本文／０２　渡辺　　　　　　　　００１‐００８

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ともみかいじ
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1 ＫＳｅｒｖｅｒ新潟県厚生農業協同組合本文原第巻９号９著当院における ASC-US atypical squamous cells of undetermined significance 症例からの HPV Human papillomavirus type の検出状況長岡中央綜合病院病理部臨床検査技師病理医おおたきなおやはせがわひでひろとだせい直也長谷川秀浩戸田おおはし大橋たまきたけひ珠紀竹日けんじかたぎり誠二片桐たいしざわ健太石澤目的子宮頸部細胞診検査で ASC-US と判定された症例から PCR-RFLP 法 Polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism によるタイピングで検出された HPV type の状況についてまとめたので報告する方法年月から年月に当院にて子宮頸部細胞診検査を行なった件のうち ASC-US と判定された症例を対象とし PCR 法により HPV-DNA の存在を確認しその後 PCRRFLP 法にてタイピングを行なった結果 ASC-US 症例のうち HPV 陽性は例 HPV 陰性は例であったそのうち high risk group が検出されたのは件であった type 別にみると type が９例 type が例 type が例 typeが例 type が例 type ９が例 type が例 typeが例 type が例であった年代別の HPV 検出率は代が代では代では代では代では代では代ではであったまた年代別の high risk group の検出率は代では代では代では代では代では代では代ではであった結論 ASC-US 症例の約半数が HPV 陽性でありそのうち high risk group がを占めた HPV 検出率 high risk group 検出率共に若い世代では高く代をピークとし代以上からは低くなっていったまた type 別の検出率では type がと一番多く次に type が type がと続いた HPV ワクチンの対象とされている type は合わせても程度であった HPV の分布には地域偏在性があり現行の価および価の HPV 予防ワクチンでは子宮頸癌全体のしか予防できないことが確認できた子宮頸癌の予防には従来の子宮頚部細胞診検査および子宮頸がん検診の重要性は変わらず HPV 検査および HPV タイピングにより的確なfollow upが望めると共に今後予防ワクチンの効果を確認するためにも HPV しげかずたかみつこすぎ丘充小杉いかひさよし久良らしとしひこ重一五十嵐俊彦タイピングの必要性は高くなると考えるキーワード子宮頚部細胞診検査 ASC-US atypical squamous cells of undetermined significance HPV Human papillomavirus タイピング PCR -RFLP 法 Polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism HPV 予防ワクチン緒言ヒトパピローマウイルス Human papillomavirus : HPV は尖形コンジローマや子宮頚部前癌病変とされる子宮頚部上皮内腫瘍 cervical intraepithelial neoplasia : CIN および子宮頸癌の発生に深く関与している DNA ウイルスである HPV は現在種類以上が知られているが尖形コンジローマなどの良性病変から検出される Low risk group 主に type と癌と関連する high risk group 主に type ９に分類されている子宮頚部細胞診の判定方法であるベセスダシステムでは子宮頚部病変を HPV 感染による一連の変化と捉え病変の進行により軽度扁平上皮内病変 lowgrade squamous intraepithelial Lesion : LSIL と高度扁平上皮内病変 high- grade squamous intraepithelial Lesion : HSIL に分類される LSIL は HPV による細胞変化と CINが相当し HSIL には CIN及び CINが相当するまたベセスダシステムには SIL のグレーゾーンともいえる異型扁平上皮細胞 atypical squamous cell : ASC が設けられており ASC-US undetermined significance LSIL を否定できないと ASC -H HSIL を否定できないに分けられる子宮頚部細胞診検査単独で ASC-US と判定された場合 HPV 検査もしくは細胞診やコルポスコピー検査によるヶ月ごとの追跡とされている今回我々は子宮頚部細胞診検査で ASC-US と判定されその後 HPV 検査の依頼があった症例を PCR 法にて HPV-DNA の存在を確認しその後 PCR-RFLR 39

2 ＫＳｅｒｖｅｒ新潟県厚生農業協同組合本文９当院における ASC-US atypical squamous cells of undetermined significance 症例からの HPV Human papillomavirus type の検出状況法によりタイピングされた HPV type の検出状況についてまとめたので報告するた使用した制限酵素と切断された結果確認されるフラグメントの長さについては表に示すまた制限酵素処理の反応液の組成は増幅 HPV-DNA μlについて M Universal bufferμl, Enzymeμl, d-ho μl を加え時間反応させる症例および方法症例年月から年月に当院を受診し子宮頚部細胞診検査 Liquid based cytology : LBC 法によるを行った件のうち ASC-US と判定され臨床より HPV 検査の依頼があった症例を対象とした DNA 抽出子宮頚部細胞診検査に使用した検体採取バイアル BD シュアパスバイアル内の残液ml を ml 用サンプルチューブに採取し遠心分離 rpm min 得られた沈査を mm PBS で洗浄し遠心分離 rpm min する上清を捨て得られた沈査に mg/ml proteasek μl と SDS μl を加え時間にて蛋白分解を行った後フェノールクロロホルム法で DNA を抽出したプライマー HPV の DNA 増幅に用いたプライマーおよび PCR 法による増幅条件 PCR-RFLP 法による HPV タイピングについては長谷川等のパラフィン包埋組織から HPV 解析行った方法に準じた sense pu-m -TGT CAA A AA CCG TTG TGT CC- pu-m-l -TGT CAA AAA CCG TTG TGT CCA GAA GAA AA- anti-sense pu-r -GAG CTG TCG CTT AAT TGC TC- pur-n -TCT GAG TCG CTT AAT TGC TC- これらのプライマーにより増幅される HPV-DNA は HPV の DNA シーケンスから bp- bp の DNA のフラグメントであるなお本プライマーにより増幅される HPV は type ９であり子宮頸癌との関連性が低いとされている type など low risk group に属する HPV をはじめ他のウイルスやヒト DNA とのホモロジーについては否定されている PCR 法 PCR 反応液は μl d-dw μl PCR buffer with mm MgCl μl mm dntp μl pm pu-m μl pm pu-m-l μl pm pur μl pm pu-r-n μl U Ampli Taq Gold, DNA サンプルμl に調整し PCR のサーマルプログラムは９分の hot start を行った後 ① denature９分 ② annealing 分 ③ extension 分をサイクル行った後 Last extension として分伸張させる制限酵素断片長多型 Polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism : PCR-RFLP 法による解析 PCR 法での結果から子宮頸癌関連 HPV-DNA の存在が確認された症例については HPV 各タイプの DNA の配列からそれぞれのタイプについて特徴的であると判断される配列を制限酵素により切断しその電気泳動パターンによりタイピングを行っ結果 ASC-US と判定された症例のうち HPV 陽性は例 HPV 陰性は例であった図 HPV 陽性例のうち high risk group が検出されたのは例であり ASC-US症例のであったまた検討した症例の中には異なる type による多重感染症例が９例あり HPV 陽性例のを占めるものであった尚多重感染症例の感染状況は異なる種類の type が検出された症例が例種類の type が検出された症例が例種類の type が検出された症例が例であった HPV 陽性症例例から検出された HPV の総数は high risk group に属するものは例 low risk group に属するものが例であった type 別にみると high risk group では typeが例 typeが例 typeが例 typeが例 typeが例 type９が例 type が例 typeが例 type が９例であり low risk group は例であった図年代別の HPV 検出率は代が代では９代では代では代では代では代ではであった図また年代別の high risk group の検出率は代では代では代では代では代では代では代ではであった表考察 HPV は子宮頸癌の９以上からウイルス遺伝子が検出され子宮頸癌のリスク因子である事が知られながらも子宮頚癌の診断には細胞診コルポスコピー診組織診の段階を経て確定されておりいずれも形態学的変化を以って現状の状況を確認しているにすぎない細胞診では日母分類に変わりベセスダシステムが導入されたが通常のスクリーニングにおいては HPV の感染を完全には補足し得なかったが米国 FDA が年に子宮頸癌検診に細胞診とともに HPV 検査を併せて行うことを承認したのをきっかけとして本邦においても分子生物学的検出法の導入が望まれ広がりをみせはじめている今回 ASC-US 症例の約半数が HPV 陽性でありそのうちのに high risk group の感染がみられた逆にいえば ASC-US の約は陰性化したと考える事ができその結果は ASC-US のは自然消失するとの報告に一致する ASC-US と判定する場合 LSIL を疑うが異型細胞が少ない異型に乏しい背景に非腫瘍性病変や炎症変性による細胞変化乾燥による核腫大その他の人工的要因を伴う場 40

3 ＫＳｅｒｖｅｒ新潟県厚生農業協同組合本文第巻９号９合が多い旧判定方法である日母分類ではこのような場合 Class Ⅱと判定される事が多いと思われるまた細胞学的分類ではなく ASC-US における high risk group の陽性率と当施設にて検討した病変別の high risk group の陽性率についても比較したところ CIN CINでは陽性率がであるのに対し ASCUS では程度と低く high risk group の陽性率の比較からも ASC-US という判定には CIN 以外にも腫瘍に無関係な変化が含まれていることを示唆するものであった細胞診のみで陰性か SIL かを分類することは完全には不可能である事からあえて不確定グレーゾーン的な判定であるが ASC-US という判定を用いることによって HPV 検査という選択肢をつくりその結果により的確な follow up が望めるようになると考えるならば極めて有効な判定方法であると思われる当院における HPV 検査の結果については HPV 検出率 high risk group 検出率共に若い世代では高く代をピークとし代以上からは低くなっていったまた low risk group の検出率についても同様の結果であり代では検出されなかった HPV 陽性例におけるtype別の検出率ではtypeがと一番多く次に type が type がと続いた HPV ワクチンの対象とされている type については程度の予防効果しか望めないと判断せざるを得ない結果であった当施設では以前 Class Ⅲ a 以上と判定され病理検査に提出された生検材料での HPV を調査したが結果は一番多く検出されたのは typeであったが次いで typeも多く検出されており実際 type については合わせても程度の検出結果であったまた同様に子宮頸部扁平上皮癌９例を southern blot 法で調べたところ type はに過ぎなかったとも報告されている９これは日本では正常から子宮頚癌に至るいずれの病変においても type に次いで多く検出されるのはtype と報告されており type が多い傾向は東アジア地域に共通しており HPV の分布には地域偏在性があるとの報告と一致する結果が得られたまたアジアだけ他の地域に比べ type が少ないとの報告もある今回の結果ではtype は程度であったが本邦においては type を原因とする子宮頸癌はと報告にばらつきがみられ日本国内においても地域偏在性が示唆された今回の検討結果も含め我々が行なった結果から現行の価および価の HPV 予防ワクチンでは予防できる子宮頸癌は期待される程の効果は望めないとした山川等の報告に概ね一致するものであった９年から日本でも HPV 予防ワクチンの接種が始まったが今後も子宮頸癌を予防するためには従来の子宮頚部細胞診検査 HPV 検査および子宮頸がん検診の重要性は変わらないと考えるまた感染している type により子宮頸癌が発症するリスクが異なるとされており typeが検出された場合には HPV が検出されない場合の倍 type が検出された場合は倍とされているこのように type によりリスクが異なるとされている事から感染している HPV の type にあった的確な follow up 行っていくために HPV タイピングは重要でありまた今後の HPV ワクチンの予防効果を確認するためにもその必要性が高くなると考える文献井上正樹産婦治療井上正樹 HPV 感染と子宮頸がん子宮頸がん検診に HPV-DNA 検査の導入産婦治療９小西郁生塩原茂樹頸癌の自然史と再発予知におけるHPV typingの意義臨婦産植田正嗣田路英作野田定子宮頸癌の発生進展と HPV 感染臨床検査子宮がん検診と HPV に関する検討委員会編集執筆子宮頸がん検診とヒトパピローマウイルス Questions & Answers 集東京日本臨床細胞診断学推進協会９頁長谷川秀浩五十嵐俊彦 PCR-RFLP 法による子宮頚癌関連 HPV の同定 Sellors J. Natural History of HPV, AOGIN AOGIN, Asian Oceania research organization on Genital Infections & Neoplasia nd Biennial Conference, September, Philippine. Home-page http : // 長谷川秀浩子宮頚部病変からの HPV-DNA の検出と型別同定平成年度東北臨床検査技師会! 新潟県臨床検査技師会合同生物化学分析部内遺伝子分野研修会 Matsukura T, Sugase M. Human papillomavirus genomes in spuamous cell carcinomas of the uterine cervix Virology ９ Clifford GM et al. Human papillomavirus types in invasive cervical cancer woridwide. a meta-analysis. Br J Cancer. 山川洋光今野良鈴木光明 HPV 感染の関与する子宮頸部の臨床と疫学臨床検査 Miura S et al. Do we need a different strategy for HPV screening and vaccination in East Asia? Int J Cancer ９. Bosch FX et al. Human papillomavirus and cervical cancer-burden and assessmant of causality. J Natl Cancer Inst Monogr. 41 英文抄録 Original article Analysis of HPV Human papillomavirus subtypes from ASC-US atypical squamous cells of undetermined significance cases in our hospital -to disclose the need of the HPV subtyping to prevent cervical carcinomanagaoka Central General Hospital, Department of pathology ; Laboratory technologist Pathologist Naoya Ohtaki Hidehiro Hasegawa Seiji Toda Takamitsu Katagiri Hisayoshi Kosugi Tamaki Ohhashi Kenta Takehi Shigekazu Ishizawa Toshihiko Ikarashi

4 ＫＳｅｒｖｅｒ新潟県厚生農業協同組合本文９当院における ASC-US atypical squamous cells of undetermined significance 症例からの HPV Human papillomavirus type の検出状況 Purpose : The significance of HPV subtyping analysis for ASC-US in cytology was under consideration. We examined HPV-positivity and subtyping by the PCR - RFLP method from ASC-US specimens and reported. Study design: We intended for cases judged to be ASC -US among cases that received an uterine cervical cytological examination in our hospital in December, from January,. These cases were confirmed their presence of the HPV-DNA by PCR, and typed by the PCR - RFLP method subsequently. Results : Among ASC-US cases, cases were positive HPV and cases showed high risk group of HPV. The distribution of HPV subtypes was as follows : type, ９ cases ; type, cases ; type, cases ; type,cases ; type,cases ; type ９, cases; type,cases; type,cases; type, case. The generation detection rate of HPV was s, as follows : the teens, the s,, the s, the s, the s, ; the thes,. Also, the rate of detection of high risk group according to the generation was as follows : the teens, the s, the s, the s, the s, the s, thes, Conclusions : HPV was positive in about half of the ASC -US cases, and high risk group of HPV accounted for HPV positive rate was higher in younger generations and lowered from the fifties. HPV typewas the highest subtype at the rate of detection, and followed type and type. Both type and targeted for the HPV vaccine were in the detection rate. Distribution of the HPV subtypes was regarded as the reginal difference, which prevented only or of the whole cervical cancer by these current values and the tetravalent HPV prevention vaccine. It is still important to perform the conventional cervical cytology with HPV typing to prevent cervical cancer, and HPV subtyping analysis was expected to analyze the efficiency of HPV vaccine. Key words : uterine cervical cytological examination, ASC-US atypical squamous cells of undetermined significance, HPV typing Human papillomavirus typing, PCR - RFLP method Polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism method, HPV prevention vaccine 表制限酵素により切断される HPV-DNA のフラグメントの長さ HPV 増幅全鎖長９ Afa Ⅰ Vpak Ⅱ B Ⅰ / /９９/ / / // /９/ // // 制限酵素 Bgl Ⅱ Acc Ⅰ / / 図 ASC-US件中の HPV 陽性率 42 BmeT Ⅰ /

5 ＫＳｅｒｖｅｒ新潟県厚生農業協同組合本文第巻９号９図 HPV type 別の検出件数図年代別の HPV 検出総数表年代別の high risk group の検出率年齢陽性症例数陽性率代代代代代代代受付 43

TaKaRa PCR Human Papillomavirus Typing Set

研究用 TaKaRa PCR Human Papillomavirus Typing Set 説明書 v201703da 本製品はさまざまなタイプの Human Papillomavirus(HPV) において塩基配列の相同性の高い領域に設定したプライマーを consensus primer として用いることにより HPV の E6 と E7 を含む領域 (228 ~ 268 bp) を共通に PCR

本文／０２ 渡辺 ００１‐００８

本文／０２　渡辺　　　　　　　　００１‐００８