50. 54.3 8.5 9 9.6 9.5 9.3 9.33 9.35 9.37 9.38 9.4 9.4 9.4 9.43 9.45 9.46 9.5 3 0.3 9.55 9.8 9. 9.0 8.94 8.89 8.85 8.8 8.79 8.76 8.74 8.7 8.66 8.6 8.53 4 7.7 6.94 6.59 6.39 6.6 6.6 6.09 6.04 6 5.96 5.94 5.9 5.86 5.8 5.75 5.63 5 6.6 5.79 5.4 5.9 5.05 4.95 4.88 4.8 4.77 4.74 4.7 4.68 4.6 4.56 4.5 4.36 6 5.99 5.4 4.76 4.53 4.39 4.8 4. 4.5 4. 4.06 4.03 4 3.94 3.87 3.8 3.67 7 5.59 4.74 4.35 4. 3.97 3.87 3.79 3.73 3.68 3.64 3.6 3.57 3.5 3.44 3.38 3.3 8 5.3 4.46 4.07 3.84 3.69 3.58 3.5 3.44 3.39 3.35 3.3 3.8 3. 3.5 3.08.93 9 5. 4.6 3.86 3.63 3.48 3.37 3.9 3.3 3.8 3.4 3. 3.07 3.0.94.86.7 0 4.96 4. 3.7 3.48 3.33 3. 3.4 3.07 3.0.98.94.9.85.77.7.54 4.84 3.98 3.59 3.36 3. 3.09 3.0.95.9.85.8.79.7.65.57.4 4.75 3.89 3.49 3.6 3. 3.9.85.8.75.7.69.6.54.47.3 3 4.67 3.8 3.4 3.8 3.03.9.83.77.7.67.63.6.53.46.38. 4 4.6 3.74 3.34 3..96.85.76.7.65.6.57.53.46.39.3.3 5 4.54 3.68 3.9 3.06.9.79.7.64.59.54.5.48.4.33.5.07 6 4.49 3.63 3.4 3.0.85.74.66.59.54.49.46.4.35.8.9.0 7 4.45 3.59 3..96.8.7.6.55.49.45.4.38.3.3.5.96 8 4.4 3.55 3.6.93.77.66.58.5.46.4.37.34.7.9..9 9 4.38 3.5 3.3.9.74.63.54.48.4.38.34.3.3.6.07.88 0 4.35 3.49 3..87.7.6.5.45.39.35.3.8...04.84 4.3 3.47 3.07.84.68.57.49.4.37.3.8.5.8..0.8 4.3 3.44 3.05.8.66.55.46.4.34.3.6.3.5.07.98.78 3 4.8 3.4 3.03.8.64.53.44.37.3.7.4..3.05.96.76 4 4.6 3.4 3.0.78.6.5.4.36.3.5..8..03.94.73 5 4.4 3.39.99.76.6.49.4.34.8.4..6.09.0.9.7 6 4.3 3.37.98.74.59.47.39.3.7..8.5.07.99.9.69 7 4. 3.35.96.73.57.46.37.3.5..7.3.06.97.88.67 8 4. 3.34.95.7.56.45.36.9.4.9.5..04.96.87.65 9 4.8 3.33.93.7.55.43.35.8..8.4..03.94.85.64 30 4.7 3.3.9.69.53.4.33.7..6.3.09.0.93.84.6 40 4.08 3.3.84.6.45.34.5.8..08.04.9.84.74.5 60 4 3.5.76.53.37.5.7..04.99.95.9.84.75.65.39 0 3.9 3.07.68.45.9.8.09.0.96.9.87.83.75.66.55.5 3.84 3.6.37...0.94.88.83.79.75.67.57.46-38-

表 3-4- F 分布表 ( 有意水準 α=0.0) 自由度 自由度 3 4 5 6 7 8 9 0 5 0 30 405 4999 5403 565 5764 5859 598 598 60 6056 6083 606 657 609 66 6366 98.5 99 99.7 99.5 99.3 99.33 99.36 99.37 99.39 99.4 99.4 99.4 99.43 99.45 99.47 99.5 3 34. 30.8 9.46 8.7 8.4 7.9 7.67 7.49 7.35 7.3 7.3 7.05 6.87 6.69 6.5 6.3 4. 8 6.69 5.98 5.5 5. 4.98 4.8 4.66 4.55 4.45 4.37 4. 4.0 3.84 3.46 5 6.6 3.7.06.39 0.97 0.67 0.46 0.9 0.6 0.05 9.96 9.89 9.7 9.55 9.38 9.0 6 3.75 0.9 9.78 9.5 8.75 8.47 8.6 8. 7.98 7.87 7.79 7.7 7.56 7.4 7.3 6.88 7.5 9.55 8.45 7.85 7.46 7.9 6.99 6.84 6.7 6.6 6.54 6.47 6.3 6.6 5.99 5.65 8.6 8.65 7.59 7.0 6.63 6.37 6.8 6.03 5.9 5.8 5.73 5.67 5.5 5.36 5. 4.86 9 0.56 8.0 6.99 6.4 6.06 5.8 5.6 5.47 5.35 5.6 5.8 5. 4.96 4.8 4.65 4.3 0 0.04 7.56 6.55 5.99 5.64 5.39 5. 5.06 4.94 4.85 4.77 4.7 4.56 4.4 4.5 3.9 9.65 7. 6. 5.67 5.3 5.07 4.89 4.74 4.63 4.54 4.46 4.4 4.5 4. 3.94 3.6 9.33 6.93 5.95 5.4 5.06 4.8 4.64 4.5 4.39 4.3 4. 4.6 4.0 3.86 3.7 3.36 3 9.07 6.7 5.74 5. 4.86 4.6 4.44 4.3 4.9 4. 4.0 3.96 3.8 3.66 3.5 3.7 4 8.86 6.5 5.56 5.04 4.69 4.46 4.8 4.4 4.03 3.94 3.86 3.8 3.66 3.5 3.35 3 5 8.68 6.36 5.4 4.89 4.56 4.3 4.4 4 3.89 3.8 3.73 3.67 3.5 3.37 3..87 6 8.53 6.3 5.9 4.77 4.44 4. 4.03 3.89 3.78 3.69 3.6 3.55 3.4 3.6 3..75 7 8.4 6. 5.8 4.67 4.34 4. 3.93 3.79 3.68 3.59 3.5 3.46 3.3 3.6 3.65 8 8.9 6.0 5.09 4.58 4.5 4.0 3.84 3.7 3.6 3.5 3.43 3.37 3.3 3.08.9.57 9 8.8 5.93 5.0 4.5 4.7 3.94 3.77 3.63 3.5 3.43 3.36 3.3 3.5 3.84.49 0 8. 5.85 4.94 4.43 4. 3.87 3.7 3.56 3.46 3.37 3.9 3.3 3.09.94.78.4 8.0 5.78 4.87 4.37 4.04 3.8 3.64 3.5 3.4 3.3 3.4 3.7 3.03.88.7.36 7.95 5.7 4.8 4.3 3.99 3.76 3.59 3.45 3.35 3.6 3.8 3..98.83.67.3 3 7.88 5.66 4.76 4.6 3.94 3.7 3.54 3.4 3.3 3. 3.4 3.07.93.78.6.6 4 7.8 5.6 4.7 4. 3.9 3.67 3.5 3.36 3.6 3.7 3.09 3.03.89.74.58. 5 7.77 5.57 4.68 4.8 3.85 3.63 3.46 3.3 3. 3.3 3.06.99.85.7.54.7 6 7.7 5.53 4.64 4.4 3.8 3.59 3.4 3.9 3.8 3.09 3.0.96.8.66.5.3 7 7.68 5.49 4.6 4. 3.78 3.56 3.39 3.6 3.5 3.06.99.93.78.63.47. 8 7.64 5.45 4.57 4.07 3.75 3.53 3.36 3.3 3. 3.03.96.9.75.6.44.06 9 7.6 5.4 4.54 4.04 3.73 3.5 3.33 3. 3.09 3.93.87.73.57.4.03 30 7.56 5.39 4.5 4.0 3.7 3.47 3.3 3.7 3.07.98.9.84.7.55.39.0 40 7.3 5.8 4.3 3.83 3.5 3.9 3..99.89.8.73.66.5.37..8 60 7.08 4.98 4.3 3.65 3.34 3..95.8.7.63.56.5.35..03.6 0 6.85 4.79 3.95 3.48 3.7.96.79.66.56.47.4.34.9.03.86.38 6.63 4.6 3.78 3.3 3.0.8.64.5.4.3.5.8.04.88.7-39-