整数の性質 a,b は整数とする a,b が の倍数ならば,a-b は の倍数であることを証明せよ 証明 a,b が の倍数であるから, 整数 k,l を用いて, a=k,b=l と表すことができる よって a-b= k- l=0k-l=(k-l) k-l は整数であるから,a-b は の倍数である 次の式を満たす整数 x,y の組 (x,y) をすべて求めよ () xy=-7 () xy+4x+y= () x は-7 の約数となるから x=±,±7 したがって, 求める組は (x,y)=(,-7),(7,-), (-,7),(-7,) () xy+4x+y= について, (y+4)x+(y+4)-4= から x+ 9 - - -9 (x+)(y+4)=9 y+4 9-9 - - と変形できる x 0 8 - -4-0 x+,y+4 は整数であり, 9 の約数は ±,±,±9 であるから x+= x+= x+ =9 y+4= 9 y+4= y+4= y - - - -7 - x+=- y+4=-9 y+4=- y+4=- x+=- x+=- 9 したがって, 求める組は (x,y)=(0,),(,-),(8,-), (-,-),(-4,-7),(-0,-)
7 個の自然数 4,4,46,467,678,6789,7890 のうち, 次の条件を満たすものをすべて答えよ () の倍数 () の倍数 () 4 の倍数 (4) の倍数 () 9 の倍数 () 7 個の自然数のうち, 一の位の数が偶数であるものは 4,46,678,7890 () 7 個の自然数のうち, 各位の数の和が の倍数であるものは 46,6789,7890 () 7 個の自然数のうち, 下 桁の数が 4 の倍数であるものは 46 (4) 7 個の自然数のうち, 一の位の数が 0 か であるものは 4,7890 () 7 個の自然数のうち, 各位の数の和が 9 の倍数であるものは 46 4 次の問いに答えよ () 次の数を素因数分解せよ 0 4 () 0n が自然数となるような, 最小の自然数 n を求めよ () 0= 7 )0 ) 0 ) 7 4= )4 ) 8 ) 7 ) 9
() 0= )0 )0 0n = n の素因数分解において, それぞれの素因数の指数がすべて偶数になればよいから n= のとき 0n = = したがって, 求める自然数 n は () 次の 数の最大公約数, 最小公倍数を求めよ 0, 9,90 () 次の 数の最大公約数, 最小公倍数を求めよ 4,6,8 8,6,48 () 最大公約数が 7, 最小公倍数が 4 となる つの自然数の組をすべて求めよ (4) 積が 40, 最大公約数が となる つの自然数の組をすべて求めよ () 0= = 最大公約数は 最小公倍数は =0 9= 90= 最大公約数は =9 最小公倍数は =90 () 4= 6= 8= 最大公約数は 最小公倍数は =4 8= 6= 48= 4 最大公約数は =6 最小公倍数は 4 =44
() つの自然数を a,b (a<b) とすると, 最大公約数が 7 であるから a=7a',b=7b' (a',b' は互いに素で a' <b' ) と表すことができる このとき, 最小公倍数が 4 であるから 7a' b' =4 よって a' b' =6 a',b' は互いに素で,a' <b' より (a',b' )=(,6),(,) (a',b' )=(,6) のとき a=7 =7,b=7 6=4 (a',b' )=(,) のとき a=7 =4,b=7 = したがって, 7 と 4,4 と (4) つの自然数を a,b (a<b) とし, 最小公倍数を l, 最大公約数を g とすると,ab=gl が成り立つ 積が 40, 最大公約数が であるから 40= l よって l=90 また,a=a',b=b' (a',b' は互いに素で a' <b' ) と表すと,l=ga' b' から 90=a' b' よって a' b' =8 a',b' は互いに素で,a' <b' より (a',b' )=(,8),(,9) (a',b' )=(,8) のとき a= =,b= 8=90 (a',b' )=(,9) のとき a= =0,b= 9=4 したがって, と 90,0 と 4 6 a,b は整数とする a を 8 で割ると 余り,b を 8 で割ると 余る このとき, 次の式の値を 8 で割ったときの余りを求めよ () a+b () ab 整数 k,l を用いて,a=8k+,b=8l+ と表すことができる () a+b=(8k+)+(8l+)=4k+6+6l+0=8(k+l+) ここで,k+l+ は整数であるから,a+b を 8 で割ったときの余りは 0 である () ab=(8k+)(8l+)=64kl+40k+6l+0=8(8kl+k+l+)+ ここで,8kl+k+l+ は整数であるから,ab を 8 で割ったときの余りは である 4
7 n は整数とする n を 4 で割ったときの余りは 0 か であることを証明せよ 証明 k を整数とすると, すべての整数 n は,4k,4k+,4k+,4k+ のいずれかの形で表される (ⅰ) n=4k のとき n =(4k) =6k =4 4k (ⅱ) n=4k+ のとき n =(4k+) =6k +8k+=4(4k +k)+ (ⅲ) n=4k+ のとき n =(4k+) =6k +6k+4=4(4k +4k+) (ⅳ) n=4k+ のとき n =(4k+) =6k +4k+9=4(4k +6k+)+ よって,n を 4 で割ったときの余りは 0 か である 8 次の 数の最大公約数を求めよ () 7,799 () 667,77 () 799=7 +8 7= 8 4+7 8= 7 したがって, 最大公約数は 7 7 )8 8 0 4 )7 40 7 )799 74 8 右の筆算から計算していく () 77=667 +47 667= 47 +0 47= 0 +07 0= 07 + 07= 9 したがって, 最大公約数は 9 ) 07 07 0 ) 0 07 )47 0 07 )667 47 0 右の筆算から計算していく )77 4 47
9 () 次の方程式の整数解をすべて求めよ x-7y= 4x+9y= () 00 以下の自然数で,8 で割ると 余り, で割ると 6 余るものを求めよ () x-7y= (ⅰ) の 組の整数解は x=,y= であるから -7 = (ⅱ) (ⅰ)-(ⅱ) より (x-)-7(y-)=0 移項すると (x-)=7(y-) と 7 は互いに素であるから,k を整数として x-=7k,y-=k したがって, 整数解は x=7k+,y=k+(k は整数 ) 4x+9y= (ⅰ) 4x+9y= の 組の整数解は x=-,y= であるから 4 (-)+9 = 両辺を 倍すると 4 (-6)+9 = (ⅱ) (ⅰ)-(ⅱ) より 4(x+6)+9(y-)=0 移項すると 4(x+6)=9(-y+) 4 と 9 は互いに素であるから,k を整数として x+6=9k,-y+=4k したがって, 整数解は x=9k-6,y=-4k+(k は整数 ) 別解 4x+9y= の 組の整数解を, 試行錯誤で x=,y=- として解いてもよい このとき, 整数解は x=9k+,y=-4k-(k は整数 ) となる () 求める自然数を n とし,8, で割ったときの商をそれぞれ l,m とすると n=8l+, n=m+6 (ⅰ) n を消去すると 8l+=m+6 これを整理して 8l-m=4 (ⅱ) (ⅱ) の 組の整数解は l=7,m=4 であるから 8 7-4=4 (ⅲ) (ⅱ)-(ⅲ) より 8(l-7)-(m-4)=0 移項すると 8(l-7)=(m-4) 8 と は互いに素であるから,(ⅱ) の整数解は l=k+7,m=8k+4(k は整数 ) (ⅰ) より n=8l+=8(k+7)+=04k+8 n は 00 以下の自然数であるから k=0 したがって, 求める自然数は 8 6
0 () 次の分数を小数で表したとき, 有限小数になるかどうか調べよ 40 00 () 次の数を 0 進数で表せ (4) () 0. () () 次の 0 進数を,[ ] 内で指示された記数法で表せ 0 [ 進法 ] 00 [ 6 進法 ] [ 4 進法 ] 6 () = より, 分母の素因数は のみである よって, 有限小数になる 40 を既約分数で表すと 80 80= 4 より, 分母の素因数は と のみである よって, 有限小数になる 00 を既約分数で表すと 0 0= より, 分母の素因数に と 以外のものがある よって, 有限小数にならない () (4)= 4 + 4+=7 ()= + +=8 0. ()=0+ + = 9 () 0= 0 = ( ) = = ( +) = 4 + = 4 +0 + +0 +0 )0 ) 00 ) 0 ) 0 =000 () 00=6 6+4 =6 (6 +4)+4 =6 +6+4+4 = 6 +4 6+4 6 )00 6 ) 6 4 4 =44 (6) 4+ = 6 4 =0+ + 4 4 =0.(4) 7
研究 0! を計算すると, 末尾に 0 が何個並ぶか ただし,0! は から 0 までのすべての自然数の積を 表す 0! =0 49 48 47 = a b c 7 d (a,b,c,d, は整数 ) 0! を素因数分解したとき, 素因数 の方が素因数 より多く含まれるので,c より a の方が大きい よって 0! = a-c b 7 d ( c c )= a-c b 7 d 0 c 0! を計算したときの末尾に並ぶ 0 の個数は,c に等しい すなわち,0! を素因数分解したときの素因数 の個数と等しい から 0 までの自然数のうち, の倍数は 0 個, の倍数は 6 個, の倍数は 個ある よって,0! は で 0 回割り切れ, その商はさらに で 6 回割り切れ, その商はさらに で 回割り切れる したがって,0! を素因数分解したときの素因数 の個数は 0+6+=7( 個 ) すなわち, 末尾に 0 が 7 個並ぶ 研究 合同式を利用して, 次のものを求めよ () を 7 で割ったときの余り () を で割ったときの余り () = 74 =8 74 であり,8 (mod 7) であるから 8 74 74 (mod 7) したがって, 余りは () (mod ) であるから (mod ) 4 - (mod ) であるから 4 (-) - 4 (mod ) したがって, 余りは 4 8
研究 a,b を自然数とするとき, 次のことを証明せよ () a,b が互いに素 a+b,a+b は互いに素 () 任意の自然数 n に対し,n+4 と 4n+ は互いに素であることを証明せよ ただし,ax+by= を満たす整数 x,y が存在するとき,a,b は互いに素であることは証明なしに用いてもよい 証明 () ( ) 背理法を用いる a,b が互いに素であるとき,a+b,a+b は互いに素でないと仮定する このとき,a+b,a+b はある素数 p を公約数にもつから a+b=pk,a+b=pl (k,l は自然数 ) -から a=pk-pl=p(k-l) - から b=pl-pk=p(l-k) と表すことができる k-l,l-k は整数であるから,a,b はともに p の倍数である このことは,a,b が互いに素であるに矛盾する したがって,a,b が互いに素であるとき,a+b,a+b は互いに素である ( ) 背理法を用いる a+b,a+b が互いに素であるとき,a,b は互いに素でないと仮定する このとき,a,b はある素数 p を公約数にもつから a=pk, b=pl (k,l は自然数 ) と表すことができる このとき a+b=pk+pl=p(k+l),a+b=pk+pl=p(k+l) k+l,k+l は自然数であるから,a+b,a+b はともに p の倍数である このことは,a+b,a+b が互いに素であるに矛盾する したがって,a+b,a+b が互いに素であるとき,a,b は互いに素である () a=n+4,b=4n+,x=4,y=- とすると ax+by=(n+4) 4+(4n+) (-)=n+6-n-= したがって, 自然数 n+4,4n+ に対して,(n+4)x+(4n+)y= を満たす整数 x,y が存在するから, n+4,4n+ は互いに素である 9
研究 4 6 個の整数がある この中からうまく 個選べば, その 個の整数の差は で割り切れることを証明せよ 証明整数を で割ったときの余りは 0,,,,4 のいずれかである すべての整数は で割ったときの余りによって, 次の つの集合に分類される {k k は整数 },{k+ k は整数 },{k+ k は整数 },{k+ k は整数 },{k+4 k は整数 } 与えられた整数は 6 個であるから, 部屋割り論法により同じ集合に属する 個の整数がある この 個の整数の差は で割り切れる 0